JP2018166377A - 可変界磁回転電機 - Google Patents

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芳永 久保田
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Abstract

【課題】回転電機特性を回転数やトルクに応じて可変でき、回転電機の重量増加、回転電機の大型化、および回転電機のコスト増加を抑えることができる可変界磁回転電機を提供する。【解決手段】可変界磁回転電機10は、可動鉄心26と、弾性部28とを備える。可動鉄心26は、極性が異なる永久磁石24間に配置され、ロータ14の径方向に移動自在に設けられている。弾性部28は、可動鉄心26をロータ14の径方向中心側に保持するように構成されている。さらに、ロータ14の回転数が増すにつれて可動鉄心26に作用する遠心力で、可動鉄心26を弾性部28の付勢力に抗してロータ14の径方向外側に移動させる。【選択図】図1

Description

本発明は、可変界磁回転電機に関するものである。
一般に回転電機の場合、磁石鎖交磁束を大きくして低回転時のトルク密度を増大させた場合、高回転時に鉄損や弱め界磁銅損が増大する。一方、回転電機特性(インダクタンス、磁石鎖交磁束など)を回転数やトルクに応じて可変できる可変界磁回転電機が知られている。可変界磁回転電機は、回転電機特性を回転数やトルクに応じて可変することにより高効率範囲を広げることができる。
例えば、可変界磁回転電機として、可変界磁回転電機のロータをワイヤ式牽引装置で軸方向に引き抜くことにより、高回転時の磁石鎖交磁束を低減させて出力および効率を向上させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−57209号公報
しかし、特許文献1の可変界磁回転電機は、回転電機特性を回転数やトルクに応じて可変させるために、ロータを軸方向に引き抜くワイヤ式牽引装置を備えている。ワイヤ式牽引装置は比較的大きな部材である。このため、可変界磁回転電機の重量やコストが増し、さらに、可変界磁回転電機が大型になることが考えられる。
そこで、この発明は、回転電機特性を回転数やトルクに応じて可変でき、重量やコストの増加を抑え、さらに大型化を抑えることができる可変界磁回転電機を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、ロータコア(例えば、実施形態のロータコア22)に永久磁石(例えば、実施形態の永久磁石24)が埋設されたロータ(例えば、実施形態のロータ14)を備えた可変界磁回転電機(例えば、実施形態の可変界磁回転電機10)において、極性が異なる前記永久磁石間に配置され、前記ロータの径方向に移動自在に設けられた可動鉄心(例えば、実施形態の可動鉄心26)と、前記可動鉄心を前記ロータの径方向中心側に保持する弾性部(例えば、実施形態の弾性部28)と、を備え、前記ロータの回転数が増すにつれて前記可動鉄心に作用する遠心力で、前記可動鉄心を前記ロータの径方向外側に移動させる、ことを特徴とする。
このように、可動鉄心を径方向中心側に弾性部で保持するようにした。また、ロータの回転数が増すにつれて可動鉄心に作用する遠心力で、可動鉄心を径方向外側に移動させるようにした。よって、低回転の場合には、可動鉄心が径方向内側に位置する。すなわち、可動鉄心がバックヨークを兼ね、可動鉄心を経て磁束が流れやすくなる。これにより、低回転の場合に、永久磁石によりマグネットトルクを向上させることができる。
また、低回転の場合には、径方向内側に可動鉄心が位置するため、q軸磁路に空隙が形成される。よって、磁気抵抗が高くなり、q軸インダクタンスが小さくなる。
ここで、IPM(Interior Permanent Magnet Motor)回転電機は一般に、q軸インダクタンスを大きくして、d軸インダクタンスを小さくすれば、リラクタンストルクを向上させることができることが知られている。
すなわち、低回転の場合には、可変界磁回転電機はマグネットトルクによりトルクが確保される。
一方、高回転の場合には、可動鉄心が径方向外側に位置する。よって、可動鉄心がバックヨークの役割を果たさなくなり、磁気抵抗が上がる。一方、可動鉄心は径方向外側に位置することにより、永久磁石の端部間に可動鉄心(すなわち、鉄)の割合が増える。よって、永久磁石の端部間の短絡磁束が増す。
すなわち、高回転の場合には、可動鉄心が径方向外側に位置するため、q軸磁路に対して可動鉄心(すなわち、鉄)の割合が増える。よって、磁気抵抗が低くなり、q軸インダクタンスが大きくなる。
これにより、高回転の場合には、q軸インダクタンスを大きくしてリラクタンストルクを向上させ、可変界磁回転電機はリラクタンストルクによりトルクが確保される。
このように、可動鉄心を径方向中心側に弾性部で保持するだけの簡単な構成で、回転電機特性(インダクタンス、磁石鎖交磁束など)を回転数やトルクに応じて可変できる。
また、可動鉄心を径方向中心側に弾性部で保持するだけの簡単な構成とすることにより、可変界磁回転電機の重量やコストの増加を抑え、可変界磁回転電機の大型化を抑えることができる。
請求項2に記載した発明は、前記ロータコアのうち、極性が異なる前記永久磁石間に径方向に延びるように形成された収納スロット(例えば、実施形態の収納スロット32)に、前記可動鉄心が前記ロータの径方向に移動自在に収納される、ことを特徴とする。
このように、収納スロットをロータの径方向に延びるように形成した。収納スロットに可動鉄心をロータの径方向へ移動自在に収納した。よって、可動鉄心を収納スロットに沿わせて円滑にロータの径方向へ移動させることができる。これにより、回転電機特性(インダクタンス、磁石鎖交磁束など)を回転数やトルクに応じて一層円滑に可変できる。
また、収納スロットに可動鉄心を収納することにより、可変界磁回転電機の大型化を良好に抑えることができる。
請求項3に記載した発明は、前記弾性部は、前記収納スロットの径方向内側端部(例えば、実施形態の第1端部36)と前記可動鉄心との間に設けられた第1弾性部材(例えば、実施形態の第1弾性部材47)と、前記収納スロットの径方向外側端部(例えば、実施形態の第2端部37)と前記可動鉄心との間に設けられ、前記第1弾性部材より付勢力が大きい第2弾性部材(例えば、実施形態の第2弾性部材48)と、を備える、ことを特徴とする。
このように、弾性部に第1弾性部材と第2弾性部材とを備え、第2弾性部材の付勢力を第1弾性部材より大きくした。また、可動鉄心の径方向内側端部に第1弾性部材を設け、可動鉄心の径方向外側端部に第2弾性部材を設けた。これにより、可動鉄心を径方向外側に移動する際に、第1弾性部材の付勢力を利用することができる。また、可動鉄心を径方向内側に移動する際に、第2弾性部材の付勢力を利用することができる。
これにより、ロータの回転に応じて、可動鉄心をロータの径方向に一層円滑に移動させることができる。
請求項4に記載した発明は、前記ロータが低回転において、前記可動鉄心が前記永久磁石のバックヨークを兼ねる低回転位置に保持され、前記ロータが高回転において、前記可動鉄心が前記永久磁石の端部(例えば、実施形態の永久磁石の端部24a)間に配置される、ことを特徴とする。
このように、低回転において、可動鉄心が永久磁石のバックヨークを兼ねる低回転位置に保持されることにより、可動鉄心の磁束が流れやすくなる。これにより、低回転において、永久磁石により可変界磁回転電機のマグネットトルクを向上させることができる。
また、高回転において、可動鉄心が永久磁石の端部間のq軸磁路に配置される。よって、q軸磁路の鉄の割合が増えるため、q軸磁路の磁気抵抗が低くなり、q軸インダクタンスが大きくなる。これにより、可変界磁回転電機のリラクタンストルクが向上する。
この発明によれば、可動鉄心を径方向中心側に弾性部で保持し、ロータの回転数が増すにつれて可動鉄心を径方向外側に移動させるようにした。これにより、可動鉄心を径方向中心側に弾性部で保持するだけの簡単な構成で、回転電機特性(インダクタンス、磁石鎖交磁束など)を回転数やトルクに応じて可変できる。
さらに、可動鉄心を径方向中心側に弾性部で保持するだけの簡単な構成とすることにより、可変界磁回転電機の重量やコストの増加を抑え、可変界磁回転電機の大型化を抑えることができる。
本発明の第1実施形態における可変界磁回転電機を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における可変界磁回転電機の可動鉄心および弾性部を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における可変界磁回転電機を示す図2のIII−III線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態における可変界磁回転電機の可動鉄心が低回転位置に保持された状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における可変界磁回転電機の可動鉄心が高回転位置に保持された状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における可動鉄心が低回転位置、高回転位置に保持された回転電機の回転数に対するトルク特性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態における可動鉄心が低回転位置、高回転位置に保持された回転電機の回転数に対する電流特性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態における可動鉄心が低回転位置、高回転位置に保持された回転電機の回転数に対する電流進角特性を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における可変界磁回転電機を示す断面図である。
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、可変界磁回転電機10は、ステータ12と、ロータ14とを備える同期電動機である。可変界磁回転電機10は、ロータ14に複数の永久磁石24が埋設されている。すなわち、可変界磁回転電機10はIPMモータである。
ステータ12は、環状のステータコア16と、ステータコア16に複数配列されたコイル17とを備えている。
ステータコア16は、例えば、プレス抜きされた複数枚の磁性体製の鋼板が積層されて構成されている。磁性体製の鋼板として珪素鋼板が挙げられる。ステータコア16は、内周壁16aに沿って複数配列されたティース18と、ティース18間に形成されたスロット19とを有する。
スロット19は、ステータコア16の内周壁16aに沿って等ピッチで配列されている。スロット19にコイル17が取り付けられている。
ロータ14は、ロータコア22と、ロータコア22内に埋設された複数の永久磁石24と、永久磁石24間に配置された複数の可動鉄心26と、可動鉄心26を径方向中心側に保持する弾性部28とを備えている。
ロータコア22は、例えば、プレス抜きされた複数枚の磁性体製の鋼板が積層されて構成されている。磁性体製の鋼板として珪素鋼板が挙げられる。ロータコア22は、複数の磁石収容部31と、複数の収納スロット32と、ロータ軸孔33とを有する。
ロータコア22は、複数の永久磁石24を収容する磁石収容部31をロータコア22の外周22a近傍に複数個有する。ロータコア22の中心部にはロータ軸孔33が貫通されている。ロータ軸孔33には出力軸(図示略)が貫通された状態で固定されている。
複数の磁石収容部31は、ロータコア22の外周22a近傍に沿って形成されている。磁石収容部31には、永久磁石24が収容される。
永久磁石24は、磁石収容部31に収容されることにより、ロータコア22内に埋設されている。永久磁石24は、ロータコア22の外周22a近傍において外周22aに沿って配置される。複数の永久磁石24は、ロータコア22の径方向に磁化方向が配向されている。また、複数の永久磁石24は、V字状に突き合わされる永久磁石24の極性が異なるように配置される。
極性が異なる永久磁石24間において、収納スロット32がロータコア22の径方向に延びるように形成されている。
図2、図3に示すように、収納スロット32は、第1側壁34と、第2側壁35と、第1端部36と、第2端部37とを有する。第1側壁34は、ロータコア22の径方向に延びている。第2側壁35は、第1側壁34に対してロータコア22の周方向に間隔をおいて配置され、第1側壁34と平行にロータコア22の径方向に延びている。
第1側壁34の径方向内側端と、第2側壁35の径方向内側端とは、第1端部36で連結されている。第1端部36は、径方向に対して直交するように形成された径方向内側端部である。
第1側壁34の径方向外側端と、第2側壁35の径方向外側端とは、第2端部37で連結されている。第2端部37は、径方向に対して直交するように形成された径方向外側端部である。
収納スロット32は、第1側壁34、第2側壁35、第1端部36、および第2端部37で平面視矩形状に形成されている。
収納スロット32に可動鉄心26がロータコア22の径方向(矢印A方向)に移動自在に収容されている。可動鉄心26は、電磁鋼板などの磁性体で矩形体に形成されている。可動鉄心26は、第1鉄心側壁41、第2鉄心側壁42、第1鉄心端部43、第2鉄心端部44、ロータ軸の一方側の第1鉄心面45、ロータ軸の他方側の第2鉄心面46を有する。
第1鉄心側壁41は、第1側壁34に摺動自在に接触されている。第2鉄心側壁42は、第2側壁35に摺動自在に接触されている。
第1鉄心面45は、ロータコア22のうち、ロータ軸方向の一方側の面22bに面一に配置されている。第2鉄心面46は、ロータコア22のうち、ロータ軸方向の他方側の面22cに面一に配置されている。
この状態において、可動鉄心26は、極性が異なる永久磁石24(図1参照)間に径方向に延びるように配置されている。
可動鉄心26は弾性部28により径方向中心側に保持されている。すなわち、弾性部28は、第1弾性部材47と、第2弾性部材48とを備えている。第1弾性部材47は、第1鉄心端部43と第1端部36との間に設けられている。第1弾性部材47は、例えばステンレス製のコイルばねが使用される。
第2弾性部材48は、第2鉄心端部44と第2端部37との間に設けられている。第2弾性部材48は、例えばコイルばねが使用される。
ここで、第1弾性部材47および第2弾性部材48をステンレス製のコイルばねとすることにより、第1弾性部材47および第2弾性部材48に磁束を通さないようにできる。
一方、第1弾性部材47および第2弾性部材48に磁束を通すようにした場合、渦電流損失が発生することが考えられる。
そこで、第1弾性部材47および第2弾性部材48に磁束を通さないようにすることにより、渦電流損失の発生を抑えることができる。
第1弾性部材47および第2弾性部材48は、コイルばねに代えて弾性変形可能なゴム材や樹脂材などの他の弾性部材を使用してもよい。
また、第2弾性部材48は、第1弾性部材47より付勢力が大きく設定されている。
ロータ14が低回転の場合には、可動鉄心26に作用する遠心力は、第2弾性部材48の弾性力と第1弾性部材47の弾性力との差より小さい。よって、ロータ14が低回転の場合には、可動鉄心26が収納スロット32の低回転位置P1側(すなわち、径方向内側)に保持される。
一方、ロータ14が高回転の場合には、可動鉄心26に作用する遠心力は、第2弾性部材48の弾性力と第1弾性部材47の弾性力との差より大きくなる。よって、ロータ14が高回転の場合には、可動鉄心26が収納スロット32の高回転位置P2側(すなわち、径方向外側)に保持される。
このように、ロータ14の回転数が増すにつれて可動鉄心26に作用する遠心力で、可動鉄心26を径方向外側に徐々に移動させることができる。
図4に示すように、ロータ14が低回転の場合には、可動鉄心26が収納スロット32の径方向内側の低回転位置P1側に保持される。可動鉄心26が低回転位置P1側に保持されることにより、可動鉄心26がロータ14のバックヨークを兼ね、磁束52が流れやすくなる。よって、永久磁石24によるマグネットトルクを確保できる。
ここで、IPM回転電機は、一般に、q軸インダクタンスを大きくして、d軸インダクタンスを小さくすれば、リラクタンストルクが向上することが知られている。
可動鉄心26が低回転位置P1側に保持されることにより、q軸磁路に空隙54が形成され、磁気抵抗が高くなる。これにより、q軸インダクタンスが小さくなる。空隙54は、収納スロット32のうち、ロータ14の径方向外側の部位で形成される。
すなわち、ロータ14が低回転の場合には、可変界磁回転電機10はマグネットトルクによりトルクが確保される。
図5に示すように、ロータ14が高回転の場合には、可動鉄心26が収納スロット32の高回転位置P2側に保持される。可動鉄心26が高回転位置P2側に保持されることにより、可動鉄心26は、ロータ14のバックヨークとなるべき位置よりロータ14の径方向外側に保持される。具体的には、可動鉄心26は、極性が異なる永久磁石24の端部24a間(すなわち、N極とS極との間)のq軸磁路に配置される。
q軸磁路に可動鉄心26が配置されることにより、q軸磁路に鉄の割合が増える。よって、q軸磁路の可磁気抵抗が低くなり、q軸インダクタンスが大きくなる。これにより、リラクタンストルクが向上する。
一方、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持されることにより、収納スロット32のうち、ロータ14の半径方向内側の部位で空隙55が形成される。これにより、極性が異なる永久磁石24間の磁気抵抗が高くなる。
すなわち、極性が異なる永久磁石24間の磁気抵抗が高くなるとともに、永久磁石24間の短絡磁束が増え、磁石磁束を抑えることができる。よって、ロータ14が高回転の場合、永久磁石24の漏れ磁束が増えるだけでなく、突極差が増えることからリラクタンストルクが向上する。
加えて、永久磁石24は、ロータ14の径方向に磁化方向が配向されている。これにより、リラクタンストルクを一層活用しやすくできる。
すなわち、ロータ14が高回転の場合には、可変界磁回転電機10はリラクタンストルクによりトルクが確保される。
つぎに、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持された状態、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持された状態における回転電機の回転数に対するトルク特性を図6に基づいて説明する。図6は回転電機の回転数に対するトルク特性を示すグラフである。
図6のグラフにおいて、縦軸はトルク(Nm)を示し、横軸は回転電機の回転数(rpm)を示す。実線で示すグラフG1は、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持され、低回転から高回転まで回転する状態を示す。破線で示すグラフG2は、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持され、低回転から高回転まで回転する状態を示す。
また、回転電機の回転数が概ね6000rpmより低い領域を低回転、回転電機の回転数が概ね6000rpmより高い領域を高回転とする。
グラフG1およびグラフG2に示すように、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持された状態の回転電機と、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持された状態の回転電機とは、低回転から高回転の範囲において、略同じトルクが得られる。
ついで、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持された状態、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持された状態における回転電機の回転数に対する電流特性を図7に基づいて説明する。図7は回転電機の回転数に対する電流特性を示すグラフである。
図7のグラフにおいて、縦軸は電流(A)を示し、横軸は回転電機の回転数(rpm)を示す。実線で示すグラフG3は、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持され、低回転から高回転まで回転する状態を示す。破線で示すグラフG4は、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持され、低回転から高回転まで回転する状態を示す。
また、回転電機の回転数が概ね6000rpmより低い領域を低回転、回転電機の回転数が概ね6000rpmより高い領域を高回転とする。
グラフG3に示すように、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持された状態の回転電機は、概ね4000〜6000rpmの低回転において電流を抑えることができる。
グラフG4に示すように、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持された状態の回転電機は、概ね7500rpmを超える高回転において電流を抑えることができる。
つぎに、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持された状態、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持された状態における回転電機の回転数に対する電流進角特性を図8に基づいて説明する。図8は回転電機の回転数に対する電流進角特性を示すグラフである。
図8のグラフにおいて、縦軸はトルク(Nm)を示し、横軸は回転電機の電流位相(deg)を示す。「−×−」で示すグラフG5は、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持され、低回転から高回転まで回転する状態を示す。「−◇−」で示すグラフG6は、可動鉄心26が高回転位置P2側に保持された状態で低回転から高回転まで回転する状態を示す。
グラフG5およびグラフG6において、可動鉄心26が低回転位置P1側にある場合と、高回転位置P2側にある場合で電流位相に対するトルクが最大となる条件が変わることがわかる。すなわち、グラフG5で示すように、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持された場合、磁石鎖交磁束を有効に使えることから、永久磁石によるマグネットトルクが主となるモータ特性となる。これにより、電流位相が30deg程度でトルクが最大となり、低回転側において電流振幅値を小さくできる。
一方、グラフG6で示すように、可動鉄心26が低回転位置P1側に保持された場合、磁石鎖交磁束が抑えられることから、リラクタンストルクが主となるモータ特性となる。これにより、電流位相が40deg程度でトルクが最大となり、高回転側において電流振幅値を小さくできる。
以上説明したように、図4、図5に示す可変界磁回転電機10によれば、可動鉄心26を低回転位置P1側に弾性部28で保持するようにした。また、ロータ14の回転数が増すにつれて可動鉄心26に作用する遠心力で、可動鉄心26を径方向外側に移動させるようにした。よって、低回転の場合には、可動鉄心26が低回転位置P1側に位置する。すなわち、可動鉄心26がバックヨークとなり、可動鉄心26を経て磁束が流れやすくなる。これにより、低回転の場合に、永久磁石24によりマグネットトルクを向上させることができる。
また、低回転の場合には、低回転位置P1側に可動鉄心26が位置するため、q軸磁路に空隙が形成される。よって、磁気抵抗が高くなり、q軸インダクタンスが小さくなる。
IPM回転電機は一般に、q軸インダクタンスを大きくして、d軸インダクタンスを小さくすることによりリラクタンストルクが向上する。すなわち、低回転の場合には、可変界磁回転電機10はマグネットトルクによりトルクが確保される。
一方、高回転の場合には、可動鉄心26が高回転位置P2側に位置する。よって、可動鉄心26がバックヨークの役割を果たさなくなり、磁気抵抗が上がる。一方、可動鉄心26は高回転位置P2側に位置することにより、永久磁石24の端部24a間に可動鉄心26(すなわち、鉄)の割合が増える。よって、永久磁石24の端部24a間の短絡磁束が増す。
すなわち、高回転の場合には、可動鉄心26が高回転位置P2側に位置するため、q軸磁路に対して可動鉄心26(すなわち、鉄)の割合が増える。よって、磁気抵抗が低くなり、q軸インダクタンスが大きくなる。
これにより、高回転の場合には、q軸インダクタンスを大きくしてリラクタンストルクを向上させ、可変界磁回転電機10はリラクタンストルクによりトルクが確保される。
また、可動鉄心26が遠心力で高回転位置P2側に保持されることにより、磁石磁束を抑えることができる。これにより、可変界磁回転電機10の弱め界磁銅損および鉄損を低減させて可変界磁回転電機10の効率を向上させることができる。
このように、可変界磁回転電機10の回転電機特性を、可変界磁回転電機10の回転数やトルクに応じて可変できる。
さらに、可変界磁回転電機10の回転により可動鉄心26に作用する遠心力を利用して、可動鉄心26をロータ14の径方向に移動させるようにした。このため、従来の可変界磁回転電機のように、高回転の場合に、ロータをワイヤ式牽引装置で軸方向に引き抜く必要がない。すなわち、ワイヤ式牽引装置を不要にできる。
すなわち、可変界磁回転電機10は、可動鉄心26をロータ14の径方向中心側に弾性部28で保持するだけの簡単な構成である。これにより、可変界磁回転電機10の重量やコストの増加を抑え、可変界磁回転電機10の大型化を抑えることができる。
また、可変界磁回転電機のなかには、ステータの巻線を切り替える巻線切替え型の可変界磁回転電機が知られている。この可変界磁回転電機によれば、巻線を切り替える場合に、トルクショックが発生することが考えられる。
これに対して、可変界磁回転電機10は、可変界磁回転電機10の回転数に応じて可動鉄心26徐々に移動する。これにより、可変界磁回転電機10は、モータパラメータが徐々に可変され、トルクショックの発生を抑えることができる。
加えて、収納スロット32をロータ14の径方向に延びるように形成した。収納スロット32に可動鉄心26をロータ14の径方向へ移動自在に収納した。よって、可動鉄心26を収納スロット32に沿わせて円滑にロータ14の径方向へ移動させることができる。これにより、回転電機特性(インダクタンス、磁石鎖交磁束など)を回転数やトルクに応じて一層円滑に可変できる。
また、収納スロット32に可動鉄心26を収納することにより、可変界磁回転電機10の大型化を良好に抑えることができる。
さらに、弾性部28に第1弾性部材47と第2弾性部材48とを備え、第2弾性部材48の付勢力を第1弾性部材47より大きくした。また、可動鉄心26の径方向内側端部に第1弾性部材47を設け、可動鉄心26の径方向外側端部に第2弾性部材48を設けた。これにより、可動鉄心26をロータ14の径方向外側に移動する際に、第1弾性部材47の付勢力を利用することができる。また、可動鉄心26をロータ14の径方向内側に移動する際に、第2弾性部材48の付勢力を利用することができる。
これにより、ロータ14の回転に応じて、可動鉄心26をロータ14の径方向に一層円滑に移動させることができる。
つぎに、第2実施形態の可変界磁回転電機10を図9に基づいて説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態の可変界磁回転電機10と同一類似部材については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
[第2実施形態]
図9に示すように、可変界磁回転電機100は、第1実施形態の収納スロット32および第1弾性部材47を収納スロット102および第1弾性部材104に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の可変界磁回転電機10と同様である。
収納スロット102は、第1実施形態の収納スロット32の第1端部36を第1端部106に代えたものである。第1端部106は、ロータ軸の一方側の面22bとロータ軸の他方側の面22cとの中間に凹部107を有する。凹部107は、ロータ14の径方向内側に向けて凹むように形成されている。
凹部107の底部107aと第1鉄心端部43との間に第1弾性部材104が介在されている。第1弾性部材104は、第1実施形態の第1弾性部材104と同様に、例えばステンレス製のコイルばねが使用される。
第1弾性部材104は、コイルばねに代えて弾性変形可能なゴム材や樹脂材などの他の弾性部材を使用してもよい。
第2弾性部材48は、第1弾性部材104より付勢力が大きく設定されている。ロータ14が低回転の場合には、可動鉄心26に作用する遠心力は、第2弾性部材48の弾性力と第1弾性部材104の弾性力との差より小さい。よって、ロータ14が低回転の場合には、可動鉄心26が収納スロット32の低回転位置P1側(すなわち、径方向内側)に保持される。
一方、ロータ14が高回転の場合には、可動鉄心26に作用する遠心力は、第2弾性部材48の弾性力と第1弾性部材104の弾性力との差より大きくなる。よって、ロータ14が高回転の場合には、可動鉄心26が収納スロット32の高回転位置P2側(すなわち、径方向外側)に保持される。
このように、ロータ14の回転数が増すにつれて可動鉄心26に作用する遠心力で、可動鉄心26を径方向外側に徐々に移動させることができる。
第2実施形態の可変界磁回転電機100によれば、第1端部106に凹部107を形成することにより、例えばロータ14が低回転の場合に、第1弾性部材104を圧縮させて凹部107に収納することができる。よって、可動鉄心26を、第1実施形態の場合より第1端部106に近づける、あるいは第1端部106に接触させることができる。
すなわち、可動鉄心26のロータ14の径方向(すなわち、矢印A方向)への移動量を一層大きく確保できる。これにより、可変界磁回転電機100の回転電機特性を、可変界磁回転電機10の回転数やトルクに応じて可変できる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1実施形態では、弾性部28を第1弾性部材47および第2弾性部材48で構成する例について説明した、これに限らない。その他の例として、弾性部28を第2弾性部材48のみで構成することも可能である。
10……可変界磁回転電機
12……ステータ
14……ロータ
22……ロータコア
24……永久磁石
24a…永久磁石の端部
26……可動鉄心
28……弾性部
32……収納スロット
36……第1端部(収納スロットの径方向内側端部)
37……第2端部(収納スロットの径方向外側端部)
47……第1弾性部材
48……第2弾性部材

Claims (4)

  1. ロータコアに永久磁石が埋設されたロータを備えた可変界磁回転電機において、
    極性が異なる前記永久磁石間に配置され、前記ロータの径方向に移動自在に設けられた可動鉄心と、
    前記可動鉄心を前記ロータの径方向中心側に保持する弾性部と、を備え、
    前記ロータの回転数が増すにつれて前記可動鉄心に作用する遠心力で、前記可動鉄心を前記ロータの径方向外側に移動させる、
    ことを特徴とする可変界磁回転電機。
  2. 前記ロータコアのうち、極性が異なる前記永久磁石間に径方向に延びるように形成された収納スロットに、前記可動鉄心が前記ロータの径方向に移動自在に収納される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の可変界磁回転電機。
  3. 前記弾性部は、
    前記収納スロットの径方向内側端部と前記可動鉄心との間に設けられた第1弾性部材と、
    前記収納スロットの径方向外側端部と前記可動鉄心との間に設けられ、前記第1弾性部材より付勢力が大きい第2弾性部材と、を備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の可変界磁回転電機。
  4. 前記ロータが低回転において、前記可動鉄心が前記永久磁石のバックヨークを兼ねる低回転位置に保持され、
    前記ロータが高回転において、前記可動鉄心が前記永久磁石の端部間に配置される、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変界磁回転電機。
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