JPH11355988A - ブラシレスdcサーボモータ - Google Patents

ブラシレスdcサーボモータ

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JPH11355988A
JPH11355988A JP10161942A JP16194298A JPH11355988A JP H11355988 A JPH11355988 A JP H11355988A JP 10161942 A JP10161942 A JP 10161942A JP 16194298 A JP16194298 A JP 16194298A JP H11355988 A JPH11355988 A JP H11355988A
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magnetic
rotor
magnetic flux
permanent magnet
brushless
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Hideji Kajita
秀司 梶田
Jun Aketo
純 明渡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速回転領域では高トルクの出力を得られ、
低負荷の高速回転領域では回転速度を高められるブラシ
レスDCサーボモータを提供する。 【解決手段】 制御回路3によって給電制御される3つ
のコイルL1〜L3の磁界内に回動可能に設けたロータ
ユニット2の内部に、遠心力に抗する方向へコイルスプ
リング9a〜9dで牽引されるようにした高透磁率材製
の第1〜第4可動部材8a〜8dを設け、コイルスプリ
ング9a〜9dの張力に抗する遠心力が働いて、第1〜
第4可動部材8a〜8dが空隙部7a〜7dを閉塞する
ように移動すると、永久磁石2aの各磁極と磁気的に結
合した高透磁率材製の磁束誘導体6a,6bとロータ内
磁束誘導路形成体6c,6dとの間のギャップが高透磁
率材により充填され、ロータユニット2内に磁路が形成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石を回動軸
回りに回転可能としたロータと、該ロータの周囲に3個
以上のコイルを配置してなるステータとからなり、ステ
ータの各コイルへの給電制御を行うことで、ロータの永
久磁石の両磁極に作用する磁界を変化させ、ロータを回
転させるブラシレスDCサーボモータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のブラシレスDCサーボモータは9
図に示すようなもので、ブラシレスサーボモータ101
は、ケースに固定された3組のコイルL1,L2,L3
よりなるステータと、永久磁石で作られたロータ102
から構成されており、ロータ102たる永久磁石の磁極
位置をホール素子などのセンサ(図示省略)で検出し、
永久磁石の磁極位置に応じてコイルL1〜L3への給電
制御を制御回路103が行うことで、ロータ102との
間に吸引力もしくは反発力を生じさせて、ロータ102
を一定方向へ回転させる力を発生し続けるのである。
【0003】なお、ブラシレスDCサーボモータの動作
原理は、磁界中の導線に電流が流れたとき、磁界と電流
の積に比例する力が発生するという、いわゆる「フレミ
ングの左手の法則」である。そして、モータが発生する
トルクτは、ロータの永久磁石が作り出す磁束密度B、
コイルに流れる電流iより次式で計算できる。
【0004】τ=kt ×B×i …(1)
【0005】上記(1)式中のkt はコイルの巻数やモ
ータの形状によって決まる定数である。
【0006】一方、モータが回転している時に、コイル
の両端には回転速度に比例する電圧が発生する(フレミ
ングの右手の法則)。これはモータの発電機としての作
用を表しており、コイルの両端に発生する電圧Eは、ロ
ータの永久磁石が作り出す磁束密度B、ロータの回転速
度ωより次式で計算できる。
【0007】E=ke ×B×ω …(2)
【0008】上記(2)式中のke はコイルの巻数やモ
ータの形状によって決まる定数である。
【0009】以上がブラシレスDCサーボモータの基本
原理であり、モータの各種の特性はすべて(1)式と
(2)式より導出することができる。
【0010】ここで、図10に示す如く、モータMに電
圧Vの電源を接続し、回転数ωで回転しているとすれ
ば、モータMのコイルの抵抗をRとして、オームの法則
と上記(2)式からコイルに流れる電流iを、下式のよ
うに計算できる。
【0011】 i=(V−E)/R=(V−ke Bω)/R …(3)
【0012】上記(3)式と(1)式の電流iとトルク
τの関係から、トルクτと回転数ωの関係が下式のよう
に得られる。
【0013】 τ=kt B(V−ke Bω)/R …(4)
【0014】また、上記(4)式において、回転数ωを
トルクτの関数として表せば、下式のようになる。
【0015】 ω=V/ke B−(R/kt e 2 )τ …(5)
【0016】上記(5)式を特性図として表示すると、
図11のようになる。これは、一定の電圧Vを与えられ
たモータMの負荷と回転数の関係を表している。具体的
に説明すれば、モータMが発生し得る最大のトルクτは
t BV/Rであり、このときモータMの回転数は0で
ある(図11における点a)。そして、負荷トルクτが
減少するに従って回転数ωは増大し、負荷トルクτが0
のときモータMは最大速度V/ke Bで回転する(図1
1における点b)。このように、電圧Vが一定のもとで
モータMが回転し得る最大速度ωmax は、負荷トルクτ
を0として、下式で決定される。
【0017】ωmax =V/ke B …(6)
【0018】すなわち、従来型のモータMは、与えられ
た電源電圧Vで駆動する限り、これ以上の回転速度を得
ることはできないのである。特に近年は、より大きなト
ルクτを得るべく、ロータに希土類磁石を用いるように
なっており、磁束密度Bが大きくなったため、最大回転
速度ωmax を大きくすることが一層難しくなってきてい
る。
【0019】このため、モータMの最大回転速度を高め
るために、モータMをより高い電源電圧で駆動する方法
も考えられるが、電源電圧が高くなるために感電等の危
険性が増大してしまうため、好ましくない。そこで、変
速装置を使ってモータの回転速度を切り替えるモータ機
構も提案されている。
【0020】変速装置を使ったモータ機構の例は、図1
2に示すようなもので、モータMの駆動軸104に第1
駆動ギア105aと第2駆動ギア105bとを取り付
け、負荷106の従動軸107には第1従動ギア108
aと第2従動ギア108bとを取り付け、負荷106を
モータMの回転速度で回転させる低速領域においては、
ギア比が1:1となる第1駆動ギア105aと第1従動
ギア108aとを噛み合わせ(図12(a)参照)、負
荷106を高速回転させる高速領域においては、ギア比
がn:1となる第2駆動ギア105bと第2従動ギア1
08bとを噛み合わせる(図12(b)参照)。
【0021】すなわち、負荷の起動時や加速動作時など
の大きなトルクを必要する場合には、ギア比が1:1と
なるようにし、大トルクを必要としない高速動作時には
ギア比がn:1となるように変速すればよいのである。
【0022】上述したような変速装置を用いたモータ機
構のトルクと回転数の特性図は、図13に示すようなも
のとなり、例えば、ギア比1:1で負荷に接続されたモ
ータMの起動直後である点aから徐々に回転数が上昇し
て負荷トルクが低下した点bにおいてギアを切り替える
と、ギア比がn:1に変わることで点cに移行し、負荷
トルクが0となる点dの回転数を高くすることができ
る。すなわち、モータM自体の特性は同じであるが、低
速回転時と高速回転時とでギアを切り替えることにより
モータ機構としての出力特性を変えられるのである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような変速装置を用いて最大回転速度を高くするモー
タ機構では、モータの他に複雑な変速機構が必要となる
ために、機構の重量増大を招いてしまい、小型軽量が要
求される分野では利用できない。特に、敏速な起動・停
止制御と高速動作が要求されるロボットの駆動系等に搭
載するブラシレスDCサーボモータの機構としては好ま
しくない。
【0024】そこで、本発明は、重く嵩張る駆動機構を
用いることなく、負荷トルクの大きな低速回転状態から
負荷トルクが軽減された高速回転状態になると、自動的
に最大回転速度が高められ、負荷トルクの軽減された高
速回転状態から負荷トルクの大きな低速回転状態になる
と自動的に大トルクを発生させられるようなブラシレス
DCサーボモータの提供を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係るブラシレスDCサーボモータは、永
久磁石(2a)を回動軸(2b)回りに回転可能とした
ロータ(例えば、ロータユニット2)と、該ロータの周
囲に3個以上のコイル(L1,L2,L3)を配置して
なるステータとからなり、ステータの各コイルへの給電
制御を行うことで、ロータの永久磁石の両磁極に作用す
る磁界を変化させ、ロータを回転させるブラシレスDC
サーボモータ(1)において、ロータの回転速度上昇に
伴って増大する遠心力により、永久磁石の磁束をロータ
内に誘導する磁路を形成するロータ内磁路形成手段を備
えるものとした。
【0026】また、請求項2に係るブラシレスDCサー
ボモータは、請求項1のロータ内磁路形成手段として、
永久磁石の両磁極間を高透磁率材料で短絡するように設
けたロータ内磁路の一部にギャップ(例えば、磁束誘導
体6a,磁束誘導体6b,ロータ内磁束誘導路形成体6
c,ロータ内磁束誘導路形成体6dの間に生ぜしめた空
隙部7a〜7d)を形成し、該ギャップを閉塞し得る形
状の高透磁率材よりなる可動部材(例えば、第1〜第4
可動体8a〜8d)を回動軸側へ向わせる力を有弾性体
(例えば、コイルスプリング9a〜9d)により付与
し、ロータの回転速度上昇に伴って増大する遠心力によ
り有弾性体の弾性力に抗して可動部材がギャップ内へ移
動することで、ロータ内磁路が形成されるようにした。
【0027】また、請求項3に係るブラシレスDCサー
ボモータは、請求項1のロータ内磁路形成手段として、
永久磁石の両磁極間に高透磁率材料よりなる透磁性壁体
(例えば、磁束誘導体10a,磁束誘導体10b,ロー
タ内磁束誘導路形成体10c,ロータ内磁束誘導路形成
体10d)で仕切った磁性体封入空部(例えば、第1〜
第4磁性体封入空部11a〜11d)を形成し、該磁性
体封入空部内に磁性流体等の流動性を有する磁性体(例
えば、磁性流体12…)を封入し、磁性体封入空部内で
磁極に吸着されている磁性体がロータの回転速度上昇に
伴って増大する遠心力により磁性体封入空部の内周壁面
に広がることで、透磁性壁体と磁性体よりなるロータ内
磁路が形成されるようにした。
【0028】また、請求項4に係るブラシレスDCサー
ボモータは、永久磁石(20a)を回動軸(20b)回
りに回転可能としたロータ(例えば、ロータユニット2
0)と、該ロータの周囲に3個以上のコイル(L1,L
2,L3)を配置してなるステータとからなり、ステー
タの各コイルへの給電制御を行うことで、ロータの永久
磁石の両磁極に作用する磁界を変化させ、ロータを回転
させるブラシレスDCサーボモータ(1″)において、
ロータ内に設けた永久磁石の両磁極からロータ外部へ磁
束を導く磁束誘導路を形成する磁束誘導手段を備え、該
磁束誘導手段はロータの回転速度上昇に伴って増大する
遠心力により不能動化するものとした。
【0029】また、請求項5に係るブラシレスDCサー
ボモータは、請求項4の磁束誘導手段として、磁性流体
等の流動性を有する磁性体を封入した磁性体封入空部
(例えば、第1,第2磁性体封入空部21a,21b)
をロータ内に形成し、該磁性体封入空部に永久磁石の磁
極を臨ませることで、永久磁石の磁極に吸着された磁性
体が磁束流出方向に集まって、永久磁石の磁極からロー
タ外部へ磁束を導く磁束誘導路が磁性体封入空部内に形
成されるものとし、ロータの回転速度上昇に伴って増大
する遠心力により磁性体が磁極から引き離されること
で、磁性体封入空部内で磁束をロータ外部へ導く磁束誘
導路が消失するようにした。
【0030】
【作用】したがって、請求項1に係るブラシレスDCサ
ーボモータによれば、負荷トルクの大きな低速回転状態
においては、ロータ内磁路形成手段がロータ内磁路を形
成し得るほどの遠心力は生じないが、高速回転状態にな
って遠心力が増大すると、ロータ内磁路形成手段によっ
てロータ内磁路が形成されるので、永久磁石からロータ
外に漏れ出てステータの各コイルに作用する磁束が小さ
くなり、反磁作用によるロータの回転制限が低減され
る。
【0031】また、請求項4に係るブラシレスDCサー
ボモータによれば、負荷トルクの大きな低速回転状態に
おいては、永久磁石の磁極からロータ外へ磁束を導く磁
束誘導路を形成する磁束誘導手段を不能動化し得るほど
の遠心力は生じないが、高速回転状態になって遠心力が
増大すると、磁束誘導手段が不能動化して磁束誘導路が
形成されなくなるので、永久磁石の磁極からロータ外に
漏れ出てステータの各コイルに作用する磁束が小さくな
り、反磁作用によるロータの回転制限が低減される。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るブラシレスD
Cサーボモータの実施形態を添付図面に基づいて詳細に
説明する。
【0033】図1に示すのは、第1実施形態に係るブラ
シレスDCサーボモータ1であり、ケースに固定された
3組のコイルL1,L2,L3よりなるステータと、例
えば円筒状のロータユニット2から構成してある。ロー
タユニット2は永久磁石2aを備えるものとし、回動軸
2bから対称な位置に2つの磁極が各々位置するような
配置構造とし、上記永久磁石2aの磁極位置をホール素
子などのセンサ(図示省略)で検出し、永久磁石2aの
磁極位置に応じてコイルL1〜L3への給電制御を制御
回路3が行うことで、永久磁石2aの磁極との間に吸引
力もしくは反発力を生じさせて、ロータユニット2を一
定方向へ回転させる力を与えるのである。
【0034】上記ロータユニット2の詳細を説明する。
ロータユニット2の主要な構造は、非透磁率材料よりな
る中空筒状の周壁体4と、磁石2aを保持すると共に該
磁石2aよりも若干径の小なる中実な概略円柱状の芯体
5と、上記周壁体4と芯体5との間に生じた円環状の空
部内において磁石2aの磁極端と周壁体4の内面との間
を閉止するように設けた高透磁率材製の磁束誘導体6
a,6bと、これら磁束誘導体6a,6bと空隙部7
a,7b,7c,7dを介して周壁体4と芯体5との間
に生じた円環状の空部を閉止するように設けた高透磁率
材製のロータ内磁束誘導路形成体6c,6dである。
【0035】そして、上記磁束誘導体6aとロータ内磁
束誘導路形成体6cとの間の空隙部7aを閉塞し得る所
要形状の高透磁率材よりなる第1可動体8aは、芯体5
内に形成した第1可動体収容空部5a内に収容されるよ
うにコイルスプリング9aにより引き込まれるものとし
てあり、コイルスプリング9aの牽引力に抗する力が作
用すると、第1可動体8aは可動体収容空部5a内から
空隙部7aへスライド移動してゆき、磁束誘導体6aか
らロータ内磁束誘導路形成体6cへ至るギャップを高透
磁率材料で充足した状態となる。
【0036】同様に、上記磁束誘導体6aとロータ内磁
束誘導路形成体6dとの間の空隙部7bを閉塞し得る所
要形状の高透磁率材よりなる第2可動体8bは、芯体5
内に形成した第2可動体収容空部5b内に収容されるよ
うにコイルスプリング9bにより引き込まれるように、
上記磁束誘導体6bとロータ内磁束誘導路形成体6cと
の間の空隙部7cを閉塞し得る所要形状の高透磁率材よ
りなる第3可動体8cは、芯体5内に形成した第3可動
体収容空部5c内に収容されるようにコイルスプリング
9cにより引き込まれるように、上記磁束誘導体6bと
ロータ内磁束誘導路形成体6dとの間の空隙部7dを閉
塞し得る所要形状の高透磁率材よりなる第4可動体8d
は、芯体5内に形成した第4可動体収容空部5d内に収
容されるようにコイルスプリング9dにより引き込まれ
るように、各々設定してある。
【0037】上記のように構成したロータユニット2
は、静止状態においては、第1〜第4可動体8a〜8d
が各々第1〜第4可動体収容空部5a〜5d内にコイル
スプリング9a〜9dにより引き込まれているために、
磁石2aのN極から出た磁束は第1〜第4空隙部7a〜
7dへは殆ど漏れ出さず、磁束誘導体6a,6bによっ
て周壁体4の内周面へ効率良く導かれ、ロータユニット
2の外周面から外部へ抜け出してS極へ至る(図2
(a)参照)。
【0038】そして、制御回路3からコイルL1〜L3
への給電制御によりロータユニット2が回転を始め、徐
々に回転速度が高くなると、第1〜第4可動部材8a〜
8dにはコイルスプリング9a〜9dの牽引力に抗する
ように遠心力が作用し始め、第1〜第4可動部材8a〜
8dは空隙部7a〜7dを閉塞する方向へ移動してゆ
き、磁束誘導体6a,6bとロータ内磁束誘導路形成体
6c,6dとの間のギャップが高透磁率材料で充足され
た状態となり、ロータユニット2内には、磁束誘導体6
a→第1可動体8a→ロータ内磁束誘導路形成体6c→
第3可動体8c→磁束誘導体6bへ至るロータ内磁路
と、磁束誘導体6a→第2可動体8b→ロータ内磁束誘
導路形成体6d→第4可動体8d→磁束誘導体6bへ至
るロータ内磁路と、が形成され、ロータユニット2の外
部へ漏れ出す磁束が減少し、ステータのコイルL1〜L
3に作用する磁束密度は低くなるのである。
【0039】すなわち、本第1実施形態における磁束誘
導路形成手段は、永久磁石2aの両磁極間を高透磁率材
料で短絡するようなロータ内磁路を磁束誘導体6a,6
bとロータ内磁束誘導路形成体6c,6dと第1〜第4
可動体8a〜8dにより形成すると共に、第1〜第4可
動体8a〜8dを芯体5に設けた第1〜第4可動体収容
部5a〜5dへ引き込む力(ロータ内磁路から回動軸2
b側へ向わせる力)をコイルスプリング9a〜9dによ
り付与することにより形成するものとした。
【0040】この特性を図3により説明すると、低速回
転時の磁束密度BはB0 で、コイルスプリング9a〜9
dの牽引力に抗して第1〜第4可動体8a〜8dを移動
させ得るほどの遠心力が作用していない低速域(図3中
の点a〜点bの範囲)では、ステータに作用する磁束密
度は変化せず、ほぼ一定値を保つが、負荷トルクが減少
してロータユニット2が低速域を脱すると、コイルスプ
リング9a〜9dの牽引力を遠心力が上回って、空隙部
7a〜7dを閉塞するように第1〜第4可動体8a〜8
dが移動してゆき(図3中の点b〜点cの範囲)、ステ
ータに作用する磁束密度BはB0 /nにまで減少する。
従って、高速域(図3中の点c〜点dの範囲)において
は、より回転数を高くまで上げることが可能となる。
【0041】よって、上述した構成のロータユニット2
を備えるブラシレスDCサーボモータ1においては、図
4に示すような特性を得ることが可能となる。すなわ
ち、ロータ内磁路形成手段が機能していない状態では、
回転速度が高まるに連れてトルクが減少するように点a
から点bへ至る特性を呈するが、ロータ内磁路形成手段
が機能し始めるとトルクの減少に伴う回転数の上昇度合
いが高まるような点bから点cへ至る特性を呈し、ロー
タ内磁路が完全に形成されて、ロータユニット2からス
テータに作用する磁束Bが1/nになると点cから点d
へ至る特定を呈する。
【0042】してみれば、ロータユニット2からステー
タに作用する磁束Bが1/nとなることで、負荷トルク
が0の状態ではロータユニット2の回転速度は、nV/
eBとなり、ロータ内磁路形成手段によってロータ内
部へ誘導される磁束が多いほど、回転速度は高くなるの
である。なお、回転数と磁束密度の特性は、可動体等の
磁路を形成する部材の材質や形状、可動体を遠心力に抗
して止めておくコイルスプリングの弾性係数等で変化さ
せることができるので、これらを適宜に設定すること
で、所望の特性を得ることができる。
【0043】このように、本発明に係るブラシレスDC
サーボモータ1においては、低速回転時には高トルクの
出力を得られると共に、低トルク時には回転数を高くす
ることができ、しかも、変速装置を別途必要とするよう
な従来のモータ機構の如く重く嵩張るようなことがない
ので、ロボットの駆動系に好適である。
【0044】なお、上記実施形態においては、第1〜第
4可動体8a〜8dを第1〜第4可動体収容空部5a〜
5d内へ向わせる為にコイルスプリング9a〜9dを用
いるものとしたが、適宜な有弾性体であれば何でも良
く、例えば適宜な弾力性を有する板状ゴム等で代用して
も良い。また、第1〜第4可動体8a〜8dが第1〜第
4可動体収容空部5a〜5dから空隙部7a〜7dへ移
動する際に生ずる摩擦が摺動抵抗となってしまうので、
摺動抵抗を低減するような摺動抵抗軽減手段を設けるこ
とが望ましい。
【0045】図5に示すのは、第2実施形態に係るブラ
シレスDCサーボモータ1′であり、ケースに固定され
た3組のコイルL1,L2,L3よりなるステータと、
例えば円筒状のロータユニット2′から構成してある。
本ロータユニット2′も、上記ロータユニット2と同様
に永久磁石2aを備えるものとし、回動軸2bから対称
な位置に2つの磁極が各々位置するような配置構造と
し、上記永久磁石2aの磁極位置をホール素子などのセ
ンサ(図示省略)で検出し、永久磁石2aの磁極位置に
応じてコイルL1〜L3への給電制御を制御回路3が行
うことで、永久磁石2aの磁極との間に吸引力もしくは
反発力を生じさせて、ロータユニット2′を一定方向へ
回転させる力を与えるのである。
【0046】上記ロータユニット2′も、非透磁率材料
よりなる中空筒状の周壁体4と、磁石2aを保持すると
共に該磁石2aよりも若干径の小なる中実な概略円柱状
の芯体5とを備え、上記周壁体4と芯体5との間に生じ
た円環状の空部内において磁石2aの磁極端と周壁体4
の内面との間を閉止するように設けた高透磁率材製の磁
束誘導体10a,10bを設けると共に、周壁体4と芯
体5との間に生じた円環状の空部内に第1磁性体封入空
部11a,第2磁性体封入空部11b,第3磁性体封入
空部11c,第4磁性体封入空部11dが形成されるよ
うに、永久磁石2aの磁極方向に直交する位置へ高透磁
率材製のロータ内磁束誘導路形成体10c,10dを設
けてあり、第1〜第4磁性体封入空部内には磁性流体1
2を封入してある。なお、磁性流体12は、強磁性体の
微粒子を液体中に多量に分散させたコロイド溶液であ
る。
【0047】上記のように構成したロータユニット2′
は、静止状態においては、磁性流体12が第1〜第4磁
性体封入空部11a〜11d内で、永久磁石2aの磁極
に吸着されているために、磁石2aのN極から出た磁束
は磁束誘導体10a,10bと磁性流体12によって周
壁体4の内周面へ効率良く導かれ、ロータユニット2′
の外周面から外部へ抜け出してS極へ至る(図6(a)
参照)。
【0048】そして、制御回路3からコイルL1〜L3
への給電制御によりロータユニット2′が回転を始め、
徐々に回転速度が高くなると、第1〜第4磁性体封入空
部11a〜11d内に封入された磁性流体12…は、遠
心力によって周壁体4の内面側へ押しつけられてゆき、
磁束誘導体10a,10bとロータ内磁束誘導路形成体
10c,10dとの間のギャップが磁性流体12…で充
足された状態となり、ロータユニット2′内には、磁束
誘導体10a→第1磁性体封入空部11a内の磁性流体
12→ロータ内磁束誘導路形成体10c→第3磁性体封
入空部11c内の磁性流体12→磁束誘導体10bへ至
るロータ内磁路と、磁束誘導体10a→第2磁性体封入
空部11b内の磁性流体12→ロータ内磁束誘導路形成
体10d→第4磁性体封入空部11d内の磁性流体12
→磁束誘導体10bへ至るロータ内磁路と、が形成さ
れ、ロータユニット2′の外部へ漏れ出す磁束が減少
し、ステータのコイルL1〜L3に作用する磁束密度は
低くなるのである。
【0049】すなわち、第2実施形態における磁束誘導
路形成手段は、永久磁石2aの両磁極間を、高透磁率材
料よりなる磁束誘導体10a,10bとロータ内磁束誘
導路形成体10c,10dで4つに仕切ることで、第1
〜第4磁性体封入空部11a〜11dを形成すると共
に、各磁性体封入空部11a〜11d内に流動性を有す
る磁性体として磁性流体12…を封入し、各磁性体封入
空部11a〜11d内で永久磁石2aの磁極に吸着され
ている磁性体がロータの回転速度上昇に伴って増大する
遠心力により各磁性体封入空部11a〜11dの内周壁
面(周壁体4の内周面)に広がることで、透磁性壁体で
ある磁束誘導体10a,10b及びロータ内磁束誘導路
形成体10c,10dと磁性流体よりなるロータ内磁路
が形成されるものとしたのである。
【0050】上記した第2実施形態に係るロータ2′を
備えるブラシレスDCサーボモータ1′においても、上
述した第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモータ
1と同様の効果を期せる。なお、磁性体封入空部内に封
入するのは磁性流体に限らず、磁性を持った粉体、ない
し、細かな金属片を用いてもよい。また、本実施形態に
おける回転数と磁束密度の特性は、磁性体封入空部の形
状,磁性体の種類や粘性等を変えることで、適宜に変化
させることができる。
【0051】上述した第1実施形態と第2実施形態で示
したブラシレスDCサーボモータ1,1′は、何れも、
ロータの回転速度上昇に伴ってロータ外へ漏れ出す磁束
を積極的にロータ内へ導くロータ内磁路を形成すること
で、コイルに作用する磁束を減少させるものであった
が、逆のアプローチを採ることもできる。すなわち、ロ
ータの低速回転時には積極的にロータ外へ磁束を導くよ
うな磁束誘導手段を設けておき、ロータの回転速度上昇
に伴って磁束誘導手段が不能動化することで、ロータ外
へ漏れ出す磁束を減少させるのである。以下、後者の方
法による実施形態を説明する。
【0052】図7に示すのは、第3実施形態に係るブラ
シレスDCサーボモータ1″であり、ケースに固定され
た3組のコイルL1,L2,L3よりなるステータと、
例えば円筒状のロータユニット20から構成してあり、
ロータユニット20は永久磁石20aを備えるものと
し、回動軸20bから対称な位置に2つの磁極が各々位
置するような配置構造とし、上記永久磁石20aの磁極
位置をホール素子などのセンサ(図示省略)で検出し、
永久磁石20aの磁極位置に応じてコイルL1〜L3へ
の給電制御を制御回路3が行うことで、永久磁石20a
の磁極との間に吸引力もしくは反発力を生じさせて、ロ
ータユニット20′を一定方向へ回転させる力を与える
のである。
【0053】上記ロータユニット20の詳細を説明す
る。ロータユニット20の主要な構造は、非透磁率材料
により形成されて内部に永久磁石20aを保持する円筒
状の回転体21と、該回転体21内の永久磁石20aの
各磁極の端部が臨む第1磁性流体封入空部21a,第2
磁性流体封入空部21bを形成し、第1,第2磁性流体
封入空部21a,21b内に磁性流体22を封入したも
のである。
【0054】上記のように構成したロータユニット20
は、静止状態においては、磁性流体22が第1,第2磁
性体封入空部21a,21b内で、永久磁石20aの磁
極に吸着されているために、磁石20aのN極から出た
磁束は磁性流体22によって回転体21の外周部へ効率
良く導かれるので、ロータユニット20の外周面から外
部へ抜け出してS極へ至る(図8(a)参照)。すなわ
ち、本実施形態においては、磁性流体22が永久磁石2
0aの両磁極からロータ外部へ磁束を導く磁束誘導路と
なるのである。
【0055】そして、制御回路3からコイルL1〜L3
への給電制御によりロータユニット20が回転を始め、
徐々に回転速度が高くなると、第1,第2磁性体封入空
部21a,21b内に封入された磁性流体22,22
は、遠心力によって永久磁石20aの磁極から離れて第
1,第2磁性体封入空部21a,21bの周壁へ押しつ
けられてゆくために、磁性流体22,22の磁束誘導機
能が消失し、永久磁石21の磁極端にある第1,第2磁
性体封入空部21a,21bがギャップとなるから、ロ
ータユニット20の外周まで到達してロータ外部に漏れ
出る磁束が減少し、ステータのコイルL1〜L3に作用
する磁束密度は低くなる。
【0056】すなわち、第3実施形態においては、ロー
タユニット20内に予め設けた磁束誘導路を、遠心力に
よって不能動化(磁束誘導路を消失)させることで、高
速回転時にロータ外に漏れ出す磁束を減少させるのであ
る。従って、本実施形態においても、上記第1,第2実
施形態と同様の作用効果を期せるのである。なお、磁性
体封入空部内に封入するのは磁性流体に限らず、磁性を
持った粉体、ないし、細かな金属片を用いてもよい。ま
た、本実施形態における回転数と磁束密度の特性は、磁
性体封入空部の形状や形成位置,磁性体の種類や粘性等
を変えることで、適宜に変化させることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るブ
ラシレスDCサーボモータによれば、負荷トルクの大き
な低速回転状態においては、ロータ内磁路形成手段がロ
ータ内磁路を形成し得るほどの遠心力は生じないが、高
速回転状態になって遠心力が増大すると、ロータ内磁路
形成手段によってロータ内磁路が形成されるので、永久
磁石からロータ外に漏れ出てステータの各コイルに作用
する磁束が小さくなり、反磁作用によるロータの回転制
限が低減されることで、ロータの最大回転速度を高める
ことが可能となる。よって、低速回転時には大トルクの
出力が得られ、高速回転時には低トルクで回転速度を高
めることができるブラシレスDCサーボモータを提供で
きるのである。
【0058】また、請求項4に係るブラシレスDCサー
ボモータによれば、負荷トルクの大きな低速回転状態に
おいては、永久磁石の磁極からロータ外へ磁束を導く磁
束誘導路を形成する磁束誘導手段を不能動化し得るほど
の遠心力は生じないが、高速回転状態になって遠心力が
増大すると、磁束誘導手段が不能動化して磁束誘導路が
形成されなくなるので、永久磁石の磁極からロータ外に
漏れ出てステータの各コイルに作用する磁束が小さくな
り、反磁作用によるロータの回転制限が低減されること
で、ロータの最大回転速度を高めることが可能となる。
よって、低速回転時には大トルクの出力が得られ、高速
回転時には低トルクで回転速度を高めることができるブ
ラシレスDCサーボモータを提供できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タの概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおけるロータの動作説明図である。
【図3】第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおける磁束密度と回転数の特性図である。
【図4】第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおける回転数とトルクの特性図である。
【図5】第2実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タの概略構成図である。
【図6】第2実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおけるロータの動作説明図である。
【図7】第3実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タの概略構成図である。
【図8】第3実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおけるロータの動作説明図である。
【図9】従来のブラシレスDCサーボモータの概略構成
図である。
【図10】モータへの給電系を示す模式図である。
【図11】従来のモータにおける回転数とトルクの特性
図である。
【図12】モータの出力をギアで切り替える変速装置を
備えたモータ機構の動作説明図である。
【図13】変速装置を備えたモータ機構における回転数
とトルクの特性図である。
【符号の説明】
1 ブラシレスDCサーボモータ 2a 永久磁石 2b 回動軸 L1〜L3 コイル 6a,6b 磁束誘導体 6c,6d ロータ内磁束誘導路形成体 7a〜7d 空隙部 8a 第1可動体 8b 第2可動体 8c 第3可動体 8d 第4可動体 9a〜9d コイルスプリング
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ブラシレスDCサーボモータ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石を回動軸
回りに回転可能としたロータと、該ロータの周囲に3個
以上のコイルを配置してなるステータとからなり、ステ
ータの各コイルへの給電制御を行うことで、ロータの永
久磁石の両磁極に作用する磁界を変化させ、ロータを回
転させるブラシレスDCサーボモータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のブラシレスDCサーボモータは9
図に示すようなもので、ブラシレスサーボモータ101
は、ケースに固定された3組のコイルL1,L2,L3
よりなるステータと、永久磁石で作られたロータ102
から構成されており、ロータ102たる永久磁石の磁極
位置をホール素子などのセンサ(図示省略)で検出し、
永久磁石の磁極位置に応じてコイルL1〜L3への給電
制御を制御回路103が行うことで、ロータ102との
間に吸引力もしくは反発力を生じさせて、ロータ102
を一定方向へ回転させる力を発生し続けるのである。
【0003】なお、ブラシレスDCサーボモータの動作
原理は、磁界中の導線に電流が流れたとき、磁界と電流
の積に比例する力が発生するという、いわゆる「フレミ
ングの左手の法則」である。そして、モータが発生する
トルクτは、ロータの永久磁石が作り出す磁束密度B、
コイルに流れる電流iより次式で計算できる。
【0004】τ=kt ×B×i …(1)
【0005】上記(1)式中のkt はコイルの巻数やモ
ータの形状によって決まる定数である。
【0006】一方、モータが回転している時に、コイル
の両端には回転速度に比例する電圧が発生する(フレミ
ングの右手の法則)。これはモータの発電機としての作
用を表しており、コイルの両端に発生する電圧Eは、ロ
ータの永久磁石が作り出す磁束密度B、ロータの回転速
度ωより次式で計算できる。
【0007】E=ke ×B×ω …(2)
【0008】上記(2)式中のke はコイルの巻数やモ
ータの形状によって決まる定数である。
【0009】以上がブラシレスDCサーボモータの基本
原理であり、モータの各種の特性はすべて(1)式と
(2)式より導出することができる。
【0010】ここで、図10に示す如く、モータMに電
圧Vの電源を接続し、回転数ωで回転しているとすれ
ば、モータMのコイルの抵抗をRとして、オームの法則
と上記(2)式からコイルに流れる電流iを、下式のよ
うに計算できる。
【0011】 i=(V−E)/R=(V−ke Bω)/R …(3)
【0012】上記(3)式と(1)式の電流iとトルク
τの関係から、トルクτと回転数ωの関係が下式のよう
に得られる。
【0013】 τ=kt B(V−ke Bω)/R …(4)
【0014】また、上記(4)式において、回転数ωを
トルクτの関数として表せば、下式のようになる。
【0015】 ω=V/ke B−(R/kt e 2 )τ …(5)
【0016】上記(5)式を特性図として表示すると、
図11のようになる。これは、一定の電圧Vを与えられ
たモータMの負荷と回転数の関係を表している。具体的
に説明すれば、モータMが発生し得る最大のトルクτは
t BV/Rであり、このときモータMの回転数は0で
ある(図11における点a)。そして、負荷トルクτが
減少するに従って回転数ωは増大し、負荷トルクτが0
のときモータMは最大速度V/ke Bで回転する(図1
1における点b)。このように、電圧Vが一定のもとで
モータMが回転し得る最大速度ωmax は、負荷トルクτ
を0として、下式で決定される。
【0017】ωmax =V/ke B …(6)
【0018】すなわち、従来型のモータMは、与えられ
た電源電圧Vで駆動する限り、これ以上の回転速度を得
ることはできないのである。特に近年は、より大きなト
ルクτを得るべく、ロータに希土類磁石を用いるように
なっており、磁束密度Bが大きくなったため、最大回転
速度ωmax を大きくすることが一層難しくなってきてい
る。
【0019】このため、モータMの最大回転速度を高め
るために、モータMをより高い電源電圧で駆動する方法
も考えられるが、電源電圧が高くなるために感電等の危
険性が増大してしまうため、好ましくない。そこで、変
速装置を使ってモータの回転速度を切り替えるモータ機
構も提案されている。
【0020】変速装置を使ったモータ機構の例は、図1
2に示すようなもので、モータMの駆動軸104に第1
駆動ギア105aと第2駆動ギア105bとを取り付
け、負荷106の従動軸107には第1従動ギア108
aと第2従動ギア108bとを取り付け、負荷106を
モータMの回転速度で回転させる低速領域においては、
ギア比が1:1となる第1駆動ギア105aと第1従動
ギア108aとを噛み合わせ(図12(a)参照)、負
荷106を高速回転させる高速領域においては、ギア比
がn:1となる第2駆動ギア105bと第2従動ギア1
08bとを噛み合わせる(図12(b)参照)。
【0021】すなわち、負荷の起動時や加速動作時など
の大きなトルクを必要する場合には、ギア比が1:1と
なるようにし、大トルクを必要としない高速動作時には
ギア比がn:1となるように変速すればよいのである。
【0022】上述したような変速装置を用いたモータ機
構のトルクと回転数の特性図は、図13に示すようなも
のとなり、例えば、ギア比1:1で負荷に接続されたモ
ータMの起動直後である点aから徐々に回転数が上昇し
て負荷トルクが低下した点bにおいてギアを切り替える
と、ギア比がn:1に変わることで点cに移行し、負荷
トルクが0となる点dの回転数を高くすることができ
る。すなわち、モータM自体の特性は同じであるが、低
速回転時と高速回転時とでギアを切り替えることにより
モータ機構としての出力特性を変えられるのである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような変速装置を用いて最大回転速度を高くするモー
タ機構では、モータの他に複雑な変速機構が必要となる
ために、機構の重量増大を招いてしまい、小型軽量が要
求される分野では利用できない。特に、敏速な起動・停
止制御と高速動作が要求されるロボットの駆動系等に搭
載するブラシレスDCサーボモータの機構としては好ま
しくない。
【0024】そこで、本発明は、重く嵩張る駆動機構を
用いることなく、負荷トルクの大きな低速回転状態から
負荷トルクが軽減された高速回転状態になると、自動的
に最大回転速度が高められ、負荷トルクの軽減された高
速回転状態から負荷トルクの大きな低速回転状態になる
と自動的に大トルクを発生させられるようなブラシレス
DCサーボモータの提供を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係るブラシレスDCサーボモータは、
久磁石(20a)を回動軸(20b)回りに回転可能と
したロータ(例えば、ロータユニット20)と、該ロー
タの周囲に3個以上のコイル(L1,L2,L3)を配
置してなるステータとからなり、ステータの各コイルへ
の給電制御を行うことで、ロータの永久磁石の両磁極に
作用する磁界を変化させ、ロータを回転させるブラシレ
スDCサーボモータ(1″)において、ロータ内に設け
た永久磁石の両磁極からロータ外部へ磁束を導く磁束誘
導路を形成する磁束誘導手段を備え、該磁束誘導手段は
ロータの回転速度上昇に伴って増大する遠心力により磁
束をロータ外部へ導く磁束誘導路が消失して不能動化す
ものとした。
【0026】また、請求項2に係るブラシレスDCサー
ボモータは、請求項1の磁束誘導手段として、磁性流体
等の流動性を有する磁性体を封入した磁性体封入空部
(例えば、第1,第2磁性体封入空部21a,21b)
をロータ内に形成し、該磁性体封入空部に永久磁石の磁
極を臨ませることで、永久磁石の磁極に吸着された磁性
体(22)が磁束流出方向に集まって、永久磁石の磁極
からロータ外部へ磁束を導く磁束誘導路が磁性体封入空
部内に形成されるものとし、ロータの回転速度上昇に伴
って増大する遠心力により磁性体が磁極から引き離され
ることで、磁性体封入空部内で磁束をロータ外部へ導く
磁束誘導路が消失するようにした。
【0027】
【作用】したがって、請求項1に係るブラシレスDCサ
ーボモータによれば、負荷トルクの大きな低速回転状態
においては、永久磁石の磁極からロータ外へ磁束を導く
磁束誘導路を形成する磁束誘導手段を不能動化し得るほ
どの遠心力は生じないが、高速回転状態になって遠心力
が増大すると、磁束をロータ外部へ導く磁束誘導路が消
失して磁束誘導手段が不能動化し、磁束誘導路が形成さ
れなくなるので、永久磁石の磁極からロータ外に漏れ出
てステータの各コイルに作用する磁束が小さくなり、反
磁作用によるロータの回転制限が低減される。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るブラシレスD
Cサーボモータの実施形態を添付図面に基づいて詳細に
説明する。
【0029】図1に示すのは、第1実施形態に係るブラ
シレスDCサーボモータ1であり、ケースに固定された
3組のコイルL1,L2,L3よりなるステータと、例
えば円筒状のロータユニット2から構成してある。ロー
タユニット2は永久磁石2aを備えるものとし、回動軸
2bから対称な位置に2つの磁極が各々位置するような
配置構造とし、上記永久磁石2aの磁極位置をホール素
子などのセンサ(図示省略)で検出し、永久磁石2aの
磁極位置に応じてコイルL1〜L3への給電制御を制御
回路3が行うことで、永久磁石2aの磁極との間に吸引
力もしくは反発力を生じさせて、ロータユニット2を一
定方向へ回転させる力を与えるのである。
【0030】上記ロータユニット2の詳細を説明する。
ロータユニット2の主要な構造は、非透磁率材料よりな
る中空筒状の周壁体4と、磁石2aを保持すると共に該
磁石2aよりも若干径の小なる中実な概略円柱状の芯体
5と、上記周壁体4と芯体5との間に生じた円環状の空
部内において磁石2aの磁極端と周壁体4の内面との間
を閉止するように設けた高透磁率材製の磁束誘導体6
a,6bと、これら磁束誘導体6a,6bと空隙部7
a,7b,7c,7dを介して周壁体4と芯体5との間
に生じた円環状の空部を閉止するように設けた高透磁率
材製のロータ内磁束誘導路形成体6c,6dである。
【0031】そして、上記磁束誘導体6aとロータ内磁
束誘導路形成体6cとの間の空隙部7aを閉塞し得る所
要形状の高透磁率材よりなる第1可動体8aは、芯体5
内に形成した第1可動体収容空部5a内に収容されるよ
うにコイルスプリング9aにより引き込まれるものとし
てあり、コイルスプリング9aの牽引力に抗する力が作
用すると、第1可動体8aは可動体収容空部5a内から
空隙部7aへスライド移動してゆき、磁束誘導体6aか
らロータ内磁束誘導路形成体6cへ至るギャップを高透
磁率材料で充足した状態となる。
【0032】同様に、上記磁束誘導体6aとロータ内磁
束誘導路形成体6dとの間の空隙部7bを閉塞し得る所
要形状の高透磁率材よりなる第2可動体8bは、芯体5
内に形成した第2可動体収容空部5b内に収容されるよ
うにコイルスプリング9bにより引き込まれるように、
上記磁束誘導体6bとロータ内磁束誘導路形成体6cと
の間の空隙部7cを閉塞し得る所要形状の高透磁率材よ
りなる第3可動体8cは、芯体5内に形成した第3可動
体収容空部5c内に収容されるようにコイルスプリング
9cにより引き込まれるように、上記磁束誘導体6bと
ロータ内磁束誘導路形成体6dとの間の空隙部7dを閉
塞し得る所要形状の高透磁率材よりなる第4可動体8d
は、芯体5内に形成した第4可動体収容空部5d内に収
容されるようにコイルスプリング9dにより引き込まれ
るように、各々設定してある。
【0033】上記のように構成したロータユニット2
は、静止状態においては、第1〜第4可動体8a〜8d
が各々第1〜第4可動体収容空部5a〜5d内にコイル
スプリング9a〜9dにより引き込まれているために、
磁石2aのN極から出た磁束は第1〜第4空隙部7a〜
7dへは殆ど漏れ出さず、磁束誘導体6a,6bによっ
て周壁体4の内周面へ効率良く導かれ、ロータユニット
2の外周面から外部へ抜け出してS極へ至る(図2
(a)参照)。
【0034】そして、制御回路3からコイルL1〜L3
への給電制御によりロータユニット2が回転を始め、徐
々に回転速度が高くなると、第1〜第4可動部材8a〜
8dにはコイルスプリング9a〜9dの牽引力に抗する
ように遠心力が作用し始め、第1〜第4可動部材8a〜
8dは空隙部7a〜7dを閉塞する方向へ移動してゆ
き、磁束誘導体6a,6bとロータ内磁束誘導路形成体
6c,6dとの間のギャップが高透磁率材料で充足され
た状態となり、ロータユニット2内には、磁束誘導体6
a→第1可動体8a→ロータ内磁束誘導路形成体6c→
第3可動体8c→磁束誘導体6bへ至るロータ内磁路
と、磁束誘導体6a→第2可動体8b→ロータ内磁束誘
導路形成体6d→第4可動体8d→磁束誘導体6bへ至
るロータ内磁路と、が形成され、ロータユニット2の外
部へ漏れ出す磁束が減少し、ステータのコイルL1〜L
3に作用する磁束密度は低くなるのである。
【0035】すなわち、本第1実施形態における磁束誘
導路形成手段は、永久磁石2aの両磁極間を高透磁率材
料で短絡するようなロータ内磁路を磁束誘導体6a,6
bとロータ内磁束誘導路形成体6c,6dと第1〜第4
可動体8a〜8dにより形成すると共に、第1〜第4可
動体8a〜8dを芯体5に設けた第1〜第4可動体収容
部5a〜5dへ引き込む力(ロータ内磁路から回動軸2
b側へ向わせる力)をコイルスプリング9a〜9dによ
り付与することにより形成するものとした。
【0036】この特性を図3により説明すると、低速回
転時の磁束密度BはB0 で、コイルスプリング9a〜9
dの牽引力に抗して第1〜第4可動体8a〜8dを移動
させ得るほどの遠心力が作用していない低速域(図3中
の点a〜点bの範囲)では、ステータに作用する磁束密
度は変化せず、ほぼ一定値を保つが、負荷トルクが減少
してロータユニット2が低速域を脱すると、コイルスプ
リング9a〜9dの牽引力を遠心力が上回って、空隙部
7a〜7dを閉塞するように第1〜第4可動体8a〜8
dが移動してゆき(図3中の点b〜点cの範囲)、ステ
ータに作用する磁束密度BはB0 /nにまで減少する。
従って、高速域(図3中の点c〜点dの範囲)において
は、より回転数を高くまで上げることが可能となる。
【0037】よって、上述した構成のロータユニット2
を備えるブラシレスDCサーボモータ1においては、図
4に示すような特性を得ることが可能となる。すなわ
ち、ロータ内磁路形成手段が機能していない状態では、
回転速度が高まるに連れてトルクが減少するように点a
から点bへ至る特性を呈するが、ロータ内磁路形成手段
が機能し始めるとトルクの減少に伴う回転数の上昇度合
いが高まるような点bから点cへ至る特性を呈し、ロー
タ内磁路が完全に形成されて、ロータユニット2からス
テータに作用する磁束Bが1/nになると点cから点d
へ至る特定を呈する。
【0038】してみれば、ロータユニット2からステー
タに作用する磁束Bが1/nとなることで、負荷トルク
が0の状態ではロータユニット2の回転速度は、nV/
eBとなり、ロータ内磁路形成手段によってロータ内
部へ誘導される磁束が多いほど、回転速度は高くなるの
である。なお、回転数と磁束密度の特性は、可動体等の
磁路を形成する部材の材質や形状、可動体を遠心力に抗
して止めておくコイルスプリングの弾性係数等で変化さ
せることができるので、これらを適宜に設定すること
で、所望の特性を得ることができる。
【0039】このように、本発明に係るブラシレスDC
サーボモータ1においては、低速回転時には高トルクの
出力を得られると共に、低トルク時には回転数を高くす
ることができ、しかも、変速装置を別途必要とするよう
な従来のモータ機構の如く重く嵩張るようなことがない
ので、ロボットの駆動系に好適である。
【0040】なお、上記実施形態においては、第1〜第
4可動体8a〜8dを第1〜第4可動体収容空部5a〜
5d内へ向わせる為にコイルスプリング9a〜9dを用
いるものとしたが、適宜な有弾性体であれば何でも良
く、例えば適宜な弾力性を有する板状ゴム等で代用して
も良い。また、第1〜第4可動体8a〜8dが第1〜第
4可動体収容空部5a〜5dから空隙部7a〜7dへ移
動する際に生ずる摩擦が摺動抵抗となってしまうので、
摺動抵抗を低減するような摺動抵抗軽減手段を設けるこ
とが望ましい。
【0041】図5に示すのは、第2実施形態に係るブラ
シレスDCサーボモータ1′であり、ケースに固定され
た3組のコイルL1,L2,L3よりなるステータと、
例えば円筒状のロータユニット2′から構成してある。
本ロータユニット2′も、上記ロータユニット2と同様
に永久磁石2aを備えるものとし、回動軸2bから対称
な位置に2つの磁極が各々位置するような配置構造と
し、上記永久磁石2aの磁極位置をホール素子などのセ
ンサ(図示省略)で検出し、永久磁石2aの磁極位置に
応じてコイルL1〜L3への給電制御を制御回路3が行
うことで、永久磁石2aの磁極との間に吸引力もしくは
反発力を生じさせて、ロータユニット2′を一定方向へ
回転させる力を与えるのである。
【0042】上記ロータユニット2′も、非透磁率材料
よりなる中空筒状の周壁体4と、磁石2aを保持すると
共に該磁石2aよりも若干径の小なる中実な概略円柱状
の芯体5とを備え、上記周壁体4と芯体5との間に生じ
た円環状の空部内において磁石2aの磁極端と周壁体4
の内面との間を閉止するように設けた高透磁率材製の磁
束誘導体10a,10bを設けると共に、周壁体4と芯
体5との間に生じた円環状の空部内に第1磁性体封入空
部11a,第2磁性体封入空部11b,第3磁性体封入
空部11c,第4磁性体封入空部11dが形成されるよ
うに、永久磁石2aの磁極方向に直交する位置へ高透磁
率材製のロータ内磁束誘導路形成体10c,10dを設
けてあり、第1〜第4磁性体封入空部内には磁性流体1
2を封入してある。なお、磁性流体12は、強磁性体の
微粒子を液体中に多量に分散させたコロイド溶液であ
る。
【0043】上記のように構成したロータユニット2′
は、静止状態においては、磁性流体12が第1〜第4磁
性体封入空部11a〜11d内で、永久磁石2aの磁極
に吸着されているために、磁石2aのN極から出た磁束
は磁束誘導体10a,10bと磁性流体12によって周
壁体4の内周面へ効率良く導かれ、ロータユニット2′
の外周面から外部へ抜け出してS極へ至る(図6(a)
参照)。
【0044】そして、制御回路3からコイルL1〜L3
への給電制御によりロータユニット2′が回転を始め、
徐々に回転速度が高くなると、第1〜第4磁性体封入空
部11a〜11d内に封入された磁性流体12…は、遠
心力によって周壁体4の内面側へ押しつけられてゆき、
磁束誘導体10a,10bとロータ内磁束誘導路形成体
10c,10dとの間のギャップが磁性流体12…で充
足された状態となり、ロータユニット2′内には、磁束
誘導体10a→第1磁性体封入空部11a内の磁性流体
12→ロータ内磁束誘導路形成体10c→第3磁性体封
入空部11c内の磁性流体12→磁束誘導体10bへ至
るロータ内磁路と、磁束誘導体10a→第2磁性体封入
空部11b内の磁性流体12→ロータ内磁束誘導路形成
体10d→第4磁性体封入空部11d内の磁性流体12
→磁束誘導体10bへ至るロータ内磁路と、が形成さ
れ、ロータユニット2′の外部へ漏れ出す磁束が減少
し、ステータのコイルL1〜L3に作用する磁束密度は
低くなるのである。
【0045】すなわち、第2実施形態における磁束誘導
路形成手段は、永久磁石2aの両磁極間を、高透磁率材
料よりなる磁束誘導体10a,10bとロータ内磁束誘
導路形成体10c,10dで4つに仕切ることで、第1
〜第4磁性体封入空部11a〜11dを形成すると共
に、各磁性体封入空部11a〜11d内に流動性を有す
る磁性体として磁性流体12…を封入し、各磁性体封入
空部11a〜11d内で永久磁石2aの磁極に吸着され
ている磁性体がロータの回転速度上昇に伴って増大する
遠心力により各磁性体封入空部11a〜11dの内周壁
面(周壁体4の内周面)に広がることで、透磁性壁体で
ある磁束誘導体10a,10b及びロータ内磁束誘導路
形成体10c,10dと磁性流体よりなるロータ内磁路
が形成されるものとしたのである。
【0046】上記した第2実施形態に係るロータ2′を
備えるブラシレスDCサーボモータ1′においても、上
述した第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモータ
1と同様の効果を期せる。なお、磁性体封入空部内に封
入するのは磁性流体に限らず、磁性を持った粉体、ない
し、細かな金属片を用いてもよい。また、本実施形態に
おける回転数と磁束密度の特性は、磁性体封入空部の形
状,磁性体の種類や粘性等を変えることで、適宜に変化
させることができる。
【0047】上述した第1実施形態と第2実施形態で示
したブラシレスDCサーボモータ1,1′は、何れも、
ロータの回転速度上昇に伴ってロータ外へ漏れ出す磁束
を積極的にロータ内へ導くロータ内磁路を形成すること
で、コイルに作用する磁束を減少させるものであった
が、逆のアプローチを採ることもできる。すなわち、ロ
ータの低速回転時には積極的にロータ外へ磁束を導くよ
うな磁束誘導手段を設けておき、ロータの回転速度上昇
に伴って磁束誘導手段が不能動化することで、ロータ外
へ漏れ出す磁束を減少させるのである。以下、後者の方
法による実施形態を説明する。
【0048】図7に示すのは、第3実施形態に係るブラ
シレスDCサーボモータ1″であり、ケースに固定され
た3組のコイルL1,L2,L3よりなるステータと、
例えば円筒状のロータユニット20から構成してあり、
ロータユニット20は永久磁石20aを備えるものと
し、回動軸20bから対称な位置に2つの磁極が各々位
置するような配置構造とし、上記永久磁石20aの磁極
位置をホール素子などのセンサ(図示省略)で検出し、
永久磁石20aの磁極位置に応じてコイルL1〜L3へ
の給電制御を制御回路3が行うことで、永久磁石20a
の磁極との間に吸引力もしくは反発力を生じさせて、ロ
ータユニット20′を一定方向へ回転させる力を与える
のである。
【0049】上記ロータユニット20の詳細を説明す
る。ロータユニット20の主要な構造は、非透磁率材料
により形成されて内部に永久磁石20aを保持する円筒
状の回転体21と、該回転体21内の永久磁石20aの
各磁極の端部が臨む第1磁性流体封入空部21a,第2
磁性流体封入空部21bを形成し、第1,第2磁性流体
封入空部21a,21b内に磁性流体22を封入したも
のである。
【0050】上記のように構成したロータユニット20
は、静止状態においては、磁性流体22が第1,第2磁
性体封入空部21a,21b内で、永久磁石20aの磁
極に吸着されているために、磁石20aのN極から出た
磁束は磁性流体22によって回転体21の外周部へ効率
良く導かれるので、ロータユニット20の外周面から外
部へ抜け出してS極へ至る(図8(a)参照)。すなわ
ち、本実施形態においては、磁性流体22が永久磁石2
0aの両磁極からロータ外部へ磁束を導く磁束誘導路と
なるのである。
【0051】そして、制御回路3からコイルL1〜L3
への給電制御によりロータユニット20が回転を始め、
徐々に回転速度が高くなると、第1,第2磁性体封入空
部21a,21b内に封入された磁性流体22,22
は、遠心力によって永久磁石20aの磁極から離れて第
1,第2磁性体封入空部21a,21bの周壁へ押しつ
けられてゆくために、磁性流体22,22の磁束誘導機
能が消失し、永久磁石21の磁極端にある第1,第2磁
性体封入空部21a,21bがギャップとなるから、ロ
ータユニット20の外周まで到達してロータ外部に漏れ
出る磁束が減少し、ステータのコイルL1〜L3に作用
する磁束密度は低くなる。
【0052】すなわち、第3実施形態においては、ロー
タユニット20内に予め設けた磁束誘導路を、遠心力に
よって不能動化(磁束誘導路を消失)させることで、高
速回転時にロータ外に漏れ出す磁束を減少させるのであ
る。従って、本実施形態においても、上記第1,第2実
施形態と同様の作用効果を期せるのである。なお、磁性
体封入空部内に封入するのは磁性流体に限らず、磁性を
持った粉体、ないし、細かな金属片を用いてもよい。ま
た、本実施形態における回転数と磁束密度の特性は、磁
性体封入空部の形状や形成位置,磁性体の種類や粘性等
を変えることで、適宜に変化させることができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るブ
ラシレスDCサーボモータによれば、負荷トルクの大き
な低速回転状態においては、永久磁石の磁極からロータ
外へ磁束を導く磁束誘導路を形成する磁束誘導手段を不
能動化し得るほどの遠心力は生じないが、高速回転状態
になって遠心力が増大すると、磁束誘導手段が不能動化
して磁束誘導路が形成されなくなるので、永久磁石の磁
極からロータ外に漏れ出てステータの各コイルに作用す
る磁束が小さくなり、反磁作用によるロータの回転制限
が低減されることで、ロータの最大回転速度を高めるこ
とが可能となる。よって、低速回転時には大トルクの出
力が得られ、高速回転時には低トルクで回転速度を高め
ることができるブラシレスDCサーボモータを提供でき
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タの概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおけるロータの動作説明図である。
【図3】第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおける磁束密度と回転数の特性図である。
【図4】第1実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおける回転数とトルクの特性図である。
【図5】第2実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タの概略構成図である。
【図6】第2実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおけるロータの動作説明図である。
【図7】第3実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タの概略構成図である。
【図8】第3実施形態に係るブラシレスDCサーボモー
タにおけるロータの動作説明図である。
【図9】従来のブラシレスDCサーボモータの概略構成
図である。
【図10】モータへの給電系を示す模式図である。
【図11】従来のモータにおける回転数とトルクの特性
図である。
【図12】モータの出力をギアで切り替える変速装置を
備えたモータ機構の動作説明図である。
【図13】変速装置を備えたモータ機構における回転数
とトルクの特性図である。
【符号の説明】 1 ブラシレスDCサーボモータ 2a 永久磁石 2b 回動軸 L1〜L3 コイル 6a,6b 磁束誘導体 6c,6d ロータ内磁束誘導路形成体 7a〜7d 空隙部 8a 第1可動体 8b 第2可動体 8c 第3可動体 8d 第4可動体 9a〜9d コイルスプリング ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係るブラシレスDCサーボモータは、永
久磁石(20a)を回動軸(20b)回りに回転可能と
したロータ(例えば、ロータユニット20)と、該ロー
タの周囲に3個以上のコイル(L1,L2,L3)を配
置してなるステータとからなり、ステータの各コイルへ
の給電制御を行うことで、ロータの永久磁石の両磁極に
作用する磁界を変化させ、ロータを回転させるブラシレ
スDCサーボモータ(1)において、ロータ内に設け
た永久磁石の両磁極からロータ外部へ磁束を導く磁束誘
導路を形成する磁束誘導手段を備え、該磁束誘導手段は
ロータの回転速度上昇に伴って増大する遠心力により磁
束をロータ外部へ導く磁束誘導路が消失して不能動化す
るものとした。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るブラシレスD
Cサーボモータの実施形態を添付図面に基づいて詳細に
説明する。なお、本発明の実施例を説明するに当たり、
機械的機構を用いることなくモータの回転速度に応じて
トルクを得られるブラシレスDCサーボモータの技術例
を示す
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】図1に示すのは、第1技術例に係るブラシ
レスDCサーボモータ1であり、ケースに固定された3
組のコイルL1,L2,L3よりなるステータと、例え
ば円筒状のロータユニット2から構成してある。ロータ
ユニット2は永久磁石2aを備えるものとし、回動軸2
bから対称な位置に2つの磁極が各々位置するような配
置構造とし、上記永久磁石2aの磁極位置をホール素子
などのセンサ(図示省略)で検出し、永久磁石2aの磁
極位置に応じてコイルL1〜L3への給電制御を制御回
路3が行うことで、永久磁石2aの磁極との間に吸引力
もしくは反発力を生じさせて、ロータユニット2を一定
方向へ回転させる力を与えるのである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】すなわち、上述した第1技術例では、永久
磁石2aの両磁極間を高透磁率材料で短絡するようなロ
ータ内磁路を磁束誘導体6a,6bとロータ内磁束誘導
路形成体6c,6dと第1〜第4可動体8a〜8dを備
、第1〜第4可動体8a〜8dを芯体5に設けた第1
〜第4可動体収容部5a〜5dへ引き込む力(ロータ内
磁路から回動軸2b側へ向わせる力)をコイルスプリン
グ9a〜9dにより付与することで、ギア等の機械的機
構を用いることなく、モータの回転に応じたトルクを得
られる
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】このように、第1技術例に係るブラシレス
DCサーボモータ1においては、低速回転時には高トル
クの出力を得られると共に、低トルク時には回転数を高
くすることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】なお、上記したブラシレスDCサーボモー
タ1においては、第1〜第4可動体8a〜8dを第1〜
第4可動体収容空部5a〜5d内へ向わせる為にコイル
スプリング9a〜9dを用いるものとしたが、適宜な有
弾性体であれば何でも良く、例えば適宜な弾力性を有す
る板状ゴム等で代用することもできる。また、第1〜第
4可動体8a〜8dが第1〜第4可動体収容空部5a〜
5dから空隙部7a〜7dへ移動する際に生ずる摩擦が
摺動抵抗となってしまうので、摺動抵抗を低減するよう
な摺動抵抗軽減手段を設ければ良い。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】図5に示すのは、第2技術例に係るブラシ
レスDCサーボモータ1′であり、ケースに固定された
3組のコイルL1,L2,L3よりなるステータと、例
えば円筒状のロータユニット2′から構成してある。本
ロータユニット2′も、上記ロータユニット2と同様に
永久磁石2aを備えるものとし、回動軸2bから対称な
位置に2つの磁極が各々位置するような配置構造とし、
上記永久磁石2aの磁極位置をホール素子などのセンサ
(図示省略)で検出し、永久磁石2aの磁極位置に応じ
てコイルL1〜L3への給電制御を制御回路3が行うこ
とで、永久磁石2aの磁極との間に吸引力もしくは反発
力を生じさせて、ロータユニット2′を一定方向へ回転
させる力を与えるのである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】すなわち、上述した第2技術例では、永久
磁石2aの両磁極間を、高透磁率材料よりなる磁束誘導
体10a,10bとロータ内磁束誘導路形成体10c,
10dで4つに仕切ることで、第1〜第4磁性体封入空
部11a〜11dを形成すると共に、各磁性体封入空部
11a〜11d内に流動性を有する磁性体として磁性流
体12…を封入することで、各磁性体封入空部11a〜
11d内で永久磁石2aの磁極に吸着されている磁性体
がロータの回転速度上昇に伴って増大する遠心力により
各磁性体封入空部11a〜11dの内周壁面(周壁体4
の内周面)に広がって、透磁性壁体である磁束誘導体1
0a,10b及びロータ内磁束誘導路形成体10c,1
0dと磁性流体よりなるロータ内磁路が形成される
で、ギア等の機械的機構を用いることなく、モータの回
転に応じたトルクを得られる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】上記した第2技術例に係るロータ2′を備
えるブラシレスDCサーボモータ1′においても、上述
した第1技術例に係るブラシレスDCサーボモータ1と
同様の効果を期せる。なお、磁性体封入空部内に封入す
るのは磁性流体に限らず、磁性を持った粉体、ないし、
細かな金属片を用いることができる。また、本技術例
おける回転数と磁束密度の特性は、磁性体封入空部の形
状,磁性体の種類や粘性等を変えることで、適宜に変化
させることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】上述した第1技術例と第2技術例で示した
ブラシレスDCサーボモータ1,1′は、何れも、ロー
タの回転速度上昇に伴ってロータ外へ漏れ出す磁束を積
極的にロータ内へ導くロータ内磁路を形成することで、
コイルに作用する磁束を減少させるものであったが、
発明では、逆のアプローチを採るものとし、ロータの低
速回転時には積極的にロータ外へ磁束を導くような磁束
誘導手段を設けておき、ロータの回転速度上昇に伴って
磁束誘導手段が不能動化することで、ロータ外へ漏れ出
す磁束を減少させるのである。以下、本発明の実施形態
を説明する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】図7に示すのは、本発明の実施形態に係る
ブラシレスDCサーボモータ1であり、ケースに固定
された3組のコイルL1,L2,L3よりなるステータ
と、例えば円筒状のロータユニット20から構成してあ
り、ロータユニット20は永久磁石20aを備えるもの
とし、回動軸20bから対称な位置に2つの磁極が各々
位置するような配置構造とし、上記永久磁石20aの磁
極位置をホール素子などのセンサ(図示省略)で検出
し、永久磁石20aの磁極位置に応じてコイルL1〜L
3への給電制御を制御回路3が行うことで、永久磁石
20aの磁極との間に吸引力もしくは反発力を生じさせ
て、ロータユニット20′を一定方向へ回転させる力を
与えるのである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】そして、制御回路3からコイルL1〜L
3への給電制御によりロータユニット20が回転を始
め、徐々に回転速度が高くなると、第1,第2磁性体封
入空部21a,21b内に封入された磁性流体22,2
2は、遠心力によって永久磁石20aの磁極から離れて
第1,第2磁性体封入空部21a,21bの周壁へ押し
つけられてゆくために、磁性流体22,22の磁束誘導
機能が消失し、永久磁石21の磁極端にある第1,第2
磁性体封入空部21a,21bがギャップとなるから、
ロータユニット20の外周まで到達してロータ外部に漏
れ出る磁束が減少し、ステータのコイルL1〜L3に作
用する磁束密度は低くなる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】すなわち、本発明の実施形態においては、
ロータユニット20内に予め設けた磁束誘導路を、遠心
力によって不能動化(磁束誘導路を消失)させること
で、高速回転時にロータ外に漏れ出す磁束を減少させる
のである。従って、本実施形態においては、低速回転時
には高トルクの出力を得られると共に、低トルク時には
回転数を高くすることができ、しかも、変速装置を別途
必要とするような従来のモータ機構の如く重く嵩張るよ
うなことがないので、ロボットの駆動系に好適である。
なお、磁性体封入空部内に封入するのは磁性流体に限ら
ず、磁性を持った粉体、ないし、細かな金属片を用いて
もよい。また、本実施形態における回転数と磁束密度の
特性は、磁性体封入空部の形状や形成位置,磁性体の種
類や粘性等を変えることで、適宜に変化させることがで
きる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1技術例に係るブラシレスDCサーボモータ
の概略構成図である。
【図2】第1技術例に係るブラシレスDCサーボモータ
におけるロータの動作説明図である。
【図3】第1技術例に係るブラシレスDCサーボモータ
における磁束密度と回転数の特性図である。
【図4】第1技術例に係るブラシレスDCサーボモータ
における回転数とトルクの特性図である。
【図5】第2技術例に係るブラシレスDCサーボモータ
の概略構成図である。
【図6】第2技術例に係るブラシレスDCサーボモータ
におけるロータの動作説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係るブラシレスDCサーボ
モータの概略構成図である。
【図8】本発明の実施形態に係るブラシレスDCサーボ
モータにおけるロータの動作説明図である。
【図9】従来のブラシレスDCサーボモータの概略構成
図である。
【図10】モータへの給電系を示す模式図である。
【図11】従来のモータにおける回転数とトルクの特性
図である。
【図12】モータの出力をギアで切り替える変速装置を
備えたモータ機構の動作説明図である。
【図13】変速装置を備えたモータ機構における回転数
とトルクの特性図である。
【符号の説明】 1 ブラシレスDCサーボモータ20 ロータユニッ
a 永久磁石2b 回動軸L1〜L3 コイル
21a 第1磁性体封入空部21b 第2磁性体封入空
部22 磁性体
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を回動軸回りに回転可能とした
    ロータと、該ロータの周囲に3個以上のコイルを配置し
    てなるステータとからなり、ステータの各コイルへの給
    電制御を行うことで、ロータの永久磁石の両磁極に作用
    する磁界を変化させ、ロータを回転させるブラシレスD
    Cサーボモータにおいて、 ロータの回転速度上昇に伴って増大する遠心力により、
    永久磁石の磁束をロータ内に誘導する磁路を形成するロ
    ータ内磁路形成手段を備えるものとしたことを特徴とす
    るブラシレスDCサーボモータ。
  2. 【請求項2】 上記ロータ内磁路形成手段は、永久磁石
    の両磁極間を高透磁率材料で短絡するように設けたロー
    タ内磁路の一部にギャップを形成し、該ギャップを閉塞
    し得る形状の高透磁率材よりなる可動部材を回動軸側へ
    向わせる力を有弾性体により付与し、ロータの回転速度
    上昇に伴って増大する遠心力により有弾性体の弾性力に
    抗して可動部材がギャップ内へ移動することで、ロータ
    内磁路が形成されるようにしたことを特徴とする請求項
    1に記載のブラシレスDCサーボモータ。
  3. 【請求項3】 上記ロータ内磁路形成手段は、永久磁石
    の両磁極間に高透磁率材料よりなる透磁性壁体で仕切っ
    た磁性体封入空部を形成し、該磁性体封入空部内に磁性
    流体等の流動性を有する磁性体を封入し、磁性体封入空
    部内で磁極に吸着されている磁性体がロータの回転速度
    上昇に伴って増大する遠心力により磁性体封入空部の内
    周壁面に広がることで、透磁性壁体と磁性体よりなるロ
    ータ内磁路が形成されるようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載のブラシレスDCサーボモータ。
  4. 【請求項4】 永久磁石を回動軸回りに回転可能とした
    ロータと、該ロータの周囲に3個以上のコイルを配置し
    てなるステータとからなり、ステータの各コイルへの給
    電制御を行うことで、ロータの永久磁石の両磁極に作用
    する磁界を変化させ、ロータを回転させるブラシレスD
    Cサーボモータにおいて、 ロータ内に設けた永久磁石の両磁極からロータ外部へ磁
    束を導く磁束誘導路を形成する磁束誘導手段を備え、該
    磁束誘導手段はロータの回転速度上昇に伴って増大する
    遠心力により不能動化するものとしたことを特徴とする
    ブラシレスDCサーボモータ。
  5. 【請求項5】 上記磁束誘導手段は、磁性流体等の流動
    性を有する磁性体を封入した磁性体封入空部をロータ内
    に形成し、該磁性体封入空部に永久磁石の磁極を臨ませ
    ることで、永久磁石の磁極に吸着された磁性体が磁束流
    出方向に集まって、永久磁石の磁極からロータ外部へ磁
    束を導く磁束誘導路が磁性体封入空部内に形成されるも
    のとし、ロータの回転速度上昇に伴って増大する遠心力
    により磁性体が磁極から引き離されることで、磁性体封
    入空部内で磁束をロータ外部へ導く磁束誘導路が消失す
    るようにしたことを特徴とする請求項4に記載のブラシ
    レスDCサーボモータ。
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