JP2004242050A - 無線端末及びその受話音量調節方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来は周囲雑音に応じて受話音量を調整するに過ぎず、ユーザー個々の発話音量や周囲雑音以外の通話時の状況を全く考慮しておらず、きめ細かな受話音量の自動調整ができない。
【解決手段】受話音量制御回路22は比較回路15からの比較結果を入力として受け、通話中の発話音量データが、メモリ13からの通話開始時の発話音量データに比べて小さい比較結果が入力されたときには、通話開始時の受話音量が大きいためにユーザーの発話音量が小さくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を小さくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも小さな値に制御する。他方、上記と逆の場合は、通話開始時の受話音量が小さいためにユーザーの発話音量が大きくなったと判断して、受話音量を大きくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも大きな値に制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】受話音量制御回路22は比較回路15からの比較結果を入力として受け、通話中の発話音量データが、メモリ13からの通話開始時の発話音量データに比べて小さい比較結果が入力されたときには、通話開始時の受話音量が大きいためにユーザーの発話音量が小さくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を小さくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも小さな値に制御する。他方、上記と逆の場合は、通話開始時の受話音量が小さいためにユーザーの発話音量が大きくなったと判断して、受話音量を大きくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも大きな値に制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線端末及びその受話音量調節方法に係り、特に携帯電話等の音声無線通信可能な無線端末及びその受話音量調節方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の音声無線通信可能な無線端末としての代表的な携帯電話では、受話音量操作のためにキー入力が必要であるため、通話中に受話音量を変更するにはキー入力操作のために会話を一時中断しなければならない。また、従来は受話音量を変更する操作方法をよく理解していなかったり、面倒という理由から受話音量をそのままに大きな声で通話する人もよく見受けられる。
【0003】
そこで、従来、受話音量を自動調整できる無線端末も知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1には、周囲雑音の高周波数成分と低周波数成分との比較結果と受話音量との関係を予め受話音量設定テーブルとしてメモリに記憶しておき、通話時に上記の周囲雑音の高周波数成分と低周波数成分との比較結果で上記の受話音量設定テーブルを参照して、スピーカに供給する音声信号の増幅器の利得を決定することにより、受話音量を自動調整するようにした無線端末の構成が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、通話時のマイク出力音声信号を監視し、無音時のときのマイク出力音声信号から周囲雑音を検出し、その検出レベルに基づいて、スピーカに供給する音声信号の可変利得増幅器の利得を決定することにより、受話音量を自動調整するようにした無線端末の構成が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−149197号公報
【特許文献2】
特開平8−163227号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1記載の従来の無線端末では、通話用のマイクとは別に周囲雑音検出用のマイクと、周囲雑音検出回路を設ける必要があり、特に小型化が要求される携帯型の無線端末では、小型化が困難である。一方、特許文献2記載の従来の無線端末では、通話用のマイクからの音声信号の無音期間の信号から周囲雑音を検出するようにしているため、マイクは1個であり、小型化の実現は可能である。
【0007】
しかし、特許文献1及び特許文献2記載のいずれの従来の無線端末も、単に周囲雑音に応じて受話音量を調整するに過ぎず、ユーザー個々の発話音量や周囲雑音以外の通話時の状況を全く考慮しておらず、きめ細かな受話音量の自動調整ができないという問題がある。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、ユーザー個々の発話音量や周囲雑音以外の通話時の状況を考慮した、きめ細かな受話音量の自動調整が可能な無線端末及びその受話音量調節方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の他の目的は、手作業による特殊な操作を無くし、通話をしながら声の大きさの変化のみで受話音量が、ユーザーに適した音量に変えられる無線端末及びその受話音量調節方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は無線端末における図1のフローチャートに示す人間の特性を利用して構成したものである。すなわち、音声無線通信可能な無線端末が相手端末との間で通話を開始すると(ステップS1)、ユーザーは通常、自分に適した音量で会話を始める。その後、相手端末からの受話音声信号を受信して受話音量の大小を判定する(ステップS2)。
【0011】
ここで、ユーザーの主観により受話音量が小さいと判断すると(ステップS3)、相手にも自分の音声が良く伝わっていないかも知れないという不安から、発話音量を大きくする傾向がある(ステップS5)。逆に、受話音量が大きいと判断すると(ステップS4)、相手にも自分の音声が大きく伝わっているかも知れないという不安から、声をひそめる傾向がある(ステップS6)。
【0012】
そこで、本発明の無線端末では、人間のこのような癖を利用し、会話当初からの発話音量の変動から判断し、受話音量を変化させ、最終的にユーザーに適した受話音量に設定するものである。すなわち、第1の発明の無線端末は、相手端末と音声無線通信を行う無線端末において、相手端末から受信した受話音声信号を制御信号に応じた利得で出力する受信音声出力手段と、受信音声出力手段により出力された受話音声信号を発音する発音手段と、入力された発話音声を発話音声信号に変換するマイクと、マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を検出する発話音量検出手段と、発話音量検出手段により検出された発話音量のうち、通話開始時の第1の発話音量と現在の第2の発話音量とを比較する比較手段と、比較手段の比較結果に応じて、受信音声出力手段の利得を制御する制御信号を出力することで、発音手段で発音される受話音量を制御する受話音量制御手段とを有し、受話音量制御手段は、比較手段により第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも小さい比較結果が入力されたときは、受話音量を現在より小さくする制御信号を出力し、比較手段により第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも大きい比較結果が入力されたときは、受話音量を現在より大きくする制御信号を出力する構成としたものである。
【0013】
この発明では、通話開始後に検出された第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも小さい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が大きいと判断して声をひそめたものとみなして、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、逆に第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも大きい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が小さいために発話音量を大きくしたとみなして、受話音量を現在より大きく制御する。これにより、発話音量の変動から受話音量を最適に制御することができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の無線端末は、相手端末と音声無線通信を行う無線端末において、相手端末から受信した受話音声信号を制御信号に応じた利得で出力する受信音声出力手段と、受信音声出力手段により出力された受話音声信号を発音する発音手段と、入力された発話音声を発話音声信号に変換するマイクと、マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を所定期間毎に検出する発話音量検出手段と、発話音量検出手段により検出された発話音量のうち、直前に検出された第1の発話音量と現在検出された第2の発話音量とを比較する比較手段と、比較手段の比較結果に応じて、受信音声出力手段の利得を制御する制御信号を出力することで、発音手段で発音される受話音量を制御する受話音量制御手段とを有し、受話音量制御手段は、比較手段により第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも小さい比較結果が入力されたときは、受話音量を現在より小さくする制御信号を出力し、比較手段により第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも大きい比較結果が入力されたときは、受話音量を現在より大きくする制御信号を出力する構成としたものである。
【0015】
この発明では、現在検出された第2の発話音量の方が直前に検出された第1の発話音量よりも小さい比較結果が入力されたときは、直前の受話音量が大きいためにユーザーの発話音量が小さくなったと判断して、受話音量を現在より小さく制御し、第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも大きい比較結果が入力されたときは、直前の受話音量が小さいためにユーザーの発話音量が大きくなったと判断して、受話音量を現在より大きく制御するようにしたため、発話音量の変動から受話音量を最適に制御することができる。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の無線端末の受話音量調節方法は、相手端末と音声無線通信を行う無線端末の受話音量調節方法において、マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を検出する第1のステップと、第1のステップにより検出された発話音量のうち、通話開始時の発話音量をメモリに閾値として記憶する第2のステップと、通話開始後に第1のステップにより検出された発話音量と、メモリから読み出した閾値とを比較する第3のステップと、通話開始後に第1のステップにより検出された発話音量の方が閾値よりも小さい比較結果が得られたときは、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、発話音量の方が閾値よりも大きい比較結果が得られたときは、受話音量を現在より大きく制御する第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
この発明では、通話開始後に検出された発話音量の方が、通話開始時の発話音量である閾値よりも小さい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が大きいと判断して声をひそめたものとみなして、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、逆に通話開始後の発話音量の方が閾値よりも大きい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が小さいために発話音量を大きくしたとみなして、受話音量を現在より大きく制御するようにしたため、発話音量の変動から受話音量を最適に制御することができる。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の無線端末の受話音量調節方法は、マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を所定期間毎に検出する第1のステップと、第1のステップにより検出された発話音量をメモリに更新記憶する第2のステップと、メモリから読み出した直前の発話音量のデータを第1の発話音量データとし、発話音量検出手段により検出されてメモリに供給される発話音量のデータを現在の第2の発話音量データとして比較して比較結果を出力する第3のステップと、第2の発話音量データの方が第1の発話音量データよりも小さい比較結果が得られたときは、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、第2の発話音量データの方が第1の音量データよりも大きい比較結果が得られたときは、受話音量を現在より大きく制御する第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図2は本発明になる無線端末の無線端末の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、本実施の形態の要部を構成する発話音量比較回路10は、発話(送話)音声を検出する発話音声検出回路11と、検出した発話音声の音量を検出する発話音量検出回路12と、通話開始時の発話音量(送話音量)を記録するメモリ13と、発話音量を記録した回数を記録するカウンタ14と、さらに時々刻々変化する通話中の発話音量とメモリ13に記録した発話音量を比較する比較回路15とから構成されている。
【0020】
発話音声検出回路11は、マイク21から出力された音声信号のうち、周囲の雑音をカットすることで、ユーザーの発話音声信号のみを検出する回路である。発話音量検出回路12は、発話音声検出回路11で検出されたユーザーの発話音声信号から音量を割り出し、音量データをメモリ13に記録する回路である。メモリ13に記録する音量データが、通話開始時のものであるか通話中のものであるかはカウンタ14のカウント値を参照することで判断する。
【0021】
通話開始時にカウンタ14はカウント値が「0」になっており、通話が始まり最初に発話音量データをメモリ13に記録する段階でカウンタ14に「1」がセットされる。その後、発話音量検出回路12からメモリ13に発話音量データを記録する際、カウンタ14の値が「1」であれば通話途中の発話音量データと判断し、メモリ13への記録は行わず、発話音量データは比較回路15へ送られる。カウンタ14のカウント値は通話終了とともにリセットされる。
【0022】
比較回路15は、発話音量検出回路12から送られる現在の発話音量データと、通話開始時にメモリ13に記録した通話開始時の発話音量データとを比較して、発話音量の大小比較結果を受話音量制御回路22へ送る回路である。受話音量制御回路22は、キーボード23から入力された情報をキー入力検出回路24で情報を処理し、受話音量の調節を行う。この音量調節方法は従来の携帯電話と同様である。
【0023】
本実施の形態では、この音量調節の方法に加え、更に発話音量比較回路102より得られた、マイク21の出力発話音声信号から検出される発話音量の変化から、ユーザーが聞き取っている受話音量に対し、主観的に大きいと感じているか小さいと感じているかを判断し、その結果から受話音量制御回路22で音量を調節するものである。
【0024】
また、受話音量制御回路22の出力信号は、信号無線回路25に供給される。無線通信装置27は最寄りの基地局との間でアンテナ26を介して無線通信する。無線通信装置27により基地局を介して受信された相手端末からの受話音声信号は、信号無線回路25を介してスピーカ28に供給され、受話音声として発音される。信号無線回路25は、受話音量制御回路22の出力制御信号により利得が制御される。
【0025】
次に、本実施の形態の動作について図3のフローチャートを併せ参照して説明する。相手端末との回線接続が行われ、相手端末と通話が開始されると(ステップS10)、マイク21に入力されたユーザーの発話音声がマイク21により電気信号である発話音声信号に変換されて発話音量比較回路10内の発話音声検出回路11に入力される(ステップS11)。
【0026】
発話音声検出回路11は、入力された発話音声信号から公知の方法で周囲の雑音を除去し(ステップS12)、ユーザーの発話音声のみを検出し(ステップS13)、検出した発話音声信号を発話音量検出回路12に供給する。発話音量検出回路12は入力された発話音声信号の包絡線レベルから発話音量データを検出し(ステップS14)、その後カウンタ14の値を参照し(ステップS15)、カウンタ14のカウント値が「0」であれば、その検出した発話音量データを通話開始時の発話音量としてメモリ13に記録することで、その後に続く発話音量を比較する閾値とすると共に、カウンタ14に「1」をセットする(ステップS16)。ここで、通話開始時の発話音声信号とは、ユーザーが最初に発話を始めてから発話が一定期間以上途切れるまでの時間間隔の発話音声信号のこととし、また発話音量データは検出期間の例えば平均音量データであるものとする。
【0027】
その後、同様にして、所定時間毎に発話音量検出回路12から発話音量データが出力されるときに、再びカウンタ14の値が「0」か「1」か判定され(ステップS15)、「1」であれば、その検出した発話音量データは通話途中の音量データと判断し、発話音量検出回路12は検出した発話音量データをメモリ13には記憶せず、比較回路15へ供給してメモリ13からの閾値と比較させる(ステップS17)。
【0028】
受話音量制御回路22は比較回路15からの比較結果を入力として受け、通話中の発話音量データが通話開始時の発話音量データである閾値に比べて小さい比較結果が入力されたときには、通話開始時の受話音量が大きいためにユーザーの発話音量が小さくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を小さくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも小さな値に制御する(ステップS18)。
【0029】
他方、受話音量制御回路22は通話中の発話音量データが通話開始時の発話音量データである閾値に比べて大きい比較結果が入力されたときには、上記とは逆に通話開始時の受話音量が小さいためにユーザーの発話音量が大きくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を大きくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも大きな値に制御する(ステップS19)。以上のアルゴリズムを通話終了まで繰り返し行う(ステップS20)。なお、ステップS17の比較において、発話音量と閾値が等しい時には、受話音量の制御はされず、現在の受話音量が維持される。
【0030】
このように、本実施の形態によれば、図1と共に説明したユーザーの癖を巧みに利用したアルゴリズムにより、発話音量の変動から受話音量を最適に自動制御するようにしたため、手作業をすることなくユーザー個々に適した受話音量に自動的に設定することができる。また、本実施の形態は、周囲雑音により相手の声が聞き取り難い場合にも有効である。
【0031】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。図4は本発明の他の実施の形態のフローチャートを示す。同図中、図3と同一処理ステップには同一符号を付し、その説明を省略する。上記の実施の形態では、通話開始の発話音量を閾値としてその後に続く発話音量の変化から受話音量を調節するようにしたが、本実施の形態では閾値の設定を直前の発話音量とするものである。
【0032】
図4において、図3の実施の形態と同様にして発話音量検出回路12で発話音量が検出される(ステップS14)と、本実施の形態では、図3の実施の形態のように、メモリに通話開始時の発話音量を閾値として定め、以後閾値を変更することなく処理を繰り返すのではなく、所定期間毎に検出した発話音量データ(例えば平均値)を比較回路15に供給すると共に、その都度メモリ13に記憶されている発話音量データを読み出した後、現在の発話音量データをメモリ13に更新記憶する(ステップS21)。
【0033】
比較回路15は発話音量検出回路12から出力される現在の発話音量データと、メモリ13に記憶されている直前の検出期間の発話音量データとを比較し、その比較結果を受話音量制御回路22に供給する(ステップS22)。なお、上記の比較後にメモリ13には発話音量検出回路12から比較回路15に供給した現在の発話音量データが、次に比較される直前の発話音量データとして記憶される。
【0034】
受話音量制御回路22は、比較回路15での比較の結果、現在の発話音量データが直前の発話音量データに比べて小さい比較結果が入力されたときには、直前の受話音量が大きいためにユーザーの発話音量が小さくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を小さくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも小さな値に制御する(ステップS23)。
【0035】
逆に、受話音量制御回路22は、比較回路15での比較の結果、現在の発話音量データが直前の発話音量データに比べて大きい比較結果が入力されたときには、直前の受話音量が小さいためにユーザーの発話音量が大きくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を大きくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも大きな値に制御する(ステップS24)。以上のアルゴリズムを通話終了まで繰り返し行う(ステップS25)。なお、ステップS22の比較において、現在と直前の両発話音量が等しい時には、受話音量の制御はされず、現在の受話音量が維持される。
【0036】
このように、本実施の形態によれば、通話中の発話音量を常に記録していき直前の発話音量と現在の発話音量をその都度比較し、急激な音量変化に対して受話音量を調整するようにしたため、仮に通話開始時の音量がそのユーザーの標準的な発話音量でなかったとしても、通話途中の発話音声の音量変化のみで、そのユーザーに適した受話音量に調節することが可能である。また、本実施の形態は、周囲の雑音の変動により相手の声が通話開始時より聞き取りにくくなった場合にも有効である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通話開始後に検出された発話音量の方が閾値よりも小さい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が大きいと判断して声をひそめたものとみなして、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、逆に発話音量の方が閾値よりも大きい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が小さいために発話音量を大きくしたとみなして、受話音量を現在より大きく制御するようにしたため、発話音量により受話音量を調節でき、よって通話中における受話音量の調節を行う際、手作業による操作を行わなくてよく、通話中の音量調節の負担を軽減できる。
【0038】
すなわち、従来の受話音量の調整方法はキー入力操作が必要であり、通話中に受話音量を変更したい場合、会話をしながら音量変更操作を行うことが困難なため一度会話を中断したり、場合によっては携帯電話に視線を移し操作を行わなければならなかったが、本発明では、受話音量の調節をするのに手作業の必要がないため、通話中においてもキーに手を触れたり、視線を移すなどのような通話姿勢を変える必要がなくなるためである。
【0039】
また、本発明によれば、ユーザーが無意識のうちに行う発話音量の変化を利用しているため、ユーザーが通話中の受話音量に不満があっても、音量を変更するということを特に意識する必要がなく、通話に集中できる。
【0040】
更に、本発明によれば、通話中の発話音量を常に記録していき直前の発話音量と現在の発話音量をその都度比較し、急激な音量変化に対して受話音量を調整するようにしたため、仮に通話開始時の音量がそのユーザーの標準的な発話音量でなかったとしても、通話途中の発話音声の音量変化のみで、そのユーザーに適した受話音量に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の原理を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態のブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【符号の説明】
10 発話音量比較回路
11 発話音声検出回路
12 発話音量検出回路
13 メモリ
14 カウンタ
15 比較回路
21 マイク
22 受話音量制御回路
23 キーボード
24 キー入力検出回路
25 信号無線回路
26 アンテナ
27 無線通信装置
28 スピーカ
【発明の属する技術分野】
本発明は無線端末及びその受話音量調節方法に係り、特に携帯電話等の音声無線通信可能な無線端末及びその受話音量調節方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の音声無線通信可能な無線端末としての代表的な携帯電話では、受話音量操作のためにキー入力が必要であるため、通話中に受話音量を変更するにはキー入力操作のために会話を一時中断しなければならない。また、従来は受話音量を変更する操作方法をよく理解していなかったり、面倒という理由から受話音量をそのままに大きな声で通話する人もよく見受けられる。
【0003】
そこで、従来、受話音量を自動調整できる無線端末も知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1には、周囲雑音の高周波数成分と低周波数成分との比較結果と受話音量との関係を予め受話音量設定テーブルとしてメモリに記憶しておき、通話時に上記の周囲雑音の高周波数成分と低周波数成分との比較結果で上記の受話音量設定テーブルを参照して、スピーカに供給する音声信号の増幅器の利得を決定することにより、受話音量を自動調整するようにした無線端末の構成が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、通話時のマイク出力音声信号を監視し、無音時のときのマイク出力音声信号から周囲雑音を検出し、その検出レベルに基づいて、スピーカに供給する音声信号の可変利得増幅器の利得を決定することにより、受話音量を自動調整するようにした無線端末の構成が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−149197号公報
【特許文献2】
特開平8−163227号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1記載の従来の無線端末では、通話用のマイクとは別に周囲雑音検出用のマイクと、周囲雑音検出回路を設ける必要があり、特に小型化が要求される携帯型の無線端末では、小型化が困難である。一方、特許文献2記載の従来の無線端末では、通話用のマイクからの音声信号の無音期間の信号から周囲雑音を検出するようにしているため、マイクは1個であり、小型化の実現は可能である。
【0007】
しかし、特許文献1及び特許文献2記載のいずれの従来の無線端末も、単に周囲雑音に応じて受話音量を調整するに過ぎず、ユーザー個々の発話音量や周囲雑音以外の通話時の状況を全く考慮しておらず、きめ細かな受話音量の自動調整ができないという問題がある。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、ユーザー個々の発話音量や周囲雑音以外の通話時の状況を考慮した、きめ細かな受話音量の自動調整が可能な無線端末及びその受話音量調節方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の他の目的は、手作業による特殊な操作を無くし、通話をしながら声の大きさの変化のみで受話音量が、ユーザーに適した音量に変えられる無線端末及びその受話音量調節方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は無線端末における図1のフローチャートに示す人間の特性を利用して構成したものである。すなわち、音声無線通信可能な無線端末が相手端末との間で通話を開始すると(ステップS1)、ユーザーは通常、自分に適した音量で会話を始める。その後、相手端末からの受話音声信号を受信して受話音量の大小を判定する(ステップS2)。
【0011】
ここで、ユーザーの主観により受話音量が小さいと判断すると(ステップS3)、相手にも自分の音声が良く伝わっていないかも知れないという不安から、発話音量を大きくする傾向がある(ステップS5)。逆に、受話音量が大きいと判断すると(ステップS4)、相手にも自分の音声が大きく伝わっているかも知れないという不安から、声をひそめる傾向がある(ステップS6)。
【0012】
そこで、本発明の無線端末では、人間のこのような癖を利用し、会話当初からの発話音量の変動から判断し、受話音量を変化させ、最終的にユーザーに適した受話音量に設定するものである。すなわち、第1の発明の無線端末は、相手端末と音声無線通信を行う無線端末において、相手端末から受信した受話音声信号を制御信号に応じた利得で出力する受信音声出力手段と、受信音声出力手段により出力された受話音声信号を発音する発音手段と、入力された発話音声を発話音声信号に変換するマイクと、マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を検出する発話音量検出手段と、発話音量検出手段により検出された発話音量のうち、通話開始時の第1の発話音量と現在の第2の発話音量とを比較する比較手段と、比較手段の比較結果に応じて、受信音声出力手段の利得を制御する制御信号を出力することで、発音手段で発音される受話音量を制御する受話音量制御手段とを有し、受話音量制御手段は、比較手段により第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも小さい比較結果が入力されたときは、受話音量を現在より小さくする制御信号を出力し、比較手段により第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも大きい比較結果が入力されたときは、受話音量を現在より大きくする制御信号を出力する構成としたものである。
【0013】
この発明では、通話開始後に検出された第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも小さい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が大きいと判断して声をひそめたものとみなして、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、逆に第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも大きい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が小さいために発話音量を大きくしたとみなして、受話音量を現在より大きく制御する。これにより、発話音量の変動から受話音量を最適に制御することができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の無線端末は、相手端末と音声無線通信を行う無線端末において、相手端末から受信した受話音声信号を制御信号に応じた利得で出力する受信音声出力手段と、受信音声出力手段により出力された受話音声信号を発音する発音手段と、入力された発話音声を発話音声信号に変換するマイクと、マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を所定期間毎に検出する発話音量検出手段と、発話音量検出手段により検出された発話音量のうち、直前に検出された第1の発話音量と現在検出された第2の発話音量とを比較する比較手段と、比較手段の比較結果に応じて、受信音声出力手段の利得を制御する制御信号を出力することで、発音手段で発音される受話音量を制御する受話音量制御手段とを有し、受話音量制御手段は、比較手段により第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも小さい比較結果が入力されたときは、受話音量を現在より小さくする制御信号を出力し、比較手段により第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも大きい比較結果が入力されたときは、受話音量を現在より大きくする制御信号を出力する構成としたものである。
【0015】
この発明では、現在検出された第2の発話音量の方が直前に検出された第1の発話音量よりも小さい比較結果が入力されたときは、直前の受話音量が大きいためにユーザーの発話音量が小さくなったと判断して、受話音量を現在より小さく制御し、第2の発話音量の方が第1の発話音量よりも大きい比較結果が入力されたときは、直前の受話音量が小さいためにユーザーの発話音量が大きくなったと判断して、受話音量を現在より大きく制御するようにしたため、発話音量の変動から受話音量を最適に制御することができる。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の無線端末の受話音量調節方法は、相手端末と音声無線通信を行う無線端末の受話音量調節方法において、マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を検出する第1のステップと、第1のステップにより検出された発話音量のうち、通話開始時の発話音量をメモリに閾値として記憶する第2のステップと、通話開始後に第1のステップにより検出された発話音量と、メモリから読み出した閾値とを比較する第3のステップと、通話開始後に第1のステップにより検出された発話音量の方が閾値よりも小さい比較結果が得られたときは、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、発話音量の方が閾値よりも大きい比較結果が得られたときは、受話音量を現在より大きく制御する第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
この発明では、通話開始後に検出された発話音量の方が、通話開始時の発話音量である閾値よりも小さい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が大きいと判断して声をひそめたものとみなして、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、逆に通話開始後の発話音量の方が閾値よりも大きい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が小さいために発話音量を大きくしたとみなして、受話音量を現在より大きく制御するようにしたため、発話音量の変動から受話音量を最適に制御することができる。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の無線端末の受話音量調節方法は、マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を所定期間毎に検出する第1のステップと、第1のステップにより検出された発話音量をメモリに更新記憶する第2のステップと、メモリから読み出した直前の発話音量のデータを第1の発話音量データとし、発話音量検出手段により検出されてメモリに供給される発話音量のデータを現在の第2の発話音量データとして比較して比較結果を出力する第3のステップと、第2の発話音量データの方が第1の発話音量データよりも小さい比較結果が得られたときは、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、第2の発話音量データの方が第1の音量データよりも大きい比較結果が得られたときは、受話音量を現在より大きく制御する第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図2は本発明になる無線端末の無線端末の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、本実施の形態の要部を構成する発話音量比較回路10は、発話(送話)音声を検出する発話音声検出回路11と、検出した発話音声の音量を検出する発話音量検出回路12と、通話開始時の発話音量(送話音量)を記録するメモリ13と、発話音量を記録した回数を記録するカウンタ14と、さらに時々刻々変化する通話中の発話音量とメモリ13に記録した発話音量を比較する比較回路15とから構成されている。
【0020】
発話音声検出回路11は、マイク21から出力された音声信号のうち、周囲の雑音をカットすることで、ユーザーの発話音声信号のみを検出する回路である。発話音量検出回路12は、発話音声検出回路11で検出されたユーザーの発話音声信号から音量を割り出し、音量データをメモリ13に記録する回路である。メモリ13に記録する音量データが、通話開始時のものであるか通話中のものであるかはカウンタ14のカウント値を参照することで判断する。
【0021】
通話開始時にカウンタ14はカウント値が「0」になっており、通話が始まり最初に発話音量データをメモリ13に記録する段階でカウンタ14に「1」がセットされる。その後、発話音量検出回路12からメモリ13に発話音量データを記録する際、カウンタ14の値が「1」であれば通話途中の発話音量データと判断し、メモリ13への記録は行わず、発話音量データは比較回路15へ送られる。カウンタ14のカウント値は通話終了とともにリセットされる。
【0022】
比較回路15は、発話音量検出回路12から送られる現在の発話音量データと、通話開始時にメモリ13に記録した通話開始時の発話音量データとを比較して、発話音量の大小比較結果を受話音量制御回路22へ送る回路である。受話音量制御回路22は、キーボード23から入力された情報をキー入力検出回路24で情報を処理し、受話音量の調節を行う。この音量調節方法は従来の携帯電話と同様である。
【0023】
本実施の形態では、この音量調節の方法に加え、更に発話音量比較回路102より得られた、マイク21の出力発話音声信号から検出される発話音量の変化から、ユーザーが聞き取っている受話音量に対し、主観的に大きいと感じているか小さいと感じているかを判断し、その結果から受話音量制御回路22で音量を調節するものである。
【0024】
また、受話音量制御回路22の出力信号は、信号無線回路25に供給される。無線通信装置27は最寄りの基地局との間でアンテナ26を介して無線通信する。無線通信装置27により基地局を介して受信された相手端末からの受話音声信号は、信号無線回路25を介してスピーカ28に供給され、受話音声として発音される。信号無線回路25は、受話音量制御回路22の出力制御信号により利得が制御される。
【0025】
次に、本実施の形態の動作について図3のフローチャートを併せ参照して説明する。相手端末との回線接続が行われ、相手端末と通話が開始されると(ステップS10)、マイク21に入力されたユーザーの発話音声がマイク21により電気信号である発話音声信号に変換されて発話音量比較回路10内の発話音声検出回路11に入力される(ステップS11)。
【0026】
発話音声検出回路11は、入力された発話音声信号から公知の方法で周囲の雑音を除去し(ステップS12)、ユーザーの発話音声のみを検出し(ステップS13)、検出した発話音声信号を発話音量検出回路12に供給する。発話音量検出回路12は入力された発話音声信号の包絡線レベルから発話音量データを検出し(ステップS14)、その後カウンタ14の値を参照し(ステップS15)、カウンタ14のカウント値が「0」であれば、その検出した発話音量データを通話開始時の発話音量としてメモリ13に記録することで、その後に続く発話音量を比較する閾値とすると共に、カウンタ14に「1」をセットする(ステップS16)。ここで、通話開始時の発話音声信号とは、ユーザーが最初に発話を始めてから発話が一定期間以上途切れるまでの時間間隔の発話音声信号のこととし、また発話音量データは検出期間の例えば平均音量データであるものとする。
【0027】
その後、同様にして、所定時間毎に発話音量検出回路12から発話音量データが出力されるときに、再びカウンタ14の値が「0」か「1」か判定され(ステップS15)、「1」であれば、その検出した発話音量データは通話途中の音量データと判断し、発話音量検出回路12は検出した発話音量データをメモリ13には記憶せず、比較回路15へ供給してメモリ13からの閾値と比較させる(ステップS17)。
【0028】
受話音量制御回路22は比較回路15からの比較結果を入力として受け、通話中の発話音量データが通話開始時の発話音量データである閾値に比べて小さい比較結果が入力されたときには、通話開始時の受話音量が大きいためにユーザーの発話音量が小さくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を小さくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも小さな値に制御する(ステップS18)。
【0029】
他方、受話音量制御回路22は通話中の発話音量データが通話開始時の発話音量データである閾値に比べて大きい比較結果が入力されたときには、上記とは逆に通話開始時の受話音量が小さいためにユーザーの発話音量が大きくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を大きくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも大きな値に制御する(ステップS19)。以上のアルゴリズムを通話終了まで繰り返し行う(ステップS20)。なお、ステップS17の比較において、発話音量と閾値が等しい時には、受話音量の制御はされず、現在の受話音量が維持される。
【0030】
このように、本実施の形態によれば、図1と共に説明したユーザーの癖を巧みに利用したアルゴリズムにより、発話音量の変動から受話音量を最適に自動制御するようにしたため、手作業をすることなくユーザー個々に適した受話音量に自動的に設定することができる。また、本実施の形態は、周囲雑音により相手の声が聞き取り難い場合にも有効である。
【0031】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。図4は本発明の他の実施の形態のフローチャートを示す。同図中、図3と同一処理ステップには同一符号を付し、その説明を省略する。上記の実施の形態では、通話開始の発話音量を閾値としてその後に続く発話音量の変化から受話音量を調節するようにしたが、本実施の形態では閾値の設定を直前の発話音量とするものである。
【0032】
図4において、図3の実施の形態と同様にして発話音量検出回路12で発話音量が検出される(ステップS14)と、本実施の形態では、図3の実施の形態のように、メモリに通話開始時の発話音量を閾値として定め、以後閾値を変更することなく処理を繰り返すのではなく、所定期間毎に検出した発話音量データ(例えば平均値)を比較回路15に供給すると共に、その都度メモリ13に記憶されている発話音量データを読み出した後、現在の発話音量データをメモリ13に更新記憶する(ステップS21)。
【0033】
比較回路15は発話音量検出回路12から出力される現在の発話音量データと、メモリ13に記憶されている直前の検出期間の発話音量データとを比較し、その比較結果を受話音量制御回路22に供給する(ステップS22)。なお、上記の比較後にメモリ13には発話音量検出回路12から比較回路15に供給した現在の発話音量データが、次に比較される直前の発話音量データとして記憶される。
【0034】
受話音量制御回路22は、比較回路15での比較の結果、現在の発話音量データが直前の発話音量データに比べて小さい比較結果が入力されたときには、直前の受話音量が大きいためにユーザーの発話音量が小さくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を小さくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも小さな値に制御する(ステップS23)。
【0035】
逆に、受話音量制御回路22は、比較回路15での比較の結果、現在の発話音量データが直前の発話音量データに比べて大きい比較結果が入力されたときには、直前の受話音量が小さいためにユーザーの発話音量が大きくなったと判断して、スピーカ28から出力される受話音声の音量を大きくするように、信号無線回路25の利得を現在の値よりも大きな値に制御する(ステップS24)。以上のアルゴリズムを通話終了まで繰り返し行う(ステップS25)。なお、ステップS22の比較において、現在と直前の両発話音量が等しい時には、受話音量の制御はされず、現在の受話音量が維持される。
【0036】
このように、本実施の形態によれば、通話中の発話音量を常に記録していき直前の発話音量と現在の発話音量をその都度比較し、急激な音量変化に対して受話音量を調整するようにしたため、仮に通話開始時の音量がそのユーザーの標準的な発話音量でなかったとしても、通話途中の発話音声の音量変化のみで、そのユーザーに適した受話音量に調節することが可能である。また、本実施の形態は、周囲の雑音の変動により相手の声が通話開始時より聞き取りにくくなった場合にも有効である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通話開始後に検出された発話音量の方が閾値よりも小さい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が大きいと判断して声をひそめたものとみなして、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、逆に発話音量の方が閾値よりも大きい比較結果が得られたときは、ユーザーが受話音量が小さいために発話音量を大きくしたとみなして、受話音量を現在より大きく制御するようにしたため、発話音量により受話音量を調節でき、よって通話中における受話音量の調節を行う際、手作業による操作を行わなくてよく、通話中の音量調節の負担を軽減できる。
【0038】
すなわち、従来の受話音量の調整方法はキー入力操作が必要であり、通話中に受話音量を変更したい場合、会話をしながら音量変更操作を行うことが困難なため一度会話を中断したり、場合によっては携帯電話に視線を移し操作を行わなければならなかったが、本発明では、受話音量の調節をするのに手作業の必要がないため、通話中においてもキーに手を触れたり、視線を移すなどのような通話姿勢を変える必要がなくなるためである。
【0039】
また、本発明によれば、ユーザーが無意識のうちに行う発話音量の変化を利用しているため、ユーザーが通話中の受話音量に不満があっても、音量を変更するということを特に意識する必要がなく、通話に集中できる。
【0040】
更に、本発明によれば、通話中の発話音量を常に記録していき直前の発話音量と現在の発話音量をその都度比較し、急激な音量変化に対して受話音量を調整するようにしたため、仮に通話開始時の音量がそのユーザーの標準的な発話音量でなかったとしても、通話途中の発話音声の音量変化のみで、そのユーザーに適した受話音量に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の原理を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態のブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【符号の説明】
10 発話音量比較回路
11 発話音声検出回路
12 発話音量検出回路
13 メモリ
14 カウンタ
15 比較回路
21 マイク
22 受話音量制御回路
23 キーボード
24 キー入力検出回路
25 信号無線回路
26 アンテナ
27 無線通信装置
28 スピーカ
Claims (7)
- 相手端末と音声無線通信を行う無線端末において、
前記相手端末から受信した受話音声信号を制御信号に応じた利得で出力する受信音声出力手段と、
前記受信音声出力手段により出力された受話音声信号を発音する発音手段と、
入力された発話音声を発話音声信号に変換するマイクと、
前記マイクから取り出された前記発話音声信号から発話音量を検出する発話音量検出手段と、
前記発話音量検出手段により検出された前記発話音量のうち、通話開始時の第1の発話音量と現在の第2の発話音量とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて、前記受信音声出力手段の利得を制御する前記制御信号を出力することで、前記発音手段で発音される受話音量を制御する受話音量制御手段と
を有し、前記受話音量制御手段は、前記比較手段により前記第2の発話音量の方が前記第1の発話音量よりも小さい比較結果が入力されたときは、前記受話音量を現在より小さくする制御信号を出力し、前記比較手段により前記第2の発話音量の方が前記第1の発話音量よりも大きい比較結果が入力されたときは、前記受話音量を現在より大きくする制御信号を出力することを特徴とする無線端末。 - 前記比較手段は、前記発話音量検出手段により通話開始時に検出された前記第1の発話音量のデータを格納するメモリと、前記発話音量検出手段により通話開始時にのみ所定値に値が設定されるカウンタと、前記カウンタの値が前記所定値でないときに、前記メモリから読み出した前記第1の発話音量のデータと、前記発話音量検出手段により検出された前記第2の発話音量のデータとを比較して前記比較結果を出力する比較回路とよりなることを特徴とする請求項1記載の無線端末。
- 前記発話音量検出手段は、最初に発話を開始してからその発話が一定期間以上途切れるまでの期間の、前記発話音量の平均値を前記通話開始時の第1の発話音量として検出し、前記第1の発話音量検出後は所定期間毎の発話音量の平均値を前記第2の発話音量として検出することを特徴とする請求項1又は2記載の無線端末。
- 相手端末と音声無線通信を行う無線端末において、
前記相手端末から受信した受話音声信号を制御信号に応じた利得で出力する受信音声出力手段と、
前記受信音声出力手段により出力された受話音声信号を発音する発音手段と、
入力された発話音声を発話音声信号に変換するマイクと、
前記マイクから取り出された前記発話音声信号から発話音量を所定期間毎に検出する発話音量検出手段と、
前記発話音量検出手段により検出された前記発話音量のうち、直前に検出された第1の発話音量と現在検出された第2の発話音量とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて、前記受信音声出力手段の利得を制御する前記制御信号を出力することで、前記発音手段で発音される受話音量を制御する受話音量制御手段と
を有し、前記受話音量制御手段は、前記比較手段により前記第2の発話音量の方が前記第1の発話音量よりも小さい比較結果が入力されたときは、前記受話音量を現在より小さくする制御信号を出力し、前記比較手段により前記第2の発話音量の方が前記第1の発話音量よりも大きい比較結果が入力されたときは、前記受話音量を現在より大きくする制御信号を出力することを特徴とする無線端末。 - 前記比較手段は、前記発話音量検出手段により前記所定期間毎に検出される発話音量のデータを更新記憶するメモリと、前記メモリから読み出した発話音量のデータを前記第1の発話音量データとし、前記発話音量検出手段により検出されて前記メモリに供給される前記発話音量のデータを前記第2の発話音量データとして比較して前記比較結果を出力する比較回路とよりなることを特徴とする請求項4記載の無線端末。
- 相手端末と音声無線通信を行う無線端末の受話音量調節方法において、
マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を検出する第1のステップと、
前記第1のステップにより検出された前記発話音量のうち、通話開始時の発話音量をメモリに閾値として記憶する第2のステップと、
通話開始後に前記第1のステップにより検出された前記発話音量と、前記メモリから読み出した前記閾値とを比較する第3のステップと、
通話開始後に前記第1のステップにより検出された前記発話音量の方が前記閾値よりも小さい比較結果が得られたときは、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、前記発話音量の方が前記閾値よりも大きい比較結果が得られたときは、前記受話音量を現在より大きく制御する第4のステップと
を含むことを特徴とする無線端末の受話音量調節方法。 - 相手端末と音声無線通信を行う無線端末の受話音量調節方法において、
マイクから取り出された発話音声信号から発話音量を所定期間毎に検出する第1のステップと、
前記第1のステップにより検出された前記発話音量をメモリに更新記憶する第2のステップと、
前記メモリから読み出した直前の発話音量のデータを第1の発話音量データとし、前記発話音量検出手段により検出されて前記メモリに供給される前記発話音量のデータを現在の第2の発話音量データとして比較して前記比較結果を出力する第3のステップと、
前記第2の発話音量データの方が前記第1の発話音量データよりも小さい比較結果が得られたときは、相手端末から受信した受話音声信号による受話音量を現在より小さく制御し、前記第2の発話音量データの方が前記第1の音量データよりも大きい比較結果が得られたときは、前記受話音量を現在より大きく制御する第4のステップと
を含むことを特徴とする無線端末の受話音量調節方法。
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