JP2004241157A - レバー式コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】レバー式コネクタにおいてレバーのロック位置を変更可能とすることで、設置状況に応じたロック解除操作性の向上を図る。
【解決手段】レバー13には経路の異なる第1、第2の二つのカム溝17、18を形成すると共に、レバー13を左右反対方向の二つの装着姿勢で選択的に装着可能とする。そして、第1の装着姿勢ではレバー13を直立姿勢から一方のコネクタハウジング12の背面側へ回動して完全嵌合位置で一方のコネクタハウジング12との間でロック可能とする一方、レバー13の第2の装着姿勢ではレバー13を反対方向へ回動することで他方のコネクタハウジング22との間でレバー13をロックすることができるようにしている。
【選択図】 図2
【解決手段】レバー13には経路の異なる第1、第2の二つのカム溝17、18を形成すると共に、レバー13を左右反対方向の二つの装着姿勢で選択的に装着可能とする。そして、第1の装着姿勢ではレバー13を直立姿勢から一方のコネクタハウジング12の背面側へ回動して完全嵌合位置で一方のコネクタハウジング12との間でロック可能とする一方、レバー13の第2の装着姿勢ではレバー13を反対方向へ回動することで他方のコネクタハウジング22との間でレバー13をロックすることができるようにしている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレバー式コネクタに関し、詳しくは、コネクタハウジングの着脱操作性の向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、多極コネクタ等の嵌合力の大きなコネクタハウジングには、レバーによる梃子機構を用いたレバー式コネクタが用いられている。図7(A)(B)は、一般的なレバー式コネクタ1を示し、一方のコネクタハウジング2にカム溝2aを有するレバー3を回動可能に備えると共に、他方のコネクタハウジング4にはカム溝2aに係合するピン4aを突設している。
【0003】
そして、他方のコネクタハウジング4と嵌合するには、コネクタハウジング2、4の嵌合面側を合わせた後、レバー3をA方向に回動操作することで、カム溝2aとピン4aとによるカム機構を介して両コネクタハウジング2、4を互いに引き寄せて嵌合させるようにしている。このようにして、両コネクタハウジング2、4が完全嵌合したとき、その位置でレバー3と一方のコネクタハウジング2の背面側との間に設けたロック機構5によってレバー3を固定するようにしている。そして、両コネクタハウジング2、4を離脱するときは、ロック機構5を解除操作した後、嵌合時とは反対方向にレバー3を回動することで両コネクタハウジング2、4を離脱することができる。
このようなレバー式コネクタの一般的構造を有するものとしては例えば特許文献1に記載のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−167448号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レバー式コネクタ1を自動車のワイヤハーネスの接続部品として使用する場合、車両内における狭いスペース内で両コネクタハウジング2、4を嵌合しなければならない場合がある。例えば、図7(A)(B)では、両コネクタハウジング2、4を嵌合するためにレバー3をA方向に回動すると共に、一方のコネクタハウジング2の背面でロック機構5によってロックする操作は比較的容易に行うことができる。しかしながら、両コネクタハウジング2、4を離脱するに際し、先ずロック機構5の係止を解除しなければならないが、壁6との間の狭いスペースで、入り口7側から手を突っ込んでロック機構5の係止を解除する操作は非常に困難を伴い、作業性がわるい。
一方、同じタイプのレバー式コネクタ1が他の設置個所で使用され、入り口7側が図7(A)(B)とは反対側にある場合は、手前にロック機構5があるのでロック解除操作は比較的容易となる。このように、レバー式コネクタ1の設置個所によって、特にロック解除操作が困難となる場合があるため、従来は、レバー3の回動方向およびロック機構5の位置を図7とは逆方向に設けた別のレバー式コネクタ1を準備しなければならず、部品点数の増加の要因となっていた。
【0006】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、1種類のレバー式コネクタにおいて、レバーの回動方向およびロック機構の位置を相反する方向に選択可能とすることで上記問題点を解消することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、嵌合可能な一対のコネクタハウジングのうち一方のコネクタハウジングにはカム溝を有するレバーが回動可能に取り付けられる一方、他方のコネクタハウジングには上記カム溝に係合するピンが突設され、上記レバーの回動操作により上記カム溝とピンとからなるカム機構を介して両コネクタハウジングを嵌合すると共に、完全嵌合位置で上記レバーをロックするロック機構を備えたレバー式コネクタにおいて、
上記レバーには経路の異なる第1、第2の二つのカム溝を形成すると共に、上記レバーを上記一方のコネクタハウジングの両側壁に対し左右反対方向の二つの装着姿勢へ選択的に装着可能とし、第1の装着姿勢では上記レバーを直立姿勢から上記一方のコネクタハウジングの背面側へ回動することで上記第1のカム溝の作用により両コネクタハウジングを嵌合可能とする一方、第2の装着姿勢では上記レバーを直立姿勢から上記他方のコネクタハウジングの背面側へ回動することで上記第2のカム溝の作用により両コネクタハウジングを嵌合可能とし、上記レバーのロック機構として上記一方のコネクタハウジングの背面側にレバーの第1の装着姿勢に対応する第1のロック部を設けると共に、上記他方のコネクタハウジングの背面側にはレバーの第2の装着姿勢に対応する第2のロック部を設けていることを特徴とするレバー式コネクタを提供している。
【0008】
上記構成によれば、レバー式コネクタの設置状況に伴うレバーの回動操作およびロック機構の解除操作の作業性に応じて、一方のコネクタハウジングに対するレバーの取付方向を変更して使用することができる。これに伴い、完全嵌合時のレバーのロック位置を一方のコネクタハウジング側と他方のコネクタハウジング側とに選択することができるため、狭い設置スペースで操作方向が規制された状況においてもロック機構の解除作業を難なく行うことができる。
【0009】
上記ロック機構はレバーの操作部の中央に設けた撓み可能な係止枠と、上記第1、第2のロック部として両コネクタハウジングに一体形成すると共に上記係止枠に係止可能なロック爪とからなっている。このようにすれば、ロック機構におけるレバー側の構成部材をレバーが第1、第2のいずれの装着姿勢にあっても共通の係止枠として構成することができ、構造を簡素化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明のレバー式コネクタ10の実施形態を示し、雌端子(図示せず)を収容する雌コネクタ11と雄端子(図示せず)を収容すると共に自動車に配置される機器等に備えられた雄コネクタ21とからなっている。
【0011】
雌コネクタ11は、図1、図2(A)(B)に示すように、合成樹脂製の雌コネクタハウジング12と、これに取り付けられるレバー13とからなり、電線Wの端末に圧着された雌端子を収容する複数のキャビティ12aを備えている。
雌コネクタハウジング12に取り付けられたレバー13は、板状をなす左右一対の腕部14a、14bの一端を操作部15で連結した門形状に成形され、雌コネクタハウジング12の左右両側壁12c、12dを跨ぐようにして配置している。そして、腕部14a、14bに開口形成した軸孔16を雌コネクタハウジング12の両側壁から突設した支軸12bに嵌合することでレバー13を回動可能に取り付けている。詳しくは、レバー13は、雌コネクタハウジング12の両側壁12c、12dに対し左右反対方向の二つの装着姿勢、即ち第1の装着姿勢(図3(A))と第2の装着姿勢(図5(A))とのいずれかに選択的に装着可能としている。これにより、レバー13は操作部15が直立状態で起立した初期位置から雌コネクタハウジング12の背面側または嵌合面側の終端位置へ回動可能としている。
【0012】
レバー13における腕部14a、14bの内面には、所要形状の二つの曲線経路からなる第1、第2のカム溝17、18を形成すると共に、雄コネクタ21における雄コネクタハウジング22の左右両側壁にはカム溝17、18に係合するピン23を外方へ向けて突設している。この二つのカム溝17、18は軸孔16を中心として180°位相した点対称位置に形成され、雌コネクタハウジング12に対し、レバー13を第1、第2の装着姿勢に取り付けたとき、その曲線経路が対称となるように設定している。
また、雌コネクタハウジング12の両側壁12c、12dには両コネクタ11、21の嵌合時にピン23の基部をなす台座23aを嵌合方向に受け入れる案内溝12eを対向端縁から奥側に向けて切り込み形成している。そして、レバー13が第1、第2の装着姿勢において直立状態の初期位置にあるとき、カム溝17、18の入り口17a、18aが案内溝12eと整合して雄コネクタハウジング22のピン23および台座23aを受け入れ可能な状態となるようにしている。
【0013】
レバー13の腕部14a、14bの内面部おいてカム溝17、18の入り口17a、18aの付近には、レバー13を初期位置で仮係止するためのストッパー14cを内方へ向けて突設している。このストッパー14cはレバー13が直立の初期位置にあるとき、案内溝12eに嵌入してレバー13の回動を規制可能としている。そして、雌コネクタハウジング12に雄コネクタハウジング22が嵌合したとき、ストッパー14cは案内溝12eに挿入される台座23aによって外方へ押し出されることでレバー13の回動規制が解除されるようになっている。
【0014】
レバー13の操作部15の幅方向の中央位置には、レバー13を第1の装着姿勢および第2の装着姿勢での回動終端に固定するための係止枠15aを形成している。係止枠15aは、後述の係止爪12f、22fと係合することで、回動終端位置におけるレバー13のロック機構を構成している。係止枠15aは操作部15から回動方向へ向けて片持ち梁状に突出して弾性的に撓み可能とされている。これに対応して、雌コネクタハウジング12の背面部には、レバー13の回動終端において係止枠15aに係合するロック爪12fを突設し、同様に雄コネクタハウジング22の背面部にも同様にレバー13を終端位置で固定するためのロック爪22fを突設している。即ち、レバー13の第1の装着姿勢(図4(A)(B))では係止枠15aとロック爪12fが係合し、第2の装着姿勢(図6(A)(B))では係止枠15aとロック爪22fが係合することでレバー13の終端位置におけるロック機構を構成している。
【0015】
次に、上記構成からなるレバー式コネクタの作用について説明する。
まず、レバー13を回動終端において雌コネクタハウジング12側でロックする場合は、図2(A)に示すように、係止枠15aを雌コネクタハウジング12の背面側に向けた姿勢でレバー13を直立姿勢で雌コネクタハウジング12に取り付ける(第1の装着姿勢)。このときレバー13はストッパー14cが案内溝12e内に嵌入することで回動が規制され、第1の装着姿勢での直立姿勢が保持される。次いで、図3(A)に示すように、雌コネクタハウジング12に相手側の雄コネクタハウジング22を嵌合すると、先ず、雄コネクタハウジング22の両側部に設けた台座23aが雌コネクタハウジング12の案内溝12e内に挿入されると同時に台座23aがストッパー14cを外方へ移動させて係止状態を解除すべく作用する。
【0016】
続いて、図3(B)に示すように、レバー13を雌コネクタハウジング12の背面側(P方向)へ回動すると、雄コネクタハウジング22のピン23がレバー13に形成した案内溝17の軌道に沿って雌コネクタハウジング12側へ引き込まれる。そして、図4(A)(B)に示すように、レバー13が略90°回動した段階で両コネクタハウジング12、22は完全嵌合され、レバー13に設けた係止枠15aが撓んで雌コネクタハウジング12側のロック片12fと係合する。これにより、両コネクタハウジング12、22は、完全嵌合状態となり、レバー13と雌コネクタハウジング12との間のロック機構によってレバー13がその位置で固定されるため、雌コネクタハウジング12と雄コネクタハウジング22との完全嵌合状態が維持される。
【0017】
次に、レバー13を回動終端において雄コネクタ21側でロックする場合は、図5(A)に示すように、係止枠15aを雄コネクタ21側に向けた直立姿勢でレバー13を雌コネクタハウジング12に取り付ける(第2の装着姿勢)。そして、上記第1の装着姿勢の場合と同様に、雌コネクタハウジング12に雄コネクタ21を初期嵌合することでストッパー14cを解除した後、図4(B)に示すように、レバー13を雄コネクタ21の背面側(Q方向)へ回動する。続いて、図6(A)(B)に示すように、レバー13が直立姿勢から図中右方向へ略90°回動した時点で雌コネクタハウジング12と雄コネクタ21とが完全嵌合すると共に、係止枠15aが雄コネクタ21側のロック爪22fに係合することで、レバー13を完全嵌合位置で固定することができる。
【0018】
上記のように、レバー13は雌コネクタハウジング12に対し、第1の装着姿勢と第2の装着姿勢の二位置に選択的に取り付けることができ、雄コネクタ21との嵌合操作に対し、その回動方向を左右逆方向に設定することができる。これに伴い、レバー13を完全嵌合位置で固定するためのロック機構の位置を雌コネクタハウジング12の背面側と雄コネクタ21の背面側のうちいずれかに選択することができる。よって、車両においてレバー式コネクタ10が設置される位置での操作スペースの状態に応じて、レバー13の装着姿勢を選択することで、レバー13の回動操作およびロック機構の解除操作が行ない易いように設定することができる。このため、レバー13の装着姿勢の異なる2種類のレバー式コネクタを別途準備することなく、共通のものを利用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明では、一方のコネクタハウジングに対するレバーの装着姿勢を変更することにより、他方のコネクタハウジングとの嵌合操作時の回動方向を変更することができる。このため、レバー式コネクタの設置状況に応じてレバーの装着姿勢を変更することで、レバーのロック機構を一方のコネクタハウジング側と他方のコネクタハウジング側に選択して取り付けることができ、その状況に応じてロック解除時の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレバー式コネクタの斜視図である。
【図2】(A)はレバー式コネクタの側面図、(B)はレバーの断面図である。
【図3】(A)はレバーの第1の装着姿勢での嵌合初期状態を示す図、(B)はレバーの回動途中の状態を示す図である。
【図4】(A)はレバーの第1の装着姿勢での嵌合完了時のレバーのロック状態を示す図、(B)は同状態でのロック機構の拡大図である。
【図5】(A)はレバーの第2の装着姿勢での嵌合初期状態を示す図、(B)はレバーの回動途中の状態を示す図である。
【図6】(A)はレバーの第2の装着姿勢での嵌合完了時のレバーのロック状態を示す図、(B)は同状態でのロック機構の拡大図である。
【図7】(A)(B)は従来のレバー式コネクタの操作状態を示す図である。
【符号の説明】
10 レバー式コネクタ
12 雌コネクタハウジング(一方のコネクタハウジング)
12c、12d 側壁
13 レバー
14a、14b 腕部
15a 係止枠
17、18 カム溝
22 雄コネクタハウジング(他方のコネクタハウジング)
12f、22f ロック爪(ロック部)
23 ピン
【発明の属する技術分野】
本発明はレバー式コネクタに関し、詳しくは、コネクタハウジングの着脱操作性の向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、多極コネクタ等の嵌合力の大きなコネクタハウジングには、レバーによる梃子機構を用いたレバー式コネクタが用いられている。図7(A)(B)は、一般的なレバー式コネクタ1を示し、一方のコネクタハウジング2にカム溝2aを有するレバー3を回動可能に備えると共に、他方のコネクタハウジング4にはカム溝2aに係合するピン4aを突設している。
【0003】
そして、他方のコネクタハウジング4と嵌合するには、コネクタハウジング2、4の嵌合面側を合わせた後、レバー3をA方向に回動操作することで、カム溝2aとピン4aとによるカム機構を介して両コネクタハウジング2、4を互いに引き寄せて嵌合させるようにしている。このようにして、両コネクタハウジング2、4が完全嵌合したとき、その位置でレバー3と一方のコネクタハウジング2の背面側との間に設けたロック機構5によってレバー3を固定するようにしている。そして、両コネクタハウジング2、4を離脱するときは、ロック機構5を解除操作した後、嵌合時とは反対方向にレバー3を回動することで両コネクタハウジング2、4を離脱することができる。
このようなレバー式コネクタの一般的構造を有するものとしては例えば特許文献1に記載のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−167448号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レバー式コネクタ1を自動車のワイヤハーネスの接続部品として使用する場合、車両内における狭いスペース内で両コネクタハウジング2、4を嵌合しなければならない場合がある。例えば、図7(A)(B)では、両コネクタハウジング2、4を嵌合するためにレバー3をA方向に回動すると共に、一方のコネクタハウジング2の背面でロック機構5によってロックする操作は比較的容易に行うことができる。しかしながら、両コネクタハウジング2、4を離脱するに際し、先ずロック機構5の係止を解除しなければならないが、壁6との間の狭いスペースで、入り口7側から手を突っ込んでロック機構5の係止を解除する操作は非常に困難を伴い、作業性がわるい。
一方、同じタイプのレバー式コネクタ1が他の設置個所で使用され、入り口7側が図7(A)(B)とは反対側にある場合は、手前にロック機構5があるのでロック解除操作は比較的容易となる。このように、レバー式コネクタ1の設置個所によって、特にロック解除操作が困難となる場合があるため、従来は、レバー3の回動方向およびロック機構5の位置を図7とは逆方向に設けた別のレバー式コネクタ1を準備しなければならず、部品点数の増加の要因となっていた。
【0006】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、1種類のレバー式コネクタにおいて、レバーの回動方向およびロック機構の位置を相反する方向に選択可能とすることで上記問題点を解消することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、嵌合可能な一対のコネクタハウジングのうち一方のコネクタハウジングにはカム溝を有するレバーが回動可能に取り付けられる一方、他方のコネクタハウジングには上記カム溝に係合するピンが突設され、上記レバーの回動操作により上記カム溝とピンとからなるカム機構を介して両コネクタハウジングを嵌合すると共に、完全嵌合位置で上記レバーをロックするロック機構を備えたレバー式コネクタにおいて、
上記レバーには経路の異なる第1、第2の二つのカム溝を形成すると共に、上記レバーを上記一方のコネクタハウジングの両側壁に対し左右反対方向の二つの装着姿勢へ選択的に装着可能とし、第1の装着姿勢では上記レバーを直立姿勢から上記一方のコネクタハウジングの背面側へ回動することで上記第1のカム溝の作用により両コネクタハウジングを嵌合可能とする一方、第2の装着姿勢では上記レバーを直立姿勢から上記他方のコネクタハウジングの背面側へ回動することで上記第2のカム溝の作用により両コネクタハウジングを嵌合可能とし、上記レバーのロック機構として上記一方のコネクタハウジングの背面側にレバーの第1の装着姿勢に対応する第1のロック部を設けると共に、上記他方のコネクタハウジングの背面側にはレバーの第2の装着姿勢に対応する第2のロック部を設けていることを特徴とするレバー式コネクタを提供している。
【0008】
上記構成によれば、レバー式コネクタの設置状況に伴うレバーの回動操作およびロック機構の解除操作の作業性に応じて、一方のコネクタハウジングに対するレバーの取付方向を変更して使用することができる。これに伴い、完全嵌合時のレバーのロック位置を一方のコネクタハウジング側と他方のコネクタハウジング側とに選択することができるため、狭い設置スペースで操作方向が規制された状況においてもロック機構の解除作業を難なく行うことができる。
【0009】
上記ロック機構はレバーの操作部の中央に設けた撓み可能な係止枠と、上記第1、第2のロック部として両コネクタハウジングに一体形成すると共に上記係止枠に係止可能なロック爪とからなっている。このようにすれば、ロック機構におけるレバー側の構成部材をレバーが第1、第2のいずれの装着姿勢にあっても共通の係止枠として構成することができ、構造を簡素化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明のレバー式コネクタ10の実施形態を示し、雌端子(図示せず)を収容する雌コネクタ11と雄端子(図示せず)を収容すると共に自動車に配置される機器等に備えられた雄コネクタ21とからなっている。
【0011】
雌コネクタ11は、図1、図2(A)(B)に示すように、合成樹脂製の雌コネクタハウジング12と、これに取り付けられるレバー13とからなり、電線Wの端末に圧着された雌端子を収容する複数のキャビティ12aを備えている。
雌コネクタハウジング12に取り付けられたレバー13は、板状をなす左右一対の腕部14a、14bの一端を操作部15で連結した門形状に成形され、雌コネクタハウジング12の左右両側壁12c、12dを跨ぐようにして配置している。そして、腕部14a、14bに開口形成した軸孔16を雌コネクタハウジング12の両側壁から突設した支軸12bに嵌合することでレバー13を回動可能に取り付けている。詳しくは、レバー13は、雌コネクタハウジング12の両側壁12c、12dに対し左右反対方向の二つの装着姿勢、即ち第1の装着姿勢(図3(A))と第2の装着姿勢(図5(A))とのいずれかに選択的に装着可能としている。これにより、レバー13は操作部15が直立状態で起立した初期位置から雌コネクタハウジング12の背面側または嵌合面側の終端位置へ回動可能としている。
【0012】
レバー13における腕部14a、14bの内面には、所要形状の二つの曲線経路からなる第1、第2のカム溝17、18を形成すると共に、雄コネクタ21における雄コネクタハウジング22の左右両側壁にはカム溝17、18に係合するピン23を外方へ向けて突設している。この二つのカム溝17、18は軸孔16を中心として180°位相した点対称位置に形成され、雌コネクタハウジング12に対し、レバー13を第1、第2の装着姿勢に取り付けたとき、その曲線経路が対称となるように設定している。
また、雌コネクタハウジング12の両側壁12c、12dには両コネクタ11、21の嵌合時にピン23の基部をなす台座23aを嵌合方向に受け入れる案内溝12eを対向端縁から奥側に向けて切り込み形成している。そして、レバー13が第1、第2の装着姿勢において直立状態の初期位置にあるとき、カム溝17、18の入り口17a、18aが案内溝12eと整合して雄コネクタハウジング22のピン23および台座23aを受け入れ可能な状態となるようにしている。
【0013】
レバー13の腕部14a、14bの内面部おいてカム溝17、18の入り口17a、18aの付近には、レバー13を初期位置で仮係止するためのストッパー14cを内方へ向けて突設している。このストッパー14cはレバー13が直立の初期位置にあるとき、案内溝12eに嵌入してレバー13の回動を規制可能としている。そして、雌コネクタハウジング12に雄コネクタハウジング22が嵌合したとき、ストッパー14cは案内溝12eに挿入される台座23aによって外方へ押し出されることでレバー13の回動規制が解除されるようになっている。
【0014】
レバー13の操作部15の幅方向の中央位置には、レバー13を第1の装着姿勢および第2の装着姿勢での回動終端に固定するための係止枠15aを形成している。係止枠15aは、後述の係止爪12f、22fと係合することで、回動終端位置におけるレバー13のロック機構を構成している。係止枠15aは操作部15から回動方向へ向けて片持ち梁状に突出して弾性的に撓み可能とされている。これに対応して、雌コネクタハウジング12の背面部には、レバー13の回動終端において係止枠15aに係合するロック爪12fを突設し、同様に雄コネクタハウジング22の背面部にも同様にレバー13を終端位置で固定するためのロック爪22fを突設している。即ち、レバー13の第1の装着姿勢(図4(A)(B))では係止枠15aとロック爪12fが係合し、第2の装着姿勢(図6(A)(B))では係止枠15aとロック爪22fが係合することでレバー13の終端位置におけるロック機構を構成している。
【0015】
次に、上記構成からなるレバー式コネクタの作用について説明する。
まず、レバー13を回動終端において雌コネクタハウジング12側でロックする場合は、図2(A)に示すように、係止枠15aを雌コネクタハウジング12の背面側に向けた姿勢でレバー13を直立姿勢で雌コネクタハウジング12に取り付ける(第1の装着姿勢)。このときレバー13はストッパー14cが案内溝12e内に嵌入することで回動が規制され、第1の装着姿勢での直立姿勢が保持される。次いで、図3(A)に示すように、雌コネクタハウジング12に相手側の雄コネクタハウジング22を嵌合すると、先ず、雄コネクタハウジング22の両側部に設けた台座23aが雌コネクタハウジング12の案内溝12e内に挿入されると同時に台座23aがストッパー14cを外方へ移動させて係止状態を解除すべく作用する。
【0016】
続いて、図3(B)に示すように、レバー13を雌コネクタハウジング12の背面側(P方向)へ回動すると、雄コネクタハウジング22のピン23がレバー13に形成した案内溝17の軌道に沿って雌コネクタハウジング12側へ引き込まれる。そして、図4(A)(B)に示すように、レバー13が略90°回動した段階で両コネクタハウジング12、22は完全嵌合され、レバー13に設けた係止枠15aが撓んで雌コネクタハウジング12側のロック片12fと係合する。これにより、両コネクタハウジング12、22は、完全嵌合状態となり、レバー13と雌コネクタハウジング12との間のロック機構によってレバー13がその位置で固定されるため、雌コネクタハウジング12と雄コネクタハウジング22との完全嵌合状態が維持される。
【0017】
次に、レバー13を回動終端において雄コネクタ21側でロックする場合は、図5(A)に示すように、係止枠15aを雄コネクタ21側に向けた直立姿勢でレバー13を雌コネクタハウジング12に取り付ける(第2の装着姿勢)。そして、上記第1の装着姿勢の場合と同様に、雌コネクタハウジング12に雄コネクタ21を初期嵌合することでストッパー14cを解除した後、図4(B)に示すように、レバー13を雄コネクタ21の背面側(Q方向)へ回動する。続いて、図6(A)(B)に示すように、レバー13が直立姿勢から図中右方向へ略90°回動した時点で雌コネクタハウジング12と雄コネクタ21とが完全嵌合すると共に、係止枠15aが雄コネクタ21側のロック爪22fに係合することで、レバー13を完全嵌合位置で固定することができる。
【0018】
上記のように、レバー13は雌コネクタハウジング12に対し、第1の装着姿勢と第2の装着姿勢の二位置に選択的に取り付けることができ、雄コネクタ21との嵌合操作に対し、その回動方向を左右逆方向に設定することができる。これに伴い、レバー13を完全嵌合位置で固定するためのロック機構の位置を雌コネクタハウジング12の背面側と雄コネクタ21の背面側のうちいずれかに選択することができる。よって、車両においてレバー式コネクタ10が設置される位置での操作スペースの状態に応じて、レバー13の装着姿勢を選択することで、レバー13の回動操作およびロック機構の解除操作が行ない易いように設定することができる。このため、レバー13の装着姿勢の異なる2種類のレバー式コネクタを別途準備することなく、共通のものを利用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明では、一方のコネクタハウジングに対するレバーの装着姿勢を変更することにより、他方のコネクタハウジングとの嵌合操作時の回動方向を変更することができる。このため、レバー式コネクタの設置状況に応じてレバーの装着姿勢を変更することで、レバーのロック機構を一方のコネクタハウジング側と他方のコネクタハウジング側に選択して取り付けることができ、その状況に応じてロック解除時の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレバー式コネクタの斜視図である。
【図2】(A)はレバー式コネクタの側面図、(B)はレバーの断面図である。
【図3】(A)はレバーの第1の装着姿勢での嵌合初期状態を示す図、(B)はレバーの回動途中の状態を示す図である。
【図4】(A)はレバーの第1の装着姿勢での嵌合完了時のレバーのロック状態を示す図、(B)は同状態でのロック機構の拡大図である。
【図5】(A)はレバーの第2の装着姿勢での嵌合初期状態を示す図、(B)はレバーの回動途中の状態を示す図である。
【図6】(A)はレバーの第2の装着姿勢での嵌合完了時のレバーのロック状態を示す図、(B)は同状態でのロック機構の拡大図である。
【図7】(A)(B)は従来のレバー式コネクタの操作状態を示す図である。
【符号の説明】
10 レバー式コネクタ
12 雌コネクタハウジング(一方のコネクタハウジング)
12c、12d 側壁
13 レバー
14a、14b 腕部
15a 係止枠
17、18 カム溝
22 雄コネクタハウジング(他方のコネクタハウジング)
12f、22f ロック爪(ロック部)
23 ピン
Claims (2)
- 嵌合可能な一対のコネクタハウジングのうち一方のコネクタハウジングにはカム溝を有するレバーが回動可能に取り付けられる一方、他方のコネクタハウジングには上記カム溝に係合するピンが突設され、上記レバーの回動操作により上記カム溝とピンとからなるカム機構を介して両コネクタハウジングを嵌合すると共に、完全嵌合位置で上記レバーをロックするロック機構を備えたレバー式コネクタにおいて、
上記レバーには経路の異なる第1、第2の二つのカム溝を形成すると共に、上記レバーを上記一方のコネクタハウジングの両側壁に対し左右反対方向の二つの装着姿勢へ選択的に装着可能とし、第1の装着姿勢では上記レバーを直立姿勢から上記一方のコネクタハウジングの背面側へ回動することで上記第1のカム溝の作用により両コネクタハウジングを嵌合可能とする一方、第2の装着姿勢では上記レバーを直立姿勢から上記他方のコネクタハウジングの背面側へ回動することで上記第2のカム溝の作用により両コネクタハウジングを嵌合可能とし、上記レバーのロック機構として上記一方のコネクタハウジングの背面側にレバーの第1の装着姿勢に対応する第1のロック部を設けると共に、上記他方のコネクタハウジングの背面側にはレバーの第2の装着姿勢に対応する第2のロック部を設けていることを特徴とするレバー式コネクタ。 - 上記ロック機構はレバーの操作部の中央に設けた撓み可能な係止枠と、上記第1、第2のロック部として両コネクタハウジングに一体形成すると共に上記係止枠に係止可能なロック爪とからなる請求項1に記載のレバー式コネクタ。
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JP2003026333A JP2004241157A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | レバー式コネクタ |
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- 2003-02-03 JP JP2003026333A patent/JP2004241157A/ja not_active Withdrawn
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