JP2004245030A - ガラス板支持構造 - Google Patents

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隆司 久田
Hideki Uesugi
英樹 上杉
Gakuo Hirashima
岳夫 平島
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Abstract

【課題】 ガラス板を躯体側を補強する強度部材として効率良く活用することができるようにする。
【解決手段】 板面4を鉛直方向に沿わせて、ガラス板6の上下両端部を躯体A側に支持してあるガラス板支持構造であって、躯体側から上下両端部夫々に上下方向の外力を上下両端部の略全域に亘って伝達可能な外力伝達部7と、上下両端部をその板厚方向から挟み込んで、上下両端部における板厚方向の変位を上下両端部の略全域に亘って阻止可能な変位阻止部8とを備えた支持部材9を躯体側に固定して、ガラス板の上下両端部を、支持部材を介して、躯体側に支持してある。
【選択図】 図3

Description

本発明は、板面を鉛直方向に沿わせて、ガラス板の上下両端部を躯体側に支持してあるガラス板支持構造に関する。
従来の上記ガラス板支持構造では、通常、ガラス板の下端部をセッティングブロックなどの硬質の支持部材に載置して、ガラス板を板厚方向の変位も上下方向の変位も許容する状態で躯体側のサッシュ等に支持している(従来から慣用されている技術であり、先行技術文献情報を開示できない)。
このため、躯体側からガラス板の上下両端部に上下方向の外力を伝達することができず、ガラス板を躯体側を補強する強度部材として活用することができない問題がある。
特に、建物床側と建物外壁からその上部に張り出した庇側とに亘って設けてあるガラス板を強度部材として活用して、庇構造の簡素化や軽量化を図りたい場合は、風や地震などによって作用するおそれがある上下方向の圧縮外力等の外力を考慮した支持構造が望まれる。
そこで、図19に示す比較例のように、板面4を上下方向に沿わせたガラス板(ガラスリブ)6の下端部を板厚方向の変位を許容する状態で硬質ゴム等で成型されたセッティングブロックと称する下部支持部材9bに載置して躯体側を構成しているサッシュA等に支持するとともに、ガラス板6の上端部の板厚方向の変位を許容する状態で、その上端面と躯体側を構成しているサッシュA等との間に硬質の上部支持体9aを挟み込んで、ガラス板6の躯体A側に対する上下方向変位を阻止する構造により、躯体A側からガラス板6の上下両端部に上下方向の外力を伝達することができるように構成して、ガラス板6を躯体A側を補強する強度部材として活用できるようにすることが考えられる。
しかしながら、上記比較例によれば、ガラス板6の上下両端部が板厚方向の変位及び傾動を許容するように支持されているために、ガラス板6を上下方向から圧縮する外力が作用した際に、ガラス板6が座屈し易く、強度部材として効率良く活用することができない欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ガラス板を躯体側を補強する強度部材として効率良く活用することができるようにすることを目的とする。
本発明の第1特徴構成は、板面を鉛直方向に沿わせて、ガラス板の上下両端部を躯体側に支持してあるガラス板支持構造であって、前記躯体側から前記上下両端部夫々に上下方向の外力を前記上下両端部の略全域に亘って伝達可能な外力伝達部と、前記上下両端部をその板厚方向から挟み込んで、前記上下両端部における前記板厚方向の変位を前記上下両端部の略全域に亘って阻止可能な変位阻止部とを備えた支持部材を前記躯体側に固定して、前記ガラス板の上下両端部を、前記支持部材を介して、前記躯体側に支持してある点にある。
〔作用及び効果〕
ガラス板の上下両端部を躯体側に支持する支持部材を躯体側に固定し、その支持部材に、躯体側からガラス板の上下両端部夫々に上下方向の外力を上下両端部の略全域に亘って伝達可能な外力伝達部を備えさせてあるので、躯体側から外力伝達部を介してガラス板の上下両端部の略全域に亘って伝達した上下方向の外力を、ガラス板の略全体に作用させることができる。
また、支持部材に、ガラス板の上下両端部をその板厚方向から挟み込んで、上下両端部における板厚方向の変位を上下両端部の略全域に亘って阻止可能な変位阻止部を備えさせてあるので、ガラス板の上下両端部において板厚方向の傾動を略全域に亘って阻止することができ、ガラス板を上下方向から圧縮する外力が作用した際でも、ガラス板が座屈しにくい。
従って、ガラス板を躯体側を補強する強度部材として効率良く活用することができ、例えば、建物床側と建物外壁からその上部に張り出した庇側とに亘って設けてあるガラス板を強度部材として活用して、庇構造の簡素化や軽量化を図ることもできる。
本発明の第2特徴構成は、前記上下両端部夫々の端面に対してその略全域に亘って接当可能な接当部材を設けて、前記外力伝達部を構成してある点にある。
〔作用及び効果〕
上下両端部夫々の端面に対してその略全域に亘って接当可能な接当部材を設けて、躯体側からガラス板の上下両端部夫々に上下方向の外力を上下両端部の略全域に亘って伝達可能な外力伝達部を構成してあるので、上下方向の圧縮外力を上下両端部の端面の略全域に亘って効果的に分散させて、ガラス板の略全体に偏り無く作用させることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記変位阻止部において、前記上下両端部の上下方向に沿う挟み込み代が、前記上下両端部の板厚よりも大きくなるように設けてある点にある。
〔作用及び効果〕
図3に例示するように、変位阻止部8におけるガラス板6の上下両端部の上下方向に沿う挟み込み代dが異なる各種の支持部材9で、ガラス板6の上下両端部を支持して、座屈荷重Pcrを求める座屈試験を行い、その求めた座屈荷重Pcrを使用して、
オイラーの座屈式:Pcr=π2EI/(α22
但し、E:ヤング係数,I:断面二次モーメント,l:ガラス板の上下方向長さ(柱長さ)
における端末条件によって定まる座屈長さ係数αを求めた。
図18は、挟み込み代dとガラス板6の上下両端部の板厚tとの比の値と、求めた座屈長さ係数αとの関係を示している。
図18から分かるように、挟み込み代dが上下両端部の板厚tよりも大きい場合、つまり、挟み込み代dと板厚tとの比の値が1.0を越えると、座屈長さ係数αを略1.0未満の小さい値にすることができ、従って、座屈荷重Pcrを大きくすることができるので、ガラス板6を上下方向から圧縮する外力が作用した際に、ガラス板6が一層座屈しにくい。
尚、挟み込み代dと板厚tとの比の値が8.0を越えると、座屈長さ係数αが上下両端部を略固定端と見なせる0.5に近くなるので、オイラーの座屈式による座屈荷重Pcrを最大限に大きくすることができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
〔第1実施形態〕
図1〜図4は、建物床(躯体)1(A)の外周部と建物外壁からその上部に張り出した庇(躯体)2(A)とに亘って設けたガラスパネル3に、板面4を鉛直方向に沿わせて一側端面をガラスパネル3の内面側にシール材5を介して接続してあるガラスリブ(ガラス板の一例)6の上下両端部を、建物床1側と庇2側との躯体A側に支持してある本発明によるガラス板支持構造を示す。
前記ガラスリブ6は二枚の強化板ガラスGをポリビニルブチラール(PVB)や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの樹脂製シート24を挟んで接合した合わせ板ガラスで構成してあり、図3,図4に示すように、外力伝達部7と変位阻止部8とを夫々備えた上部支持部材9aと下部支持部材9bとからなる支持部材9を、建物床1側と庇2側との躯体A側に固定して、ガラスリブ6の上下両端部を、支持部材9を介して、躯体A側に支持してある。
前記下部支持部材9bは、建物床1側にボルトや溶接などで固定してある横長の箱形下部支持ケース10bの内側に、ガラスリブ6の下端面を載置してその下端面に対して略全域に亘って接当可能なセッティングブロックなどの四角柱形状の下端面緩衝材(接当部材)11b(11)と、ガラスリブ6の下端部の板厚方向の変位を阻止する板状の二枚の板面緩衝材12と、ガラスリブ6の下端部のガラスリブ幅方向の変位を阻止する縦長の二個の側端面緩衝材13とを設けてある。
そして、下部支持ケース10bの内側にガラスリブ6の下端部を入り込ませて、下部支持ケース10bの両側壁に貫通形成してある上下方向に長い長孔14と、各板面緩衝材12に形成してある貫通孔と、ガラスリブ6に形成したボルト挿通孔25に嵌め込んであるブッシュ15とに亘って頭付きボルト16を挿通し、ナット17で締め付けることにより、ガラスリブ6の下端部を下部支持部材9bに固定して、各板面緩衝材12及び各側端面緩衝材13の上部空所に、弾性シール材18を充填してある。
前記下部支持ケース10bはステンレス鋼やアルミ合金などの硬質金属で形成し、下端面緩衝材11bはポリアセタール,ポリアミド,硬質ゴム等で形成し、板面緩衝材12と側端面緩衝材13は、ポリアセタール,ポリアミド,硬質ゴム等の硬質発泡体で形成して、下部支持ケース10bとガラスリブ6との間に強く押し込んである。
前記外力伝達部7は、下部支持ケース10bとその内側に設けた下端面緩衝材11bとで、建物床1側からガラスリブ6の下端部に上下方向の圧縮外力を下端部の略全域に亘って伝達可能に構成するとともに、下部支持ケース10bがガラスリブ6の下端部に対して、長孔14の上縁がボルト16に接当するように変位することによって、ガラスリブ6の下端部に上下方向の引っ張り外力を伝達可能に構成し、変位阻止部8は、下部支持ケース10bとその内側に設けた板面緩衝材12とで、ガラスリブ6の下端部をその板厚方向から挟み込んで、下端部における板厚方向の変位を下端部の略全域に亘って阻止可能に構成してある。
前記上部支持部材9aは、庇2側の梁部材19にボルトや溶接などで固定してある横長下向きの箱形上部支持ケース10aの内側に、ガラスリブ6の上端面と上部支持ケース10aの底板との間に隙間ができないように挟み込んであって、その上端面に対してその略全域に亘って接当可能なセッティングブロックなどの四角柱形状の上端面緩衝材(接当部材)11a(11)と、ガラスリブ6の上端部の板厚方向の変位を阻止する板状の二枚の板面緩衝材12と、ガラスリブ6の上端部のガラスリブ幅方向の変位を阻止する縦長の二個の側端面緩衝材13とを設けてあり、上部支持ケース10aは下部支持ケース10bと同一寸法に形成してある。
そして、上部支持ケース10aの内側にガラスリブ6の上端部を入り込ませて、上部支持ケース10aの両側壁に貫通形成してある上下方向に長い長孔14と、各板面緩衝材12に形成してある貫通孔と、ガラスリブ6に形成したボルト挿通孔25に嵌め込んであって、ポリアセタール,ポリアミド,硬質ゴム,アルミ,銅等のガラスよりも軟らかい材質からなるブッシュ15とに亘って頭付きボルト16を挿通し、ナット17で締め付けることにより、ガラスリブ6の上端部を上部支持部材9aに固定して、各板面緩衝材12及び各側端面緩衝材13の下部空所に、弾性シール材18を充填してある。
前記上部支持ケース10aはステンレス鋼やアルミ合金などの硬質金属で形成し、上端面緩衝材11aは硬質ゴムで形成し、板面緩衝材12と側端面緩衝材13は、ポリアセタールやポリアミド,ナイロン66等の硬質発泡体で形成して、上部支持ケース10aとガラスリブ6との間に強く押し込んである。
前記外力伝達部7は、上部支持ケース10aと上端面緩衝材11aとで、庇2側からガラスリブ6の上端部に上下方向の圧縮外力を上端部の略全域に亘って伝達可能に構成するとともに、上部支持ケース10aがガラスリブ6の上端部に対して、長孔14の下縁がボルト16に接当するように変位することによって、ガラスリブ6の上端部に上下方向の引っ張り外力を伝達可能に構成し、変位阻止部8は、上部支持ケース10aとその内側に設けた板面緩衝材12とで、ガラスリブ6の上端部をその板厚方向から挟み込んで、上端部における板厚方向の変位を上端部の略全域に亘って阻止可能に構成してある。
また、図3に示すように、上部支持部材9a及び下部支持部材9bの変位阻止部8において、板面緩衝材12でガラスリブ6の上下両端部の上下方向に沿う挟み込み代dが、ガラスリブ6の上下両端部の板厚tよりも大きくなるように設けてある。
〔第2実施形態〕
図5,図6は、第1実施形態の別例を示し、ガラスリブ6は、円形貫通孔26を予め設けてある二枚の強化板ガラスGを、それらの円形貫通孔26どうしが連通するように樹脂製シート24を挟んで接合して、各ボルト挿通孔25を設けてあり、各強化板ガラスGの円形貫通孔26の夫々に孔軸周りで回動自在に各別に嵌合した円筒状の二個の偏芯ブッシュ27でブッシュ15を構成し、これらの偏芯ブッシュ27は、図7に示すように、そのボルト孔28の中心X1を偏芯ブッシュ27の中心X2から偏芯させて形成してある。
そして、各強化板ガラスGの円形貫通孔26の各々に同芯状に嵌合した二個の偏芯ブッシュ27を、各偏芯ブッシュ27のボルト孔28どうしが同芯状に連通するように回動させて、それらのボルト孔28に頭付きボルト16を挿通することにより、各円形貫通孔26の軸芯どうしが多少ずれていても、頭付きボルト16とガラスリブ6との間でのブッシュ15を介した外力の伝達をボルト長手方向に沿って略均等に分散させて行えるように構成してある。
前記偏芯ブッシュ27は、ポリアセタール,ポリアミド,硬質ゴム,アルミ,銅等のガラスよりも軟らかい材質で形成してある。
尚、ガラスリブ6の上端部の支持構造を例示して説明したが、ガラスリブ6の下端部の支持構造も同様であるので、その説明は省略する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔第3実施形態〕
図8,図9は、ガラスリブ6の上下両端部を躯体A側に支持する支持部材9の別実施形態を示し、支持部材9を構成している上部支持部材9aも下部支持部材9bも、ケース本体20に一側壁部材21をボルト固定するように構成してある横長の箱形支持ケース(上部支持ケース10a,下部支持ケース10b)の底板部をガラスリブ6の端面に対してその略全域に亘って接当可能なセッティングブロックなどの四角柱形状の端面緩衝材(接当部材)11a,11bを介在させるとともに、接着シート22を介して両板面に板面緩衝材12を接着してあるガラスリブ6の上下両端部を対応するケース本体20の内側に嵌め込み、一側壁部材21をケース本体20にボルト16で締め付け固定して、ガラスリブ6にボルト孔を設けずに、ガラスリブ6の上下両端部を、支持部材9を介して、建物床1側と庇2側とに支持してある。
そして、外力伝達部7は、各支持ケース10a,10bの底板部に介在させた端面緩衝材11a,11bで、躯体A側からガラスリブ6の上下両端部夫々に上下方向の圧縮外力を上下両端部の略全域に亘って伝達可能に構成し、変位阻止部8は、各支持ケース10a,10bとその内側に設けた板面緩衝材12とボルト16とで、ガラスリブ6の上下両端部をその板厚方向から挟み込んで、上下両端部における板厚方向の変位を上下両端部の略全域に亘って阻止可能に構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔第4実施形態〕
図10〜図12は、ガラスリブ6の上下両端部を躯体A側に支持する支持部材9の別実施形態を示し、支持部材9を構成している上部支持部材9aも下部支持部材9bも、コの字状の支持ケース(上部支持ケース10a,下部支持ケース10b)の内側に、ガラスリブ6の端面に対してその略全域に亘って接当可能な四角柱形状の端面緩衝材(接当部材)11a,11bを設けると共に、両板面に板面緩衝材12を接着してあるガラスリブ6の上下両端部を対応する支持ケース10a,10bの内側に入り込ませ、支持ケース10a,10bのガラスリブ板面に沿う遊端部23どうしをボルト16で締め付け固定して、ガラスリブ6にボルト孔を設けずに、ガラスリブ6の上下両端部を、支持部材9を介して、建物床1側と庇2側とに支持してある。
そして、外力伝達部7は、各支持ケース10a,10bと端面緩衝材11a,11bとで、躯体A側からガラスリブ6の上下両端部夫々に上下方向の圧縮外力を上下両端部の略全域に亘って伝達可能に構成し、変位阻止部8は、各支持ケース10a,10bとその内側に設けた板面緩衝材12とボルト16とで、ガラスリブ6の上下両端部をその板厚方向から挟み込んで、上下両端部における板厚方向の変位を上下両端部の略全域に亘って阻止可能に構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔第5実施形態〕
図13は、ガラスリブ6の上下両端部を躯体A側に支持する支持部材9の別実施形態を示し、支持部材9を構成している上部支持部材9aも下部支持部材9bも、支持ケース(上部支持ケース10a,下部支持ケース10b)をコの字状に形成し、ガラスリブ6の上下両端部を対応する支持ケース10a,10bの内側に入り込ませて、支持ケース10a,10bとガラスリブ6の両板面との間に板面緩衝材12を挟み込み、支持ケース10a,10bの左右両遊端部23に形成してあるケースボルト孔29と、各板面緩衝材12に形成してある貫通孔と、ガラスリブ6に形成したボルト挿通孔25に嵌め込んであって、ポリアセタール,ポリアミド,硬質ゴム,アルミ,銅等のガラスよりも軟らかい材質からなるブッシュ15とに亘って頭付きボルト16を挿通し、ナット17で締め付けることにより、ガラスリブ6の上下両端部を、支持部材9を介して、建物床1側と庇2側とに支持してある。
そして、外力伝達部7は、外力伝達経路Fで示すように、各支持ケース10a,10bとボルト16とで、躯体A側からガラスリブ6の上下両端部夫々に上下方向の圧縮外力も引っ張り外力も上下両端部の略全域に亘って伝達可能に構成し、変位阻止部8は、各支持ケース10a,10bとその内側に設けた板面緩衝材12とボルト16とで、ガラスリブ6の上下両端部をその板厚方向から挟み込んで、上下両端部における板厚方向の変位を上下両端部の略全域に亘って阻止可能に構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔第6実施形態〕
図14,図15は、第5実施形態の別例を示し、強化板ガラスGの円形貫通孔26の各々に各別に嵌合した第1偏芯ブッシュ30と、これらの第1偏芯ブッシュ30に亘って一連に内嵌した第2偏芯ブッシュ31とでブッシュ15を構成し、図16(イ)に示すように、第1偏芯ブッシュ30は、円形のブッシュ挿通用貫通孔32の中心X1を第1偏芯ブッシュ30の中心X2から偏芯させて形成してあり、第2偏芯ブッシュ31は、第1偏芯ブッシュ30の二個に一連に挿通可能な長さを備え、図16(ロ)に示すように、ボルト孔28の中心Y1を第2偏芯ブッシュ31の中心Y2から偏芯させて形成してある。
そして、各強化板ガラスGの円形貫通孔26の各々に同芯状に嵌合した二個の第1偏芯ブッシュ30を、それらのブッシュ挿通用貫通孔32どうしが同芯状に連通するように回動させることにより、第2偏芯ブッシュ31を二個の第1偏芯ブッシュ30に亘って一連に内嵌し、更に、第2偏芯ブッシュ31をそのボルト孔28が左右のケースボルト孔29に同芯状に連通するように回動させて、頭付きボルト16を挿通することにより、各円形貫通孔26の軸芯どうしが多少ずれていても、頭付きボルト16とガラスリブ6との間でのブッシュ15を介した外力の伝達をボルト長手方向に沿って略均等に分散させて行えるように構成するとともに、各円形貫通孔26とケースボルト孔29の軸芯どうしが多少ずれていても、頭付きボルト16と上部支持ケース10aとの間での外力の伝達を確実に行えるように構成してある。
前記第1偏芯ブッシュ30及び第2偏芯ブッシュ31は、ポリアセタール,ポリアミド,硬質ゴム,アルミ,銅等のガラスよりも軟らかい材質で形成してある。
尚、ガラスリブ6の上端部の支持構造を例示して説明したが、ガラスリブ6の下端部の支持構造も同様であるので、その説明は省略する。
その他の構成は第5実施形態と同様である。
〔第7実施形態〕
図17は、ガラスリブ6の上下両端部を躯体A側に支持する支持部材9の別実施形態を示し、支持部材9を構成している上部支持部材9aも下部支持部材9bも、支持ケース(上部支持ケース10a,下部支持ケース10b)をコの字状に形成し、ガラスリブ6の上下両端部を対応する支持ケース10a,10bの内側に入り込ませて、支持ケース10a,10bとガラスリブ6の両板面とに亘って板面緩衝材12を接着し、支持ケース10a,10bの左右両遊端部23に形成してあるボルト孔と、各板面緩衝材12に形成してある貫通孔と、ガラスリブ6に形成したボルト挿通孔25に嵌め込んであって、ポリアセタール,ポリアミド,硬質ゴム,アルミ,銅等のガラスよりも軟らかい材質からなるブッシュ15とに亘って頭付きボルト16を挿通し、ナット17で締め付けることにより、ガラスリブ6の上下両端部を、支持部材9介して、建物床1側と庇2側とに支持してある。
そして、外力伝達部7は、外力伝達経路Fで示すように、各支持ケース10a,10bと、支持ケース10a,10bとガラスリブ6の両板面とに接着した板面緩衝材12とで、躯体A側からガラスリブ6の上下両端部夫々に上下方向の圧縮外力も引っ張り外力も上下両端部の略全域に亘って伝達可能に構成し、変位阻止部8は、各支持ケース10a,10bとその内側に設けた板面緩衝材12とボルト16とで、ガラスリブ6の上下両端部をその板厚方向から挟み込んで、上下両端部における板厚方向の変位を上下両端部の略全域に亘って阻止可能に構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔その他の実施形態〕
1.本発明によるガラス板支持構造は、内壁や外壁を形成するガラスパネルの上下両端部を躯体側に支持してあるガラス板支持構造であっても良い。
2.本発明によるガラス板支持構造は、第1〜第5実施形態で示した上部支持部材と下部支持部材とを適宜組み合わせて構成した支持部材を介して、ガラス板の上下両端部を躯体側に支持してあっても良い。
3.本発明によるガラス板支持構造で支持するガラス板は、フロートガラス,強化ガラス,合わせガラス,複層ガラスなどのいずれであっても良く、その品種や構成は限定されない。
ガラス板支持構造の側面図 ガラス板支持構造の斜視図 ガラス板支持構造の一部省略縦断面図 ガラス板支持構造の分解斜視図 第2実施形態を示すガラス板支持構造の一部省略縦断面図 第2実施形態を示すガラス板支持構造の要部分解斜視図 第2実施形態を示す要部正面 第3実施形態を示すガラス板支持構造の一部省略縦断面図 第3実施形態を示すガラス板支持構造の分解斜視図 第4実施形態を示すガラス板支持構造の一部省略縦断面図 第4実施形態を示すガラス板支持構造の要部斜視図 第4実施形態を示すガラス板支持構造の要部分解斜視図 第5施形態を示すガラス板支持構造の一部省略縦断面図 第6実施形態を示すガラス板支持構造の一部省略縦断面図 第6実施形態を示すガラス板支持構造の要部分解斜視図 第6実施形態を示す要部正面 第7実施形態を示すガラス板支持構造の一部省略縦断面図 挟み込み代dとガラス板の上下両端部の板厚tとの比の値と、座屈長さ係数αとの関係を示すグラフ 比較例のガラス板支持構造を示す一部省略縦断面図
符号の説明
4 板面
6 ガラス板
7 外力伝達部
8 変位阻止部
9 支持部材
11 接当部材
A 躯体
d 挟み込み代
t 板厚

Claims (3)

  1. 板面を鉛直方向に沿わせて、ガラス板の上下両端部を躯体側に支持してあるガラス板支持構造であって、
    前記躯体側から前記上下両端部夫々に上下方向の外力を前記上下両端部の略全域に亘って伝達可能な外力伝達部と、前記上下両端部をその板厚方向から挟み込んで、前記上下両端部における前記板厚方向の変位を前記上下両端部の略全域に亘って阻止可能な変位阻止部とを備えた支持部材を前記躯体側に固定して、前記ガラス板の上下両端部を、前記支持部材を介して、前記躯体側に支持してあるガラス板支持構造。
  2. 前記上下両端部夫々の端面に対してその略全域に亘って接当可能な接当部材を設けて、前記外力伝達部を構成してある請求項1記載のガラス板支持構造。
  3. 前記変位阻止部において、前記上下両端部の上下方向に沿う挟み込み代が、前記上下両端部の板厚よりも大きくなるように設けてある請求項1又は2記載のガラス板支持構造。
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