JP2004241672A - 磁気記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子サイズ縮小化に伴い、磁気抵抗効果型の記憶素子の記憶層の保磁力を大きくするとともに、消費電流の低減を図る。
【解決手段】第1配線11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線12と、第1配線11と第2配線12との交差領域に第2配線と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子13とを備えた磁気記憶装置において、第1配線11の両側面および記憶素子13側とは反対側の面に高透磁率層からなる第1磁性体層21を、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成し、かつ第1磁性体層21の突出した部分より記憶素子13方向に記憶素子13と間隔を置いて高透磁率材料からなる第1延長部分22を形成し、同様に第2配線12に対しても高透磁率層からなる第2磁性体層24および第2延長部分25を形成したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】第1配線11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線12と、第1配線11と第2配線12との交差領域に第2配線と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子13とを備えた磁気記憶装置において、第1配線11の両側面および記憶素子13側とは反対側の面に高透磁率層からなる第1磁性体層21を、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成し、かつ第1磁性体層21の突出した部分より記憶素子13方向に記憶素子13と間隔を置いて高透磁率材料からなる第1延長部分22を形成し、同様に第2配線12に対しても高透磁率層からなる第2磁性体層24および第2延長部分25を形成したものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記憶装置に関し、詳しくは強磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して情報を記憶する不揮発性の磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報通信機器、特に携帯端末などの個人用小型機器の飛躍的な普及にともない、これを構成するメモリ素子やロジック素子等の素子には、高集積化、高速化、低消費電力化など、一層の高性能化が要求されている。特に不揮発性メモリはユビキタス時代に必要不可欠の素子と考えられている。
【0003】
例えば、電源の消耗やトラブル、サーバーとネットワークが何らかの障害により切断された場合であっても、不揮発性メモリは個人の重要な情報を保護することができる。そして、不揮発性メモリの高密度化、大容量化は、可動部分の存在により本質的に小型化が不可能なハードディスクや光ディスクを置き換える技術としてますます重要になってきている。
【0004】
また、最近の携帯機器は不要な回路ブロックをスタンバイ状態にしてでき得る限り消費電力を抑えようと設計されているが、高速ネットワークメモリと大容量ストレージメモリを兼ねることができる不揮発性メモリが実現できれば、消費電力とメモリとの無駄を無くすことができる。また、電源を入れると瞬時に起動できる、いわゆるインスタント・オン機能も高速の大容量不揮発性メモリが実現できれば可能になってくる。
【0005】
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory)などがあげられる。しかしながら、フラッシュメモリは、書き込み速度がμ秒の桁であるため遅いという欠点がある。また構造が複雑なために高集積化が困難であり、しかも、アクセス時間が100ns程度と遅いという欠点がある。一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が1012〜1014回で、完全にスタティックランダムアクセスメモリやダイナミックランダムアクセスメモリに置き換えるには耐久性が低いという問題が指摘されている。また、強誘電体キャパシタの微細加工が難しいという課題も指摘されている。
【0006】
これらの欠点を有さない不揮発性メモリとして注目されているのが、MRAM(Magnetic Random Access Memory)もしくはMR(Magneto Resistance)メモリと呼ばれる、強磁性トンネル結合(MTJ)が室温で大きな磁気抵抗比(MR比)を持つことを利用した磁気メモリであり、近年のトンネル磁気抵抗効果素子(以下、TMR:という、TMRはTunnel Magnetic Resistanceの略)材料の特性向上により注目を集めるようになってきている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
MTJ構造の基本構造は2つの強磁性層の間に絶縁層を挟んだ構造で、一方の強磁性層(固定層)の磁化方向を固定し、もう一方の強磁性層(自由層)の磁化の方向が平行または反平行となることで、抵抗が大きく変化する。このような磁化の平行、反平行状態で2つの情報を記憶でき、また磁化の状態によるTMR素子の抵抗変化を利用してセルデータを読み出すことができる。書き込みは配線に流れる電流によって発生する磁界により、この自由層の磁化の向きを反転させることにより行われる。具体的には書き込みワード線とビット線により、発生する合成磁界(アステロイド曲線で表される)によって行われる。
【0008】
MRAMは、構造が単純であるため高集積化が容易であり、また磁気モーメントの回転により記憶を行うために、書き換え回数が大であると予測されている。またアクセス時間についても、非常に高速であることが予想され、既に100MHzで動作可能であることが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。また、TMR効果により高出力が得られるようになった現在では、大きく改善されてきている。
【0009】
また、MRAMには、構造上の本質的な課題が存在する。MRAMにおける記憶は、配線に電流を流すことによって発生する電流磁場によって記憶層の磁化を回転させることで行っている。ところが、高集積化によって、配線が細くなるにともない、書き込み線に流すことができる臨界電流値が下がるため、得られる磁界が小さくなり、被記憶領域の保磁力を小さくせざるを得ない。これは、情報記憶装置の信頼性が低下することを意味する。また、磁界は光や電子線のように絞ることができないため、高集積化した場合にはクロストークの大きな原因になると考えられる。これを防止するためにキーパ構造等も提案されているが、構造の複雑化は避けられない。以上のように、電流磁場による書き込みには本質的に多くの課題があり、電流磁場による書き込みが将来のMRAMにおける大きな欠点になる恐れがある。
【0010】
上述の通り、高速化・高集積化が容易という長所を有するMRAMではあるが、書き込みは、TMR素子に近接させて設けられたビット線と書き込み用ワード線に電流を流し、その発生磁界によって行う。TMR素子の記憶層(記憶層)の反転磁界は材料にもよるが、1.58kA/m〜15.8kA/m(20Oe〜200Oe)が必要であり、このときの電流は数十mAになる。これは消費電流の増大につながり、素子の低寿命化、発熱、消費電力の増加という半導体素子にとってはデメリットとなることが多い。
【0011】
例えば、図7に示すように、書き込みワード線111とこれに直交するビット線112とを設け、その交差領域に記憶素子(例えばTMR素子)113を設けた構造(例えば、特許文献1)では、磁化反転させるのに要する電流が上述のように大きくなってしまう。
【0012】
この消費電流が増大する問題を解決するために、書き込みワード線およびビット線の周りを高透磁率磁性体からなる磁性層でシールドして、電流が発生する磁束を集中させる構造(以下、クラッド構造という)が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0013】
図8に磁性体層により形成されるクラッド構造を用いたMRAMの一部を簡略化した図を示す。図8に示すように、ワード線111の周りに対して、磁気抵抗効果型の記憶素子(例えばTMR素子)113側の面以外を高透磁率材料からなる第1磁性体層(フラックスガイド)116で覆い磁束を記憶素子113に集中させるようにしている。同様に、ビット線112の周りに対して、記憶素子113側の面以外を高透磁率材料からなる第2磁性体層(フラックスガイド)117で覆い磁束を記憶素子113に集中させるようにしている。このような構造を採ることで消費電流をほぼ半減できる。
【0014】
さらに、上記第1磁性体層116の側壁部分を第1配線111の記憶素子113側の面よりも記憶素子113側に延長させた構成、および上記第2磁性体層117の側壁部分を第2配線112の記憶素子113側の面よりも記憶素子113側に延長させた構成が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0015】
また、高集積化という面からは、ビット線と書き込みワード線のサイズはリソグラフィ技術から決まる最小線幅に近いサイズが要求される。書き込み電流値が高くなると、エレクトロマイグレーション等の配線の信頼性が課題になる。この課題を解決するためには銅配線を用いることが有効であると考えられる。
【0016】
【特許文献1】
特開平11−317071号公報(第6−7頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開2002−246566号公報(第4頁、図6)
【特許文献3】
特願2002−085095号明細書(第22−24頁および第35−36頁、図1および図13)
【非特許文献1】
Wang et al., IEEE Trans. Magn. 33 (1997) p4498−4512
【非特許文献2】
R.Scheuerlein et al, ISSCC Digest of Papers (Feb.2000) p128−129
【非特許文献3】
Mattson et al., Phys. Rev. Lett. 77(1993) p.185
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、今後のサイズ縮小化に伴い、TMR素子の自由層の保磁力を大きくする必要があり、そのため、自由層の磁化反転をさせるのに必要な発生磁界が増大し、その結果、消費電流が増加する。したがって、さらに消費電流を低減する方法が必要となる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた磁気記憶装置である。
【0019】
本発明の磁気記憶装置は、第1配線と、前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との交差領域に前記第2配線と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子とを備えた磁気記憶装置において、前記第1配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる第1磁性体層が形成され、前記第1磁性体層は、前記第1配線側壁に形成された部分が前記第1配線よりも前記記憶素子側に突き出した状態に形成され、前記第1磁性体層の突出した部分より前記記憶素子方向に高透磁率材料からなる第1延長部分が形成され、前記第2配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる第2磁性体層が形成され、前記第2磁性体層は、前記第2配線側壁に形成された部分が前記第2配線よりも前記記憶素子側に突き出した状態に形成され、前記第2磁性体層の突出した部分より前記記憶素子方向に前記第1磁性体層と間隔を置いて高透磁率材料からなる第2延長部分が形成されているものである。また、第1延長部分もしくは第2延長部分のいずれか一方が形成されたものである。
【0020】
上記磁気記憶装置では、第1磁性体層は、第1配線側壁に形成された部分が第1配線よりも記憶素子側に突き出した状態に形成され、第1磁性体層の突出した部分より記憶素子方向に延長形成されていることから、記憶素子に第1配線で発生させた電流磁界を集中させることが容易になり、書き込み電流が大幅に低減できる。また本発明の構成では、従来の技術の前記図8で説明した構成のものよりも約2倍の磁束集中効果が望める。また、第2磁性体層は、第2配線側壁に形成された部分が第2配線よりも記憶素子側に突き出した状態に形成され、第2磁性体層の突出した部分より記憶素子方向に第1磁性体層と間隔を置いて延長形成されていることから、上記第1磁性体層と同様なる作用・効果が得られる。また、第2磁性体層は第1磁性体層と間隔をおいて形成されることから、第1配線と第2配線とが短絡することはない。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を、図1の部分破砕斜視断面図によって説明する。
【0022】
図1に示すように、第1配線(書き込みワード線)11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線(ビット線)12とが設けられている。第1配線11と第2配線12との交差領域には第2配線12と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子13が備えられている。本実施の形態では、記憶素子13は、選択用半導体素子14を介して第1配線11上に形成されていて、第2配線12側で第2配線12に電気的に接続されている。
【0023】
上記第1配線11の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第1配線11の下面)には、高透磁率層からなる第1磁性体層21が形成されている。この第1磁性体層21は、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11上面よりも記憶素子13側、すなわち上方に突き出した状態に形成され、かつ第1磁性体層21の突出した部分は、その一部が記憶素子13方向に延長形成されている。この第1延長部分22は、記憶素子13、後述する第2磁性体層24、延長部分25に接続することなく形成されている。以下、第1磁性体層21と第1延長部分22とを併せて第1フラックスガイドという。
【0024】
上記第2配線12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第2配線12の下面)には、高透磁率層からなる第2磁性体層24が形成されている。この第2磁性体層24は、第2配線12側壁に形成された部分が第2配線12上面よりも記憶素子13側、すなわち下方に突き出した状態に形成され、かつ第2磁性体層24の突出した部分は、その一部が記憶素子13方向に延長形成されている。この延長形成されている第2延長部分25は、記憶素子13や前述する第1磁性体層21に接続することなく形成されている。以下、第2磁性体層24と第2延長部分25とを併せて第2フラックスガイドという。
【0025】
上記磁気記憶装置1では、第1磁性体層21は、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成され、第1磁性体層21の突出した部分より記憶素子13方向に第1延長部分22が形成されていることから、記憶素子13に第1配線11で発生させた電流磁界を集中させることが容易になり、書き込み電流が大幅に低減できる。また本発明の構成では、従来の技術の前記図8で説明した構成のものよりも約2倍の磁束集中効果が望める。また、第2磁性体層24は、第2配線12側壁に形成された部分が第2配線12よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成され、第2磁性体層24の突出した部分より記憶素子13方向に第1磁性体層21と間隔を置いて第2延長部分25が形成されていることから、上記第1磁性体層21と同様なる作用・効果が得られる。また、第2磁性体層24は第1磁性体層21と間隔をおいて形成されることから、第1配線11と第2配線12とが短絡することはない。
【0026】
上記第1磁性体層21および上記第2磁性体層24は、例えば軟磁性体で形成される。軟磁性体としては、ニッケル鉄(NiFe)合金またはニッケル鉄合金に第3元素として、例えばタンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、コバルト(Co)、クロム(Cr)等を添加した合金、さらに少なくとも前記2種以上を添加した合金(NiFeMoCu、NiFeCoMo等)、鉄アルミニウム(FeAl)合金、フェライト合金、コバルト(Co)系アモルファス合金、窒化鉄(FeN)系微結晶合金、窒化コバルト(CoN)系微結晶合金等を用いることができる。
【0027】
次に、上記記憶素子13の一例を説明する。上記記憶素子13は、磁化固定層302、トンネル絶縁層303、記憶層(自由層ともいう)304、さらに導電性を有する保護層(キャップ層ということもある)313を順に積層して構成されている。そして、記憶層304の磁化方向が記憶素子13の長手方向となるように、かつアスペクト比が2〜3となるように形成されている。これによりスイッチングばらつきを抑制することができる。磁化固定層302は、強磁性体層の単層構造であってもよく、もしくは2層以上の強磁性体層を、導電体層を挟んで積層させた構造であってもよい。また、TMR素子と反強磁性層(図示せず)を介して直列に接続される選択用半導体素子14との接続に、下地導電層(図示せず)を形成することも可能である。また、下地導電層を反強磁性体層によって兼ねることも可能である。
【0028】
上記磁化固定層302および上記記憶層304は、例えば、ニッケル、鉄もしくはコバルト、またはニッケル、鉄およびコバルトのうちの少なくとも2種からなる合金のような、強磁性体からなる。上記導電体層は、例えば、ルテニウム、銅、クロム、金、銀等で形成されている。上記磁化固定層302は、反強磁性体層(図示せず)と接する状態に形成されていて、これらの層間に働く交換相互作用によって、磁化固定層302は、強い一方向の磁気異方性を有している。上記反強磁性体層(図示せず)は、例えば、鉄・マンガン合金、ニッケル・マンガン合金、白金マンガン合金、イリジウム・マンガン合金、ロジウム・マンガン合金、コバルト酸化物およびニッケル酸化物のうちの1種を用いることができる。
【0029】
上記トンネル絶縁層303は、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化マグネシウム、窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、酸化窒化マグネシウムもしくは酸化窒化シリコンからなる。上記トンネル絶縁層303は、上記記憶層304と上記磁化固定層302との磁気的結合を切るとともに、トンネル電流を流すための機能を有する。これらの磁性膜および導電体膜は、主に、スパッタリング法によって形成される。トンネル絶縁層303は、スパッタリング法によって形成された金属膜を酸化、窒化もしくは酸化窒化させることにより得ることができる。
【0030】
さらに最上層には保護層313が形成されている。この保護層313は、TMR素子13と別のTMR素子13とを接続する配線との相互拡散防止、接触抵抗低減および記憶層304の酸化防止という機能を有する。通常、銅、窒化タンタル、タンタル、窒化チタン等の材料により形成されている。
【0031】
また、上記選択用半導体素子は、例えば、ダイオードもしくはトランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ)で形成されている。
【0032】
次に、本発明の磁気記憶装置に係る第2実施の形態を、図2によって説明する。図2は、(1)に平面レイアウト図を示し、(2)にX−X’線断面図を示し、(3)にY−Y’線断面図を示す。
【0033】
図2に示すように、第1配線(書き込みワード線)11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線(ビット線)12とが設けられている。第1配線11と第2配線12との交差領域には第2配線12と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子13が備えられている。第2配線12と記憶素子13との接続は導電性の保護層(図示せず)を介して成される。本実施の形態では、記憶素子13は、選択用半導体素子14を介して第1配線11上に形成されていて、第2配線12側で保護層313を介して第2配線12に電気的に接続されている。
【0034】
上記第1配線11の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第1配線11の下面)には、高透磁率層からなる第1磁性体層21が形成されている。この第1磁性体層21は、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11上面よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成され、かつ第1磁性体層21の突出した部分は、その一部が上記記憶素子13を同等の厚さを有して記憶素子13方向に延長形成されている。この延長形成されている第1延長部分22は、記憶素子13や後述する第2磁性体層24、第2延長部分25に接続することなく形成されている。
【0035】
上記第2配線12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第2配線12の下面)には、高透磁率層からなる第2磁性体層24が形成されている。この第2磁性体層24は、第2配線12側壁に形成された部分が第2配線12上面よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成され、かつ第2磁性体層24の突き出した部分は、その一部が上記記憶素子13を同等の厚さを有して記憶素子13方向に延長形成されている。この延長形成されている第2延長部分25は、記憶素子13や前述する第1磁性体層21、第1延長部分22に接続することなく形成されている。
【0036】
上記図2によって説明した構成では、第1配線(書き込みワード線)および第2配線(ビット線)12で発生した磁界を効率良く記憶素子(例えばTMR素子)13近傍に集中できるようなり、前記図1によって説明した構造に比べて、磁束の強さは約2倍となる。
【0037】
次に、本発明の磁気記憶装置に係る第2実施の形態を、図3によって説明する。図3は、(1)に平面レイアウト図を示し、(2)にX−X’線断面図を示し、(3)にY−Y’線断面図を示す。
【0038】
図3に示すように、第1配線(書き込みワード線)11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線(ビット線)12とが設けられている。第1配線11と第2配線12との交差領域には第2配線12と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子13が備えられている。第2配線12と記憶素子13との接続は導電性の保護層(図示せず)を介して成される。本実施の形態では、記憶素子13は、選択用半導体素子14を介して第1配線11上に形成されていて、第2配線12側で第2配線12に電気的に接続されている。
【0039】
上記第1配線11の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第1配線11の下面)には、高透磁率層からなる第1磁性体層21が形成されている。この第1磁性体層21は、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11上面よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成されている。この第1磁性体層21の突出した部分には、上記記憶素子13と対向する位置より記憶素子13方向に向かってかつ上記記憶素子13と隔絶した状態に、上記記憶素子13を構成する強磁性体材料からなる固定層302、トンネル絶縁層303および強磁性体材料からなる自由層(記憶層)304と同一層で形成される第1延長部分22が、その固定層302の部分が第1磁性体層21の突出した部分に接続される状態で形成されている。したがって、上記固定層302および自由層304は、例えばFeCoBで形成されている。
【0040】
さらに、上記第2配線12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第2配線12の下面)には、高透磁率層からなる第2磁性体層24が形成されている。この第2磁性体層24は、第2配線12側壁に形成された部分が第2配線12上面よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成されている。この第2磁性体層24の突出した部分には、上記記憶素子13と対向する位置より記憶素子13方向に向かってかつ上記記憶素子13と隔絶した状態に、上記記憶素子13を構成する強磁性体材料からなる固定層302、トンネル絶縁層303および強磁性体材料からなる自由層(記憶層)304と同一層で形成される第2延長部分25が、その自由層304の部分が第2磁性体層24の突出した部分に接続される状態で形成されている。そして、第1延長部分22と第2延長部分25とは離間された状態に形成されている。
【0041】
上記図3によって説明した構成では、第1配線(書き込みワード線)および第2配線(ビット線)12で発生した磁界を効率良く記憶素子(例えばTMR素子)13近傍に集中できるようなり、前記図1によって説明した構造に比べて、磁束の強さは約2倍となる。
【0042】
上記図1乃至図3に示した構成では、記憶素子方向に形成されている延長部分22、25の両方を設けたが、例えばどちらか一方のみを設けることも可能である。
【0043】
次に、前記図7に示したような配線構造と、前記図8に示したような配線構造において、記憶素子(TMR素子)113の自由層の磁化方向を反転させるために必要な磁界(スイッチング磁界)を発生させるのに必要な電流のアステロイド曲線を、それぞれ図4と図5とに示す。各図面の縦軸はビット線電流を示し、横軸は書き込みワード線電流を示す。また、TMR素子113と書き込みワード線までの距離をdとした。各配線の電流値がアステロイド曲線の外側に有れば自由層はスイッチングする。したがってアステロイド曲線で囲まれる面積が小さくなるほど消費電力が小さくなることを示す。この結果を見ると、前記図7に示したような配線構造よりは前記図8に示したような配線構造の方が書き込み電流を半減できることがわかる。また、ビット線の場合も同様に書き込み電流を半減できる。つまり、各配線を高透磁率材料で覆った構造において、全体の消費電流は1/4になる。
【0044】
次に、本発明の前記図1に示した構造のアステロイド曲線を図6に示す。図6において、丸印は前記図7に示したような配線構造を示し、正方形印はビット線のみに本発明の構成を適用した場合であり、ひし形印は書き込みワード線のみに本発明の構成を設けた場合であり、三角印は書き込みワード線およびビット線の両方に本発明の構成を適用した場合を示す。
【0045】
図6からわかるように、書き込みワード線およびビット線の両方に本発明の構成を適用した場合には、従来構成の1/20に書き込み電流を低減することができる。また、ビット線のみに本発明の構成を適用した場合には従来構成の1/4に書き込み電流を低減することができ、書き込みワード線のみに本発明の構成を適用した場合には従来構成の1/5に書き込み電流を低減できることがわかる。したがって、書き込みワード線のみに、もしくはビット線のみに本発明の構成を適用することも有効であることがわかる。さらに、前記図8に示したような配線構造のアステロイド曲線(前記図5)と比較した場合においても、およそ2/5に書き込み電流を低減できることがわかる。
【0046】
また、上記第2、第3実施の形態の構造においても、ほぼ同様の書き込み電流低減の効果が得られる。従って本発明の構造を用いれば、大幅な書き込み電流低減が実現できることがわかる。また、第3実施の形態のように、記憶素子を構成する磁性材料を第1、第2フラックスガイドの延長部分に用いることにより、構成の簡単化が図れる。
【0047】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の磁気記憶装置によれば、第1磁性体層は、第1配線側壁に形成された部分が第1配線よりも記憶素子側に突き出した状態に形成され、第1磁性体層の突出した部分より記憶素子方向に延長形成されているので、記憶素子に第1配線で発生させた電流磁界を集中させることが容易になり、書き込み電流が大幅に低減できる。また、第2磁性体層は、第2配線側壁に形成された部分が第2配線よりも記憶素子側に突き出した状態に形成され、第2磁性体層の突出した部分より記憶素子方向に第1磁性体層と間隔を置いて延長形成されているので、上記第1磁性体層と同様なる作用・効果が得られる。よって、記憶素子に印加する書き込み磁界を安定に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を示す部分破砕斜視断面図である。
【図2】本発明の磁気記憶装置に係る第2実施の形態を示す図面であって、(1)は平面レイアウト図であり、(2)は(1)図中のX−X’線断面図であり、(3)は(1)図中のY−Y’線断面図である。
【図3】本発明の磁気記憶装置に係る第3実施の形態を示す図面であって、(1)は平面レイアウト図であり、(2)は(1)図中のX−X’線断面図であり、(3)は(1)図中のY−Y’線断面図である。
【図4】図7に示した配線構造における記憶素子(TMR素子)の自由層の磁化方向を反転させるために必要な磁界(スイッチング磁界)を発生させるのに必要な電流のアステロイド曲線を示す図面である。
【図5】図8に示した配線構造における記憶素子(TMR素子)の自由層の磁化方向を反転させるために必要な磁界(スイッチング磁界)を発生させるのに必要な電流のアステロイド曲線を示す図面である。
【図6】図1に示した本発明の磁気記憶装置における記憶素子(TMR素子)の自由層の磁化方向を反転させるために必要な磁界(スイッチング磁界)を発生させるのに必要な電流のアステロイド曲線を示す図面である。
【図7】従来の磁気記憶装置を示す斜視図である。
【図8】従来のフラックスガイドを有する磁気記憶装置を示す斜視図である。である。
【符号の説明】
1…磁気記憶装置、11…第1配線、12…第2配線、13…記憶素子、21…第1磁性体層、22…第1延長部分、24…第2磁性体層、25…第2延長部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記憶装置に関し、詳しくは強磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して情報を記憶する不揮発性の磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報通信機器、特に携帯端末などの個人用小型機器の飛躍的な普及にともない、これを構成するメモリ素子やロジック素子等の素子には、高集積化、高速化、低消費電力化など、一層の高性能化が要求されている。特に不揮発性メモリはユビキタス時代に必要不可欠の素子と考えられている。
【0003】
例えば、電源の消耗やトラブル、サーバーとネットワークが何らかの障害により切断された場合であっても、不揮発性メモリは個人の重要な情報を保護することができる。そして、不揮発性メモリの高密度化、大容量化は、可動部分の存在により本質的に小型化が不可能なハードディスクや光ディスクを置き換える技術としてますます重要になってきている。
【0004】
また、最近の携帯機器は不要な回路ブロックをスタンバイ状態にしてでき得る限り消費電力を抑えようと設計されているが、高速ネットワークメモリと大容量ストレージメモリを兼ねることができる不揮発性メモリが実現できれば、消費電力とメモリとの無駄を無くすことができる。また、電源を入れると瞬時に起動できる、いわゆるインスタント・オン機能も高速の大容量不揮発性メモリが実現できれば可能になってくる。
【0005】
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory)などがあげられる。しかしながら、フラッシュメモリは、書き込み速度がμ秒の桁であるため遅いという欠点がある。また構造が複雑なために高集積化が困難であり、しかも、アクセス時間が100ns程度と遅いという欠点がある。一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が1012〜1014回で、完全にスタティックランダムアクセスメモリやダイナミックランダムアクセスメモリに置き換えるには耐久性が低いという問題が指摘されている。また、強誘電体キャパシタの微細加工が難しいという課題も指摘されている。
【0006】
これらの欠点を有さない不揮発性メモリとして注目されているのが、MRAM(Magnetic Random Access Memory)もしくはMR(Magneto Resistance)メモリと呼ばれる、強磁性トンネル結合(MTJ)が室温で大きな磁気抵抗比(MR比)を持つことを利用した磁気メモリであり、近年のトンネル磁気抵抗効果素子(以下、TMR:という、TMRはTunnel Magnetic Resistanceの略)材料の特性向上により注目を集めるようになってきている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
MTJ構造の基本構造は2つの強磁性層の間に絶縁層を挟んだ構造で、一方の強磁性層(固定層)の磁化方向を固定し、もう一方の強磁性層(自由層)の磁化の方向が平行または反平行となることで、抵抗が大きく変化する。このような磁化の平行、反平行状態で2つの情報を記憶でき、また磁化の状態によるTMR素子の抵抗変化を利用してセルデータを読み出すことができる。書き込みは配線に流れる電流によって発生する磁界により、この自由層の磁化の向きを反転させることにより行われる。具体的には書き込みワード線とビット線により、発生する合成磁界(アステロイド曲線で表される)によって行われる。
【0008】
MRAMは、構造が単純であるため高集積化が容易であり、また磁気モーメントの回転により記憶を行うために、書き換え回数が大であると予測されている。またアクセス時間についても、非常に高速であることが予想され、既に100MHzで動作可能であることが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。また、TMR効果により高出力が得られるようになった現在では、大きく改善されてきている。
【0009】
また、MRAMには、構造上の本質的な課題が存在する。MRAMにおける記憶は、配線に電流を流すことによって発生する電流磁場によって記憶層の磁化を回転させることで行っている。ところが、高集積化によって、配線が細くなるにともない、書き込み線に流すことができる臨界電流値が下がるため、得られる磁界が小さくなり、被記憶領域の保磁力を小さくせざるを得ない。これは、情報記憶装置の信頼性が低下することを意味する。また、磁界は光や電子線のように絞ることができないため、高集積化した場合にはクロストークの大きな原因になると考えられる。これを防止するためにキーパ構造等も提案されているが、構造の複雑化は避けられない。以上のように、電流磁場による書き込みには本質的に多くの課題があり、電流磁場による書き込みが将来のMRAMにおける大きな欠点になる恐れがある。
【0010】
上述の通り、高速化・高集積化が容易という長所を有するMRAMではあるが、書き込みは、TMR素子に近接させて設けられたビット線と書き込み用ワード線に電流を流し、その発生磁界によって行う。TMR素子の記憶層(記憶層)の反転磁界は材料にもよるが、1.58kA/m〜15.8kA/m(20Oe〜200Oe)が必要であり、このときの電流は数十mAになる。これは消費電流の増大につながり、素子の低寿命化、発熱、消費電力の増加という半導体素子にとってはデメリットとなることが多い。
【0011】
例えば、図7に示すように、書き込みワード線111とこれに直交するビット線112とを設け、その交差領域に記憶素子(例えばTMR素子)113を設けた構造(例えば、特許文献1)では、磁化反転させるのに要する電流が上述のように大きくなってしまう。
【0012】
この消費電流が増大する問題を解決するために、書き込みワード線およびビット線の周りを高透磁率磁性体からなる磁性層でシールドして、電流が発生する磁束を集中させる構造(以下、クラッド構造という)が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0013】
図8に磁性体層により形成されるクラッド構造を用いたMRAMの一部を簡略化した図を示す。図8に示すように、ワード線111の周りに対して、磁気抵抗効果型の記憶素子(例えばTMR素子)113側の面以外を高透磁率材料からなる第1磁性体層(フラックスガイド)116で覆い磁束を記憶素子113に集中させるようにしている。同様に、ビット線112の周りに対して、記憶素子113側の面以外を高透磁率材料からなる第2磁性体層(フラックスガイド)117で覆い磁束を記憶素子113に集中させるようにしている。このような構造を採ることで消費電流をほぼ半減できる。
【0014】
さらに、上記第1磁性体層116の側壁部分を第1配線111の記憶素子113側の面よりも記憶素子113側に延長させた構成、および上記第2磁性体層117の側壁部分を第2配線112の記憶素子113側の面よりも記憶素子113側に延長させた構成が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0015】
また、高集積化という面からは、ビット線と書き込みワード線のサイズはリソグラフィ技術から決まる最小線幅に近いサイズが要求される。書き込み電流値が高くなると、エレクトロマイグレーション等の配線の信頼性が課題になる。この課題を解決するためには銅配線を用いることが有効であると考えられる。
【0016】
【特許文献1】
特開平11−317071号公報(第6−7頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開2002−246566号公報(第4頁、図6)
【特許文献3】
特願2002−085095号明細書(第22−24頁および第35−36頁、図1および図13)
【非特許文献1】
Wang et al., IEEE Trans. Magn. 33 (1997) p4498−4512
【非特許文献2】
R.Scheuerlein et al, ISSCC Digest of Papers (Feb.2000) p128−129
【非特許文献3】
Mattson et al., Phys. Rev. Lett. 77(1993) p.185
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、今後のサイズ縮小化に伴い、TMR素子の自由層の保磁力を大きくする必要があり、そのため、自由層の磁化反転をさせるのに必要な発生磁界が増大し、その結果、消費電流が増加する。したがって、さらに消費電流を低減する方法が必要となる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた磁気記憶装置である。
【0019】
本発明の磁気記憶装置は、第1配線と、前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との交差領域に前記第2配線と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子とを備えた磁気記憶装置において、前記第1配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる第1磁性体層が形成され、前記第1磁性体層は、前記第1配線側壁に形成された部分が前記第1配線よりも前記記憶素子側に突き出した状態に形成され、前記第1磁性体層の突出した部分より前記記憶素子方向に高透磁率材料からなる第1延長部分が形成され、前記第2配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる第2磁性体層が形成され、前記第2磁性体層は、前記第2配線側壁に形成された部分が前記第2配線よりも前記記憶素子側に突き出した状態に形成され、前記第2磁性体層の突出した部分より前記記憶素子方向に前記第1磁性体層と間隔を置いて高透磁率材料からなる第2延長部分が形成されているものである。また、第1延長部分もしくは第2延長部分のいずれか一方が形成されたものである。
【0020】
上記磁気記憶装置では、第1磁性体層は、第1配線側壁に形成された部分が第1配線よりも記憶素子側に突き出した状態に形成され、第1磁性体層の突出した部分より記憶素子方向に延長形成されていることから、記憶素子に第1配線で発生させた電流磁界を集中させることが容易になり、書き込み電流が大幅に低減できる。また本発明の構成では、従来の技術の前記図8で説明した構成のものよりも約2倍の磁束集中効果が望める。また、第2磁性体層は、第2配線側壁に形成された部分が第2配線よりも記憶素子側に突き出した状態に形成され、第2磁性体層の突出した部分より記憶素子方向に第1磁性体層と間隔を置いて延長形成されていることから、上記第1磁性体層と同様なる作用・効果が得られる。また、第2磁性体層は第1磁性体層と間隔をおいて形成されることから、第1配線と第2配線とが短絡することはない。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を、図1の部分破砕斜視断面図によって説明する。
【0022】
図1に示すように、第1配線(書き込みワード線)11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線(ビット線)12とが設けられている。第1配線11と第2配線12との交差領域には第2配線12と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子13が備えられている。本実施の形態では、記憶素子13は、選択用半導体素子14を介して第1配線11上に形成されていて、第2配線12側で第2配線12に電気的に接続されている。
【0023】
上記第1配線11の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第1配線11の下面)には、高透磁率層からなる第1磁性体層21が形成されている。この第1磁性体層21は、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11上面よりも記憶素子13側、すなわち上方に突き出した状態に形成され、かつ第1磁性体層21の突出した部分は、その一部が記憶素子13方向に延長形成されている。この第1延長部分22は、記憶素子13、後述する第2磁性体層24、延長部分25に接続することなく形成されている。以下、第1磁性体層21と第1延長部分22とを併せて第1フラックスガイドという。
【0024】
上記第2配線12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第2配線12の下面)には、高透磁率層からなる第2磁性体層24が形成されている。この第2磁性体層24は、第2配線12側壁に形成された部分が第2配線12上面よりも記憶素子13側、すなわち下方に突き出した状態に形成され、かつ第2磁性体層24の突出した部分は、その一部が記憶素子13方向に延長形成されている。この延長形成されている第2延長部分25は、記憶素子13や前述する第1磁性体層21に接続することなく形成されている。以下、第2磁性体層24と第2延長部分25とを併せて第2フラックスガイドという。
【0025】
上記磁気記憶装置1では、第1磁性体層21は、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成され、第1磁性体層21の突出した部分より記憶素子13方向に第1延長部分22が形成されていることから、記憶素子13に第1配線11で発生させた電流磁界を集中させることが容易になり、書き込み電流が大幅に低減できる。また本発明の構成では、従来の技術の前記図8で説明した構成のものよりも約2倍の磁束集中効果が望める。また、第2磁性体層24は、第2配線12側壁に形成された部分が第2配線12よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成され、第2磁性体層24の突出した部分より記憶素子13方向に第1磁性体層21と間隔を置いて第2延長部分25が形成されていることから、上記第1磁性体層21と同様なる作用・効果が得られる。また、第2磁性体層24は第1磁性体層21と間隔をおいて形成されることから、第1配線11と第2配線12とが短絡することはない。
【0026】
上記第1磁性体層21および上記第2磁性体層24は、例えば軟磁性体で形成される。軟磁性体としては、ニッケル鉄(NiFe)合金またはニッケル鉄合金に第3元素として、例えばタンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、コバルト(Co)、クロム(Cr)等を添加した合金、さらに少なくとも前記2種以上を添加した合金(NiFeMoCu、NiFeCoMo等)、鉄アルミニウム(FeAl)合金、フェライト合金、コバルト(Co)系アモルファス合金、窒化鉄(FeN)系微結晶合金、窒化コバルト(CoN)系微結晶合金等を用いることができる。
【0027】
次に、上記記憶素子13の一例を説明する。上記記憶素子13は、磁化固定層302、トンネル絶縁層303、記憶層(自由層ともいう)304、さらに導電性を有する保護層(キャップ層ということもある)313を順に積層して構成されている。そして、記憶層304の磁化方向が記憶素子13の長手方向となるように、かつアスペクト比が2〜3となるように形成されている。これによりスイッチングばらつきを抑制することができる。磁化固定層302は、強磁性体層の単層構造であってもよく、もしくは2層以上の強磁性体層を、導電体層を挟んで積層させた構造であってもよい。また、TMR素子と反強磁性層(図示せず)を介して直列に接続される選択用半導体素子14との接続に、下地導電層(図示せず)を形成することも可能である。また、下地導電層を反強磁性体層によって兼ねることも可能である。
【0028】
上記磁化固定層302および上記記憶層304は、例えば、ニッケル、鉄もしくはコバルト、またはニッケル、鉄およびコバルトのうちの少なくとも2種からなる合金のような、強磁性体からなる。上記導電体層は、例えば、ルテニウム、銅、クロム、金、銀等で形成されている。上記磁化固定層302は、反強磁性体層(図示せず)と接する状態に形成されていて、これらの層間に働く交換相互作用によって、磁化固定層302は、強い一方向の磁気異方性を有している。上記反強磁性体層(図示せず)は、例えば、鉄・マンガン合金、ニッケル・マンガン合金、白金マンガン合金、イリジウム・マンガン合金、ロジウム・マンガン合金、コバルト酸化物およびニッケル酸化物のうちの1種を用いることができる。
【0029】
上記トンネル絶縁層303は、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化マグネシウム、窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、酸化窒化マグネシウムもしくは酸化窒化シリコンからなる。上記トンネル絶縁層303は、上記記憶層304と上記磁化固定層302との磁気的結合を切るとともに、トンネル電流を流すための機能を有する。これらの磁性膜および導電体膜は、主に、スパッタリング法によって形成される。トンネル絶縁層303は、スパッタリング法によって形成された金属膜を酸化、窒化もしくは酸化窒化させることにより得ることができる。
【0030】
さらに最上層には保護層313が形成されている。この保護層313は、TMR素子13と別のTMR素子13とを接続する配線との相互拡散防止、接触抵抗低減および記憶層304の酸化防止という機能を有する。通常、銅、窒化タンタル、タンタル、窒化チタン等の材料により形成されている。
【0031】
また、上記選択用半導体素子は、例えば、ダイオードもしくはトランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ)で形成されている。
【0032】
次に、本発明の磁気記憶装置に係る第2実施の形態を、図2によって説明する。図2は、(1)に平面レイアウト図を示し、(2)にX−X’線断面図を示し、(3)にY−Y’線断面図を示す。
【0033】
図2に示すように、第1配線(書き込みワード線)11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線(ビット線)12とが設けられている。第1配線11と第2配線12との交差領域には第2配線12と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子13が備えられている。第2配線12と記憶素子13との接続は導電性の保護層(図示せず)を介して成される。本実施の形態では、記憶素子13は、選択用半導体素子14を介して第1配線11上に形成されていて、第2配線12側で保護層313を介して第2配線12に電気的に接続されている。
【0034】
上記第1配線11の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第1配線11の下面)には、高透磁率層からなる第1磁性体層21が形成されている。この第1磁性体層21は、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11上面よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成され、かつ第1磁性体層21の突出した部分は、その一部が上記記憶素子13を同等の厚さを有して記憶素子13方向に延長形成されている。この延長形成されている第1延長部分22は、記憶素子13や後述する第2磁性体層24、第2延長部分25に接続することなく形成されている。
【0035】
上記第2配線12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第2配線12の下面)には、高透磁率層からなる第2磁性体層24が形成されている。この第2磁性体層24は、第2配線12側壁に形成された部分が第2配線12上面よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成され、かつ第2磁性体層24の突き出した部分は、その一部が上記記憶素子13を同等の厚さを有して記憶素子13方向に延長形成されている。この延長形成されている第2延長部分25は、記憶素子13や前述する第1磁性体層21、第1延長部分22に接続することなく形成されている。
【0036】
上記図2によって説明した構成では、第1配線(書き込みワード線)および第2配線(ビット線)12で発生した磁界を効率良く記憶素子(例えばTMR素子)13近傍に集中できるようなり、前記図1によって説明した構造に比べて、磁束の強さは約2倍となる。
【0037】
次に、本発明の磁気記憶装置に係る第2実施の形態を、図3によって説明する。図3は、(1)に平面レイアウト図を示し、(2)にX−X’線断面図を示し、(3)にY−Y’線断面図を示す。
【0038】
図3に示すように、第1配線(書き込みワード線)11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線(ビット線)12とが設けられている。第1配線11と第2配線12との交差領域には第2配線12と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子13が備えられている。第2配線12と記憶素子13との接続は導電性の保護層(図示せず)を介して成される。本実施の形態では、記憶素子13は、選択用半導体素子14を介して第1配線11上に形成されていて、第2配線12側で第2配線12に電気的に接続されている。
【0039】
上記第1配線11の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第1配線11の下面)には、高透磁率層からなる第1磁性体層21が形成されている。この第1磁性体層21は、第1配線11側壁に形成された部分が第1配線11上面よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成されている。この第1磁性体層21の突出した部分には、上記記憶素子13と対向する位置より記憶素子13方向に向かってかつ上記記憶素子13と隔絶した状態に、上記記憶素子13を構成する強磁性体材料からなる固定層302、トンネル絶縁層303および強磁性体材料からなる自由層(記憶層)304と同一層で形成される第1延長部分22が、その固定層302の部分が第1磁性体層21の突出した部分に接続される状態で形成されている。したがって、上記固定層302および自由層304は、例えばFeCoBで形成されている。
【0040】
さらに、上記第2配線12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面(第2配線12の下面)には、高透磁率層からなる第2磁性体層24が形成されている。この第2磁性体層24は、第2配線12側壁に形成された部分が第2配線12上面よりも記憶素子13側に突き出した状態に形成されている。この第2磁性体層24の突出した部分には、上記記憶素子13と対向する位置より記憶素子13方向に向かってかつ上記記憶素子13と隔絶した状態に、上記記憶素子13を構成する強磁性体材料からなる固定層302、トンネル絶縁層303および強磁性体材料からなる自由層(記憶層)304と同一層で形成される第2延長部分25が、その自由層304の部分が第2磁性体層24の突出した部分に接続される状態で形成されている。そして、第1延長部分22と第2延長部分25とは離間された状態に形成されている。
【0041】
上記図3によって説明した構成では、第1配線(書き込みワード線)および第2配線(ビット線)12で発生した磁界を効率良く記憶素子(例えばTMR素子)13近傍に集中できるようなり、前記図1によって説明した構造に比べて、磁束の強さは約2倍となる。
【0042】
上記図1乃至図3に示した構成では、記憶素子方向に形成されている延長部分22、25の両方を設けたが、例えばどちらか一方のみを設けることも可能である。
【0043】
次に、前記図7に示したような配線構造と、前記図8に示したような配線構造において、記憶素子(TMR素子)113の自由層の磁化方向を反転させるために必要な磁界(スイッチング磁界)を発生させるのに必要な電流のアステロイド曲線を、それぞれ図4と図5とに示す。各図面の縦軸はビット線電流を示し、横軸は書き込みワード線電流を示す。また、TMR素子113と書き込みワード線までの距離をdとした。各配線の電流値がアステロイド曲線の外側に有れば自由層はスイッチングする。したがってアステロイド曲線で囲まれる面積が小さくなるほど消費電力が小さくなることを示す。この結果を見ると、前記図7に示したような配線構造よりは前記図8に示したような配線構造の方が書き込み電流を半減できることがわかる。また、ビット線の場合も同様に書き込み電流を半減できる。つまり、各配線を高透磁率材料で覆った構造において、全体の消費電流は1/4になる。
【0044】
次に、本発明の前記図1に示した構造のアステロイド曲線を図6に示す。図6において、丸印は前記図7に示したような配線構造を示し、正方形印はビット線のみに本発明の構成を適用した場合であり、ひし形印は書き込みワード線のみに本発明の構成を設けた場合であり、三角印は書き込みワード線およびビット線の両方に本発明の構成を適用した場合を示す。
【0045】
図6からわかるように、書き込みワード線およびビット線の両方に本発明の構成を適用した場合には、従来構成の1/20に書き込み電流を低減することができる。また、ビット線のみに本発明の構成を適用した場合には従来構成の1/4に書き込み電流を低減することができ、書き込みワード線のみに本発明の構成を適用した場合には従来構成の1/5に書き込み電流を低減できることがわかる。したがって、書き込みワード線のみに、もしくはビット線のみに本発明の構成を適用することも有効であることがわかる。さらに、前記図8に示したような配線構造のアステロイド曲線(前記図5)と比較した場合においても、およそ2/5に書き込み電流を低減できることがわかる。
【0046】
また、上記第2、第3実施の形態の構造においても、ほぼ同様の書き込み電流低減の効果が得られる。従って本発明の構造を用いれば、大幅な書き込み電流低減が実現できることがわかる。また、第3実施の形態のように、記憶素子を構成する磁性材料を第1、第2フラックスガイドの延長部分に用いることにより、構成の簡単化が図れる。
【0047】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の磁気記憶装置によれば、第1磁性体層は、第1配線側壁に形成された部分が第1配線よりも記憶素子側に突き出した状態に形成され、第1磁性体層の突出した部分より記憶素子方向に延長形成されているので、記憶素子に第1配線で発生させた電流磁界を集中させることが容易になり、書き込み電流が大幅に低減できる。また、第2磁性体層は、第2配線側壁に形成された部分が第2配線よりも記憶素子側に突き出した状態に形成され、第2磁性体層の突出した部分より記憶素子方向に第1磁性体層と間隔を置いて延長形成されているので、上記第1磁性体層と同様なる作用・効果が得られる。よって、記憶素子に印加する書き込み磁界を安定に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を示す部分破砕斜視断面図である。
【図2】本発明の磁気記憶装置に係る第2実施の形態を示す図面であって、(1)は平面レイアウト図であり、(2)は(1)図中のX−X’線断面図であり、(3)は(1)図中のY−Y’線断面図である。
【図3】本発明の磁気記憶装置に係る第3実施の形態を示す図面であって、(1)は平面レイアウト図であり、(2)は(1)図中のX−X’線断面図であり、(3)は(1)図中のY−Y’線断面図である。
【図4】図7に示した配線構造における記憶素子(TMR素子)の自由層の磁化方向を反転させるために必要な磁界(スイッチング磁界)を発生させるのに必要な電流のアステロイド曲線を示す図面である。
【図5】図8に示した配線構造における記憶素子(TMR素子)の自由層の磁化方向を反転させるために必要な磁界(スイッチング磁界)を発生させるのに必要な電流のアステロイド曲線を示す図面である。
【図6】図1に示した本発明の磁気記憶装置における記憶素子(TMR素子)の自由層の磁化方向を反転させるために必要な磁界(スイッチング磁界)を発生させるのに必要な電流のアステロイド曲線を示す図面である。
【図7】従来の磁気記憶装置を示す斜視図である。
【図8】従来のフラックスガイドを有する磁気記憶装置を示す斜視図である。である。
【符号の説明】
1…磁気記憶装置、11…第1配線、12…第2配線、13…記憶素子、21…第1磁性体層、22…第1延長部分、24…第2磁性体層、25…第2延長部分
Claims (6)
- 第1配線と、
前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、
前記第1配線と前記第2配線との交差領域に前記第2配線と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子とを備えた磁気記憶装置において、
前記第1配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる第1磁性体層が形成され、
前記第1磁性体層は、前記第1配線側壁に形成された部分が前記第1配線よりも前記記憶素子側に突き出した状態に形成され、
前記第1磁性体層の突出した部分より前記記憶素子方向に前記記憶素子と間隔を置いて高透磁率材料からなる第1延長部分が形成され、
前記第2配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる第2磁性体層が形成され、
前記第2磁性体層は、前記第2配線側壁に形成された部分が前記第2配線よりも前記記憶素子側に突き出した状態に形成され、
前記第2磁性体層の突出した部分より前記記憶素子方向に前記第1磁性体層および前記記憶素子と間隔を置いて高透磁率材料からなる第2延長部分が形成されている
ことを特徴とする磁気記憶装置。 - 前記記憶素子は、前記第1配線と選択用半導体素子を介して接続される
ことを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。 - 前記記憶素子は、トンネル絶縁層を強磁性体層で挟んで構成されるトンネル磁気抵抗素子からなり、
前記第1磁性体層の延長形成部分は前記トンネル磁気抵抗素子の前記第1配線側に形成される強磁性体層と同一層で形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。 - 前記記憶素子は、トンネル絶縁層を強磁性体層で挟んで構成されるトンネル磁気抵抗素子からなり、
前記第2磁性体層の延長形成部分は前記トンネル磁気抵抗素子の前記第2配線側に形成される強磁性体層と同一層で形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。 - 第1配線と、
前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、
前記第1配線と前記第2配線との交差領域に前記第2配線と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子とを備えた磁気記憶装置において、
前記第1配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成され、
前記磁性体層は、前記第1配線側壁に形成された部分が前記第1配線よりも前記記憶素子側に突き出した状態に形成され、
前記磁性体層の突出した部分より前記記憶素子方向に前記記憶素子と間隔を置いて高透磁率材料からなる延長部分が形成されている
ことを特徴とする磁気記憶装置。 - 第1配線と、
前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、
前記第1配線と前記第2配線との交差領域に前記第2配線と電気的に接続された磁気抵抗効果型の記憶素子とを備えた磁気記憶装置において、
前記第2配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成され、
前記磁性体層は、前記第2配線側壁に形成された部分が前記第2配線よりも前記記憶素子側に突き出した状態に形成され、
前記磁性体層の突出した部分より前記記憶素子方向に前記記憶素子と間隔を置いて高透磁率材料からなる延長部分が形成されている
ことを特徴とする磁気記憶装置。
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JP2003030340A JP2004241672A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 磁気記憶装置 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004241672A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007311604A (ja) * | 2006-05-19 | 2007-11-29 | Tdk Corp | 磁気記憶装置 |
US7535755B2 (en) | 2006-03-30 | 2009-05-19 | Fujitsu Limited | Magnetic memory device and method for fabricating the same |
JP2011233916A (ja) * | 2004-11-12 | 2011-11-17 | Spansion Llc | 他の素子の処理の間のメモリセルの活性層の保護 |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030340A patent/JP2004241672A/ja not_active Abandoned
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