JP2004242560A - 地下灌漑システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圃場(耕作区13)の地中に埋設した有孔管22の下流側に水位設定器24を設置し、この水位設定器によって圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、給水路14からの用水を有孔管22に供給するための地下給水管33を地中に埋設し、地下給水管と有孔管とを有孔管の排水側で接続するとともに、給水路から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を地下給水管に排出可能な給水路側の給排水枡32と、地下給水管から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を水位設定器に排出可能な水位設定器側の給排水枡36とを設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下灌漑システムに関し、詳しくは、地下に埋設した有孔管からの排水水位を調節することによって圃場の地下水位や地表水位を設定する地下灌漑システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年行われつつある地下潅漑は、畑作時の圃場の地下水位を調節して毛管現象により水分を補給するものであって、地下水位を作物に適した水位に調節することによって収穫量向上等の効果を得ることができる。この地下潅漑は、圃場の地中に有孔管からなる暗渠排水パイプを埋設し、地中の余剰地下水を排水路に排出するとともに、不足する用水の供給も暗渠排水パイプを利用して行うのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−155375号公報(第2頁、第1,2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような地下灌漑において、圃場の水位は、畑作と稲作との相違、作物の生育状況、圃場の地質等の各種条件に応じて適切に設定する必要があり、また、肥料や農薬の流出も最小限に抑える必要がある。さらに、供給される用水中にゴミや土砂のような異物が多く含まれていると、これらの異物が暗渠排水パイプ内に蓄積して通水性能を阻害するおそれもある。
【0005】
そこで本発明は、圃場からの肥料や農薬の流出を最小限に抑え、各種条件に応じた適切な灌漑を行えるとともに、暗渠排水パイプ(有孔管)内への土砂等の蓄積も抑えることができる地下灌漑システムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の地下灌漑システムは、第1の構成として、圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、給水路からの用水を前記有孔管に供給するための地下給水管を圃場の地中に埋設し、該地下給水管と前記有孔管とを、該有孔管の排水側で接続するとともに、前記給水路から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を前記地下給水管に排出可能な給排水枡を設けたことを特徴としている。
【0007】
本発明の地下灌漑システムの第2の構成は、圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、給水路からの用水を前記有孔管に供給するための地下給水管を圃場の地中に埋設し、該地下給水管と前記有孔管とを、該有孔管の排水側で接続するとともに、前記地下給水管から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を前記水位設定器に排出可能な給排水枡を設けたことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の地下灌漑システムの第3の構成は、圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、給水路からの用水を前記有孔管に供給するための地下給水管を圃場の地中に埋設し、該地下給水管と前記有孔管とを、該有孔管の排水側で接続するとともに、前記給水路から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を前記地下給水管に排出可能な給水路側の給排水枡と、前記地下給水管から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を前記水位設定器に排出可能な水位設定器側の給排水枡とを設けたことを特徴としている。
【0009】
また、上記各構成の地下灌漑システムにおいて、前記複数の有孔管の中の一つが前記地下給水管を兼ねる大径有孔管であることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3は、本発明の地下灌漑システムの一形態例を示すもので、図1は地下灌漑システムの断面図、図2は配管系統を示す概略平面図、図3は水位設定器部分を示す断面図である。
【0011】
圃場の内部は、農道11や畦畔12によって複数の耕作区13に区画されており、一方の農道部分には給水路14が設けられ、他方の農道部分には排水路15が設けられている。各耕作区13には、作物の種類やその生育状況に応じて水位を適切に設定するための地下灌漑システムがそれぞれ設けられている。なお、給水路や排水路は圃場の状況に応じて任意の位置に設けることができ、畦畔の部分に設けられていることもあり、パイプラインで形成されていてもよい。また、同じ農道部分に給水路と排水路とが併設されていてもよい。
【0012】
地下灌漑システムは、耕作区13の地中に、集合管21から分岐した複数の有孔管22を並列に等間隔で埋設するとともに、集合管21と排水路15との間に、地下排水弁23を有する水位設定器24を設置している。この水位設定器24は、有底筒状の水位設定枡25の内部に下部固定堰26と上部可動堰27とを上下動可能に設け、水位設定枡25内を集合管21が接続する耕作区側の流入室28と、排水路15に至る排水管30が接続する排水路側の排水室29とに区画したものであって、通常時は、下部固定堰26を最下端に固定した状態で、上部可動堰27の高さ位置を調節したり、上部可動堰27を取り外したりすることにより、流入室28内の水位、即ち各耕作区13内の水位を任意に設定できるように形成されている。下部固定堰26と上部可動堰27とは、水位設定枡25の内壁に形成したガイド溝26a、27aに上下動及び抜き差し可能で、かつ、任意の高さ位置に固定可能な状態で設けられており、両堰26,27は、ゴム製のパッキン等を介して水密状態で摺接するように形成されている。
【0013】
さらに、前記耕作区13の給水路14側には、取水弁31を介して給水路側給排水枡32が設けられるとともに、この給水路側給排水枡32に、給水路14から取り入れた用水を前記有孔管22に向けて供給するための地下給水管33が地下給水弁34を介して接続されている。また、水位設定器24側には、給排水弁35を備えた水位設定器側給排水枡36が設けられている。給水路側給排水枡32及び水位設定器側給排水枡36は、耕作区13に連通して用水を給排水するための開口部を備えるとともに、この開口部を閉塞する堰板32a,36aを装着できるように形成されている。なお、給水路14から用水を取り入れる取水口部分には、配管経路内で詰まるおそれのある粗大なゴミを分離するためのフィルターを設けておくことが望ましく、さらに、取水量調節手段や流量確認手段等を設けておくことができる。また、地下給水管33は、給水路側給排水枡32を介さずに給水路14に直接接続するようにしてもよい。
【0014】
前記地下給水管33は、耕作区13の地中に、前記有孔管22と同程度の深さ、好ましくは有孔管22よりも深い位置に、水平方向あるいは排水路15側に向かって適度な水勾配を設けた状態で埋設されており、末端が前記水位設定器24における流入室28の下部に接続し、流入室28を介して有孔管22の排水側に接続している。
【0015】
このように形成した地下灌漑システムは、稲作時における地表水位の管理と畑作時における地下水位の管理とを容易かつ確実に行うことができる。例えば、稲作時において、耕作区13内に用水を供給する際には、水位設定器24の上部可動堰27を田面水位に対応した位置に引き上げた状態で、取水弁31、地下給水弁34、給排水弁35及び地下排水弁23を開いた状態とする。これにより、給水路14を流れる用水が給水路側給排水枡32から耕作区13の地表に直接供給されるとともに、地下給水管33に流入した用水が水位設定器24の流入室28に流入して上部可動堰27の上端付近まで上昇する。
【0016】
流入室28に流入した用水は、その一部が水位設定器側給排水枡36を通って耕作区13の地表に直接供給され、残りの用水が集合管21から有孔管22を経て耕作区13の地中に供給される。このようにして耕作区13に用水を供給することにより、耕作区13への大量の用水の供給も短時間で行うことができる。この耕作区13への用水供給は、耕作区13内の水位が上部可動堰27の上端を超えるまで継続され、これ以上の余剰の用水は、上部可動堰27を超えて排水室29に流下し、排水管30から排水路15に排出される。なお、用水の供給箇所は、各弁23,34,35の開閉や堰板32a,36aの着脱によって任意に選択することができる。
【0017】
代掻き等で用水中に耕作区13内の土が多量に舞い上がるようなときは、給水路側給排水枡32及び水位設定器側給排水枡36に堰板32a,36aを装着して耕作区13内の用水が両給排水枡32,36内に流入しないようにしておくことにより、両給排水枡32,36から配管系統に土砂が進入することを防止できる。この場合も、有孔管22からの給水を継続することにより、耕作区13内の水位が低下してしまうことはない。
【0018】
耕作区13内の水位を維持する場合、前述のように、有孔管22、給水路側給排水枡32及び水位設定器側給排水枡36からの用水供給を継続した状態としておいてもよいが、給水路側給排水枡32に堰板32aを取り付けて給水路側給排水枡32から耕作区13への用水の流入を止めた状態とし、有孔管22及び水位設定器側給排水枡36を使用して用水管理を行うようにすることができる。このような用水管理を行うことにより、蒸発や地中への浸透によって耕作区13内の水量が減少した場合には、主として水位設定器側給排水枡36から耕作区13内に用水が流入して水位を維持し、降雨等により耕作区13内の水位が上昇すると、余剰の用水が水位設定器側給排水枡36から水位設定器24の上部可動堰27を超えて排出される状態となる。
【0019】
これにより、耕作区13内の水位が水位設定器24に設定した水位、例えば、地上15〜25cm、特に20cm程度に維持することができる。このように、耕作区13への給排水を主として水位設定器側給排水枡36から行うことにより、有孔管22のみを使用して給排水を行う場合に比べ、用水の給排水を迅速に行うことができる。また、耕作区13内への用水の給水を給水路側給排水枡32から行わずに主として水位設定器側給排水枡36で行うことにより、耕作区13内に給水路側給排水枡32から水位設定器側給排水枡36へ向かう用水の流れが発生せず、この流れに伴って農薬や肥料等が排水路15に流出することがなくなるので、農薬や肥料等の効果が十分に得られるとともに、農薬等の流出による環境破壊の問題も解消することができる。さらに、有孔管22からも給水することにより、地表から地下に浸透する水量が減少するので、これによっても農薬や肥料の有効活用が図れる。
【0020】
また、この状態で地下給水弁34を閉じるとともに堰板32aを取り外すことにより、耕作区13内に給水路側給排水枡32からの適度な水の流れを形成することができるので、例えば、夏季に耕作区13内の水温を下げたり、硫化水素等の有害物質を地中から排出したりすることができる。このとき、給排水弁35を閉じて水位設定器側給排水枡36への給水を止めることにより、耕作区13内の用水の流れを給水路側給排水枡32から有孔管22に向かう流れのみとすることができ、地中の有害物質の排出をより効果的に行うことができる。また、地下排水弁23を閉じることにより、用水の流れを給水路側給排水枡32から水位設定器側給排水枡36に向かう流れと地下に浸透する流れとにすることができるので、猛暑時における水温上昇防止効果を増大させることができる。
【0021】
この稲作時における田面水位は、上部可動堰27を上下方向にスライドさせることによって任意に設定することができる。例えば、上部可動堰27を適度に押し下げることにより、無代掻きで幼苗を移植する際などに適した地下水位、例えば地下0〜20cmの範囲に設定することができる。
【0022】
一方、畑作時には、上部可動堰27を下方に押し下げたり、上部可動堰27を取り外したり、あるいは、上部可動堰27を上方(最上方)に引き上げて上部可動堰27の下端と下部固定堰26の上端との間に通水部を形成したりすることにより、耕作区13の地下水位を畑作時に適した地下灌漑用水位、例えば地下30〜50cmの範囲に設定することができる。例えば、水位設定器24で地下水位を設定した状態で全ての弁23,31,34,35を開いておくことにより、給水路14から給水路側給排水枡32に流入した用水が、地下給水管33を経て水位設定器24の流入室28に流入し、地下排水弁23から集合管21を通って有孔管22から耕作区13の地中に供給される。
【0023】
また、降雨等によって地下水位が上昇したときには、耕作区13の余剰の地下水が有孔管22に流入して集合管21から水位設定器24の流入室28に流入し、上部可動堰27又は下部固定堰26を超えて排水室29から排水管30を通って排水路15に排出されるので、耕作区13の地下水位を水位設定器24で設定した水位に保つことができる。さらに、大雨によって耕作区13が冠水状態となるようなときには、地表水を給水路側給排水枡32や水位設定器側給排水枡36から直接排出することができるので、耕作区13の冠水状態を速やかに解消することができる。
【0024】
このようにして地下水位の管理を行うことにより、給水路14からの新たな用水は、前記地下給水管33から有孔管22の排水側に供給され、余剰分はそのまま水位設定器24を通って排出されるので、耕作区13内には不足分の用水だけが供給される状態となる。したがって、耕作区13内には、用水の流れがほとんど生じない状態となるので、耕作区13内に温度の低い用水が過度に流れ込んだり、耕作区13内に施した肥料や農薬が用水と共に流出することもほとんどなくなる。また、畑作時においても、耕作区13に地表水を供給する必要があるときには、地下給水弁34を閉じることにより、給水路側給排水枡32から地表に用水を供給することができる。
【0025】
そして、このような灌漑状態において、前記有孔管22には、前記地下給水管33から水位設定器24を通り、集合管21を経て各有孔管22に分岐した用水がそれぞれ流入する状態となっている。このように、有孔管22に流入する用水を、給水路14から直接ではなく、地下給水管33を通して有孔管22の排水側から流入するように形成したことにより、給水路14から供給される用水に土砂等が多く含まれている場合でも、用水中の土砂等を地下給水管33内で沈降させることができ、有孔管22に用水と共に流入する土砂等の量を大幅に減少させることができる。このとき、地下給水管33の口径や取水量を適当に設定して用水の流速を十分に遅くすることにより、地下給水管33での土砂等の沈降分離を略完全に行うことが可能となり、有孔管22への土砂等の流入を確実に防止することができる。
【0026】
したがって、長期間の使用においても、有孔管22内に土砂等が蓄積して有孔管22の通水性能を阻害することがなくなる。これにより、取水口に目の細かいフィルターを設置したりする必要がなくなるので、日常的な保守点検作業を省略することが可能となり、農作業の省力化を図ることができる。また、地下給水管33の敷設は、有孔管22等の敷設作業と同時に行うことができるので、初期コストの上昇は僅かで済む。
【0027】
さらに、水位設定器24の下部固定堰26を引き上げて水位設定枡25の底部で流入室28と排水室29とを連通させることにより、有孔管22を通して耕作区13の排水を行うことができる。このとき、取水弁31を閉じることによって耕作区13を乾燥状態にすることができ、また、取水弁31及び地下給水弁34を開くことにより、地下給水管33に十分な速度で用水を流すことができるので、地下給水管33内に沈降した土砂等を水位設定器24から排水管30を通して排水路15に排出することができる。この地下給水管33からの土砂等の除去排出は、地下給水管33に適当な水勾配を設定しておくことによって確実に行うことができる。
【0028】
特に、地下給水管33の埋設位置を前記有孔管22より深い位置にして地下給水管33内を常時満流状態にしておくことにより、地下給水管33内で沈降した土砂等が乾燥して地下給水管33内で固まることを防止できるので、地下給水管33からの土砂の除去排出をより容易に行うことができる。さらに、地下給水管33と排水管30とを直線状に配置しておくことにより、排水管30からパイプクリーナー等の器具を挿入して地下給水管33内を容易に清掃することができる。また、給水路14と排水路15との間に十分な高低差を得られない場合は、ポンプ等を使用して地下給水管33内に強制的に水を送り込んで水流を発生させることにより、前記同様にして土砂等を排出することができる。
【0029】
このように給水路側給排水枡32と水位設定器側給排水枡36とを設けた地下灌漑システムでは、畑作時における地下灌漑水位の管理だけでなく、稲作時における地表水の管理も効果的に行うことができるが、給水路側給排水枡32と水位設定器側給排水枡36とは、必ずしも同時に設ける必要はなく、いずれか一方のみを設けてもよい。
【0030】
すなわち、給水路側給排水枡32又は水位設定器側給排水枡36のいずれか一方のみを設けた場合でも、稲作時における地表水の給排水や畑作時における雨水の排出を給水路側給排水枡32又は水位設定器側給排水枡36から前記同様にして行うことができるので、暗渠排水パイプのみによる従来の地下潅漑に比べて効率のよい水管理を行うことができる。
【0031】
なお、前記集合管21や地下給水管33は、複数の有孔管22の全体に用水を供給可能な状態とするため、有孔管22より口径の大きなものが用いられており、例えば有孔管22の口径の2倍程度の口径、具体的には、呼び径50程度の有孔管22に対して呼び径100程度のパイプを用いるようにする。また、前記各弁は、少なくとも水の流れを遮断することができればよく、各種構造の弁だけでなく、堰や水閘を使用することもでき、流量制御機能を付加することもできる。さらに、水位設定器24の構造も任意であり、堰に代えて二重構造のスライドパイプ型式のものなど、任意の水位設定手段を使用することが可能である。また、下部固定堰26の大きさを、畑作時の作物に最適な地下水位に対応した高さとしておくことにより、稲作時と畑作時との切り換えを、上部可動堰27を最上方に引き上げて固定するだけの操作で行うことができる。
【0032】
図4は、本発明の地下灌漑システムの他の形態例を示す断面図である。本形態例に示す灌漑システムでは、複数設けられている有孔管22の中の一部、通常は1本に大径の有孔管22aを使用して前記地下給水管と同等の機能を持たせ、この大径有孔管22aの給水路側を地下給水弁34を介して前記給水路側給排水枡32に接続し、その他の各有孔管22への用水の供給を、この大径有孔管22aを介して行うようにしたものである。
【0033】
このように、地下給水管として大径有孔管22aを使用した場合でも、前記同様の用水管理、地下灌漑を行えるとともに、大径有孔管22a内で土砂等の沈降分離を行うことができる。この大径有孔管22a内に沈降した土砂等は、水位設定器24の下部固定堰26を引き上げることにより、前記地下給水管の場合と同様にして排出することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の地下灌漑システムによれば、肥料や農薬の流出を最小限に抑え、各種条件に応じた適切な灌漑を行えるとともに、暗渠排水パイプ(有孔管)内への土砂等の蓄積も抑えることができ、長期間にわたって確実な地下灌漑を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下灌漑システムの一形態例を示す断面図である。
【図2】配管系統を示す概略平面図である。
【図3】水位設定器部分を示す断面図である。
【図4】本発明の地下灌漑システムの他の形態例を示す断面図である。
【符号の説明】
11…農道、12…畦畔、13…耕作区、14…給水路、15…排水路、21…集合管、22…有孔管、22a…大径有孔管、23…地下排水弁、24…水位設定器、25…水位設定枡、26…下部固定堰、27…上部可動堰、28…流入室、29…排水室、30…排水管、31…取水弁、32…給水路側給排水枡、33…地下給水管、34…地下給水弁、35…給排水弁、36…水位設定器側給排水枡
Claims (4)
- 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、給水路からの用水を前記有孔管に供給するための地下給水管を圃場の地中に埋設し、該地下給水管と前記有孔管とを、該有孔管の排水側で接続するとともに、前記給水路から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を前記地下給水管に排出可能な給排水枡を設けたことを特徴とする地下灌漑システム。
- 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、給水路からの用水を前記有孔管に供給するための地下給水管を圃場の地中に埋設し、該地下給水管と前記有孔管とを、該有孔管の排水側で接続するとともに、前記地下給水管から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を前記水位設定器に排出可能な給排水枡を設けたことを特徴とする地下灌漑システム。
- 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、給水路からの用水を前記有孔管に供給するための地下給水管を圃場の地中に埋設し、該地下給水管と前記有孔管とを、該有孔管の排水側で接続するとともに、前記給水路から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を前記地下給水管に排出可能な給水路側の給排水枡と、前記地下給水管から供給される用水を耕作区地表面に供給可能で、かつ、耕作区内の余剰の用水を前記水位設定器に排出可能な水位設定器側の給排水枡とを設けたことを特徴とする地下灌漑システム。
- 前記複数の有孔管の中の一つが前記地下給水管を兼ねる大径有孔管であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の地下灌漑システム。
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