JP2004242749A - Qcファントム - Google Patents
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Abstract
【課題】散乱線の影響を低減し、散乱線よる画像品質の劣化を防止することができるQCファントムを提供する。
【解決手段】金属パターン1aや合成樹脂パターン1bを有する構成物層1が、X線源Bと、透過X線を受信する受信媒体Cとの間に対向配置され、X線撮像システムの品質検査を行うためのQCファントムA1において、受信媒体Cが対向する側の構成物層1に、X線の散乱線を吸収し低減する金属層3が積層されたことによって、散乱線の影響の少ない高画質なX線画像が得られる。
【選択図】図2
【解決手段】金属パターン1aや合成樹脂パターン1bを有する構成物層1が、X線源Bと、透過X線を受信する受信媒体Cとの間に対向配置され、X線撮像システムの品質検査を行うためのQCファントムA1において、受信媒体Cが対向する側の構成物層1に、X線の散乱線を吸収し低減する金属層3が積層されたことによって、散乱線の影響の少ない高画質なX線画像が得られる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線撮像システムの品質検査を行うためのQCファントムに関し、詳しくは、放射線の散乱による画質劣化の改善を行うQCファントムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、たとえば医療診断を目的とする医療用X線撮影において、X線写真フィルム、蓄積性蛍光体シート(IP)およびX線を検出して電気信号に変換するフラットパネルデバイス(FPD)等を使用したX線撮像システムが知られている。
このようなX線撮像システムによって得られるX線画像の高信頼性での使用を保証するためには、X線撮像システムの性能を測定し検証することが必要である。つまり画質が悪いと、X線画像の高信頼な解析が損なわれるからであり、たとえば、画像コントラスト品質の低下により使用不可能な信頼性の低い画像を生じることがある。
【0003】
X線撮像システムパラメータの品質測定に使用されるものに、QCファントムがある。QCファントムは、合成樹脂からなる基準物質中に、X線吸収率が既知で、大きさ、形状、密度および組成等の特性を有する合成樹脂や金属等が埋設され、X線撮像システムの1つまたは複数の画質評価項目が測定できるように設計されたものであり、X線撮像システムの異なる性能パラメータが評価できるようになっている。
【0004】
このようなQCファントムは、X線撮像システムに設置されたうえで、X線が照射され、このときの透過X線レベルがCRTモニタ、液晶モニタおよびX線写真フィルム等にX線画像として表示される。そして、表示されたX線画像は、種々の画像評価項目に基づいて評価されることにより、X線撮像システムの品質が検査されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記QCファントムは、主に合成樹脂から構成されているので、X線が透過するとき、散乱X線が発生し、たとえば蓄積性蛍光体シートには、散乱X線および被写体画像情報を担持する正常なX線の両方が蓄積されることになる。このため、X線撮像システムから最終的に出力される画像信号に、散乱X線の信号成分が含まれることになり、被写体画像に散乱X線による画像が重なって出力されたり、散乱X線の発生が、X線画像の濃度変動や鮮鋭度低下の要因となり、画質の悪いX線画像が出力される。
【0006】
このように、合成樹脂を主成分とするQCファントム内では、X線が散乱X線を発生するため、X線画像の確実な評価が困難となり、X線撮像システムの品質検査の信頼性を著しく低下させるという事情がある。
本発明の技術的課題は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、散乱X線の影響を低減し、散乱X線による画像品質の劣化を防止することができるQCファントムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、合成樹脂からなる基準物質中に金属パターンや前記基準物質とはX線吸収率の異なる合成樹脂パターンを有する構成物層を備え、X線撮像システムにおいて、前記構成物層を、X線源と、前記構成物層を透過したX線を受信する受信媒体との間に対向配置し、前記構成物層にX線を透過させ、撮像されたX線画像を評価することにより、前記X線撮像システムの品質検査を行うためのQCファントムにおいて、前記受信媒体が対向する側の前記構成物層に、前記X線の散乱X線を吸収し低減する金属層が積層されたことを特徴とするQCファントムを提供するものである。
このように、前記QCファントムでは、金属層によって散乱X線が低減され、受信媒体への散乱X線の受信が抑制されるので、画像の重なり、画像濃度の変動および画像鮮鋭度の低下が回避される。
【0008】
また、前記構成物層は3mm〜10mm、前記金属層は0.1mm〜3mmの厚さをそれぞれ有することが好ましい。
また、前記金属層は、加工性に優れ、ハンドリング性を損なうことのない重さ(厚さ)の範囲内で、充分な散乱X線吸収能を有する銅によって形成されることが好ましい。
また、前記金属層は、機械的な強度を付与する合成樹脂層を介して前記構成物層に積層されたことが好ましい。
また、前記合成樹脂層は0.5mm〜5mmの厚さを有することが好ましい。また、前記合成樹脂層は、加工の容易性、材質の均一性に優れるアクリル樹脂またはウレタン樹脂によって形成されることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態であるQCファントムのX線撮像システムにおける配置図を示す。
図1に示すQCファントムA1〜A3は、X線撮像システムにおけるX線源Bと、透過X線を受信する受信媒体(蓄積性蛍光体シート(IP)あるいはフラットパネルデバイス(FPD)等)Cとの間に設置され、X線が透過され、撮像されたX線画像の評価を行うことで、X線撮像システムの品質検査を行うためのものである。
【0010】
図2は、本発明に係るQCファントムの第1実施例を示す断面図である。
図2に示すQCファントムA1は、アクリル樹脂あるいはウレタン樹脂等からなる基準物質中にX線吸収率、大きさ、形状、密度および組成等の特性を有する金属パターン1aおよび前記基準物質とはX線吸収率が異なり、所定形状に形成された合成樹脂パターン1bがそれぞれ埋設された5mm程度の厚さを有する構成物層1を備えている。なお、前記構成物層1の厚さは、照射されるX線が完全な平行光でないため、できるだけ薄く形成されることが好ましいが、薄すぎると、画質評価に必要な金属パターン1aや合成樹脂パターン1bを埋設する領域が確保できなくなるので、3mm〜10mmの厚さが好ましく、理想的には3mm〜5mmの厚さにするのがよい。
【0011】
そして、前記構成物層1の表面には、前記金属パターン1aおよび合成樹脂パターン1bの埋設物を保護するためにアクリル樹脂製で2mm程度の厚さを有する保護層2が積層されている。
さらに、構成物層1の裏面には、構成物層1および保護層2を透過するX線の散乱X線を吸収し低減する目的で、金属層、たとえば加工性に優れる銅板3が積層されている。このような銅板3は、受信媒体C側に位置し、構成物層1の裏面全面を覆うことができる大きさであることが望ましく、QCファントムA1を透過した透過X線の散乱X線を吸収し低減して、散乱X線が受信媒体Cにできるだけ受信されないようにしている。
【0012】
ところで、前記銅板3は、散乱X線の吸収およびQCファントムA1の補強材としての機能を持たせるにはできるだけ厚く形成した方がよいが、QCファントムA1を軽量化し良好なハンドリング性を持たせ、被写体画像情報の正常なX線を確実に透過させるには薄く形成した方がよい。このことから、銅板3の厚さは、0.1mm〜3mmの厚さに形成することが望ましく、理想的には0.1mm〜1mmの厚さがよい。ちなみに、本実施例では、銅板3の厚さを、1mm程度に設定している。
【0013】
図3は、本発明に係るQCファントムの第2実施例を示す断面図である。
図3に示すQCファントムA2では、金属パターン1aおよび合成樹脂パターン1bを有する構成物層1の表面を覆うように保護層2が積層され、構成物層1の裏面には、構成物層1に対して機械的な強度を付与し、剛性を強化するための合成樹脂層、たとえば材質の均一性に優れ、加工が容易なアクリル樹脂からなるアクリル板4が積層され、QCファントムA2の湾曲等の変形を防止している。そして、前記アクリル板4の裏面には、構成物層1、保護層2およびアクリル板4を透過するX線の散乱X線を吸収し低減するための銅板3が積層されている。
【0014】
このようなQCファントムA2では、アクリル板4が銅板3に比して比較的軽量であるため、銅板3を補強材として使用するのに比べ、良好なハンドリング性が確保されることになる。
また、アクリル板4の厚さは、機械的強度の面からは、厚い方がよい反面、アクリル板4自身も散乱X線を発生するため薄く形成した方がよい。このため、アクリル板4は、機械的強度および散乱X線発生の低減の両方の要求を両立させるため0.5mm〜5mmの厚さに形成することが好ましく、理想的には0.5mm〜2mmの厚さがよい。なお、本実施例における、構成物層1、保護層2、銅板3およびアクリル板4の厚さは、順に5mm、2mm、1mm、2mm程度に設定されている。
【0015】
図4は、本発明に係るQCファントムの第3実施例を示す断面図である。
図4に示すQCファントムA3は、図3に示すQCファントムA2の銅板3の裏面にアクリル板5を積層したものであり、QCファントムA3をX線撮像システムに設置した際、銅板3が受信媒体Cに直接接触するのを避けることで、受信媒体Cの保護を目的として設けられている。なお、このようなQCファントムA3の場合、透過X線は、アクリル板5でも散乱するので、アクリル板5は、保護材としての機能を担保したうえで、できるだけ薄板に形成する必要がある。
【0016】
このように、本実施の形態のQCファントムA1〜A3では、散乱X線が銅板3によって低減されるので、画像の重なり、画像の濃度変動や鮮鋭度低下等が回避され、画質劣化のないX線画像が得られる。これによって、QCファントムA1〜A3のX線画像が確実に評価され、X線撮像システムの品質検査の信頼性が向上する。
【0017】
以上、本発明の実施の形態のQCファントムについて詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載のQCファントムに限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更ができるものである。
たとえば、前記実施の形態のQCファントムA1〜A3では、金属層として、銅板3を用いたが、X線を吸収でき、X線吸収率が既知である金属であれば、銅板3に限定されるものではない。
また、前記実施の形態のQCファントムA1〜A3では、機械的強度を付加する合成樹脂層としてアクリル板4,5を用いたが、これに代えて、アクリル樹脂と同様に材質の均一性および加工性に優れるウレタン樹脂を用いてもよい。さらに、散乱X線の発生量が少なく、かつ機械的強度を有する材質であれば、合成樹脂層の他、木材層やガラス層であってもよい。
【0018】
また、散乱X線の除去よりも放射線量の確保が必要な領域がある場合には、銅板3の部分を選択的に繰り抜いてもよい。さらに、銅板3の部分の厚さを選択的に変えることで、ステップウェッジの一部を構成させ、X線画像の線形性の評価に用いてもよい。
また、アルミ板に鉛によって構成される線を配置したグリッド構造を持つものを金属層として採用してもよい。この場合、QCファントムA1〜A3の各画像評価パターンを、鉛によって構成される線に跨らないように配置することによって、QCファントムA1〜A3の機能を好適に発揮することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明のQCファントムによれば、X線の散乱線を低減する金属層を備えたので、散乱X線の量を少なくすることができるようになる。これによって、画像の重なり、画像濃度変動および画像鮮鋭度の低下を防止することができるので、散乱X線による画質劣化を防止することができ、散乱X線の影響の少ない高画質なX線画像を得ることができる。よって、X線画像の評価が確実にできるようになり、X線撮像システムの品質検査の信頼性を著しく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るQCファントムのX線撮像システムにおける配置図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るQCファントムの断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係るQCファントムの断面図である。
【図4】本発明の第3実施例に係るQCファントムの断面図である。
【符号の説明】
1 構成物層
1a 金属パターン
1b 合成樹脂パターン
2 保護層
3 銅板
4,5 アクリル板
A1〜A3 QCファントム
B X線源
C 受信媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線撮像システムの品質検査を行うためのQCファントムに関し、詳しくは、放射線の散乱による画質劣化の改善を行うQCファントムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、たとえば医療診断を目的とする医療用X線撮影において、X線写真フィルム、蓄積性蛍光体シート(IP)およびX線を検出して電気信号に変換するフラットパネルデバイス(FPD)等を使用したX線撮像システムが知られている。
このようなX線撮像システムによって得られるX線画像の高信頼性での使用を保証するためには、X線撮像システムの性能を測定し検証することが必要である。つまり画質が悪いと、X線画像の高信頼な解析が損なわれるからであり、たとえば、画像コントラスト品質の低下により使用不可能な信頼性の低い画像を生じることがある。
【0003】
X線撮像システムパラメータの品質測定に使用されるものに、QCファントムがある。QCファントムは、合成樹脂からなる基準物質中に、X線吸収率が既知で、大きさ、形状、密度および組成等の特性を有する合成樹脂や金属等が埋設され、X線撮像システムの1つまたは複数の画質評価項目が測定できるように設計されたものであり、X線撮像システムの異なる性能パラメータが評価できるようになっている。
【0004】
このようなQCファントムは、X線撮像システムに設置されたうえで、X線が照射され、このときの透過X線レベルがCRTモニタ、液晶モニタおよびX線写真フィルム等にX線画像として表示される。そして、表示されたX線画像は、種々の画像評価項目に基づいて評価されることにより、X線撮像システムの品質が検査されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記QCファントムは、主に合成樹脂から構成されているので、X線が透過するとき、散乱X線が発生し、たとえば蓄積性蛍光体シートには、散乱X線および被写体画像情報を担持する正常なX線の両方が蓄積されることになる。このため、X線撮像システムから最終的に出力される画像信号に、散乱X線の信号成分が含まれることになり、被写体画像に散乱X線による画像が重なって出力されたり、散乱X線の発生が、X線画像の濃度変動や鮮鋭度低下の要因となり、画質の悪いX線画像が出力される。
【0006】
このように、合成樹脂を主成分とするQCファントム内では、X線が散乱X線を発生するため、X線画像の確実な評価が困難となり、X線撮像システムの品質検査の信頼性を著しく低下させるという事情がある。
本発明の技術的課題は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、散乱X線の影響を低減し、散乱X線による画像品質の劣化を防止することができるQCファントムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、合成樹脂からなる基準物質中に金属パターンや前記基準物質とはX線吸収率の異なる合成樹脂パターンを有する構成物層を備え、X線撮像システムにおいて、前記構成物層を、X線源と、前記構成物層を透過したX線を受信する受信媒体との間に対向配置し、前記構成物層にX線を透過させ、撮像されたX線画像を評価することにより、前記X線撮像システムの品質検査を行うためのQCファントムにおいて、前記受信媒体が対向する側の前記構成物層に、前記X線の散乱X線を吸収し低減する金属層が積層されたことを特徴とするQCファントムを提供するものである。
このように、前記QCファントムでは、金属層によって散乱X線が低減され、受信媒体への散乱X線の受信が抑制されるので、画像の重なり、画像濃度の変動および画像鮮鋭度の低下が回避される。
【0008】
また、前記構成物層は3mm〜10mm、前記金属層は0.1mm〜3mmの厚さをそれぞれ有することが好ましい。
また、前記金属層は、加工性に優れ、ハンドリング性を損なうことのない重さ(厚さ)の範囲内で、充分な散乱X線吸収能を有する銅によって形成されることが好ましい。
また、前記金属層は、機械的な強度を付与する合成樹脂層を介して前記構成物層に積層されたことが好ましい。
また、前記合成樹脂層は0.5mm〜5mmの厚さを有することが好ましい。また、前記合成樹脂層は、加工の容易性、材質の均一性に優れるアクリル樹脂またはウレタン樹脂によって形成されることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態であるQCファントムのX線撮像システムにおける配置図を示す。
図1に示すQCファントムA1〜A3は、X線撮像システムにおけるX線源Bと、透過X線を受信する受信媒体(蓄積性蛍光体シート(IP)あるいはフラットパネルデバイス(FPD)等)Cとの間に設置され、X線が透過され、撮像されたX線画像の評価を行うことで、X線撮像システムの品質検査を行うためのものである。
【0010】
図2は、本発明に係るQCファントムの第1実施例を示す断面図である。
図2に示すQCファントムA1は、アクリル樹脂あるいはウレタン樹脂等からなる基準物質中にX線吸収率、大きさ、形状、密度および組成等の特性を有する金属パターン1aおよび前記基準物質とはX線吸収率が異なり、所定形状に形成された合成樹脂パターン1bがそれぞれ埋設された5mm程度の厚さを有する構成物層1を備えている。なお、前記構成物層1の厚さは、照射されるX線が完全な平行光でないため、できるだけ薄く形成されることが好ましいが、薄すぎると、画質評価に必要な金属パターン1aや合成樹脂パターン1bを埋設する領域が確保できなくなるので、3mm〜10mmの厚さが好ましく、理想的には3mm〜5mmの厚さにするのがよい。
【0011】
そして、前記構成物層1の表面には、前記金属パターン1aおよび合成樹脂パターン1bの埋設物を保護するためにアクリル樹脂製で2mm程度の厚さを有する保護層2が積層されている。
さらに、構成物層1の裏面には、構成物層1および保護層2を透過するX線の散乱X線を吸収し低減する目的で、金属層、たとえば加工性に優れる銅板3が積層されている。このような銅板3は、受信媒体C側に位置し、構成物層1の裏面全面を覆うことができる大きさであることが望ましく、QCファントムA1を透過した透過X線の散乱X線を吸収し低減して、散乱X線が受信媒体Cにできるだけ受信されないようにしている。
【0012】
ところで、前記銅板3は、散乱X線の吸収およびQCファントムA1の補強材としての機能を持たせるにはできるだけ厚く形成した方がよいが、QCファントムA1を軽量化し良好なハンドリング性を持たせ、被写体画像情報の正常なX線を確実に透過させるには薄く形成した方がよい。このことから、銅板3の厚さは、0.1mm〜3mmの厚さに形成することが望ましく、理想的には0.1mm〜1mmの厚さがよい。ちなみに、本実施例では、銅板3の厚さを、1mm程度に設定している。
【0013】
図3は、本発明に係るQCファントムの第2実施例を示す断面図である。
図3に示すQCファントムA2では、金属パターン1aおよび合成樹脂パターン1bを有する構成物層1の表面を覆うように保護層2が積層され、構成物層1の裏面には、構成物層1に対して機械的な強度を付与し、剛性を強化するための合成樹脂層、たとえば材質の均一性に優れ、加工が容易なアクリル樹脂からなるアクリル板4が積層され、QCファントムA2の湾曲等の変形を防止している。そして、前記アクリル板4の裏面には、構成物層1、保護層2およびアクリル板4を透過するX線の散乱X線を吸収し低減するための銅板3が積層されている。
【0014】
このようなQCファントムA2では、アクリル板4が銅板3に比して比較的軽量であるため、銅板3を補強材として使用するのに比べ、良好なハンドリング性が確保されることになる。
また、アクリル板4の厚さは、機械的強度の面からは、厚い方がよい反面、アクリル板4自身も散乱X線を発生するため薄く形成した方がよい。このため、アクリル板4は、機械的強度および散乱X線発生の低減の両方の要求を両立させるため0.5mm〜5mmの厚さに形成することが好ましく、理想的には0.5mm〜2mmの厚さがよい。なお、本実施例における、構成物層1、保護層2、銅板3およびアクリル板4の厚さは、順に5mm、2mm、1mm、2mm程度に設定されている。
【0015】
図4は、本発明に係るQCファントムの第3実施例を示す断面図である。
図4に示すQCファントムA3は、図3に示すQCファントムA2の銅板3の裏面にアクリル板5を積層したものであり、QCファントムA3をX線撮像システムに設置した際、銅板3が受信媒体Cに直接接触するのを避けることで、受信媒体Cの保護を目的として設けられている。なお、このようなQCファントムA3の場合、透過X線は、アクリル板5でも散乱するので、アクリル板5は、保護材としての機能を担保したうえで、できるだけ薄板に形成する必要がある。
【0016】
このように、本実施の形態のQCファントムA1〜A3では、散乱X線が銅板3によって低減されるので、画像の重なり、画像の濃度変動や鮮鋭度低下等が回避され、画質劣化のないX線画像が得られる。これによって、QCファントムA1〜A3のX線画像が確実に評価され、X線撮像システムの品質検査の信頼性が向上する。
【0017】
以上、本発明の実施の形態のQCファントムについて詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載のQCファントムに限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更ができるものである。
たとえば、前記実施の形態のQCファントムA1〜A3では、金属層として、銅板3を用いたが、X線を吸収でき、X線吸収率が既知である金属であれば、銅板3に限定されるものではない。
また、前記実施の形態のQCファントムA1〜A3では、機械的強度を付加する合成樹脂層としてアクリル板4,5を用いたが、これに代えて、アクリル樹脂と同様に材質の均一性および加工性に優れるウレタン樹脂を用いてもよい。さらに、散乱X線の発生量が少なく、かつ機械的強度を有する材質であれば、合成樹脂層の他、木材層やガラス層であってもよい。
【0018】
また、散乱X線の除去よりも放射線量の確保が必要な領域がある場合には、銅板3の部分を選択的に繰り抜いてもよい。さらに、銅板3の部分の厚さを選択的に変えることで、ステップウェッジの一部を構成させ、X線画像の線形性の評価に用いてもよい。
また、アルミ板に鉛によって構成される線を配置したグリッド構造を持つものを金属層として採用してもよい。この場合、QCファントムA1〜A3の各画像評価パターンを、鉛によって構成される線に跨らないように配置することによって、QCファントムA1〜A3の機能を好適に発揮することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明のQCファントムによれば、X線の散乱線を低減する金属層を備えたので、散乱X線の量を少なくすることができるようになる。これによって、画像の重なり、画像濃度変動および画像鮮鋭度の低下を防止することができるので、散乱X線による画質劣化を防止することができ、散乱X線の影響の少ない高画質なX線画像を得ることができる。よって、X線画像の評価が確実にできるようになり、X線撮像システムの品質検査の信頼性を著しく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るQCファントムのX線撮像システムにおける配置図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るQCファントムの断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係るQCファントムの断面図である。
【図4】本発明の第3実施例に係るQCファントムの断面図である。
【符号の説明】
1 構成物層
1a 金属パターン
1b 合成樹脂パターン
2 保護層
3 銅板
4,5 アクリル板
A1〜A3 QCファントム
B X線源
C 受信媒体
Claims (6)
- 合成樹脂からなる基準物質中に金属パターンや前記基準物質とはX線吸収率の異なる合成樹脂パターンを有する構成物層を備え、X線撮像システムにおいて、前記構成物層を、X線源と、前記構成物層を透過したX線を受信する受信媒体との間に対向配置し、前記構成物層にX線を透過させ、撮像されたX線画像を評価することにより、前記X線撮像システムの品質検査を行うためのQCファントムであって、
前記受信媒体が対向する側の前記構成物層に、前記X線の散乱X線を吸収し低減する金属層が積層されたことを特徴とするQCファントム。 - 前記構成物層は3mm〜10mm、前記金属層は0.1mm〜3mmの厚さをそれぞれ有することを特徴とする請求項1に記載のQCファントム。
- 前記金属層は、銅によって形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のQCファントム。
- 前記金属層は、機械的な強度を付与する合成樹脂層を介して前記構成物層に積層されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のQCファントム。
- 前記合成樹脂層は0.5mm〜5mmの厚さを有することを特徴とする請求項4に記載のQCファントム。
- 前記合成樹脂層は、アクリル樹脂またはウレタン樹脂によって形成されたことを特徴とする請求項4または5に記載のQCファントム。
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