JP2004241212A - 携帯機器用電源システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池を用いて充分な容量の電力が得られ、しかもエネルギーの補給を簡便に行うことができる、また、電源が常時ONの状態で使用される携帯機器にも安定して電力を供給できる小型大容量の携帯機器用電源システムを提供する。
【解決手段】携帯機器1に搭載されて携帯機器を駆動する電力を発生する再生可能な電源本体部2と、電源本体部の再生時に電源本体部と接続して電源本体部にエネルギーを供給するエネルギー補給装置3とからなる携帯機器用電源システムであって、電源本体部は、携帯機器を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池4と、燃料電池に水素を供給する水素貯蔵容器7とを備え、エネルギー補給装置は、水素貯蔵容器と脱着可能に接続されて水素貯蔵容器に供給する水素を発生する水素発生手段22を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】携帯機器1に搭載されて携帯機器を駆動する電力を発生する再生可能な電源本体部2と、電源本体部の再生時に電源本体部と接続して電源本体部にエネルギーを供給するエネルギー補給装置3とからなる携帯機器用電源システムであって、電源本体部は、携帯機器を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池4と、燃料電池に水素を供給する水素貯蔵容器7とを備え、エネルギー補給装置は、水素貯蔵容器と脱着可能に接続されて水素貯蔵容器に供給する水素を発生する水素発生手段22を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話やノート型PC(パーソナルコンピュータ)などの携帯機器に用いられる電源システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やノート型PCなどの携帯機器の電源としては、良く知られているように、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池などの二次電池と充電アダプターとから成る電源システムが広く用いられている。
近年、携帯機器の高機能化に伴う消費電力の増大、携帯電話のインターネット接続、無線LANや地上波ディジタルテレビ放送などの普及による携帯機器の常時使用、駆動時間の長時間化から、従来の二次電池では容量が不足し、携帯機器の機能を充分に発揮できない恐れが出てきている。このような状況に対して、水素と空気を用いて発電する超小型の燃料電池を用いた電源システムが提案されている。
【0003】
従来の燃料電池を用いた電源システムの例として、機器搭載用燃料電池装置では、パーソナルコンピュータ等の可搬用機器に搭載して用いられる燃料電池装置であって、燃料電池本体と、この燃料電池本体に必要な水素を吸蔵する水素吸蔵ボンベと、この水素吸蔵ボンベからの水素の流動を制御し、上記燃料電池本体における燃料電池の作動を制御する制御部と、上記水素吸蔵ボンベと燃料電池本体とを連結し、水素を水素吸蔵ボンベから燃料電池本体に供給する水素供給手段と、上記燃料電池本体に燃料電池の発電に必要な酸素を供給するための空気を供給する送気手段と、上記燃料電池本体で生成される水を回収して保水する保水手段と、上記回収した水を用いて燃料電池本体に供給する水素を加湿する加湿手段と、これらを収納するとともに、可搬用機器に機械的、かつ電気的に着脱可能に結合する電池装置ケースとを有し、上記電池装置ケースには、上記送気手段の吸気口ならびに排気口と水素吸蔵ボンベを出し入れできる手段を有し、かつ前記水素供給手段は、水素吸蔵ボンベと着脱可能な構成としている(例えば、特許文献1参照)。
また、燃料電池起動時に送風手段である空気ブロアの始動を補助して起動直後の発電特性を改善したり、発電停止期間における水素漏れなどの緊急時の対応用に補助電池を燃料電池ケースに内蔵した例も示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のような機器搭載用燃料電池装置を搭載した可搬用機器(携帯機器)は、燃料電池装置が水素貯蔵容器の水素と空気中の酸素から発電した電力を得て駆動される。燃料電池による発電容量は二次電池の数倍から数十倍と言われており、携帯機器の高機能化、長時間駆動が可能となる。
このように、水素燃料を用いることにより二次電池に比べ大容量な、繰返し使用可能な電源システムが可能になる。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−213359号公報(第2−5頁、第1〜20図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、水素吸蔵ボンベの水素が全て消費された場合のエネルギー補給手段として、水素吸蔵ボンベに水素を充填するか、燃料電池ケースから水素吸蔵ボンベを取り出して水素を充填済みのボンベに交換すると記載されている。水素吸蔵ボンベに水素を充填するためには水素を購入しなければならず、水素を購入しても高圧ボンベの形で運搬しなければならない。しかも、水素は可燃性気体であるため水素吸蔵ボンベへの水素充填も慎重にする必要がある。また、燃料電池ケースから水素吸蔵ボンベを取り出して水素を充填済みのボンベに交換する場合には、使用済みのボンベを取扱い店に持参して回収あるいは新たに水素を充填してもらわなければならず、面倒である。
【0007】
また、水素などを燃料とした燃料電池電源システムでは、酸素の供給が無くなると発電が停止してしまう。現状でも携帯電話は電源を常時入れておくのが通常の使い方であり、電源がON状態のままでポケットや鞄に入れて持ち運んでいる。また、無線LANなどが普及すればノート型PCなども電源が常時ONの状態で使われる状況になると思われる。上記で説明したような水素を燃料とした電源システムを用いた携帯機器の場合、電源を入れっぱなしでポケットや鞄などの通気性の悪い場所に置いておくと、酸素が欠乏し発電が停止してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、燃料電池を用いて充分な容量の電力が得られ、しかもエネルギーの補給を簡便に行うことができる小型大容量の携帯機器用電源システムを提供することを第1の目的とする。
また、酸素が欠乏した状態でも携帯機器を駆動する電力を発生することができ、電源が常時ONの状態で使用される携帯機器にも安定して電力を供給できる携帯機器用電源システムを提供することをの第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる携帯機器用電源システムは、携帯機器に搭載されて前記携帯機器を駆動する電力を発生する再生可能な電源本体部と、前記電源本体部の再生時に電源本体部と接続して電源本体部にエネルギーを供給するエネルギー補給装置とからなる携帯機器用電源システムであって、前記電源本体部は、前記携帯機器を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池と、前記燃料電池に水素を供給する水素貯蔵容器とを備え、前記エネルギー補給装置は、前記水素貯蔵容器と脱着可能に接続されて前記水素貯蔵容器に供給する水素を発生する水素発生手段を備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1による携帯機器用電源システムおよび携帯機器を説明するための全体構成図である。
携帯機器1(例えばノート型PC)には、携帯機器1を駆動する電力を発生する電源本体部2が搭載(本実施の形態では携帯機器1の内部に収容)されている。
電源本体部2は、携帯機器1を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池4と、燃料電池4に水素を供給する水素貯蔵容器7と、燃料電池4の出力に並列に接続され、携帯機器1を駆動する電力を発生する二次電池16とを備えている。
【0011】
燃料電池4は、図2に断面図で示すように、イオン伝導性固体高分子膜8およびイオン導電性固体高分子膜8の両側に形成された触媒電極9a、9bからなる膜・電極接合体10と、膜・電極接合体10の一方の面(図2では触媒電極9a側の面)が内側に向く面となる気密室11と、気密室11側の触媒電極9aに電気的に接続されたマイナス出力端子5aと、他方の触媒電極9bに接続されたプラス出力端子5aとから成る電池セルを備えている。また、50は出力端子支持部材である。
【0012】
燃料電池4の気密室11と水素貯蔵容器7とは導管6で連結(連通)され、水素貯蔵容器7から気密室11に水素が供給される。
水素貯蔵容器7には、水素貯蔵容器7に水素を充填するための充填孔12が設けられており、充填孔12は、通常時は閉状態である。水素貯蔵容器7内には水素吸蔵合金が充填されている。電源本体部2および携帯機器1の筐体には、触媒電極9bに空気が供給できるように、必要に応じて通気孔(図示せず)が設けられている。
【0013】
燃料電池(電池セル)4の出力端子5は、電源本体部2の出力端子13に電気的に接続されており、出力端子13は携帯機器1の電気回路14の電源入力端子15に電気的に接続されている。
二次電池16の端子17は、燃料電池(電池セル)4の出力端子5と並列に接続されている。二次電池16としては、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池などが用いられる。
また、電源本体部2は、二次電池16の充電制御回路18を備えており、充電制御回路18には、二次電池16の端子17に接続される出力端子19と、充電用入力端子20とが設けられている。
【0014】
本実施の形態では、電源本体部2は、燃料電池4、水素貯蔵容器7、二次電池16、および充電制御回路8を一体的に収納するケース(図1中、破線で示す。
)を備えており、充填孔12、出力端子13、および充電用入力端子20はこのケースに固定して設けられている。
【0015】
電源本体部2の再生時に電源本体部2と接続し、電源本体部2にエネルギーを供給するエネルギー補給装置3は、水素貯蔵容器7と脱着可能に接続されて水素貯蔵容器7に供給する水素を発生する水素発生手段(本実施の形態では水電解装置)22と、水電解用直流電源24と、二次電池16と脱着可能に接続されて二次電池16を充電する充電用直流電源26とを備えている。
【0016】
エネルギー補給装置3の供給孔21は、電源本体部2の充填孔12と脱着可能に構成されており、水素発生手段である水電解装置22の水素発生側と導管23で接続されている。電源本体部2の充填孔12とエネルギー補給装置3の供給孔21とは一般的な導管接続用のワンタッチコネクタであり、接続時は導通(連通)状態となり、外したときは閉状態となるように構成されている。水電解装置22には水電解用直流電源24の出力が接続されている。
【0017】
また、エネルギー補給装置3の充電用出力端子25は、電源本体部2の充電用入力端子20と脱着可能に構成されており、充電用出力端子25には充電用直流電源26の出力が接続されている。充電用入力端子20と充電用出力端子25とは一般的な電気的接続コネクタであり、脱着可能に構成されている。
【0018】
本実施の形態では、エネルギー補給装置3は、水電解装置22、水電解用直流電源24、および充電用直流電源26を一体的に収納するケース300を備えており、供給孔21、充電用出力端子25、および商用電源入力端子27はこのケース300に固定して設けられている。
【0019】
エネルギー補給装置3を図1中矢印の方向に移動させて、または電源本体部2を図1中矢印と逆の方向に移動させて、電源本体部2とエネルギー補給装置3とを接続することで、電源本体部2の充填孔12とエネルギー補給装置3の供給孔21、および電源本体部2の充電用入力端子20とエネルギー補給装置3の充電用出力端子25が、それぞれ接続される。各直流電源24、25は商用電源入力端子27から電力を供給される。また、図示していないが、水電解装置22および直流電源24、26の制御装置を備えている。
【0020】
次に動作について説明する。水素貯蔵容器7内の水素圧力は内部の水素吸蔵合金の水素平衡圧力に保たれており、水素貯蔵容器7と導管6で連結(連通)されている燃料電池(電池セル)4の気密室11も同圧力の水素で満たされる。水素吸蔵合金は低圧力で大量の水素を貯蔵できるため、携帯機器など小型軽量な電源が必要な用途には水素貯蔵容器7の小型軽量化が図られ有用である。
触媒電極9aでは水素が水素イオンとなり、この水素イオンはイオン伝導性固体高分子膜8を通って触媒電極9bに達し、触媒電極9bで空気中の酸素と反応して電力を発生する。発生した電力は電源本体部2の出力端子13から携帯機器1の電気回路14の電源入力端子15に至り、携帯機器1を駆動する。
電力を発生するにつれて気密室11の水素は消費されるが、気密室11は、水素貯蔵容器7と導管6で連通されているので水素吸蔵合金の平衡圧力に保たれ、すなわち水素吸蔵合金から水素が供給され、発電が継続される。触媒電極9b側では携帯機器1の外部と通気性が保たれており、発電に必要な酸素は外部から取り入れられる。
【0021】
携帯機器1を、電源を入れたままで鞄など通気性の悪い状態に置くと、燃料電池(電池セル)4の発電につれて空気中の酸素が消費され、携帯機器1が置かれた空間内の酸素が欠乏して燃料電池(電池セル)4の出力が低下する。
しかしながら、本実施の形態では、燃料電池(電池セル)4の出力は二次電池16に並列接続されているので、電源本体部1の出力端子13の電圧は二次電池16の出力電圧に維持され、燃料電池(電池セル)4の出力低下分の電力が二次電池16で補償され、携帯機器1が必要とする電力が電源本体部2から携帯機器1の電気回路14に供給される。
【0022】
このように、本実施の形態では、二次電池16は、燃料電池の出力に並列に接続され、しかも携帯機器1を駆動可能な出力を持つように選定されているので、酸素欠乏のために燃料電池(電池セル)4の発電出力が全く無くなっても携帯機器1は動作し続ける。携帯機器1を開放空間に戻せば、酸素供給が元に戻り、燃料電池(電池セル)4の発電が再開される。このときに燃料電池(電池セル)4で発電された電力は二次電池16の充電にも使われる。
【0023】
水素貯蔵容器7内の水素吸蔵合金が水素を放出しきった場合、二次電池16のエネルギー(電力)が残っていれば、二次電池16で携帯機器1は駆動される。
水素貯蔵容器7の水素も二次電池16の電力も使い切った場合は、エネルギー補給装置3により、電源本体部2にエネルギー補給を行う。
エネルギー補給に際し、電源本体部2の充填孔12にエネルギー補給装置3の供給孔21を接続し、電源本体部2の充電用入力端子20にエネルギー補給装置3の充電用出力端子25を接続する。これはエネルギー補給装置3を図1中矢印の方向に移動させて、または電源本体部2を図1中矢印と逆の方向に移動させて、電源本体部2とエネルギー補給装置3とを接続することで同時に行える。
【0024】
水電解装置22の水電解槽に水を入れた状態でエネルギー補給装置3の商用電源入力端子27を商用電源に接続し、水電解用直流電源24により水電解装置22を作動させ、発生した水素を導管23を通し供給孔21と充填孔12の接続部を介して、水素貯蔵容器7に導き、内部の水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる。
同時に、充電用直流電源26を作動させ、充電用出力端子25、充電用入力端子20、充電制御回路18を介して二次電池16の充電を行う。このように、水素補給時には、携帯機器使用時(エネルギー補給装置3と接続されていない状態)のように燃料電池(電池セル)4で水素を消費して発電した電力で二次電池16を充電するのではなく、二次電池16を、外部電源である充電用直流電源26を用いて充電するので、一旦水素貯蔵容器7に充填した水素を、二次電池16を充電するために使う必要が無く、水素貯蔵容器7に貯蔵した水素を有効に利用できるので電源本体部1の大容量化が図れる。
電源本体部2へのエネルギーの補給、すなわち水素貯蔵容器7の水素充填および二次電池16の充電、が終了すれば、エネルギー補給装置3と電源本体部2を切り離す。電源本体部2は再生されて携帯機器1に電力を供給することが可能となり、携帯機器1を使用することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態では、水素発生手段として水電解装置を用いているので、水を電気分解するだけで水素が手軽に得られ、水と電源さえあれば水素を補給できるという利点がある。
【0026】
また、水素貯蔵容器7に水素吸蔵合金を充填しているので、水素貯蔵に高い圧力を必要とせず、耐圧の低い水素貯蔵容器を用いることができ、電源本体部2を小型軽量とすることができる。しかも水素補給時に高い圧力の水素を必要としないので、簡便で安全にエネルギーが補給できると共にエネルギー補給装置3の小形化に有利である。
エネルギー補給装置3を小形化して携帯可能に構成することにより、より使い勝手が向上する。
【0027】
また、電源本体部2は、燃料電池4の出力に並列に接続され、携帯機器1を駆動可能な電力を発生する二次電池16を備えたので、酸素が欠乏した状態でも携帯機器1を駆動する電力を発生することができ、電源が常時ONの状態で使用される携帯機器1にも安定して電力を供給できる小型大容量の携帯機器用電源システムが得られる。
【0028】
また、エネルギー補給装置3は、二次電池16と脱着可能に接続されて二次電池16を充電する充電用直流電源を備えたので、水素貯蔵容器7への水素の補給と同時に二次電池16を充電することができ、携帯機器使用時とは違いエネルギー補給時には燃料電池(電池セル)4を用いて二次電池16を充電する必要が無く、水素貯蔵容器7に貯蔵した水素を有効に利用できるので電源本体部1の大容量化が図れる。
また、本実施の形態では、充填孔12と充電用入力端子20とを電源本体部2に固定し、供給孔21と充電用出力端子25とをエネルギー補給装置3に固定しているので、電源本体部2の充填孔12とエネルギー補給装置3の供給孔21との接続と、電源本体部2の充電用入力端子20とエネルギー補給装置3の充電用出力端子25との接続を1つの動作で行うことができ、簡便にエネルギーを補給することができる。
【0029】
また、上記のような携帯機器用電源システムで携帯機器を駆動するようにすることにより、長時間駆動ができ使い勝手の良い携帯機器が得られる。
【0030】
なお、図2では単セル構造の燃料電池4を示したが、必要電圧に応じ複数の単セルを直列に接続してもよい。
【0031】
また、燃料電池(電池セル)4と水素貯蔵容器7とは導管6で連結されているが水素貯蔵容器7の水素が燃料電池(電池セル)4の気密室11に供給できれば、導管でなくてもよい。さらに、燃料電池(電池セル)4と水素貯蔵容器7の間に遮蔽弁や圧力調整弁を設けてもよい。
【0032】
また、充填孔12は水素貯蔵容器7に設けず、電源本体部2または携帯機器1の筐体に設け、水素貯蔵容器7と導管等で連通してもよい。
【0033】
また、上記実施の形態で必要に応じて、燃料電池(電池セル)4および二次電池16の出力端子5、17と電源本体部2の出力端子13との間に保護制御回路を設けてもよい。
また、エネルギー補給装置3の水素発生手段である水電解装置3と供給孔21の間に遮断弁や流量調整装置を設けてもよく、また発生した水素を貯めておくタンクを設けてもよい。
【0034】
また、エネルギー補給時は、電源本体部2を携帯機器1に収納したままエネルギー補給装置3に接続してもよいし、電源本体部2を携帯機器1から取り外して電源本体部2だけをエネルギー供給装置3に接続してもよい。
また、エネルギー補給時には、水素貯蔵容器7への水素の補給のみを行ってもよいし、二次電池16への充電のみを行ってもよい。
【0035】
また、供給孔21と充電用出力端子25をエネルギー補給装置3の筐体300に直接固定しているが、可撓性の導管および電線の先端部にそれぞれ供給孔21および充電用出力端子25を設けてもよい。
【0036】
なお、二次電池16の代わりにキャパシタであってもよく、キャパシタとしては、通常のコンデンサや電気二重層コンデンサなどが用いられる。
【0037】
また、図1では、電源本体部2は携帯機器1の内部に収容されているが、携帯機器1の外部に搭載されてもよい。
【0038】
また、電源本体部2の構成要素である燃料電池4、水素貯蔵容器7、二次電池16、および充電制御回路8を一体的にケースに収納しているが、各構成要素を個別に携帯機器1内に収納してもよい。
【0039】
また、携帯機器の例として、ノート型PCを示したが、これに限るものではなく、本発明による携帯機器用電源システムは、携帯電話、携帯情報端末、携帯通信機器、携帯オーディオ機器、ディジタルカメラ、ビデオカメラなど、さらには、ポータブルなプリンターやファクス、扇風機、保温保冷庫、アイロン、ポット、掃除機、炊飯器、電磁調理器、照明器具、ゲーム機やラジコンカーなどの玩具、電動工具など様々な携帯機器に使用でき、充分な容量の電力が得られ、しかもエネルギーの補給を簡便に行うことができる。特に、燃料電池の出力に並列に接続され、携帯機器を駆動可能な電力を発生する二次電池またはキャパシタを備えた場合には、電源が常時ONの状態で使用される携帯機器にも安定して電力を供給でき安心して適用できる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、携帯機器に搭載されて前記携帯機器を駆動する電力を発生する再生可能な電源本体部と、前記電源本体部の再生時に電源本体部と接続して電源本体部にエネルギーを供給するエネルギー補給装置とからなる携帯機器用電源システムであって、前記電源本体部は、前記携帯機器を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池と、前記燃料電池に水素を供給する水素貯蔵容器とを備え、前記エネルギー補給装置は、前記水素貯蔵容器と脱着可能に接続されて前記水素貯蔵容器に供給する水素を発生する水素発生手段を備えたので、充分な容量の電力が得られ、しかもエネルギーの補給を簡便に行うことができる小型大容量の携帯機器用電源システムが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による携帯機器用電源システムを説明するための全体構成図である。
【図2】図1の燃料電池(電池セル)を示す断面図である。
【符号の説明】
1 携帯機器、2 電源本体部、3 エネルギー補給装置、4 燃料電池(電池セル)、5,5a,5b 出力端子、7 水素貯蔵容器、8 イオン伝導性固体高分子膜、9a,9b 触媒電極、10 膜・電極接合体、11 気密室、12 充填孔、16 二次電池(またはキャパシタ)、20 充電用入力端子、21 供給孔、22 水電解装置(水素発生手段)、23 導管、25 充電用出力端子。
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話やノート型PC(パーソナルコンピュータ)などの携帯機器に用いられる電源システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やノート型PCなどの携帯機器の電源としては、良く知られているように、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池などの二次電池と充電アダプターとから成る電源システムが広く用いられている。
近年、携帯機器の高機能化に伴う消費電力の増大、携帯電話のインターネット接続、無線LANや地上波ディジタルテレビ放送などの普及による携帯機器の常時使用、駆動時間の長時間化から、従来の二次電池では容量が不足し、携帯機器の機能を充分に発揮できない恐れが出てきている。このような状況に対して、水素と空気を用いて発電する超小型の燃料電池を用いた電源システムが提案されている。
【0003】
従来の燃料電池を用いた電源システムの例として、機器搭載用燃料電池装置では、パーソナルコンピュータ等の可搬用機器に搭載して用いられる燃料電池装置であって、燃料電池本体と、この燃料電池本体に必要な水素を吸蔵する水素吸蔵ボンベと、この水素吸蔵ボンベからの水素の流動を制御し、上記燃料電池本体における燃料電池の作動を制御する制御部と、上記水素吸蔵ボンベと燃料電池本体とを連結し、水素を水素吸蔵ボンベから燃料電池本体に供給する水素供給手段と、上記燃料電池本体に燃料電池の発電に必要な酸素を供給するための空気を供給する送気手段と、上記燃料電池本体で生成される水を回収して保水する保水手段と、上記回収した水を用いて燃料電池本体に供給する水素を加湿する加湿手段と、これらを収納するとともに、可搬用機器に機械的、かつ電気的に着脱可能に結合する電池装置ケースとを有し、上記電池装置ケースには、上記送気手段の吸気口ならびに排気口と水素吸蔵ボンベを出し入れできる手段を有し、かつ前記水素供給手段は、水素吸蔵ボンベと着脱可能な構成としている(例えば、特許文献1参照)。
また、燃料電池起動時に送風手段である空気ブロアの始動を補助して起動直後の発電特性を改善したり、発電停止期間における水素漏れなどの緊急時の対応用に補助電池を燃料電池ケースに内蔵した例も示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のような機器搭載用燃料電池装置を搭載した可搬用機器(携帯機器)は、燃料電池装置が水素貯蔵容器の水素と空気中の酸素から発電した電力を得て駆動される。燃料電池による発電容量は二次電池の数倍から数十倍と言われており、携帯機器の高機能化、長時間駆動が可能となる。
このように、水素燃料を用いることにより二次電池に比べ大容量な、繰返し使用可能な電源システムが可能になる。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−213359号公報(第2−5頁、第1〜20図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、水素吸蔵ボンベの水素が全て消費された場合のエネルギー補給手段として、水素吸蔵ボンベに水素を充填するか、燃料電池ケースから水素吸蔵ボンベを取り出して水素を充填済みのボンベに交換すると記載されている。水素吸蔵ボンベに水素を充填するためには水素を購入しなければならず、水素を購入しても高圧ボンベの形で運搬しなければならない。しかも、水素は可燃性気体であるため水素吸蔵ボンベへの水素充填も慎重にする必要がある。また、燃料電池ケースから水素吸蔵ボンベを取り出して水素を充填済みのボンベに交換する場合には、使用済みのボンベを取扱い店に持参して回収あるいは新たに水素を充填してもらわなければならず、面倒である。
【0007】
また、水素などを燃料とした燃料電池電源システムでは、酸素の供給が無くなると発電が停止してしまう。現状でも携帯電話は電源を常時入れておくのが通常の使い方であり、電源がON状態のままでポケットや鞄に入れて持ち運んでいる。また、無線LANなどが普及すればノート型PCなども電源が常時ONの状態で使われる状況になると思われる。上記で説明したような水素を燃料とした電源システムを用いた携帯機器の場合、電源を入れっぱなしでポケットや鞄などの通気性の悪い場所に置いておくと、酸素が欠乏し発電が停止してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、燃料電池を用いて充分な容量の電力が得られ、しかもエネルギーの補給を簡便に行うことができる小型大容量の携帯機器用電源システムを提供することを第1の目的とする。
また、酸素が欠乏した状態でも携帯機器を駆動する電力を発生することができ、電源が常時ONの状態で使用される携帯機器にも安定して電力を供給できる携帯機器用電源システムを提供することをの第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる携帯機器用電源システムは、携帯機器に搭載されて前記携帯機器を駆動する電力を発生する再生可能な電源本体部と、前記電源本体部の再生時に電源本体部と接続して電源本体部にエネルギーを供給するエネルギー補給装置とからなる携帯機器用電源システムであって、前記電源本体部は、前記携帯機器を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池と、前記燃料電池に水素を供給する水素貯蔵容器とを備え、前記エネルギー補給装置は、前記水素貯蔵容器と脱着可能に接続されて前記水素貯蔵容器に供給する水素を発生する水素発生手段を備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1による携帯機器用電源システムおよび携帯機器を説明するための全体構成図である。
携帯機器1(例えばノート型PC)には、携帯機器1を駆動する電力を発生する電源本体部2が搭載(本実施の形態では携帯機器1の内部に収容)されている。
電源本体部2は、携帯機器1を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池4と、燃料電池4に水素を供給する水素貯蔵容器7と、燃料電池4の出力に並列に接続され、携帯機器1を駆動する電力を発生する二次電池16とを備えている。
【0011】
燃料電池4は、図2に断面図で示すように、イオン伝導性固体高分子膜8およびイオン導電性固体高分子膜8の両側に形成された触媒電極9a、9bからなる膜・電極接合体10と、膜・電極接合体10の一方の面(図2では触媒電極9a側の面)が内側に向く面となる気密室11と、気密室11側の触媒電極9aに電気的に接続されたマイナス出力端子5aと、他方の触媒電極9bに接続されたプラス出力端子5aとから成る電池セルを備えている。また、50は出力端子支持部材である。
【0012】
燃料電池4の気密室11と水素貯蔵容器7とは導管6で連結(連通)され、水素貯蔵容器7から気密室11に水素が供給される。
水素貯蔵容器7には、水素貯蔵容器7に水素を充填するための充填孔12が設けられており、充填孔12は、通常時は閉状態である。水素貯蔵容器7内には水素吸蔵合金が充填されている。電源本体部2および携帯機器1の筐体には、触媒電極9bに空気が供給できるように、必要に応じて通気孔(図示せず)が設けられている。
【0013】
燃料電池(電池セル)4の出力端子5は、電源本体部2の出力端子13に電気的に接続されており、出力端子13は携帯機器1の電気回路14の電源入力端子15に電気的に接続されている。
二次電池16の端子17は、燃料電池(電池セル)4の出力端子5と並列に接続されている。二次電池16としては、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池などが用いられる。
また、電源本体部2は、二次電池16の充電制御回路18を備えており、充電制御回路18には、二次電池16の端子17に接続される出力端子19と、充電用入力端子20とが設けられている。
【0014】
本実施の形態では、電源本体部2は、燃料電池4、水素貯蔵容器7、二次電池16、および充電制御回路8を一体的に収納するケース(図1中、破線で示す。
)を備えており、充填孔12、出力端子13、および充電用入力端子20はこのケースに固定して設けられている。
【0015】
電源本体部2の再生時に電源本体部2と接続し、電源本体部2にエネルギーを供給するエネルギー補給装置3は、水素貯蔵容器7と脱着可能に接続されて水素貯蔵容器7に供給する水素を発生する水素発生手段(本実施の形態では水電解装置)22と、水電解用直流電源24と、二次電池16と脱着可能に接続されて二次電池16を充電する充電用直流電源26とを備えている。
【0016】
エネルギー補給装置3の供給孔21は、電源本体部2の充填孔12と脱着可能に構成されており、水素発生手段である水電解装置22の水素発生側と導管23で接続されている。電源本体部2の充填孔12とエネルギー補給装置3の供給孔21とは一般的な導管接続用のワンタッチコネクタであり、接続時は導通(連通)状態となり、外したときは閉状態となるように構成されている。水電解装置22には水電解用直流電源24の出力が接続されている。
【0017】
また、エネルギー補給装置3の充電用出力端子25は、電源本体部2の充電用入力端子20と脱着可能に構成されており、充電用出力端子25には充電用直流電源26の出力が接続されている。充電用入力端子20と充電用出力端子25とは一般的な電気的接続コネクタであり、脱着可能に構成されている。
【0018】
本実施の形態では、エネルギー補給装置3は、水電解装置22、水電解用直流電源24、および充電用直流電源26を一体的に収納するケース300を備えており、供給孔21、充電用出力端子25、および商用電源入力端子27はこのケース300に固定して設けられている。
【0019】
エネルギー補給装置3を図1中矢印の方向に移動させて、または電源本体部2を図1中矢印と逆の方向に移動させて、電源本体部2とエネルギー補給装置3とを接続することで、電源本体部2の充填孔12とエネルギー補給装置3の供給孔21、および電源本体部2の充電用入力端子20とエネルギー補給装置3の充電用出力端子25が、それぞれ接続される。各直流電源24、25は商用電源入力端子27から電力を供給される。また、図示していないが、水電解装置22および直流電源24、26の制御装置を備えている。
【0020】
次に動作について説明する。水素貯蔵容器7内の水素圧力は内部の水素吸蔵合金の水素平衡圧力に保たれており、水素貯蔵容器7と導管6で連結(連通)されている燃料電池(電池セル)4の気密室11も同圧力の水素で満たされる。水素吸蔵合金は低圧力で大量の水素を貯蔵できるため、携帯機器など小型軽量な電源が必要な用途には水素貯蔵容器7の小型軽量化が図られ有用である。
触媒電極9aでは水素が水素イオンとなり、この水素イオンはイオン伝導性固体高分子膜8を通って触媒電極9bに達し、触媒電極9bで空気中の酸素と反応して電力を発生する。発生した電力は電源本体部2の出力端子13から携帯機器1の電気回路14の電源入力端子15に至り、携帯機器1を駆動する。
電力を発生するにつれて気密室11の水素は消費されるが、気密室11は、水素貯蔵容器7と導管6で連通されているので水素吸蔵合金の平衡圧力に保たれ、すなわち水素吸蔵合金から水素が供給され、発電が継続される。触媒電極9b側では携帯機器1の外部と通気性が保たれており、発電に必要な酸素は外部から取り入れられる。
【0021】
携帯機器1を、電源を入れたままで鞄など通気性の悪い状態に置くと、燃料電池(電池セル)4の発電につれて空気中の酸素が消費され、携帯機器1が置かれた空間内の酸素が欠乏して燃料電池(電池セル)4の出力が低下する。
しかしながら、本実施の形態では、燃料電池(電池セル)4の出力は二次電池16に並列接続されているので、電源本体部1の出力端子13の電圧は二次電池16の出力電圧に維持され、燃料電池(電池セル)4の出力低下分の電力が二次電池16で補償され、携帯機器1が必要とする電力が電源本体部2から携帯機器1の電気回路14に供給される。
【0022】
このように、本実施の形態では、二次電池16は、燃料電池の出力に並列に接続され、しかも携帯機器1を駆動可能な出力を持つように選定されているので、酸素欠乏のために燃料電池(電池セル)4の発電出力が全く無くなっても携帯機器1は動作し続ける。携帯機器1を開放空間に戻せば、酸素供給が元に戻り、燃料電池(電池セル)4の発電が再開される。このときに燃料電池(電池セル)4で発電された電力は二次電池16の充電にも使われる。
【0023】
水素貯蔵容器7内の水素吸蔵合金が水素を放出しきった場合、二次電池16のエネルギー(電力)が残っていれば、二次電池16で携帯機器1は駆動される。
水素貯蔵容器7の水素も二次電池16の電力も使い切った場合は、エネルギー補給装置3により、電源本体部2にエネルギー補給を行う。
エネルギー補給に際し、電源本体部2の充填孔12にエネルギー補給装置3の供給孔21を接続し、電源本体部2の充電用入力端子20にエネルギー補給装置3の充電用出力端子25を接続する。これはエネルギー補給装置3を図1中矢印の方向に移動させて、または電源本体部2を図1中矢印と逆の方向に移動させて、電源本体部2とエネルギー補給装置3とを接続することで同時に行える。
【0024】
水電解装置22の水電解槽に水を入れた状態でエネルギー補給装置3の商用電源入力端子27を商用電源に接続し、水電解用直流電源24により水電解装置22を作動させ、発生した水素を導管23を通し供給孔21と充填孔12の接続部を介して、水素貯蔵容器7に導き、内部の水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる。
同時に、充電用直流電源26を作動させ、充電用出力端子25、充電用入力端子20、充電制御回路18を介して二次電池16の充電を行う。このように、水素補給時には、携帯機器使用時(エネルギー補給装置3と接続されていない状態)のように燃料電池(電池セル)4で水素を消費して発電した電力で二次電池16を充電するのではなく、二次電池16を、外部電源である充電用直流電源26を用いて充電するので、一旦水素貯蔵容器7に充填した水素を、二次電池16を充電するために使う必要が無く、水素貯蔵容器7に貯蔵した水素を有効に利用できるので電源本体部1の大容量化が図れる。
電源本体部2へのエネルギーの補給、すなわち水素貯蔵容器7の水素充填および二次電池16の充電、が終了すれば、エネルギー補給装置3と電源本体部2を切り離す。電源本体部2は再生されて携帯機器1に電力を供給することが可能となり、携帯機器1を使用することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態では、水素発生手段として水電解装置を用いているので、水を電気分解するだけで水素が手軽に得られ、水と電源さえあれば水素を補給できるという利点がある。
【0026】
また、水素貯蔵容器7に水素吸蔵合金を充填しているので、水素貯蔵に高い圧力を必要とせず、耐圧の低い水素貯蔵容器を用いることができ、電源本体部2を小型軽量とすることができる。しかも水素補給時に高い圧力の水素を必要としないので、簡便で安全にエネルギーが補給できると共にエネルギー補給装置3の小形化に有利である。
エネルギー補給装置3を小形化して携帯可能に構成することにより、より使い勝手が向上する。
【0027】
また、電源本体部2は、燃料電池4の出力に並列に接続され、携帯機器1を駆動可能な電力を発生する二次電池16を備えたので、酸素が欠乏した状態でも携帯機器1を駆動する電力を発生することができ、電源が常時ONの状態で使用される携帯機器1にも安定して電力を供給できる小型大容量の携帯機器用電源システムが得られる。
【0028】
また、エネルギー補給装置3は、二次電池16と脱着可能に接続されて二次電池16を充電する充電用直流電源を備えたので、水素貯蔵容器7への水素の補給と同時に二次電池16を充電することができ、携帯機器使用時とは違いエネルギー補給時には燃料電池(電池セル)4を用いて二次電池16を充電する必要が無く、水素貯蔵容器7に貯蔵した水素を有効に利用できるので電源本体部1の大容量化が図れる。
また、本実施の形態では、充填孔12と充電用入力端子20とを電源本体部2に固定し、供給孔21と充電用出力端子25とをエネルギー補給装置3に固定しているので、電源本体部2の充填孔12とエネルギー補給装置3の供給孔21との接続と、電源本体部2の充電用入力端子20とエネルギー補給装置3の充電用出力端子25との接続を1つの動作で行うことができ、簡便にエネルギーを補給することができる。
【0029】
また、上記のような携帯機器用電源システムで携帯機器を駆動するようにすることにより、長時間駆動ができ使い勝手の良い携帯機器が得られる。
【0030】
なお、図2では単セル構造の燃料電池4を示したが、必要電圧に応じ複数の単セルを直列に接続してもよい。
【0031】
また、燃料電池(電池セル)4と水素貯蔵容器7とは導管6で連結されているが水素貯蔵容器7の水素が燃料電池(電池セル)4の気密室11に供給できれば、導管でなくてもよい。さらに、燃料電池(電池セル)4と水素貯蔵容器7の間に遮蔽弁や圧力調整弁を設けてもよい。
【0032】
また、充填孔12は水素貯蔵容器7に設けず、電源本体部2または携帯機器1の筐体に設け、水素貯蔵容器7と導管等で連通してもよい。
【0033】
また、上記実施の形態で必要に応じて、燃料電池(電池セル)4および二次電池16の出力端子5、17と電源本体部2の出力端子13との間に保護制御回路を設けてもよい。
また、エネルギー補給装置3の水素発生手段である水電解装置3と供給孔21の間に遮断弁や流量調整装置を設けてもよく、また発生した水素を貯めておくタンクを設けてもよい。
【0034】
また、エネルギー補給時は、電源本体部2を携帯機器1に収納したままエネルギー補給装置3に接続してもよいし、電源本体部2を携帯機器1から取り外して電源本体部2だけをエネルギー供給装置3に接続してもよい。
また、エネルギー補給時には、水素貯蔵容器7への水素の補給のみを行ってもよいし、二次電池16への充電のみを行ってもよい。
【0035】
また、供給孔21と充電用出力端子25をエネルギー補給装置3の筐体300に直接固定しているが、可撓性の導管および電線の先端部にそれぞれ供給孔21および充電用出力端子25を設けてもよい。
【0036】
なお、二次電池16の代わりにキャパシタであってもよく、キャパシタとしては、通常のコンデンサや電気二重層コンデンサなどが用いられる。
【0037】
また、図1では、電源本体部2は携帯機器1の内部に収容されているが、携帯機器1の外部に搭載されてもよい。
【0038】
また、電源本体部2の構成要素である燃料電池4、水素貯蔵容器7、二次電池16、および充電制御回路8を一体的にケースに収納しているが、各構成要素を個別に携帯機器1内に収納してもよい。
【0039】
また、携帯機器の例として、ノート型PCを示したが、これに限るものではなく、本発明による携帯機器用電源システムは、携帯電話、携帯情報端末、携帯通信機器、携帯オーディオ機器、ディジタルカメラ、ビデオカメラなど、さらには、ポータブルなプリンターやファクス、扇風機、保温保冷庫、アイロン、ポット、掃除機、炊飯器、電磁調理器、照明器具、ゲーム機やラジコンカーなどの玩具、電動工具など様々な携帯機器に使用でき、充分な容量の電力が得られ、しかもエネルギーの補給を簡便に行うことができる。特に、燃料電池の出力に並列に接続され、携帯機器を駆動可能な電力を発生する二次電池またはキャパシタを備えた場合には、電源が常時ONの状態で使用される携帯機器にも安定して電力を供給でき安心して適用できる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、携帯機器に搭載されて前記携帯機器を駆動する電力を発生する再生可能な電源本体部と、前記電源本体部の再生時に電源本体部と接続して電源本体部にエネルギーを供給するエネルギー補給装置とからなる携帯機器用電源システムであって、前記電源本体部は、前記携帯機器を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池と、前記燃料電池に水素を供給する水素貯蔵容器とを備え、前記エネルギー補給装置は、前記水素貯蔵容器と脱着可能に接続されて前記水素貯蔵容器に供給する水素を発生する水素発生手段を備えたので、充分な容量の電力が得られ、しかもエネルギーの補給を簡便に行うことができる小型大容量の携帯機器用電源システムが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による携帯機器用電源システムを説明するための全体構成図である。
【図2】図1の燃料電池(電池セル)を示す断面図である。
【符号の説明】
1 携帯機器、2 電源本体部、3 エネルギー補給装置、4 燃料電池(電池セル)、5,5a,5b 出力端子、7 水素貯蔵容器、8 イオン伝導性固体高分子膜、9a,9b 触媒電極、10 膜・電極接合体、11 気密室、12 充填孔、16 二次電池(またはキャパシタ)、20 充電用入力端子、21 供給孔、22 水電解装置(水素発生手段)、23 導管、25 充電用出力端子。
Claims (5)
- 携帯機器に搭載されて前記携帯機器を駆動する電力を発生する再生可能な電源本体部と、前記電源本体部の再生時に電源本体部と接続して電源本体部にエネルギーを供給するエネルギー補給装置とからなる携帯機器用電源システムであって、
前記電源本体部は、前記携帯機器を駆動する電力を発生する固体高分子型の燃料電池と、前記燃料電池に水素を供給する水素貯蔵容器とを備え、
前記エネルギー補給装置は、前記水素貯蔵容器と脱着可能に接続されて前記水素貯蔵容器に供給する水素を発生する水素発生手段を備えたことを特徴とする携帯機器用電源システム。 - 前記水素貯蔵容器内に水素吸蔵合金が充填されていることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用電源システム。
- 前記水素発生手段が水電解装置であることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用電源システム。
- 前記電源本体部は、前記燃料電池の出力に並列に接続され、前記携帯機器を駆動可能な電力を発生する二次電池またはキャパシタを備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯機器用電源システム。
- 前記エネルギー補給装置は、前記二次電池またはキャパシタと脱着可能に接続されて前記二次電池またはキャパシタを充電する充電用直流電源を備えたことを特徴とする請求項4記載の携帯機器用電源システム。
Priority Applications (1)
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JP2003027775A JP2004241212A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 携帯機器用電源システム |
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JP2003027775A JP2004241212A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 携帯機器用電源システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101095309B1 (ko) | 2009-04-09 | 2011-12-22 | 황성조 | 수소저장합금용기를 구비한 연료전지시스템 |
-
2003
- 2003-02-05 JP JP2003027775A patent/JP2004241212A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101095309B1 (ko) | 2009-04-09 | 2011-12-22 | 황성조 | 수소저장합금용기를 구비한 연료전지시스템 |
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