JP4408720B2 - 放射線撮影システムの検査方法及びそれを用いた医用画像処理装置 - Google Patents

放射線撮影システムの検査方法及びそれを用いた医用画像処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4408720B2
JP4408720B2 JP2004045256A JP2004045256A JP4408720B2 JP 4408720 B2 JP4408720 B2 JP 4408720B2 JP 2004045256 A JP2004045256 A JP 2004045256A JP 2004045256 A JP2004045256 A JP 2004045256A JP 4408720 B2 JP4408720 B2 JP 4408720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
radiation
phantom
image quality
radiographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004045256A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004298617A5 (ja
JP2004298617A (ja
Inventor
知成 千代
哲 荒川
正行 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2004045256A priority Critical patent/JP4408720B2/ja
Publication of JP2004298617A publication Critical patent/JP2004298617A/ja
Publication of JP2004298617A5 publication Critical patent/JP2004298617A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4408720B2 publication Critical patent/JP4408720B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/58Testing, adjusting or calibrating thereof
    • A61B6/582Calibration
    • A61B6/583Calibration using calibration phantoms

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)
  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、放射線画像が記録されたシートから画像情報を読み取る画像読取装置を含む放射線撮影システムの品質を検査する放射線撮影システムの検査方法及びそのような検査方法を用いた医用画像処理装置に関する
お、本願において、放射線とは、X線、α線、β線、γ線、紫外線等の一般的な放射線に加えて、電子線等の粒子線や電磁波を含む広義の放射線を指すものとする。
従来より、放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を用いた撮影方法は様々な分野で利用されており、特に医療分野においては、診断のための最も重要な手段の一つとなっている。最初のX線写真が実現されてから、X線写真法は数々の改良を重ねられ、現在では蛍光スクリーンとX線フィルムを組み合わせた方法が主流となっている。一方、近年においては、X線CTや超音波、MRI等の様々なディジタル化された装置が実用化されており、病院内での診断情報処理システム等の構築が進められようとしている。X線画像についてもディジタル化するための多くの研究がなされており、輝尽性蛍光体を用いた放射線撮影方法が確立され、従来のX線写真法に置き換わるものとして注目されている。
輝尽性蛍光体(蓄積性蛍光体)とは、放射線を照射されることにより、その放射線エネルギーの一部を蓄積し、その後、可視光等の励起光を照射されることにより、蓄積しているエネルギーに応じて輝尽発光する物質であり、その存在は従来から知られていた。これを用いた放射線撮影方法とは、次のようなものである。即ち、まず、画像撮影装置を用いて、輝尽性蛍光体を塗布したシートに人体等の被写体の放射線画像を撮影記録する。次に、画像読取装置を用いて、その輝尽性蛍光体シートをレーザ光等の励起光で走査し、これによって生じた輝尽発光光を、画像読取装置のフォトマルチプライヤ(光電子増幅管)によって光電的に読み取る。このようにして得られたアナログの画像信号に基づいて、ディジタルの画像データを得る。さらに、医用画像処理装置を用いて、この画像データを適切に処理した後に、CRT等のディスプレイに出力したり、レーザプリンタ等によりフィルムに印刷する。これにより、被検体を透過した放射線のエネルギーレベルが濃淡によって可視化された放射線画像を得ることができる。
ところで、このような放射線画像を医療診断等に利用する際には、放射線撮影システムの信頼性が高く保証されている必要があり、そのために、放射線撮影システムの性能を随時測定して検証しなければならない。輝尽性蛍光体シートや画像読取装置を含む放射線撮影システムのいずれかが劣化したり、異常を生じると、正常な放射線画像を得ることができなくなり、画像を解析する際の信頼性が損なわれるからである。また、高レベルの放射線エネルギーの照射は人体に悪影響を与えるので、放射線撮影システムの性能の検証は、安全面においても重要である。
特許文献1には、筐体の開閉部材が開かれていても、光電読取手段に悪影響を及ぼすことを防止し、かつ、メンテナンス作業者が誤ってメンテナンス中に規定レベル以上の励起光を照射されるのを防止し、しかも、開閉部材が開かれている状態においても、シートの搬送状況を確認する等のテストを実行できるようにする放射線画像読取装置が開示されている。
特許文献1に記載されている放射線画像読取装置は、予めテスト用画像信号を用意し、そのテスト用画像信号に基づいて、画像データを生成する。しかしながら、この放射線画像読取装置においては、輝尽発光光の発生から、輝尽発光光によって表される画像信号に基づいて画像データを生成するまでの過程におけるテストを行うことができない。
また、特許文献2〜5には、放射線画像撮影装置の異常を容易に検出するための検査方法が開示されている。特許文献2に開示されている検査方法においては、輝尽性蛍光体ディテクタ(シート)の全面について一様に紫外線光を照射し、輝尽性蛍光体ディテクタに励起光を照射することによって生じた輝尽性発光光を光電増幅することが行われている。しかしながら、この検査方法によれば、出力画像の濃度を示すS値、濃度の均一性、及び、粒状性等の限られた項目しか検査できない。
特許文献3には、被写体を撮影したときの画像データを用いるので、検査のためにあらためて撮影をする必要がない検査方法が開示されている。また、特許文献4には、非照射部分の間隔が広狭に変化するように変調した励起光を輝尽性蛍光体ディテクタ(シート)に照射し、輝尽性蛍光体ディテクタからの読み取り信号(画像信号)と励起光の変調状態とがどれだけ異なっているかを数値的に算出する検査方法が開示されている。しかしながら、これらの検査方法によれば、S値や解像度等の限られた項目しか検査できない。
特許文献5に開示されている検査方法においては、輝尽性蛍光体ディテクタ(シート)に隣接する位置に設けられた光源から照射される青色光の試験光を集光ユニットでフォトマルチプライヤに導き、フォトマルチプライヤを用いて光電増幅することが行われている。しかしながら、この検査方法によれば、集光ユニット等の限られた項目しか検査できない。
そのため、放射線画像読取装置を含む放射線撮影システムを効率的に検査できる方法が望まれている。
ところで、放射線撮影システムを検査する際には、物理ファントムや身体模倣ファントムが使用される。例えば、特許文献6には、ディジタルX線透視及び撮影システムにおける像品質の自動的な監視及び評価のための像品質試験ファントム並びに方法が開示されている。
物理ファントム(QCファントムとも呼ばれる。)とは、放射線の吸収係数が既知の金属や樹脂等の材料を用いて作製された種々の部材を、基板上に配置したものである。これらの部材は、所定の大きさや、形状や、密度や、組成等を有しており、画質評価用パターンとして用いられる。これらの画質評価用パターンは、放射線撮影システムに関する1つ又は複数の画質評価項目を測定できるように設計されている。
このようなQCファントムにX線等の放射線を照射することによって放射線撮影を行い、QCファントムの放射線画像情報を輝尽性蛍光体シート等の記録媒体に記録する。この記録媒体に所定の処理を施すことにより、放射線画像を生成し、CRTモニタ等に表示する。この放射線画像を、所定の画像評価項目に基づいて解析することにより、放射線撮影システムの種々の性能パラメータの不変性が評価され、それによって放射線撮影システムの品質検査が行われる。
性能パラメータの不変性の評価は、定量評価や目視評価によって行われる。定量評価とは、ディジタルデータの演算処理を含む処理によって定量的に評価される検査のことをいう。また、目視評価とは、上記の定量評価以外の方法によって行われる検査のことをいい、例えば、オペレータが放射線画像を目視することによって評価する検査のことをいう。これらの検査の内、目視評価は、比較的簡単に行うことができるが、作業者の主観に依存するため、客観性に乏しい。一方、定量評価は、客観的な評価が期待できる反面、作業に多くの労力を要する。一般的に、目視評価が毎週行われるのに対して定量評価は3ヶ月に1度程度行われる等、目視評価は定量評価に比較して頻繁に実施されている。また、不変性評価を大規模な施設で行う場合には、10台以上の読取装置が設置されている場合も多いことから、効率的な作業が要求されている。
しかしながら、一般的なQCファントムは、1つの画質評価項目について、目視評価と定量評価との両方を行うことができるように設計されたものではない。そのため、例えば、目視評価の後で画質パラメータの客観的な測定結果を必要とする場合には、定量評価専用のファントムを新たに設置して、放射線撮影からやり直さなければならない。即ち、目視評価又は定量評価のいずれを行うかに応じて、専用のファントムに変更する必要があるため、放射線撮影システムの検証作業が煩雑化し、多くの労力及び時間が必要になってしまう。
また、目視評価と定量評価とを別々のファントムを用いて行う場合には、両者の測定結果を比較して検討することが難しいので、目視評価の結果をより客観的な視点で評価することができない。そのため、正確な不変性評価を期待することができないので、評価の信頼性を確保できないという問題が生じている。さらに、目視評価用及び定量評価用の2つのファントムが必要になるので、コストが高くなり、経済的でないという問題も存在する。
さらに、検査精度の信頼性を確保するためには、撮影時に、記録媒体の基準位置や検査対象領域に対応する位置にQCファントムを設置することにより、放射線画像内の適正基準領域にQCファントムの画像が表示されることが必要である。そのため、QCファントムが適切な位置からずれて設置された場合には、QCファントムの画像が放射線画像内の適正基準領域に表示されないので、QCファントムの位置を修正して撮影をやり直さなければならない。これにより、検査作業の中断や煩雑化を招くので、検査作業の自動化が著しく妨げられてしまうという問題も生じている。
特開2000−275758号公報(第6〜8頁、図1) 特開2002−277992号公報(第4〜5頁、図3) 特開2002−277993号公報(第3〜4頁、図3) 特開2002−277995号公報(第3〜4頁、図4) 特開2002−278004号公報(第4〜5頁、図3) 特開平11−4822号公報
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、放射線画像の定量評価及び目視評価の両方を簡便かつ低コストで行うと共に、放射線撮影システムの不変性評価の精度を上げることを第1の目的とする。また、本発明は、放射線撮影システムの検査を行う際に、1回の撮影によって得られた放射線画像を用いて詳細な項目まで検査できるようにすることを第2の目的とする。さらに、本発明は、放射線撮影システムの検査を行う際に、ファントムの設置位置に影響されることなく、検査精度の信頼性を確保すると共に、検査作業の自動化を促進することを第3の目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る医用画像処理装置は、放射線撮影を行うことによって放射線画像情報を記録媒体に記録し、該記録媒体から放射線画像情報を読み取ることによって画像データを生成し、該画像データに所定の画像処理を施すことによって放射線画像を表示又は出力する放射線撮影システムを用いることによって得られた放射線画像の画質を評価することにより、放射線撮影システムを検査する医用画像処理装置であって、入力された画像データに画像処理を施す画像処理手段と、所定の画質評価項目について目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されたファントムを撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データが入力された場合に、入力された画像データに関して、所定の画質評価項目についての計測を行う計測手段と、表示又は出力された放射線画像を目視することによって所定の画質評価項目について得られた検査結果を入力するために用いられる入力手段と、計測手段における計測結果と入力手段を用いて入力された検査結果とに基づいて放射線画像の画質を判定する判定手段と、目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されていると共に、複数のマーカが互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されているファントムを、放射線撮影システムを用いて撮影することにより得られた放射線画像を表す画像データが入力された場合に、放射線画像におけるファントムの位置を、複数のマーカを用いて検出する位置検出手段と、位置検出手段によって検出されたファントムの位置を、放射線画像におけるファントムの基準位置と比較することにより、直線方向及び回転方向のずれ量を算出する比較演算手段と、所定の画質評価項目について計測される放射線画像内の領域であるサーチ領域を、比較演算手段によって算出されたずれ量に基づいて変更するサーチ領域変更手段と、放射線画像の画質を判定するために用いられる判定基準を、比較演算手段によって算出されたずれ量に基づいて変更する判定基準変更手段とを具備し、計測手段が、サーチ領域変更手段によって変更されたサーチ領域において、所定の画質評価項目についての計測を行うことにより、放射線画像の特性を表す物理量を算出し、判定手段が、判定基準変更手段によって変更された判定基準に基づいて、計測手段によって算出された物理量を用いて放射線画像の画質を判定する
また、本発明の1つの観点に係る放射線撮影システムの検査方法は、放射線撮影を行うことによって放射線画像情報を記録媒体に記録し、該記録媒体から放射線画像情報を読み取ることによって画像データを生成し、該画像データに所定の画像処理を施すことによって放射線画像を表示又は出力する放射線撮影システムを用いることによって得られた放射線画像の画質を評価することにより、放射線撮影システムを検査する方法であって、所定の画質評価項目について目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されたファントムを放射線撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データを入力するステップ(a)と、ステップ(a)において入力された画像データに関して、所定の画質評価項目についての定量的な計測を行うステップ(b)と、ステップ(a)において入力された画像データに基づいて放射線画像を表示又は出力すると共に、表示又は出力された放射線画像を目視することにより、所定の画質評価項目についての検査を行うステップ(c)と、ステップ(b)において計測された計測結果と、ステップ(c)において検査された検査結果とに基づいて、放射線画像の画質を判定するステップ(d)とを具備し、ステップ(a)が、目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されていると共に、複数のマーカが互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されているファントムを、放射線撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データを入力することを含み、ステップ(b)が、ステップ(a)において入力された画像データに基づいて、放射線画像におけるファントムの位置を、複数のマーカを用いて検出するステップ(b1)と、ステップ(b1)において検出されたファントムの位置を、放射線画像におけるファントムの基準位置と比較することにより、直線方向及び回転方向のずれ量を算出するステップ(b2)と、所定の画質評価項目について計測される放射線画像内の領域であるサーチ領域を、ステップ(b2)において算出されたずれ量に基づいて変更するステップ(b3)と、ステップ(b3)において変更されたサーチ領域において、画質評価項目についての計測を行うことにより、放射線画像の特性を表す物理量を算出するステップ(b4)と、放射線画像の画質を判定するために用いられる判定基準を、ステップ(b2)において算出されたずれ量に基づいて変更するステップ(b5)とを含み、ステップ(d)が、ステップ(b5)において変更された判定基準に基づいて、ステップ(b4)において算出された物理量を用いて放射線画像の画質を判定することを含む
本発明によれば、基板上に配置された複数の部材を有するQCファントムを用いるので、1回の撮影により、放射線撮影システムについて詳細な項目まで検査することが可能となる。また、そのようなQCファントムを用いて放射線撮影システムの検査システムを構築することにより、信頼性が確保された検査を効率的に行うことが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。本願において、定量評価とは、放射線撮影によって取得された画質管理用ファントム(検査用構造体)等の放射線画像を表すディジタルデータについて、演算処理を含む処理を行うことにより定量的な測定を行い、その測定結果に基づいて、検査定量値や、検査合格又は不合格の判定等を得るための検査のことをいう。また、本願において、目視評価とは、上記ファントム等の放射線画像について、上記の定量評価以外の検査によって行われる検査のことをいい、具体的には、フィルムや画面に表された放射線画像をオペレータが目視することにより行われる検査のことをいう。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る医用画像処理装置を含む放射線撮影システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この放射線撮影システムは、放射線撮影を行うことによって記録シート10に放射線画像情報を記録する放射線撮影装置100と、記録シート10に記録された放射線画像情報を読み取って画像データを生成する医用画像読取装置200と、医用画像読取装置200から入力された画像データについて所定の処理を行う医用画像処理装置300とを含んでいる。これらの放射線撮影装置100、医用画像読取装置200、及び、医用画像処理装置300は、ネットワークN1を介して互いに接続されている。
このネットワークN1には、放射線画像の撮影に関する様々な業務を管理するために使用される放射線情報管理システム(radiology information system、RIS)500や、病院全体の管理を行うために使用される病院情報管理システム(hospital information system、HIS)510や、インターネット520を介してメンテナンスセンタ530と通信を行うための通信制御部540も接続されている。さらに、必要に応じて、病院のデータベースサーバや、IDカードリーダや、端末装置等の外部装置550がネットワークN1に接続される。
放射線撮影装置100は、被検体を介して記録シート10に放射線を照射することにより、被検体を透過した放射線を被検体に関する放射線画像情報として記録シート10に記録する装置である。記録シート10は、照射された放射線のエネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体物質が塗布されたシート(輝尽性蛍光体シート)であり、放射線画像情報を記録する記録媒体として用いられる。
放射線撮影装置100は、記録シート10の位置を上下に移動させることにより、被検者の撮影位置を調節する撮影位置昇降機構101と、被検体の足の位置を決める撮影台102と、被検体に照射される放射線を発生する放射線発生部103と、与えられた撮影条件に従って放射線発生部103等を制御する撮影制御部104と、様々な命令や撮影条件を入力するために用いられる入力部105とを含んでいる。撮影制御部104は、ネットワークN1に接続されており、ネットワークN1を介して撮影条件を設定することも可能である。
放射線撮影システムの検査を行う場合には、ファントム20が被検体として放射線撮影装置100に配置される。そして、所定の撮影条件の下で放射線撮影を行うことにより、ファントム20の放射線画像情報が記録シート10に記録される。撮影後、記録シート10は、医用画像読取装置200の所定の位置にセットされる。なお、ファントム20については、後で詳しく説明する。
医用画像読取装置200は、記録シート10に記録されている放射線画像情報を光電的に読み取り、記録シート10に照射された放射線のエネルギーレベルをデータに変換することにより、画像データを生成する。放射線画像情報の読み取りは、次のようにして行われる。即ち、レーザ光源201から出射し、光走査部202を通過した光ビームにより、記録シート10の表面を走査する。これにより、記録シート10の光ビームが照射された領域から、蓄積された放射線エネルギーに応じた量の輝尽発光光が生じる。この輝尽発光光は、光ガイドによって導かれ、フォトマルチプライヤ(光電子増倍管)203により光電的に検出され、放射線画像情報を表すアナログ信号として出力される。さらに、このアナログ信号は、増幅器204によって増幅され、A/D変換器205によってディジタル化される。このようにして生成された画像データが、画像付帯情報と共に、ネットワークN1を介して医用画像処理装置300に向けて出力される。
或いは、医用画像読取装置の方式として、次のような別の方式を用いても良い。即ち、輝尽発光光を励起するための光源として、LED等を主走査方向に配列したライン光源を用い、輝尽発光光を検出する検出器として、主走査方向に配置されたCCD等のラインセンサを有する読取ヘッドを用いる。そして、読取ヘッドと輝尽性蛍光体シート10とを、主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動させながら、ライン光源から出射した励起光を輝尽性蛍光体シート10に入射させ、輝尽性蛍光体シート10から発生した輝尽発光光をラインセンサによって読み取る。
医用画像処理装置300は、医用画像読取装置200において生成された画像データに画像処理を施すことにより放射線画像を生成すると共に、そのような放射線画像について、所定の画質評価項目についての計測を行うことにより、放射線撮影システムの性能やパラメータの不変性等を検査する。医用画像処理装置300は、例えば、パーソナルコンピュータを用いて構成される。医用画像処理装置300には、様々な命令や検査結果等を入力するために用いられる、キーボードやマウス等の入力部310と、放射線画像等を表示するCRTモニタ等の表示部320と、医療用診断画像をフィルム等に印刷するプリンタ330とが備えられている。
図2は、図1に示す医用画像処理装置300の構成を詳しく示すブロック図である。医用画像処理装置300は、入力された画像データ及び画像付帯情報を一旦記憶するメモリ301と、ハードディスク制御部302と、インタフェース303と、ネットワークインタフェース304と、中央演算装置(以下、CPUという)400と、記録媒体としてのハードディスク410とを含んでいる。メモリ301、ハードディスク制御部302、ネットワークインタフェース304、及び、CPU400は、バスラインBLを介して相互に接続されている。
CPU400は、インタフェース303を介して、入力部310、表示部320及びプリンタ330と接続されている。また、CPU400は、ネットワークインタフェース304及びネットワークN1を介して、図1に示す放射線撮影装置100、医用画像読取装置200、RIS500、HIS510及び通信制御部540にも接続されている。
ハードディスク410には、CPU400を動作させるための基本プログラムや、放射線撮影システムの検査を行うために用いられるプログラム(QC用プログラム)を含むソフトウェア、及び、それらの処理に用いられる情報等が記録されている。図2には、画像データ及び画像付帯情報を記録する画像データ記録部411と、検査を行う際に用いられるパラメータを記録するパラメータファイル記録部412と、放射線撮影システムの検査結果の履歴情報を記録する検査結果記録部413と、QC用プログラム記録部414とが示されている。なお、記録媒体としては、内蔵のハードディスク410の他に、外付けハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いても良い。
次に、図2に示す機能ブロック401〜407について説明する。これらの機能は、後述するファントムを放射線撮影することによって得られた放射線画像の画質を評価することにより、図1に示す放射線撮影システムの品質を検査するためのものである。本実施形態において、これらの機能ブロック401〜407は、CPU400とソフトウェア(プログラム)とによって実現される。
画像処理部401は、医用画像読取装置200から入力された画像データに、規格化、階調処理、論理読み処理等の所定の画像処理を施す。
マーカ位置検出部402は、画像処理部401において画像処理を施された画像データに基づいて、記録シート10上における、ファントムに配置されているマーカを表す画像の位置を検出する。
比較演算部403は、検出されたマーカ画像の位置に基づいて、ファントム20を表す画像の、記録シート10に対する平行方向及び回転方向についての位置ズレの量を算出する。
計測領域算出部404は、算出された位置ズレの量に基づいて、検査を行う際に計測する対象となる放射線画像上の領域を算出する。
計測部405は、画像処理を施された画像データについて、算出された計測領域に基づいて定量評価される画質評価項目についての計測を行い、画質の評価に必要な物理量を算出する。なお、目視評価される画質評価項目については、表示部320に表示された放射線画像を、オペレータが目視により検査を行う。このオペレータによる検査結果は、入力部310を用いて医用画像処理装置300に入力される。
判定部406は、計測部405から入力された計測結果と、入力部310を介して入力されたオペレータによる検査結果とに基づいて、各画質評価項目について異常があるか否かを判定し、判定結果を作成する。
出力部407は、画像処理部401において画像処理を施された画像データや、判定部406によって作成された判定結果等を、インタフェース303を介して表示部320又はプリンタ330に出力する。なお、各画質評価項目についての検査結果や判定結果は、ハードディスク410にも蓄積される。
次に、本発明の一実施形態に係るファントムについて、図3及び図4を参照しながら説明する。本実施形態に係るファントムは、図1に示す放射線撮影システムの品質を検査する際に用いられる画質管理用ファントムである。以下において、本実施形態において用いられる画質管理用のファントムのことをQC(quality control)ファントムと呼ぶ。
図3は、本実施形態に係るQCファントムの構成を示す平面図である。また、図4の(a)〜(e)は、図3に示す線A−A’〜E−E’におけるQCファントム20の断面をそれぞれ示している。図3に示すように、QCファントム20には、アクリルや、銅や、タングステンや、鉛や、メッシュ等の部材によって形成されている様々な画質測定パターン25〜29が配置されている。これらの画質測定パターンは、放射線画像を評価する際に用いられる複数の画質評価項目に対応している。本実施形態においては、それらの画質評価項目の内、所定の画質評価項目について、定量評価及び目視評価の両方を実行できるように、画質測定パターンが配置されている。また、本実施形態において計測できる画質評価項目には、画像のリニアリティ、ダイナミックレンジ、鮮鋭度(解像度)、コントラスト、S/N比、縮率が含まれている。
図4の(a)に示すように、QCファントム20は、白色のアクリルケース21と白色又は透明のアクリル蓋22とに囲まれた空間に、様々な部材を配置することによって構成されている。なお、図3には、QCファントム20の内部を説明するために、アクリル蓋22は図示されていない。
アクリルケース21は、様々な部材が配置される基板21aと、基板21aの周囲を囲む側壁21bとを含んでいる。これらの基板21a及び側壁21bは、一体的に形成されても良いし、別個に形成したものを張り合わせることによって形成されても良い。また、アクリルケース21内部の底面には銅板23が敷かれている。
図3に示すように、QCファントム20には、3個のマーカ24a〜24cが配置されている。マーカ24a〜24cは、記録シート10に記録されたQCファントムの画像(以下、ファントム画像という)の、記録シート10上における幾何学的な位置を求め、それにより、画質測定パターン25〜29の画像(以下、パターン画像という)の位置を検出するために用いられる。マーカ24a〜24cは、マーカの放射線画像(マーカ画像)を容易且つ確実に検出するために、QCファントム20の他の部分とは異なる放射線透過率を有していることが好ましく、また、他の画質測定パターン25〜29とは異なる形状に形成されていることが好ましい。図4の(a)に示すように、本実施形態においては、これらのマーカ24a〜24cは、銅板23を、例えば、直径5mmの円形に切り抜くことによって形成されている。
マーカを用いてパターン画像の位置を検出することにより、放射線撮影システムの品質検査の正確性を向上させると共に、画像処理や画質評価項目の処理を、容易に自動化することができる。なお、マーカ24a〜24cをQCファントム20の位置合わせのために用いても良い。
図3に示すように、QCファントム20には、階段状に配置された、互いに厚さの異なる複数の銅板を含む銅ステップパターン25が配置されている。銅ステップパターン25は、記録シートに照射された放射線量の違いによる画像の輝度のリニアリティ及びダイナミックレンジを、オペレータによる目視評価、又は、定量評価によって検査するために用いられる。銅板を透過する放射線の強度は、その厚さに逆比例するので、厚さの異なる銅板(厚さ0を含む)を用いることにより最高強度から最低強度までの強度レベルを与えることができるからである。図4の(b)に示すように、本実施形態において、これらのパターン25a〜25bの厚さは、銅板23の厚さを含めて、それぞれ、0mm、0.8mm、2.5mm、5.5mmである。厚さ0mmのパターン25aは、銅板23を切り抜くことによって作製されている。なお、ステップパターンに含まれる銅板の数や大きさや厚さは本実施形態に限定されることなく、様々な大きさ及び厚さを有する銅板を用いてステップパターンを構成してもよい。
図3に示すように、QCファントム20には、鮮鋭な角度エッジ部が形成されている2個のエッジ検出パターン26が配置されている。エッジ検出パターン26は、放射線画像の鮮鋭度を定量評価するために用いられる。これらのエッジ検出パターン26に配置されている角度エッジ部の画像を微分し、ラインスプレッドファンクションを求め、その後でフーリエ変換を行うことにより、X方向及びY方向のMTF(modulation transfer function)が計測される。本実施形態において、2個のエッジ検出パターン26は、QCファントム20の直交する2辺(2つの走査方向)に対してそれぞれ5°ずらして配置されている。また、図4(c)に示すように、各エッジ検出パターン26は、タングステン板26aを用いて、鉛部材26bが基板21aから浮くように配置されている。
図3に示すように、QCファントム20には、アクリル部材によって形成されたバーガファントム(コントラスト分解能パターン)27が配置されている。バーガファントム27は、低コントラスト分解能を目視検査するために用いられ、これによって放射線撮影システムの相対コントラスト及びS/N比が検証される。図3又は図4の(d)に示すように、本実施形態においては、線D−D’方向について、所定の厚さを有するアクリル部材が、直径が1mm、2mm、3mm、4mmと変化するように配置されている。一方、図4の(e)に示すように、線E−E’方向について、所定の直径を有するアクリル部材が、厚さが1mm、1.5mm、2mm、3mmと変化するように配置されている。
図3に示すように、QCファントム20には、銅部材によって形成された2個の銅スケールパターン28が配置されている。銅スケールパターン28は、各走査方向についての縮率を定量評価するために用いられる。本実施形態において、これらの銅部材のサイズは、長さ100mm、幅10mm、厚さ0.5mmであり、銅部材の長辺がQCファントム20の直交する2辺(2つの走査方向)に対して平行になるように、それぞれ配置されている。
また、QCファントム20には、ワイヤメッシュパターン29が配置されている。ワイヤメッシュパターン29は、放射線画像の鮮鋭度及びその不均一性を目視評価するために用いられる。ワイヤメッシュ29a〜29dは、好ましくは鋼鉄製のメッシュによって形成されており、互いに異なるワイヤ間隔をそれぞれ有している。鮮鋭度の不均一性は、ワイヤメッシュ29a〜29dの間において、鮮鋭度の不均一性を比較することにより、それらの全体から、広範囲に渡って評価される。本実施形態においては、ワイヤメッシュ29a〜29dのワイヤ間隔は、それぞれ、300μm、250μm、180μm、150μmである。なお、本実施形態においては、4つのワイヤメッシュを用いているが、鮮鋭度の不均一性の評価の精度を高めるために、5つ以上の異なる大きさのメッシュ部を設けても良い。また、これらのメッシュの大きさや、厚さや、間隔について、様々な値を用いても良い。
次に、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法について、図1〜図5を参照しながら説明する。本実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法は、図1及び図2に示す放射線撮影システムにおいて、図3に示すQCファントム20を用いて実施される。図5は、本実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、放射線撮影装置100は、QCファントム20を被検体として用いて放射線撮影を行い、記録シート10に放射線画像情報を記録する。次に、ステップS2において、医用画像読取装置200は、記録シート10に記録されている放射線画像情報を読み取り、画像データを生成する。ステップS3において、医用画像処理装置300は、画像処理部401において、医用画像読取装置200から入力された画像データに、規格化、階調処理、論理読み処理等を含む第1の画像処理を施す。ステップS4において、第1の画像処理を施された画像データは、ハードディスク410の画像データ記録部411に記録される。また、画像データに伴って画像付帯情報が入力された場合には、その画像付帯情報もハードディスク410に記録される。
ステップS5〜S7において、CPU400は、QC用プログラム記録部414から所定のプログラムを読み出して実行する。
まず、ステップS5において、マーカ位置検出部402は、画像処理が施された画像データに基づいて、3個のマーカ24a〜24cを表すマーカ画像の位置を検出し、次いで、比較演算部403は、検出された複数のマーカ画像の位置と、パラメータファイル412に予め記録されているファントム画像におけるマーカ画像の基準位置とを比較することにより、放射線画像におけるファントム画像の基準位置からのズレ(位置ズレ)量を算出する。
ここで、放射線撮影を行う際に、QCファントム20が適切な位置からズレて設置されてしまうことがある。そのような状態で放射線撮影が行われると、記録シート上の基準位置に対して、所定の範囲内で平行方向及び回転方向についてのファントム画像の位置ズレが生じてしまう。或いは、放射線撮影時に、QCファントム20が上下逆さまや裏返しに設置されてしまう場合もある。そのような場合においても、3個のマーカ画像の位置を検出することにより、撮影時におけるQCファントム20の配置を知ることができる。マーカ画像の位置を検出する方法、及び、平行方向及び回転方向の位置ズレ量を算出する方法については、後で詳しく説明する。
ステップS6において、計測領域算出部404は、定量評価に用いられる画質測定パターンの画像(パターン画像)の記録シート10上における位置(以下、計測領域という)を算出する。本実施形態において、定量評価に用いられるパターンには、図3に示す銅ステップパターン25、エッジ検出パターン26、及び、銅スケールパターン28が含まれる。位置ズレが生じていない場合におけるこれらのパターンの位置(以下、基準領域という)に関する情報、即ち、基準領域に対応する画素の始点及び終点の座標は、パラメータファイル記録部412に予め記録されている。そこで、計測領域算出部404は、ステップS5において算出されたファントム画像の位置ズレと、上記の基準領域に関する情報とに基づいて、実際に得られた放射線画像における計測領域を算出する。計測領域を算出する方法については、後で説明する。
ステップS7において、計測部405は、ステップS6において算出された計測領域に基づいて、画質評価項目についてのパターン画像を認識し、画像処理が施された画像データについて、画像の輝度のリニアリティや、スキャンニング精度や、鮮鋭度や、縮率等を評価するために必要な物理量を計測する。
一方、ステップS8において、表示部320は、画像処理が施された画像データに基づいて、QCファントム20の放射線画像を表示する。ステップS9において、オペレータは、表示部320に表示された放射線画像に基づいて、低コントラスト分解能や鮮鋭度の画質評価項目について目視により検査を行い、検査結果を図2の入力部310を用いて医用画像処理装置300に入力する。例えば、低コントラスト分解能は、バーガファントム27に含まれる複数の部材の内、オペレータが視認できた部材の数を、直径ごとに測定することによって検査される。また、目視鮮鋭度は、オペレータが視認できたワイヤメッシュの数を測定することによって検査される。なお、オペレータは、プリンタ330から出力されたQCファントム20の放射線画像を用いて目視による検査を行っても良い。
ステップS10において、判定部406は、検査結果に異常があるか否かについて判定する。この判定は、例えば、検査結果記録部411に記録されている検査結果履歴情報の内、1つ又は複数の検査結果の平均に基づいて基礎値を予め設定しておき、今回の検査結果が、その基礎値から算出される最大値や最小値等の許容範囲内か否かによって行われる。
この判定の結果、検査結果に異常が見られる場合には、処理はステップS11に移行し、CPU400によってメンテナンスセンタ530に異常が通知される。このメンテナンスセンタ530への通知は、RIS500又はHIS510の中央管理部を介して行っても良い。
一方、ステップS10における判定の結果、異常が見られない場合には、処理はステップS12に移行し、検査結果や判定結果が、ハードディスク410の検査結果記録部411に記録される。また、ステップS13において、これらの検査結果や判定結果は、表示部320に出力され、画面に表示される。さらに、ステップS14において、これら検査結果や判定結果は、プリンタ330にも出力され、必要であればQCファントム20の放射線画像と共に、印刷される。
次に、図5のステップS5において行われる、放射線画像内におけるマーカ画像の位置を検出する方法について、図6〜図10を参照しながら説明する。
まず、マーカ画像の位置検出に先立って、マーカを探索する範囲を決定する。図6の(a)及び(b)は、記録シートと、そこに記録されたファントム画像との位置関係を示している。また、図7は、マーカを探索する範囲を説明するための図である。
マーカ探索範囲を決定するための前提として、図6の(a)に示すように、記録シート10の中心とファントム画像30の中心とが一致する位置を基準とする場合に、記録シート10に対するファントム画像30の平行方向の位置ズレは、上下左右に±10mmの範囲内であるとする。また、図6の(b)に示すように、記録シート10の長辺とファントム画像30の長辺とが平行である状態を基準角度とする場合に、記録シート10に対するファントム画像30の回転方向の位置ズレ(角度ズレ)は、±5°の範囲内であるとする。
これより、図7の(a)に示すように、ファントム画像30の左上のマーカ画像31が存在し得る範囲は、平行移動することにより領域abcd内となり、さらに回転移動することにより、領域efghij内となる。そのため、マーカ画像31を検出する際には、領域efghij内に限定して探索を行うことが望ましい。しかしながら、処理を簡略化するために、領域efghijの外接四角形である領域ABCDを探索領域として設定する。また、図7の(a)においては、マーカ画像31は点によって表されているが、探索する際には、マーカ画像31の大きさを考慮する必要がある。
図7の(b)に示すように、各点の座標及び各部のサイズは、次のように定義される。図7の(b)には、記録シート10に対して位置ズレが生じていない状態のファントム画像30が示されている。X軸及びY軸は、記録シート10の直交する2辺とそれぞれ平行であり、x軸及びy軸は、ファントム画像30の直交する2辺とそれぞれ平行である。以下において、特に断らない限り、記録シート10の中心点Oを原点とする場合には、図7の(b)の右方向がXの正方向であり、上方向がYの正方向であるものとする。
…記録シート10の横のサイズ
…記録シート10の縦のサイズ
…ファントム画像30の横のサイズ
…ファントム画像30の縦のサイズ
…ファントム画像30の左上からマーカ画像31の中心までのx方向の距離
…ファントム画像30の左上からマーカ画像31の中心までのy方向の距離
…ファントム画像30の位置ズレがない場合におけるマーカ画像位置を基準とした、x軸及びy軸上におけるマーカ画像31の最大平行移動距離
(X,Y)…記録シート10の左上を原点とした場合における点Aの座標
(X,Y)…記録シート10の左上を原点とした場合における点Cの座標
ここで、記録シート10の左上を原点とする場合には、図7の(b)の右方向がXの正方向であり、下方向がYの正方向であるものとする。
a(a,a)…記録シート10の中心点Oを原点とする点aの座標
b(b,b)…記録シート10の中心点Oを原点とする点bの座標
c(c,c)…記録シート10の中心点Oを原点とする点cの座標
d(d,d)…記録シート10の中心点Oを原点とする点dの座標
A(C,B)…記録シート10の中心点Oを原点とする点Aの座標
C(A,D)…記録シート10の中心点Oを原点とする点Cの座標
また、マーカ画像31の半径をMとする。さらに、記録シート10の長辺とファントム画像30の長辺とが平行である場合を基準として、ファントム画像30の正方向の最大回転角をα、負方向の最大回転角をβとし、最大平行移動距離をDとする。なお、最大回転角は、角度が増加する方向(反時計回り)で定義される。図6の(a)及び(b)に示す場合には、α=0.5°、β=0.5°、D=10mmである。
このように定義された値を用いることにより、図7の(a)に示すマーカ画像の探索領域ABCDは、次式(1)及び(2)によって表される2点(X,Y)及び(X,Y)(これらの原点は記録シート10の左上である)を対角線とする長方形によって決定される。図7の(b)に示すように、この長方形の直交する2辺は、X軸及びY軸にそれぞれ平行になっている。
(X,Y)=(I/2+C,I/2−B) …(1)
(X,Y)=(I/2+A,I/2−D) …(2)
ここで、C、D、A及びBは、次の式(3)〜式(6)で表される。
=a・cos(−α)+a・sin(−α) …(3)
=−b・sin(−α)+b・cos(−α) …(4)
=d・cos(−β)+d・sin(−β) …(5)
=−a・sin(−β)+a・cos(−β) …(6)
また、(a,a)、(b,b)及び(d,d)は、次の式(7)〜式(9)で表される。
(a,a)=(−F/2+M−D−M
/2−M+D+M) …(7)
(b,b)=(−F/2+M−D−M
/2−M−D−M) …(8)
(d,d)=(−F/2+M+D+M
/2−M+D+M) …(9)
図8及び図9は、マーカ画像を検出し、それを用いてファントム画像の位置ズレを算出するための医用画像処理装置300(図2)の動作を示すフローチャートである。
本実施形態においては、マーカ画像31の輝度及び形状を利用して、マーカ画像31を検出する。その理由として、QCファントム20を撮影することによって得られた放射線画像には、マーカ画像の他に、QCファントム20の外部である背景や、様々なパターンやベースを含むQCファントム内部の画像や、QCファントムの淵や、絞り等が含まれているので、上記の式(1)及び式(2)によって定義される探索領域内にも、そのような画像が存在する可能性があるからである。
まず、図8のステップS21〜S24において、医用画像処理装置300のマーカ位置検出部402は、探索領域内の画像の輝度を検出することにより、探索領域内におけるマーカ画像31の有無の可能性について判定する。
即ち、ステップS21において、探索領域内の画像の濃淡分布(特定輝度出現頻度)を示すヒストグラムが作成される。図10は、探索領域内の画像の濃淡分布を示すヒストグラムである。横軸に示すQL値とは、画像の輝度が低くなる(黒に近付く)につれて大きくなる量であり、縦軸に示す頻度とは、そのQL値を示す画素の数に対応する量である。
次に、ステップS22において、最大QL値から最低QL値に向かって、ヒストグラムが探索される。その理由は、探索領域内にQCファントム外部の背景画像が含まれている場合には、マーカ画像31は、背景画像の次に高濃度の領域となり、背景画像が含まれていない場合には、マーカ画像31が最高濃度領域となるからである。そして、頻度の値が、マーカ画像31及びQCファントム外部の背景画像によって生じたQL値の極大値を越えた後に、しきい値Thdを最初に下回るときのQL値が求められ、その値がSMAX1とされる。ここで、しきい値Thdとは、空間分解能及びビット分解能によって決まる値である。
ステップS23において、SMAX1から最低QL値に向かって引き続きヒストグラムが探索され、頻度の値が再びしきい値Thdを上回るか否かが判定される。再び上回る場合には、そのときのQL値がSMAX2とされ、処理はステップS24に移行する。この場合には、探索領域内にマーカ画像31が存在する可能性があると判定され、ステップS24において、QL値についてのしきい値Th1として、SMAX1が設定される。一方、頻度の値が再びしきい値Thdを上回ることがない場合、即ち、SMAX2を求められない場合には、探索領域内は均一な画像であるので、探索領域内にマーカ画像31が存在しないとみなされ、マーカ画像の検出は終了する。
ところで、図10は、背景画像とマーカ画像31との濃度が近い場合におけるヒストグラムを示しており、この場合には、背景画像とマーカ画像31の頻度の山はつながっている。しかしながら、背景画像とマーカ画像31との濃度が近くない場合には、背景画像とマーカ画像31の頻度の山は分離する。従って、ステップS24において設定されたしきい値Th1は、背景画像とマーカ画像31との濃度が近くない場合には、最高濃度領域である背景画像のしきい値となり、背景画像とマーカ画像31との濃度が近い場合には、背景画像及びマーカ画像のしきい値となる。
そこで、ステップS25〜S29において、マーカ位置検出部402は、QL値がしきい値Th1以上となる領域の形状を判定する。即ち、ステップS25において、QL値がしきい値Th1以上の領域と、しきい値Th1未満の領域とに、探索領域が2分される。次に、ステップS26において、QL値がしきい値Th1以上である領域に含まれる画素がラベリングされる。さらに、ステップS27において、ラベリングされた画素が互いに接している領域がまとめられ、これがマーカ画像候補領域とされる。
次に、ステップS28において、所定の範囲内の面積を有するマーカ画像候補領域が存在するか否かについての判定が行われる。この判定は、次式(10)を満たすか否かに従って為される。
0.5πM <マーカ画像候補領域の面積<1.5πM …(10)
式(10)に基づく判定の結果、所定の範囲内の面積を有するマーカ画像候補領域が存在する場合には、処理はステップS29に移行する。一方、所定の範囲内の面積を有するマーカ画像候補領域が存在しない場合には、QL値がしきい値Th1以上の領域には、マーカ画像31は存在しないものとみなされ、処理は図9に示すステップS31に移行する。
ステップS29において、マーカ画像候補領域の円形度が所定の値以上であるか否かについての判定が行われる。判定方法は次の通りである。まず、マーカ画像候補領域の重心に、マーカ画像候補領域と同じ面積を持つ円が存在すると想定する。マーカ画像候補領域の面積をSとすると、想定される円の半径Rは、R=(S/π)1/2となる。
次に、マーカ画像候補領域と想定される円の領域との間で共通する領域の面積をUとし、マーカ画像候補領域の円形度をU/Sと表す。そして、円形度U/Sが次式(11)を満たす否かを判定する。
U/S≧0.8 …(11)
式(11)に基づく判定の結果、マーカ画像候補領域の円形度が所定の値以上である場合には、処理はステップS30に移行する。一方、マーカ画像候補領域の円形度が所定の値未満である場合には、QL値がしきい値Th1以上の領域にはマーカ画像31が存在しないものとみなされ、処理は図9に示すステップS31に移行する。
ステップS30において、医用画像処理装置の比較演算部403は、記録シート10の左上を原点としたマーカ画像候補領域の重心の座標を用いて、平行方向及び回転方向についてのファントム画像の位置ズレを算出し、その結果を計測部405に出力する。
一方、図8のステップS28又はS29における判定の結果、QL値がしきい値Th1以上である領域にはマーカ画像31が存在しないとみなされた場合には、図9に示すように、しきい値Th1未満である領域に、マーカ画像31が存在するか否かについて判定が行われる。
まず、ステップS31〜S33において、マーカ位置検出部402は、探索領域内におけるマーカ画像31の有無の可能性を判定する。即ち、ステップS31において、図10に示すヒストグラムにおいて、QL値についてのしきい値Th1から最低QL値に向かって探索が行われ、しきい値Thdを下回るときのQL値が求められた場合に、その値がSMAX3とされる。次に、ステップS32において、SMAX3から最低QL値に向かって引き続き探索が行われ、頻度の値が再びしきい値Thdを上回るか否かが判定される。頻度の値が再びしきい値Thdを上回る場合には、そのときのQL値がSMAX4とされ、処理はステップS33に移行する。この場合には、探索領域内にマーカ画像31が存在する可能性があると判定され、ステップS33において、QL値についてのしきい値Th2として、SMAX3が設定される。一方、頻度の値が再びしきい値Thdを上回ることがない場合、即ち、SMAX4を求められない場合には、探索領域内の背景画像以外は均一な画像であるので、探索領域内にマーカ画像31が存在しないものとみなされ、マーカ画像の検出は終了する。
次に、ステップS34〜S38において、マーカ位置検出部402は、QL値がしきい値Th2以上且つTh1未満となる領域の形状を判定する。即ち、ステップS34において、QL値がしきい値Th2以上かつTh1未満の領域と、それ以外の領域とに、探索領域が2分される。次に、ステップS35において、QL値がしきい値Th2以上且つTh1未満である領域に含まれる画素がラベリングされる。さらに、ステップS36において、ラベリングされた画素が互いに接している領域がまとめられ、これがマーカ画像候補領域とされる。
次に、ステップS37において、マーカ位置検出部402は、ステップS28における処理と同様に、所定の範囲内の面積を有するマーカ画像候補領域が存在するか否かについて判定を行う。その結果、所定の範囲内の面積を有するマーカ画像候補領域が存在する場合には、処理はステップS38に移行する。一方、所定の範囲内の面積を有するマーカ画像候補領域が存在しない場合には、探索領域内にマーカ画像31が存在しないとみなされ、マーカ検出処理が終了する。
ステップS38においては、ステップS29における処理と同様に、マーカ画像候補領域の円形度が所定の値以上であるか否かについての判定が行われる。その結果、マーカ画像候補領域の円形度が所定の値以上である場合には、処理はステップS39に移行する。一方、マーカ画像候補領域の円形度が所定の値未満である場合には、探索領域内にマーカ画像31が存在しないとみなされ、マーカ検出処理は終了する。さらに、ステップS39においては、ステップS30における処理と同様に、比較演算部403において、ファントム画像の位置ズレが算出され、算出された位置ズレ量が計測部405に出力される。
マーカ位置検出部402は、以上説明したようなマーカ検出処理を、ファントム画像30の右上及び右下のマーカ画像についても行う。また、マーカ位置検出部402は、ファントム画像30の四隅についてマーカ検出処理を行い、3つのマーカ画像を検出することにより、QCファントム20が裏返った状態、又は、上下逆さまの状態で撮影されたか否かを判定しても良い。その場合に、医用画像処理装置300は、得られた放射線画像を上下又は左右に反転したり、180°回転するように、画像データに画像処理を施しても良い。
次に、図5のステップS6において行われる、定量評価が行われる際の計測対象となる計測領域を算出する方法について説明する。本実施形態においては、図3の上部に示されている2つのマーカ24a及び24bの放射線画像を用いて計測領域を算出している。
図11は、記録シート10に記録されたファントム画像30を示している。図11の(a)は、ファントム画像30が記録シート10の基準位置に適切に記録された場合を示している。即ち、図11の(a)において、記録シートの左上とファントム画像の左上との位置が一致し、且つ、記録シートの長辺とファントム画像の長辺とが平行になっている。図11の(b)は、図11の(a)の場合に対して、ファントム画像がズレている場合を示している。なお、図11の(a)及び(b)には、説明を簡単にするために、ファントム画像30の左上のマーカ画像31a、右上のマーカ画像31b、基準領域32、及び、計測領域33のみが示されている。
図11の(a)において、記録シート10の左上を原点として、マーカ画像31aの座標を(Mol,Sol)、マーカ画像31bの座標を(Mor,Sor)、基準領域32の始点の座標を(Mss,Sss)、終点の座標を(Mse,Sse)とする。また、図11の(b)において、マーカ画像31aの座標を(Mdl,Sdl)、マーカ画像31bの座標を(Mdr,Sdr)、計測領域33の始点の座標を(Mds,Sds)、終点の座標を(Mde,Sde)とする。
これらの値を用いて、ファントム画像30の傾き角θ、及び、オフセット値(ΔX,ΔY)は、次式(12)〜式(14)で表される。
θ=arctan{(Sdl−Sdr)/(Mdl−Mdr)} …(12)
ΔX=Mdl−Mol …(13)
ΔY=Sdl−Sol …(14)
したがって、予めパラメータファイルに記録されている基準領域32の座標値を用いると、計測領域33の座標は、次式(15)及び式(16)によって求められる。
Figure 0004408720
即ち、検査を行う際には、上記の2点を対角点とし、直交する2辺が記録シート10の各辺にそれぞれ平行な長方形を計測対象とすれば良い。
以上述べたように、本発明の第1の実施形態によれば、放射線を減衰又は遮蔽する材料を含み、画像読取装置によって読み取られた画像に関して少なくともリニアリティ、鮮鋭度、縮率の計測を可能とするために基板上に配置された複数の部材を有するQCファントムを用いて、その放射線画像を読み取ることにより生成された画像データに基づいて画像読取装置の検査を行うので、1回の撮影により詳細な項目まで検査することが可能となる。
また、本実施形態によれば、QCファントムに配置された少なくとも2つのマーカを用いることにより、ファントム画像の位置を容易かつ確実に検出することが可能になる。従って、このようなQCファントムを用いて放射線撮影システムの検査システムを構築することにより、検査作業の正確性及び確実性を保ちつつ自動化することができるようになり、検査作業の中断や煩雑化を招くことがなくなるとともに、検査の信頼性を確保することが可能になる。
本実施形態においては、マーカ画像の位置を検出する際に、予め探索領域を設定し、その領域内について探索を行っている。これにより、放射線画像の全領域を探索する場合と比較して、処理時間を短縮することが可能になり、或いは、同じ処理時間内であれば、検出精度を向上させることが可能となる。なお、探索領域については、例えば、放射線画像の上部4分の1のみを探索するといった方法で設定しても良い。
図12に、本発明の一実施形態に係るQCファントムの変形例を示す。このQCファントム40は、基板41と、基板41上に配置された複数の部材によって構成される複数の画質測定パターン42〜49とを含んでいる。基板41は、例えば、矩形の銅板によって形成されており、QCファントム40に機械的な安定性を付与すると共に、画像分析に適切なX線ビーム品質を与える。なお、本実施形態においても、図3に示すQCファントム20と同様に、基板41をアクリルケースに収納しても良い。
図12に示すように、このQCファントム40には、画質評価パターンとして、画像の低コントラスト分解能を目視評価するためのバーガファントム(コントラスト分解能パターン)42〜44と、画像の鮮鋭度を定量評価するためのエッジ検出パターン45と、画像の鮮鋭度を目視評価するためのワイヤメッシュパターン46と、画像の線形性及びダイナミックレンジを目視評価及び定量評価するためのステップパターン47と、画像の縮率を定量評価するためのスケールパターン48とが配置されている。また、QCファントム40には、これらのパターンの位置を検出するために用いられるマーカ49a及び49bが、空き領域41a、41b以外の領域に配置されている。空き領域41a、41bは、放射線画像信号のS/N比を定量評価するために用いられても良い。
図13は、バーガファントム42〜44を示す斜視図である。バーガファントム42〜44は、例えば、アクリル樹脂からなる12個のステップ部42a〜42d、43a〜43d、44a〜44dを含んでいる。これらのステップ部42a〜42d、43a〜43d、44a〜44dは、X方向に厚さが異なり、Y方向に大きさ(直径)が異なるように、マトリクス状に配列されている。なお、バーガファントムに用いられる部材としては、アクリル等の樹脂材料の他に、金属材料を用いても良い。
エッジ検出パターン45は、幾何学的な測定のための基準として使用されるパターンであり、X方向及びY方向のMTF測定のための鮮鋭な角度エッジ部45a及び45bを含んでいる。これらの角度エッジ部45a及び45bは、タングステン板によって形成されており、その外側には、鉛板50が配置されている。これにより、角度エッジ部45a及び45bの周囲の領域においては、照射された放射線の大部分が遮蔽されるので、周辺の影響を抑えて鮮鋭度をより正確に評価できる。ここで、上記MTFは、エッジ検出パターン45の放射線画像を微分して、ラインスプレッドファンクションを求め、その後でフーリエ変換を行うことによって求められる。
この他に、画像の鮮鋭度を定量評価する画質評価用パターンとして、エッジ検出パターン45の替わりに、エッジ検出パターン、スリットパターン及び矩形波パターンのうち少なくとも1つを含むものを用いても良い。これにより、鮮鋭度についての定量評価及び目視評価の両方を行うことができる。
図14は、ステップパターン47を示す斜視図である。ステップパターン47は、厚さの異なる矩形の4つの銅板47a〜47dを含んでいる。このように、図3に示すステップパターン25と異なり、ステップパターンに含まれる部材を全て銅板によって形成しても良い。
また、この変形例においては、画像の鮮鋭度を目視評価するための画質評価用パターンとして、ワイヤメッシュパターン46を用いているが、これ以外に、ワイヤメッシュパターン、バーバターン及び放射状パターンのうち少なくとも1つを含むものを用いても良い。
さらに、この変形例においては、ワイヤメッシュパターン46及びステップパターン47の配置が、図3に示すQCファントム20における配置と異なっている。このように、QCファントム上における画質測定パターンの配置は、様々に変更することができる。
この変形例においては、基板41上に、2つのマーカ49a及び49bが配置されている。放射線撮影時に、QCファントム40を裏返しや上下逆さまに配置してしまうおそれがない場合には、ファントム画像の位置を検出するためのマーカ49a及び49bは少なくとも2つあれば足りる。
以上説明した本発明の一実施形態に係るQCファントム及びその変形例においては、銅板をくり抜くことによってマーカを形成したが、反対に、例えば、所定以上の厚さを有する鉛を用いて形成することにより、マーカを透過した放射線が、如何なる撮影条件の下でも規定値以下のエネルギーレベルとなるようにしても良い。この場合に、図2に示すマーカ位置検出部402は、放射線量が規定値以下の領域を検出すれば良く、これにより、簡便なアルゴリズムによってマーカを安定的に検出することが可能になる。上記の規定値は、放射線の照射量をモニタすることによって得られた結果を用いて決定又は変更されてもよい。
また、マーカの形状については、放射線画像において少なくとも2点の座標が特定されるものであれば、点状、線状又は平面状等の如何なる形状であっても構わない。さらに、ファントム画像の位置ズレが大きいことが想定される場合には、ファントム画像が表示されるモニタ画面上に適切な許容範囲を設け、ファントム画像がその許容範囲外に表示された場合には、オペレータにメッセージを表示する等して、QCファントム20の再撮影を促すようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る医用画像処理装置について説明する。図15は、本実施形態に係る医用画像処理装置を含む放射線撮影システムの一部を示すブロック図である。
図15に示す放射線撮影システムは、図1に示す医用画像処理装置300の替わりに、図15に示す医用画像処理装置340を有している。図15に示す医用画像処理総理340は、図2に示すCPU400及びハードディスク410の替わりに、CPU420及びハードディスク430を有している。その他の構成については、図1及び図2に示す放射線撮影システム及び医用画像処理装置と同様である。
CPU420は、得られた放射線画像について定量評価するための演算を行うQC演算部421と、画像に関連する付加情報を出力する付加情報出力部422とを含んでいる。本実施形態において、QC演算部421は、CPU420に組み込まれているが、このような形態には限定されない。例えば、システム全体を管理するホストコンピュータにQC演算部を組み込んでも良く、QC演算部のみを搭載したパーソナルコンピュータを用いてもよい。
ハードディスク430には、CPU440に動作させるための基本プログラムや、放射線撮影システムの検査を行うためのプログラム(QCツール)や、それらの処理に用いられる情報等が記録されている。図15には、ツール記録部431と、付加情報記録部432とが示されている。これらの情報は、CPU440により必要に応じてメモリ301に読み出され、様々な処理に用いられる。
QCツール記録部431には、QCファントム20の複数の画質評価パターンに対応する定量評価用のプログラム(ソフトウェア)が記録されている。定量評価用のソフトウェアは、種々の信号処理アルゴリズムを有しており、これらのアルゴリズムは、QCファントム20の画質評価パターンの放射線画像を表す画像データに適用された場合に、放射線撮影システムの品質を表す物理量を計算するために必要な全ての論理手段を含んでいる。
付加情報記録部432には、放射線撮影装置100におけるX線管球電圧、線源被写体間距離等の放射線撮影時の撮影条件や、医用画像読取装置200における画像読取条件や、画像処理部401における画像処理条件や、表示部320における画素数、階調数、画像処理の有無等の画像表示条件等が記録されている。これらの付加情報は、必要に応じてハードディスクから読み出され、QC演算部421において使用されたり、付加情報出力部422を介して出力される。
次に、図15に示す医用画像処理装置340の動作について説明する。
本実施形態においては、図3又は図12に示すように、1つの画質測定項目に対応する目視評価用及び定量評価用の画質測定パターンが形成されているQCファントムを用いて放射線撮影システムの検査が行われる。
医用画像読取装置200(図1)からネットワークN1を介して、図3に示すQCファントム10の放射線画像を表す画像データが医用画像処理装置340に入力されると、画像処理部401は、入力された画像データに階調処理等の所定の画像処理を施す。
次に、CPU420は、QCツール記録部431から定量評価用のプログラムを順次読み出して実行する。即ち、QC演算部421は、画像処理部401において処理されたQCファントム20の放射線画像を表す画像データに基づいて、画質評価パターンに対応する種々の画質評価項目について、定量的な評価を行う。その際に、必要に応じて、QC演算部421は、付加情報記録部432から付加情報を読み出し、QC演算を行う際に利用する。
出力部407は、QC演算部421において得られた定量評価の結果を表すデータを表示部320又はプリンタ330に出力する。その際に、付加情報出力部422は、付加情報記録部432に記録されている画像表示条件や、画像処理条件や、画像読取条件や、放射線撮影時の撮影条件等の付加情報を出力することにより、それらの情報をパターン画像や定量評価の結果と共に表示画面やフィルムに表示又は印刷させても良い。これにより、画像の評価条件を簡便且つ確実に確認することができ、より正確な検証が可能となる。
一方、医用画像処理装置340は、目視評価が行われる所定の画質評価項目についてのパターン画像の画像データを出力し、表示部320又はプリンタ330に表示又は印刷させる。オペレータは、表示されたパターン画像について、目視評価を行う。このようにして、QCファントム20に含まれる種々の画質評価用パターンの放射線画像について定量評価及び目視評価が為され、放射線撮影システムの性能及び不変性が検証される。
ここで、医用画像処理装置340は、目視評価と定量評価との両方の評価が行われる画質評価項目について、目視評価用のパターン画像と定量評価の結果とを画面上やフィルム上に併せて表示又は印刷するように、データを出力する。これにより、オペレータは、目視評価と定量評価との両方の評価を行う画質評価項目については、画面上やフィルム上に表示又は印刷された定量評価の結果に基づいて、定量性を容易に加味しながら目視評価を行うことができるので、評価の正確性が向上する。
このようなパターン画像、定量評価の結果、及び、付加情報の表示部320への表示やフィルムへの印刷は、オペレータの操作に基づいて行われても良く、CPU420の制御によって自動的に行われても良い。なお、本実施形態においても、本発明の第1の実施形態におけるのと同様に、検査の結果に異常が認められる場合に、その旨を図1に示すメンテナンスセンタ530に通知するようにしても良い。
以上述べたように、本発明の第2の実施形態によれば、コントラスト分解能、S/N比、鮮鋭度、線形性、ダイナミックレンジ及び縮率等の様々な画質パラメータについての目視評価と、客観的な定量評価とを、1つのQCファントムを用いて行うことができる。従って、放射線撮影システムの性能及び不変性の検証を簡便に行うことができ、労力、時間及びコストを低減することが可能になる。また、所定の画質評価項目について、1つのQCファントムを用いて目視評価及び定量評価を行うことができるので、両者の測定結果を容易に比較でき、定量評価の定量性を目視評価に加味させることができる。従って、より客観的な評価を行うことができ、不変性評価の正確性を向上させることが可能になる。さらに、定量評価の評価結果を画質評価用パターンの放射線画像と共に表示することにより、定量評価の定量性が加味された目視評価を容易に行うことができるので、評価の正確性がさらに向上する。また、画質評価用パターンの放射線画像とともに、画像表示条件、画像処理条件、撮影条件及び定量評価の結果等の付加情報を表示することにより、画像の評価条件等を容易に確認できるので、より正確な評価を行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、1つの画質評価項目についての1つの画質評価パターンが、目視評価と定量評価との両方に用いられる場合と、1つの画質評価項目についての目視評価用の画質評価パターン及び定量評価用の画質評価パターンが、目視評価及び定量評価にそれぞれ用いられる場合と、前者及び後者の画質評価パターンを同時に有する場合とを含んでも良い。
次に、本発明の第3の実施形態に係る医用画像処理装置について説明する。図16は、本実施形態に係る医用画像処理装置を含む放射線撮影システムの一部を示すブロック図である。
本実施形態に係る放射線撮影システムは、図1に示す医用画像処理装置300の替わりに、図16に示す医用画像処理装置350を有している。図16に示す医用画像処理装置350は、図2に示すCPU400及びハードディスク410の替わりに、CPU440及びハードディスク450を有している。その他の構成については、図1及び図2に示す放射線撮影システムと同様である。
CPU440は、ファントム画像の位置ズレ量に基づいて、パターン画像を判定する際の基準を変更する判定基準変更部441と、パターン画像について算出された物理量と、変更された判定基準とに基づいて、各画質評価項目に異常があるか否かを判定すると共に、ファントム画像の画質の優劣を判定する判定部442とを有している。CPU440のその他の機能については、図2を参照しながら説明したものと同様である。
ハードディスク450には、CPU440に動作させるための基本プログラムや、放射線撮影システムの検査を行うためのプログラムや、それらの処理に用いられる情報等が記録されている。図16には、画像データ記録部411と、ファントム画像の基準位置に関する情報等が格納されているパラメータファイル記録部412と、検査結果記録部413と、QC用プログラム記録部414と、ファントム画像の位置ズレ量に基づいて、画質を判定する際の判定基準を変更するプログラムを格納している判定基準補正用プログラム記録部451と、画質評価項目についての判定基準が格納されている判定基準記録部452とが示されている。これらの情報は、CPU440により必要に応じてメモリ301に読み出され、様々な処理に用いられる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法について、図16及び図17を参照しながら説明する。図17は、本実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS1〜S7において、図5を参照しながら本発明の第1の実施形態において説明したものと同様に、放射線撮影によって得られたQCファントム20の放射線画像を表す画像データを用いてファントム画像の位置ズレ量が算出され、それに基づいて求められた計測領域について検査が行われ、画質の評価に必要とされる物理量が算出される。また、生成された放射線画像は、表示部320に表示される。
次に、ステップS41において、CPU440は、判定基準補正用プログラム記録部451から補正プログラムを読み出して実行する。即ち、判定基準変更部441は、判定基準記録部452からパターン画像の判定基準を読み出し、ファントム画像の平行方向及び回転方向への位置ずれ量(図11参照)に基づいて、パターン画像を判定する際の判定基準を変更する。さらに、ステップS42において、判定部442は、計測部405において算出されたパターン画像に関する物理量を、変更された判定基準に基づいて判定を行う。このようにして得られた判定結果は、出力部407を介して表示部320等に出力される。なお、本実施形態においても、図5のステップS11と同様に、判定結果に異常が見られる場合には、CPU440によってメンテナンスセンタ530に異常が通知されるようにしても良い。
以上述べたように、本発明の第3の実施形態によれば、ファントム画像の位置ズレ量に応じて、画質評価項目の判定基準を変更するので、検査作業の自動化が促進されると共に、検査の精度さらに高めることが可能になる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る医用画像処理装置について説明する。図18は、本実施例に係る医用画像処理装置を含む放射線撮影システムの一部を示すブロック図である。
本実施形態に係る放射線撮影システムは、図1に示す医用画像処理装置300の替わりに、図18に示す医用画像処理装置360を有している。図18に示す医用画像処理装置360は、図2に示すCPU400及びハードディスク410の替わりに、CPU460及びハードディスク470を有している。その他の構成については、図1及び図2に示す放射線撮影システムと同様である。
CPU460は、ファントム画像の位置ズレ量に基づいて、生成された放射線画像を理想的な位置に補正する画像補正部461を有している。CPU460のその他の機能については、図2を参照しながら説明したものと同様である。
ハードディスク470には、CPU460に動作させるための基本プログラムや、放射線撮影システムの検査を行うためのプログラムや、それらの処理に用いられる情報等が記録されている。図18には、画像データ記録部411と、ファントム画像の基準位置に関する情報等が格納されているパラメータファイル記録部412と、検査結果記録部413と、QC用プログラム記録414と、ファントム画像の位置を理想的な位置に補正するための補正プログラムを格納している画像補正用プログラム記録部471と、画質評価項目についての判定基準が格納されている判定基準記録部472とが示されている。これらの情報は、CPU460により必要に応じてメモリ301に読み出され、様々な処理に用いられる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法について、図18及び図19を参照しながら説明する。図19は、本実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS1〜S5において、図5を参照しながら本発明の第1の実施形態において説明したものと同様に、放射線撮影によって得られたQCファントム20の放射線画像を表す画像データを用いてファントム画像の位置ズレ量が算出される。また、生成された放射線画像は、表示部320に表示される。
次に、ステップS51において、CPU460は、画像補正用プログラム記録部472から補正プログラムを読み出して実行する。即ち、画像補正部464は、図5のステップS5において求められたファントム画像の平行方向及び回転方向のずれ量(図11参照)に基づいて、その位置ずれの方向とは反対方向にファントム画像を平行移動及び回転移動させる画像処理を施すことにより、パターン画像を含むファントム画像の位置ずれを補正する。
次に、ステップS52において、計測部405は、補正されたパターン画像について、画質評価項目についての物理量を算出する。次に、ステップS53において、判定部406は、判定基準記録部473からそれぞれのパターン画像についての判定基準を読み出し、その判定基準に基づいて、算出されたパターン画像に関する物理量を判定する。このようにして得られた判定結果は、出力部407を介して表示部320等に出力される。なお、本実施形態においても、図5のステップS11と同様に、判定結果に異常が見られる場合には、CPU460によってメンテナンスセンタ530に異常が通知されるようにしても良い。
以上述べたように、本発明の第4の実施形態によれば、検査作業の自動化が可能になると共に、計測領域やパターン画像の判定基準を変更しないので、簡便に検査処理を行うことが可能になる。
以上、本発明の第1〜第4の実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法及びそれを用いた医用画像処理装置、並びに、放射線撮影システムの検査に用いられるQCファントムについて説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更が可能である。例えば、QCファントムの透過放射線を記録する記録媒体としては、輝尽性蛍光体シート10の他に、透過放射線レベルを電気信号に変換するフラットパネルデバイスを用いても良い。
本発明は、放射線画像が記録されたシートから画像情報を読み取る画像読取装置を含む放射線撮影システムの品質を検査するシステム等において利用することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る医用画像処理装置を含む放射線撮影システムの構成を示すブロック図である。 図1に示す医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るファントムの構成を示す平面図である。 図4の(a)〜(e)は、図3に示す線A−A’〜E−E’におけるファントムの断面をそれぞれ表す図である。 本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法を説明するためのフローチャートである。 記録シートに対してファントム画像の位置がずれる範囲を示す図である。 マーカ画像の存在範囲を示す図である。 マーカ画像を検出して、平行及び回転移動等によるズレを算出するためのフローチャート(前半)である。 マーカ画像を検出して、平行及び回転移動等によるズレを算出するためのフローチャート(後半)である。 探索領域内の画像の濃淡分布を示すヒストグラムである。 記録シートに記録されるファントム画像を示す図である。 本発明の一実施形態に係るファントムの変形例を示す平面図である。 図12に示すファントムに含まれるバーガファントム(コントラスト分解能パターン)を示す斜視図である。 図12に示すファントムに含まれるステップパターンを示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る医用画像処理装置を含む放射線撮影システムの一部を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る医用画像処理装置を含む放射線撮影システムの一部を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る医用画像処理装置を含む放射線撮影システムの一部を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る放射線撮影システムの検査方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10 記録シート
20、40 ファントム(QCファントム)
21 アクリルケース
22 アクリル蓋
23、50 銅板
24a〜24c、49a、40b マーカ
25、47 ステップパターン
26、45 エッジ検出パターン
27、42〜44 バーガファントム(コントラスト分解能パターン)
28、48 スケールパターン
29、46 ワイヤメッシュパターン
30 ファントム画像
31、31a、31b マーカ画像
32 基準領域
33 計測領域
41 基板
41a、41b 空き領域
100 放射線撮影装置
101 撮影位置昇降機構
102 撮影台
103 放射線発生部
104 撮影制御部
105 入力部
200 医用画像読取装置
201 レーザ光源
202 光走査部
203 フォトマルチプライヤ
204 増幅器
205 A/D変換器
300 医用画像処理装置
301 メモリ
302 ハードディスク制御部
303 インタフェース
304 ネットワークインタフェース
310 入力部
320 表示部
330 プリンタ
400、420、440、460 CPU(中央処理装置)
401 画像処理部
402 マーカ位置検出部
403 比較演算部
404 計測領域算出部
405 計測部
406、442 判定部
407 出力部
410、430、450、470 ハードディスク
411 画像データ記録部
412 パラメータファイル記録部
413 検査結果記録部
414 QC用プログラム記録部
421 QC演算部
422 付加情報出力部
431 QCツール記録部
432 付加情報記録部
441 判定基準変更部
451、471 判定基準補正用プログラム記録部
452、472 判定基準記録部
461 画像補正部
500 RIS
510 HIS
520 インターネット
530 メンテナンスセンタ
540 通信制御部
550 外部装置

Claims (12)

  1. 放射線撮影を行うことによって放射線画像情報を記録媒体に記録し、該記録媒体から放射線画像情報を読み取ることによって画像データを生成し、該画像データに所定の画像処理を施すことによって放射線画像を表示又は出力する放射線撮影システムを用いることによって得られた放射線画像の画質を評価することにより、前記放射線撮影システムを検査する医用画像処理装置であって、
    入力された画像データに画像処理を施す画像処理手段と、
    所定の画質評価項目について目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されたファントムを撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データが入力された場合に、入力された画像データに関して、前記所定の画質評価項目についての計測を行う計測手段と、
    表示又は出力された放射線画像を目視することによって前記所定の画質評価項目について得られた検査結果を入力するために用いられる入力手段と、
    前記計測手段における計測結果と前記入力手段を用いて入力された検査結果とに基づいて前記放射線画像の画質を判定する判定手段と、
    目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されていると共に、複数のマーカが互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されているファントムを、前記放射線撮影システムを用いて撮影することにより得られた放射線画像を表す画像データが入力された場合に、前記放射線画像における前記ファントムの位置を、前記複数のマーカを用いて検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段によって検出された前記ファントムの位置を、前記放射線画像における前記ファントムの基準位置と比較することにより、直線方向及び回転方向のずれ量を算出する比較演算手段と、
    所定の画質評価項目について計測される前記放射線画像内の領域であるサーチ領域を、前記比較演算手段によって算出されたずれ量に基づいて変更するサーチ領域変更手段と、
    前記放射線画像の画質を判定するために用いられる判定基準を、前記比較演算手段によって算出されたずれ量に基づいて変更する判定基準変更手段と、
    を具備し、
    前記計測手段が、前記サーチ領域変更手段によって変更されたサーチ領域において、前記所定の画質評価項目についての計測を行うことにより、前記放射線画像の特性を表す物理量を算出し、
    前記判定手段が、前記判定基準変更手段によって変更された判定基準に基づいて、前記計測手段によって算出された前記物理量を用いて前記放射線画像の画質を判定する、
    医用画像処理装置。
  2. 前記複数のマーカが、少なくとも3つのマーカを含む、請求項記載の医用画像処理装置。
  3. 所定の画質評価項目について目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されたファントムを放射線撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データが入力された場合に、前記所定の画質評価項目についての定量評価に基づく判定結果を、前記放射線画像と併せて表示するように制御する制御手段をさらに具備する請求項1又は2記載の医用画像処理装置。
  4. 前記放射線画像が撮影されたときの撮影条件と、前記放射線画像情報が前記記録媒体から読み取られたときの画像読取条件と、入力された画像データに前記画像処理手段によって画像処理が施されるときの画像処理条件と、前記放射線画像が表示されるときの表示条件との内の少なくとも1つを、前記放射線画像と併せて表示するように制御する制御手段をさらに具備する請求項1又は2記載の医用画像処理装置。
  5. 前記計測手段における計測結果と前記入力手段を用いて入力された検査結果を記録する記録手段をさらに具備する請求項1〜のいずれか1項記載の医用画像処理装置。
  6. 放射線撮影を行うことによって放射線画像情報を記録媒体に記録し、該記録媒体から放射線画像情報を読み取ることによって画像データを生成し、該画像データに所定の画像処理を施すことによって放射線画像を表示又は出力する放射線撮影システムを用いることによって得られた放射線画像の画質を評価することにより、前記放射線撮影システムを検査する医用画像処理装置であって、
    入力された画像データに画像処理を施す画像処理手段と、
    所定の画質評価項目について目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されたファントムを撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データが入力された場合に、入力された画像データに関して、前記所定の画質評価項目についての計測を行う計測手段と、
    表示又は出力された放射線画像を目視することによって前記所定の画質評価項目について得られた検査結果を入力するために用いられる入力手段と、
    前記計測手段における計測結果と前記入力手段を用いて入力された検査結果とに基づいて前記放射線画像の画質を判定する判定手段と、
    目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されていると共に、複数のマーカが互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されているファントムを、前記放射線撮影システムを用いて撮影することにより得られた放射線画像を表す画像データが入力された場合に、前記放射線画像における前記ファントムの位置を、前記複数のマーカを利用することによって検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段によって検出された前記ファントムの位置を、前記放射線画像における前記ファントムの基準位置と比較することにより、直線方向及び回転方向のずれ量を算出する比較演算手段と、
    前記比較演算手段によって算出されたずれ量が低減されるように、前記放射線画像における前記ファントムの位置を補正する画像補正手段と、
    を具備し、
    前記計測手段が、前記画像補正手段によって位置を補正された前記ファントムの画像に関して、所定の画質評価項目についての計測を行うことにより、前記放射線画像の特性を表す物理量を算出し、
    前記判定手段が、前記計測手段によって算出された前記物理量に基づいて、前記放射線画像の画質を判定する
    用画像処理装置。
  7. 前記判定手段が前記放射線画像に画質の異常が存在すると判定した場合に、その旨をメンテナンスセンタに通知するように制御する制御手段をさらに具備する請求項1〜のいずれか1項記載の医用画像処理装置。
  8. 放射線撮影を行うことによって放射線画像情報を記録媒体に記録し、該記録媒体から放射線画像情報を読み取ることによって画像データを生成し、該画像データに所定の画像処理を施すことによって放射線画像を表示又は出力する放射線撮影システムを用いることによって得られた放射線画像の画質を評価することにより、前記放射線撮影システムを検査する方法であって、
    所定の画質評価項目について目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されたファントムを放射線撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データを入力するステップ(a)と、
    ステップ(a)において入力された画像データに関して、前記所定の画質評価項目についての定量的な計測を行うステップ(b)と、
    ステップ(a)において入力された画像データに基づいて放射線画像を表示又は出力すると共に、表示又は出力された放射線画像を目視することにより、前記所定の画質評価項目についての検査を行うステップ(c)と、
    ステップ(b)において計測された計測結果と、ステップ(c)において検査された検査結果とに基づいて、前記放射線画像の画質を判定するステップ(d)と、
    を具備し、
    ステップ(a)が、目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されていると共に、複数のマーカが互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されているファントムを、放射線撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データを入力することを含み、
    ステップ(b)が、
    ステップ(a)において入力された画像データに基づいて、前記放射線画像における前記ファントムの位置を、前記複数のマーカを用いて検出するステップ(b1)と、
    ステップ(b1)において検出された前記ファントムの位置を、前記放射線画像における前記ファントムの基準位置と比較することにより、直線方向及び回転方向のずれ量を算出するステップ(b2)と、
    所定の画質評価項目について計測される前記放射線画像内の領域であるサーチ領域を、ステップ(b2)において算出されたずれ量に基づいて変更するステップ(b3)と、
    ステップ(b3)において変更されたサーチ領域において、前記画質評価項目についての計測を行うことにより、前記放射線画像の特性を表す物理量を算出するステップ(b4)と、
    前記放射線画像の画質を判定するために用いられる判定基準を、ステップ(b2)において算出されたずれ量に基づいて変更するステップ(b5)と、
    を含み、
    ステップ(d)が、ステップ(b5)において変更された判定基準に基づいて、ステップ(b4)において算出された前記物理量を用いて前記放射線画像の画質を判定することを含む、
    放射線撮影システムの検査方法。
  9. ステップ(c)が、ステップ(b)において計測された計測結果に基づく定量評価の結果を、前記放射線画像と共に表示することを含む、請求項記載の放射線撮影システムの検査方法。
  10. 前記放射線撮影が行われたときの撮影条件と、前記記録媒体から放射線画像情報が読み取られたときの画像読取条件と、入力された画像データに画像処理が施されたときの画像処理条件と、前記放射線画像が表示されるときの表示条件との内の少なくとも1つを、前記放射線画像と併せて表示するステップをさらに具備する請求項又は記載の放射線撮影システムの検査方法。
  11. 放射線撮影を行うことによって放射線画像情報を記録媒体に記録し、該記録媒体から放射線画像情報を読み取ることによって画像データを生成し、該画像データに所定の画像処理を施すことによって放射線画像を表示又は出力する放射線撮影システムを用いることによって得られた放射線画像の画質を評価することにより、前記放射線撮影システムを検査する方法であって、
    所定の画質評価項目について目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されたファントムを放射線撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データを入力するステップ(a)と、
    ステップ(a)において入力された画像データに関して、前記所定の画質評価項目についての定量的な計測を行うステップ(b)と、
    ステップ(a)において入力された画像データに基づいて放射線画像を表示又は出力すると共に、表示又は出力された放射線画像を目視することにより、前記所定の画質評価項目についての検査を行うステップ(c)と、
    ステップ(b)において計測された計測結果と、ステップ(c)において検査された検査結果とに基づいて、前記放射線画像の画質を判定するステップ(d)と、
    を具備し、
    ステップ(a)が、目視評価に用いられる画質評価用パターンと定量評価に用いられる画質評価用パターンとが配置されていると共に、複数のマーカが互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されているファントムを、放射線撮影することによって得られた放射線画像を表す画像データを入力することを含み、
    ステップ(b)が、
    ステップ(a)において入力された画像データに基づいて、前記放射線画像における前記ファントムの位置を、前記複数のマーカを用いて検出するステップ(b1)と、
    ステップ(b1)において検出された前記ファントムの位置、前記放射線画像における前記ファントムの基準位置と比較することにより、直線方向及び回転方向のずれ量を算出するステップ(b2)と、
    ステップ(b2)において算出されたずれ量が低減されるように、前記放射線画像における前記ファントムの位置を補正するステップ(b3)と、
    ステップ(b3)において位置を補正された前記ファントムの画像に関して、所定の画質評価項目についての計測を行うことにより、前記放射線画像の特性を表す物理量を算出するステップ(b4)と、
    を含み、
    ステップ(d)が、ステップ(b4)において算出された前記物理量に基づいて、前記放射線画像の画質を判定することを含む
    射線撮影システムの検査方法。
  12. ステップ(d)において放射線画像に画質の異常が存在すると判定された場合に、その旨をメンテナンスセンタに通知するステップをさらに具備する請求項11のいずれか1項記載の放射線撮影システムの検査方法。
JP2004045256A 2003-03-03 2004-02-20 放射線撮影システムの検査方法及びそれを用いた医用画像処理装置 Expired - Fee Related JP4408720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004045256A JP4408720B2 (ja) 2003-03-03 2004-02-20 放射線撮影システムの検査方法及びそれを用いた医用画像処理装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003055556 2003-03-03
JP2003063428 2003-03-10
JP2003076831 2003-03-20
JP2004045256A JP4408720B2 (ja) 2003-03-03 2004-02-20 放射線撮影システムの検査方法及びそれを用いた医用画像処理装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004298617A JP2004298617A (ja) 2004-10-28
JP2004298617A5 JP2004298617A5 (ja) 2006-07-27
JP4408720B2 true JP4408720B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=33425404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004045256A Expired - Fee Related JP4408720B2 (ja) 2003-03-03 2004-02-20 放射線撮影システムの検査方法及びそれを用いた医用画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4408720B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4795723B2 (ja) * 2005-05-30 2011-10-19 株式会社東芝 ディジタルx線断層撮影装置
JP4694431B2 (ja) * 2006-07-20 2011-06-08 富士フイルム株式会社 胸壁欠損量計測方法およびファントム
JP5186833B2 (ja) * 2007-08-10 2013-04-24 コニカミノルタエムジー株式会社 画像品質管理支援方法
JP5198023B2 (ja) * 2007-09-26 2013-05-15 富士フイルムRiファーマ株式会社 Spect撮像システムの評価装置及び方法
JP5210726B2 (ja) * 2008-06-24 2013-06-12 株式会社東芝 X線ct装置
JP2010188042A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 医用画像処理装置及びプログラム
JP5541884B2 (ja) * 2009-06-19 2014-07-09 アンリツ産機システム株式会社 X線検査装置
JP5826469B2 (ja) * 2010-07-30 2015-12-02 国立大学法人東北大学 評価用補助具
JP5859232B2 (ja) 2011-07-08 2016-02-10 国立大学法人東北大学 評価用補助具および評価用装置
JP5912205B2 (ja) * 2015-10-14 2016-04-27 国立大学法人東北大学 評価用補助具
JP6014744B2 (ja) * 2015-12-16 2016-10-25 国立大学法人東北大学 評価用補助具および評価用装置
JP7078955B2 (ja) * 2018-07-26 2022-06-01 東芝エネルギーシステムズ株式会社 治療システム、キャリブレーション方法、およびプログラム
CN114667592A (zh) * 2019-11-15 2022-06-24 东京毅力科创株式会社 监视装置、基板处理装置、监视方法以及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004298617A (ja) 2004-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7256392B2 (en) Inspection method of radiation imaging system and medical image processing apparatus using the same, and phantom for use of inspection of radiation imaging system
EP1484015B1 (en) Quality control phantom
JP4408720B2 (ja) 放射線撮影システムの検査方法及びそれを用いた医用画像処理装置
US5420441A (en) Automated technique for calibrating a storage phosphor reader
US7582860B2 (en) Method of measuring amount of missed tissue at chest wall side and phantom
JP5486620B2 (ja) 骨塩定量分析方法および骨塩定量分析システム、並びに記録媒体
JP2001351091A (ja) 画像処理装置、撮影装置、画像処理システム、画像処理方法、及び記憶媒体
US20050041844A1 (en) Diagnosis aid apparatus
JP2004243128A (ja) 画質血管の統一評価方法及び装置
JP2009039411A (ja) 放射線画像の品質評価方法、品質評価装置及びプログラム
JP2004223138A (ja) Qcファントムおよび放射線画像読取システム
JP2005028037A (ja) 医用画像処理装置及び医用画像処理方法
US7248729B2 (en) Image processing apparatus and image processing method
EP1886629A1 (en) Digital radiation image capturing system
JP5186833B2 (ja) 画像品質管理支援方法
JP2008151653A (ja) 検査装置、検査方法、検査プログラムおよび検査システム
US7746977B2 (en) Digital radiation image radiographing system
JPH057579A (ja) 放射線画像の照射野領域抽出装置
JP2012231996A (ja) 放射線画像検査方法、放射線画像検査プログラム、及び放射線画像検査装置
JP6015418B2 (ja) 医用画像処理装置及びプログラム
JPH08278576A (ja) デジタル放射線読出しシステムの周波数応答の検証の方法
Sharma COMPUTED TOMOGRAPHY (CT) FOR NON-DESTRUCTIVE EVALUATION: ENHANCING INSPECTION CAPABILITIES AND 3D VISUALIZATION
JP2004226875A (ja) 放射線画像読取システム
JPH08307605A (ja) デジタル放射線読出しシステムにおける走査形態の量的検証の方法
JP5962492B2 (ja) 医用画像処理装置及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060531

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060531

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4408720

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees