JP2004242975A - 携帯トイレ - Google Patents

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俊彦 宮本
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Abstract

【課題】携帯トイレの携帯性および使用性の双方を向上させることを可能とする。
【解決手段】折り畳み可能に構成された脚部1,1に便座兼用の座部2を格納可能に張架するとともに、その便座兼用の座部2に設けた便座開口2aに排泄物収容部3を着脱可能に取り付けたことによって、排泄使用時には脚部1,1を広げて便座兼用の座部2に腰掛けることを可能とし、安定した使用状態を確保するとともに、携帯して移動する際に脚部1,1を折り畳んたときに便座兼用の座部2を格納可能とし良好な携帯性を確保する。さらに、排泄使用後には、排泄物収容部3を座部2から取り外して廃棄可能として繰り返して衛生的に使用可能とするとともに通常の携帯椅子としても使用可能としたもの。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋外等において使用可能な携帯トイレに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、屋外に外出した際などにおいて緊急用に使用可能とした携帯トイレが種々提案されている。既に知られている従来の携帯トイレには、例えば、袋状の排泄物収容部に排泄用の開口部が設けられた簡易で小型の構造を備えたものや、分解・組立て可能に構成されたテント状の建家に便器部が一体に取り付けられた大型構造のものなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来からある携帯トイレのうち、簡易・小型のものでは、携帯性には優れているものの、小便用に限られていたり、使用者自身で固定しながら用を足す必要があることから使用性に劣るという問題がある。一方、大型構造のものでは、便器部が固定されているために使用性は良好であるが、携帯性および簡易性に欠けるという問題がある。すなわち従来、携帯性および使用性の双方が共に良好な携帯トイレは未だ提案されていないのが現状である。
【0004】
そこで本発明は、簡易な構造で、携帯性および使用性の双方に優れた携帯トイレを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1にかかる携帯トイレでは、折り畳み可能に構成された脚部と、その脚部の折り畳みとともに内部側に格納されるように当該脚部に取り付けられた便座兼用の座部と、上記便座兼用の座部に貫通形成された便座開口に着脱可能に取り付けられた排泄物収容部とを備えている。
【0006】
このような構成を有する請求項1にかかる携帯トイレによれば、排泄使用時には、脚部を広げて便座兼用の座部に腰掛けることが可能となるために、安定した排泄使用状態が確保されるとともに、大小便の双方を容易に排泄可能となる。さらに携帯して移動する際には、脚部を折り畳んで便座兼用の座部を格納することが可能であるため、良好な携帯性が確保されるようになっている。
【0007】
一方、排泄使用後には、排泄物収容部を座部から取り外して廃棄することが可能であることから、脚部及び座部は、繰り返して衛生的に排泄使用することが可能となっているとともに、排泄物収容部を座部から取り外した状態で、通常の携帯椅子としても使用することが可能である。従って、本発明にかかる携帯トイレは、アウトドア・ライフ等において大きな利便性を与えるものである。
【0008】
また、本発明の請求項2にかかる携帯トイレでは、上記請求項1における排泄物収容部の開口が、座部に設けられた便座開口の周縁に沿って剥離可能な固定手段により引き剥がし可能に取り付けられている。このような構成を有する請求項2にかかる携帯トイレによれば、排泄物収容部の着脱が容易に行われることとなる。
【0009】
さらに、本発明の請求項3にかかる携帯トイレでは、上記請求項1における排泄物収容部の内部には、脱臭剤入り吸水剤が挿入されている。このような構成を有する請求項3にかかる携帯トイレによれば、排泄物収容部の廃棄が容易かつ衛生的に行われる。
【0010】
さらにまた、本発明の請求項4にかかる携帯トイレでは、上記請求項2における便座開口の排泄使用方向前端部分には仕切受け板が立設されている。このような構成を有する請求項4にかかる携帯トイレによれば、用を足す際における使用性が向上されるようになっている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる携帯トイレを図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1には、本発明の一実施形態にかかる携帯トイレの折り畳み可能な一対の脚部1,1を広げた使用状態が表されているとともに、図2には、脚部1,1を広げて使用の準備をしている状態が表されている。
【0013】
これらの各図において上記脚部1,1は、平面略「コ」の字状に折り曲げ形成された一対のパイプ状部材を組み合わせた構造を備えており、それらの両脚部1,1における「コ」の字の両側縁に相当する立脚体1a,1aどうしが、互いに正面略X字状にクロスするように重ね合わせられている。そして、そのX字状に重合された立脚体1a,1aの長手方向中心部分が、ピン1bにより回転自在に連結されている。従って、上記一対の脚部1,1どうしは、上記ピン1bを支点として図示のように広げた状態と、正面略直線状をなすように折り畳み状態との間で回動可能な構造になされている。
【0014】
また、上記各脚部1の両立脚体1a,1aどうしを連結している「コ」の字の中央縁に相当する部位は、細長状バイブ部材からなる接地部1cに形成されており、その接地部1cが載置面上に当接されることによって、携帯トイレの全体が安定的に支持されるようになっている。
【0015】
そして、図示したように脚部1,1を広げた使用状態においては、それらの各脚部1にそれぞれ設けられた接地部1cの両端部分から、上述した一対の立脚体1a,1aが斜め上方に向かって略平行に延出するように設けられており、互いにクロスするように配置された一方側の脚部1と他方側の脚部1とにおける上端部分どうしの間に、平面略矩形状をなす座部2が張架されている。
【0016】
この座部2は、適宜の柔軟性を有する材料から形成されており、上述したように上記両脚部1,1どうしが折り畳まれたときに、図示下方に向かって略「く」の字状をなすように二つ折り状態となり、その二つ折りの状態で、上記両脚部1,1どうしの間部分において図示下方側に垂れ下がるようにして内部側に格納される構成になされている。
【0017】
ここで上記座部2は、便座を兼用する構成になされており、その座部2の略中央部分に平面略長方形状をなす便座開口2aが貫通形成されている。そして、その便座兼用の座部2の下面側には、上記便座開口2aの周縁に沿って袋状の排泄物収容部3が着脱可能に取り付けられている。
【0018】
また、上記排泄物収容部3は、座部2の便座開口2aに相当する袋開口3aを備えた袋状部材から形成されており、例えば不織布とポリエチレンとの二重の構造になされている。より詳しくは、長方形状をなす一対の側面体3b,3bが互いに対面するように配置されているとともに、それら一対の側面体3b,3bにおける使用方向の前端縁(図示の手前側縁)どうしの間、及び使用方向の後端縁(図示の奥側縁)どうしの間に、略三角形状をなす前面体3c及び後面体3dがそれぞれ一体的に接合されており、使用前の携帯状態においては、上記前面体3c及び後面体3dの中心部分が袋内部側に向かって二つ折り状態に折り込まれている。そして、その携帯時には、上述した一対の側面体3b,3bどうしが略平面状に重ね合わされた状態になされていて、袋開口3aが閉塞された状態に維持されている。
【0019】
一方、上記排泄物収容部3を使用するにあたっては、特に図2に示されているように、当該排泄物収容部3の上部開放部分を両側に向かって矢印のように開けば、下部側の閉塞底部3eが略直線辺状に閉じられた状態のままで上部側に略長方形状の袋開口3dが画成されることとなる。そして、その袋開口3dが開かれた状態の排泄物収容部3を、上述した便座兼用の座部2に設けられた便座開口2aの上方側に配置し、当該排泄物収容部3の下部閉塞部3eから便座開口2a内に全体を落とし込むように挿入していくことによって装着が行われるようになっている。
【0020】
また、上記排泄物収容部3の袋開口3aを画成している上記両側面体3b,3bの上端縁部分には、保護用の養生テープ(図示省略)が剥離可能に貼着された粘着部3f,3fが、上記側面体3b,3bの外側面において細長帯状をなすようにそれぞれ形成されている。
【0021】
それらの各粘着部3fは、上記排泄物収容部3を便座兼用の座部2に装着した時点で、上述した便座開口2aから上方側に突出するように構成されており、排泄物収容部3の装着直後に、上述した保護用の養生テープ(図示省略)が剥離されることによって上記各粘着部3fが露出状態となる。そして、それらの粘着部3f,3fが、前記便座開口2aの外方側に向かって略直角に折り曲げられることによって、上記便座兼用の座部2側に貼り付けられ、それらの各粘着部3fの保持力によって上記排泄物収容部3の全体が便座兼用の座部2側から垂下するようにして固定される。
【0022】
一方、このようにして排泄物収容部3を固定した状態から、上記粘着部3fを便座兼用の座部2側から引き剥がすこととすれば、便座兼用の座部2側から排泄物収容部3の全体が容易に取り外されることとなる。
【0023】
また、上記排泄物収容部3の使用方向前端側(図示の手前側)に配置された前面体3cの上端部分には、略三角形状なす仕切受け板3gが上方側に突出するように設けられていて、当該仕切受け板3gにより排泄時における飛散が防止されるようになっている。
【0024】
さらに、上記袋状の排泄物収容部3内には、脱臭剤入りのゲル状吸水剤(吸水ポリマー)3hが挿入されていて、上記排泄物収容部3内への排出され水分等がゲル状に固化された状態に維持されるようになっている。
【0025】
このように本実施形態にかかる携帯トイレによれば、排泄使用時には、図示のように両脚部1,1を広げた状態とすれば、便座兼用の座部2に腰掛けることが可能となるために安定した使用状態が確保されるとともに、大小便の双方を容易に排泄可能となる。また、携帯して移動する際には、両脚部1,1どうしを折り畳んだ状態として便座兼用の座部2を格納すれば、良好な携帯性が確保されることとなる。
【0026】
一方、排泄使用後には、排泄物収容部3を座部2から取り外して廃棄することが可能である。つまり、使用後の排泄物収容部3を座部2から取り外した後に開口の両側縁部にそれぞれ設けられた粘着部3f,3fの何れか一方側を他方側に向かって折り返して重ね合わせることにより貼り付けた状態とすれば、排泄物収容部3の開口が完全に閉塞された状態となり、その状態、あるいは更に二つ折りにして貼り付けた状態で、適宜に廃棄することが可能となることから、衛生的に使用することができる。
【0027】
このとき、特に本実施形態では、上述した排泄物収容部3の開口が、座部2に設けられた便座開口2aの周縁に沿って粘着部3fにより引き剥がし可能に取り付けられていることから、排泄物収容部3の着脱が容易に行われるようになっている。
【0028】
また、排泄物収容部3を座部2から取り外した状態では、通常の携帯椅子としても使用することが可能であることから、アウトドア・ライフ等において大きな利便性が得られるようになっている。
【0029】
さらに本実施形態では、排泄物収容部3の内部に脱臭剤入り吸水剤3hが挿入されていることから、排泄物収容部3の廃棄が容易かつ衛生的に行われることとなる。
【0030】
さらにまた本実施形態では、上記座部2に設けられた便座開口2aの使用方向前端部分に、仕切受け板3gが立設されていることから、用を足す際における使用性が向上されるようになっている。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0032】
例えば、上述した実施形態では、粘着部3fを排泄物収容部3側に設けているが、座部2側に設けても良いし、双方に設けるようにしても良い。
【0033】
また、上述した実施形態では、粘着部3fを用いて排泄物収容部3を装着しているが、ボタン型式のような他の多種多様な固着手段を用いて排泄物収容部3を装着することも可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1にかかる携帯トイレは、折り畳み可能に構成された脚部に便座兼用の座部を格納可能に張架するとともに、その便座兼用の座部に設けた便座開口に排泄物収容部を着脱可能に取り付けたことによって、排泄使用時には脚部を広げて便座兼用の座部に腰掛けることを可能とし、安定した使用状態を確保するとともに大小便の双方を容易に排泄可能とし、かつ携帯して移動する際に脚部を折り畳んたときに便座兼用の座部を格納可能とし良好な携帯性を確保する構成に加えて、排泄使用後には、排泄物収容部を座部から取り外して廃棄可能として繰り返して衛生的に使用可能とするとともに通常の携帯椅子としても使用可能とした構成を備えた物であるから、携帯トイレの携帯性および使用性の双方を向上させることができ、アウトドア・ライフ等において大きな利便性を得ることができる。
【0035】
また、本発明の請求項2にかかる携帯トイレは、上記請求項1における排泄物収容部を、座部に設けられた便座開口の周縁に沿って剥離可能な固定手段により引き剥がし可能に取り付けることによって排泄物収容部の着脱が容易に行われるように構成したものであるから、上述した効果に加えて携帯トイレの利便性をさらに向上させることができる。
【0036】
さらに、本発明の請求項3にかかる携帯トイレは、上記請求項1における排泄物収容部の内部に脱臭剤入り吸水剤を挿入したことによって、排泄物収容部の廃棄が容易かつ衛生的に行われるように構成したものであるから、上述した効果をさらに向上させることができる。
【0037】
さらにまた、本発明の請求項4にかかる携帯トイレは、上記請求項2における便座開口の排泄使用方向前端部分に仕切受け板が立設して、用を足す際における使用性を向上させたものであるから、上述した効果に加えて携帯トイレの利便性をさらに高めることができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による携帯トイレの使用状態を表した外観斜視説明図である。
【図2】図1に表された携帯トイレの準備状態を表した外観斜視説明図である。
【符号の説明】
1 脚部
1a 立脚体
1b ピン
1c 接地部
2 座部
2a 便座開口
3 排泄物収容部
3a 袋開口
3b 側面体
3c 前面体
3d 後面体
3e 下部閉塞部
3f 粘着部
3g 仕切受け板
3h 脱臭剤入り吸水剤

Claims (4)

  1. 折り畳み可能に構成された脚部と、
    その脚部の折り畳みとともに内部側に格納されるように当該脚部に取り付けられた便座兼用の座部と、
    上記便座兼用の座部に貫通形成された便座開口に着脱可能に取り付けられた袋状の排泄物収容部と、
    を備えていることを特徴とする携帯トイレ。
  2. 前記排泄物収容部の開口が、前記座部の便座開口の周縁に沿って、剥離可能な固定手段により引き剥がし可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯トイレ。
  3. 前記排泄物収容部の内部に、脱臭剤入り吸水剤が挿入されていることを特徴とする請求項1記載の携帯トイレ。
  4. 前記便座開口の排泄使用方向前端部分には、仕切受け板が立設されていることを特徴とする請求項2記載の携帯トイレ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200070144A (ko) * 2018-12-07 2020-06-17 송창영 휴대용 화장실로 사용 가능한 접이식 의자가 부착된 생존가방
JP2021078975A (ja) * 2019-11-21 2021-05-27 健太郎 地村 組立て式トイレ

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