JP2004244908A - 斜張橋における斜吊材の架設方法 - Google Patents

斜張橋における斜吊材の架設方法 Download PDF

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功 森本
Hiroshi Kibe
洋 木部
Akio Kasuga
昭夫 春日
Masaharu Kuwano
昌晴 桑野
Hidenao Honda
英尚 本田
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Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
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Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
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Abstract

【課題】斜張橋において、複数本のストランドが保護管により覆われてなる斜吊材を架設する際の施工性を向上させる。
【解決手段】全44本のストランド18のうち2本のストランド18を先行架設した後、複数の保護管用ユニット26を、主桁14側において1ユニットずつ上記2本のストランド18を覆うように装着して主塔12側へ順次送り出しながら互いに連結することにより保護管20の架設を行い、その後、残り42本のストランド18を保護管20に順次挿通させる。これにより、先行架設したストランド18をガイドとして各保護管用ユニット26の送り出しを行えるようにし、保護管20の架設を容易化する。また、全ストランドを先行架設した後に保護管用ユニットの装着を行う従来の架設方法のように全ストランドの両端部をクランプにより絞り込む必要をなくし、保護管架設後の張力調整をシングルジャッキで容易に行えるようにする。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、斜張橋における斜吊材の架設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に斜張橋は、主塔の橋軸方向両側において、複数対の斜吊材が主塔と主桁との間に架設された構成となっている。そして各斜吊材は、複数本のストランドが保護管により覆われた構成となっている。
【0003】
各斜吊材を架設する方法としては、例えば「特許文献1」および「特許文献2」に記載されているように、保護管を1本目のストランドと共に先行架設した後、この保護管に残りのストランドを順次挿通させるようにして架設する第1の架設方法と、例えば「特許文献2」に記載されているように、すべてのストランドを先行架設した後、これらを覆うようにして保護管を装着する第2の架設方法とが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−6169号公報
【特許文献2】
特開平7−189213号公報
【発明が解決しようとする課題】
上記第1の架設方法においては、保護管を斜吊材の全長と略同じ長さに形成しておく必要があるので施工性が悪く、また架設時に保護管が大きく湾曲してしまうので保護管の材質がポリエチレン等のような可撓性を有するものに限定されてしまう、という問題がある。
【0005】
一方、上記第2の架設方法においては、先行架設されたストランドをガイドとして保護管の架設を行うことができるので、上記のような問題を回避することが可能である。すなわち、保護管を所定長毎に分割してなる複数の保護管用ユニットを、主桁側において1ユニットずつ全ストランドを覆うように装着して主塔側へ順次送り出しながら互いに連結するようにすれば、保護管の材質を任意に選択した上でその架設を行うことが可能となる。
【0006】
しかしながら、この第2の架設方法においては、全ストランドを先行架設した後に保護管用ユニットを装着するようになっているので、全ストランドの両端部をクランプにより絞り込んで各ストランド相互間の隙間をなくしておく必要がある。このため、斜吊材を架設した後の張力調整を各ストランド毎に行うことはできず、センターホールジャッキ等を用いて全ストランドに対して一括して張力調整を行う必要がある。したがって緊張機材が大型化してしまい、主桁内等における再緊張作業が行いにくくなる、という問題がある。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、斜吊材の架設時における施工性を向上させることができる、斜張橋における斜吊材の架設方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、一部のストランドを先行架設した状態で、保護管を複数の保護管用ユニットに分割して架設することにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】
すなわち、本願発明に係る斜張橋における斜吊材の架設方法は、
複数本のストランドが保護管により覆われてなる斜吊材を、主塔と主桁との間に架設する、斜張橋における斜吊材の架設方法において、
上記複数本のストランドのうち一部のストランドを先行架設した後、
上記保護管を所定長毎に分割してなる複数の保護管用ユニットを、上記主桁側において1ユニットずつ上記一部のストランドを覆うように装着して上記主塔側へ順次送り出しながら互いに連結することにより上記保護管を架設し、
その後、上記複数のストランドを構成する残りのストランドを、上記保護管に順次挿通させるようにして架設する、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「斜張橋」の種類は特に限定されるものではなく、通常の斜張橋であってもよいし、主塔側斜材定着部が主塔上部に集中的に配置された比較的主塔高さの低いエクストラドーズド橋等の斜張橋であってもよい。
【0011】
上記「一部のストランド」の本数は特に限定されるものではなく、例えば1〜3本程度に設定することが可能である。また、上記「一部のストランド」として上記複数本のストランドのうちのいずれを選択するか、ということに関しても特に限定されるものではない。
【0012】
上記「保護管用ユニット」は、上記一部のストランドを覆うように装着することが可能なものであれば、その断面形状や材質等の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0013】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願発明に係る斜張橋における斜吊材の架設方法は、複数本のストランドのうち一部のストランドを先行架設した後、複数の保護管用ユニットを主桁側において1ユニットずつ上記一部のストランドを覆うように装着して主塔側へ順次送り出しながら互いに連結することにより保護管を架設し、その後、残りのストランドを保護管に順次挿通させるようにして架設するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0014】
すなわち、先行架設されたストランドをガイドとして各保護管用ユニットの送り出しを行うことができるので、保護管の架設を容易に行うことができる。また、このようにして架設された保護管をガイドとして残りのストランドの架設も容易に行うことができる。そしてこれにより、斜吊材の架設時における施工性を向上させることができる。
【0015】
しかも、このように先行架設されたストランドをガイドとして保護管用ユニットの送り出しを行う構成とすることにより、全ストランドを先行架設した後に保護管用ユニットの装着を行う従来の架設方法のように全ストランドの両端部をクランプにより絞り込む必要がなくなるので、保護管架設後の張力調整をシングルジャッキで容易に行うことが可能となる。したがって、この点においても施工性を向上させることができる。
【0016】
このように本願発明によれば、斜吊材の架設時における施工性を向上させることができる。
【0017】
しかも本願発明においては、従来の架設方法のように各ストランド相互間の隙間をなくす必要はなく、各ストランドを離散的に配置することができるので、従来のように斜吊材の中間部に中間スペーサを設ける必要もなくなり、その分だけ保護管のコストダウンを図ることができる。
【0018】
上記構成において、各保護管用ユニットとして、その軸線方向に延びる分割線を有する1つ割管を用いるようにすれば、先行架設されたストランドに対する装着を容易に行うことができ、これにより2つ割管等を用いるようにした場合に比して装着作業の効率化を図ることができる。
【0019】
このようにした場合には、先行架設されたストランドに1つ割管を装着した後その周方向両端部を接合することにより保護管用ユニットを製作することとなるが、このときの接合方法は特に限定されるものではなく、例えば、1つ割管がステンレス鋼管の場合には防水リベット等による接合、ポリエチレン管の場合には突合せ溶着等による接合、繊維強化プラスチック管の場合には突合せ接着等による接合が採用可能である。
【0020】
その際、1つ割管を繊維強化プラスチック管で構成し、その周方向両端部を軸線方向に延びる分割線に沿って重ね合わせて接着剤および防水リベットで接合することにより保護管用ユニットを製作するようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、接着剤を用いた重合せ接合を採用することにより、十分な遮水性を確保することができる。そして、防水リベットを併用して接合することにより、接着剤が硬化するのを待つことなく保護管用ユニットの送り出しを行うことが可能となるので、施工性をより向上させることができる。
【0022】
また、このように重合せ接合を採用することにより、1つ割管の周方向両端部の重ね合わせ代を調整することが可能となるので、保護管用ユニットの管径をフレキシブルに調整することが可能となり、これにより1つ割管の金型製作コストを低減することができる。
【0023】
なお、上記「防水リベット」とは、装着時にリベットとリベット孔との間に形成される隙間を塞いで水密を図ることができる構造を有するリベットを意味するものである。
【0024】
ところで、上記「一部のストランド」として、上記複数本のストランドにおいて最上段の左右両端部に位置する1対のストランドを選択するようにすれば、少ない本数のストランドで保護管用ユニットを安定的に支持することができるので、保護管用ユニットの送り出しをスムーズに行うことができ、これにより施工性をより一層向上させることができる。
【0025】
この場合において、各保護管用ユニットの内周面に、上記1対のストランドと係合する係合用凹部が形成された1対のガイドブロックを固定しておくようにすれば、保護管用ユニットがその周方向に不用意に回転してしまうのを容易に防止することができるので、保護管用ユニットの送り出しを一層スムーズに行うことができ、これにより施工性をさらに一層向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1〜8は、本願発明の一実施形態に係る斜張橋における斜吊材の架設方法を示す工程図である。
【0028】
図8に示すように、本実施形態に係る架設方法の対象となる斜張橋は、エクストラドーズド橋であって、完成時には、主塔12の橋軸方向両側に10対の斜吊材16が上下10段にわたって架設されるようになっている。これら各斜吊材16は、44本のストランド18が保護管20により覆われてなり、主塔12の上部に配置された主塔側定着部22と、主桁14における主塔12の橋軸方向両側に配置された主桁側定着部24との間に斜めに架設されるようになっている。
【0029】
上記各斜吊材16の架設は、いずれも同様にして行われるようになっている。すなわち、全44本のストランド18のうち2本のストランド18を先行架設した後、保護管20を所定長毎に分割してなる複数の保護管用ユニット26を、主桁14側において1ユニットずつ上記2本のストランド18を覆うように装着して主塔12側へ順次送り出しながら互いに連結することにより保護管20を架設し、その後、残り42本のストランド18を保護管20に順次挿通させるようにして架設することにより、各斜吊材16の架設が行われるようになっている。
【0030】
以下、各斜吊材16の具体的な架設工程を、主塔12の橋軸方向左側の最下段に位置する斜吊材16を例にとって説明する。
【0031】
まず、図1に示すように、移動作業車102を用いて途中まで張出架設された主桁14の上面に、アンリーラ106、ウインチ108、滑車110および養生マット112を設置するとともに、主塔12に沿って構築された足場104の上端部に滑車114を設置し、ウインチ108から引上げ用ワイヤロープ116を引き出して滑車114に巻き掛けておく。そして、アンリーラ106からストランド18を引き出して、その先端部に近い位置で2個のクランプ118により引上げ用ワイヤロープ116の先端部に取り付ける。その後、主塔側定着部22の鋼管28に挿通配置されたガイドワイヤ120にストランド18の先端部を接続して、このストランド18の先端部を主塔側定着部22の鋼管28内に押し込んで定着具30に定着した後、クランプ118を取り外す。
【0032】
次に、図2に示すように、アンリーラ106から斜吊材16の全長に対応する長さのストランド18を引き出して切断した後、その後端部から少し離れた位置でストランド18をクランプ122により引込み用ワイヤロープ124に取り付け、この引込み用ワイヤロープ124を移動作業車102に連結されたチルホール126により引き込む。そして、主桁側定着部24の鋼管32に挿通配置されたガイドワイヤ128にストランド18の後端部を接続する。
【0033】
次に、図3に示すように、チルホール126により引込み用ワイヤロープ124をさらに引き込んで、ストランド18の後端部を主桁側定着部24の鋼管32内に押し込む。そして、この主桁側定着部24において、ストランド18の後端部にジャッキノーズ130およびシングルジャッキ132をセットし、ストランド18を緊張するとともに定着具34に定着する。そしてこれにより1本目のストランド18の架設・緊張を完了させる。そして、図1〜3の工程を繰り返すことにより、2本目のストランド18についても同様の架設・緊張を行う。このとき、1本目および2本目のストランド18として、44本のストランドにおいて最上段の左右両端部に位置する1対のストランドを選択する。この点については後述する。
【0034】
次に、図4に示すように、主桁14の上面に単管足場134を組み立て、この単管足場134において、先行架設された2本のストランド18における主桁側定着部24の近傍部位に1個目の保護管用ユニット26を装着する。そして、1段上の主塔側定着部22の鋼管28に設置された滑車114に引上げ用ワイヤロープ116を巻き掛けておき、この引上げ用ワイヤロープ116を保護管用ユニット26の先端部に接続して、ウインチ108により主塔12側へ所定量引き上げる。その後、この保護管用ユニット26の後端部に2個目の保護管用ユニット26の先端部を連結して、ウインチ108により主塔12側へ所定量引き上げる。3個目以降の保護管用ユニット26についても同様に連結して、主塔12側へ順次送り出す。各保護管用ユニット26は、3m程度の長さを有する繊維強化プラスチック製の1つ割管を用いて製作する。この点についても後述する。
【0035】
次に、図5に示すように、最下段の主塔側定着部22のやや下方位置に作業足場136を設置する。そして、一連の保護管用ユニット26を、その先頭に位置する保護管用ユニット26の先端部が主塔側定着部22の鋼管28から3m程度の位置に近づくまで送り出した状態で、その先端部に玉掛け用ワイヤロープ138を取り付けて仮固定する。この玉掛け用ワイヤロープ138は、1段上の主塔側定着部22の鋼管28に取り付けておく。その後、主桁14の上面に、ドラム受け台140およびプッシングマシン142を設置するとともに、このプッシングマシンから最下段の主塔側定着部22近傍まで延びるガイドパイプ144を設置する。そして、ドラム受け台140に支持されたドラム146に巻回されたストランド18を、プッシングマシン142でガイドパイプ144に沿って送り出す。このときガイドパイプ144の先端部から出てきたストランド18の先端部に赤玉148を取り付けた後、このストランド18の先端部を一連の保護管用ユニット26内に挿入し、さらにプッシングマシン142で送り出す。ストランド18の先端部が最後尾に位置する保護管用ユニット26から出てきたら、赤玉148を取り外し、ストランド18の先端部を主桁側定着部24の鋼管32に挿通配置されたガイドワイヤ128に接続し、ストランド18の先端部を主桁側定着部24内まで送り込む。
【0036】
次に、図6に示すように、一連の保護管用ユニット26の主塔側端部近傍において、ストランド18にクランプ150を取り付けた後、該ストランド18を主塔側定着部22近傍において切断し、このストランド18の主塔側端部をガイドワイヤ152に接続する。このガイドワイヤ152は、1段上の主塔側定着部22の鋼管28に設置された滑車114に巻き掛けておき、主塔側定着部22の近傍に設置された手巻きウインチ154でこのガイドワイヤ152を巻き上げて、ストランド18の主塔側端部を主塔側定着部22の鋼管28内に押し込んで定着具30に定着した後、クランプ150を取り外す。なお、玉掛け用ワイヤロープ138は、2段上の主塔側定着部22の鋼管28に付け替えておく。
【0037】
次に、図7に示すように、主桁側定着部24において、ストランド18の後端部にジャッキノーズ130およびシングルジャッキ132をセットし、ストランド18を緊張するとともに定着具34に定着する。そしてこれにより3本目のストランド18の架設・緊張を完了させる。そして、図5〜7の工程を繰り返すことにより、4本目以降44本目までのストランド18についても同様の架設・緊張を行う。
【0038】
最後に、図8に示すように、一連の保護管用ユニット26を、その先頭に位置する保護管用ユニット26の先端部が主塔側定着部22の鋼管28に近接する位置まで引き上げた状態で、ステンレス鋼製の固定用ワイヤ36を介して定着具30に固定する。そして、一連の保護管用ユニット26の最後尾に保護管用ユニット26を1つ追加連結して保護管20を完成させる。
【0039】
このようにして保護管20を完成させた後、図8のIX部詳細図である図9に示すように、保護管20の主塔側端部に、該保護管20と主塔側定着部22の鋼管28とに跨るようにして防水カバー38を取り付ける一方、図8のX部詳細図である図10に示すように、保護管20の主桁側端部に調整用ユニット42を連結するとともに、この調整用ユニット42と主桁側定着部24の鋼管32とに跨るようにして防水カバー40を取り付ける。そしてこれにより、斜吊材16の全長にわたって44本のストランド18を完全に覆うようにして遮水性の万全を図る。
【0040】
上記調整用ユニット42は、保護管用ユニット26と同様の構成を有しているが、保護管用ユニット26よりも短尺に形成されている。なお、この調整用ユニット42は、保護管20の主桁側端部と主桁側定着部24の鋼管32との間隔を埋めるために設けられるものであって、架設対象となる斜吊材16の全長に応じてその長さが設定されている。
【0041】
次に、各保護管用ユニット26の詳細構造について説明する。
【0042】
図11は、図8のXI部詳細図であり、図12は、図11のXII−XII 線断面詳細図である。
【0043】
すでに述べたように、各保護管用ユニット26は維強化プラスチック製の1つ割管50を用いて製作されるが、これら各保護管用ユニット26は、1つ割管50の周方向両端部50a、50bを、その軸線方向に延びる分割線50cに沿って重ね合わせて接着剤52および防水リベット54で接合することにより製作されるようになっている。
【0044】
接着剤52による接合は、周方向両端部50a、50bの重ね合わせ代の全域にわたって接着剤52を塗布することによって行われるようになっている。一方、防水リベット54による接合は、予め接着剤52を塗布した状態で、軸線方向の複数箇所(具体的には中央部および両端部近傍部位の3箇所)において行われるようになっている。この防水リベット54による接合は、1つ割管50の周方向両端部50a、50bに予めリベット孔50d、50eを形成しておき、両リベット孔50d、50eを位置合わせした状態で、防水リベット54を1つ割管50の外周側から両リベット孔50d、50eに挿入して装着固定することによって行われるようになっている。
【0045】
図12に示すように、44本のストランド18は、互いに所定間隔をおいて上下7段の六角形配置で架設されるようになっている。これら各ストランド18には、防錆表面処理(例えば亜鉛メッキ)が施されるとともに合成樹脂被覆(例えばポリエチレン被覆)が施されている。
【0046】
各保護管用ユニット26の内周面には、最上段の左右両端部に位置する1対のストランド18(すなわち先行架設された2本のストランド18)の各々に対して斜め上方側から係合する1対のガイドブロック56が固定されている。これら各ガイドブロック56は、合成樹脂製(例えばポリエチレン製)のブロックであって、ストランド18と係合するための係合用凹部56aが形成されており、この係合用凹部56aの底部において防水リベット58により保護管用ユニット26に固定されている。その際、1つ割管50の周方向両端部50a、50bのうち外周側に位置する周方向端部50bが下向きとなり、かつ分割線50cが保護管用ユニット26の中心軸線のやや上方に位置するよう、各ガイドブロック56の保護管用ユニット26に対する周方向の固定位置が設定されている。
【0047】
また、各保護管用ユニット26の内周面には、左右の下部両側に位置するストランド18に斜め下方から当接する1対のスペーサ60が固定されている。これら各スペーサ60も、合成樹脂製(例えばポリエチレン製)であって、そのリベット固定用凹部60aの底部において防水リベット62により保護管用ユニット26に固定されている。
【0048】
図11に示すように、各ガイドブロック56は、各保護管用ユニット26の軸線方向中央部において該保護管用ユニット26に固定されており、各スペーサ60は、各保護管用ユニット26の軸線方向両端部において該保護管用ユニット26に固定されている。
【0049】
各保護管用ユニット26の主桁側端部26aは、他の部分よりも略肉厚分だけ大径に形成されており、これにより各保護管用ユニット26相互間の連結を容易に行い得るようになっている。この連結は、前後1対の保護管用ユニット26の端部を接着剤および防水リベットで接合することにより行われるようになっている。その際、防水リベットによる接合は、各スペーサ60を前後1対の保護管用ユニット26の両方に跨るように配置して、これらを両保護管用ユニット26の各端部に防水リベット62で固定することによって行われるようになっている。
【0050】
図9に示すように、保護管20の先頭に位置する保護管用ユニット26の主塔側端部には、先端フランジ部材64が固定されており、この先端フランジ部材64の主桁側には、保護管固定クランプ66が該先端フランジ部材64と隣接して固定されている。
【0051】
先端フランジ部材64の固定は、先行架設された2本のストランド18に保護管用ユニット26を装着した直後に、繊維強化プラスチック製の1つ割管を、接着剤を介して保護管用ユニット26の主塔側端部に装着するとともに、その周方向複数箇所(例えば3箇所)において防水リベット68で保護管用ユニット26に接合することにより行われるようになっている。
【0052】
一方、保護管固定クランプ66の固定は、内周面にゴム被覆が施されたステンレス鋼製の2つ割管を保護管用ユニット26の主塔側端部に上下両側から装着して互いにボルト締めすることにより行われるようになっている。この保護管固定クランプ66の上端部両側には、1対のシャックル係止用ブラケット66aが設けられている。そして、保護管20の架設完了時には、これら各シャックル係止用ブラケット66aにシャックル70を介して固定用ワイヤ36が取り付けられた状態となっている。
【0053】
以上詳述したように、本実施形態に係る斜張橋における斜吊材の架設方法は、全44本のストランド18のうち2本のストランド18を先行架設した後、複数の保護管用ユニット26を主桁14側において1ユニットずつ上記2本のストランド18を覆うように装着して主塔12側へ順次送り出しながら互いに連結することにより保護管20を架設し、その後、残り42本のストランド18を保護管20に順次挿通させるようにして架設するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0054】
すなわち、先行架設されたストランド18をガイドとして各保護管用ユニット26の送り出しを行うことができるので、保護管20の架設を容易に行うことができる。また、このようにして架設された保護管20をガイドとして残りのストランド18の架設も容易に行うことができる。そしてこれにより、斜吊材16の架設時における施工性を向上させることができる。
【0055】
しかも、このように先行架設されたストランド18をガイドとして保護管用ユニット26の送り出しを行う構成とすることにより、全ストランドを先行架設した後に保護管用ユニットの装着を行う従来の架設方法のように全ストランドの両端部をクランプにより絞り込む必要がなくなるので、保護管架設後の張力調整をシングルジャッキ132で容易に行うことが可能となる。したがって、この点においても施工性を向上させることができる。
【0056】
本実施形態においては、従来の架設方法のように各ストランド相互間の隙間をなくす必要はなく、各ストランド18を離散的に配置することができるので、従来のように斜吊材の中間部に中間スペーサを設ける必要もなくなり、その分だけ保護管20のコストダウンを図ることができる。
【0057】
また本実施形態においては、各保護管用ユニット26として、その軸線方向に延びる分割線50cを有する1つ割管50を用いるようになっているので、先行架設されたストランド18に対する装着を容易に行うことができ、これにより2つ割管等を用いるようにした場合に比して装着作業の効率化を図ることができる。
【0058】
その際、本実施形態においては、1つ割管50を繊維強化プラスチック管で構成し、その周方向両端部50a、50bを分割線50cに沿って重ね合わせて接着剤52および防水リベット54で接合することにより保護管用ユニット26を製作するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0059】
すなわち、接着剤52を用いた重合せ接合を採用することにより、十分な遮水性を確保することができる。そして、防水リベット54を併用して接合することにより、接着剤52が硬化するのを待つことなく保護管用ユニット20の送り出しを行うことが可能となるので、施工性をより向上させることができる。
【0060】
また、このように重合せ接合を採用することにより、1つ割管50の周方向両端部50a、50bの重ね合わせ代を調整することが可能となるので、保護管用ユニット26の管径をフレキシブルに調整することが可能となり、これにより1つ割管50の金型製作コストを低減することができる。なお、この重ね合わせ代の調整は、周方向両端部50a、50bにおけるリベット孔50d、50eの形成位置を周方向に適宜ずらすことによって行うことができる。
【0061】
本実施形態においては、先行架設するストランド18として、44本のストランド18において最上段の左右両端部に位置する1対のストランド18を選択するようになっているので、少ない本数のストランド18で保護管用ユニット26を安定的に支持することができる。そしてこれにより、保護管用ユニット26の送り出しをスムーズに行うことができ、施工性をより一層向上させることができる。
【0062】
しかも、このように先行架設するストランド18として少ない本数のストランド18を選択することにより、本実施形態のように1つ割管50を用いて保護管用ユニット26を製作するようにした場合においても、先行架設されたストランド18に対して保護管用ユニット26を装着する際、1つ割管50の周方向両端部50a、50bを大きく開く必要がなくなる。このため、本実施形態のように1つ割管50を可撓性に乏しい繊維強化プラスチック管で構成した場合においても、保護管用ユニット26の装着を無理なく容易に行うことができる。
【0063】
また本実施形態においては、各保護管用ユニット26の内周面に、先行架設された1対のストランド18と係合する係合用凹部56aが形成された1対のガイドブロック56を固定するようになっているので、保護管用ユニット26がその周方向に不用意に回転してしまうのを容易に防止することができる。そしてこれにより、保護管用ユニット26の送り出しを一層スムーズに行うことができ、施工性をさらに一層向上させることができる。
【0064】
さらに本実施形態においては、各保護管用ユニット26の内周面に、左右の下部両側に位置するストランド18に対して斜め下方から当接する1対のスペーサ60を固定するようになっているので、44本のストランド18を保護管用ユニット26内の所定位置に確実に保持することができる。その際、これら各スペーサ60は小さなブロック状に形成すれば足り、従来の斜吊材中間部に設けられる中間スペーサのように全ストランドを囲むように設ける必要はないので、これらスペーサ60を設けたことにより保護管20のコストが大きく上昇してしまうことはない。
【0065】
なお上記実施形態においては、各斜吊材16を構成するストランド18の本数が44本であるものとして説明したが、これ以外の本数である場合においても上記実施形態と同様の構成を採用することにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることができることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る斜張橋における斜吊材の架設方法を示す工程図(その1)
【図2】上記実施形態に係る架設方法を示す工程図(その2)
【図3】上記実施形態に係る架設方法を示す工程図(その3)
【図4】上記実施形態に係る架設方法を示す工程図(その4)
【図5】上記実施形態に係る架設方法を示す工程図(その5)
【図6】上記実施形態に係る架設方法を示す工程図(その6)
【図7】上記実施形態に係る架設方法を示す工程図(その7)
【図8】上記実施形態に係る架設方法を示す工程図(その8)
【図9】図8のIX部詳細図
【図10】図8のX部詳細図
【図11】図8のXI部詳細図
【図12】図11のXII−XII 線断面詳細図
【符号の説明】
12 主塔
14 主桁
16 斜吊材
18 ストランド
20 保護管
22 主塔側定着部
24 主桁側定着部
26 保護管用ユニット
26a 主桁側端部
28、32 鋼管
30、34 定着具
36 固定用ワイヤ
38、40 防水カバー
42 調整用ユニット
50 1つ割管
50a、50b 周方向両端部
50c 分割線
50d、50e リベット孔
52 接着剤
54、58、62、68 防水リベット
56 ガイドブロック
56a 係合用凹部
60 スペーサ
60a リベット固定用凹部
64 先端フランジ部材
66 保護管固定クランプ
66a シャックル係止用ブラケット
70 シャックル
102 移動作業車
104 足場
106 アンリーラ
108 ウインチ
110、114 滑車
112 養生マット
116 引上げ用ワイヤロープ
118、122、150 クランプ
120、128、152 ガイドワイヤ
124 引込み用ワイヤロープ
126 チルホール
130 ジャッキノーズ
132 シングルジャッキ
134 単管足場
136 作業足場
138 玉掛け用ワイヤロープ
140 ドラム受け台
142 プッシングマシン
144 ガイドパイプ
146 ドラム
148 赤玉
154 手巻きウインチ

Claims (5)

  1. 複数本のストランドが保護管により覆われてなる斜吊材を、主塔と主桁との間に架設する、斜張橋における斜吊材の架設方法において、
    上記複数本のストランドのうち一部のストランドを先行架設した後、
    上記保護管を所定長毎に分割してなる複数の保護管用ユニットを、上記主桁側において1ユニットずつ上記一部のストランドを覆うように装着して上記主塔側へ順次送り出しながら互いに連結することにより上記保護管を架設し、
    その後、上記複数のストランドを構成する残りのストランドを、上記保護管に順次挿通させるようにして架設する、ことを特徴とする斜張橋における斜吊材の架設方法。
  2. 上記各保護管用ユニットとして、該保護管用ユニットの軸線方向に延びる分割線を有する1つ割管を用いる、ことを特徴とする請求項1記載の斜張橋の主塔構築方法。
  3. 上記1つ割管を繊維強化プラスチック管で構成し、該1つ割管の周方向両端部を上記分割線に沿って重ね合わせて接着剤および防水リベットで接合することにより上記保護管用ユニットを製作する、ことを特徴とする請求項2記載の斜張橋の主塔構築方法。
  4. 上記一部のストランドとして、上記複数本のストランドにおいて最上段の左右両端部に位置する1対のストランドを選択する、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の斜張橋の主塔構築方法。
  5. 上記各保護管用ユニットの内周面に、上記1対のストランドと係合する係合用凹部が形成された1対のガイドブロックを固定しておく、ことを特徴とする請求項4記載の斜張橋の主塔構築方法。
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