JP2004242948A - Mri装置及びaslイメージング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ASL法におけるTd時間(ラベリングした血液が関心領域に到達するまでの遅れ時間)に因る誤差を軽減でき、且つ、磁化のラベリング効果による感度を従来のSS−ASL法に匹敵する程度に高めることができる速度選択タイプのASLイメージングを提供する。
【解決手段】MRI装置は、被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して撮像領域のASL画像を得る。パルスシーケンスは、撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する血流の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とし、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスBVS−pulseを含む。この速度選択パルスは、速度選択励起時にコントロールモード及びタグモードそれぞれにて励起された横磁化が互いに逆極性に位相シフトを生じさせるように生成される。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体に造影剤を投与することなく、非侵襲でパフュージョン(perfusion:組織血流)又は血管の画像を提供することができるASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくイメージング(ASLイメージング)に関する。とくに、本発明は、空間選択(Slice Selective)を行うASL法に固有の、血流がラベル領域からイメージング領域の関心組織に至る経路を通過するのに要する時間(すなわち、「transit delay time」)に起因した誤差を低減させたASLイメージングを実行可能なMRI(磁気共鳴イメージング)装置及びASLイメージング方法に関する。
【0002】
なお、本発明で説明するASL法とは、広義の意味でのスピンラベリング法の全体を指すこととする。
【0003】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するFID(自由誘導減衰)信号やエコー信号から画像を得る手法である。
【0004】
この磁気共鳴イメージングの一つのカテゴリーとして、組織のパフュージョンを評価するスピンラベリング(spin labeling)法、すなわちASL法が知られている。このASL法は、被検体に造影剤を投与することなく、つまり非侵襲の状態で、被検体の血管像やmicro circulation(灌流)を反映させたパフュージョン(組織血流)像などを提供する手法であり、近年、これに関する研究が盛んに行われている。とくに、頭部の脳血流(CBF)を中心に臨床応用も進んでおり、血流量の定量化も可能になりつつある。
【0005】
ASL法は、「continuous ASL (CASL)法」と、「pulsed ASL(PASL)法」(dynamic ASL (DASL)法とも呼ばれる)とに大別される。CASL法は、大きな連続的なadiabatic RFを印加する手法であり、血管内のスピン状態をある時点でラベル(磁化)して、このラベルされた血液のボーラスがイメージングスラブ(観測面)に達した後の信号変化をイメージングする。一方、PASL法はパルス状のadiabatic RFを印加する手法であって、血管内の磁化を常に変化させ、磁化された血流を持続的に受けている組織をイメージングすることでその組織のパフュージョンを評価する。このPASL法は、臨床用のMRI装置でも比較的簡単に実施することができる。
【0006】
このASLイメージングでは、一般に、コントロールモード及びラベル(タグ)モードの2画像が生成される。タグモードとコントロールモード夫々において得られた画像データは、それら画像間の画素毎の差分演算に処せられる。この結果、イメージングスラブに流入する血液の情報、すなわち灌流を表すASL画像が得られる。
【0007】
すなわち、ASLイメージングでは、通常、静止組織からの信号をキャンセルし且つ毛細血管床に流入したスピンからの信号を血流画像として得られる。このため、タグ領域でラベリングされた動脈がイメージング領域の関心組織に流入するまでのある一定時間待って撮像したタグ画像(tag画像)と、そのようなラベリングをしないでタグ画像と同一条件で撮像したコントロール画像(control画像)との差分画像が演算され、この差分画像が血流画像、すなわちASL画像となる。
【0008】
近年、画像化するスラブ範囲の外で上流の動脈を空間的に選択してラベリングする各種の手法が提案されている。この手法のうち、PASL法については、例えば、非特許文献1及び2に記載のものが知られているおり、一方、CASL法については、例えば、非特許文献3に記載のものが知られている。これにより、空間選択に拠るASL(SS−ASL; Slice Selective−ASL)の臨床応用が進んできている。
【0009】
このSS−ASL法のパルスイメージングを図1に模式的に示す。同図に示すように、コントロールモード及びタグモードのそれぞれのスキャンそれぞれにおいて、RFパルスとスライス傾斜磁場Gsとから成る空間選択パルス(SS−pulse)を被検体に印加した後、一定の反転時間TIだけ待って、イメージング領域に対するスキャンを行う。図1のスライス傾斜磁場Gsの波形は、コントロールモード時については実線で示し、タグモード時については破線で示している。
【0010】
通常、生体は、その大血管から末梢動脈に到る経路において、単位体積あたりの血管の平均容積が増大するに伴い、そこを流れる血流の速度が低下するという特性を有している。このため、血流がラベリング用のタグ領域からイメージング領域の関心組織に至るまでの経路を通過するのに要する時間(“transit delay time:Td”と呼ばれている)も無視できない場合が多い。
【0011】
このTd時間がラベリングした水のT1緩和(縦緩和)に比べて無視できない場合(つまり、Td>T1の場合)、上流の動脈血をラベリング後した後、画像化するまでの時間であるTI時間内に、ラベリングされた血液は、画像化するのに充分な縦磁化を維持した状態で関心組織に到達することはできない。このため、イメージング領域における血液のフローが実際より過小評価されてしまう。空間選択に拠るASL(SS−ASL)では、原理的にイメージングスラブ内の血管をラベルすることができないため、マルチスライスで脳全体をカバーしようとする場合、かかる影響が特に大きくなる。その場合でも、血流速が速い正常人にあっては、SS−ASLで十分な精度のASL画像が得られることが非特許文献4により報告されてはいる。しかしながら、脳梗塞などの血流速が低下あるいは、側副血行路のためにTd時間が長くなる症例では、血流はラベリング後の1〜2secのTI時間内にイメージング領域の関心部位には到達できないため、フローが実際よりも過小評価される場合が多く、問題点として報告されている。
【0012】
これに対してTd時間の影響を低減するために、イメージングスラブ内の血液もラベリング可能な方法が提案されている。これは、ある速度以上の流れのスピンを選択的にラベルする方法であり、非特許文献5により提案されている。この方法を正常者での脳のASL画像に応用した結果が、非特許文献6に示す如く、2002年ISMRM学会にてE.Wong等により報告された。
【0013】
この非特許文献5及び6に拠るASLイメージング法は、ある値以上の速度で流れている血流をラベリング可能な速度選択パルス(Velocity−Selective pulse)を用いて、スラブ内の遅い血管床の近位血管をラベルする方法(Velocity−Selective ASL:VS−ASL)である。
【0014】
このVS−ASL法に拠るパルスシーケンスの概要を図2に示す。同図に示すように、VS−ASL法の場合、コントロールモードにおいて速度選択パルス(VS−pulse)として、空間非選択の90°(x)−180°(y)−90°(−x)のRFパルスを加える。一方、タグモードにおいては、速度選択パルス(VS−pulse)として、かかる90°(x)−180°(y)−90°(−x)のRFパルスにMPGパルスである速度エンコード(Velocity encode)パルス列を加えて成るパルス群を加える。これにより、コントロールモード及びタグモードのそれぞれにおいて、コントロール画像及びタグ画像が得られるので、両画像の差分を演算する。この差分画像がASL画像となる。このASL画像では、v=Venc(速度エンコードパルス列で横磁化になったスピンが90°回転する流速)以上の流速を有するスピンが励起(saturation)される。このVS−ASL法は、片側(コントロールモード時)にだけにv>Vencのスピンの磁化(Mz)が生じることから、ここではunipolar−VENCタイプのVS−ASL法と呼ぶことにする。
【0015】
【非特許文献1】
Kwong KK, Chesler DA, Koff RM, Donahue KM et al.: MR perfusion studies with T1−weighted echo planar imaging. Magn Reson Med 1995; 34:878−887
【0016】
【非特許文献2】
木村徳典: Modified STAR using asymmetric inversion slabs (ASTAR)法による非侵襲血流イメージング. 日磁医誌 2001;20(8),374−385
【0017】
【非特許文献3】
Alsop DC, Detre JA: Reduced transit−time sensitivity in non−invasive magenetic resonance imaging of human cerebral blood flow. J.Cereb.Blood Flow Metab. 1996; 16,1223−1249
【0018】
【非特許文献4】
木村徳典他: Arterial Spin Labelingイメージングにおける局所脳血流量の定量化簡便法−Pulsed ASL法におけるシミュレーションとcold−xenon−CT CBFとの相関−. 日磁医誌2002;22(3):111−124
【0019】
【非特許文献5】
Norris DG et al. Velocity Selective Radiofrequency Pulse Trains. J.Magn.Res.1999;137,231−236
【0020】
【非特許文献6】
Wong EC et al. Velocity Selective Arterial Spin Labeling. Abst Int Magn Res Med 2002;p621
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したunipolar−VENCタイプのVS−ASL法は、以下のような未解決の問題点を有していた。
【0022】
(1)第1番目の未解決の問題は、感度が低いということである。具体的には、従来のSS−ASL法の場合、磁化Mzのほぼ2倍のラベリング効果があるが、unipolar−VENCタイプのVS−ASL法の場合、感度が1倍以下となり、SS−ASL法に比べて低い。
【0023】
(2)第2番目の未解決の問題は、アーチファクトに関する。具体的には、文献(Bernstein MA et al. “Concomitant Gradient terms in Phase Contrast MR: Analysis and Correction.” Mag.Resn.Med.1998;39,300−308)で明らかなように、このunipolar−VENC タイプのVS−ASL法において、Maxwell termと呼ばれる主磁場方向以外の傾斜磁場成分に起因する空間的な2次分布となる位相エラーが生じ、この位相エラーがASL画像では流れのない筈の静止組織(バックグラウンド)に残存するアーチファクトとなり、画質を低下させる。
【0024】
(3)第3番目の未解決の問題は、撮像時間の延長の問題である。通常、ASL法は加算平均処理を伴うので、加算平均するための複数組のデータが収集される。つまり、1サイクルのパルス系列の印加が一定間隔毎に複数回繰り返される。この加算平均の処理をunipolar−VENCタイプのVS−ASL法に適用しようとすると、このVS−ASL法は空間的に非選択であるため、1サイクルのパルス系列が印加された後、次のタグモードのパルス列を加える前に、血液の縦磁化の回復に対して十分な回復時間を設定してやる必要がある。このため、スキャン時間が長期化するという問題に帰着する。特に、全身コイルを用いてRF送信する場合、心臓も含めた領域がRFパルスで励起されるため、スキャン(撮影時間)が延長される。
【0025】
本発明は、上述したunipolar−VENCタイプのVS−ASL法が抱える種々の問題に鑑みてなされたもので、Td時間に因る誤差を軽減できることに加え、磁化のラベリング効果による感度を従来のSS−ASL法に匹敵する程度に高めることができる速度選択タイプのASLイメージングを提供することを、その第1の目的とする。
【0026】
また、本発明は、上述した第1の目的を達成するとともに、低速から高速の血流まで広範囲にラベリングでき、これにより、ラベリングされる血流の速度範囲を限定しなくて済むASLイメージングを提供することを、その第2の目的とする。
【0027】
さらに、本発明は、速度選択パルスを用いてASLイメージングを実行するときに、その速度選択パルスによるスピンの位相の空間分布を補正して画質や描出能の向上を図ることを、第3の目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明に係るMRI装置は、その1つの態様として、被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得るように構成したMRI装置であり、前記パルスシーケンスに、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスを設定し、この速度選択パルスを、当該速度選択パルスによる速度選択励起時に前記コントロールモード及びタグモードそれぞれにおいて励起された縦磁化が互いに逆極性になるように形成したことを特徴とする。なお、本発明では、上述の構成と同等の機能を発揮するASLイメージング法も提供される。
【0029】
このように、コントロールモード及びタグモードそれぞれにおいて励起された横磁化が互いに逆極性に位相シフトを生じさせることで、縦磁化に戻した(flip back)したときに、流体の磁化成分が互いに逆極性になる。このため、コントロールモードとタグモードの差分を演算してASL画像を生成したときに、信号値が2倍近い値になる。
【0030】
例えば、前記速度選択パルスは、空間的に非選択であっても、空間選択であってもよい。空間選択の場合には、例えば、前記速度選択パルスは、時間軸上で最初に印加される第1のフリップパルスと、この第1のフリップパルスの後で印加される反転パルスと、この反転パルスの後で印加される第2のフリップパルスと、前記第1のフリップパルスを印加した後であって前記反転パルスを印加するまでの期間と当該反転パルスを印加した後であって前記第2のフリップパルスを印加するまでの期間のそれぞれにおいて印加される速度エンコードパルスと、前記第1及び第2のフリップパルス並びに反転パルスとともに印加され且つ前記撮像領域を含む領域を空間的に選択する傾斜磁場パルスと含む。
【0031】
好適には、前記第1及び第2のフリップパルスは90°RFパルスで形成され、前記反転パルスは180°RFパルスで形成される。
【0032】
このとき、例えば、前記コントロールモード及びタグモード間で、前記速度エンコードパルスの極性を互いに反対にし、且つ、前記第2のフリップパルスを互いに同じフリップ位相に設定してもよいし、また、前記コントロールモード及びタグモード間で、前記速度エンコードパルスを互いに同じ極性に設定し、且つ、前記第1又は第2のフリップパルスのフリップ位相を互いに反転させてもよい。
【0033】
また、前記第2の目的を達成するために、本発明に係るMRI装置は、別の態様として、被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得るように構成したMRI装置であり、前記パルスシーケンスは、前記撮像領域の範囲外で空間的に領域を選択して当該領域内の磁化スピンを横磁化に励起する空間選択パルスと、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスとを含むことを特徴とする。なお、本発明によれば、上述の構成と同様の機能を発揮するASLイメージング方法も提供される。
【0034】
この構成により、MRIの非侵襲血流イメージングであるASLイメージングにおいて、より定量性の高い流体イメージングを提供できる。すなわち、既存の空間選択のASL法における最大の問題であるTd(transit delay time)時間に起因する誤差を低減することができる。具体的には、速度選択と空間選択の両方を組み合わせることで、高速の流速の流体(血流など)は空間選択パルスでラベリングでき、比較的遅い流速の撮像領域内の流体(血流など)は速度選択パルスでラベリングできる。これにより、既存の速度選択法によるASLイメージングに比べて、約2倍のラベリング感度(SNR)を得ることができる。
【0035】
さらに、前記第3の目的を達成するために、本発明に係るMRI装置は、別の態様として、被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得る手段を有し、前記パルスシーケンスは、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスを含むように形成したMRI装置であり、前記速度選択パルスの位相の補正量を求める位相補正量演算手段と、この位相補正量演算手段により演算された補正量を前記パルスシーケンスに反映させる位相補正手段とを備えたことを特徴とする。また、本発明では、上述と同等の機能を有するASLイメージング方法も提供される。
【0036】
本発明のその他の態様に係る具体的な構成及び特徴は、以下に記す発明の実施形態及び添付図面により明らかにされる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。
【0038】
(第1の実施形態)
図3〜12を参照して、本発明に係る第1の実施形態を説明する。
【0039】
この第1の実施形態に係るMRI装置を、図3に示す。このMRI装置は、本発明に係る各種のタイプのASLイメージングを行う機能を有する。
【0040】
最初に、MRI装置の概略構成から説明する。
【0041】
このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部とを備えている。
【0042】
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場Hを発生させる。なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられている。このシムコイル14には、後述するコントローラの制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0043】
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0044】
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸としての3軸であるX,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、論理軸としてのスライス方向傾斜磁場Gs、位相エンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場Hに重畳される。
【0045】
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5の制御のもとで、磁気共鳴(MR)現象を起こさせるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する一方、RFコイル7が受信した高周波のMR信号を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタル信号を形成するようになっている。
【0046】
さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、および入力器13を備える。この内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエア手順により、オペレータが指令した情報を受け付け、この情報に基づくスキャンシーケンス情報をシーケンサ5に指令するとともに、シーケンサ5をはじめとして、演算ユニット10、記憶ユニット11、および表示器12を含む装置全体の動作を統括する機能を有する。
【0047】
シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの一連の動作を制御する。また、シーケンサ5は、受信器8RからのMR信号のデジタルデータを一旦入力して、再構成処理を行う演算ユニット10にそのデータを転送する。
【0048】
ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Rおよび受信器8Tを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
【0049】
本実施形態のASLイメージング法は、例えば、ASTAR法、STAR法、EPISTAR法、FAIR法など、任意の手法を使用できる。また、それらの手法で採用可能な、一定時間TI後に印加する画像化のためのパルスシーケンスについては、縦磁化の大きさを強調した高速イメージング用であればどのようなパルスシーケンスであってもよい。例えば、高速FE法、高速SE法、EPI(Echo Planar Imaging)法、FASE(高速Asymmetric SE)法、ハイブリッドEPI法、及びSSFP法などである。
演算ユニット10は、入力する生データの読込み、画像のフーリエ空間(k空間または周波数空間とも呼ばれる)への生データの配置、データのアベレージング処理、タグモードおよびコントロールモードのデータ相互間の差分、データのしきい値処理、複素数データの絶対値化処理、生データを実空間データに再構成する再構成処理(例えば2次元または3次元のフーリエ変換処理)を適宜な順番で行うようになっている。なお、3次元撮像が行われた場合、演算ユニット10は、3次元画像データから2次元画像データを生成するためにMIP(最大値投影)処理なども実施できるようになっている。
【0050】
記憶ユニット11は、生データ及び再構成画像データのみならず、演算処理が施された画像データを保管することができる。表示器12は画像を表示する。また、術者は入力器13を介して所望のスキャン条件、スキャンシーケンス、画像処理法などの必要情報をホスト計算機6に入力できるようになっている。
【0051】
ここで、第1の実施形態で実行されるBVS−ASL(Band−Limited Velocity ASL)法について説明する。
【0052】
このBVS−ASL法は、前述したunipolar−VENCタイプのVS−ASL法に因る問題点に鑑みて着想された新規のASL法であり、ラベリングされる血液の速度がある速度範囲に限定されるものの、かかるunipolar−VENCタイプのVS−ASL法の約2倍の信号感度を有するASL法である。
【0053】
このBVS−ASL法は、コントロールモード及びタグモードともに、速度選択パルスであるBVSパルス(Band−limited Velocity Selective pulse:BVS−pulse)を用いてスライス選択でコントロールスラブ及びタグスラブをそれぞれRF励起する。このRF励起に際し、静止スピン(速度v=0)が非励起で、流れているスピンが速度v=Vencをピークに0〜2*Vencの速度範囲が励起されるようにRFパルス及び速度エンコードパルス(例えば、MPG(Motion Probing Gradient)パルス)VENCが設定される。
【0054】
この速度選択パルス:BVS−PULSEには、RFパルスや速度エンコードパルスVENCの印加の仕方により、図4〜6に示す如く、数種類のタイプが提供される。いずれのタイプもRFパルスとして、スピンのフリップ角が90°、180°、及び90°のRFパルスをスライス方向傾斜磁場Gzと共に所定間隔で印加し、そのRFパルスの印加相互の間に速度エンコードパルスVENCを印加する構成になっている。これにより、流れている血流スピンには、その速度v=Vencをピークに0〜2*Vencの速度範囲が励起されるように印加強度や印加方向が設定される。
【0055】
図4〜6に示す速度選択パルス:BVS−pulseのうち、RFパルスの印加法により2通りのタイプに分かる。
【0056】
一方のタイプは、図4(a)及び5(a)に示す如く、90(X)−180(Y)−90(Y)のRFパルス系列を採り、速度エンコードパルス(MPGパルス)VENCはコントロールモード及びタグモードのそれぞれにおいて極性を互いに反転して印加する方法である。
【0057】
このうち、図4(a)の速度選択パルス:BVS−pulseの場合、スラブ選択用のスライス傾斜磁場Gsはコントロールモード及びタグモードともに同極性で印加され、速度エンコードパルスVENCのみがコントロールモード及びタグモードの間で極性反転される。ただし、この速度エンコードパルスVENCの振幅はコントロールモード及びタグモードで同じである。このBVSパルスの場合、RFパルスと同時に印加しているスラブ選択用のスライス方向傾斜磁場Gsは同極性でもよいが、速度エンコードパルスVENCと対にして反転させることもでき、その場合には、絶対値は同一の速度エンコードパルスVENCを使用できる。図4(b)には、タグモードにおいて、同図(a)の速度選択パルス:BVS−pulseにより励起されるイメージングスラブとタグ領域との空間的な位置関係を示す。
【0058】
これに対し、図5(a)の速度選択パルス:BVS−pulseの場合、スライス傾斜磁場Gz及び速度エンコードパルスVENCともに、コントロールモード及びタグモードの間で極性反転される。ただし、この速度エンコードパルスVENCの振幅はコントロールモード及びタグモードで同じである。図5(b)には、タグモードにおいて、同図(a)の速度選択パルス:BVS−pulseにより励起されるイメージングスラブとタグ領域との空間的な位置関係を示す。
【0059】
もう一方のタイプの速度選択パルス:BVS−pulseは、図6(a)に示す如く、スライス傾斜磁場Gz及びMPGパルスVENCともに、コントロールモード及びタグモードの間で同一極性に保持し、且つ、90(X)−180(Y)−90(−Y)/90(X)−180(Y)−90(Y)のRFパルス系列を採り、1番目又は2番目の90°パルスをコントロールモード及びタグモード間でRF位相を反転させて印加する方法である。なお、この90(X)−180(Y)−90(−Y)/90(X)−180(Y)−90(Y)のRFパルス系列は、2番目の90°パルスのRF位相をコントロールモード及びタグモード間で反転させることを示している。その場合、コントロールモードのときに90(−Y)であり、タグモードのときに90(Y)であってもよいし、その反対であってもよい。ただし、後述の第2の実施形態に係るSS−ASL法と組み合わせる場合には、コントロール/タグのモードそれぞれにおいて、血流の磁化Mzの極性を一致させるようにコントロールする必要がある。この場合、コントロール/タグのモードそれぞれにて第1の90°パルスの位相を反転させても良い。例えば、コントロールモードのときに、90°(X)−180°(Y)−90°(−Y)のRF位相とし、タグモードのときに、90°(−X)−180°(Y)−90°(−Y)のRF位相としてもよい。
【0060】
図6(b)には、タグモードにおいて、同図(a)の速度選択パルス:BVS−pulseにより励起されるイメージングスラブとタグ領域との空間的な位置関係を示す。
【0061】
これらの速度選択パルス:BVS−pulseで採用されている速度エンコードパルスVENCは、BVS−タグによるコントロールモード及びタグモードでの磁化Mzの極性が互いに反転することからbipolar−VENCと呼ぶことにする。
【0062】
データ収集後の画像化処理には、コントロール画像とタグ画像の差分を演算し、その後に差分画像の絶対値を演算する工程を含むので、図4、5に示す速度エンコードパルスVENCの極性の組み合わせや、図5に示すRFパルスのRF位相の組み合わせは、前述したものとは逆でもよく、コントロールモード及びタグモードにおける磁化Mzを互いに反転させることができる組み合わせであればよい。
【0063】
ここで、図7〜9を参照して、BVS−ASL法を実施に際し、bipolar−VENCを含む速度選択パルス:BVS−pulseを印加した場合の、血流とそのスピンの位相シフト及び縦磁化Mzとの関係を説明する。
【0064】
なお、この説明におけるRF磁場の場合、「+X」はX軸の周りに時計周りに回ると定義し、静磁場のスピンに対する回転方向の符合のとり方とは逆になっている。スピンのB(Z)軸の回りの位相は、反時計周りが正と定義されるので、スピンが傾斜磁場の正方向に動くと、位相は負にシフトすることになる。このため、上述のRFパルス列の場合、スピンは、左手座標系で座標中心に向かって時計周りでX軸の周りに90°、Y軸の周りに180°、最後に−Y軸の周りに90°回転される。このため、MPGパルスから成る速度エンコードパルスVENC(bipolar−VENC)により位相シフトを受けた横磁化が縦磁化に戻される。
【0065】
つまり、図7(a)、(b)に示すように、傾斜磁場Gzはその磁場が大きくなる向きをZ軸方向にとり、速度エンコードパルスVENCは、コントロールモードで正に、またタグモードで負に設定するとする。この場合、図7(c)に示すように、正方向へ流れる血流スピンの位相は、流速に応じて、コントロールモードにおける最後の90°パルスを受ける直前では負方向にシフトしており、またタグモードでは最後の90°パルスを受ける直前では正方向にシフトしている。また、負方向に流れる血流スピンの位相は、上記とは反対方向にシフトしている。
【0066】
このように位相シフトの極性は傾斜磁場の極性と流れの方向との関係できまるが、最後のフリップパルス(2番目の90°パルス)により、コントロールモードで+Mz、タグモードで−Mzになるように制御される(図8(b)参照)。流速v=Vencのときには、コントロールモード及びタグモードのそれぞれにおいて+/−90°の位相シフトを生じ、最後のフリップパルスの直後にて絶対値で最大の縦磁化Mzを与える。一方、静止したスピンはY軸上にあるため90(−Y)を受けた直後の縦磁化MzはMz=0となる。定速流の血流の場合、コントロールモード及びタグモードの間の差では、v=0且つv=2*Vencにて縦磁化Mz=0となり、v=Vencにて縦磁化Mz=最大値2をとる特性cosine型となり、層流を仮定すればcosinc型になる(図9参照)。
【0067】
現在広く流速測定や血管イメージングに使用されているPhase Contrast(PC)法でもbipolar型の速度エンコードパルスVENCを用いており、本発明に係るBVS−ASL法も、横磁化の段階まではPC法と同様のスピン挙動を利用している。しかしながら、スピンを横磁化のまま放置した場合、T2緩和で減衰してしまうのに対し、BVS−ASL法では、その横磁化を縦磁化に戻すようにRFパルスを印加する点が著しく異なる。このように縦磁化に戻すことにより、T2緩和をT1緩和に戻し、緩和時間を延長させることができる。この緩和時間の延長により、イメージングスラブにおける関心部位の画像化に必要な、タグスラブでラベリングされた動脈血が血管床に到達するまでの待ち時間を確保することができる。具体的には血液の緩和時間は1.5TeslaではT2=100〜200msec前後であるが、かかる縦磁化への戻しによって、T1=1.2〜1.5secに延長される。画像化のためには、ラベリング後の待ち時間TIは、1sec程度は必要である。
【0068】
なお、上述した速度選択パルス:BVS−pulseにおいて、グラジェントエコー(Gradient Echo)法でなく、スピンエコー(Spin Echo)法を用いているが、これは、PC法と異なり、VS−ASL法の場合、スピンを縦磁化に戻すためにスラブ全体で静磁場不均一性による位相誤差をキャンセルする必要があるためである。
【0069】
このため、静磁場の不均一を無視し得る場合(例えば、関心領域FOVが小さいか、エコー時間TEが短い場合など)は、スピンエコーでなく、グラェントエコー法に拠る速度選択パルスを用いることもできる。
【0070】
続いて、本実施形態に係るMRI装置で実行されるASLイメージングの作用効果を説明する。
【0071】
前述のように設定される速度選択パルス:BVS−pulseを用いたBVS−ASL法のパルスシーケンス情報がホスト計算機6からシーケンサ5に送られる。なお、このパルスシーケンスは、従来周知の例えばASTAR(signal targeting with alternated radio frequency using asymmetric inversion slab)法、STAR(signal targeting with alternating radio frequency)法、EPIATAR(echo−planar MR imaging and signal targeting with alternating radio frequency)法、FAIR(flow sensitive alternating inversion recovery)法などの、適宜なパルス法に拠るASL法に基づいて構成されている。
【0072】
このパルスシーケンスの一例を図10に示す。同図のパルスシーケンスは、一例として、図4に示す速度選択パルス:BVS−pulseと高速FE法に拠る2次元のイメージングシーケンスとから成る。
【0073】
このホスト計算機6からのパルスシーケンスに基づいて、シーケンサ5は、当該パルスシーケンスに関連するユニット、すなわち、傾斜磁場電源4、送信器8T、及び受信器8Rを駆動・制御する。これにより、BVS−ASL法のパルスシーケンスのパルス列に基づいてRFパルス及び傾斜磁場パルスが印加され、エコー信号が収集される。
【0074】
このため、コントロールモード及びタグモードそれぞれの元で、スラブを形成する各スライスに対して、複数回ずつ(すなわち複数ショットずつ)、図10に示すパルスシーケンスが実行される。各ショットの励起により、1スライス分のエコー信号がRFコイル7を介して受信される。各エコー信号は受信器8Rにおいてデジタル量のエコーデータに処理され、このエコーデータがシーケンサ5を介して演算ユニット10に転送される。
【0075】
演算ユニット10は、この順次、転送されてくるエコーデータ(再構成前の生データ)を受信して、一例として、図11に示す処理を行い、差分画像であるASL画像を得る。具体的には、コントロールモード及びタグモードの別に、生データScont(Stag)を読み込み、複数回のショットについてデータの平均化し、再構成し、次いで絶対値を演算する(ステップS36a´〜S36e´;S36a〜S36e)。これにより、コントロールモードについて絶対値化されたコントロール画像|Vcont|が、一方、タグモードについて絶対値化されたタグ画像|Vtag|がそれぞれ得られる。
【0076】
そこで、演算ユニット10は、画素毎に、deltaV=|Vcont|−|Vtag|の差分演算を行って、ASL画像ASLimaを得る。この一連の処理に伴う画像化までの流れを図12に模式的に示す。
【0077】
本実施形態では、このようにして、BVS−ASL法に拠るASL画像ASLimaが得られる。このASLイメージングは、以下のような特徴を有する。
【0078】
本実施形態にあっては、コントロールモード及びタグモード間の差分信号(ASL画像ASLimaの信号)は、層流を仮定した場合cosincの特性になるが、unipolar−VENCタイプの0〜Vencにおけるsinc特性に比べて、約2倍近くの強度の信号を得ることが可能である。Vencの大きさは、ラベリングしたい動脈の流速範囲に応じて決める必要がある。脳の場合、TI>1secに設定する場合では、最大値2*Vencが50〜100cm/sec程度の速度範囲をカバーしている必要があり、Venc=Vmax/2に決めることで、かかる要求は満足される。
【0079】
その一方で、ラベリング後の待ち時間となるTIが短ければ、TI時間内に血管床内に流入して来ない遠位の動脈までラベリングする必要はない。流入する可能性のある部分の動脈までカバーできればよく、遅い流速の磁化Mzを大きくした方がSNRを向上させることができると考えられる。
【0080】
本発明者が、BVS−ASL法について、その効果を確認する実験を行ったところ、Venc=12cm/s程度の場合でも、TI=200msで、良好なSNRのASL画像が得られている。
【0081】
また、本実施形態によれば、従来技術の問題点で指摘されたMaxwell termによる位相誤差の影響を軽減又は排除することができる。具体的には、前述した非特許文献4で示されているように、コントロールモード及びタグモード間で傾斜磁場が各々他の軸とクロスする項がなくかつ傾斜磁場強度の2乗の時間積分が同じならば、Maxwell termによる影響を差分によりキャンセルさせることは知られている。このため、本実施形態に係るVBS−ASL法は、かかる条件を満足しているので、Maxwell termによる位相誤差の影響を殆ど受けずに済む。なお、パルス間隔はT2緩和によるSNR低下を最小にするためには、短い方が望ましく、同一の流速v=Vencを与える速度エンコードパルスVENCであっても、そのパルス強度を大きくすると、Maxwell termによる位相差は速度エンコードパルスVENC の強度の2乗で大きくなる。このため、パルス間隔を短かくするほど、非特許文献6に示したWong等のASL法に比べて、本発明に係るVBS−ASL法の方がより望ましいSNRを得ることができる。
【0082】
前述したように、本実施形態に係るbipolar−VENCは、同一値のv=Vencであれば、unipolar−VENCに比べて、低速流側でも劣化させずに約2倍の効率が得られる。このため、unipolar−VENCタイプの2倍の流速であっても、低速側での効率は低下することはないし、v=Venc近辺でのラベリング効率は向上する。このため、必要ならば、図9に示す磁化Mz対流速(MZ vs. velocity)の特性を任意に設定する方法として、加算平均の加算回数(NAQ)毎に流速Vencを変化させ、低速流側に重みを置いたMz特性を与える方法を実施することもできる。この場合、入力関数をエッジ強調タイプに設定することで、組織血流モデルにおけるMTF(Modular Transfer Function)とのconvolutionである応答関数の低域立ち上がりの特性を改善することができる。具体的には、血管床内に流入したラベリングされた血流の先端のエッジ特性を向上させる。これにより、TIが短時間の場合でも、高いSNRを得ることができる。
【0083】
なお、このBVS−ASL法においては、上述の如く空間的なスラブは選択するように速度選択パルスを設定する一方で、このBVS−ASL法を単独で使用する(後述するようにSS−tagパルスと組み合わせない)場合、スラブを選択しないように速度選択パルスを設定してよい。つまり、RFパルスはスライス方向の傾斜磁場の印加を伴わずに印加されるように構成してもよい。
【0084】
(第2の実施形態)
続いて、図13を参照して、本発明の第2の実施形態に係るMRI装置を説明する。この実施形態のMRI装置において、前述した第1の実施形態に係るMRI装置と同一又は同等の構成要素には同一符号を用いて、その説明を省略又は簡略化する(後から説明する第3の実施形態以降でも同様とする)。
【0085】
この第2の実施形態に係るMRI装置は、本発明に係るASLイメージングを実行する機能を有し、とくに、より広い血流速度範囲に対処できるようにしたことを特徴とする。
【0086】
この第2の実施形態で実行するASLイメージングは、前述したBVS−ASL法を補強する手法である。前述したBVS−ASL法を単独で実施する場合、流速v=Vencの設定具合によっては、速度選択パルス:BVS−pulseによってタギングされるスラブ:BVS−tag(例えば図4(b)参照)の外側にて、速い流速の動脈をラベリングできない場合がある。そこで、この速度選択パルス:BVS−pulseを空間選択パルス:SS−pulseと組み合わせて印加するように構成することで、より広範囲の流速に対して感度を有するラベリングが可能になる。ただし、このように速度選択パルス:BVS−pulseと空間選択パルス(SS−pulse)とを組み合わせる場合、スラブBVS−tag内の最大流速の動脈をカバーするように速度選択パルス:BVS−pulseに拠る流速v=Vencを設定する必要があり、このように設定することで、双方のパルスによりラベリングされるスラブに含まれる動脈が満遍なくラベリングされる。
【0087】
かかる組み合わせに拠るパルス系列の一例を図13(a)に、そのパルス系列によりタギングされる(タグモードのとき)空間領域の位置関係を同図(b)にそれぞれ示す。このパルス系列の場合、空間選択パルス:SS−pulseが印加され、続いて、前述したと同様に形成された速度選択パルス:BVS−pulseが印加されるように構成されている。図13(b)に示すように、BVSパルスによりタギングされるスラブ:BVS−tagの位置は、所望のイメージングスラブは勿論のこと、当該イメージングスラブと空間選択パルスによりタギングされるスラブ:SS−tagとのギャップをも含むように設定される。同時に、このスラブ:SS−tagは、イメージングスラブに流入する動脈の上流側に位置し、且つ、スラブ:BVS−tagに重ならないように設定されている。
【0088】
ただし、上述のように、速度選択パルス:BVS−pulseと空間選択パルス:SS−pulseとを組み合わせる場合、SS−ASL法及びBVS−ASL法に拠る磁化Mzの極性がコントロールモード及びタグモードの双方で同一になるように設定する必要がある。すなわち、前述したVBS−ASL法と合わせて説明すると、SS−ASL法のタグパルスがインバージョンパルスの場合、その極性はコントロールモードで正に、タグモードで負になるように設定する必要がある。勿論、コントロール及びタグそれぞれのモードで、この逆の極性で合っても良い。
【0089】
その他の構成及びASL画像の生成に関わる処理は、第1の実施形態と同様である。このため、本第2の実施形態によっても、前述した第1の実施形態の同様の作用効果が得られるとともに、空間選択パルス:SS−pulseとの併用により、より広範囲な速度の血流に対して高い描出能を発揮できるという効果がある。
【0090】
とくに、最も多い脳に対する応用の場合、イメージングスラブには遅い動脈が多く含まれ、このイメージングスラブの外には流速の速い頚動脈や前中後大脳動脈の起始部が含まれるように設定されることが多い。このため、本実施形態のように、イメージングスラブの内外を別々のタギングスラブでカバーすることは実情に即した好ましい設定である。空間選択スラブ:SS−tagのみでは、イメージングスラブ内部の動脈血をラベリングすることは不可能であるから、たとえ全体がカバーされなくても、空間選択スラブ:SS−tag単独で使用する場合よりも、Td時間に因る誤差を低減させることができる。
【0091】
このため、本実施形態の手法は、前述したVBS−ASL法で対象とする血流範囲よりも、さらに高速側の血流をもラベルしたい場合に好適に実施することができる。また、本実施形態の手法は、速度エンコードパルスVENCや反転時間TIの設定にロバストであるという利点もある。
【0092】
さらに、本発明の組み合わせ手法によれば、unipolar−VENCタイプのVS−ASL法のみを用いる場合に比べた場合でも、ラベリング効率を約2倍に向上させることができる。このため、同一のTI時間なら約2倍の強度の磁化Mzを得ることができ、約2倍のSNRの血流画像を得ることができる。一方、半分以下のTI時間でも、同一量の磁化Mzを得ることができる。加えて、スラブ選択するので、これから流入する遠位の動脈血の励起が抑制され、次のNAQのための励起までのT1時間の回復に要する待ち時間が短くて済むという利点もある。このため、スキャンに要する時間効率が向上し、より短時間の測定が可能になる。さらに、全身送信コイルを使用する場合は、心臓内の血液も励起されるため、かかる効果はより顕著になる。
【0093】
なお、図13に示す速度選択パルス:BVS−pulseに組み込まれる180°パルスの代わりに、SS−ASL法において磁化の反転効率を向上させるために広く用いられているadiabatic pulseを2個連続して印加するように設定してもよい。この2個の連続印加により、位相特性を向上させることができる上に、それ自体、フローに対し位相分散効果があるため、速度エンコードパルス(MPGパルス)の強度を低下させて使用することもできる。なお、かかる180°パルスを上述の1個のadiabatic pulseで代替させることはできない。それは、adiabatic pulseを1個印加しても、横磁化の位相が次の90°パルスの直前で収束しないからである。
【0094】
なお、この速度選択パルス:BVS−pulseと空間選択パルス:SS−pulseとを組み合わせと同等の機能を有する、変形した速度選択パルス:BVS−pulseの例を図14に示す。図14(a)に示す速度選択パルス:BVS−pulseの場合、タグモードの180°パルスと共に印加されるスライス用傾斜磁場Gzの強度を、コントロールモードの180°パルス及び両モードの90°パルスのそれぞれと共に印加されるスライス用傾斜磁場Gzの強度よりも小さく設定してある。これにより、タグモードにおける180°パルスによるタグスラブは、図14(b)に示すように、厚くなる。
【0095】
つまり、速度選択パルス:BVS−pulseによりタギングされるBVSスラブ:BVS−tagは、コントロールモードでは90°、180°、90°の全パルスが印加されるスラブであるから、タグモードにおいて180°パルスが印加される大きなスラブのうち、BVSスラブ:BVS−tagを除いた両側の部分が空間選択スラブ:SS−tagとして機能する。したがって、図14(a)に示す速度選択パルス:BVS−pulseの場合、空間選択パルス:SS−pulseを付加せずとも、図13(a)に示す速度選択パルス:BVS−pulseと同等の作用効果を発揮できるとともに、スキャン時間の短縮化を図ることができる。
【0096】
(第3の実施形態)
続いて、図15を参照して、本発明の第3の実施形態に係るMRI装置を説明する。
【0097】
この実施形態に係るMRI装置によって実行されるASLイメージングは、空間非選択でunipolar−VENCタイプのASLイメージング法でありながら、スラブ選択を行うことを特徴とする。
【0098】
これを実現するために、図15に示す如く、速度選択パルス:BVS−pulseにGMNパルスを用いてスラブ選択を行うようにパルスシーケンスを構成する。
【0099】
スラブ選択を行うと、コントロールモードで速度エンコードの効果(ある速度以上に対して位相がシフトする)が生じるため、スラブ選択のための傾斜磁場パルスをgradient moment nulling (GMN)の形態に設定する。タグモード側は、これまでの実施形態と同様に、MPGパルスで速度エンコードを与えるように形成する。これにより、タグ画像及びコントロール画像間の減算後、流れのある動脈血の磁化Mzも保存される。
【0100】
実用的なMPGパルスとしては、速度項までのエンコード機能は必要であり、さらには、脈動流を考慮すると、加速度項までのエンコード機能を含めたパルスに形成することが望ましい。これにより、広範囲の動脈血の磁化Mzを保存できる。
【0101】
上述のようにGMNパルスを用いてスラブ選択を行う速度選択パルス:BVS−pulseを印加する点を除いて、MRI装置の構成及びASLイメージングの処理は前述した第1の実施形態と同様である。
【0102】
このため、従来の空間非選択な速度選択タグVS−tagとは異なり、本実施形態に係るMRI装置では、空間選択とともに、速度選択タギングがなされることから、スキャン時の繰り返し時間TRを短縮することができるという効果がある。
【0103】
また、MPGパルスを、Maxwell termの位相項は
【数1】
Figure 2004242948
の式で示される傾斜磁場の二乗積分の差Pcとなるように設定すれば、Maxwell termの位相項がキャンセルされて、かかる位相項による影響を殆ど排除することができる。
【0104】
(第4の実施形態)
さらに、図16,17を参照して、本発明の第4の実施形態に係るMRI装置を説明する。
【0105】
この実施形態に係るMRI装置によって実行されるASLイメージングは、速度選択パルス(従来の非特許文献5,6などにみられる速度選択パルスVS−pulse及び前述した実施形態に係る速度選択パルス:BVS−pulseを含む)の位相を調整する機能を備えることを特徴とする。
【0106】
この速度選択を、MRI装置のパルスシーケンスに組み込むうえで、その位相の調整が重要である。一般に、渦電流や磁場不均一性に因って、RFパルスの位相は、理論的な値からシフトする。脳血流に基づいて得られるASL画像の信号はコントロール信号の0.1%以下のオーダーであることや、定量化のためには更にその1/10程度の精度(0.01%)が要求されることから、1°以下のオーダーでの位相調整が必要になる。
【0107】
この位相調整については、前述した実施形態のように、Maxwell termを無視できる条件で撮像したとすると、イメージングスラブの範囲内で空間的に0次および1次までの位相分布を補正すれば十分と考えられる。コントロールモード及びタグモードの各々にて速度選択パルスが印加されたときに、横磁化のY軸からの位相シフトをφer,cont 、φer,tagとすると、速度選択パルスに含まれる最後の90°パルスの印加直前で、φer,cont =φer,tag=0という条件が成立することが理想である。そこで、この条件が成立するように、位相シフトをφer,cont 、φer,tagを調整することが、本実施形態の目的である。
【0108】
位相シフトφer,cont =φer,tag≠0の場合、コントロールモード及びタグモードの差分信号deltaMz=0にはなるが、この場合、血流フローに対するゼロ点がシフトし(すなわち、deltaMz=0でのflow≠0となり)、好ましくない。上述した位相1°の差は、deltaMz/Mz=1−cos(1deg)=0.0152%となり、要求精度をほぼ満たす値である。
【0109】
以下、上述した速度選択パルスの位相調整法の一例を説明する。なお、後述する実施形態には、かかる速度選択パルスの位相調整法の別の例を説明する。
【0110】
この第4の実施形態では、前述した実施形態にて説明したASLイメージング法であるBVS−ASL法で用いる速度選択パルス:BVS−pulseを例にとり、傾斜磁場とフリップ位相による0次及び1次位相分布の測定及び補正の手法を説明する。
【0111】
ここで例示する速度選択パルス:BVS−pulseは、前述した図4,5に示すように、コントロールモード及びタグモードの間で、MPGパルスで成る速度エンコードパルスVENCの極性を互いに反転させ、且つ、2番目の90°パルスの位相(フリップ位相)を同極性にしている。
【0112】
このような速度選択パルス:BVS−pulseの場合、スライス用傾斜磁場Gzの波形パターンがコントロールモード及びタグモードの間で互いに異なるので、各々のモードで異なる位相シフトを生じると考えられる。このため、各々のモードについて、以下の手順に沿って、速度選択パルス:BVS−pulseの位相を調整する必要がある。
【0113】
かかる位相調整の概要は以下のようである。渦電流による位相シフトを測定するために、コントロールモード及びタグモードそれぞれに対してプレスキャンを行う。このプレスキャンでは、図16(a)に示すように、傾斜磁場Gzを含み、前述した速度選択パルス:BVS−pulseと同一の波形パターン(データ収集に用いるものと同一の波形パターン)であるが、位相エンコード用の傾斜磁場は掛けないで、且つ、最後の90°パルスを設定していない測定用の波形パターンのパルス列を印加する。これにより、かかる最後の90°パルスを印加すべきであったタイミングにて、スピンが横磁化のまま、位相エンコードが施されていないエコー信号Sを収集する。
【0114】
次いで、モード別に、エコー信号Sをフーリエ変換してプロジェクションデータPを演算し、このプロジェクションデータPのZ軸方向に沿った位相分布φ(Z)を演算する。
【0115】
この位相分布φは傾斜磁場方向に1次までの分布を求めれば十分である。このため、各スライス(Z位置)におけるX軸またはY軸に沿った方向のプロジェクションデータからZ軸方向の各位置(各スライス)の位相を演算し、この位相値からZ軸方向における位相の1次分布を求めてもよい。また、必要に応じて、X,Y,およびZ軸の各方向のプロジェクションデータから3次元的な一次の位相分布を求めることもできる。
【0116】
位相分布は、モード別に、図16(b)に示すように、1次式φ=Az+Bでフィッティング処理に付される。この処理により、位相調整の補正量が求める。1次位相補正量である傾斜磁場Gzの補正量Gz2は、例えば2番目(後半)のMPGである速度エンコードパルスVENCに補正するものとして、1次式の傾きAから求められる。0次位相補正量Φは、スラブの平均位相を当て嵌めてもよいし、フィッティングして求めた位相の画像スラブ中心Z=Zの値を用いてもよい。
【0117】
このようにして求めた位相補正量(Gz2,Φ)は、モード別に、図16(c)に示す如く、メインスキャン時の速度速度選択パルス:BVS−pulseに反映される。
【0118】
つまり、コントロールモード及びタグモードの各々について、1次位相の補正分Gz2は、例えば後半の速度エンコードパルスVENC(MPGパルス)に傾斜磁場Gzの振幅補正分Gz2cor,cont又はGz2cor,tagとして加えられる(なお、MPGの面積値(時間積分値)を合わせればよいので、振幅の代わりに、傾斜磁場Gzの印加時間を補正するようにしてもよい。すなわち、傾斜磁場Gzの強度が補正されればよい)。
【0119】
また、0次位相の補正分Φは、2番目の90°パルスの−Y軸に対する位相を調整するように加えられる。すなわち、かかる90°パルスの−Y軸に対する位相が「−Y+Fcor,cont」又は「−Y+Fcor,tag」に調整される。このため、図16(d)に示すように、0次補正されたスピンは、「−Y+Fcor,cont」(コントロールモードのとき)又は「−Y+Fcor,tag」(タグモードのとき)を回転軸として、そのの周りに、それぞれの回転軸の+方向からみて時計周りに回転させられ、その結果、縦磁化にflip backされる。
【0120】
上述した位相補正の処理をまとめると、図17のように表される。この処理は、コントロールモード及びタグモードの別に、例えば、シーケンサ5、ホスト計算機6、及び演算ユニット10を中枢として実行される。
【0121】
まず、シーケンサ5により、プレスキャンとして、前述した測定用の速度選択パルス:BVS−pulse(図16(a)参照)の印加が指令され、これにより、エコー信号Sが収集される(図17、ステップS1,2)。次いで、ホスト計算機6又は演算ユニット10により、位相分布が演算される(ステップS3)。すなわち、コントロールモードのエコー信号をScont(Kz)、タグモードのエコー信号をStag(Kz)としたとき、プロジェクションデータPcont(z),Ptag(z)が、フーリエ変換による
【数2】
Figure 2004242948
の演算式から求められ、このプロジェクションデータPcont(z),Ptag(z)からZ軸方向のコントロールモードにおける位相分布φer,cont(z)、及び、タグモードにおけるφer,tag(z)が、
【数3】
Figure 2004242948
の演算式から求められる。
【0122】
次いで、ホスト計算機6又は演算ユニット10により、上述した1次の位相分布を用いて位相補正の補正量が演算される(ステップS4)。具体的には、1次位相補正に対するコントロールモード時の補正量Gz2cor,cont及びタグモード時の補正量Gz2cor,tag
【数4】
Figure 2004242948
の演算式から夫々求められる。ここで、γは磁気回転比であり、δは速度エンコードパルスVENC(MPG)の印加時間である。
【0123】
また、0次位相補正に対するコントロールモード時の補正量Φcor,cont及びタグモード時の補正量Φcor,tag
【数5】
Figure 2004242948
の演算式から夫々求められる。
【0124】
このようにして求められた補正量(Gz2cor,cont、Gz2cor,tag、Φcor,cont、Φcor,tag)は、一旦、例えば記憶ユニット11に格納される(ステップS5)。次いで、ホスト計算機6により、BVS−ASL法に基づくASLイメージングが実行されるか否かが判断され、実行されると判断されたときには、格納されていた補正量が読み出される(ステップS6,S7)。次いで、この読み出された補正量を用いて、モード別に、BVS−ASL法に拠る本スキャンのパルスシーケンスにおけるBVSパルスの傾斜磁場の振幅又は印加時間及びそのRFパルスの位相が補正される(図16(c)参照)。RFパルスの位相のコントロールは一般的に搬送周波数をコントロールすることで行われるが、送信側(送信器8T)又は受信側(受信器8R)の何れかで、かかるコントロールを行えばよく、相対的に位相がシフトすればよい。
【0125】
この補正されたパルスシーケンスのもとに、本スキャンが実行される。
【0126】
この結果、渦電流や磁場不均一性に因る位相誤差の影響を著しく排除し、高精度で且つ高SNRの血流描出を非侵襲で行うことができる。
【0127】
なお、前述した非特許文献6に示したWong等によるVS−ASL法や、前述したGMNパルスを用いるVS−ASL法の場合、コントロールモード及びタグモードの間で傾斜磁場Gzの極性が互いに異なるので、各モードについて補正量を求める必要がある。したがって、かかるVS−ASL法の場合には、本第4の実施形態と同様に、上述した位相補正処理を実施すればよい。
【0128】
また、血流の背景部分の位相誤差を測定するには、動きのない静止した成分のみで測定する必要があるが、血流のある生体で測定する場合、流れの成分を除外する必要がある。脳をイメージング対象とする場合、幸いにも、血流成分は3%程度であるので、コントロールモード及びタグモードの差分前の信号で補正すればよく、この場合でも、大きな誤差にはならない。また、背景部分の位相エラーの測定において、血流信号は静止部に比べ大きな位相シフトを示すので、必要に応じて、血流信号を閾値でカットするか、ローパスフィルターでカット後にフィッティングすればよい。
【0129】
(第5の実施形態)
さらに、図18,19を参照して、本発明の第5の実施形態に係るMRI装置を説明する。
【0130】
この実施形態に係るMRI装置によって実行されるASLイメージングは、上述の第4の実施形態と同様に、速度選択パルスの位相を調整する機能を備えることを特徴とする。対象とする速度選択パルスは、前述した図6に示すように、コントロールモード及びタグモードの間で、MPGパルスで成る速度エンコードパルスVENCは互いに同極性で、且つ、2番目の90°パルスの位相(フリップ位相)を互いに反転させるようにしたパルス:BVS−pulseである。
【0131】
このように、コントロールモード及びタグモードの間でフリップ位相を反転させ、且つ、同一の傾斜磁場Gzを用いる場合、コントロールモード及びタグモード共に同一の位相シフトを示すと考えられる。このため、位相分布は一回の測定で済む。
【0132】
この実施形態における位相調整の概要は以下のようである。コントロールモードに対してのみ、プレスキャンを行う。このプレスキャンでは、図18(a)に示すように、傾斜磁場Gzを含み、前述した速度選択パルス:BVS−pulseと同一の波形パターンであるが、最後の90°パルスを設定していない測定用の波形パターンのパルス列を印加する。これにより、かかる最後の90°パルスを印加すべきであったタイミングにて、スピンが横磁化のまま、エコー信号Sを収集する。
【0133】
次いで、コントロールモード及びタグモードで共通の処理として、前述と同様に、エコー信号Sをフーリエ変換してプロジェクションデータPを演算し、このプロジェクションデータPのZ軸方向に沿った位相分布φを演算する。
【0134】
位相分布は、モード共通の処理として、図18(b)に示すように、1次式φ=Az+Bでフィッティング処理に付される。この処理により、前述と同様に、位相調整の補正量が求める。1次位相補正量である傾斜磁場Gzの補正量Gz2は、例えば2番目(後半)のMPGである速度エンコードパルスVENCに補正するものとして、1次式の傾きAから求められる。0次位相補正量Φは、スラブの平均位相を当て嵌めてもよいし、フィッティングして求めた位相の画像スラブ中心Z=Zの値を用いてもよい。
【0135】
このようにして求めた位相補正量(Gz2,Φ)は、コントロールモード及びタグモードそれぞれに、図18(c)に示す如く、メインスキャン時の速度速度選択パルス:BVS−pulseに反映される。
【0136】
つまり、コントロールモード及びタグモードの共通に、1次位相の補正分Gz2は、例えば後半の速度エンコードパルスVENC(MPGパルス)に傾斜磁場Gzの振幅補正分Gz2cor(又は印加時間)として加えられる。
【0137】
また、0次位相の補正分Φは、2番目の90°パルスの−Y軸に対する位相を調整するように加えられる。すなわち、かかる90°パルスの−Y軸に対する位相が「−Y+Fcor」又は「Y+Fcor,tag」に調整される。このため、図18(d)に示すように、0次補正されたスピンは、−Y軸からFcorだけシフトさせた「−Y+Fcor」(コントロールモードのとき)、又は、Y軸からFcorだけシフトさせた「Y+Fcor」(タグモードのとき)を回転軸として、その周りに、それぞれの回転軸の+方向からみて時計周りに回転させられ、その結果、縦磁化にflip backされる。
【0138】
上述した位相補正の処理をまとめると、図19のように表される。この処理は、コントロールモード及びタグモードに共通に、例えば、シーケンサ5、ホスト計算機6、及び演算ユニット10を中枢として実行される。
【0139】
まず、シーケンサ5により、プレスキャンとして、前述した測定用の速度選択パルス:BVS−pulse(図18(a)参照)の印加が指令され、これにより、エコー信号Sが収集される(図19、ステップS1,2)。次いで、ホスト計算機6又は演算ユニット10により、位相分布が演算される(ステップS3)。すなわち、コントロールモードのエコー信号をScont(Kz)としたとき、プロジェクションデータPcont(z)が、フーリエ変換による
【数6】
Figure 2004242948
の演算式から求められ、このプロジェクションデータPcont(z)からZ軸方向の位相分布φer,cont(z)が、
【数7】
Figure 2004242948
の演算式から求められる。
【0140】
次いで、ホスト計算機6又は演算ユニット10により、上述した1次の位相分布を用いて位相補正の補正量が演算される(ステップS4)。具体的には、1次位相補正に対する両モード共通の補正量Gz2cor
【数8】
Figure 2004242948
の演算式から求められる。ここで、γは磁気回転比であり、δは速度エンコードパルスVENC(MPG)の印加時間である。
【0141】
また、0次位相補正に対する両モード共通の補正量Φcor
【数9】
Figure 2004242948
の演算式から求められる。
【0142】
このようにして求められた補正量(Gz2cor,Φcor)は、前述と同様に、一旦、例えば記憶ユニット11に格納される(ステップS5)。次いで、ホスト計算機6により、BVS−ASL法に基づくASLイメージングが実行されるか否かが判断され、実行されると判断されたときには、格納されていた補正量が読み出される(ステップS6,S7)。次いで、この読み出された補正量を用いて、モード別に、BVS−ASL法に拠る本スキャンのパルスシーケンスにけるBVSパルスの傾斜磁場の振幅(又は印加時間)及びそのRFパルスの位相が補正される(図18(c)参照)。この補正されたパルスシーケンスのもとに、本スキャンが実行される。
【0143】
この結果、第4の実施形態と同様に、渦電流や磁場不均一性に因る位相誤差の影響を著しく排除し、高精度で且つ高SNRの血流描出を非侵襲で行うことができる。さらに、第4の実施形態と比較して、測定も補正量の計算も一回で済むので、より効率的である。
【0144】
なお、前述した第4及び第5の実施形態にあっては、0次及び1次の位相補正法を説明したが、2次位相補正も可能である。2次の位相分布があって、これも補正したい場合、静磁場の均一化のために備えているシムコイル14を用いればよい。静磁場シミング用のMPGパターンから計算するか、又は、プレスキャンで2次位相分布を計測する。そして、例えばGz起因の2次分布なら、2次分布の静磁場を発生できるZコイルを使用する。また、シムコイルを使用すると、Maxwell termの位相分布があっても補正可能である。但し。2次分布まで含めた位相分布測定は、1次以下で測定するプロジェクションデータだけの使用では不十分であり、2次元画像を収集し、この画像を用いて補正量を求める必要がある。
【0145】
なお、前述した各種の位相補正は全ての速度選択タイプのASLイメージングに適用可能である。また、かかる位相補正は、例えばファントムを利用して予め補正量を求めて保存しておき、本スキャン時にその補正量を読み出して使用するといった手法を採ることもできる。
【0146】
また、上述した実施形態にあっては、撮像部位が頭部である場合を例示したが、撮像部位は腎臓、肝臓、筋血流など、種々の部位に適用することもできる。
【0147】
なお、本発明は、代表的に例示した上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することができ、それらも本発明の範囲に属するものである。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るMRI装置及びASLイメージング方法によれば、既存のunipolar−VENCタイプのVS−ASL法が抱える種々の問題を克服することができる。
【0149】
具体的には、パルスシーケンスにインストールする速度選択パルスを、当該速度選択パルスによる速度選択励起時に前記コントロールモード及びタグモードそれぞれにおいて励起された横磁化が互いに逆極性に位相シフトを生じさせるように形成することで、Td時間に因る誤差を軽減できることに加え、磁化のラベリング効果による感度を既存のSS−ASL法に匹敵する程度に高めることができる速度選択タイプのASLイメージングを提供することができる。
【0150】
加えて、選択励起パルスと速度励起パルスを組み合わせることで、低速から高速の血流まで広範囲にラベリングでき、これにより、ラベリングされる血流の速度範囲を限定しなくて済むASLイメージングを提供することができる。
【0151】
さらに、速度選択パルスを用いてASLイメージングを実行するときに、その速度選択パルスの位相を補正して画質や描出能の向上を図ることもできる。
【0152】
さらに、本発明に係るMRI装置及びASLイメージング方法は、造影剤が不要であるから非侵襲性を維持でき、X被曝も無いといった点でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例に係るSS−ASL法の概要を説明するパルスシーケンス。
【図2】別の従来例に係るVS−ASL法の概要を説明するパルスシーケンス。
【図3】本発明の実施形態に係るASLイメージングを実行するMRI装置の全体の概略を示すブロック図。
【図4】本発明の第1の実施形態で実行可能なBVS−ASL法の一例に係る概略パルスシーケンスとタグスラブの位置を説明する図。
【図5】第1の実施形態で実行可能なBVS−ASL法の別の例に係る概略パルスシーケンスとタグスラブの位置を説明する図。
【図6】第1の実施形態で実行可能なBVS−ASL法の更に別の例に係る概略パルスシーケンスとタグスラブの位置を説明する図。
【図7】第1の実施形態における速度選択パルスと位相シフトとの関係を説明する図。
【図8】BVS−ASL法における横磁化から縦磁化への戻り状態を、従来例と対比して説明する図。
【図9】磁化Mzと血流速度vについてBVS−ASL法と従来例とを比較して示すグラフ。
【図10】第1の実施形態において使用される詳細な一例を示すパルスシーケンス。
【図11】第1の実施形態において実行される生データ収集からASL画像を得るまでの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図12】第1の実施形態においてASL画像の生成処理の概念を説明する図。
【図13】本発明の第2の実施形態で実行されるSS−ASL法及びBVS−ASL法とを組み合わせたASLイメージングを示す概略パルスシーケンスとタグスラブの位置を説明する図。
【図14】第2の実施形態の変形例で実行されるSS−ASL法及びBVS−ASL法とを組み合わせたASLイメージングを示す概略パルスシーケンスとタグスラブの位置を説明する図。
【図15】本発明の第3の実施形態で実行されるASLイメージング用の速度選択パルスを示すパルス列。
【図16】本発明の第4の実施形態で実行されるASLイメージングにおける速度選択パルスに対する位相補正法の概略を説明する図。
【図17】第4の実施形態に係る位相補正法の処理の概要を示すフローチャート。
【図18】本発明の第5の実施形態で実行されるASLイメージングにおける速度選択パルスに対する位相補正法の概略を説明する図。
【図19】第5の実施形態に係る位相補正法の処理の概要を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 磁石
2 静磁場電源
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット)
12 表示器
13 入力器

Claims (19)

  1. 被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得るように構成したMRI装置において、
    前記パルスシーケンスに、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスを設定し、
    この速度選択パルスを、当該速度選択パルスによる速度選択励起時に前記コントロールモード及びタグモードそれぞれにおいて励起された縦磁化が互いに逆極性になるように形成したことを特徴とするMRI装置。
  2. 請求項1に記載のMRI装置において、
    前記速度選択パルスは、空間的に非選択で前記被検体に印加されるように構成したことを特徴とするMRI装置。
  3. 請求項1に記載のMRI装置において、
    前記速度選択パルスは、時間軸上で最初に印加される第1のフリップパルスと、この第1のフリップパルスの後で印加される反転パルスと、この反転パルスの後で印加される第2のフリップパルスと、前記第1のフリップパルスを印加した後であって前記反転パルスを印加するまでの期間と当該反転パルスを印加した後であって前記第2のフリップパルスを印加するまでの期間のそれぞれにおいて印加される速度エンコードパルスとを含むことを特徴とするMRI装置。
  4. 請求項3に記載のMRI装置において、
    前記速度選択パルスは、前記第1及び第2のフリップパルス並びに反転パルスとともに印加され且つ前記撮像領域を含む領域を空間的に選択する傾斜磁場パルスを更に含むことを特徴とするMRI装置。
  5. 請求項3又は4に記載のMRI装置において、
    前記第1及び第2のフリップパルスは90°RFパルスで形成され、前記反転パルスは180°RFパルスで形成されることを特徴とするMRI装置。
  6. 請求項3〜5の何れか一項に記載のMRI装置において、
    前記コントロールモード及びタグモード間で、前記速度エンコードパルスの極性を互いに反対にし、且つ、前記第2のフリップパルスを互いに同じフリップ位相に設定したことを特徴とするMRI装置。
  7. 請求項3〜5の何れか一項に記載のMRI装置において、
    前記コントロールモード及びタグモード間で、前記速度エンコードパルスを互いに同じ極性に設定し、且つ、前記第1又は第2のフリップパルスのフリップ位相を互いに反転させたことを特徴とするMRI装置。
  8. 被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得るように構成したMRI装置において、
    前記パルスシーケンスは、前記撮像領域の範囲外で空間的に領域を選択して当該領域内の磁化スピンを横磁化に励起する空間選択パルスと、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスとを含むことを特徴とするMRI装置。
  9. 請求項8に記載のMRI装置において、
    前記速度選択パルスは、時間軸上で最初に印加される第1のフリップパルスと、この第1のフリップパルスの後で印加される反転パルスと、この反転パルスの後で印加される第2のフリップパルスと、前記第1のフリップパルスを印加した後であって前記反転パルスを印加するまでの期間と当該反転パルスを印加した後であって前記第2のフリップパルスを印加するまでの期間のそれぞれにおいて印加される速度エンコードパルスと、前記第1及び第2のフリップパルス並びに反転パルスとともに印加され且つ前記撮像領域を含む領域を空間的に選択する傾斜磁場パルスとを含むことを特徴とするMRI装置。
  10. 請求項9に記載のMRI装置において、
    前記空間選択パルスは、前記撮像領域に流入する流体の上流側であって、前記速度選択パルスにより選択される前記撮像領域を含む領域にギャップ無く隣接する所定領域を選択するように形成されたことを特徴とするMRI装置。
  11. 請求項10に記載のMRI装置において、
    前記コントロールモード及びタグモードのそれぞれにて、前記空間選択パルス及び前記速度選択パルスを介して励起される前記流体の磁化スピンの縦磁化の極性が一致するように前記速度エンコードパルスの強度及び前記第2のフリップパルスのフリップ位相を設定したことを特徴とするMRI装置。
  12. 被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得るように構成したMRI装置において、
    前記パルスシーケンスは、前記撮像領域の範囲外で空間的に領域を選択して当該領域内の磁化スピンを横磁化に励起するとともに、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行うパルス列を含むことを特徴とするMRI装置。
  13. 被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得るように構成したMRI装置において、
    前記パルスシーケンスは、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスを含み、
    この速度選択パルスは、前記撮像領域を含む領域を空間的に選択するパルス列を含むことを特徴とするMRI装置。
  14. 被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得る手段を有し、前記パルスシーケンスは、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスを含むように形成したMRI装置において、
    前記速度選択パルスの位相の補正量を求める位相補正量演算手段と、この位相補正量演算手段により演算された補正量を前記パルスシーケンスに反映させる位相補正手段とを備えたことを特徴とするMRI装置。
  15. 請求項14に記載のMRI装置において、
    前記速度選択パルスは、時間軸上で最初に印加される第1のフリップパルスと、この第1のフリップパルスの後で印加される反転パルスと、この反転パルスの後で印加される第2のフリップパルスと、前記第1のフリップパルスを印加した後であって前記反転パルスを印加するまでの期間と当該反転パルスを印加した後であって前記第2のフリップパルスを印加するまでの期間のそれぞれにおいて印加される速度エンコードパルスとを含み、
    前記位相補正量演算手段は、測定用のパルス列を用いて前記被検体に対してプレスキャンを実行してエコー信号を得るプレスキャン手段と、このプレスキャンにより得られたエコー信号から当該エコー信号の位相分布を演算する位相分布演算手段手段と、この演算手段により演算された位相分布を用いて前記補正量を演算する補正量演算とを備えたことを特徴とするMRI装置。
  16. 請求項15に記載のMRI装置において、
    前記補正量演算手段は、前記位相の空間的な0次及び1次の分布に対する補正量を演算する手段であり、
    前記位相補正手段は、前記0次の位相補正量で前記第2のフリップパルスの位相を補正し、且つ、前記1次の位相補正量で前記速度エンコードパルスの強度を補正する手段であることを特徴とするMRI装置。
  17. 被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得るASLイメージング方法において、
    前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行うパルス列であって、当該速度選択パルスによる速度選択励起時に前記コントロールモード及びタグモードそれぞれにおいて励起された横磁化が互いに逆極性に位相シフトを生じさせるように形成した速度選択パルスを前記パルスシーケンスに設定し、このパルスシーケンスを用いて前記スキャンを行うことを特徴とするASLイメージング方法。
  18. 被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくコントロールモード及びタグモードのパルスシーケンスに拠るスキャンをそれぞれ実行して前記撮像領域のASL画像を得るASLイメージング方法において、
    前記パルスシーケンスとして、前記撮像領域の範囲外で空間的に領域を選択して当該領域内の磁化スピンを横磁化に励起する空間選択パルスを印加し、この後に、前記撮像領域を通過し且つ一定の速度範囲を有する流体の磁化スピンを選択的に励起して横磁化とした後、この横磁化を縦磁化に戻す励起を行う速度選択パルスを印加し、この後でイメージング用のパルス列を印加することを特徴とするASLイメージング方法。
  19. 被検体の撮像領域に対してASL(Arterial Spin Labeling)法に基づき速度選択パルスを含むパルスシーケンスに拠るスキャンをコントロールモード及びタグモードそれぞれにて実行して前記撮像領域のASL画像を得るASLイメージング方法において、
    前記速度選択パルスの位相に対する少なくとも0次及び1次の補正量を求め、この演算された補正量を前記パルスシーケンスに反映させる位相補正手段とを備えたことを特徴とするMRI装置。
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