JP5912205B2 - 評価用補助具 - Google Patents

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Description

本発明は、評価用補助具、特に、デジタルX線画像を撮像して評価する際に用いられる評価用補助具に関する。
医用X線装置の品質管理(QA)や品質保証(QC)、X線画質の維持管理は、非常に重要である。また、近年、X線装置は、高性能化されており、例えば、広いダイナミックレンジを有するフラットパネル検出器を搭載したX線装置が普及している。
その高性能化されたX線装置を、詳細に日々チェックすることが求められているが、日常の品質保証のことを考慮した場合、かかるチェック作業は、簡便に行えることが望ましい。このチェック作業を簡便に行える評価用補助具としては、例えば、小田らによって提案されたデジタル画像ファントムがある(非特許文献1参照)。
小田らのデジタル画像ファントムによれば、デジタルX線画像の空間分解能やコントラスト分解能の評価を行うことが可能である。
ところで、人体は、X線吸収率の違いの点から大別すると、骨などの高X線吸収領域、内臓や軟部組織などの中X線吸収領域、肺(含気組織)などの低X線吸収領域の3つの領域に分類できる。
しかしながら、小田らのデジタル画像ファントムでは、1つのX線吸収領域について、X線画像の評価を行い得るものの、異なるX線吸収率を有する複数のX線吸収領域について、X線画像を一括して評価することができないという問題がある。
また、平成19年3月30日には、厚生労働省から医療機器の安全性管理を行うように規定された法令が通知されており、X線装置の品質管理や品質保証の重要性がさらに高まっている。
このようなことから、複数のX線吸収領域について、X線画像の特性(模擬病変の検出能)を簡便にかつ一括して評価できる評価用補助具(ファントム)の開発が要望されている。
CRシステムの品質保証プログラムの構築および標準化検討班報告(学術調査研究班報告) 日本放射線技術学会誌59(1),97−116,2003
本発明の目的は、デジタルX線画像を撮像して評価する際にファントム(模擬病変)として用いることができ、特に、異なるX線吸収率を有する複数のX線吸収領域におけるデジタルX線画像の評価を一括して行い得る評価用補助具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(19)の本発明により達成される。
(1) デジタルX線画像を撮像して評価する際に用いられる評価用補助具であって、
平面視において四角形状をなし、X線吸収率の異なる複数の領域を有する板状体と、
前記板状体上に、各前記領域に対応して設けられ、横断面積が互いに異なっている複数の線材を有する集合体とを含み、
各前記集合体において、各前記線材は、前記板状体の一辺に対して傾斜していることを特徴とする評価用補助具。
(2) 各前記集合体において、各前記線材は、前記板状体の一辺に対して30〜75°傾斜している上記(1)に記載の評価用補助具。
(3) 各前記集合体において、前記複数の線材は、ほぼ等間隔で併設されている上記(1)または(2)に記載の評価用補助具。
(5) 前記板状体は、前記複数の領域における厚さおよび/または構成材料が異なることにより、各前記領域における前記X線吸収率が異なっている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の評価用補助具。
(6) 前記板状体は、平面視での大きさが異なる複数の板材を積層してなり、前記複数の領域における前記板材の数の違いにより厚さが異なり、これにより、各前記領域における前記X線吸収率が異なっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の評価用補助具。
(7) 前記複数の板材は、平面視での形状が互いに異なっている上記(6)に記載の評価用補助具。
(8) 前記板状体は、銅を主材料として構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の評価用補助具。
(9) さらに、前記板状体上に、各前記領域に対応して設けられ、X線吸収率の異なる複数の領域を有するブロック体を含み、
前記板状体の各前記領域は、平面視において、前記ブロック体の周囲に、前記ブロック体から露出する部分を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の評価用補助具。
(10) 前記ブロック体は、前記複数の領域における厚さおよび/または構成材料が異なることにより、各前記領域における前記X線吸収率が異なっている上記(9)に記載の評価用補助具。
(11) 前記ブロック体の構成材料と前記板状体の構成材料とが異なっている上記(10)に記載の評価用補助具。
(12) 前記ブロック体の構成材料のX線吸収率は、前記板状体の構成材料のX線吸収率より低い上記(11)に記載の評価用補助具。
(13) 前記ブロック体は、アルミニウム、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、カーボンまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む材料を主材料として構成されている上記(9)ないし(12)のいずれかに記載の評価用補助具。
(14) 各前記集合体は、前記板状体の各前記領域の前記ブロック体から露出する部分に配置されている上記(9)ないし(13)のいずれかに記載の評価用補助具。
(15)各前記ブロック体は、その厚さ方向に貫通して形成された貫通孔を有し、前記貫通孔を介して、前記板状体が露出している上記(9)ないし(14)のいずれかに記載の評価用補助具。
(16) 前記線材は、鉄、カーボン、シリコン、マンガンまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む混合物を主材料として構成されている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の評価用補助具。
(17) 前記集合体は、前記複数の線材をシート材に固定してなるものである上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の評価用補助具。
(18) 前記シート材の構成材料のX線吸収率は、前記板状体および前記線材の構成材料のX線吸収率より低い上記(17)に記載の評価用補助具。
(19) 前記シート材は、エポキシ樹脂を含浸させた紙繊維基材で構成されている上記(17)または(18)に記載の評価用補助具。
本発明によれば、簡便かつ確実に、異なるX線吸収率を有する複数のX線吸収領域におけるX線画像の評価を一括して行うことができる。
本発明の評価用補助具の実施形態を示す平面図である。 図1に示す評価用補助具の基板の構成を示す図((a)平面図、(b)側面図)である。 図1に示す評価用補助具の各ステップの構成を示す図((a)平面図、(b)側面図)である。 図1に示す評価用補助具の各ワイヤチャートの構成を示す平面図である。
以下、本発明の評価用補助具を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の評価用補助具の実施形態を示す平面図、図2は、図1に示す評価用補助具の基板の構成を示す図((a)平面図、(b)側面図)、図3は、図1に示す評価用補助具の各ステップの構成を示す図、図4は、図1に示す評価用補助具の各ワイヤチャートの構成を示す平面図である。
図1に示す評価用補助具(ファントム)1は、例えば、X線装置の点検等において、デジタルX線画像(以下、単に「X線画像」と言う。)を撮像して評価する際に用いられるものである。
評価用補助具1をX線装置に載置してX線画像を撮像(表示)し、この撮像されたX線画像が所望のものでない場合には、X線装置の設定に不具合があるものとして、最適なものに設定することができる。これにより、X線装置が常に一定の品質(分解能)を有するX線画像を提供できるので、医療事故の発生を未然にかつ確実に防止することができることは勿論のこと、疾病の診断や治療を適切に行うことができる。
評価用補助具1は、基板(板状体)2と、基板2上に設けられた複数のステップ(ブロック体)31〜33および複数のワイヤチャート(集合体)41〜43とを有している。
基板2は、その全体形状が、平面視において四角形状(本実施形態では、ほぼ正方形状)をなしている。この基板2は、図1および図2に示すように、複数(本実施形態では、3枚)の板材21〜23を積層して構成されている。なお、図2(a)では、3枚の板材21〜23をズラして示してある。
また、各板材21〜23は、平面視での大きさが異なっている。かかる構成により、基板2は、3枚の板材21〜23が重なる領域Aと、2枚の板材21および22が重なる領域Bと、1枚の板材21で構成される領域Cとを有している。したがって、各領域A〜Cは、図2(b)に示すように、板材21〜23の数の違いにより厚さが異なっており、それぞれ、領域Aは、厚さTAと、領域Bは、厚さTBと、領域Cは、厚さTCとなっている。
本実施形態では、各板材21〜23は、同一の材料で構成されており、各領域A〜CにおいてX線吸収率が異なっている。領域Aは、その厚さTAが最大であり、最大のX線吸収率を有し、領域Cは、その厚さTCが最小であり、最小のX線吸収率を有し、領域Bは、その厚さTBが領域Aの厚さTAと領域Cの厚さTCとの間であり、領域AのX線吸収率と領域CのX線吸収率との間のX線吸収率を有している。
かかる構成において、領域Aは、骨などの高X線吸収領域と、領域Bは、内臓や軟部組織などの中X線吸収領域と、領域Cは、肺(含気組織)などの低X線吸収領域と、それぞれ、擬似的にみなすことができる。したがって、評価用補助具1を用いれば、高X線吸収領域、中X線吸収領域および低X線吸収領域の3つの領域におけるX線画像の評価を一括して行うことができ、利便性が高い。
また、基板2(板材21〜23)は、X線吸収率が比較的高い材料で構成されるのが好ましく、例えば、銅、タングステン、鉛、チタン、鉄、ステンレス、錫等を主材料として構成されるものが好ましい。中でも、基板2は、銅を主材料として構成されるものが好ましい。銅は、比較的安価であり、加工性および生体安全性に優れるからである。
各領域A〜Cの厚さは、必要とするX線吸収率に応じて設定するようにすればよく、特に限定されないが、基板2を銅で構成する場合には、各領域A〜Cの厚さは、好ましくは、次のように設定される。すなわち、領域Aの厚さTAは、0.5〜7mm程度とするのが好ましく、1〜5mm程度とするのがより好ましい。領域Bの厚さTBは、0.1〜5mm程度とするのが好ましく、0.5〜3mm程度とするのがより好ましい。領域Cの厚さTCは、0.05〜3mm程度とするのが好ましく、0.1〜2mm程度とするのがより好ましい。
なお、本実施形態では、基板2の厚さを変えることにより、各領域A〜CのX線吸収率が異なるように構成されているが、各領域A〜Cの構成材料を変えることにより、各領域A〜CのX線吸収率が異なるように構成してもよく、さらに、双方を組み合わせるようにしてもよい。なお、構成材料を変えて、各領域A〜CのX線吸収率が異なるように構成する場合には、基板2全体で厚さを均一にすることができ、評価用補助具1の薄型化に寄与する。
また、複数の板材21〜23は、平面視での形状が互いに異なっている。具体的には、図2(a)に示すように、板材21は、基板2の外形に対応し、平面視において正方形状をなしており、板材22は、平面視において長方形の一部を欠損させたような形状をなしており、板材23は、平面視においてL字状をなしている。これにより、基板2上に、ステップ31〜33およびワイヤチャート41〜43を配置するのに、各部材が空間的に干渉するのを好適に防止して、適正に配置することができる。また、評価用補助具1において各部材を適正に配置することができるため、評価用補助具1を用いてX線画像を得る際に、各部材においてX線が乱反射してアーチファクトが発生するのを好適に防止することができるという効果もある。さらに、このような配置にすることにより、例えば、実際の胸部正面(縦隔胸椎部、心臓部、肺野部)におけるX線吸収率の異なる領域の大まかな位置関係を模式的に表すことができるという効果もある。
板材21の平面視でのサイズは、X線装置の検出器のサイズに対応して設定するのが好ましく、例えば、200mm×200mm程度とされる。
このような基板2上には、領域Aに対応して、ステップ31が、領域Bに対して、ステップ32が、領域Cに対応して、ステップ33がそれぞれ設けられている。各ステップ31〜33は、基板2に対して、例えば、溶接、融着、接着剤による接着等の方法で固定されている。
各ステップ31〜33は、主に、得られるX線画像において、X線吸収率の異なる各領域A〜Cにおけるコントラスト分解能の評価に用いられる。なお、各ステップ31〜33の構成は、同様であるため、以下、ステップ31を代表的に説明する。
ステップ31は、平面視において長方形状をなし、側面視において階段状をなす1つの板材で構成されている(図3参照)。これにより、ステップ31は、長手方向に沿って配置され、X線吸収率の異なる複数の領域311〜317を有している。
本実施形態では、領域311の厚さt11が最も小さく、領域312から領域317に向かって厚さが増大し、領域317の厚さt17が最も大きくなっている。これに対応して、領域311のX線吸収率が最も小さく、領域312から領域317に向かって順にX線吸収率が増大し、領域317のX線吸収率が最も大きくなっている。
したがって、強度の比較的高いX線を照射した場合、X線は、全ての領域311〜317を透過するため、得られるX線画像には、ステップ31は造影されず、照射するX線の強度を低下させていくと、X線画像には、領域317から順に造影されることになる。例えば、X線画像の基板2の領域Aに対応する部分において、領域315〜317が造影されるような強度のX線を照射したにも係わらず、領域315が造影されていない場合には、X線の強度が目的の強度より高いことを(またはX線装置の検出器に感度変化が生じていることを)意味しており、X線装置の調整が必要であることが判る。
なお、ステップ32は、X線吸収率の異なる領域321〜329を有し、その厚さは、それぞれ、t21〜t29であり、ステップ33は、X線吸収率の異なる領域331〜337を有し、その厚さは、それぞれ、t31〜t37である。
また、各領域311〜317に対応して、ステップ31には、7つの貫通孔34が形成されている。ステップ31を基板2に設置すると、貫通孔34を介して基板2の表面が露出する。これにより、領域Aにおいて、貫通孔34の部分とステップ31の周囲の部分とにおけるX線の透過率が等しくなる。このため、X線画像において、ステップ31(領域311〜317)の造影の程度を確認し易くなる。また、領域311〜317には、貫通孔34に代えて、凸状の形状を有する凸部を形成し、この凸部が形成された領域とそれ以外の領域との間にX線吸収率の差を設ける構成としてもよい。
また、ステップ31の構成材料は、基板2の構成材料と異なっているのが好ましく、そのX線吸収率が基板2の構成材料のX線吸収率より低いのがより好ましい。これにより、ステップ31自体が領域A〜Cのコントラスト分解能の評価に邪魔になるのを防止することができる。
具体的には、ステップ31は、例えば、アルミニウム、カーボン、後述するシート材44で例示する材料等を主材料として構成されるものが好ましい。中でも、ステップ31は、アルミニウム、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、カーボンまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む材料を主材料として構成されるものが好ましい。これらの材料は、X線吸収率が低く、比較的安価であり、加工性にも優れるからである。なお、前記材料を組み合わせて用いる場合、ステップ31を前記材料の混合物により形成することや、ステップ31を各材料で構成された基材を積層して形成することもできる。
各領域311〜317の厚さt11〜t17は、必要とするX線吸収率に応じて設定するようにすればよく、特に限定されないが、ステップ31をアルミニウムで構成する場合には、各領域311〜317の厚さは、0.01〜5mm程度の範囲で設定するのが好ましく、0.5〜3.5mm程度の範囲で設定するのがより好ましい。
また、隣接する領域311〜317同士の厚さの違い(隣接する領域311〜317間の段差の高さ)は、特に限定されないが、0.05〜2mm程度であるのが好ましく、0.1〜1mm程度であるのがより好ましい。
本実施形態では、ステップ31の厚さを異ならせることにより、各領域311〜317のX線吸収率が異なるように構成されているが、各領域311〜317の構成材料を異ならせることにより、各領域311〜317のX線吸収率が異なるように構成してもよく、さらに、双方を組み合わせるようにしてもよい。
このようなステップ31〜33は、例えば、板材のプレス加工等により形成することができる。
さらに、基板2上には、領域Aに対応して、ワイヤチャート41が、領域Bに対して、ワイヤチャート42が、領域Cに対応して、ワイヤチャート43がそれぞれ設けられている。各ワイヤチャート41〜43は、基板2に対して、例えば、溶接、融着、接着剤による接着等の方法で固定されている。
各ワイヤチャート41〜43は、主に、得られるX線画像において、X線吸収率の異なる各領域A〜Cにおける空間分解能の評価に用いられる。なお、各ワイヤチャート41〜43の構成は、同様であるため、以下、ワイヤチャート41を代表的に説明する。
ワイヤチャート41は、ほぼ等間隔で併設された複数のワイヤ(線材)411〜416と、各ワイヤ411〜416を上下から挟持して固定する2枚のシート材44とで構成されている。
各ワイヤ411〜416は、その横断面形状が円形の線材で構成され、その直径(横断面積)が互いに異なっている。このように、サイズの異なるワイヤ411〜416を複数配設することで、どの位のサイズ(細径)まで視認可能かという空間分解能の評価を簡便に行うことができるという効果が得られる。なお、本実施形態では、図4に示すように、ワイヤ411からワイヤ416に向かって、直径が順に大きくなっている。
各ワイヤ411〜416の直径は、0.01〜3mm程度の範囲で設定するのが好ましく、0.05〜1.5mm程度の範囲で設定するのがより好ましい。
また、各ワイヤ411〜416同士の間の間隔(ピッチ)Pは、1〜10mm程度であるのが好ましく、3〜7mm程度であるのがより好ましい。
なお、各ワイヤ411〜416の横断面形状は、円形に限らず、例えば、楕円形、長方形、正方形等の四角形、三角形、五角形、六角形等の多角形であってもよい。
このような各ワイヤ411〜416は、基板2の一辺(例えば、図1中の左辺)に対して傾斜するように配置されている。このように、各ワイヤ411〜416は、基板2の一辺に対して傾斜するように配置することで、アーチファクトの発生を好適に防止することができる。具体的には、各ワイヤ411〜416を傾斜させずに平行または垂直方向に配置すると、X線装置の検出器系(デジタルX線画像のピクセル(画素)やX線グリッド等)と干渉し、モアレつまり干渉縞を生じる可能性があるが、各ワイヤ411〜416を傾斜させて配置することにより、前記不都合を防止または抑制することができる。
各ワイヤ411〜416の傾斜角度θは、特に限定されないが、30〜75°程度であるのが好ましく、40〜55°程度であるのがより好ましい。これにより、アーチファクトの発生をより好適に防止することができる。
各ワイヤ411〜416は、例えば、ピアノ線、ガイドワイヤ等を切断して用いることができ、好ましくは、鉄、カーボン、シリコン、マンガンまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む混合物(例えば、合金)を主材料として構成されている。これにより、X線吸収率の異なる各領域A〜Cにおける空間分解能の評価をより確実に行うことができる。
各ワイヤ411〜416は、2枚のシート材44同士を、例えば、融着、接着剤による接着等する方法により、シート材44に固定されている。
なお、ワイヤチャート42は、複数のワイヤ420〜429を、2枚のシート材44で挟持してなり、ワイヤチャート43は、複数のワイヤ430〜439を、2枚のシート材44で挟持してなる。
このシート材44の構成材料は、特に限定されないが、そのX線吸収率が基板2および各ワイヤ411〜416の構成材料のX線吸収率より低いのが好ましい。これにより、ワイヤチャート41自体が領域A〜Cのコントラスト分解能の評価に邪魔になるのを防止することができる。
かかるシート材44としては、例えば、合成樹脂製の基材、繊維基材、合成樹脂を含浸させた繊維基材等が挙げられる。なお、合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル等の各種熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の各種熱硬化性樹脂や、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、繊維基材としては、例えば、紙繊維基材、カーボン繊維基材、ガラス繊維基材等が挙げられる。
中でも、シート材44は、エポキシ樹脂を含浸させた紙繊維基材(紙エポキシ)で構成されているのが好ましい。かかるエポキシ樹脂を含浸させた紙繊維基材を用いることにより、ワイヤチャート41におけるX線吸収率が増大するのを防止することができる。また、エポキシ樹脂を含浸させた紙繊維基材は、他の基材と比較して加工し易く、低コストでもあるという利点を有する。
なお、各ワイヤチャート41〜43は、複数のワイヤ411〜416、420〜429、430〜439を、例えば、接着剤等で互いに固定して構成することもできる。また、複数のワイヤ411〜416、420〜429、430〜439を、直接、基板2上に固定するようにしてもよい。
このような評価用補助具1を用いたX線画像の評価は、例えば、次のようにして行われる。
すなわち、まず、評価用補助具1をX線装置の検出器側に載置し、X線照射器から検出器に向かってX線を照射してX線画像を撮像する。
そして、得られたX線画像の評価用補助具1の各領域A〜Cに対応する部分において、ステップ31〜33の所定の領域およびワイヤチャート41〜43の所定のワイヤが撮像されているか否かを確認するとともに、ワイヤチャート41〜43の所定のワイヤが鮮明に撮像されているか否かを確認する。
このとき、目的のコントラスト分解能および空間分解能を有するX線画像が撮像されていれば、X線装置の設定が正常であると判断することができる。一方、いずれかの部分において目的としないか、不鮮明なX線画像、すなわち、目的としないコントラスト分解能および/または空間分解能を有するX線画像が撮像されれば、X線装置の設定に不具合があるものと判断して、X線装置を所望のX線画像を撮像し得る設定に調整することができる。
以上説明したように、本発明によれば、X線画像の各部におけるコントラストが低下するのを防止しつつ、異なるX線吸収率を有する複数のX線吸収領域におけるX線画像の空間分解能やコントラスト分解能の評価を一括して、正確かつ確実に行うことができる。つまり、人体のX線吸収率の異なる3つの領域(骨などの高X線吸収領域、内臓や軟部組織などの中X線吸収領域、肺(含気組織)などの低X線吸収領域)における画質を、簡便かつ実際の臨床使用状況を模した(反映した)状態で評価することが可能であり、より臨床的で実用的な評価を行うことができる。したがって、医療事故の発生を未然にかつ確実に防止することができることは勿論のこと、疾病の診断や治療を適切に行うことができる。
これに対して、従来の1つのX線吸収領域についての評価を行い得るファントムを、複数のX線吸収領域に対応して複数種用意し、これらを同時に組み合わせて用いた場合には、高X線吸収領域用のファントムを透過したX線の線量を基準にX線装置がX線画像を自動的に補正する結果、X線画像全体としてコントラストの低下が生じ正確な評価を行うことができないという問題がある。つまり、臨床的かつ実用的な評価を行うことができないという問題がある。
以上、本発明の評価用補助具を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
例えば、前記実施形態では、基板2にX線吸収率の異なる3つの領域を設ける構成について説明したが、目的に応じて、2つの領域または4つ以上の領域を設けるようにしてもよい。
また、ブロック体(ステップ31〜33)は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
1 評価用補助具
2 基板
21〜23 板材
A〜C 領域
31〜33 ステップ
311〜317 領域
321〜329 領域
331〜337 領域
34 貫通孔
41〜43 ワイヤチャート
411〜416 ワイヤ
420〜429 ワイヤ
430〜439 ワイヤ
44 シート材

Claims (3)

  1. デジタルX線画像を撮像して評価する際に用いられる評価用補助具であって、
    平面視において四角形状をなし、X線吸収率の異なる複数の領域を有する板状体と、
    前記板状体上に、各前記領域に対応して設けられ、横断面積が互いに異なっている複数の線材を有する集合体とを含み、
    各前記集合体において、各前記線材は、前記板状体の一辺に対して傾斜していることを特徴とする評価用補助具。
  2. 各前記集合体において、各前記線材は、前記板状体の一辺に対して30〜75°傾斜している請求項1に記載の評価用補助具。
  3. 各前記集合体において、前記複数の線材は、ほぼ等間隔で併設されている請求項1または2に記載の評価用補助具。
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