JP2004242462A - 磁束量可変磁石型ロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転時の減磁を簡素な構造にて実現することができる磁束量可変磁石型ロータを提供すること。
【解決手段】IPMのロータコアの永久磁石5、5間に設けられる漏れ磁束低減用のフラックスバリア(スリット)3内に回動型又は直動型の磁束短絡部材7を収容することにより、簡素でコンパクトな減磁機構をもつIPMロータを実現することができる。
【選択図】図1
【解決手段】IPMのロータコアの永久磁石5、5間に設けられる漏れ磁束低減用のフラックスバリア(スリット)3内に回動型又は直動型の磁束短絡部材7を収容することにより、簡素でコンパクトな減磁機構をもつIPMロータを実現することができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁束量可変磁石型ロータに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
永久磁石型同期機は他の形式の同期機に比較して高出力でコンパクト化、構成簡素化を実現できるので、信頼性及び小型軽量化が要求される車両用回転電機に好適であるが、車両用回転電機は回転数域が広いため、低速トルク確保のために磁石磁界を十分大きく確保すると、高速回転時に過大な電機子巻線誘起電圧が発生するため、高速回転時の磁石磁界を低減するための減磁機構を設けることが提案されている。
【0003】
特許文献1は、磁石型ロータコアの永久磁石を、ロータコアに径方向に形成した摺動孔にスプリングとともに収容し、永久磁石に作用する遠心力が増加するとスプリングの弾性付勢力に抗して、永久磁石がこの摺動孔から抜け、これにより永久磁石がロータコアに与える磁束量が減少する構造を提案している。
【0004】
しかしながら、この技術では、磁石の磁極が周方向に背向する2側面に形成されることになるため、現在、主流となっている略周方向に延設され、磁極がその両主面に形成されるため薄板状磁石を用いる磁石型ロータコアには、適用することができなかった。そのうえ、永久磁石として優れた特性をもつセラミック磁石は、脆いためにこのような磁石運動により破損が生じる可能性もあった。
【0005】
特許文献2は、IPMのロータコア内において周方向に隣接する2つの磁石間にて軸方向に貫設された磁束短絡低減用のスリット内に軟磁性の磁束通路部材(磁束短絡部材)を径方向移動自在に挿入し、ロータコアの軸方向両側にコイルスプリングおよびこれにより軸方向に付勢されるリングをそれぞれ装備し、磁束通路部材の軸方向両端とこのリングとをリンク機構により連結し、コイルスプリングがリング、リンク機構を通じて磁束通路部材を径方向内側に付勢する構造を提案している。
【0006】
この構造では、磁束通路部材に遠心力が作用すると、磁束通路部材はスリット中をコイルスプリングの付勢力に抗して径方向外側に移動し、永久磁石磁束を短絡して減磁を行う。
【0007】
しかしながら、この技術では、ロータコアの両側にコイルスプリング、リング、リンク機構を必要とするため体格が大きくなり、高速回転するリンク機構の騒音がやかましく、ロータコアの端面への冷却ファンの設置も用意でないため、通常の空冷形式のモータではその実用化が困難であった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、高速回転時の減磁を簡素な構造にて実現することができる磁束量可変磁石型ロータを提供することをその目的としている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−288940号公報
【特許文献2】特開平11−275787号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
第一発明の磁束量可変磁石型ロータは、周方向に所定間隔で軸方向に貫設されて永久磁石を収容する偶数個の磁石挿入溝と、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝の間に位置して軸方向に貫設される短絡磁束低減用のスリットとを有するロータコアを有する磁束量可変磁石型ロータにおいて、
略軸方向に伸びる軸心を中心としての前記スリット内の回動が可能なように前記ロータコアに軸支される軟磁性の磁束通路部材と、前記磁束通路部材を略径方向に付勢するスプリングとを備え、前記磁束通路部材は、高速回転時に自己に作用する遠心力により前記スリットを横断する向きに前記スプリングの付勢力に抗して回動することにより短絡磁束量を増大させることを特徴としている。
【0011】
すなわち、この発明によれば、遠心力発生用のウエイトを兼ねる磁束通路部材(磁束短絡部材)がスリット内を摺動することがなく、磁束通路部材が積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて動作が阻害されることがなく、信頼性に富む。
【0012】
また、ロータコアの軸方向両側にリングやリンク機構などを必要とせず、モータの軸方向長さを短縮できるため、コンパクトで信頼性に優れた高速回転時の減磁作用をもつIPM用の磁束量可変磁石型ロータを実現することができる。
【0013】
また、この発明によれば、セラミック製で脆い永久磁石を変位させる必要がないために、永久磁石が、通常は積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて破損したりすることがないうえ、車両衝突時などにおいて強大な加速度力が作用して永久磁石が軸方向又は径方向に加速されて衝突し、破損するといった問題も解決することができる。
【0014】
第二発明の磁束量可変磁石型ロータは、周方向に所定間隔で軸方向に貫設されて永久磁石を収容する偶数個の磁石挿入溝と、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝の間に位置して前記磁石挿入溝よりも径方向外向きに延在し、かつ軸方向に貫設される短絡磁束低減用のスリットとを有するロータコアを有する磁束量可変磁石型ロータにおいて、
前記スリット内を径方向移動自在に収容された軟磁性の磁束通路部材と、前記スリット内に収容されて前記磁束通路部材を径方向内側に付勢するスプリングとを有し、
前記磁束通路部材は、ロータ静止時に前記スプリングの付勢力により前記永久磁石の径方向外側の磁極面よりも更に径方向内側に移動して前記永久磁石間の短絡磁束量を最小化するとともに、ロータ高速回転時に自己に作用する遠心力により前記スプリングを圧縮して径方向外側に移動して前記短絡磁束量を増大することを特徴としている。
【0015】
すなわち、この発明によれば、遠心力発生用のウエイトを兼ねる磁束通路部材(磁束短絡部材)とそれを磁気短絡抑制方向に付勢するスプリングとからなる減磁機構をすべてスリット内に収容することができるため、コンパクトで信頼性に優れ、冷却にも優れた高速回転時の減磁作用をもつIPM用の磁束量可変磁石型ロータを実現することができる。
【0016】
また、この発明によれば、セラミック製で脆い永久磁石を変位させる必要がないために、永久磁石が、通常は積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて破損したりすることがないうえ、車両衝突時などにおいて強大な加速度力が作用して永久磁石が軸方向又は径方向に加速されて衝突し、破損するといった問題も解決することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の好適態様を図面を参照して以下の実施例により具体的に説明する。なお、これら実施例は実施態様を示すものであり、構成要素を周知の代替要素に置換することは当然可能である。
(実施例1)
実施例1の磁束量可変磁石型ロータを以下に説明する。この磁束量可変磁石型ロータは、たとえばIPM型の同期機の固定子(図示せず)の径方向内側に配置される。以下の実施例では、電動動作時の磁石磁束量制御を説明するが、発電動作時の磁石磁束量制御もウエイトの周方向移動方向を反転すれば本質的に可能である。
【0018】
この実施例の磁束量可変磁石型ロータ1を図1、図2を参照して説明する。図1はこのロータ1の径方向模式側面図、図2はその要部拡大図である。
【0019】
2は積層電磁鋼板製の回転子鉄心(以下、ロータコアともいう)、3は本発明でいうスリットを構成するフラックスバリア、4は磁石挿入溝、5は永久磁石、6は回転軸挿入孔、7は磁束短絡部材(磁気通路部材)、8はピン(枢支軸)、9はつるまきばね(スプリング)、10は回転軸である。
【0020】
回転軸10は回転子鉄心2の回転軸挿入孔6に挿入されて、回転子鉄心2に固定されている。回転子鉄心2には、合計8個の磁石挿入溝4と、これら磁石挿入溝4の周方向両端から径方向外側に伸びる合計16個のフラックスバリア3がそれぞれ軸方向に貫設されている。磁石挿入溝4には長方形のセラミック薄板からなる永久磁石5が収容され、周方向に隣接する2つの永久磁石5の極性は反対となっている。永久磁石5の径方向外側の主面および径方向内側の主面は磁極面となっている。フラックスバリア3の径方向外側の端は、ロータコア2の外周面近傍に達している。上記ロータコア自体は後述する減磁機構を除いてIPM型ロータコアとして一般的な構造であるので、これ以上の説明は省略する。
【0021】
なお、この実施例は、上記形状のフラックスバリア3に限定されるものではなく、フラックスバリアは、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝4の間において径方向に延在し、軸方向にロータコア2を貫通する形状であればよい。
【0022】
次に、この実施例の特徴をなす減磁機構を図2、図3を参照して以下に説明する。図3は図2のA−A線から径方向外側に向けてみた模式矢視断面図である。なお、図3では、断面ハッチングは省略している。
【0023】
磁束短絡部材(磁気通路部材)7は、図1、図2において翼状に形成されており、図3に示すように積層電磁鋼板により形成されている。ただし、磁束短絡部材7を構成する電磁鋼板の数はロータコア2のそれよりも2枚少ない。磁束短絡部材7は、フラックスバリア3内に略90度回動自在に収容されている。
【0024】
ピン8は、フラックスバリア3の略径方向に伸びる側面近傍に位置している。ピン8は、ロータコア(回転子鉄心)2を構成する各電磁鋼板のうち軸方向最外側の一対の電磁鋼板に設けられた孔に枢支されて、フラックスバリア3内を軸方向に貫通している。ピン8は、フラックスバリア3内にて、磁束短絡部材7の一端部を貫通しており、磁束短絡部材7とともに回動可能となっている。ピン8は、ロータコア2の両端面から軸方向に多少突出する突出部を有しており、その両端は径大部となっている。
【0025】
つるまきばね9の両端部は、ピン8の上記両突出部に個別に巻装されており、つるまきばね9の両端はロータコア2に係止されている。ピン8の上記両突出部に個別に巻装されたつるまきばね9の両端部を除く部分であるつるまきばね9の中央部は、フラックスバリア3内を軸方向に貫通しており、磁束短絡部材7を図2において時計方向に付勢している。磁束短絡部材7は静止状態において、この付勢によりフラックスバリア3の側面に押しつけられている(図2参照)。なお、つるまきばね9の代わりに同等の付勢を行う弾性部材を採用してもよい。
【0026】
磁束短絡部材7は、図2に示すように、ピン8からロータコア2の軸心に伸びる求心方向よりも多少反時計方向へずれて、フラックスバリア3の側面をなすロータコア2の表面につるまきばね9により押しつけられている。
【0027】
これにより、静止時には、磁束短絡部材7は、図2の位置に規制されるため、フラックスバリア3内を周方向に漏洩(短絡)する磁束量は非常に少なくなる。しかし、磁束短絡部材7は、高速回転時に自己に作用する遠心力によりつるまきばね9の付勢力に抗して反時計方向に回動し、上記漏洩(短絡)磁束量を大幅に増加する。これにより、ステータコイルと鎖交する磁石磁束量を低減することができる。なお、磁束短絡部材7の回動角は、その遠心力とつるまきばね9の付勢力の均衡する位置となるが、磁束短絡部材7の回動角が増大すると磁気吸引力により回動が促進される。
【0028】
すなわち、この実施例によれば、遠心力発生用のウエイトを兼ねる磁束通路部材(磁束短絡部材)7がスリット内を摺動することがないため、磁束通路部材7が積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて動作が阻害されることがなく、動作信頼性にすぐれた減磁を行うことができる。
【0029】
また、ロータコアの軸方向両側にリングやリンク機構などを必要とせず、モータの軸方向長さを短縮できるため、コンパクトで信頼性に優れた高速回転時の減磁作用をもつIPM用の磁束量可変磁石型ロータを実現することができる。
【0030】
また、セラミック製で脆い永久磁石を変位させる必要がないために、永久磁石が、通常は積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて破損したりすることがないうえ、車両衝突時などにおいて強大な加速度力が作用して永久磁石が軸方向又は径方向に加速されて衝突し、破損するといった問題も解決することができる。
【0031】
この実施例によるロータ回転数と固定子コイルの逆起電圧(磁石起電力)との関係を図4に示す。この実施例では、上記相対回動により、逆起電圧を高速回転時に略飽和させることができる。
【0032】
(変形態様)
変形態様を図5に示す。この態様では、磁束短絡部材12の先端面は、ピン8を中心とする仮想円の半径をもつ部分円筒面とされ、同様に、フラックスバリア3の径方向に伸びる側面(ピン8を持たない側)のうち、磁束短絡部材7が最大回動した状態にて上記部分円筒面にほぼ密着する部分もまた、部分円筒面となっている。これにより、最大回動時の両部分円筒面間の空隙幅を低減して磁束短絡部材7の最大回動時における短絡磁束量を最大化することができる。
【0033】
(変形態様)
変形態様を図6に示す。この態様では、フラックスバリア15すなわち本発明でいうスリットは、永久磁石14が挿入された磁石挿入溝の周方向両側から接線方向へ突出している。従って、この場合には、磁束短絡部材7は、静止時においてつるまきばね9により付勢されて接線方向へ倒れ、高速回転時には自己に作用する遠心力により略径方向に倒れてこのフラックスバリア3を横断することにより、永久磁石磁束を短絡する。図7は、図6において、永久磁石数を半減し、すべての永久磁石14の磁極面の向きを同一とした例である。磁石挿入溝がなくなった部分のロータコアの外周面には永久磁石の径方向外側の磁極面の極性と反対極性の磁極(補曲)16が形成される。
【0034】
(変形態様)
上記実施例では、磁石式同期モータにおいて低速電動動作時に対し高速電動動作時の減磁を行ったが、低速発電動作時に対し高速発電動作時の減磁(発電電圧低減)を行うようにしてもよい。
【0035】
(変形態様)
図8に示すこの変形態様は、図1に比較して、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝4の間のフラックスバリア3を半減し、共通化したものである。遠心力に対するロータコア2の耐性は低下するが、減磁機構の数を半減することができる。なお、フラックスバリア3を磁石挿入溝4に対して独立化すれば、ロータコア2の遠心力耐性を改善することができる。
(実施例2)
実施例2の磁束量可変磁石型ロータを以下に説明する。この磁束量可変磁石型ロータは、たとえばIPM型の同期機の固定子(図示せず)の径方向内側に配置される。以下の実施例では、電動動作時の磁石磁束量制御を説明するが、発電動作時の磁石磁束量制御もウエイトの周方向移動方向を反転すれば本質的に可能である。
【0036】
この実施例の磁束量可変磁石型ロータ1を図9を参照して説明する。図9はこのロータ1の径方向模式部分側面図である。ただし、説明簡単化のために、実施例1の構成要素と主要機能が同じである構成要素には同一符号を付すものとする。
【0037】
2は積層電磁鋼板製の回転子鉄心(以下、ロータコアともいう)、3は本発明でいうスリットを構成するフラックスバリア、4は磁石挿入溝、5は永久磁石、6は回転軸挿入孔、7は磁束短絡部材(磁気通路部材)、9はコイルスプリング、10は回転軸である。この実施例のフラックスバリア3、磁束短絡部材7およびコイルスプリング9を除く他の構造、形状は、実施例1と同じであるので、その説明を省略し、この実施例の特徴をなす減磁機構のみを説明する。
【0038】
この実施例では、フラックスバリア3すなわち漏れ磁束低減用のスリットの周方向幅は一定とされており、かつ、磁石挿入溝4よりも多少径方向内側まで延在している。
【0039】
フラックスバリア3内には、径方向断面が略長方形(正確には面取りされている)となっている長棒状の磁束短絡部材7が径方向移動自在に挿入されており、この磁束短絡部材7は、基端がフラックスバリア3の径方向外側の底面に支持されたコイルスプリング9の付勢端により径方向内側に付勢されている。なお、コイルスプリング9は、フラックスバリア3内に軸方向に所定間隔を隔てて複数配置してもよく、あるいは、長手方向が軸方向となっている一つの弓形の板ばねとしてもよい。
【0040】
これにより、磁束短絡部材7は、静止時にはコイルスプリング9により付勢されて、図9において破線で示すようにフラックスバリア3の径方向最内側、すなわち、永久磁石5の径方向外側の磁極面よりも径方向内側まで引っ込んでいるため、永久磁石5の径方向外側の磁極面間においてフラックスバリア3内を周方向に漏れる短絡磁束量は大幅に低減される。磁束短絡部材7は、高速回転時に自己に作用する遠心力によりコイルスプリング9を圧縮して径方向外側に移動して短絡磁束量を増大し、減磁を行う。
【0041】
すなわち、この実施例によれば、遠心力発生用のウエイトを兼ねる磁束通路部材(磁束短絡部材)とそれを磁気短絡抑制方向に付勢するスプリングとからなる減磁機構をすべてスリット内に収容することができるため、コンパクトで信頼性に優れ、冷却にも優れた高速回転時の減磁作用をもつIPM用の磁束量可変磁石型ロータを実現することができる。
【0042】
また、この発明によれば、セラミック製で脆い永久磁石を変位させる必要がないために、永久磁石が、通常は積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて破損したりすることがないうえ、車両衝突時などにおいて強大な加速度力が作用して永久磁石が軸方向又は径方向に加速されて衝突し、破損するといった問題も解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のロータの径方向模式側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2のA−A線矢視模式断面図である。
【図4】実施例1の磁束量可変磁石型ロータを用いた場合の逆起電力特性を示す特性図である。
【図5】実施例1の磁束短絡部材の変形態様を示す拡大側面図である。
【図6】実施例1の磁束短絡部材の変形態様を示すロータの径方向模式側面図である。
【図7】実施例1の磁束短絡部材の変形態様を示すロータの径方向模式側面図である。
【図8】実施例1の磁束短絡部材の変形態様を示すロータの径方向模式側面図である。
【図9】実施例2のロータの径方向模式部分側面図である。
【符号の説明】
1 回転子(磁束量可変磁石型ロータ)
2 回転子鉄心
3 フラックスバリア(スリット)
4 磁石挿入溝
5 永久磁石
7 磁束短絡部材
8 ピン
9 つるまきばね(スプリング)
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁束量可変磁石型ロータに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
永久磁石型同期機は他の形式の同期機に比較して高出力でコンパクト化、構成簡素化を実現できるので、信頼性及び小型軽量化が要求される車両用回転電機に好適であるが、車両用回転電機は回転数域が広いため、低速トルク確保のために磁石磁界を十分大きく確保すると、高速回転時に過大な電機子巻線誘起電圧が発生するため、高速回転時の磁石磁界を低減するための減磁機構を設けることが提案されている。
【0003】
特許文献1は、磁石型ロータコアの永久磁石を、ロータコアに径方向に形成した摺動孔にスプリングとともに収容し、永久磁石に作用する遠心力が増加するとスプリングの弾性付勢力に抗して、永久磁石がこの摺動孔から抜け、これにより永久磁石がロータコアに与える磁束量が減少する構造を提案している。
【0004】
しかしながら、この技術では、磁石の磁極が周方向に背向する2側面に形成されることになるため、現在、主流となっている略周方向に延設され、磁極がその両主面に形成されるため薄板状磁石を用いる磁石型ロータコアには、適用することができなかった。そのうえ、永久磁石として優れた特性をもつセラミック磁石は、脆いためにこのような磁石運動により破損が生じる可能性もあった。
【0005】
特許文献2は、IPMのロータコア内において周方向に隣接する2つの磁石間にて軸方向に貫設された磁束短絡低減用のスリット内に軟磁性の磁束通路部材(磁束短絡部材)を径方向移動自在に挿入し、ロータコアの軸方向両側にコイルスプリングおよびこれにより軸方向に付勢されるリングをそれぞれ装備し、磁束通路部材の軸方向両端とこのリングとをリンク機構により連結し、コイルスプリングがリング、リンク機構を通じて磁束通路部材を径方向内側に付勢する構造を提案している。
【0006】
この構造では、磁束通路部材に遠心力が作用すると、磁束通路部材はスリット中をコイルスプリングの付勢力に抗して径方向外側に移動し、永久磁石磁束を短絡して減磁を行う。
【0007】
しかしながら、この技術では、ロータコアの両側にコイルスプリング、リング、リンク機構を必要とするため体格が大きくなり、高速回転するリンク機構の騒音がやかましく、ロータコアの端面への冷却ファンの設置も用意でないため、通常の空冷形式のモータではその実用化が困難であった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、高速回転時の減磁を簡素な構造にて実現することができる磁束量可変磁石型ロータを提供することをその目的としている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−288940号公報
【特許文献2】特開平11−275787号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
第一発明の磁束量可変磁石型ロータは、周方向に所定間隔で軸方向に貫設されて永久磁石を収容する偶数個の磁石挿入溝と、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝の間に位置して軸方向に貫設される短絡磁束低減用のスリットとを有するロータコアを有する磁束量可変磁石型ロータにおいて、
略軸方向に伸びる軸心を中心としての前記スリット内の回動が可能なように前記ロータコアに軸支される軟磁性の磁束通路部材と、前記磁束通路部材を略径方向に付勢するスプリングとを備え、前記磁束通路部材は、高速回転時に自己に作用する遠心力により前記スリットを横断する向きに前記スプリングの付勢力に抗して回動することにより短絡磁束量を増大させることを特徴としている。
【0011】
すなわち、この発明によれば、遠心力発生用のウエイトを兼ねる磁束通路部材(磁束短絡部材)がスリット内を摺動することがなく、磁束通路部材が積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて動作が阻害されることがなく、信頼性に富む。
【0012】
また、ロータコアの軸方向両側にリングやリンク機構などを必要とせず、モータの軸方向長さを短縮できるため、コンパクトで信頼性に優れた高速回転時の減磁作用をもつIPM用の磁束量可変磁石型ロータを実現することができる。
【0013】
また、この発明によれば、セラミック製で脆い永久磁石を変位させる必要がないために、永久磁石が、通常は積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて破損したりすることがないうえ、車両衝突時などにおいて強大な加速度力が作用して永久磁石が軸方向又は径方向に加速されて衝突し、破損するといった問題も解決することができる。
【0014】
第二発明の磁束量可変磁石型ロータは、周方向に所定間隔で軸方向に貫設されて永久磁石を収容する偶数個の磁石挿入溝と、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝の間に位置して前記磁石挿入溝よりも径方向外向きに延在し、かつ軸方向に貫設される短絡磁束低減用のスリットとを有するロータコアを有する磁束量可変磁石型ロータにおいて、
前記スリット内を径方向移動自在に収容された軟磁性の磁束通路部材と、前記スリット内に収容されて前記磁束通路部材を径方向内側に付勢するスプリングとを有し、
前記磁束通路部材は、ロータ静止時に前記スプリングの付勢力により前記永久磁石の径方向外側の磁極面よりも更に径方向内側に移動して前記永久磁石間の短絡磁束量を最小化するとともに、ロータ高速回転時に自己に作用する遠心力により前記スプリングを圧縮して径方向外側に移動して前記短絡磁束量を増大することを特徴としている。
【0015】
すなわち、この発明によれば、遠心力発生用のウエイトを兼ねる磁束通路部材(磁束短絡部材)とそれを磁気短絡抑制方向に付勢するスプリングとからなる減磁機構をすべてスリット内に収容することができるため、コンパクトで信頼性に優れ、冷却にも優れた高速回転時の減磁作用をもつIPM用の磁束量可変磁石型ロータを実現することができる。
【0016】
また、この発明によれば、セラミック製で脆い永久磁石を変位させる必要がないために、永久磁石が、通常は積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて破損したりすることがないうえ、車両衝突時などにおいて強大な加速度力が作用して永久磁石が軸方向又は径方向に加速されて衝突し、破損するといった問題も解決することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の好適態様を図面を参照して以下の実施例により具体的に説明する。なお、これら実施例は実施態様を示すものであり、構成要素を周知の代替要素に置換することは当然可能である。
(実施例1)
実施例1の磁束量可変磁石型ロータを以下に説明する。この磁束量可変磁石型ロータは、たとえばIPM型の同期機の固定子(図示せず)の径方向内側に配置される。以下の実施例では、電動動作時の磁石磁束量制御を説明するが、発電動作時の磁石磁束量制御もウエイトの周方向移動方向を反転すれば本質的に可能である。
【0018】
この実施例の磁束量可変磁石型ロータ1を図1、図2を参照して説明する。図1はこのロータ1の径方向模式側面図、図2はその要部拡大図である。
【0019】
2は積層電磁鋼板製の回転子鉄心(以下、ロータコアともいう)、3は本発明でいうスリットを構成するフラックスバリア、4は磁石挿入溝、5は永久磁石、6は回転軸挿入孔、7は磁束短絡部材(磁気通路部材)、8はピン(枢支軸)、9はつるまきばね(スプリング)、10は回転軸である。
【0020】
回転軸10は回転子鉄心2の回転軸挿入孔6に挿入されて、回転子鉄心2に固定されている。回転子鉄心2には、合計8個の磁石挿入溝4と、これら磁石挿入溝4の周方向両端から径方向外側に伸びる合計16個のフラックスバリア3がそれぞれ軸方向に貫設されている。磁石挿入溝4には長方形のセラミック薄板からなる永久磁石5が収容され、周方向に隣接する2つの永久磁石5の極性は反対となっている。永久磁石5の径方向外側の主面および径方向内側の主面は磁極面となっている。フラックスバリア3の径方向外側の端は、ロータコア2の外周面近傍に達している。上記ロータコア自体は後述する減磁機構を除いてIPM型ロータコアとして一般的な構造であるので、これ以上の説明は省略する。
【0021】
なお、この実施例は、上記形状のフラックスバリア3に限定されるものではなく、フラックスバリアは、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝4の間において径方向に延在し、軸方向にロータコア2を貫通する形状であればよい。
【0022】
次に、この実施例の特徴をなす減磁機構を図2、図3を参照して以下に説明する。図3は図2のA−A線から径方向外側に向けてみた模式矢視断面図である。なお、図3では、断面ハッチングは省略している。
【0023】
磁束短絡部材(磁気通路部材)7は、図1、図2において翼状に形成されており、図3に示すように積層電磁鋼板により形成されている。ただし、磁束短絡部材7を構成する電磁鋼板の数はロータコア2のそれよりも2枚少ない。磁束短絡部材7は、フラックスバリア3内に略90度回動自在に収容されている。
【0024】
ピン8は、フラックスバリア3の略径方向に伸びる側面近傍に位置している。ピン8は、ロータコア(回転子鉄心)2を構成する各電磁鋼板のうち軸方向最外側の一対の電磁鋼板に設けられた孔に枢支されて、フラックスバリア3内を軸方向に貫通している。ピン8は、フラックスバリア3内にて、磁束短絡部材7の一端部を貫通しており、磁束短絡部材7とともに回動可能となっている。ピン8は、ロータコア2の両端面から軸方向に多少突出する突出部を有しており、その両端は径大部となっている。
【0025】
つるまきばね9の両端部は、ピン8の上記両突出部に個別に巻装されており、つるまきばね9の両端はロータコア2に係止されている。ピン8の上記両突出部に個別に巻装されたつるまきばね9の両端部を除く部分であるつるまきばね9の中央部は、フラックスバリア3内を軸方向に貫通しており、磁束短絡部材7を図2において時計方向に付勢している。磁束短絡部材7は静止状態において、この付勢によりフラックスバリア3の側面に押しつけられている(図2参照)。なお、つるまきばね9の代わりに同等の付勢を行う弾性部材を採用してもよい。
【0026】
磁束短絡部材7は、図2に示すように、ピン8からロータコア2の軸心に伸びる求心方向よりも多少反時計方向へずれて、フラックスバリア3の側面をなすロータコア2の表面につるまきばね9により押しつけられている。
【0027】
これにより、静止時には、磁束短絡部材7は、図2の位置に規制されるため、フラックスバリア3内を周方向に漏洩(短絡)する磁束量は非常に少なくなる。しかし、磁束短絡部材7は、高速回転時に自己に作用する遠心力によりつるまきばね9の付勢力に抗して反時計方向に回動し、上記漏洩(短絡)磁束量を大幅に増加する。これにより、ステータコイルと鎖交する磁石磁束量を低減することができる。なお、磁束短絡部材7の回動角は、その遠心力とつるまきばね9の付勢力の均衡する位置となるが、磁束短絡部材7の回動角が増大すると磁気吸引力により回動が促進される。
【0028】
すなわち、この実施例によれば、遠心力発生用のウエイトを兼ねる磁束通路部材(磁束短絡部材)7がスリット内を摺動することがないため、磁束通路部材7が積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて動作が阻害されることがなく、動作信頼性にすぐれた減磁を行うことができる。
【0029】
また、ロータコアの軸方向両側にリングやリンク機構などを必要とせず、モータの軸方向長さを短縮できるため、コンパクトで信頼性に優れた高速回転時の減磁作用をもつIPM用の磁束量可変磁石型ロータを実現することができる。
【0030】
また、セラミック製で脆い永久磁石を変位させる必要がないために、永久磁石が、通常は積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて破損したりすることがないうえ、車両衝突時などにおいて強大な加速度力が作用して永久磁石が軸方向又は径方向に加速されて衝突し、破損するといった問題も解決することができる。
【0031】
この実施例によるロータ回転数と固定子コイルの逆起電圧(磁石起電力)との関係を図4に示す。この実施例では、上記相対回動により、逆起電圧を高速回転時に略飽和させることができる。
【0032】
(変形態様)
変形態様を図5に示す。この態様では、磁束短絡部材12の先端面は、ピン8を中心とする仮想円の半径をもつ部分円筒面とされ、同様に、フラックスバリア3の径方向に伸びる側面(ピン8を持たない側)のうち、磁束短絡部材7が最大回動した状態にて上記部分円筒面にほぼ密着する部分もまた、部分円筒面となっている。これにより、最大回動時の両部分円筒面間の空隙幅を低減して磁束短絡部材7の最大回動時における短絡磁束量を最大化することができる。
【0033】
(変形態様)
変形態様を図6に示す。この態様では、フラックスバリア15すなわち本発明でいうスリットは、永久磁石14が挿入された磁石挿入溝の周方向両側から接線方向へ突出している。従って、この場合には、磁束短絡部材7は、静止時においてつるまきばね9により付勢されて接線方向へ倒れ、高速回転時には自己に作用する遠心力により略径方向に倒れてこのフラックスバリア3を横断することにより、永久磁石磁束を短絡する。図7は、図6において、永久磁石数を半減し、すべての永久磁石14の磁極面の向きを同一とした例である。磁石挿入溝がなくなった部分のロータコアの外周面には永久磁石の径方向外側の磁極面の極性と反対極性の磁極(補曲)16が形成される。
【0034】
(変形態様)
上記実施例では、磁石式同期モータにおいて低速電動動作時に対し高速電動動作時の減磁を行ったが、低速発電動作時に対し高速発電動作時の減磁(発電電圧低減)を行うようにしてもよい。
【0035】
(変形態様)
図8に示すこの変形態様は、図1に比較して、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝4の間のフラックスバリア3を半減し、共通化したものである。遠心力に対するロータコア2の耐性は低下するが、減磁機構の数を半減することができる。なお、フラックスバリア3を磁石挿入溝4に対して独立化すれば、ロータコア2の遠心力耐性を改善することができる。
(実施例2)
実施例2の磁束量可変磁石型ロータを以下に説明する。この磁束量可変磁石型ロータは、たとえばIPM型の同期機の固定子(図示せず)の径方向内側に配置される。以下の実施例では、電動動作時の磁石磁束量制御を説明するが、発電動作時の磁石磁束量制御もウエイトの周方向移動方向を反転すれば本質的に可能である。
【0036】
この実施例の磁束量可変磁石型ロータ1を図9を参照して説明する。図9はこのロータ1の径方向模式部分側面図である。ただし、説明簡単化のために、実施例1の構成要素と主要機能が同じである構成要素には同一符号を付すものとする。
【0037】
2は積層電磁鋼板製の回転子鉄心(以下、ロータコアともいう)、3は本発明でいうスリットを構成するフラックスバリア、4は磁石挿入溝、5は永久磁石、6は回転軸挿入孔、7は磁束短絡部材(磁気通路部材)、9はコイルスプリング、10は回転軸である。この実施例のフラックスバリア3、磁束短絡部材7およびコイルスプリング9を除く他の構造、形状は、実施例1と同じであるので、その説明を省略し、この実施例の特徴をなす減磁機構のみを説明する。
【0038】
この実施例では、フラックスバリア3すなわち漏れ磁束低減用のスリットの周方向幅は一定とされており、かつ、磁石挿入溝4よりも多少径方向内側まで延在している。
【0039】
フラックスバリア3内には、径方向断面が略長方形(正確には面取りされている)となっている長棒状の磁束短絡部材7が径方向移動自在に挿入されており、この磁束短絡部材7は、基端がフラックスバリア3の径方向外側の底面に支持されたコイルスプリング9の付勢端により径方向内側に付勢されている。なお、コイルスプリング9は、フラックスバリア3内に軸方向に所定間隔を隔てて複数配置してもよく、あるいは、長手方向が軸方向となっている一つの弓形の板ばねとしてもよい。
【0040】
これにより、磁束短絡部材7は、静止時にはコイルスプリング9により付勢されて、図9において破線で示すようにフラックスバリア3の径方向最内側、すなわち、永久磁石5の径方向外側の磁極面よりも径方向内側まで引っ込んでいるため、永久磁石5の径方向外側の磁極面間においてフラックスバリア3内を周方向に漏れる短絡磁束量は大幅に低減される。磁束短絡部材7は、高速回転時に自己に作用する遠心力によりコイルスプリング9を圧縮して径方向外側に移動して短絡磁束量を増大し、減磁を行う。
【0041】
すなわち、この実施例によれば、遠心力発生用のウエイトを兼ねる磁束通路部材(磁束短絡部材)とそれを磁気短絡抑制方向に付勢するスプリングとからなる減磁機構をすべてスリット内に収容することができるため、コンパクトで信頼性に優れ、冷却にも優れた高速回転時の減磁作用をもつIPM用の磁束量可変磁石型ロータを実現することができる。
【0042】
また、この発明によれば、セラミック製で脆い永久磁石を変位させる必要がないために、永久磁石が、通常は積層電磁鋼板製であり微少な凹凸をもつスリットの壁面にこすれて破損したりすることがないうえ、車両衝突時などにおいて強大な加速度力が作用して永久磁石が軸方向又は径方向に加速されて衝突し、破損するといった問題も解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のロータの径方向模式側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2のA−A線矢視模式断面図である。
【図4】実施例1の磁束量可変磁石型ロータを用いた場合の逆起電力特性を示す特性図である。
【図5】実施例1の磁束短絡部材の変形態様を示す拡大側面図である。
【図6】実施例1の磁束短絡部材の変形態様を示すロータの径方向模式側面図である。
【図7】実施例1の磁束短絡部材の変形態様を示すロータの径方向模式側面図である。
【図8】実施例1の磁束短絡部材の変形態様を示すロータの径方向模式側面図である。
【図9】実施例2のロータの径方向模式部分側面図である。
【符号の説明】
1 回転子(磁束量可変磁石型ロータ)
2 回転子鉄心
3 フラックスバリア(スリット)
4 磁石挿入溝
5 永久磁石
7 磁束短絡部材
8 ピン
9 つるまきばね(スプリング)
Claims (2)
- 周方向に所定間隔で軸方向に貫設されて永久磁石を収容する偶数個の磁石挿入溝と、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝の間に位置して軸方向に貫設される短絡磁束低減用のスリットとを有するロータコアを有する磁束量可変磁石型ロータにおいて、
略軸方向に伸びる軸心を中心としての前記スリット内の回動が可能なように前記ロータコアに軸支される軟磁性の磁束通路部材と、
前記磁束通路部材を略径方向に付勢するスプリングと、
を有し、
前記磁束通路部材は、高速回転時に自己に作用する遠心力により前記スリットを横断する向きに前記スプリングの付勢力に抗して回動することにより短絡磁束量を増大させることを特徴とする磁束量可変磁石型ロータ。 - 周方向に所定間隔で軸方向に貫設されて永久磁石を収容する偶数個の磁石挿入溝と、周方向に隣接する二つの磁石挿入溝の間に位置して前記磁石挿入溝よりも径方向外向きに延在し、かつ軸方向に貫設される短絡磁束低減用のスリットとを有するロータコアを有する磁束量可変磁石型ロータにおいて、
前記スリット内を径方向移動自在に収容された軟磁性の磁束通路部材と、
前記スリット内に収容されて前記磁束通路部材を径方向内側に付勢するスプリングと、
を有し、
前記磁束通路部材は、ロータ静止時に前記スプリングの付勢力により前記永久磁石の径方向外側の磁極面よりも更に径方向内側に移動して前記永久磁石間の短絡磁束量を最小化するとともに、ロータ高速回転時に自己に作用する遠心力により前記スプリングを圧縮して径方向外側に移動して前記短絡磁束量を増大することを特徴とする磁束量可変磁石型ロータ。
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