JP3649891B2 - 単巻型リニア振動アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定子側の励磁コイルに通電することにより、磁性体でできた可動体に直線的な振動を与えるアクチュエータに関するものであり、特に可動体の軸方向両側にN極(またはS極)が向かい合うように高性能永久磁石を組み込み、一組の励磁コイルに通電して固定子側のコアに生じる磁極によって可動体のそれぞれの磁極との間で吸引力や斥力を発生させ、可動体を振動(往復動)させることができる単巻型リニア振動アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リニア振動アクチュエータは、励磁コイル(電磁石)によって、磁性体でできた可動体に直線的な振動を与えるアクチュエータであり、エアーコンプレッサ等に用いられている。従来、可動体には軟鉄等の磁性体のロッドが用いられているが、励磁コイルの吸引力を利用し、その可動体を引き込む作用しか持たないために、可動体に機械的なバネを取り付け、バネの固有振動数に併せて励磁コイルを通電させることで、可動体を振動させる方法などが採用されていた(図5参照)。
【0003】
しかし、上記構成のリニア振動アクチュエータは、
a)振動周波数がバネの固有振動数に限定されてしまうため、一定周波数での駆動に限られてしまい、可変周波数での振動が不可能である。
b)バネの復元力を利用するので出力が低い。
等の問題があった。
この問題に対しての解決方法として、励磁コイルを2組用いることで、可変周波数での振動を可能にする方法が提案されてきたが、装置が大型化する、駆動回路が複雑になるといった問題が新たに生じることになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、可動体に永久磁石を組み込むことで、一組の励磁コイルのみにより可動体を振動させる単巻型のリニア振動アクチュエータを提供し、上記問題点を解決せんとするものである。
【0005】
本発明では、可動体として、軸の両側にN極(またはS極)が向かいあうように高性能永久磁石を組み込んだものを用いる。この可動体では、磁極が軸方向にN−S−N(またはS−N−S)と並んでおり、励磁コイルに通電して固定子側のコアに生じる磁極が、可動体のそれぞれの磁極との間に吸引力や斥力(反発力)を発生し、可動体が移動する。励磁コイルに通電する向きを変えることで、固定子側の励磁コイルに生じる磁極が反転し、磁極との間に発生する吸引力や斥力(反発力)が逆転する。このように励磁コイルに通電する向きを変えることにより可動体の運動の向きが変わり、可動体を振動させることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
コア1と同コアに巻かれた励磁コイル2とからなる固定子10と、前記固定子10に対向して配置された可動体20とを備え、前記可動体は、軸方向に着磁された永久磁石21と、この磁石を保持するインダクタ22とから構成され、前記永久磁石21は磁極がN−S−NまたはS−N−Sの3極構造となるようにインダクタに挟みこまれて取り付けられており、さらに前記永久磁石の磁極は可動体の中心に対して軸方向に対称に配置されているとともに前記可動体は、永久磁石の外径がインダクタの外径よりも小さく形成され、インダクタにエッジを形成したことを特徴とする単巻型リニア振動アクチュエータである。
また、前記可動体は、永久磁石の外径がインダクタの外径よりも小さく形成され、インダクタにエッジを形成するとともに可動体の中央部インダクタの軸方向中心部に鈍角のエッジを形成したことを特徴とする単巻型リニア振動アクチュエータである。
また、前記可動体は、非磁性体からなるカバーを備え、該カバーが固定子側との間の軸受けを構成していることを特徴とする単巻型リニア振動アクチュエータである。
また、前記可動体は、中心部にシャフトを備え、該シャフトが軸支持されていることを特徴とする単巻型リニア振動アクチュエータである。
【0007】
【実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる単巻型リニア振動アクチュエータの概念構成図である。
【0008】
図において、1はコア、2はコア1に巻かれた励磁コイルであり、これらによってアクチュエータの固定子10が構成されている。
また可動体20は、軸方向に着磁された永久磁石21と、この磁石を保持する磁性体からなるインダクタ22と、さらに前記永久磁石21、インダクタ22とを被覆し、かつ、固定子10との摺動部の軸受け機能を有する摩擦抵抗の少ない非磁性体材料からなる軸受け機能を有するカバー23とで構成されており、本実施形態では、図示の如く、磁極がN−S−N(3極構造)となるように永久磁石21がインダクタ22に挟みこまれて取り付けられている。
【0009】
前記磁極は可動体20の中心に対して軸方向に対称に配置されており、こうすることで左右両方向に同一の推力を発生させることができ、また単巻線の励磁コイル2に流す電流の方向を変えるだけで、可動体20を往復動させることができる。なお上記永久磁石21としてはアクチュエータの吸引力、斥力を大きくするためにできるだけ磁力の強い高性能永久磁石を使用することが望まれる。また、前記カバー23は他の適当な軸受け手段があれば省略することもできる。
【0010】
上記構成からなる単巻型リニア振動アクチュエータでは、図示の固定子10の励磁コイル2に紙面裏から表向きに電流を流すことで、右ネジの法則により固定子10のコア1の左側磁極にN極、右側磁極にS極が発生する。コア1に発生したN極、S極の磁極と、可動体20の左右に配置した永久磁石21のN極、S極の磁極との間で図示のような左方に向けての吸引力(斥力)が発生し、固定子10端面によって軸受け支持されている可動体20が左方に移動する。
【0011】
また固定子10の励磁コイル2に通電する電流の向きを逆にすると、こんどは、固定子10のコア1の磁極に図とは逆にS極、N極が発生し、このS極、N極の磁極と、可動体20の左右に配置した永久磁石のN極、S極の磁極との間で図中右方に移動する吸引力(斥力)が発生し、可動体20を右方に移動する。
こうして固定子10に通電する電流の向きを切換えることで可動体20を左右に振動させることができ、この可動体20の動きをアクチュエータとして利用することができる。
【0012】
上記の如く本発明に係わる単巻型リニア振動アクチュエータは、固定子10に可変周波数の電流を流すことで、振動周波数を容易に制御することができ、エアコンプレッサの他に、可振動機や人工呼吸器、人工心臓用血液ポンプなどに多用途のアクチュエータとして利用することができる。
【0013】
ところで、本発明者らは、上記単巻型リニア振動アクチュエータにおいて安定した大きな推力を得るために、さらに研究を進めた結果、可動体20と固定子10との間で発生する吸引力(斥力)は図1中の固定子10の磁極のエッジa、bと可動体20インダクタ22のエッジc、dの形成の仕方によりその力が左右されることを確認した。即ち、各エッジが明確に形成されていない場合には磁力が分散し力が弱くなるが、各エッジを明確に形成すると磁力はエッジ同士間(図中a、c間およびb、dの間)に集中し吸引力(斥力)が強くなる。以下の実施形態はこの知見に基づいてなされたものである。
【0014】
各実施形態を説明すると、
図2は、可動体20のエッジc、dを鋭角にするために、可動体20の永久磁石の径をインダクタ22の径よりも小さくし、インダクタ22のエッジc、dを形成したものであり、さらに可動体20の移動を滑らかにするために、可動体20の中心部にガイド26を介してシャフト24を設け、このシャフト24を軸受25により軸支持するようにしたものである。この結果、可動体20のエッジと固定子10のエッジとの間に磁力が集中するとともに、可動体20移動時の抵抗を少なくでき推力の向上を図ることができた。
【0015】
また、図3は、さらに安定した推力を得るために可動体20の永久磁石21の径をインダクタ22の径よりも小さくしてインダクタ側のエッジc、dを鋭角に形成するとともに、インダクタ22の軸方向中央部に図示の如く鈍角のエッジeを形成し、さらに可動体20の移動を滑らかにするために、可動体20の中心部にガイド26を介してシャフト24を設け、このシャフトを図2の場合と同様に軸受により軸支持するようにしたものである。この結果、固定子10、可動体20の鋭角のエッジ同士、および固定子10の鋭角のエッジと可動体20の鈍角のエッジ同士の間に磁力が集中し、さらに可動体20移動時の抵抗も少なくなるため推力の向上を図ることができた。特に、鈍角のエッジのないものに比較して可動体20の移動終点においても安定した推力を得ることができた。
【0016】
図4に、図3に示した単巻型リニア振動アクチュエータの制御特性を示す。
図4は同アクチュエータの周波数応答特性を測定したもので、周波数応答特性は、位置指令として正弦波を与えた場合の変位応答を測定し、ゲイン特性および位相特性とて求めた。今回の測定では、ストローク6mmに相当する振幅の正弦波を位置指令として与えた。図4(a)はゲイン特性、(b)は位相特性を示しており、この結果から、数十〔Hz〕までの応答性が良くなり、改良前に比べて駆動動作が滑らかになったことを確認できた。
【0017】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内で種々の形態を実施することが可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、
アクチュエータの可動体として、軸の両側にN極(またはS極)が向かいあうように高性能永久磁石を組み込んだものを用い、励磁コイルに通電する向きを変えることで、固定子の励磁コイルに生じる磁極の反転を利用して可動体を往復動させることができるようにしたため、構成が簡単な単巻型リニア振動アクチュエータを得ることができる。
また、従来のリニア振動アクチュエータが必要としていたバネが不要になるため可変周波数での振動が可能となるとともにバネを使用しないため出力を大きくすることが可能となる。さに励磁コイルが1組だけであるので装置の小型化が可能となり、さらに駆動回路も簡略化できる、可動体側にエッジを形成することで安定した大きな推力を得ることができる、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係わる単巻型リニア振動アクチュエータの構成図である。
【図2】 本発明の他の実施形態に係わる単巻型リニア振動アクチュエータの構成図である。
【図3】 本発明のさらに他の実施形態に係わる単巻型リニア振動アクチュエータの構成図である。
【図4】 図3に示す単巻型リニア振動アクチュエータの制御特性を示す図であり、(a)はゲイン特性、(b)は位相特性を示す図である。
【図5】 従来のリニア振動アクチュエータの構成図である。
【符号の説明】
1 コア
2 励磁コイル
10 固定子
20 可動体
21 永久磁石
22 インダクタ
23 カバー
24 シャフト
25 軸受
26 ガイド
a、b、c、d、e エッジ
Claims (4)
- コア1と同コアに巻かれた励磁コイル2とからなる固定子10と、前記固定子10に対向して配置された可動体20とを備え、前記可動体は、軸方向に着磁された永久磁石21と、この磁石を保持するインダクタ22とから構成され、前記永久磁石21は磁極がN−S−NまたはS−N−Sの3極構造となるようにインダクタに挟みこまれて取り付けられており、さらに前記永久磁石の磁極は可動体の中心に対して軸方向に対称に配置されているとともに前記可動体は、永久磁石の外径がインダクタの外径よりも小さく形成され、インダクタにエッジを形成したことを特徴とする単巻型リニア振動アクチュエータ。
- 前記可動体は、永久磁石の外径がインダクタの外径よりも小さく形成され、インダクタにエッジを形成するとともに可動体の中央部インダクタの軸方向中心部に鈍角のエッジを形成したことを特徴とする請求項1に記載の単巻型リニア振動アクチュエータ。
- 前記可動体は、非磁性体からなるカバーを備え、該カバーが固定子側との間の軸受けを構成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単巻型リニア振動アクチュエータ。
- 前記可動体は、中心部にシャフトを備え、該シャフトが軸支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の単巻型リニア振動アクチュエータ。
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