JP2004241515A - 窒化物系半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この窒化物系半導体レーザ素子の製造方法は、n型GaN基板1上に、発光層4を含む複数の窒化物系半導体各層(2〜6)を形成する工程と、p型クラッド層5の凸部とp型コンタクト層6とによって構成されるとともに、[1−100]方向に延びるリッジ部を形成する工程と、n型GaN基板1の裏面のリッジ部7の下方の領域を除く領域に、リッジ部7と直交する方向([11−20]方向)にYAGレーザ光を照射することによって、n型GaN基板1の裏面に深さの異なる2種類の第1溝部43aおよび第2溝部43bから構成される溝部43を形成する工程と、溝部43に沿ってn型GaN基板1を分割することにより、レーザ共振器端面20を形成する工程とを備えている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、窒化物系半導体レーザ素子およびその製造方法に関し、特に、基板上に発光層を含む複数の窒化物系半導体層が形成された窒化物系半導体レーザ素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化物系半導体レーザ素子は、次世代の大容量光ディスク用光源としての利用が期待されており、その開発が盛んに行われている。この窒化物系半導体レーザ素子の基板としては、サファイア基板、SiC基板およびGaN基板などが用いられている。上記したサファイア基板、SiC基板およびGaN基板は、Si基板やGaAs基板などよりも機械的強度が高いために、これらの基板を良好に分割するのは困難であった。このため、従来では、サファイア基板、SiC基板およびGaN基板などを分割する場合には、Si基板やGaAs基板を分割する場合と異なり、特別な技術が必要である(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、ダイシングとスクライブとを併用して、サファイア基板を分割する方法が開示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1には、ダイシングを行うことによりサファイア基板上に形成された発光層を含む複数の窒化物系半導体層を分割するとともに、スクライブを行うことによりサファイア基板に溝部を形成した後、その溝部に沿ってサファイア基板を分割する方法が開示されている。この特許文献1に開示された方法では、ダイシングを行うことにより機械的に発光層を含む複数の窒化物系半導体層が分割されるので、この方法を用いてレーザ共振器端面を形成する場合、レーザ共振器端面となる発光層の分割面が機械的な損傷を受ける。このため、レーザ共振器端面となる発光層の分割面には、機械的な損傷に起因して非発光センタが形成される。この非発光センタは、発光せずにキャリアが再結合する準位であるので、半導体レーザ素子のレーザ共振器端面となる発光層の分割面に非発光センタが形成されると、しきい値電流や動作電流が増加する。これにより、発光特性が劣化するという不都合がある。
【0004】
そこで、従来では、上記のようなダイシングなどによる機械的な損傷を受けるのを防止するために、レーザ光を用いて、窒化物系半導体レーザ素子を構成する窒化物系半導体各層を分割する方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
上記特許文献2には、サファイア基板の窒化物系半導体層が形成された表面側からレーザ光を照射することにより窒化物系半導体層の表面からサファイア基板の一部に達する第1の溝を形成することによって、発光層を含む複数の窒化物系半導体層を分割した後、ダイシングまたはスクライブを行うことによりサファイア基板に第2の溝を形成し、その第2の溝に沿ってサファイア基板を分割する方法が開示されている。この特許文献2に開示された方法では、発光層を含む複数の窒化物系半導体層をレーザ光を照射することにより分割するので、この方法を用いてレーザ共振器端面を形成する場合、レーザ共振器端面となる発光層の分割面が機械的な損傷を受けるのを防止することができる。これにより、機械的な損傷に起因してレーザ共振器端面に非発光センタが形成されるのを防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−315646号公報
【特許文献2】
特開平10−321908号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2に開示された方法では、発光層を含む複数の窒化物系半導体層の素子分割領域(レーザ共振器端面形成領域)に直接レーザ光を照射するので、発光層を含む複数の窒化物系半導体層の素子分割領域が熱的な損傷を受ける。このため、素子分割領域(レーザ共振器端面形成領域)では、窒化物系半導体のN(窒素)が脱離して空孔が発生したり、結晶欠陥が発生するので、これらの空孔や結晶欠陥などに起因して非発光センタが形成されるという不都合が生じる。特に、素子分割領域のうち、電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)に、非発光センタが形成されると、上記した特許文献1の場合と同様、しきい値電流や動作電流が増加するので、発光特性が劣化するという問題点がある。
【0007】
また、上記特許文献2には、サファイア基板の裏面側からレーザ光を照射することによって、サファイア基板の裏面にサファイア基板を分割するための格子状の溝を形成する方法も開示されている。しかしながら、サファイア基板の光吸収エネルギは、発光層を含む複数の窒化物系半導体層の光吸収エネルギよりも高いので、発光層を含む複数の窒化物系半導体層の方がサファイア基板よりもレーザ光を吸収しやすい。このため、サファイア基板の裏面側からレーザ光を照射したとしても、発光層を含む複数の窒化物系半導体層によるレーザ光の吸収が生じるので、電流通路部の下方に位置する領域(発光部)が熱的な損傷を受ける。その結果、サファイア基板の表面側からレーザ光を照射する場合と同様、電流通路部の下方に位置する領域(発光部)で非発光センタが形成されるため、しきい値電流や動作電流が増加し、その結果、発光特性が劣化するという問題点がある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を提供することである。
【0009】
この発明のもう1つの目的は、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法は、基板上に、発光層を含む複数の窒化物系半導体層を形成する工程と、複数の窒化物系半導体層の少なくとも1つに、所定の方向に延びる電流通路部を形成する工程と、基板の裏面の電流通路部の下方の領域を除く領域の少なくとも一部にレーザ光を照射することによって、基板の裏面に電流通路部と交差する方向に延びる溝部を形成する工程と、溝部に沿って基板を分割することにより、レーザ共振器端面を形成する工程とを備えている。
【0011】
この第1の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法では、上記のように、基板の裏面の電流通路部の下方の領域を除く領域の少なくとも一部にレーザ光を照射することにより、電流通路部と交差する方向に延びる溝部を形成した後、溝部に沿って基板を分割することによりレーザ共振器端面を形成することによって、基板を分割するための溝部を基板の裏面の電流通路部の下方の領域を除く領域に形成するので、基板の裏面の電流通路部の下方の領域にレーザ光を照射する必要がない。このため、電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)が熱的な損傷を受けるのを抑制することができる。また、レーザ光の照射により形成した基板の裏面の溝部に沿って基板を分割することによって、ダイシングやスクライブなどにより基板の分割面を形成する必要がない。これにより、レーザ共振器端面となる基板の分割面の発光部が機械的な損傷を受けるのを防止することができる。上記のように、発光部の熱的な損傷および機械的な損傷が防止されるので、熱的な損傷および機械的な損傷に起因して、電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)に非発光センタが形成されるのを抑制することができる。その結果、非発光センタの形成に起因するしきい値電流や動作電流の増加を抑制することができるので、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を容易に製造することができる。
【0012】
この発明の第2の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法は、基板上に、発光層を含む複数の窒化物系半導体層を形成する工程と、複数の窒化物系半導体層の少なくとも1つに、所定の方向に延びる電流通路部を形成する工程と、基板の裏面にレーザ光を照射することによって、電流通路部の下方の領域を除く領域に所定の深さを有する電流通路部と交差する方向に延びる第1溝部を形成するとともに、電流通路部の下方の領域に第1溝部よりも小さい深さを有する電流通路部と交差する方向に延びる第2溝部を形成する工程と、第1溝部および第2溝部に沿って基板を分割することにより、レーザ共振器端面を形成する工程とを備えている。
【0013】
この第2の局面による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法では、上記のように、基板の裏面にレーザ光を照射することにより、電流通路部の下方の領域を除く領域に、所定の深さを有する電流通路部と交差する方向に延びる第1溝部を形成するとともに、電流通路部の下方の領域に、第1溝部よりも小さい深さを有する電流通路部と交差する方向に延びる第2溝部を形成した後、第1溝部および第2溝部に沿って基板を分割することによりレーザ共振器端面を形成する。この方法によると、電流通路部の下方の領域に形成する第2溝部の深さを、電流通路部の下方の領域を除く領域に形成する第1溝部の深さよりも小さくするので、第2溝部を形成する際のレーザ光の出力が、第1溝部を形成する際のレーザ光の出力よりも小さい。このため、電流通路部の下方の領域に第2溝部を形成したとしても、電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)が熱的な損傷を受けるのを抑制することができる。また、レーザ光の照射により形成した基板の裏面の第1溝部および第2溝部に沿って基板を分割することによって、ダイシングやスクライブなどにより基板の分割面を形成する必要がない。これにより、レーザ共振器端面となる基板の分割面の発光部が機械的な損傷を受けるのを防止することができる。上記のように、発光部の熱的な損傷および機械的な損傷が防止されるので、熱的な損傷および機械的な損傷に起因して、電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)に非発光センタが形成されるのを抑制することができる。その結果、非発光センタの形成に起因するしきい値電流や動作電流の増加を抑制することができるので、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を容易に製造することができる。また、基板の裏面の電流通路部の下方の領域を除く領域、および、基板の裏面の電流通路部の下方の領域に、それぞれ、基板を分割するための第1溝部および第2溝部が形成されているので、容易に、第1溝部および第2溝部に沿って基板を分割することができる。これにより、レーザ共振器端面となる発光層の分割面の平坦性を向上させることができるので、レーザ共振器端面となる発光層の分割面における光損失を低減することができる。このため、光損失に起因するしきい値電流や動作電流の増加も抑制することができるので、より良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を容易に製造することができる。
【0014】
上記の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、基板は、窒化物系半導体基板を含む。このように構成すれば、窒化物系半導体基板と、窒化物系半導体基板上に形成された発光層を含む複数の窒化物系半導体層との結晶軸が一致するので、窒化物系半導体基板と発光層を含む複数の窒化物系半導体層とを、同一の割れやすい結晶軸で分割することができる。このため、レーザ共振器端面となる発光層の分割面の平坦性をより向上させることができる。これにより、レーザ共振器端面となる発光層の分割面における光損失をより低減することができるので、光損失に起因するしきい値電流や動作電流の増加をさらに抑制することができる。
【0015】
この発明の第3の局面による窒化物系半導体レーザ素子は、基板上に形成され、発光層を含む複数の窒化物系半導体層と、複数の窒化物系半導体層の少なくとも1つに形成され、所定の方向に延びる電流通路部と、電流通路部の延びる方向と交差する方向の端部に形成されたレーザ共振器端面と、基板の裏面のレーザ共振器端面近傍の少なくとも一部に形成され、微細な凹凸形状の内面を有する基板分割用切欠き部とを備えている。
【0016】
この第3の局面による窒化物系半導体レーザ素子では、上記のように、基板の裏面のレーザ共振器端面近傍の少なくとも一部に、微細な凹凸形状の内面を有する基板分割用切欠き部を形成することによって、発光層で発生した光の一部が基板内を導波した場合に、基板分割用切欠き部の微細な凹凸形状の内面で光を散乱させることができるので、基板内で強い光が発生するのを抑制することができる。これにより、基板内で強い光が発生することに起因する基板モードの発生を抑制することができる。その結果、レーザ光の発光パターン(遠視野像(FFP:Far Field Pattern))を良好にすることができるので、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を得ることができる。
【0017】
上記第3の局面による窒化物系半導体レーザ素子において、好ましくは、基板分割用切欠き部は、基板の裏面の電流通路部の下方の領域を除く領域の少なくとも一部に形成されている。このように構成すれば、基板の裏面にレーザ光を照射することにより基板分割用切欠き部を形成する場合に、基板の裏面の電流通路部の下方の領域にはレーザ光が照射されないので、電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)が熱的な損傷を受けるのを抑制することができる。これにより、熱的な損傷に起因して電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)に非発光センタが形成されるのを抑制することができるので、非発光センタの形成に起因するしきい値電流や動作電流の増加を抑制することができる。
【0018】
上記第3の局面による窒化物系半導体レーザ素子において、好ましくは、基板分割用切欠き部は、電流通路部の下方の領域を除く領域に形成され、所定の深さを有する第1基板分割用切欠き部と、電流通路部の下方の領域に形成され、第1基板分割用切欠き部よりも小さい深さを有する第2基板分割用切欠き部とを含む。このように構成すれば、発光層で発生した光の一部が基板内を導波した場合に、第1基板分割用切欠き部の微細な凹凸形状の内面と第2基板分割用切欠き部の微細な凹凸形状の内面との両方で光を散乱させることができるので、基板内で強い光が発生するのをより抑制することができる。これにより、基板内で強い光が発生することに起因する基板モードの発生をより抑制することができる。また、基板の裏面にレーザ光を照射することにより第1基板分割用切欠き部および第2基板分割用切欠き部を形成する場合に、電流通路部の下方の領域に形成する第2基板分割用切欠き部の深さを、電流通路部の下方の領域を除く領域に形成する第1基板分割用切欠き部の深さよりも小さくするので、第2基板分割用切欠き部を形成する際のレーザ光の出力が、第1基板分割用切欠き部を形成する際のレーザ光の出力よりも小さい。このため、電流通路部の下方の領域に第2基板分割用切欠き部を形成したとしても、電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)が熱的な損傷を受けるのを抑制することができる。これにより、熱的な損傷に起因して電流通路部の下方に位置する発光層の領域(発光部)に非発光センタが形成されるのを抑制することができるので、非発光センタの形成に起因するしきい値電流や動作電流の増加を抑制することができる。
【0019】
上記第3の局面による窒化物系半導体レーザ素子において、好ましくは、基板は、発光層の屈折率よりも小さい屈折率を有する。このように構成すれば、基板における光の閉じ込めが、発光層における光の閉じ込めよりも弱くなるので、基板における光の閉じ込めが強くなることに起因する基板モードの発生を抑制することができる。
【0020】
上記第3の局面による窒化物系半導体レーザ素子において、好ましくは、基板は、窒化物系半導体基板を含む。このように基板が窒化物系半導体基板である場合には、発光層の光が基板に導波しやすいので、上記した基板分割用切欠き部の微細な凹凸形状の内面により発光層からの光を散乱する効果を大きくすることができる。また、窒化物系半導体基板と、窒化物系半導体基板上に形成された発光層を含む複数の窒化物系半導体層との結晶軸が一致するので、窒化物系半導体基板と発光層を含む複数の窒化物系半導体層とを、同一の割れやすい結晶軸で分割することができる。これにより、レーザ共振器端面となる発光層の分割面の平坦性をより向上させることができる。これにより、レーザ共振器端面となる発光層の分割面における光損失をより低減することができるので、光損失に起因するしきい値電流や動作電流の増加をさらに抑制することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の電流通路部(リッジ部)の延びる方向と直交する方向から見た正面図であり、図2は、図1の側面図である。図3は、図1および図2に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層の詳細を示した拡大断面図である。まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0023】
第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図1および図2に示すように、約150μmの厚みを有する酸素がドープされたn型GaN基板1の(0001)面上に、約1μmの厚みを有するアンドープGaNからなるn型層2が形成されている。n型層2上には、約1μmの厚みを有するGeがドープされたAl0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層3が形成されている。なお、n型GaN基板1は、本発明の「基板」の一例であり、n型層2およびn型クラッド層3は、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。
【0024】
そして、n型クラッド層3上には、発光層4が形成されている。この発光層4は、図3に示すように、n側キャリアブロック層41と、MQW(多重量子井戸)活性層42と、p側光ガイド層43と、p側キャリアブロック層44とから構成されている。n側キャリアブロック層41は、n型クラッド層3上に形成されているとともに、約20nmの厚みを有するアンドープAl0.25Ga0.75Nからなる。MQW活性層42は、約3.5nmの厚みを有するアンドープInXGa1−XNからなる3つの量子井戸層42aと、約20nmの厚みを有するアンドープInYGa1−YNからなる3つの量子障壁層42bとが交互に積層されている。ここで、X>Yであり、X=0.15、Y=0.05である。また、p側光ガイド層43は、MQW活性層42上に形成されているとともに、約0.1μmの厚みを有するアンドープIn0.01Ga0.99Nからなる。p側キャリアブロック層44は、p側光ガイド層43上に形成されているとともに、約20nmの厚みを有するMgがドープされたAl0.25Ga0.75Nからなる。
【0025】
また、図1および図2に示すように、発光層4上には、MgがドープされたAl0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層5が形成されている。このp型クラッド層5は、所定領域が除去されることによって、凸形状に形成されている。p型クラッド層5の凸部の厚みは、約0.35μmであり、凸部以外の平坦部の厚みは、約0.05μmである。また、p型クラッド層5の凸部の幅は、約1.5μmである。p型クラッド層5の凸部上には、約3nmの厚みを有するMgがドープされたIn0.01Ga0.99Nからなるp型コンタクト層6が形成されている。そして、p型クラッド層5の凸部とp型コンタクト層6とによって、ストライプ状(細長状)のリッジ部7が構成される。このリッジ部7は、[1−100]方向に延びるように形成されている。なお、p型クラッド層5およびp型コンタクト層6は、本発明の「窒化物系半導体層」の一例であり、リッジ部7は、本発明の「電流通路部」の一例である。そして、リッジ部7の側面上とp型クラッド層5の露出された表面上とには、約0.2μmの厚みを有するSiO2膜からなる電流ブロック層8が形成されている。
【0026】
そして、リッジ部7を構成するp型コンタクト層6上には、下層から上層に向かって、約1nmの厚みを有するPt層と、約100nmの厚みを有するPd層と、約240nmの厚みを有するAu層と、約240nmの厚みを有するNi層とからなるp側オーミック電極9が、ストライプ状(細長状)に形成されている。また、電流ブロック層8の表面上には、p側オーミック電極9を覆うように、下層から上層に向かって、約100nmの厚みを有するTi層と、約150nmの厚みを有するPt層と、約3μmの厚みを有するAu層とからなるp側パッド電極10が形成されている。
【0027】
また、n型GaN基板1の裏面上には、n型GaN基板1に近い方から順に、約6nmの厚みを有するAl層と、約2nmの厚みを有するSi層と、約10nmの厚みを有するNi層と、約100nmの厚みを有するAu層とからなるn側オーミック電極11が形成されている。n側オーミック電極11の裏面上には、n側オーミック電極11に近い方から順に、約10nmの厚みを有するNi層と、約700nmの厚みを有するAu層とからなるn側パッド電極12が形成されている。
【0028】
ここで、第1実施形態では、n型GaN基板1の裏面のレーザ共振器端面20(図2参照)の近傍に、基板分割用の切欠き部13が形成されている。この基板分割用の切欠き部13は、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に位置する第1切欠き部13aと、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域に位置する第2切欠き部13bとによって構成されている。そして、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域に位置する第2切欠き部13bの深さD2は、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に位置する第1切欠き部13aの深さD1よりも小さい。具体的には、第1切欠き部13aの深さD1は、約75μmであり、第2切欠き部13bの深さD2は、約25μmである。
【0029】
また、図1に示すように、第1切欠き部13aおよび第2切欠き部13bのリッジ部7と直交する方向([11−20]方向)の長さW1およびW2は、それぞれ、約140μmおよび約20μmである。また、図2に示すように、第1切欠き部13aおよび第2切欠き部13bのリッジ部7と平行な方向([1−100]方向)の長さW3は、約20μmである。また、第1切欠き部13aおよび第2切欠き部13bは、後述する製造プロセスにおいて、YAGレーザ光を照射することにより形成される。すなわち、YAGレーザ光の照射によりn型GaN基板1を構成するGaNが昇華することによって第1切欠き部13aおよび第2切欠き部13bが形成されるので、第1切欠き部13aおよび第2切欠き部13bの内面には、数nm以上数百nm以下の微細な凹凸形状が形成されている。なお、第1切欠き部13aは、本発明の「第1基板分割用切欠き部」の一例であり、第2切欠き部13bは、本発明の「第2基板分割用切欠き部」の一例である。
【0030】
第1実施形態では、上記のように、n型GaN基板1の裏面のレーザ共振器端面20の近傍に、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に位置する第1切欠き部13aと、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域に位置する第2切欠き部13bとを形成することによって、発光層4で発生した光の一部がn型GaN基板1内を導波した場合に、第1切欠き部13aの微細な凹凸形状の内面と第2切欠き部13bの微細な凹凸形状の内面との両方で光を散乱させることができるので、n型GaN基板1内で強い光が発生するのを有効に抑制することができる。これにより、n型GaN基板1内で強い光が発生することに起因する基板モードの発生を抑制することができる。その結果、レーザ光の発光パターンを良好にすることができるので、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を得ることができる。なお、基板モードとは、素子が発振したときに出射されるレーザ光の遠視野像の裾部に発生する強い光を意味する。
【0031】
また、第1実施形態では、基板としてn型GaN基板1を用いることによって、n型GaN基板1は、発光層4の光がn型GaN基板1に導波しやすいので、第1切欠き部13aの微細な凹凸形状の内面および第2切欠き部13bの微細な凹凸形状の内面により発光層4からの光を散乱する効果を大きくすることができる。また、n型GaN基板1と、n型GaN基板1上に形成された発光層4を含む窒化物系半導体各層(2〜5)との結晶軸が一致するので、n型GaN基板1と発光層4を含む窒化物系半導体各層(2〜5)とを、同一の割れやすい結晶軸で分割することができる。このため、レーザ共振器端面20となる発光層4の分割面の平坦性を向上させることができる。これにより、レーザ共振器端面となる発光層の分割面における光損失を低減することができるので、しきい値電流や動作電流を低減することができる。
【0032】
また、第1実施形態では、MQW活性層42上のみにp側光ガイド層43を設けており、MQW活性層42の裏面側には光ガイド層を設けていないので、MQW活性層42で発生した光は、p型クラッド層5にしみ出しにくい一方、n型GaN基板1側にしみ出しやすい。ここで、p型クラッド層5は、キャリア濃度を高くするのが困難であるとともに、厚みを大きくするとクラックが発生しやすくなるため、通常、数百nmと小さい厚みに設定されている。このようにp型クラッド層5の厚みを小さくすると、MQW活性層42とp側オーミック電極9との距離が小さくなるので、p型クラッド層5にしみ出した光がp側オーミック電極9で吸収されやすくなる。この第1実施形態では、上記のように、p側光ガイド層43によりp側に光がしみ出すのを抑制することができるので、p側オーミック電極9での光吸収を抑制することができる。なお、n型GaN基板1側にしみ出した光がn型GaN基板1内を導波したとしても、n型GaN基板1は、InGaNからなるMQW活性層42の屈折率よりも小さい屈折率を有するので、n型GaN基板1における光の閉じ込めが、MQW活性層42における光の閉じ込めよりも弱くなる。これにより、n型GaN基板1における光の閉じ込めが強くなることに起因する基板モードの発生を抑制することができる。
【0033】
図4〜図9は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。図10は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の基板を分割するための溝部を形成する前の状態を示した平面図であり、図11は、図10の破線で囲まれた領域の100−100線に沿った断面図である。図12は、図10に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の基板を分割するための溝部を形成した後の状態を示した平面図であり、図13は、図12の破線で囲まれた領域の200−200線に沿った断面図である。次に、図1〜図13を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0034】
まず、図4に示すように、MOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相堆積法)を用いて、約400μmの厚みを有する酸素がドープされたn型GaN基板1の(0001)面上に、約1μmの厚みを有するアンドープGaNからなるn型層2、約1μmの厚みを有するGeがドープされたAl0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層3、発光層4、MgがドープされたAl0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層5、および、約3nmの厚みを有するMgがドープされたIn0.01Ga0.99Nからなるp型コンタクト層6を順次形成する。
【0035】
なお、発光層4を形成する際には、図3に示したように、約20nmの厚みを有するアンドープAl0.25Ga0.75Nからなるn側キャリアブロック層41と、約3.5nmの厚みを有するアンドープInXGa1−XNからなる3つの量子井戸層42aおよび約20nmの厚みを有するアンドープInYGa1−YNからなる3つの量子障壁層42bが交互に積層されたMQW活性層42と、約0.1μmの厚みを有するアンドープIn0.01Ga0.99Nからなるp側光ガイド層43と、約20nmの厚みを有するMgがドープされたAl0.25Ga0.75Nからなるp側キャリアブロック層44とを順次形成する。
【0036】
次に、図5に示すように、プラズマCVD法を用いて、p型コンタクト層6上のほぼ全面に、約1μmの厚みを有するSiO2膜31を形成する。さらに、SiO2膜31上に、フォトレジスト(図示せず)を塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、約1.5μmの幅を有するとともに、[1−100]方向に延びるストライプ状(細長状)のレジストパターン32を形成する。
【0037】
次に、レジストパターン32をマスクとして、CF4ガスによるRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法を用いて、SiO2膜31をエッチングする。これにより、図6に示すように、約1.5μmの幅を有するとともに、[1−100]方向に延びるストライプ状(細長状)のSiO2膜31が形成される。この後、レジストパターン32を除去する。
【0038】
次に、図7に示すように、Cl2ガスによるRIE法を用いて、SiO2膜31をマスクとして、p型コンタクト層6およびp型クラッド層5の所定領域をエッチングすることにより、p型クラッド層5の凸部とp型コンタクト層6とによって構成されるとともに、[1−100]方向に延びるストライプ状(細長状)のリッジ部7を形成する。このとき、p型クラッド層5の凸部以外の平坦部の厚みが、約0.05μmになるように、エッチング深さを制御する。この後、HF系エッチャントを用いて、SiO2膜31を除去する。
【0039】
次に、プラズマCVD法を用いて、全面を覆うように、約0.2μmの厚みを有するSiO2膜(図示せず)を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびCF4ガスによるRIE法を用いて、SiO2膜のp型コンタクト層6の上面上に位置する部分を除去する。これにより、図8に示すような、SiO2膜からなる電流ブロック層8が形成される。
【0040】
次に、図9に示すように、真空蒸着法を用いて、p型コンタクト層6の露出された上面上に、下層から上層に向かって、約1nmの厚みを有するPt層と、約100nmの厚みを有するPd層と、約240nmの厚みを有するAu層と、約240nmの厚みを有するNi層とからなるp側オーミック電極9をストライプ状(細長状)に形成する。そして、真空蒸着法を用いて、電流ブロック層8の表面上およびp側オーミック電極9を覆うように、下層から上層に向かって、約100nmの厚みを有するTi層と、約150nmの厚みを有するPt層と、約3μmの厚みを有するAu層とからなるp側パッド電極10を形成する。
【0041】
次に、n型GaN基板1の裏面を研磨することによって、n型GaN基板1を約150μmの厚みにする。この後、真空蒸着法を用いて、n型GaN基板1の裏面上に、n型GaN基板1に近い方から順に、約6nmの厚みを有するAl層と、約2nmの厚みを有するSi層と、約10nmの厚みを有するNi層と、約100nmの厚みを有するAu層とからなるn側オーミック電極11を形成する。そして、真空蒸着法を用いて、n側オーミック電極11の裏面上に、n側オーミック電極11に近い方から順に、約10nmの厚みを有するNi層と、約700nmの厚みを有するAu層とからなるn側パッド電極12を形成する。この図9に示した状態での平面が図10に示されており、図10の破線部の100−100線に沿った断面が図11に示されている。
【0042】
次に、図10および図11に示した状態から図12および図13に示すように、n型GaN基板1の裏面にYAGレーザ光を照射するとともに、n型GaN基板1をリッジ部7と直交する方向([11−20]方向)に移動させることによって、n型GaN基板1の裏面に、深さの異なる2種類の第1溝部43aおよび第2溝部43bを交互に形成する。具体的には、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域に位置する第2溝部43bの深さD2が、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に位置する第1溝部43aの深さD1よりも小さくなるように、YAGレーザ光を照射する。また、第1溝部43aのリッジ部7と直交する方向([11−20]方向)の長さW4が約280μm、かつ、第2溝部43bのリッジ部7と直交する方向の長さW2が約20μmになるように、YAGレーザ光を照射する。
【0043】
なお、大きい深さD1を有する第1溝部43aを形成する際のYAGレーザ光の照射条件は、出力:約0.5W、周波数:20kHz、および、基板移動速度:10m/sである。また、小さい深さD2を有する第2溝部43bを形成する際のYAGレーザ光の照射条件は、出力:約0.3W、周波数:20kHz、および、基板移動速度:10m/sである。つまり、小さい深さD2を有する第2溝部43bを形成する際には、YAGレーザ出力を約0.5Wから約0.3Wに低下させ、その他の条件は、大きい深さD1を有する第1溝部43aの形成条件と同じにする。これにより、約40μmの最大溝幅と、約75μmの深さD1(第1溝部43a)および約25μmの深さD2(第2溝部43b)とを有するとともに、リッジ部7と直交する方向([11−20]方向)に延びる溝部43が形成される。
【0044】
また、YAGレーザ光を照射する際には、溝部43の底部が所定量の幅を有するように、YAGレーザ光の焦点がn型GaN基板1内で結ばれないようにレンズを調節する。これにより、溝部43が延びる方向と窒化物系半導体結晶が最も割れやすい[11−20]方向に延びる結晶軸とが完全に一致していなくても、溝部43の底部が所定量の幅を有するので、[11−20]方向に延びる結晶軸を溝部43の底部の幅の範囲内に配置させることができる。
【0045】
最後に、スクライバを用いて、n型GaN基板1の周縁部近傍に位置する溝部43の一方端部のほぼ中央部の領域のみに、n型GaN基板1の上面(溝部43が形成されていない面)側からスクライブライン60を形成する。この後、そのスクライブライン60と一致するように、ブレーカの刃を押し付けることにより、溝部43に沿ってn型GaN基板1を分割(劈開)することによって、レーザ共振器端面20(図2参照)を形成する。すなわち、レーザ共振器端面20は、[11−20]方向に平行な(1−100)面と(−1100)面とにより構成される。
【0046】
ここで、基板の周縁部近傍のみにスクライブライン60を形成する方法は、従来のGaAs系半導体基板やAlGaInP系半導体基板が用いられた半導体レーザ素子では一般的に知られている技術である。その一方、従来の窒化物系半導体基板やサファイア基板が用いられた半導体レーザ素子では、窒化物系半導体基板やサファイア基板の機械的強度が高いために、基板の分割線の全領域にわたってスクライブラインを形成しないと、分割するのが困難であった。この場合、スクライブラインと結晶軸とを完全に一致させるのが困難であるので、スクライブラインに沿って分割されたレーザ共振器端面の平坦性を向上させるのが困難であった。これに対して、この第1実施形態では、窒化物系半導体結晶が最も割れやすい[11−20]方向に延びる結晶軸が、溝部43の底部の幅の範囲内に配置されているので、劈開(分割)が容易になる。このため、n型GaN基板1の分割線の全領域にわたってスクライブラインを形成する必要がない。
【0047】
このようにして、図1および図2に示したような、第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0048】
第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造方法では、上記のように、n型GaN基板1の裏面にYAGレーザ光を照射することにより、約75μmの深さD1を有するとともに、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に位置するリッジ部7と直交する方向([11−20]方向)に延びる第1溝部43aと、第1溝部43aよりも小さい深さD2(約25μm)を有するとともに、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域に位置するリッジ部7と直交する方向([11−20]方向)に延びる第2溝部43bとを形成した後、第1溝部43aおよび第2溝部43bに沿ってn型GaN基板1を分割することによりレーザ共振器端面20を形成することによって、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域に形成する第2溝部43bの深さを、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に形成する第1溝部43aの深さよりも小さくするので、第2溝部43bを形成する際のレーザ光の出力(約0.3W)が、第1溝部43aを形成する際のレーザ光の出力(約0.5W)よりも小さい。このため、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域に第2溝部43bを形成したとしても、電流通路部としてのリッジ部7の下方に位置する発光層4の領域(発光部)が熱的な損傷を受けるのを抑制することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、YAGレーザ光の照射により形成したn型GaN基板1の裏面の第1溝部43aおよび第2溝部43bに沿ってn型GaN基板1を分割することによって、ダイシングやスクライブなどによりn型GaN基板1の分割面を形成する必要がない。これにより、レーザ共振器端面20となるn型GaN基板1の分割面の発光部が機械的な損傷を受けるのを防止することができる。
【0050】
上記のように、第1実施形態では、発光部の熱的および機械的な損傷が防止されるので、熱的および機械的な損傷に起因して、電流通路部としてのリッジ部7の下方に位置する発光層4の領域(発光部)に非発光センタが形成されるのを抑制することができる。その結果、非発光センタの形成に起因するしきい値電流や動作電流の増加を抑制することができるので、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を容易に製造することができる。
【0051】
また、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域、および、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域に、それぞれ、n型GaN基板1を分割するための第1溝部43aおよび第2溝部43bが形成されているので、容易に、第1溝部43aおよび第2溝部43bに沿ってn型GaN基板1を分割することができる。これにより、レーザ共振器端面20となる発光層4の分割面の平坦性を向上させることができるので、レーザ共振器端面20となる発光層4の分割面における光損失を低減することができる。このため、光損失に起因するしきい値電流や動作電流の増加も抑制することができる。
【0052】
また、第1実施形態の製造プロセスでは、基板としてn型GaN基板1を用いることによって、n型GaN基板1と、n型GaN基板1上に形成された窒化物系半導体各層(2〜5)との結晶軸が一致するので、n型GaN基板1と窒化物系半導体各層(2〜5)とを、同一の割れやすい結晶軸([11−20]方向に延びる結晶軸)で分割することができる。これにより、レーザ共振器端面20となる発光層4の分割面の平坦性をより向上させることができる。このため、レーザ共振器端面20となる発光層4の分割面における光損失をより低減することができるので、光損失に起因するしきい値電流や動作電流の増加をさらに抑制することができる。
【0053】
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の電流通路部(リッジ部)の延びる方向と直交する方向から見た正面図であり、図15は、図14の側面図である。図14および図15を参照して、この第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、上記第1実施形態と異なり、電流通路部としてのリッジ部の下方の領域には、切欠き部が形成されておらず、電流通路部としてのリッジ部の下方の領域を除く領域にのみ切欠き部が形成されている。
【0054】
すなわち、この第2実施形態では、図14および図15に示すように、n型GaN基板1の裏面の電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に切欠き部53が形成されている。そして、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域には、切欠き部が形成されていない。切欠き部53の内面には、上記第1実施形態と同様、数nm以上数百nm以下の微細な凹凸形状が形成されている。なお、切欠き部53は、本発明の「基板分割用切欠き部」の一例である。なお、第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0055】
第2実施形態では、上記のように、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に切欠き部53を形成することによって、発光層4で発生した光の一部がn型GaN基板1内を導波した場合に、切欠き部53の微細な凹凸形状の内面で光を散乱させることができるので、n型GaN基板1内で強い光が発生するのを有効に抑制することができる。これにより、n型GaN基板1内で強い光が発生することに起因する基板モードの発生を抑制することができる。その結果、レーザ光の発光パターンを良好にすることができるので、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を得ることができる。
【0056】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0057】
第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスとしては、まず、図4〜図11に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、図10および図11に示した構造を形成する。この後、n型GaN基板1の裏面にYAGレーザ光を照射するとともに、n型GaN基板1をリッジ部7と直交する方向([11−20]方向)に移動させることによって、n型GaN基板1の裏面に溝部(図示せず)を形成する。この際、第2実施形態では、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域にYAGレーザ光が照射されないように、電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域にのみ溝部を形成する。
【0058】
最後に、上記第1実施形態と同様のプロセスを用いて、溝部に沿ってn型GaN基板1を分割(劈開)することによって、レーザ共振器端面20(図15参照)を形成する。
【0059】
このようにして、図14および図15に示したような、第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0060】
第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスでは、上記のように、n型GaN基板1の裏面の電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域にYAGレーザ光を照射することにより、リッジ部7と直交する方向([11−20]方向)に延びる溝部を形成した後、その溝部に沿ってn型GaN基板1を分割することによりレーザ共振器端面20を形成することによって、n型GaN基板1を分割するための溝部をn型GaN基板1の裏面の電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域を除く領域に形成するので、n型GaN基板1の裏面の電流通路部としてのリッジ部7の下方の領域にYAGレーザ光を照射する必要がない。このため、電流通路部としてのリッジ部7の下方に位置する発光層4の領域(発光部)が熱的な損傷を受けるのを第1実施形態よりもさらに抑制することができる。また、YAGレーザ光の照射により形成したn型GaN基板1の裏面の溝部に沿ってn型GaN基板1を分割することによって、ダイシングやスクライブなどによりn型GaN基板1の分割面を形成する必要がない。これにより、レーザ共振器端面20となるn型GaN基板1の発光部が機械的な損傷を受けるのを防止することができる。上記のように、発光部の熱的および機械的な損傷が防止されるので、熱的および機械的な損傷に起因して、電流通路部としてのリッジ部7の下方に位置する発光層4の領域(発光部)に非発光センタが形成されるのを抑制することができる。その結果、非発光センタの形成に起因するしきい値電流や動作電流の増加を抑制することができるので、良好な発光特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を容易に製造することができる。
【0061】
また、第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、リッジ部7の下方の領域に位置する溝部を形成しないので、製造工程を簡略化することができる。その結果、製造コストの低減を図ることができる。
【0062】
なお、第2実施形態の製造プロセスのその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0063】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0064】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、基板としてn型GaN基板を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限らず、InGaN、AlGaNおよびAlGaInNなどからなる基板を用いてもよい。また、これらにB(ボロン)を加えたGaBN、InGaBN、AlGaBNおよびAlGaInBNなどからなる基板を用いてもよい。さらに、ZrB2基板を用いてもよい。この場合、ZrB2は、GaNと格子定数が近いので、良好な結晶性を有する窒化物系半導体各層をZrB2基板上に形成することができる。
【0065】
また、上記第1および第2実施形態では、MOCVD法を用いて、窒化物系半導体各層を結晶成長させるようにしたが、本発明はこれに限らず、HVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy:ハライド気相成長法)、および、TMAl、TMGa、TMIn、NH3、SiH4、GeH4およびCp2Mgなどを原料ガスとして用いるガスソースMBE法(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル成長法)などを用いて、窒化物系半導体各層を結晶成長させるようにしてもよい。
【0066】
また、上記第1および第2実施形態では、窒化物系半導体各層の表面が(0001)面になるように積層したが、本発明はこれに限らず、窒化物系半導体各層の表面が他の方向になるように積層してもよい。たとえば、窒化物系半導体各層の表面が(1−100)や(11−20)面などの(H、K、−H−K、0)面になるように積層してもよい。この場合、MQW活性層内にピエゾ電場が発生しないので、井戸層のエネルギバンドの傾きに起因する正孔と電子との再結合確率の低下を抑制することができる。その結果、MQW活性層の発光効率を向上することができる。
【0067】
また、上記第1および第2実施形態では、活性層として多重量子井戸(MQW)構造の活性層を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、量子効果を有しない大きな厚みを有する単層または単一量子井戸構造の活性層であっても同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、上記第1および第2実施形態では、基板を分割する際に、基板の周縁部近傍に位置する溝部の一方端部のほぼ中央部の領域に、スクライブラインを形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、スクライブラインを形成せずに基板を分割するようにしてもよい。ただし、この場合には、上記第1および第2実施形態に比べて、基板の分割位置の精度が悪くなる。
【0069】
また、上記第1および第2実施形態では、基板を分割するための溝部の底部が所定量の幅を有するように形成したが、本発明はこれに限らず、溝部の底部を先細り形状に形成するようにしてもよい。ただし、この場合、溝部の底部の先端部に沿って基板が分割されるので、基板上に形成された窒化物系半導体各層を割れやすい結晶軸に沿って分割するのが困難になる。
【0070】
また、上記第1および第2実施形態では、[1−100]方向に延びるリッジ部を形成するとともに、[11−20]方向に延びる溝部を形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、これらの方向が結晶学的に等価な方向であればよい。すなわち、リッジ部および溝部を、それぞれ、<1−100>、および、<11−20>で表せる方向に延びるように形成すればよい。
【0071】
また、上記第1および第2実施形態では、電流通路部としてリッジ部を有する構造に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、リッジ部以外の電流通路部が形成された構造にも同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の電流通路部(リッジ部)の延びる方向と直交する方向から見た正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1および図2に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層の詳細を示した拡大断面図である。
【図4】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図5】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図6】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図7】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図8】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図9】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図10】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の基板を分割するための溝部を形成する前の状態を示した平面図である。
【図11】図10の破線で囲まれた領域の100−100線に沿った断面図である。
【図12】図10に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の基板を分割するための溝部を形成した後の状態を示した平面図である。
【図13】図12の破線で囲まれた領域の200−200線に沿った断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の電流通路部(リッジ部)の延びる方向と直交する方向から見た正面図である。
【図15】図14の側面図である。
【符号の説明】
1 n型GaN基板(基板)
2 n型層(窒化物系半導体層)
3 n型クラッド層(窒化物系半導体層)
4 発光層
5 p型クラッド層(窒化物系半導体層)
6 p型コンタクト層(窒化物系半導体層)
7 リッジ部(電流通路部)
13 切欠き部
13a 第1切欠き部(第1基板分割用切欠き部)
13b 第2切欠き部(第2基板分割用切欠き部)
20 レーザ共振器端面
43 溝部
43a 第1溝部
43b 第2溝部
53 切欠き部(基板分割用切欠き部)
Claims (8)
- 基板上に、発光層を含む複数の窒化物系半導体層を形成する工程と、
前記複数の窒化物系半導体層の少なくとも1つに、所定の方向に延びる電流通路部を形成する工程と、
前記基板の裏面の前記電流通路部の下方の領域を除く領域の少なくとも一部にレーザ光を照射することによって、前記基板の裏面に前記電流通路部と交差する方向に延びる溝部を形成する工程と、
前記溝部に沿って前記基板を分割することにより、レーザ共振器端面を形成する工程とを備えた、窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。 - 基板上に、発光層を含む複数の窒化物系半導体層を形成する工程と、
前記複数の窒化物系半導体層の少なくとも1つに、所定の方向に延びる電流通路部を形成する工程と、
前記基板の裏面にレーザ光を照射することによって、前記電流通路部の下方の領域を除く領域に所定の深さを有する前記電流通路部と交差する方向に延びる第1溝部を形成するとともに、前記電流通路部の下方の領域に前記第1溝部よりも小さい深さを有する前記電流通路部と交差する方向に延びる第2溝部を形成する工程と、
前記第1溝部および前記第2溝部に沿って前記基板を分割することにより、レーザ共振器端面を形成する工程とを備えた、窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。 - 前記基板は、窒化物系半導体基板を含む、請求項1または2に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
- 基板上に形成され、発光層を含む複数の窒化物系半導体層と、
前記複数の窒化物系半導体層の少なくとも1つに形成され、所定の方向に延びる電流通路部と、
前記電流通路部の延びる方向と交差する方向の端部に形成されたレーザ共振器端面と、
前記基板の裏面の前記レーザ共振器端面近傍の少なくとも一部に形成され、微細な凹凸形状の内面を有する基板分割用切欠き部とを備えた、窒化物系半導体レーザ素子。 - 前記基板分割用切欠き部は、前記基板の裏面の前記電流通路部の下方の領域を除く領域の少なくとも一部に形成されている、請求項4に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
- 前記基板分割用切欠き部は、
前記電流通路部の下方の領域を除く領域に形成され、所定の深さを有する第1基板分割用切欠き部と、
前記電流通路部の下方の領域に形成され、前記第1基板分割用切欠き部よりも小さい深さを有する第2基板分割用切欠き部とを含む、請求項4または5に記載の窒化物系半導体レーザ素子。 - 前記基板は、前記発光層の屈折率よりも小さい屈折率を有する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
- 前記基板は、窒化物系半導体基板を含む、請求項4〜7のいずれか1項に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
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