JP2004240250A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】輻射ヒータによる定着装置を備える構成において、高調波電流や電源電圧変動(フリッカノイズ)を増加させることなく、当該画像形成装置に最適なウォームアップ時間の短縮や定着性の向上を図る。
【解決手段】輻射ヒータ12へ供給する電圧を直流電源回路24による直流電圧とし、当該複写機のシステム構成の状況を接続検知ブロック29の検知情報に基づき検知し、直流電源回路24の出力電圧値を検知された当該複写機のシステム構成の状況に応じてヒータ温度制御ブロック28により可変させることにより、システム構成の状況が軽い場合には、ヒータ用電力を大きくして、ウォームアップ時の時間短縮等を図れるようにした。この際、直流電圧の電圧値の可変により、輻射ヒータ12に供給する電力を可変させるので、トライアック等の電力スイッチ素子により全波出力の位相制御を行う方式に比べて、高調波電流等が増加することもない。
【選択図】 図3
【解決手段】輻射ヒータ12へ供給する電圧を直流電源回路24による直流電圧とし、当該複写機のシステム構成の状況を接続検知ブロック29の検知情報に基づき検知し、直流電源回路24の出力電圧値を検知された当該複写機のシステム構成の状況に応じてヒータ温度制御ブロック28により可変させることにより、システム構成の状況が軽い場合には、ヒータ用電力を大きくして、ウォームアップ時の時間短縮等を図れるようにした。この際、直流電圧の電圧値の可変により、輻射ヒータ12に供給する電力を可変させるので、トライアック等の電力スイッチ素子により全波出力の位相制御を行う方式に比べて、高調波電流等が増加することもない。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、間接加熱方式の熱源として輻射ヒータ内蔵の定着ローラ等の定着部材を用いてトナー像を転写材上に加熱定着する定着装置を備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電気機器は省エネルギーが唱えられており、例えば商用交流電源を使用したハロゲンヒータを定着ヒータに使用している複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置では、定着ヒータによる消費電力の占める割合の削減を図るヒータ点灯の効率化、定着温度の上昇時間の短縮、ヒータ電圧制御回路の構成等についての検討が課題となっている。
【0003】
即ち、この種の画像形成装置では、転写紙にトナー画像をハロゲンヒータ内蔵の定着ローラにより加熱定着させる定着装置を備えたものが一般的である。
【0004】
ここに、定着ローラ内のヒータはトライアックなどの電力スイッチ素子を介して交流電源に接続され、定着ローラには温度を検出するためのサーミスタ等が配設される。通常、画像形成装置のエンジン制御回路からの制御信号でトライアックなどの電力スイッチ素子を駆動してヒータに電力を供給し、定着ローラが所定の設定温度に達すると電力スイッチ素子をオフさせてヒータに対する電力供給を停止させることで、当該画像形成装置において画像形成が可能となるようにしている。
【0005】
定着ローラによる加熱定着で転写紙にトナー画像が定着されると、紙種・画像形成速度等の画像形成の状況に応じて定着ローラの温度が低下する。定着ローラの温度はサーミスタで常時検出されているので、温度が低下するとトライアックなどの電力スイッチ素子を駆動してヒータに電力を供給することで、再び、所定の設定温度に達する。トライアックなどの電力スイッチ素子の駆動は、通常、全波整流回路の全波出力のオン/オフ制御、又は、位相制御で駆動させるようにしている。
【0006】
このような構成の場合、画像形成装置が消費する電力は、当然ではあるが、(ヒータ電力)+(ヒータ以外の負荷電力)となる。ヒータ以外の最大負荷電力は、画像形成装置がフルシステム構成の状況で、かつ、フル稼働の状況の場合の電力となる。このため、画像形成装置がフルシステム構成でない場合、又は、その時点のシステムの稼働状況が低い場合は、フルシステム構成・フル稼働の状況における最大負荷電力よりも小さくなる。
【0007】
一方、画像形成装置としては、ウォームアップ時や連続プリント時のように、ウォームアップ時間の短縮や連続プリント時の定着性の向上を図るために、ヒータ電力ができるだけ大きい方が好ましい場合がある。例えば、画像形成装置がフルシステム構成でない場合、必要な負荷電力はフルシステム構成・フル稼働の状況時よりも小さくなるので、フルシステム構成・フル稼働の状況時の最大負荷電力との差の電力をヒータ電力に供給するようにすれば、ウォームアップ時間の短縮や連続プリント時の定着性の向上を図れる。
【0008】
このようなヒータ用電力を向上させる提案例としては、例えば、加熱手段への電力供給を主電源と補助電源とに切り分け、補助電源のコンデンサに蓄積された電力をヒータ立上げ時に供給するようにした提案例(例えば、特許文献1参照)や、定着部を主電源の他に2次電源でも付勢するようにした提案例(例えば、特許文献1参照)がある。
【0009】
また、間接加熱方式の熱源として輻射ヒータ内蔵の定着装置に関して、その立上り時の熱ロスを低減し、立上り時間の高速化・省電力化を図れるようにした熱応答性に優れた特徴を持つ輻射ヒータに関する提案例もある(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3によれば、フィラメントと少なくとも不活性ガスを含む封入ガスとを密閉したガラス管を有する輻射熱源と、内部に輻射熱源を収納した加熱部材とを備え、輻射熱源により加熱された加熱部材の熱によってシート上に形成されたトナー画像を当該シートに定着する定着装置において、電源投入直後に輻射熱源内のフィラメントとガラス管と封入ガスに滞留される熱量を低減するようにしている。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−315567公報
【特許文献2】
特開平10−282821号公報
【特許文献3】
特開2002−139939公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、全波整流回路の全波出力のオン/オフ制御方式ではヒータ電力を可変することができないために、このようなウォームアップ時間の短縮や連続プリント時の定着性向上を図ることができない。
【0012】
一方、位相制御方式を用いれば電力制御が可能になるためウォームアップ時間の短縮や連続プリント時の定着性向上を図ることが可能になる。しかし、常時、位相制御することになり、高調波電流の増加や電源電圧変動(フリッカノイズ)が大きくなってしまう不具合がある。
【0013】
さらに、特許文献1,2のような提案例は、主電源の他に補助電源や2次電源を用いる構成であり、電源構成及びその制御が複雑になる等の不具合がある。
【0014】
また、特許文献3に示されるような熱応答性に優れた輻射ヒータを用いた定着装置では、熱源自体の立上りが早く、従来のハロゲンヒータよりも定常時のオン・オフにおける熱応答時間に優れているため、通紙時の温度リップルは改善される。しかし、逆に、待機時(スタンバイ時)の温度リップルが大きくなってしまう不具合がある。即ち、大抵は、通紙時に転写紙により熱を奪われてしまうため、熱供給率を上げることで改善しているが、実際には、熱応答性がよいために、逆にスタンバイ時の温度制御リップルが大きくなってしまうものである。つまり、従来の交流電源によるハロゲンヒータの制御にはトライアックを使用しており、商用交流電源周波数の50/60Hz仕様のヒータの温度制御周期は遅く、20ms/16.6msに制限されている現状にあり、このため、特許文献3のような輻射ヒータを用いた定着装置にあってもその熱応答性のよい特徴を活かしきれず、却って、消費電力を大きくしてしまっている。この結果、画像形成装置のように、機械としては、動作時間より圧倒的に待機時間の方が長い場合には、逆に温度リップルが大きいため、必要以上の電力量を消費していることになる。
【0015】
本発明の目的は、熱応答性に優れた特徴を持つ輻射ヒータを利用した定着装置を備える画像形成装置に関して、高調波電流や電源電圧変動(フリッカノイズ)を増加させることなく、定着立上げ時間を短縮させ得るとともに待機時の温度リップルを最小にし、当該画像形成装置に最適で効率のよいヒータ制御を可能にすることである。
【0016】
また、本発明の目的は、輻射ヒータに対する通電立上げ時の突入電流を抑え、使用回路部品に対する仕様マージンを上げ、部品寿命の延長又は部品のコストダウンを図ることである。
【0017】
さらに、本発明は、当該画像形成装置の稼動状況に対応させて輻射ヒータに対する通電制御を行うことで、定着温度までの立上げ時間を短縮させることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、フィラメントと少なくとも不活性ガスを含む封入ガスとを密閉したガラス管を有する輻射ヒータ内蔵の定着部材を用いてトナー像を転写材上に加熱定着する定着装置を備える画像形成装置において、前記輻射ヒータは、電源投入直後にこれらのフィラメントと封入ガスとガラス管とに滞留する熱量を低減する構成を有し、前記定着部材周りの温度を検出する温度センサと、交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して前記輻射ヒータに通電する出力可変の直流電源回路と、当該画像形成装置のシステム構成の状況を検知するシステム構成検知手段と、検知されたシステム構成の状況に基づき前記輻射ヒータで消費する最大電力値及び直流電圧の制御最大電圧値を決定する電力決定手段と、前記温度センサにより検出された定着部材周りの温度と目標温度との差、及び、前記定着部材の温度変化率に基づき前記制御最大電圧値の範囲内での制御電圧値を算出して前記直流電源回路を駆動制御して前記輻射ヒータに割り当てる直流電圧を可変させる出力可変手段と、を備える。
【0019】
従って、基本的に、輻射ヒータへ供給する電圧を直流電圧とし、その制御最大電圧値をシステム構成の状況に応じて可変設定するようにしているので、熱応答性に優れた輻射ヒータの特徴を活かしつつ、商用交流電源サイクルによりオン・オフが制限された制御周期をなくして温度制御リップルを小さくすることができ、温度安定性を向上させることができる。また、輻射ヒータへ供給する電圧を直流電圧とし、その電圧値を当該画像形成装置のシステム構成の状況に応じて可変させることにより、当該画像形成装置のシステム構成の状況が軽い場合、輻射ヒータへ供給するヒータ用電力を大きくすることが可能となり、ウォームアップ時の時間短縮、連続した画像形成により定着ローラの温度が低下した場合の設定温度までの復帰時間の短縮、さらには、低電力モード・オフモードを設けている画像形成装置の場合であればリカバリー時間の短縮が各々可能となる。この際、直流電圧の電圧値を可変させることにより、輻射ヒータに供給する電力を可変させているので、トライアック等の電力スイッチ素子により全波出力の位相制御を行う方式に比べて、高調波電流や電源電圧変動が増加することはない。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、当該画像形成装置の稼動状況を検知する稼動状況検知手段を備え、前記電力決定手段は、前記システム構成検知手段により検知されたシステム構成の状況及び前記稼動状況検知手段により検知された稼動状況に応じて前記輻射ヒータに割り当てる制御最大電圧値を可変設定する。
【0021】
従って、当該画像形成装置のシステム構成の状況だけでなく、その稼動状況も加味して輻射ヒータに割り当てる制御最大電圧値を可変設定しているので、稼動状況が軽い場合には、さらに輻射ヒータに割り当て得る制御最大電圧値を上乗せしてより大きくすることができ、よって、ウォームアップ時の時間等をより一層短縮させることができる。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記出力可変手段は、前記直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の固定周波数方式でオン・オフさせる際のオン・オフデューティ比により直流電圧を可変させる。
【0023】
従って、直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の固定周波数方式でオン・オフさせる際のオン・オフデューティ比により直流電圧を可変させる出力可変手段を用いることで、請求項1又は2記載の発明を容易に実現できる。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記出力可変手段は、前記直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の周波数変調方式でオン・オフさせる際のオン周期又はオフ周期により直流電圧を可変させる。
【0025】
従って、直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の周波数変調方式でオン・オフさせる際のオン周期又はオフ周期により直流電圧を可変させる出力可変手段を用いることで、請求項1又は2記載の発明を容易に実現できる。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置において、前記出力可変手段は、前記輻射ヒータに対する通電立上げ時において当該ヒータの温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、前記輻射ヒータに供給する直流電圧が徐々に増加するように前記直流電源回路を制御する。
【0027】
請求項1ないし4の何れか一記載の発明においては、輻射ヒータに対する通電立上げ時に定着装置が冷えている場合は、その立上り時間をできるだけ短時間で行わせるために、輻射ヒータが占めるヒータ用電力の割合が最大限となるように割り当てることで、輻射ヒータに供給する直流電圧が大きくなるように可変制御する訳であるが、この場合、通電立上げ時における突入電流値が大きくなり、特に輻射ヒータの場合にはハロゲンヒータ等に比して温度応答性に優れているため突入電流値が大きくなるため、使用回路部品としても部品定格も大きな仕様値の部品が必要となりコストアップや寿命減少の影響を受け、さらには、突入電流が大きいことに起因して他の電子機器や設備に対しても影響を与え、例えば、通電立上げ時の突入電流により、CRT画面が歪んだり、蛍光灯がちらついたり等の影響が出たりする懸念がある。この点、本発明においては、輻射ヒータに対する通電立上げ時において当該輻射ヒータの温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、輻射ヒータに供給する直流電圧が徐々に増加するように可変制御しているので、突入電流値を抑えることができ、使用回路部品に対する仕様マージンを上げ、寿命の延長又は部品のコストダウンを図ることが可能となる。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像形成において、出力可変手段は、前記輻射ヒータの温度−抵抗値特性に基づき設定されたステップ数とステップ制御時間とに基づき前記輻射ヒータに供給する直流電圧が段階的に増加するように前記直流電源回路を制御する。
【0029】
従って、輻射ヒータの温度−抵抗値特性に基づき設定されたステップ数とステップ制御時間とに基づき輻射ヒータに供給する直流電圧が段階的に増加するように直流電源回路を制御することにより、請求項5記載の発明を容易に実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施の形態は、画像形成装置として、電子写真プロセスを利用した複写機1への適用例を示す。図1は当該複写機1の概略システム構成例を示す正面図である。本実施の形態の複写機1はプリンタエンジン2、スキャナエンジン3、給紙装置4等を備える複写機本体5に対して、例えば、増設給紙ユニット6や両面ユニット7やフィニッシャユニット8がオプションとして任意に増設可能なシステム構成とされている。
【0031】
ここに、複写機1におけるプリンタエンジン2、スキャナエンジン3等に関しては、周知の任意構成を採り得るため、その構成・作用については説明・図示を省略するが、プリンタエンジン2内においては、例えば図2に示すような定着装置11が内蔵されている。この定着装置11は、輻射ヒータ12内蔵の定着部材である定着ローラ13と加圧ローラ14とを押圧接触させ、これらのローラ13,14間を搬送される転写紙Sに対してトナー像を加熱定着させるものである。
【0032】
定着ローラ13は、例えば、金属製なるアルミニウム製の薄肉パイプを基体として構成され、その外周面(表面)には定着後の用紙Sの分離性を向上させるためにフッ素系の表面離型層が形成され、加圧ローラ14は芯金と弾性材料としての発泡シリコンゴム層とにより形成されている。輻射ヒータ12は、前述の特許文献3中に示されるように熱応答性に優れたヒータであり、タングステンによるフィラメント12aをガラス管12bで覆うように構成され、ガラス管12b内には、少なくとも不活性ガスを含む封入ガスが封入されており、必要に応じてフィラメント12aの酸化を防ぐ窒素やヨウ素、臭素、塩素などを含むハロゲン物質等が封入されている。ここに、ガラス管12b内に封入する不活性ガスとして、クリプトン(Kr)或いはキセノン(Xe)を主成分としたものが使用されている。一般に、フィラメントからの放射のうち約1/4がガラス管及封入ガスに吸収されて熱損失となり、これが定着装置の立上り時における立上り時間を遅くする大きな要因の一つとなっていることから、ここでは、その立上り時間を速くするため、ガラス管12b内の封入ガスの対流による熱伝達に係る熱損失に初めて着目し、その熱損失の低減を図っている。即ち、ガラス管12b内の封入ガスのうち不活性ガスを対流しにくい物質にして、ガラス管12b内の封入ガスの対流を抑制することによって、電源投入直後の輻射ヒータ12内のフィラメント12aとガラス管12bと封入ガスに滞留される熱量を低減し、ガラス管12b及び封入ガスの熱エネルギーロスを極力少なくするように構成されている(より詳細な説明は、特許文献3参照)。また、定着部材に関してもドラム状の定着ローラ13に限らず、特許文献3に示されるようにローラの周囲に定着ベルトを有するタイプであってもよい。
【0033】
このような定着ローラ13の周囲には輻射ヒータ12により加熱される当該定着ローラ13の表面温度を検出するための温度センサとしてのサーミスタ15や、何らかの異常により定着ローラ13の温度が設定温度よりも高い温度に達した場合に給電回路を遮断させるための温度ヒューズ16が設けられている。
【0034】
図3はこのような輻射ヒータ12に対する通電制御を行う回路構成を示す回路図である。まず、商用交流電源21に対して、ノイズフィルタ22、ダイオードブリッジ回路(全波整流回路)23を介して直流電源回路としての出力可変の昇圧チョッパ回路24が接続され、この昇圧チョッパ回路24の出力端子間に輻射ヒータ12と温度ヒューズ16との直列回路が接続されている。昇圧チョッパ回路24は、ダイオードブリッジ回路23からの電源ラインを断続して輻射ヒータ12に対する通電を断続させるためのトライアック、サイリスタ等のスイッチ素子Q1と、ダイオードブリッジ回路23の+電源ライン側に接続されたインダクタLと、これらのスイッチ素子Q1・インダクタL間の出力側に接続されたトランジスタ、FET、GTIB等によるスイッチング素子Q2と、このスイッチング素子Q2を例えば20kHz以上の高周波でオン・オフ発振動作させる駆動回路25と、インダクタLとスイッチング素子Q2との接続点よりも出力側に接続された整流ダイオードDと、この整流ダイオードDの出力側と−電源ラインとの間に接続された平滑コンデンサCと、この平滑コンデンサCの両端電圧を検出する出力電圧検出回路26とを備えた構成とされている。
【0035】
このような昇圧チョッパ回路(直流電源回路)24に対して、その動作制御を行うエンジン制御回路27が設けられている。このエンジン制御回路27は、CPU,ROM,RAM等を備えて、複写機1全体の制御を受け持つマイクロコンピュータ構成のもので、その中に、輻射ヒータ12に対する通電制御用の出力可変手段として機能するヒータ温度制御ブロック28と、当該複写機1のシステム構成として増設可能な増設給紙ユニット6、両面ユニット7、フィニッシャユニット8の接続の有無を検知するシステム構成検知手段として機能する接続検知ブロック29と、電力決定手段として機能する制御電圧演算ブロック30とが含まれている。サーミスタ15による温度検出回路の検出信号や出力電圧検出回路26による検出電圧はヒータ温度制御ブロック28に取り込まれる一方、スイッチ素子Q1のオン・オフや駆動回路25の動作制御はこのヒータ温度制御ブロック28により行われるように構成されている。また、制御電圧演算ブロック30とヒータ温度制御ブロック28との間で制御電圧値等のやり取りが行なわれるように構成されている。
【0036】
このような構成において、まず、その基本的な動作制御例について説明する。商用交流電源21から供給される交流電圧はノイズフィルタ22に供給される。このノイズフィルタ22は主に昇圧チョッパ回路24で発生する高周波ノイズを減衰させて商用交流電源21への流出を防ぐが、商用交流電源21の高周波ノイズの昇圧チョッパ回路24側への流入も減衰させる役目も果たす。
【0037】
次に、スイッチ素子Q2をオンさせると、交流電圧はノイズフィルタ22を通してダイオードブリッジ回路23で全波整流され、インダクタLに印加される。一方、エンジン制御回路27の中のヒータ温度制御ブロック28の駆動回路25に対する出力信号がHighになると駆動回路25がスイッチング素子Q2をオンさせ、インダクタLにエネルギーが充電される。この時、整流ダイオードD・平滑コンデンサCには電流は流れない。続いて、ヒータ温度制御ブロック28の駆動回路25に対する出力信号がLowになるとインダクタLへの充電は停止し、インダクタLとスイッチング素子Q2との接続点は、インダクタLの自己インダクタンスにより電圧が上昇し、整流ダイオードDの順電圧に平滑コンデンサCの電圧を加えた電圧以上になると整流ダイオードDが導通して整流し、平滑コンデンサCに充電されて平滑される。この平滑コンデンサDの両端間電圧はほぼ直流になる。
【0038】
この直流電圧の大きさは、負荷インピーダンスが一定の場合、スイッチング素子Q2がヒータ温度制御ブロック28、駆動回路25によって固定周波数方式で駆動される場合はそのオン・オフのデューティ比で可変させることができる。また、ヒータ温度制御ブロック28、駆動回路25によって周波数変調方式で駆動される場合はそのオン又はオフの周期で可変させることができる。具体的には、固定周波数方式ではオンデューティと出力電圧とが比例し、周波数変調方式ではオフ周期一定の場合であればオン周期と出力電圧が比例し、オン周期一定の場合であればオフ周期と出力電圧が反比例する。
【0039】
ここに、昇圧チョッパ回路24の直流電圧は制御電圧演算ブロック30で演算された値となるように制御される。このような出力可変の昇圧チョッパ回路24の直流電圧は輻射ヒータ12と温度ヒューズ16の直列回路に供給され、輻射ヒータ12は定着ローラ13を加熱する。この定着ローラ13の温度は、サーミスタ15による温度検出回路で常時検出され、その検出信号はヒータ温度制御ブロック28に入力される。定着ローラ13の温度が設定温度になると、ヒータ温度制御ブロック28は駆動回路25の発振動作を停止してスイッチング素子Q2をオフさせると共に、スイッチ素子Q1をオフさせ、ヒータ12への直流電圧の供給を停止する。
【0040】
定着ローラ13の表面温度はサーミスタ15による温度検出回路で常時検出されており、定着ローラ13の温度が設定温度よりも下がると、スイッチ素子Q1をオンさせ、昇圧チョッパ回路24を動作させて、再度、輻射ヒータ12に直流電圧を供給する。その後は、順次、定着ローラ13の温度により、昇圧チョッパ回路24を停止/スイッチ素子Q1をオフ→スイッチ素子Q1をオン/昇圧チョッパ回路24を駆動→昇圧チョッパ回路24を停止/スイッチ素子Q1をオフ→…を繰返すことにより、設定温度付近に維持する。
【0041】
なお、温度ヒューズ16は、定着ローラ13の設定温度よりも高い温度で動作するものが用いられ、何らかの異常でその温度になった場合、温度ヒューズ16が切断することにより、輻射ヒータ12への電力供給を停止させる。
【0042】
ここに、本実施の形態では、エンジン制御回路27の機能の中に含まれている接続検知ブロック29は、例えば当該複写機1の場合、増設給紙ユニット6、両面ユニット7、フィニッシャユニット8等のオプション接続の有無を検知することで当該複写機1に関するシステム構成の状況を検知するための回路で、通常、画像形成装置には付属されているものである。接続検知ブロック29で当該複写機1のシステム構成の状況が検知されれば、この接続検知ブロック29に接続された制御電圧演算ブロック30において、検知されたシステム構成の状況に応じて輻射ヒータ12に割り当て得る制御最大電圧値が決定可能となる。
【0043】
また、制御電圧演算ブロック30は、検知されたシステム構成の状況に基づき輻射ヒータ12で消費する最大電力値及び直流電圧の制御最大電圧値を決定するが、その演算方法の一例について説明する。
【0044】
まず、制御最大電圧は、エンジン制御回路27の機能の中の接続検知ブロック29の信号に基づき決定される。例えば、当該複写機1のフルシステム構成での最大電力をWs1、輻射ヒータ電力をWh1、輻射ヒータ12以外の負荷電力をWo1とすると、
Ws1=Wh1+Wo1
になる。輻射ヒータ12の電力Wh1が決まれば、輻射ヒータ12の抵抗値をZとすると、制御電圧の最大値Vh1は、
Vh1=Wh1/Z
で決まる。一方、当該複写機1の1つのオプション、例えばフィニッシャユニット8が未接続の場合の輻射ヒータ12以外の負荷電力をWo2とすると、
Wo1>Wo2
になる。フィニッシャユニット8未接続の場合でも、複写機1全体の電力はWs1まで使用可能なので、このシステム構成での輻射ヒータ12の電力をWh2とすると、
Wh2=Wh1+Wo1−Wo2
にすることが可能になる。このシステム構成での輻射ヒータ12の電力Wh2はフルシステムでの輻射ヒータ12の電力Wh1よりも、Wo1−Wo2の容量だけ大きいため、輻射ヒータ12の制御電圧の最大値をVh2とすると、
Vh2=Wh2/Z
で決まり、Vh2>Vh1とすることができ、輻射ヒータ12の電力を大きくすることが可能になる。
【0045】
一方、制御設定電圧の演算方法の一例は次のようになる。この制御設定電圧は、輻射ヒータ12の周囲にあるローラ温度の温度検出回路(サーミスタ)15で検出された検出温度の値と目標温度とから、以下の(1)〜(3)式で決定される。
【0046】
A=B+α ……(1)
α=a(ta−1−ta)+b(2・ta−1−ta−ta−2)+c(T−ta)…(2)
A≦Vhmax ……(3)
ただし、T:目標温度
ta:測定温度
ta−1:前回検出温度
ta−2:前々回検出温度
a/b/c:係数
A:制御設定電圧
B:初期値
α:増減量
Vhmax:制御最大電圧(複写機1のシステム構成で決まる値)
a/b/cの係数は、使用環境温度・ヒータ容量・電源回路の応答時間等で決める。
【0047】
このような制御設定電圧は任意の時間で設定可能で、例えば(1)〜(3)式で決めた値にした場合、ウォームアップ時には定着ローラ温度のオーバーシュートがほとんどない制御、定着ローラ温度の変化が大きい画像形成時も温度リップルが小さい制御が可能になる。
【0048】
当該複写機1がフルシステム構成の場合とフルシステムに対してフィニッシャユニット8が未接続の構成の場合の各動作モードにおける輻射ヒータ12へ印加する制御電圧と制御最大電圧、ローラ温度の関係を図4(a)(b)に示す。図4(a)に示すフルシステム構成の場合に比して、フルシステム構成でない場合には、図4(b)に示すように、制御最大電圧値が大きくなり、実際の制御電圧も大きくし得ることから、ウォームアップ時間が短縮されていることが判る。ちなみに、従来のトライアックを用いてのオン/オフ制御の場合の各動作モードにおけるトライアックのオン/オフとローラ温度の関係を図5に示す。
【0049】
また、図4と図5とを対比してみると、この輻射ヒータ12を直流電圧制御により点灯制御を行うことで、図5のような従来の商用周波数サイクルでオン/オフ制限された制御周期をなくすことが可能となり、温度リップルを最小にし温度安定を向上させ得ることが判る。また、定常的な直流電圧を印加し続けることで電圧変動等の規制に対して優位となる。また、システム構成の状況に応じて輻射ヒータ12に対する制御最大電圧を変化させることができ、システム構成が軽い場合に輻射ヒータ12に対する電力を大きくすることが可能であり、ウォームアップ時の時間短縮が可能になる。
【0050】
また、特に図示しないが、連続した画像形成でローラ温度が低下した場合でも設定温度までの復帰時間短縮になる。また、最近の複写機(画像形成装置)では省エネルギーを目的としてローラ温度を設定温度よりも下げた低電力モード、又は、輻射ヒータ12への電力供給を停止するオフモードを設けている機種もあるが、この場合、低電力モード、又は、オフモードから画像形成可能モードまでのリカバリー時間の短縮も可能になる。
【0051】
複写機1(画像形成装置)のシステム構成の状況がフルシステムでない場合にフルシステムとの差の電力を輻射ヒータ12への電力とすることが可能であるが、この差の電力を全て輻射ヒータ12に供給するのではなく、輻射ヒータ12以外の負荷へ供給することもできる。この場合、単位時間当たりの画像形成速度を大きくすることも可能になる。
【0052】
また、輻射ヒータ12以外の負荷電力の下限値はオプション接続無のシステム構成の電力であるので、この電力をWo3とすると、この時のヒータ電力Wh3は、
Wh3=Wh1+Wo1−Wo3
になり、輻射ヒータ12の制御電圧の最大値をVh3、輻射ヒータ12の抵抗をZとすると、
Vh3=Wh3/Z
で決まる。よって、昇圧チョッパ回路24により輻射ヒータ12に印加される直流電圧の電圧値(印加制御電圧最大値)の範囲はVh1〜Vh3になる。
【0053】
本発明の第二の実施の形態を図6及び図7に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。
【0054】
図6は輻射ヒータ12に対する通電制御を行う本実施の形態の回路構成を示す回路図である。基本的には、図3の場合と同様であるが、本実施の形態ではモード設定等の各種入力設定操作を行うための操作部31がエンジン制御回路27中のヒータ温度制御ブロック28に接続されている。
【0055】
このような操作部31からの入力情報に基づき当該複写機1のシステム稼動状況を検知し、前述のシステム構成の状況とこのシステム稼動状況とに応じて制御電圧演算ブロック30により輻射ヒータ12へ供給する直流最大電圧値を決定し、ヒータ温度制御ブロック28によりその直流最大電圧値の範囲内で制御電圧を可変させることで輻射ヒータ12に対する電力をコントロールするようにしたものである。即ち、複写機1にあっては、操作部31からの各種入力情報に基づき動作モード等が設定されて画像形成動作を実行するので、その入力情報に基づきジョブの動作モード(システムの稼動状況)を検知できる。ここに、複写機1で例えばフルシステム構成でフル稼働の場合に最大電力を消費するが、フルシステム構成であっても動作モードによっては稼働しないユニットもある。この場合、稼動状況を認識することで、稼働しないユニットの消費電力をヒータ用電力に上乗せできるので、輻射ヒータ12に供給する直流電圧を大きくすることができる。
【0056】
エンジン制御回路27のマイクロコンピュータ(ヒータ温度制御ブロック28、制御電圧演算ブロック30)により実行される本実施の形態の場合のヒータ通電制御に関する動作制御例を図7に示す概略フローチャートを参照して説明する。まず、複写機1の電源スイッチが投入されることにより(ステップS1のY)、制御が開始される。そして、操作部31上の各種キーに関するキー操作があるか否かをチェックし(S2)、キー操作がないまま一定時間が経過したら(S3のY)、待機モードに設定する(S4)。キー操作があり(S2のY)、又は、待機モードに設定された場合(S4)、接続検知ブロック29からの検知情報を取得し、当該複写機1のシステム構成の状況を検知する(S5)。このステップS5の処理がシステム構成検知手段の機能として実行される。さらに、操作部31からのキー入力情報を取得することにより、設定された動作モードに従い当該複写機1の当該システム構成における稼動状況を検知する(S6)。このステップS6の処理が稼動状況検知手段の機能として実行される。引き続き、検知されたこれらのシステム構成の状況及び稼動状況に応じて制御電圧演算ブロック30により輻射ヒータ12で消費する最大電力値及び直流電圧の制御最大電圧値を決定する(S7)。このステップS7の処理が電力決定手段の機能として実行される。さらに、定着ローラ13の検出温度と目標温度との差、及び、定着ローラ13の温度変化率に基づき制御最大電圧値の範囲内での制御電圧値を算出し、算出された制御電圧となるように昇圧チョッパ回路24によって輻射ヒータ12に印加する直流電圧の電圧値を決定する(S8)。このステップS8の処理が出力可変手段の機能として実行される。
【0057】
このような決定後、まず、スイッチ素子Q1をオンさせて輻射ヒータ12に対する通電立上げ可能とする(S9)。引き続き、駆動回路25の発振動作を決定された直流電圧の電圧値に応じて駆動制御してスイッチング素子Q2のオン・オフ動作を制御することで、昇圧チョッパ回路24による輻射ヒータ12への直流電圧印加による通電を開始させる(S10)。このステップS10の処理が、決定されたヒータ用電力に応じて昇圧チョッパ回路24を駆動回路25を介して駆動制御して輻射ヒータ12に供給する直流電圧を可変させる出力可変手段の機能として実行される。この動作において、サーミスタ(温度検出回路)15により検出される定着ローラ温度を取得するとともに、待機モードであるか否かをチェックし(S11)、待機モードでない場合には(S11のN)、定着ローラ温度が所定の設定温度T1に達したかを監視し(S12)、待機モード時であれば(S11のY)、定着ローラ温度が待機時用に設定された所定の設定温度T2(ただし、T1>T2)に達したかを監視する(S13)。
【0058】
定着ローラ温度が所定の設定温度T1に達した場合(S12のY)、駆動回路25を停止させてスイッチング素子Q2をオフさせるとともに(S14)、スイッチ素子Q1をオフさせて(S15)、昇圧チョッパ回路24への給電を停止させる。これにより、輻射ヒータ12への通電も停止される。そして、キー操作に基づき設定された動作モードの処理内容を実行する(S16)。この動作においても、サーミスタ(温度検出回路)15により検出される定着ローラ温度を取得することにより、所定の設定温度T1より若干低く設定された所定の設定温度T1′まで低下したか否かをチェックし(S17)、所定の設定温度T1′まで低下した場合には(S17のY)、ステップS9の処理に戻り、ステップS9,S10,S11,S12,S14〜S17の処理を繰返すことにより、定着ローラ温度を設定温度T1′〜T1の範囲内に維持する。
【0059】
待機時にあっても同様であり、定着ローラ温度が所定の設定温度T2に達した場合(S13のY)、駆動回路25を停止させてスイッチング素子Q2をオフさせるとともに(S18)、スイッチ素子Q1をオフさせて(S19)、昇圧チョッパ回路24への給電を停止させる。これにより、輻射ヒータ12への通電も停止される。この動作においても、サーミスタ(温度検出回路)15により検出される定着ローラ温度を取得することにより、所定の設定温度T2より若干低く設定された所定の設定温度T2′まで低下したか否かをチェックし(S20)、所定の設定温度T2′まで低下した場合には(S20のY)、ステップS9の処理に戻り、ステップS9,S10,S11,S13,S18〜S20の処理を繰返すことにより、定着ローラ温度を待機時用の設定温度T2′〜T2の範囲内に維持する。
【0060】
なお、ステップS17の処理後は、操作部31においてキー操作があるか否かをチェックし(S21)、キー操作があれば(S21のY)、そのキー操作に基づく処理動作を実行する(S16)。一方、キー操作がなく(S21のN)、一定の時間が経過した場合には(S22のY)、待機モードに設定し(S23)、ステップS20の処理に移行する。
【0061】
また、ステップS20の処理後は、操作部31においてキー操作があるか否かをチェックし(S25)、キー操作があれば(S25のY)、待機モードを解除して(S25)、ステップS9の処理に戻る。一方、キー操作がない場合には(S24のN)、ステップS20の処理に戻る。
【0062】
よって、本実施の形態によれば、システム構成の状況のみを考慮する場合に比べて、その稼動状況も併せて考慮するので、輻射ヒータ12へ印加する直流電圧をより大きくすることができ、より多くの電力が供給できる。このため、効果は、第一の実施の形態の場合よりも大きくなる。
【0063】
なお、これらの実施の形態では、輻射ヒータ12に対する出力可変の直流電源回路として、昇圧チョッパ回路24の例で説明したが、これに限らず、降圧チョッパ回路や昇降圧チョッパ回路でもよく、或いは、絶縁型のコンバータを用いるようにしてもよい。
【0064】
本発明の第三の実施の形態を図6に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の第一又は第二の実施の形態に適用されるが、特に、その通電立上げ時の制御に関するものである。
【0065】
輻射ヒータ12は温度応答性に優れているため、電源投入時の突入電流値が従来機よりも大きい。また、一般に、輻射ヒータ12の抵抗値は、朝一などの複写機1の省電力状態の低温時と温度制御時の高温時とでは異なり、ヒータ低温時には抵抗値が小さく、そのために、通電立上げの制御を特に行わずに直に立上げた場合には図9に示すように電源投入時の突入電流値が、待機状態より大きくなる傾向がある。
【0066】
そこで、本実施の形態では、輻射ヒータ12に対する通電立上げ時の動作制御として、急激な電圧変動による突入電流を防止するために、図8に示すように、輻射ヒータ12の温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、昇圧チョッパ回路24によって輻射ヒータ12に印加する直流電圧の電圧値を段階的に徐々に上げるように制御するものである。このような直流電圧の電圧値の段階的な可変制御は、昇圧チョッパ回路24の駆動回路25の動作を段階的に切換え制御することにより容易に実現できる。このような動作制御は、例えば図7に示したフローチャート中のステップS10の処理の開始時に行わせるようにすればよい。これにより、当該装置の突入電流値を抑えることができる。ここで、輻射ヒータ12の温度−抵抗値特性により電源投入時の各設定電圧までのステップ数(電圧幅)とステップ制御時間とが決定される。通常の輻射ヒータ12であれば、約数100ms程度の通電立上げ期間内における制御となる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、基本的に、輻射ヒータへ供給する電圧を直流電圧とし、その制御最大電圧値をシステム構成に応じて可変設定するようにしたので、熱応答性に優れた輻射ヒータの特徴を活かしつつ、商用交流電源サイクルによりオン・オフが制限された制御周期をなくして温度制御リップルを小さくすることができ、温度安定性を向上させることができ、また、輻射ヒータへ供給する電圧を直流電圧とし、その電圧値を当該画像形成装置のシステム構成の状況に応じて可変させることにより、当該画像形成装置のシステム構成の状況が軽い場合、輻射ヒータへ供給するヒータ用電力を大きくすることが可能となり、ウォームアップ時の時間短縮、連続した画像形成により定着ローラの温度が低下した場合の設定温度までの復帰時間の短縮、さらには、低電力モード・オフモードを設けている画像形成装置の場合であればリカバリー時間の短縮が各々可能となり、この際、直流電圧の電圧値を可変させることにより、輻射ヒータに供給する電力を可変させているので、トライアック等の電力スイッチ素子により全波出力の位相制御を行う方式に比べて、高調波電流や電源電圧変動が増加することも回避することができる。
【0068】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、当該画像形成装置のシステム構成の状況だけでなく、その稼動状況も加味して輻射ヒータに割り当てる制御最大電圧値を可変設定するようにしたので、稼動状況が軽い場合には、さらに輻射ヒータに割り当て得る制御最大電圧値を上乗せしてより大きくすることができ、よって、ウォームアップ時の時間等をより一層短縮させることができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の固定周波数方式でオン・オフさせる際のオン・オフデューティ比により直流電圧を可変させる出力可変手段を用いるようにしたので、請求項1又は2記載の発明を容易に実現することができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の周波数変調方式でオン・オフさせる際のオン周期又はオフ周期により直流電圧を可変させる出力可変手段を用いるようにしたので、請求項1又は2記載の発明を容易に実現することができる。
【0071】
請求項1ないし4の何れか一記載の発明においては、輻射ヒータに対する通電立上げ時に定着装置が冷えている場合は、その立上り時間をできるだけ短時間で行わせるために、輻射ヒータが占めるヒータ用電力の割合が最大限となるように割り当てることで、輻射ヒータに供給する直流電圧が大きくなるように可変制御する訳であるが、この場合、通電立上げ時における突入電流値が大きくなり、特に輻射ヒータの場合にはハロゲンヒータ等に比して温度応答性に優れているため突入電流値が大きくなるため、使用回路部品としても部品定格も大きな仕様値の部品が必要となりコストアップや寿命減少の影響を受け、さらには、突入電流が大きいことに起因して他の電子機器や設備に対しても影響を与え、例えば、通電立上げ時の突入電流により、CRT画面が歪んだり、蛍光灯がちらついたり等の影響が出たりする懸念があるが、請求項5記載の発明によれば、輻射ヒータに対する通電立上げ時において当該輻射ヒータの温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、輻射ヒータに供給する直流電圧が徐々に増加するように可変制御しているので、突入電流値を抑えることができ、使用回路部品に対する仕様マージンを上げ、寿命の延長又は部品のコストダウンを図ることができる。
【0072】
請求項6記載の発明によれば、輻射ヒータの温度−抵抗値特性に基づき設定されたステップ数とステップ制御時間とに基づき輻射ヒータに供給する直流電圧が段階的に増加するように直流電源回路を制御することにより、請求項5記載の発明を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の複写機の概略システム構成例を示す正面図である。
【図2】その定着装置の構成例を示す概略正面図である。
【図3】ヒータに対する通電制御を行う回路構成を示す回路図である。
【図4】フルシステム構成の場合とフィニッシャユニット未接続の構成の場合の各動作モードにおける輻射ヒータへ印加する制御電圧と制御最大電圧、ローラ温度の関係を示すタイムチャートである。
【図5】参考例として従来の場合の各動作モードにおける輻射ヒータへ印加する制御電圧と制御最大電圧、ローラ温度の関係を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の第二の実施の形態のヒータに対する通電制御を行う回路構成を示す回路図である。
【図7】ヒータ通電制御に関する動作制御例を示す概略フローチャートである。
【図8】本発明の第三の実施の形態の電圧、電流制御の波形例を示すタイムチャートである。
【図9】参考例として電圧、電流制御の波形例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
11 定着装置
12 輻射ヒータ
13 定着部材
15 温度センサ
21 交流電源
24 直流電源回路
25 駆動回路
Q2 スイッチング素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、間接加熱方式の熱源として輻射ヒータ内蔵の定着ローラ等の定着部材を用いてトナー像を転写材上に加熱定着する定着装置を備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電気機器は省エネルギーが唱えられており、例えば商用交流電源を使用したハロゲンヒータを定着ヒータに使用している複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置では、定着ヒータによる消費電力の占める割合の削減を図るヒータ点灯の効率化、定着温度の上昇時間の短縮、ヒータ電圧制御回路の構成等についての検討が課題となっている。
【0003】
即ち、この種の画像形成装置では、転写紙にトナー画像をハロゲンヒータ内蔵の定着ローラにより加熱定着させる定着装置を備えたものが一般的である。
【0004】
ここに、定着ローラ内のヒータはトライアックなどの電力スイッチ素子を介して交流電源に接続され、定着ローラには温度を検出するためのサーミスタ等が配設される。通常、画像形成装置のエンジン制御回路からの制御信号でトライアックなどの電力スイッチ素子を駆動してヒータに電力を供給し、定着ローラが所定の設定温度に達すると電力スイッチ素子をオフさせてヒータに対する電力供給を停止させることで、当該画像形成装置において画像形成が可能となるようにしている。
【0005】
定着ローラによる加熱定着で転写紙にトナー画像が定着されると、紙種・画像形成速度等の画像形成の状況に応じて定着ローラの温度が低下する。定着ローラの温度はサーミスタで常時検出されているので、温度が低下するとトライアックなどの電力スイッチ素子を駆動してヒータに電力を供給することで、再び、所定の設定温度に達する。トライアックなどの電力スイッチ素子の駆動は、通常、全波整流回路の全波出力のオン/オフ制御、又は、位相制御で駆動させるようにしている。
【0006】
このような構成の場合、画像形成装置が消費する電力は、当然ではあるが、(ヒータ電力)+(ヒータ以外の負荷電力)となる。ヒータ以外の最大負荷電力は、画像形成装置がフルシステム構成の状況で、かつ、フル稼働の状況の場合の電力となる。このため、画像形成装置がフルシステム構成でない場合、又は、その時点のシステムの稼働状況が低い場合は、フルシステム構成・フル稼働の状況における最大負荷電力よりも小さくなる。
【0007】
一方、画像形成装置としては、ウォームアップ時や連続プリント時のように、ウォームアップ時間の短縮や連続プリント時の定着性の向上を図るために、ヒータ電力ができるだけ大きい方が好ましい場合がある。例えば、画像形成装置がフルシステム構成でない場合、必要な負荷電力はフルシステム構成・フル稼働の状況時よりも小さくなるので、フルシステム構成・フル稼働の状況時の最大負荷電力との差の電力をヒータ電力に供給するようにすれば、ウォームアップ時間の短縮や連続プリント時の定着性の向上を図れる。
【0008】
このようなヒータ用電力を向上させる提案例としては、例えば、加熱手段への電力供給を主電源と補助電源とに切り分け、補助電源のコンデンサに蓄積された電力をヒータ立上げ時に供給するようにした提案例(例えば、特許文献1参照)や、定着部を主電源の他に2次電源でも付勢するようにした提案例(例えば、特許文献1参照)がある。
【0009】
また、間接加熱方式の熱源として輻射ヒータ内蔵の定着装置に関して、その立上り時の熱ロスを低減し、立上り時間の高速化・省電力化を図れるようにした熱応答性に優れた特徴を持つ輻射ヒータに関する提案例もある(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3によれば、フィラメントと少なくとも不活性ガスを含む封入ガスとを密閉したガラス管を有する輻射熱源と、内部に輻射熱源を収納した加熱部材とを備え、輻射熱源により加熱された加熱部材の熱によってシート上に形成されたトナー画像を当該シートに定着する定着装置において、電源投入直後に輻射熱源内のフィラメントとガラス管と封入ガスに滞留される熱量を低減するようにしている。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−315567公報
【特許文献2】
特開平10−282821号公報
【特許文献3】
特開2002−139939公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、全波整流回路の全波出力のオン/オフ制御方式ではヒータ電力を可変することができないために、このようなウォームアップ時間の短縮や連続プリント時の定着性向上を図ることができない。
【0012】
一方、位相制御方式を用いれば電力制御が可能になるためウォームアップ時間の短縮や連続プリント時の定着性向上を図ることが可能になる。しかし、常時、位相制御することになり、高調波電流の増加や電源電圧変動(フリッカノイズ)が大きくなってしまう不具合がある。
【0013】
さらに、特許文献1,2のような提案例は、主電源の他に補助電源や2次電源を用いる構成であり、電源構成及びその制御が複雑になる等の不具合がある。
【0014】
また、特許文献3に示されるような熱応答性に優れた輻射ヒータを用いた定着装置では、熱源自体の立上りが早く、従来のハロゲンヒータよりも定常時のオン・オフにおける熱応答時間に優れているため、通紙時の温度リップルは改善される。しかし、逆に、待機時(スタンバイ時)の温度リップルが大きくなってしまう不具合がある。即ち、大抵は、通紙時に転写紙により熱を奪われてしまうため、熱供給率を上げることで改善しているが、実際には、熱応答性がよいために、逆にスタンバイ時の温度制御リップルが大きくなってしまうものである。つまり、従来の交流電源によるハロゲンヒータの制御にはトライアックを使用しており、商用交流電源周波数の50/60Hz仕様のヒータの温度制御周期は遅く、20ms/16.6msに制限されている現状にあり、このため、特許文献3のような輻射ヒータを用いた定着装置にあってもその熱応答性のよい特徴を活かしきれず、却って、消費電力を大きくしてしまっている。この結果、画像形成装置のように、機械としては、動作時間より圧倒的に待機時間の方が長い場合には、逆に温度リップルが大きいため、必要以上の電力量を消費していることになる。
【0015】
本発明の目的は、熱応答性に優れた特徴を持つ輻射ヒータを利用した定着装置を備える画像形成装置に関して、高調波電流や電源電圧変動(フリッカノイズ)を増加させることなく、定着立上げ時間を短縮させ得るとともに待機時の温度リップルを最小にし、当該画像形成装置に最適で効率のよいヒータ制御を可能にすることである。
【0016】
また、本発明の目的は、輻射ヒータに対する通電立上げ時の突入電流を抑え、使用回路部品に対する仕様マージンを上げ、部品寿命の延長又は部品のコストダウンを図ることである。
【0017】
さらに、本発明は、当該画像形成装置の稼動状況に対応させて輻射ヒータに対する通電制御を行うことで、定着温度までの立上げ時間を短縮させることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、フィラメントと少なくとも不活性ガスを含む封入ガスとを密閉したガラス管を有する輻射ヒータ内蔵の定着部材を用いてトナー像を転写材上に加熱定着する定着装置を備える画像形成装置において、前記輻射ヒータは、電源投入直後にこれらのフィラメントと封入ガスとガラス管とに滞留する熱量を低減する構成を有し、前記定着部材周りの温度を検出する温度センサと、交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して前記輻射ヒータに通電する出力可変の直流電源回路と、当該画像形成装置のシステム構成の状況を検知するシステム構成検知手段と、検知されたシステム構成の状況に基づき前記輻射ヒータで消費する最大電力値及び直流電圧の制御最大電圧値を決定する電力決定手段と、前記温度センサにより検出された定着部材周りの温度と目標温度との差、及び、前記定着部材の温度変化率に基づき前記制御最大電圧値の範囲内での制御電圧値を算出して前記直流電源回路を駆動制御して前記輻射ヒータに割り当てる直流電圧を可変させる出力可変手段と、を備える。
【0019】
従って、基本的に、輻射ヒータへ供給する電圧を直流電圧とし、その制御最大電圧値をシステム構成の状況に応じて可変設定するようにしているので、熱応答性に優れた輻射ヒータの特徴を活かしつつ、商用交流電源サイクルによりオン・オフが制限された制御周期をなくして温度制御リップルを小さくすることができ、温度安定性を向上させることができる。また、輻射ヒータへ供給する電圧を直流電圧とし、その電圧値を当該画像形成装置のシステム構成の状況に応じて可変させることにより、当該画像形成装置のシステム構成の状況が軽い場合、輻射ヒータへ供給するヒータ用電力を大きくすることが可能となり、ウォームアップ時の時間短縮、連続した画像形成により定着ローラの温度が低下した場合の設定温度までの復帰時間の短縮、さらには、低電力モード・オフモードを設けている画像形成装置の場合であればリカバリー時間の短縮が各々可能となる。この際、直流電圧の電圧値を可変させることにより、輻射ヒータに供給する電力を可変させているので、トライアック等の電力スイッチ素子により全波出力の位相制御を行う方式に比べて、高調波電流や電源電圧変動が増加することはない。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、当該画像形成装置の稼動状況を検知する稼動状況検知手段を備え、前記電力決定手段は、前記システム構成検知手段により検知されたシステム構成の状況及び前記稼動状況検知手段により検知された稼動状況に応じて前記輻射ヒータに割り当てる制御最大電圧値を可変設定する。
【0021】
従って、当該画像形成装置のシステム構成の状況だけでなく、その稼動状況も加味して輻射ヒータに割り当てる制御最大電圧値を可変設定しているので、稼動状況が軽い場合には、さらに輻射ヒータに割り当て得る制御最大電圧値を上乗せしてより大きくすることができ、よって、ウォームアップ時の時間等をより一層短縮させることができる。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記出力可変手段は、前記直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の固定周波数方式でオン・オフさせる際のオン・オフデューティ比により直流電圧を可変させる。
【0023】
従って、直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の固定周波数方式でオン・オフさせる際のオン・オフデューティ比により直流電圧を可変させる出力可変手段を用いることで、請求項1又は2記載の発明を容易に実現できる。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記出力可変手段は、前記直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の周波数変調方式でオン・オフさせる際のオン周期又はオフ周期により直流電圧を可変させる。
【0025】
従って、直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の周波数変調方式でオン・オフさせる際のオン周期又はオフ周期により直流電圧を可変させる出力可変手段を用いることで、請求項1又は2記載の発明を容易に実現できる。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置において、前記出力可変手段は、前記輻射ヒータに対する通電立上げ時において当該ヒータの温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、前記輻射ヒータに供給する直流電圧が徐々に増加するように前記直流電源回路を制御する。
【0027】
請求項1ないし4の何れか一記載の発明においては、輻射ヒータに対する通電立上げ時に定着装置が冷えている場合は、その立上り時間をできるだけ短時間で行わせるために、輻射ヒータが占めるヒータ用電力の割合が最大限となるように割り当てることで、輻射ヒータに供給する直流電圧が大きくなるように可変制御する訳であるが、この場合、通電立上げ時における突入電流値が大きくなり、特に輻射ヒータの場合にはハロゲンヒータ等に比して温度応答性に優れているため突入電流値が大きくなるため、使用回路部品としても部品定格も大きな仕様値の部品が必要となりコストアップや寿命減少の影響を受け、さらには、突入電流が大きいことに起因して他の電子機器や設備に対しても影響を与え、例えば、通電立上げ時の突入電流により、CRT画面が歪んだり、蛍光灯がちらついたり等の影響が出たりする懸念がある。この点、本発明においては、輻射ヒータに対する通電立上げ時において当該輻射ヒータの温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、輻射ヒータに供給する直流電圧が徐々に増加するように可変制御しているので、突入電流値を抑えることができ、使用回路部品に対する仕様マージンを上げ、寿命の延長又は部品のコストダウンを図ることが可能となる。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像形成において、出力可変手段は、前記輻射ヒータの温度−抵抗値特性に基づき設定されたステップ数とステップ制御時間とに基づき前記輻射ヒータに供給する直流電圧が段階的に増加するように前記直流電源回路を制御する。
【0029】
従って、輻射ヒータの温度−抵抗値特性に基づき設定されたステップ数とステップ制御時間とに基づき輻射ヒータに供給する直流電圧が段階的に増加するように直流電源回路を制御することにより、請求項5記載の発明を容易に実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施の形態は、画像形成装置として、電子写真プロセスを利用した複写機1への適用例を示す。図1は当該複写機1の概略システム構成例を示す正面図である。本実施の形態の複写機1はプリンタエンジン2、スキャナエンジン3、給紙装置4等を備える複写機本体5に対して、例えば、増設給紙ユニット6や両面ユニット7やフィニッシャユニット8がオプションとして任意に増設可能なシステム構成とされている。
【0031】
ここに、複写機1におけるプリンタエンジン2、スキャナエンジン3等に関しては、周知の任意構成を採り得るため、その構成・作用については説明・図示を省略するが、プリンタエンジン2内においては、例えば図2に示すような定着装置11が内蔵されている。この定着装置11は、輻射ヒータ12内蔵の定着部材である定着ローラ13と加圧ローラ14とを押圧接触させ、これらのローラ13,14間を搬送される転写紙Sに対してトナー像を加熱定着させるものである。
【0032】
定着ローラ13は、例えば、金属製なるアルミニウム製の薄肉パイプを基体として構成され、その外周面(表面)には定着後の用紙Sの分離性を向上させるためにフッ素系の表面離型層が形成され、加圧ローラ14は芯金と弾性材料としての発泡シリコンゴム層とにより形成されている。輻射ヒータ12は、前述の特許文献3中に示されるように熱応答性に優れたヒータであり、タングステンによるフィラメント12aをガラス管12bで覆うように構成され、ガラス管12b内には、少なくとも不活性ガスを含む封入ガスが封入されており、必要に応じてフィラメント12aの酸化を防ぐ窒素やヨウ素、臭素、塩素などを含むハロゲン物質等が封入されている。ここに、ガラス管12b内に封入する不活性ガスとして、クリプトン(Kr)或いはキセノン(Xe)を主成分としたものが使用されている。一般に、フィラメントからの放射のうち約1/4がガラス管及封入ガスに吸収されて熱損失となり、これが定着装置の立上り時における立上り時間を遅くする大きな要因の一つとなっていることから、ここでは、その立上り時間を速くするため、ガラス管12b内の封入ガスの対流による熱伝達に係る熱損失に初めて着目し、その熱損失の低減を図っている。即ち、ガラス管12b内の封入ガスのうち不活性ガスを対流しにくい物質にして、ガラス管12b内の封入ガスの対流を抑制することによって、電源投入直後の輻射ヒータ12内のフィラメント12aとガラス管12bと封入ガスに滞留される熱量を低減し、ガラス管12b及び封入ガスの熱エネルギーロスを極力少なくするように構成されている(より詳細な説明は、特許文献3参照)。また、定着部材に関してもドラム状の定着ローラ13に限らず、特許文献3に示されるようにローラの周囲に定着ベルトを有するタイプであってもよい。
【0033】
このような定着ローラ13の周囲には輻射ヒータ12により加熱される当該定着ローラ13の表面温度を検出するための温度センサとしてのサーミスタ15や、何らかの異常により定着ローラ13の温度が設定温度よりも高い温度に達した場合に給電回路を遮断させるための温度ヒューズ16が設けられている。
【0034】
図3はこのような輻射ヒータ12に対する通電制御を行う回路構成を示す回路図である。まず、商用交流電源21に対して、ノイズフィルタ22、ダイオードブリッジ回路(全波整流回路)23を介して直流電源回路としての出力可変の昇圧チョッパ回路24が接続され、この昇圧チョッパ回路24の出力端子間に輻射ヒータ12と温度ヒューズ16との直列回路が接続されている。昇圧チョッパ回路24は、ダイオードブリッジ回路23からの電源ラインを断続して輻射ヒータ12に対する通電を断続させるためのトライアック、サイリスタ等のスイッチ素子Q1と、ダイオードブリッジ回路23の+電源ライン側に接続されたインダクタLと、これらのスイッチ素子Q1・インダクタL間の出力側に接続されたトランジスタ、FET、GTIB等によるスイッチング素子Q2と、このスイッチング素子Q2を例えば20kHz以上の高周波でオン・オフ発振動作させる駆動回路25と、インダクタLとスイッチング素子Q2との接続点よりも出力側に接続された整流ダイオードDと、この整流ダイオードDの出力側と−電源ラインとの間に接続された平滑コンデンサCと、この平滑コンデンサCの両端電圧を検出する出力電圧検出回路26とを備えた構成とされている。
【0035】
このような昇圧チョッパ回路(直流電源回路)24に対して、その動作制御を行うエンジン制御回路27が設けられている。このエンジン制御回路27は、CPU,ROM,RAM等を備えて、複写機1全体の制御を受け持つマイクロコンピュータ構成のもので、その中に、輻射ヒータ12に対する通電制御用の出力可変手段として機能するヒータ温度制御ブロック28と、当該複写機1のシステム構成として増設可能な増設給紙ユニット6、両面ユニット7、フィニッシャユニット8の接続の有無を検知するシステム構成検知手段として機能する接続検知ブロック29と、電力決定手段として機能する制御電圧演算ブロック30とが含まれている。サーミスタ15による温度検出回路の検出信号や出力電圧検出回路26による検出電圧はヒータ温度制御ブロック28に取り込まれる一方、スイッチ素子Q1のオン・オフや駆動回路25の動作制御はこのヒータ温度制御ブロック28により行われるように構成されている。また、制御電圧演算ブロック30とヒータ温度制御ブロック28との間で制御電圧値等のやり取りが行なわれるように構成されている。
【0036】
このような構成において、まず、その基本的な動作制御例について説明する。商用交流電源21から供給される交流電圧はノイズフィルタ22に供給される。このノイズフィルタ22は主に昇圧チョッパ回路24で発生する高周波ノイズを減衰させて商用交流電源21への流出を防ぐが、商用交流電源21の高周波ノイズの昇圧チョッパ回路24側への流入も減衰させる役目も果たす。
【0037】
次に、スイッチ素子Q2をオンさせると、交流電圧はノイズフィルタ22を通してダイオードブリッジ回路23で全波整流され、インダクタLに印加される。一方、エンジン制御回路27の中のヒータ温度制御ブロック28の駆動回路25に対する出力信号がHighになると駆動回路25がスイッチング素子Q2をオンさせ、インダクタLにエネルギーが充電される。この時、整流ダイオードD・平滑コンデンサCには電流は流れない。続いて、ヒータ温度制御ブロック28の駆動回路25に対する出力信号がLowになるとインダクタLへの充電は停止し、インダクタLとスイッチング素子Q2との接続点は、インダクタLの自己インダクタンスにより電圧が上昇し、整流ダイオードDの順電圧に平滑コンデンサCの電圧を加えた電圧以上になると整流ダイオードDが導通して整流し、平滑コンデンサCに充電されて平滑される。この平滑コンデンサDの両端間電圧はほぼ直流になる。
【0038】
この直流電圧の大きさは、負荷インピーダンスが一定の場合、スイッチング素子Q2がヒータ温度制御ブロック28、駆動回路25によって固定周波数方式で駆動される場合はそのオン・オフのデューティ比で可変させることができる。また、ヒータ温度制御ブロック28、駆動回路25によって周波数変調方式で駆動される場合はそのオン又はオフの周期で可変させることができる。具体的には、固定周波数方式ではオンデューティと出力電圧とが比例し、周波数変調方式ではオフ周期一定の場合であればオン周期と出力電圧が比例し、オン周期一定の場合であればオフ周期と出力電圧が反比例する。
【0039】
ここに、昇圧チョッパ回路24の直流電圧は制御電圧演算ブロック30で演算された値となるように制御される。このような出力可変の昇圧チョッパ回路24の直流電圧は輻射ヒータ12と温度ヒューズ16の直列回路に供給され、輻射ヒータ12は定着ローラ13を加熱する。この定着ローラ13の温度は、サーミスタ15による温度検出回路で常時検出され、その検出信号はヒータ温度制御ブロック28に入力される。定着ローラ13の温度が設定温度になると、ヒータ温度制御ブロック28は駆動回路25の発振動作を停止してスイッチング素子Q2をオフさせると共に、スイッチ素子Q1をオフさせ、ヒータ12への直流電圧の供給を停止する。
【0040】
定着ローラ13の表面温度はサーミスタ15による温度検出回路で常時検出されており、定着ローラ13の温度が設定温度よりも下がると、スイッチ素子Q1をオンさせ、昇圧チョッパ回路24を動作させて、再度、輻射ヒータ12に直流電圧を供給する。その後は、順次、定着ローラ13の温度により、昇圧チョッパ回路24を停止/スイッチ素子Q1をオフ→スイッチ素子Q1をオン/昇圧チョッパ回路24を駆動→昇圧チョッパ回路24を停止/スイッチ素子Q1をオフ→…を繰返すことにより、設定温度付近に維持する。
【0041】
なお、温度ヒューズ16は、定着ローラ13の設定温度よりも高い温度で動作するものが用いられ、何らかの異常でその温度になった場合、温度ヒューズ16が切断することにより、輻射ヒータ12への電力供給を停止させる。
【0042】
ここに、本実施の形態では、エンジン制御回路27の機能の中に含まれている接続検知ブロック29は、例えば当該複写機1の場合、増設給紙ユニット6、両面ユニット7、フィニッシャユニット8等のオプション接続の有無を検知することで当該複写機1に関するシステム構成の状況を検知するための回路で、通常、画像形成装置には付属されているものである。接続検知ブロック29で当該複写機1のシステム構成の状況が検知されれば、この接続検知ブロック29に接続された制御電圧演算ブロック30において、検知されたシステム構成の状況に応じて輻射ヒータ12に割り当て得る制御最大電圧値が決定可能となる。
【0043】
また、制御電圧演算ブロック30は、検知されたシステム構成の状況に基づき輻射ヒータ12で消費する最大電力値及び直流電圧の制御最大電圧値を決定するが、その演算方法の一例について説明する。
【0044】
まず、制御最大電圧は、エンジン制御回路27の機能の中の接続検知ブロック29の信号に基づき決定される。例えば、当該複写機1のフルシステム構成での最大電力をWs1、輻射ヒータ電力をWh1、輻射ヒータ12以外の負荷電力をWo1とすると、
Ws1=Wh1+Wo1
になる。輻射ヒータ12の電力Wh1が決まれば、輻射ヒータ12の抵抗値をZとすると、制御電圧の最大値Vh1は、
Vh1=Wh1/Z
で決まる。一方、当該複写機1の1つのオプション、例えばフィニッシャユニット8が未接続の場合の輻射ヒータ12以外の負荷電力をWo2とすると、
Wo1>Wo2
になる。フィニッシャユニット8未接続の場合でも、複写機1全体の電力はWs1まで使用可能なので、このシステム構成での輻射ヒータ12の電力をWh2とすると、
Wh2=Wh1+Wo1−Wo2
にすることが可能になる。このシステム構成での輻射ヒータ12の電力Wh2はフルシステムでの輻射ヒータ12の電力Wh1よりも、Wo1−Wo2の容量だけ大きいため、輻射ヒータ12の制御電圧の最大値をVh2とすると、
Vh2=Wh2/Z
で決まり、Vh2>Vh1とすることができ、輻射ヒータ12の電力を大きくすることが可能になる。
【0045】
一方、制御設定電圧の演算方法の一例は次のようになる。この制御設定電圧は、輻射ヒータ12の周囲にあるローラ温度の温度検出回路(サーミスタ)15で検出された検出温度の値と目標温度とから、以下の(1)〜(3)式で決定される。
【0046】
A=B+α ……(1)
α=a(ta−1−ta)+b(2・ta−1−ta−ta−2)+c(T−ta)…(2)
A≦Vhmax ……(3)
ただし、T:目標温度
ta:測定温度
ta−1:前回検出温度
ta−2:前々回検出温度
a/b/c:係数
A:制御設定電圧
B:初期値
α:増減量
Vhmax:制御最大電圧(複写機1のシステム構成で決まる値)
a/b/cの係数は、使用環境温度・ヒータ容量・電源回路の応答時間等で決める。
【0047】
このような制御設定電圧は任意の時間で設定可能で、例えば(1)〜(3)式で決めた値にした場合、ウォームアップ時には定着ローラ温度のオーバーシュートがほとんどない制御、定着ローラ温度の変化が大きい画像形成時も温度リップルが小さい制御が可能になる。
【0048】
当該複写機1がフルシステム構成の場合とフルシステムに対してフィニッシャユニット8が未接続の構成の場合の各動作モードにおける輻射ヒータ12へ印加する制御電圧と制御最大電圧、ローラ温度の関係を図4(a)(b)に示す。図4(a)に示すフルシステム構成の場合に比して、フルシステム構成でない場合には、図4(b)に示すように、制御最大電圧値が大きくなり、実際の制御電圧も大きくし得ることから、ウォームアップ時間が短縮されていることが判る。ちなみに、従来のトライアックを用いてのオン/オフ制御の場合の各動作モードにおけるトライアックのオン/オフとローラ温度の関係を図5に示す。
【0049】
また、図4と図5とを対比してみると、この輻射ヒータ12を直流電圧制御により点灯制御を行うことで、図5のような従来の商用周波数サイクルでオン/オフ制限された制御周期をなくすことが可能となり、温度リップルを最小にし温度安定を向上させ得ることが判る。また、定常的な直流電圧を印加し続けることで電圧変動等の規制に対して優位となる。また、システム構成の状況に応じて輻射ヒータ12に対する制御最大電圧を変化させることができ、システム構成が軽い場合に輻射ヒータ12に対する電力を大きくすることが可能であり、ウォームアップ時の時間短縮が可能になる。
【0050】
また、特に図示しないが、連続した画像形成でローラ温度が低下した場合でも設定温度までの復帰時間短縮になる。また、最近の複写機(画像形成装置)では省エネルギーを目的としてローラ温度を設定温度よりも下げた低電力モード、又は、輻射ヒータ12への電力供給を停止するオフモードを設けている機種もあるが、この場合、低電力モード、又は、オフモードから画像形成可能モードまでのリカバリー時間の短縮も可能になる。
【0051】
複写機1(画像形成装置)のシステム構成の状況がフルシステムでない場合にフルシステムとの差の電力を輻射ヒータ12への電力とすることが可能であるが、この差の電力を全て輻射ヒータ12に供給するのではなく、輻射ヒータ12以外の負荷へ供給することもできる。この場合、単位時間当たりの画像形成速度を大きくすることも可能になる。
【0052】
また、輻射ヒータ12以外の負荷電力の下限値はオプション接続無のシステム構成の電力であるので、この電力をWo3とすると、この時のヒータ電力Wh3は、
Wh3=Wh1+Wo1−Wo3
になり、輻射ヒータ12の制御電圧の最大値をVh3、輻射ヒータ12の抵抗をZとすると、
Vh3=Wh3/Z
で決まる。よって、昇圧チョッパ回路24により輻射ヒータ12に印加される直流電圧の電圧値(印加制御電圧最大値)の範囲はVh1〜Vh3になる。
【0053】
本発明の第二の実施の形態を図6及び図7に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。
【0054】
図6は輻射ヒータ12に対する通電制御を行う本実施の形態の回路構成を示す回路図である。基本的には、図3の場合と同様であるが、本実施の形態ではモード設定等の各種入力設定操作を行うための操作部31がエンジン制御回路27中のヒータ温度制御ブロック28に接続されている。
【0055】
このような操作部31からの入力情報に基づき当該複写機1のシステム稼動状況を検知し、前述のシステム構成の状況とこのシステム稼動状況とに応じて制御電圧演算ブロック30により輻射ヒータ12へ供給する直流最大電圧値を決定し、ヒータ温度制御ブロック28によりその直流最大電圧値の範囲内で制御電圧を可変させることで輻射ヒータ12に対する電力をコントロールするようにしたものである。即ち、複写機1にあっては、操作部31からの各種入力情報に基づき動作モード等が設定されて画像形成動作を実行するので、その入力情報に基づきジョブの動作モード(システムの稼動状況)を検知できる。ここに、複写機1で例えばフルシステム構成でフル稼働の場合に最大電力を消費するが、フルシステム構成であっても動作モードによっては稼働しないユニットもある。この場合、稼動状況を認識することで、稼働しないユニットの消費電力をヒータ用電力に上乗せできるので、輻射ヒータ12に供給する直流電圧を大きくすることができる。
【0056】
エンジン制御回路27のマイクロコンピュータ(ヒータ温度制御ブロック28、制御電圧演算ブロック30)により実行される本実施の形態の場合のヒータ通電制御に関する動作制御例を図7に示す概略フローチャートを参照して説明する。まず、複写機1の電源スイッチが投入されることにより(ステップS1のY)、制御が開始される。そして、操作部31上の各種キーに関するキー操作があるか否かをチェックし(S2)、キー操作がないまま一定時間が経過したら(S3のY)、待機モードに設定する(S4)。キー操作があり(S2のY)、又は、待機モードに設定された場合(S4)、接続検知ブロック29からの検知情報を取得し、当該複写機1のシステム構成の状況を検知する(S5)。このステップS5の処理がシステム構成検知手段の機能として実行される。さらに、操作部31からのキー入力情報を取得することにより、設定された動作モードに従い当該複写機1の当該システム構成における稼動状況を検知する(S6)。このステップS6の処理が稼動状況検知手段の機能として実行される。引き続き、検知されたこれらのシステム構成の状況及び稼動状況に応じて制御電圧演算ブロック30により輻射ヒータ12で消費する最大電力値及び直流電圧の制御最大電圧値を決定する(S7)。このステップS7の処理が電力決定手段の機能として実行される。さらに、定着ローラ13の検出温度と目標温度との差、及び、定着ローラ13の温度変化率に基づき制御最大電圧値の範囲内での制御電圧値を算出し、算出された制御電圧となるように昇圧チョッパ回路24によって輻射ヒータ12に印加する直流電圧の電圧値を決定する(S8)。このステップS8の処理が出力可変手段の機能として実行される。
【0057】
このような決定後、まず、スイッチ素子Q1をオンさせて輻射ヒータ12に対する通電立上げ可能とする(S9)。引き続き、駆動回路25の発振動作を決定された直流電圧の電圧値に応じて駆動制御してスイッチング素子Q2のオン・オフ動作を制御することで、昇圧チョッパ回路24による輻射ヒータ12への直流電圧印加による通電を開始させる(S10)。このステップS10の処理が、決定されたヒータ用電力に応じて昇圧チョッパ回路24を駆動回路25を介して駆動制御して輻射ヒータ12に供給する直流電圧を可変させる出力可変手段の機能として実行される。この動作において、サーミスタ(温度検出回路)15により検出される定着ローラ温度を取得するとともに、待機モードであるか否かをチェックし(S11)、待機モードでない場合には(S11のN)、定着ローラ温度が所定の設定温度T1に達したかを監視し(S12)、待機モード時であれば(S11のY)、定着ローラ温度が待機時用に設定された所定の設定温度T2(ただし、T1>T2)に達したかを監視する(S13)。
【0058】
定着ローラ温度が所定の設定温度T1に達した場合(S12のY)、駆動回路25を停止させてスイッチング素子Q2をオフさせるとともに(S14)、スイッチ素子Q1をオフさせて(S15)、昇圧チョッパ回路24への給電を停止させる。これにより、輻射ヒータ12への通電も停止される。そして、キー操作に基づき設定された動作モードの処理内容を実行する(S16)。この動作においても、サーミスタ(温度検出回路)15により検出される定着ローラ温度を取得することにより、所定の設定温度T1より若干低く設定された所定の設定温度T1′まで低下したか否かをチェックし(S17)、所定の設定温度T1′まで低下した場合には(S17のY)、ステップS9の処理に戻り、ステップS9,S10,S11,S12,S14〜S17の処理を繰返すことにより、定着ローラ温度を設定温度T1′〜T1の範囲内に維持する。
【0059】
待機時にあっても同様であり、定着ローラ温度が所定の設定温度T2に達した場合(S13のY)、駆動回路25を停止させてスイッチング素子Q2をオフさせるとともに(S18)、スイッチ素子Q1をオフさせて(S19)、昇圧チョッパ回路24への給電を停止させる。これにより、輻射ヒータ12への通電も停止される。この動作においても、サーミスタ(温度検出回路)15により検出される定着ローラ温度を取得することにより、所定の設定温度T2より若干低く設定された所定の設定温度T2′まで低下したか否かをチェックし(S20)、所定の設定温度T2′まで低下した場合には(S20のY)、ステップS9の処理に戻り、ステップS9,S10,S11,S13,S18〜S20の処理を繰返すことにより、定着ローラ温度を待機時用の設定温度T2′〜T2の範囲内に維持する。
【0060】
なお、ステップS17の処理後は、操作部31においてキー操作があるか否かをチェックし(S21)、キー操作があれば(S21のY)、そのキー操作に基づく処理動作を実行する(S16)。一方、キー操作がなく(S21のN)、一定の時間が経過した場合には(S22のY)、待機モードに設定し(S23)、ステップS20の処理に移行する。
【0061】
また、ステップS20の処理後は、操作部31においてキー操作があるか否かをチェックし(S25)、キー操作があれば(S25のY)、待機モードを解除して(S25)、ステップS9の処理に戻る。一方、キー操作がない場合には(S24のN)、ステップS20の処理に戻る。
【0062】
よって、本実施の形態によれば、システム構成の状況のみを考慮する場合に比べて、その稼動状況も併せて考慮するので、輻射ヒータ12へ印加する直流電圧をより大きくすることができ、より多くの電力が供給できる。このため、効果は、第一の実施の形態の場合よりも大きくなる。
【0063】
なお、これらの実施の形態では、輻射ヒータ12に対する出力可変の直流電源回路として、昇圧チョッパ回路24の例で説明したが、これに限らず、降圧チョッパ回路や昇降圧チョッパ回路でもよく、或いは、絶縁型のコンバータを用いるようにしてもよい。
【0064】
本発明の第三の実施の形態を図6に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の第一又は第二の実施の形態に適用されるが、特に、その通電立上げ時の制御に関するものである。
【0065】
輻射ヒータ12は温度応答性に優れているため、電源投入時の突入電流値が従来機よりも大きい。また、一般に、輻射ヒータ12の抵抗値は、朝一などの複写機1の省電力状態の低温時と温度制御時の高温時とでは異なり、ヒータ低温時には抵抗値が小さく、そのために、通電立上げの制御を特に行わずに直に立上げた場合には図9に示すように電源投入時の突入電流値が、待機状態より大きくなる傾向がある。
【0066】
そこで、本実施の形態では、輻射ヒータ12に対する通電立上げ時の動作制御として、急激な電圧変動による突入電流を防止するために、図8に示すように、輻射ヒータ12の温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、昇圧チョッパ回路24によって輻射ヒータ12に印加する直流電圧の電圧値を段階的に徐々に上げるように制御するものである。このような直流電圧の電圧値の段階的な可変制御は、昇圧チョッパ回路24の駆動回路25の動作を段階的に切換え制御することにより容易に実現できる。このような動作制御は、例えば図7に示したフローチャート中のステップS10の処理の開始時に行わせるようにすればよい。これにより、当該装置の突入電流値を抑えることができる。ここで、輻射ヒータ12の温度−抵抗値特性により電源投入時の各設定電圧までのステップ数(電圧幅)とステップ制御時間とが決定される。通常の輻射ヒータ12であれば、約数100ms程度の通電立上げ期間内における制御となる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、基本的に、輻射ヒータへ供給する電圧を直流電圧とし、その制御最大電圧値をシステム構成に応じて可変設定するようにしたので、熱応答性に優れた輻射ヒータの特徴を活かしつつ、商用交流電源サイクルによりオン・オフが制限された制御周期をなくして温度制御リップルを小さくすることができ、温度安定性を向上させることができ、また、輻射ヒータへ供給する電圧を直流電圧とし、その電圧値を当該画像形成装置のシステム構成の状況に応じて可変させることにより、当該画像形成装置のシステム構成の状況が軽い場合、輻射ヒータへ供給するヒータ用電力を大きくすることが可能となり、ウォームアップ時の時間短縮、連続した画像形成により定着ローラの温度が低下した場合の設定温度までの復帰時間の短縮、さらには、低電力モード・オフモードを設けている画像形成装置の場合であればリカバリー時間の短縮が各々可能となり、この際、直流電圧の電圧値を可変させることにより、輻射ヒータに供給する電力を可変させているので、トライアック等の電力スイッチ素子により全波出力の位相制御を行う方式に比べて、高調波電流や電源電圧変動が増加することも回避することができる。
【0068】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、当該画像形成装置のシステム構成の状況だけでなく、その稼動状況も加味して輻射ヒータに割り当てる制御最大電圧値を可変設定するようにしたので、稼動状況が軽い場合には、さらに輻射ヒータに割り当て得る制御最大電圧値を上乗せしてより大きくすることができ、よって、ウォームアップ時の時間等をより一層短縮させることができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の固定周波数方式でオン・オフさせる際のオン・オフデューティ比により直流電圧を可変させる出力可変手段を用いるようにしたので、請求項1又は2記載の発明を容易に実現することができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の周波数変調方式でオン・オフさせる際のオン周期又はオフ周期により直流電圧を可変させる出力可変手段を用いるようにしたので、請求項1又は2記載の発明を容易に実現することができる。
【0071】
請求項1ないし4の何れか一記載の発明においては、輻射ヒータに対する通電立上げ時に定着装置が冷えている場合は、その立上り時間をできるだけ短時間で行わせるために、輻射ヒータが占めるヒータ用電力の割合が最大限となるように割り当てることで、輻射ヒータに供給する直流電圧が大きくなるように可変制御する訳であるが、この場合、通電立上げ時における突入電流値が大きくなり、特に輻射ヒータの場合にはハロゲンヒータ等に比して温度応答性に優れているため突入電流値が大きくなるため、使用回路部品としても部品定格も大きな仕様値の部品が必要となりコストアップや寿命減少の影響を受け、さらには、突入電流が大きいことに起因して他の電子機器や設備に対しても影響を与え、例えば、通電立上げ時の突入電流により、CRT画面が歪んだり、蛍光灯がちらついたり等の影響が出たりする懸念があるが、請求項5記載の発明によれば、輻射ヒータに対する通電立上げ時において当該輻射ヒータの温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、輻射ヒータに供給する直流電圧が徐々に増加するように可変制御しているので、突入電流値を抑えることができ、使用回路部品に対する仕様マージンを上げ、寿命の延長又は部品のコストダウンを図ることができる。
【0072】
請求項6記載の発明によれば、輻射ヒータの温度−抵抗値特性に基づき設定されたステップ数とステップ制御時間とに基づき輻射ヒータに供給する直流電圧が段階的に増加するように直流電源回路を制御することにより、請求項5記載の発明を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の複写機の概略システム構成例を示す正面図である。
【図2】その定着装置の構成例を示す概略正面図である。
【図3】ヒータに対する通電制御を行う回路構成を示す回路図である。
【図4】フルシステム構成の場合とフィニッシャユニット未接続の構成の場合の各動作モードにおける輻射ヒータへ印加する制御電圧と制御最大電圧、ローラ温度の関係を示すタイムチャートである。
【図5】参考例として従来の場合の各動作モードにおける輻射ヒータへ印加する制御電圧と制御最大電圧、ローラ温度の関係を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の第二の実施の形態のヒータに対する通電制御を行う回路構成を示す回路図である。
【図7】ヒータ通電制御に関する動作制御例を示す概略フローチャートである。
【図8】本発明の第三の実施の形態の電圧、電流制御の波形例を示すタイムチャートである。
【図9】参考例として電圧、電流制御の波形例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
11 定着装置
12 輻射ヒータ
13 定着部材
15 温度センサ
21 交流電源
24 直流電源回路
25 駆動回路
Q2 スイッチング素子
Claims (6)
- フィラメントと少なくとも不活性ガスを含む封入ガスとを密閉したガラス管を有する輻射ヒータ内蔵の定着部材を用いてトナー像を転写材上に加熱定着する定着装置を備える画像形成装置において、
前記輻射ヒータは、電源投入直後にこれらのフィラメントと封入ガスとガラス管とに滞留する熱量を低減する構成を有し、
前記定着部材周りの温度を検出する温度センサと、
交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して前記輻射ヒータに通電する出力可変の直流電源回路と、
当該画像形成装置のシステム構成の状況を検知するシステム構成検知手段と、
検知されたシステム構成の状況に基づき前記輻射ヒータで消費する最大電力値及び直流電圧の制御最大電圧値を決定する電力決定手段と、
前記温度センサにより検出された定着部材周りの温度と目標温度との差、及び、前記定着部材の温度変化率に基づき前記制御最大電圧値の範囲内での制御電圧値を算出して前記直流電源回路を駆動制御して前記輻射ヒータに割り当てる直流電圧を可変させる出力可変手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 当該画像形成装置の稼動状況を検知する稼動状況検知手段を備え、
前記電力決定手段は、前記システム構成検知手段により検知されたシステム構成の状況及び前記稼動状況検知手段により検知された稼動状況に応じて前記輻射ヒータに割り当てる制御最大電圧値を可変設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記出力可変手段は、前記直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の固定周波数方式でオン・オフさせる際のオン・オフデューティ比により直流電圧を可変させる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記出力可変手段は、前記直流電源回路中に含まれるスイッチング素子を高周波の周波数変調方式でオン・オフさせる際のオン周期又はオフ周期により直流電圧を可変させる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記出力可変手段は、前記輻射ヒータに対する通電立上げ時において当該ヒータの温度抵抗特性が安定するまでの時間内は、前記輻射ヒータに供給する直流電圧が徐々に増加するように前記直流電源回路を制御する、ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記出力可変手段は、前記輻射ヒータの温度−抵抗値特性に基づき設定されたステップ数とステップ制御時間とに基づき前記輻射ヒータに供給する直流電圧が段階的に増加するように前記直流電源回路を制御する、ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
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