JP2004244938A - 中空材ユニットおよびその設置方法 - Google Patents

中空材ユニットおよびその設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スラブ型枠に手間をかけずに簡単に設置できる中空材ユニットおよびその設置方法を提供することである。
【解決手段】中空材ユニット1は、縦横に適宜間隔をもって配置された中空材2の頂部に載せられた格子状または線状の繋ぎ材4が、下部を中空材2に刺し込んだ埋込アンカー3で取り付けられ、該埋込アンカー3の下部に抜け止用返し8が設けられたことである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は中空材ユニットおよびこの設置方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の中空材としては、特開2002−266457号の発明がある。これは中空材をスラブの上端筋と下端筋との間に設置し、上下に配置した補助筋で拘束するものである。また中空材ユニットの設置方法としては、特願2002−136977号の発明がある。これは中空材をユニット化してスラブの上端筋と下端筋との間に設置するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−266457(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の中空材は下端筋を配筋した後に敷設できるという利点があったが、そのためには中空材の下部を拘束する補助筋を設置する必要があり、かつ中空材を個々に設置するために手間がかかるという問題があった。
また上記の中空材ユニットの設置方法は、上端筋の配筋が中空材ユニットの設置後となるため、中空材ユニットを設置しなければ上端筋の配筋ができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スラブ型枠に手間をかけずに簡単に設置できる中空材ユニットおよびその設置方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための中空材ユニットは、縦横に適宜間隔をもって配置された中空材の頂部に載せられた格子状または線状の繋ぎ材が、下部を中空材に刺し込んだ埋込アンカーで取り付けられ、該埋込アンカーの下部に抜け止用返しが設けられた構成である。
また中空材ユニットは、縦横に適宜間隔をもって配置された中空材の頂部に載せられた格子状または線状の繋ぎ材が、中空材に埋め込まれた補強プレートに結束線で結束されて、中空材に固定された構成である。
さらに、中空材ユニットは、縦横に適宜間隔をもって配置された中空材の上面と下面とに設置された格子状または線状の繋ぎ材が、中空材を貫通した結束線で結束されて、中空材に固定された構成である。
また中空材はカプセル形または球形であることを含み、また繋ぎ材は溶接金網であることを含むものである。
【0007】
また中空材ユニットの設置方法は、縦横に適宜間隔をもって配置された中空材が頂部に設置された格子状または線状の繋ぎ材と、下部側面に突設された突起とで一体的に連結されて形成された中空材ユニットを、スラブ型枠に配筋された上端筋の格子部に押し込んで、前記突起を上端筋で変形させながら上端筋と下端筋との間に設置する構成である。また突起は中央部で上下に切断されたものであることを含み、また突起は一体的に形成され、中央部に分断用の切り込みが設けられたことを含むものである。
【0008】
中空材ユニットの形成において、繋ぎ材が埋設アンカーまたは結束線で中空材に簡単に取り付けられる。またスラブ型枠に格子状の上端筋と下端筋とを配筋した後であっても、上端筋の格子部からこれらの間に中空材ユニットを押し込んで設置することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の中空材ユニットおよびその設置方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。中空材ユニットには4つの実施の形態と、また中空材ユニットの設置方法には2つの実施の形態とがあるが、各実施の形態において同じ構成は同じ符号を付して説明し、異なった構成にのみ異なった符号を付して説明する。
【0010】
図1は第1の実施の形態の中空材ユニット1を示したものである。この中空材ユニット1は、縦横に適宜間隔ごとに設置された中空材2が繋ぎ材4で連結されて構成され、該繋ぎ材4が埋込アンカー3で頂部に固定されている。
【0011】
中空材2は、同図の(2)に示すように、発泡材で成形された中空のカプセル形であり、下部の四側面には、隣接した中空材との距離を一定に保持する突起5が突設されている。また中空材2の頂部には平面十字形の嵌合溝6が形成され、ここに繋ぎ材の交差部7がはめ込まれ、これを跨ぐようにして埋込アンカー3が設置されている。
【0012】
この埋設アンカー3は、両端が互いにずれた状態でU字形に折り曲げ形成されたものであり、下部側には抜け止用返し8が設けられている。したがって、埋設アンカー3は中空材2に簡単に差し込むことができ、かつ差し込んだ後は容易に引き抜けないようになっている。また繋ぎ材4は、縦筋4aと横筋4bとが格子状に溶接された溶接金網が使用されている。
【0013】
また、この埋設アンカー3は繋ぎ材の交差部7でなく、図2に示すように、交差部7から少し離れた箇所に取り付けることもでき、ここに限らず中空材2のどこでも簡単に刺し込むことができるようになっている。
【0014】
図3は第2の実施の形態の中空材ユニット9を示したものである。この中空材ユニット9は中空材2の上下の繋ぎ材4が、中空材の貫通孔10に配線された結束線11で結束されたものであり、これ以外は第1の実施の形態の中空材ユニット1と同じ構成である。なお、この中空材2には突起5はないが、一体的に形成された突起5で連結された中空材2であってもよい。
【0015】
また図4は、繋ぎ材4を中空材2に取り付ける方法を示したものである。はじめに、同図の(1)に示すように、結束線11を上側へ向けた状態で下側の繋ぎ材4の交差部7に取り付ける。次に、同図の(2)に示すように、この結束線11を中空材の貫通孔10に挿入するようにして、下側の繋ぎ材4を中空材2の下部嵌合溝12に嵌め込むと、結束線11の上端部が貫通孔10の上部から突出する。次に、中空材2の上部嵌合溝6に上側の繋ぎ材4をはめ込んで交差部7に束線11を結束すると、上下の繋ぎ材4が中空材2に取り付けられる。
【0016】
図5は第3の実施の形態の中空材ユニット13を示したものである。この中空材ユニット13は中空材2の頂部の繋ぎ材4が、上部中空材14内の補強プレート15に結束線16で結束されたものであり、これ以外は第1の中空材ユニット1と同じ構成である。この補強プレート15は上部中空材14の破壊を防ぐものであり、該上部中空材14には下部中空材17が嵌合されて中空材2が形成されている。
【0017】
図6は第4の実施の形態の中空材ユニット18を示したものである。この中空材ユニット13は中空材2の頂部の繋ぎ材4を線状にしたものであり、これ以外は第1の中空材ユニット1と同じ構成である。また、この線状の繋ぎ材4は複数であってもよく、第2および第3の実施の形態の中空材ユニット9、13にも適用することができる。
【0018】
なお、上記の実施の形態における中空材ユニット1、9、13の中空材2はすべてカプセル形であるが、球形または扁平な球形のものであってもよい。
【0019】
次に、中空材ユニットの設置方法について説明する。図7は第1の実施の形態の設置方法を示したものであり、第1の実施の形態の中空材ユニット1をスラブ型枠に設置するものである。
【0020】
はじめに、図7に示すように、スラブ型枠19に上端筋20aと下端筋20bとを配筋し、これらの間にスペーサー21で設置用スペース22を形成する。この上端筋20aと下端筋20bとは格子状であり、この格子部23が中空材2を押し込むことができる大きさに形成されている。
【0021】
このように上端筋20aと下端筋20bとが配筋された状態で、同図の(2)に示すように、中空材2を格子部23に入れて、中空材ユニット1を下側に押し付けると突起5が上端筋20aに引っ掛かった状態になる。
【0022】
次に、同図の(3)に示すように、中空材ユニット1をさらに下側へ押し付けると、突起5が変形して中空材ユニット1が設置用スペース22に設置される。この中空材ユニット1は繋ぎ材4で上端筋20aに引っ掛けられた状態になっているため、結束線で上端筋20aに結束する。
【0023】
また図8は第2の実施の形態の設置方法を示したものであり、中空材2が一体的な突起24で連結された中空材ユニット25を使用する。この中空材ユニット25は突起24の下側中央部に切り込み26が設けられ、中空材ユニット25に加えられる下側への押し込み力で突起24が切り込み26から切断されて、設置用スペース22への設置を容易にしたものであり、これ以外は第1の実施の形態の設置方法と同じ構成であり、同じ効果を奏するものである。なお、切り込み26は一体的な突起24の上側に設けてもよい。
【0024】
【発明の効果】
中空材を拘束する補助筋などの余分な材を省略することができる。また中空材を簡単に設置することが可能となった。
【0025】
スラブ型枠に上端筋と下端筋とを配筋した状態で中空材ユニットが設置できる。また中空材ユニットを設置しなくても上端筋が配筋できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の中空材ユニットであり、(1)は平面図、(2)は拡大正面図である。
【図2】第1の実施の形態の中空材ユニットであり、(1)は平面図、(2)は拡大正面図である。
【図3】第2の実施の形態の中空材ユニットであり、(1)は平面図、(2)は正面図である。
【図4】第2の実施の形態の中空材ユニットにおいて、繋ぎ材を中空材の上下に取り付ける方法を示したものであり、(1)は結束線を繋ぎ材に取り付けた正面図、(2)は結束線を中空材の貫通孔に差し込んだ正面図である。
【図5】第3の実施の形態の中空材ユニットであり、(1)は平面図、(2)は中空材の断面図、(3)は上部中空材の断面図である。
【図6】第4の実施の形態の中空材ユニットの平面図である。
【図7】第1の実施の形態の中空材ユニットの設置方法を示したものであり、(1)は上端筋と下端筋とをスラブ型枠に配筋した断面図、(2)は中空材ユニットを上端筋に押し込んだ断面図、(3)は中空材ユニットを設置用スペースに設置した断面図である。
【図8】第2の実施の形態の中空材ユニットの設置方法を示したものであり、(1)は上端筋と下端筋とをスラブ型枠に配筋した断面図、(2)は中空材ユニットを上端筋に押し込んだ断面図、(3)は中空材ユニットを設置用スペースに設置した断面図である。
【符号の説明】
1、9、13、18、25 中空材ユニット
2 中空材
3 埋込アンカー
4 繋ぎ材
5、24 突起
6 嵌合溝
7 交差部
8 抜け止用返し
10 貫通孔
11、16 結束線
12 下部嵌合溝
14 上部中空材
15 補強プレート
17 下部中空材
19 スラブ型枠
20a 上端筋
20b 下端筋
21 スペーサー
22 設置用スペース
23 格子部
26 切り込み

Claims (8)

  1. 縦横に適宜間隔をもって配置された中空材の頂部に載せられた格子状または線状の繋ぎ材が、下部を中空材に刺し込んだ埋込アンカーで取り付けられ、該埋込アンカーの下部に抜け防止用返しが設けられたことを特徴とする中空材ユニット。
  2. 縦横に適宜間隔をもって配置された中空材の頂部に載せられた格子状または線状の繋ぎ材が、中空材に埋め込まれた補強プレートに結束線で結束されて、中空材に固定されたことを特徴とする中空材ユニット。
  3. 縦横に適宜間隔をもって配置された中空材の上面と下面とに設置された格子状または線状の繋ぎ材が、中空材を貫通した結束線で結束されて、中空材に固定されたことを特徴とする中空材ユニット。
  4. 中空材はカプセル形または球形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空材ユニット。
  5. 繋ぎ材は溶接金網であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中空材ユニット。
  6. 縦横に適宜間隔をもって配置された中空材が頂部に設置された格子状または線状の繋ぎ材と、下部側面に突設された突起とで一体的に連結されて形成された中空材ユニットを、スラブ型枠に配筋された上端筋の格子部に押し込んで、前記突起を上端筋で変形させながら上端筋と下端筋との間に設置することを特徴とする中空材ユニットの設置方法。
  7. 突起は中央部で上下に切断されたものであることを特徴とする請求項6に記載の中空材ユニットの設置方法。
  8. 突起は一体的に形成され、中央部に分断用の切り込みが設けられたものであることを特徴とする請求項6に記載の中空材ユニットの設置方法。
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