JP2004240200A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像を印刷する前にプレビューディスプレイ表示部で入力された画像の階調性あるいは高解像度性を容易に確認できるように制御する。
【解決手段】入力された元画像データに対してユーザーの選択により変倍処理がなされると、その倍率が所定値以上の場合には変倍処理された元画像データの単純減色処理を行い、その倍率が所定値未満の場合には変倍処理された元画像データの多値化画像処理を行い、それぞれ得られる画像をプレビューディスプレイ表示部に表示する。このように、画像を印刷する前に表示倍率に応じて多値化の方式を切り替えてプレビュー表示するので、ユーザーの要求に応じて入力された画像の階調性あるいは高解像度性を確認できる。
【選択図】図11
【解決手段】入力された元画像データに対してユーザーの選択により変倍処理がなされると、その倍率が所定値以上の場合には変倍処理された元画像データの単純減色処理を行い、その倍率が所定値未満の場合には変倍処理された元画像データの多値化画像処理を行い、それぞれ得られる画像をプレビューディスプレイ表示部に表示する。このように、画像を印刷する前に表示倍率に応じて多値化の方式を切り替えてプレビュー表示するので、ユーザーの要求に応じて入力された画像の階調性あるいは高解像度性を確認できる。
【選択図】図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナやプリンタなどの画像入出力部を有する画像形成装置の制御に関し、特に、入力した画像データの画像を記録媒体に印刷する前にプレビュー画面で印刷する画像を目視して確認する制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタやデジタル複写機などのデジタル画像入出力装置は、近年広く使われるようになり、それに伴い益々高階調化、高解像度化が要求されつつある。更に、プリンタにファクシミリやイメージスキャナ等の機能を加えた複合機としてのプリンタ装置も数多く作られている。
【0003】
そのため、デジタル画像はもはや一般的なメディアとなりつつあると同時に、その画像処理に関する画像品質への要求はより高くなってきている。さらにまた、インクジェットプリンタや電子写真プリンタの技術の発達による、小部数のカラープリントが一般的となりつつある。
【0004】
ところで、デジタル複写機のようにデジタル画像データを一旦とり込んでから印刷する機能を持つプリンタでは、従来の光学式アナログ複写機とは異なり、印刷前のデジタル画像データを前もってディスプレイ上で目視して確認できれば、取り込み(読み込み)の失敗による誤印刷等を未然に防止できるので便利である。
【0005】
このよう記録媒体上に画像を印刷する前に、前もって画像を予備的に表示する機能(以下、プレビュー機能と称す)を備えていると、このプレビュー機能を利用することにより、取り込みに失敗した画像(原稿)の再取り込みや取り込み後の画像の編集等による画像の修正が可能になる。そこで、デジタル画像データを確認するプレビュー機能を有するデジタル複写機などのプリンタが製品として登場してきている。
【0006】
ところで、プレビュー機能を有するプリンタでは、印刷部とディスプレイ表示部の物理的解像度(dpi, dot per inch)の違いから、印刷用デジタル画像の画像サイズをディスプレイ表示部のサイズに適したディスプレイ用デジタル画像に変換している。しかしながら、プレビュー機能を用いて画像を確認する場合、一般にプレビューディスプレイ部で表示される画像と実際に記録紙などの記録媒体上に印刷される画像には差異を生じる場合がある。
【0007】
その原因は、プレビューディスプレイ表示部で表示される画像の物理的解像度と実際に記録紙上に印刷される画像の物理的解像度とが、プレビューディスプレイ表示部の構造に物理的な制約があるため大きく異なるためである。
【0008】
例えば、プレビュー機能を有するプリンタでは、印刷用デジタル画像の画像サイズをプレビューディスプレイ表示部のサイズに適したディスプレイ用デジタル画像となるように、拡大するあるいは縮小する機能が設けられており、プレビュー機能を使用するユーザがこの拡大/縮小機能を用いることにより、適宜印刷用デジタル画像の画像サイズの倍率を変更してからプレビューディスプレイ表示部で出力画像を予測し確認することができるようになっている。
【0009】
プレビュー機能の使用例の一例を示すと、A4サイズの画像を印刷する場合に、A4サイズの全体画像をプレビューディスプレイ表示部に表示して全体の画像のレイアウトをA4サイズの基準の大きさとして把握し、次に画像の細部をプレビューディスプレイ表示部に拡大表示して確認することが一般に行われている。
【0010】
例えば、印刷画像とディスプレイの物理的解像度の違いにより画像の表現が異なってしまう状態に対してユーザーが細部の確認を行なえるように、ユーザーが拡大モードを選択した場合に、印刷時の物理的解像度での画素数のデジタルデータを作成し、それをディスプレプレビューディスプレイ表示部に表示することで、細部の確認が可能になる事が示されている(例えば、特許文献1)。
【0011】
しかしながら、この方法は、プレビューディスプレイ表示部が印刷と同等の階調性を表現可能な場合であり、かつ作成された印刷時解像度相当の画素サイズのデジタルデータの表現が実際の印刷媒体への印刷結果と忠実に対応している場合にのみ、画像の細部の確認が可能となる。
【0012】
ここで、上記説明したプレビューディスプレイ表示部には、TFT液晶ディスプレイやSTN液晶ディスプレイ等が用いられている。特に、近年、表示画像の高品質性と高速応答性の利点によりTFTパネルの需要が拡大しつつあるが、低価格性の利点等から、今なおSTN液晶ディスプレイも多用されている。しかしながら、STN液晶ディスプレイを用いてカラー表現や階調表現を行う場合には、その物理的特性から1画素で表現できる階調数が限られており、例えば4096色中、選択した256色のみ表示できるといった制限がある場合が多い。
【0013】
このようにプレビューディスプレイ表示部で表現できる色数が少ない場合には、連続階調を誤差拡散法等の画像処理を用いた多値化により、擬似的に表現する必要がある。多値化画像処理の種類にはパターンディザ法、誤差拡散法、等とその変形版が一般に広く知られ、また市販の画像入出力装置にも多用されている。これら画像処理は、同業者において広く知られている方法であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0014】
一般に、多値化画像処理は、基本的には、1画素では表現できる階調数が少ないデバイスを用いながらも、複数画素からなる画像領域が平均的に元画像に近い階調になるように各画素の階調値を計算することで、画像を広域的に見た場合に視覚的に連続階調にできるという原理を用いている。例えば、単純に8bit 256値を2bit 4値に単純減色を行なった場合、階調性の無い低画質な画像になってしまうので、これを避けるため多値化画像処理が用いられている。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−63155号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記説明したデジタル複写機等の画像処理装置に用いられるデジタル画像入出力部のプレビュー機能に関して、従来の方法には以下のような課題があった。それは、上記の多値化による画像処理を用いると、以下の問題がある点である。
【0017】
すなわち、その画像処理において、画像領域の階調が元画像に近くなるように各画素の値を計算するという性質から、元画像で同じ値が連続している画素列があったとしても、それらが処理後に同じ値になるとは限らず、そのため、画像の細部の構造が壊れて表示されてしまい、例えば、高解像性が必要な細線や細かい文字などの構造が正しく表示されないという問題があった。
【0018】
特に細かい色文字や薄文字等に対して多値化画像処理を行う場合や、中間調やカラーの背景に対して異なる色の文字がある場合等に多値化画像処理を行うと、その形状が壊れてしまい、画像領域の平均的階調は保たれたとしても、文字が読めなくなってしまうという問題があった。
【0019】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、プレビュー機能を有する画像処理装置において、入力された画像を印刷する前にプレビュー表示部で表示する際に、ユーザの要求に応じて、入力された画像の階調性あるいは高解像度性を容易に確認できる画像処理装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像形成装置は、以下の構成を有する。すなわち、 入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、前記画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成装置であって、前記印刷プレビュー画面に表示する前記画像の倍率を設定する設定手段と、前記設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像形成方法は、以下の構成を有する。すなわち、入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、前記画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成方法であって、前記印刷プレビュー画面に表示する前記画像の倍率を設定する設定工程と、前記設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像形成装置を制御する制御プログラムは、以下の構成を有する。すなわち、入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、前記画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成装置を制御する制御プログラムであって、前記印刷プレビュー画面に表示する前記画像の倍率を設定する設定工程のプログラムコードと、前記設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御工程のプログラムコードと、を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置は、入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成装置であって、印刷プレビュー画面に表示する画像の倍率を設定する設定手段と、設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0023】
ここで、例えば、制御手段は、画像データの階調変換処理を行ってから単純減色の処理を行うことが好ましい。
【0024】
ここで、例えば、制御手段は、階調変換処理を予め設定されているルックアップテーブルを用いて行うことが好ましい。
【0025】
ここで、例えば、ルックアップテーブルを設定する設定手段を更に有することが好ましい。
【0026】
ここで、例えば、制御手段による制御を行う、または、行わない、を選択する選択手段を更に有することが好ましい。
【0027】
このような本発明は、具体的に願書に添付する図1〜図11に示す構成及び処理において、以下の実施形態と対応して実現できる。
【0028】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明の適用範囲はこの実施形態に限定されるものではない。
【0029】
[画像形成装置の概観:図1A、1B]
図1Aと1Bにおいて、1000は本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概観を示す正面図および斜視図である。画像形成装置1000は、画像入力部(スキャナ部)900と画像出力部(プリンタ部)800とにより構成されている。
【0030】
[画像形成装置の制御構成:図2]
図2は、画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。画像入力部900は原稿を光学的に読み取って画像データに変換する。102は、画像形成装置全体の制御を行うCPUである。103は、後述するフローチャートの処理を実現するプログラムを含むCPU102の動作プログラムやフォントなどの各種データや後述するルックアップテーブル(LUT)を格納するROMである。104は、CPU102のワークメモリとして機能したり、入力されたデータを一時的に格納するRAMである。なお、RAM104以外に、RAM104と同様の機能を実現できるメモリ、例えば、EEPROM等を用いても良い。
【0031】
画像出力部800は、画像入力部900で読み取った画像データを記録媒体上に記録するプリンタである。このプリンタの記録方式には、感熱方式、レーザビーム方式、インクジェット方式などが挙げられる。ディスプレイ表示部10は、画像入力部900で読み取った画像データを記録媒体上に記録する前に表示するものであり、TFT液晶ディスプレイやSTN液晶ディスプレイ等が用いられる。12はディスプレイ部10上に配置された操作部である。105は、画像処理部であり、後述する画像データの多値化処理や単純減色処理など画像形成装置の各種画像処理を実行する。
【0032】
[ディスプレイ表示部:図3]
図3は、図2の画像出力部800の上面のディスプレイ表示部10を上方から見た図であり、10はプレビューを表示する為のディスプレイ表示部であり、88は、ディスプレイ表示部10内の領域にあるプレビュー表示部である。また、12はディスプレイ表示部10上に配置された操作部であるユーザーインターフェース用スイッチを示している。ディスプレイ表示部10は感圧式タッチパネルになっており、ユーザーはユーザーインターフェース用スイッチ12を押下することにより所望の各種操作、例えば、後述する入力された画像の階調性または高解像性を確認する操作を行なうことができる。
【0033】
[入力された元画像とプレビュー表示部の関係:図4]
以下、上記説明した図1〜図3を用いてディスプレイ表示部10に表示される本実施形態のプレビュー機能について説明する。
【0034】
画像入力部900から読み込まれた画像は、記録媒体上に実際に印刷される前にディスプレイ表示部10のプレビュー表示部88に表示される。図4は、入力された元画像の画素サイズに対するプレビュー表示部88に表示されるプレビューウインドウ(表示領域)の対応関係を示す図である。
【0035】
図4(a)で81は入力された元画像81の全体画像であり、88は元画像81の画素と同等の縮尺で示されたプレビュー表示部88のプレビューウインドウである。図4(a)で、元画像81と同等の倍率で、プレビュー表示部88のプレビューウインドウに元画像81を表示する場合、プレビュー表示部88の枠内には全ての元画像81を表示できない。
【0036】
そこで、図4(b)に示すように、一点鎖線の枠で示される表示領域85(プレビュー表示部88で表示できる範囲)を矢印89で示す各方向に上下左右に動かしながら元画像81の領域全体を次々にプレビュー表示部88で表示するようにする。
【0037】
なお、プレビュー表示部88で元画像81の全体画像を見るためには、図4(c)に示すように、元画像81を縮小し、縮小した元画像82を表示領域85の範囲内で表示するようにすればよい。
【0038】
[プレビュー表示部に表示する元画像の画像処理:図5、6,7]
次に、図5、図6、図7を用いて、異なる多値化画像処理の方式による画像の表示状態の違いについて説明する。本実施形態では、入力される画像として、図5に示すように、連続階調であり、かつ高精細の任意のデジタル画像を用いて説明する。
【0039】
[元画像:図5]
図5において、50は図4の入力される元画像81の全体画像と同じものである。なお、本発明の理解を容易にするために、図5では、各画素と画像全体の対応をわかりやすく図示するために、画像形成装置で実用上使用される画像のサイズより小さい画像である32x32画素の参考例を元画像50としているが、例えば、図5の元画像50を1024x768等のサイズにしても原理的には同じである。
【0040】
ここで、図5の元画像50は全体画像の一例であり、51は中間調で表示される中間調図形であり、中間調図形51は薄い中間調部分58と濃い中間調部分59から構成されている。また52は中間調で描かれた文字、すなわち中間調高精細で表示される中間調文字である。この例では中間調文字52は濃い中間調で表現されている。
【0041】
この入力された元画像50に関し、画像全体に多値化処理を行った例を図6、図7に示す。尚、ここでは、多値化数をN=2として2値化された場合の例により図示しているが、2値以上の多値化を行った場合においても、例えば最小濃度値(背景の白の濃度など)とその次に濃い濃度値の2つを2値と考えれば、原理は基本的に同様である。また、画像の白黒を反転した場合や、彩度の高いカラー画像、すなわちRGBの少なくともどれか1色の値が非常に小さいカラー画像についても同様である。但し、N=2より大きいNの値を用いれば、より連続階調の画像に近い滑らかな画像表示となる。
【0042】
[多値化画像処理した画像:図6]
まず、図6は、スクリーン2値化により元画像50を多値化画像処理した画像60の結果を示している。
【0043】
元画像50の各部分(中間調図形51、薄い中間調部分58、濃い中間調部分59、中間調文字52)が画像60の各部分(中間調図形61、薄い中間調部分68、濃い中間調部分69、中間調文字62)に対応している。
【0044】
ここで、元画像50の中間調部分51は、それぞれ薄い中間調部分68、濃い中間調部分69のように、多値化された少ない階調数(ここではN=2、白黒)を用いて画像領域の画素の密度で擬似的に表示される。しかしながら、その一方で、元画像50の中間調文字52の処理結果である中間調文字62を見てわかるように、文字の線を示す各画素が同じ入力値でも、画像処理で座標によって値が変わる為、文字のような細線の構造は適切に再現されていない。
【0045】
[単純2値化処理した画像:図7]
一方、図7は、1画素毎に固定しきい値で2値に振り分けた単純2値化処理した画像70の結果を示している。
【0046】
図6と同様、図5の元画像50の各部分(中間調図形51、薄い中間調部分58、濃い中間調部分59、中間調文字52)が図7の単純2値化処理した画像70の各部分(中間調図形71、薄い中間調部分(2値化)78、濃い中間調部分(2値化)79、中間調文字(2値化)72)に対応している。
【0047】
この単純2値化処理した画像70を見てわかるように、中間調文字52の処理結果である中間調文字72は、階調は異なっているが、文字としての細線の構造はより元画像50を正しく反映していることがわかる。一方で、単純2値化の為、中間調図形51の薄い中間調部分58はこの例では薄い中間調部分(2値化)78のように消えてしまい、階調表示が適切になされていない事がわかる。
【0048】
以上により、図5の元画像50が、多値化画像処理の方式の違いによって、連続階調が優先されて表示される場合(図6)と、文字や細線といった高解像性を優先して表示される場合(図7)とがある事を示した。
【0049】
[2つの画像処理:図8]
そこで、ユーザの要求(連続階調が優先して表示する場合と文字や細線といった高解像性を優先して表示する場合)に応じて、多値化の画像処理の方式(減色処理、多値化処理)の違いをプレビューズーム率に応じて切替えることでユーザに適切に表示可能とするのが本発明の特徴である。なお、以下説明するプレビューズーム率に応じて行う減色処理をユーザが希望しない場合には、行わないようにする選択手段を更に設けてもよい。
【0050】
次に、上記説明したユーザの要求に応じて行う多値化の画像処理の切替え方式について図8を用いて説明する。
【0051】
図8では、図4a、図4b、図4cで示した入力された元画像81の全体画像、縮小した元画像82、プレビュー表示部88に対応する一例として、入力された元画像91、縮小した元画像92に示す。また、88はプレビュー表示部のプレビューウインドウであり、図8においても図4と同様、プレビュー表示部88は入力された元画像91、縮小した元画像92の画素と同等の縮尺で示されている。
【0052】
ここで、図8では、図5と同様、発明の要件の提示の為に、図示の例として、画像形成装置で実用上使用される画像サイズより小さい画像サイズである32x32画素の参考例を用いて入力される元画像91の例とし、またプレビュー表示部のプレビューウインドウ88を16x16画素の例によって示しているが、図5と同様、元画像91および縮小した元画像92が、より大きい実用上のサイズであっても原理的には同じである。
【0053】
これらの画像に対し、表現色数に制限のあるディスプレイにプレビュー表示をする為に多値化を行うが、このときにプレビューズーム率の違いにより処理方法を切り替えて表示を行う。ユーザーからの倍率指示(図示せず)によりプレビュー倍率が設定されるが、ここで拡大倍率が高く高解像性表示を行う場合には、誤差拡散等による多値化画像処理を行わず、高精細な表示を優先して、単にビット数を切り捨てる単純減色を行う。
【0054】
[高精細(高解像性)表示]
95はこの処理を高倍率の元画像91に対して行った後の単純減色処理した画像である。図8の上段の図の例では、最大倍率すなわち入力された元画像と同じ倍率で表示されている場合を示している。この元画像91に対して図4bの説明と同じく、プレビューウインドウ表示位置85を単純減色処理した画像95の画像範囲内で動かして表示を行う。その場合のプレビュー表示部のプレビューウインドウ88上の表示結果が97に示されている。
【0055】
この高精細(高解像性)表示の場合、図からわかる通り、階調表示性は単純減色により劣化してしまうが、実際の印刷画像との対応を考えた場合、小さな領域の局所的な階調性はあまり重要視されず、ユーザーがプレビューを拡大することで確認したい情報としては精細な画像構造が重要となるので、この劣化は問題とはならない。
【0056】
[高階調(低解像性)表示]
一方、図8の下段の図において、拡大倍率を低くして元画像の広い領域の表示を行う場合には、誤差拡散等による多値化画像処理を行い階調表示性を優先して行う。96は、低倍率に縮小した元画像92に対して誤差拡散等による多値化画像処理した画像である。
【0057】
図8の例では、最大倍率の画像すなわち入力された元画像を縮小し、入力された画像全体が表示されている場合を示している。この画像に対しては、プレビューウインドウ表示位置85内に96の画像が含まれるので、画像全体が表示できる。その場合のウインドウ88上の表示結果が98に示されている。
【0058】
この高階調(低解像性)表示の場合、図からわかる通り、精細な画像構造の表示性は多値化画像処理により劣化してしまうが、プレビューの縮小によって既に精細な画像構造は失われており、ユーザーが縮小プレビューを選択することで確認したい情報としては広域な領域の階調性がより重要となるので、この精細な画像構造の表示性の劣化は問題とはならない。
【0059】
[画像処理の切替え:図11]
この図8に示す画像処理の切替え処理を図11のフローチャートに示す。
【0060】
すなわち、ステップS100で、ユーザーの選択により、入力された元画像データを所定のズーム倍率となるようにズーム変倍処理(元画像データの拡大、縮小)を行う。
【0061】
次に、ステップS110において、ズーム変倍処理でなされたズーム倍率を調べ、ズーム倍率が所定値以上の場合にはステップS130に進み、変倍処理された元画像データに対して上記説明した多値化画像処理を行ってからステップS140に進む。
【0062】
一方、ステップS110において、ズーム倍率が所定値未満の場合にはステップS130に進み、変倍処理された元画像データに対して上記説明した単純減色処理を行ってからステップS140に進む。
【0063】
ステップS140では、多値化画像処理された、あるいは、単純減色処理された画像を表示してからステップS150に進み、一連の作業を終了する。
【0064】
以上示したように、本発明の構成とする事で、プレビュー表示を行う際に、表示倍率に応じて多値化の方式を切り替えることで、プレビュー表示ディスプレイの階調表現能力に制限がある場合でも、ユーザーの必要に応じて階調性と解像性の双方に関して入力画像の確認を行う事ができ、元の画像全体の構成を容易に把握する事ができる。
【0065】
尚、本実施形態の図8における設定例では、元画像のサイズに対してプレビューウインドウの寸法が半分であり、かつプレビューのズーム倍率の切り替えを2倍で設定した例により説明を行なったが、これらは本発明の要件を簡明に図示して本発明内容の理解を助けるための設定であり、本発明は上記の例に限ることはなく、例えば、任意の元画像のサイズ、任意のプレビュー表示部のプレビューウインドウサイズ、また任意の連続した適切なズーム倍率を設定することも可能である。
【0066】
また、上記の説明では元画像と入力時のスキャン画像を同等の画像サイズとして扱い、プレビュー最大拡大時の1画素とスキャン時の1画素とが1対1に対応している例を用いて説明したが、プリンタやスキャナの物理的解像度が高い場合には、上記の元画像として、実用上有効なサイズに縮小した画像を用いても良く、本発明の機能は原理的には同等の効果がある。
【0067】
例えば、スキャン解像度が1200dpiの場合、このデータを300dpiサイズの画像データまで縮小してこれをプレビュー用の最大拡大データとみなして用いても良い。この場合、厳密には最大拡大された画像ではなく縮小画像であるが、多くのディスプレイの有効な物理的解像度が一般に80dpi程度であるので、80dpiでの縮小全画面表示から300dpi画像データでのの拡大部分表示までをズーム範囲として上記の本発明の機能を利用しても実用上は十分有効である。
【0068】
また上記画像処理において、ズーム倍率が連続の場合にどの値により処理方法を切り替えるかは、スキャン装置や印刷装置の物理解像度(dpi)、プレビューディスプレイの物理解像度(dpi)、および、何ポイントの文字を適切に表示したいか等の、実用上のデジタル画像データにおける必要な精細性によって目視や官能評価により装置毎に適切に決めれば良い。
【0069】
尚、上記の第1の実施形態の説明では、図5に示すように、元画像50は、中間調図形51や中間調文字52を用いて説明したが、図9に示すように元画像150が非常に薄い薄文字等を表示する場合には、単純減色のしきい値の決め方によっては、所望の精細画像が得られない場合がある。
【0070】
すなわち、図9は、表示図形151と文字152に対して、図5の薄い中間調部分58と同じ階調で表現されている画像に対して上記と同じ条件で単純2値化処理(単純減色処理)を行なった場合の例であり、このような条件の元画像150に対して単純減色処理を行なった場合には、薄文字等がしきい値より薄い値であると、背景色と同じ値になってしまい、必要な画像が得られない。
【0071】
このような場合には、図10(a)に示すLUT(ルックアップテーブル)を用いて、図10(b)に示す元画像150の階調を、図10(c)に一例を示すように予めより濃い画像に変換した上で、図10(d)に示すように、上記説明した単純減色処理を行なえばよい。
【0072】
このLUT(ルックアップテーブル)を用いた元画像150のテーブル変換の処理に要する処理量はわずかであり、例えば、8bitの場合、わずか256byteのテーブルを一回適用するのみである。従って、プレビュー動作実行中に適宜、図10(b)〜(d)に示す処理を行うことで、図9では確認できなかった薄文字等の精細部分を確認できるように、リアルタイムでユーザーがLUT変更しながら確認することができる。このLUT(ルックアップテーブル)は予めROM103などに格納しておけばよい、
尚、上記で解像度という用語は通常、dpi(dot per inch)など、単位長さ当りの画素数として用いられるが、デジタル画像データの画素サイズとして用いられている場合もある。これは同じ画角で撮影したりスキャンしたデジタル画像は画素数が多い程、高精細になるので高解像度とみなせ、一方でデジタル画像であるので、印刷する際の単位長さ当りの画素数は実際のプリンタ等の装置の性能に依存する値であるので可変である。以上から、印刷時の実寸法を指定していない場合などに、画素数で表されたデジタル画像データの画素数が多い高精細なデータに関して、実際上、高解像または高解像度として表記する場合も見られる。
【0073】
本実施形態では、単位長さ当りの画素数を物理的解像度(dpi)として表記し、デジタル画像データの画素数に関しては、画素サイズ、または解像性として表記し、文脈に合わせて用いている。
【0074】
【他の実施形態】
なお、本発明は、例えばシステム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0075】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0076】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0077】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0078】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0079】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図11に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プレビュー機能を有する画像処理装置において、入力された画像を印刷する前にプレビュー表示部に表示する際に、表示倍率に応じて画像データの処理を変更することができる。そのため、プレビュー表示部に階調表現能力の制限がある場合でも、ユーザの要求に応じて入力される画像の階調性あるいは高解像度性を確認することができ、入力された画像の全体構成を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概観を示す正面図である。
【図1B】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概観を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】画像出力部の上面のディスプレイ表示部を上方から見た図である。
【図4】入力された元画像の画素サイズに対するプレビュー表示部に表示されるプレビューウインドウ(表示の領域)の対応関係を説明する図である。
【図5】元画像の一例を示す図である。
【図6】スクリーン2値化により元画像を多値化画像処理した画像を示す図である。
【図7】1画素毎に固定しきい値で2値に振り分けた単純2値化処理した画像を示す図である。
【図8】ユーザの要求に応じて行う多値化の画像処理の切替え方式について説明する図である。
【図9】薄い中間調を有する表示図形と文字に対して、単純2値化処理(単純減色処理)を行なった場合の例を説明する図である。
【図10】LUT(ルックアップテーブル)を用いて、元画像の階調を予めより濃い画像に変換した上で単純減色処理した場合の画像を説明する図である。
【図11】画像処理の切替え処理の工程を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 ディスプレイ表示装置
12 ユーザインターフェース用スイッチ
88 プレビュー表示部
800 画像出力部
900 画像入力部
1000 画像形成装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナやプリンタなどの画像入出力部を有する画像形成装置の制御に関し、特に、入力した画像データの画像を記録媒体に印刷する前にプレビュー画面で印刷する画像を目視して確認する制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタやデジタル複写機などのデジタル画像入出力装置は、近年広く使われるようになり、それに伴い益々高階調化、高解像度化が要求されつつある。更に、プリンタにファクシミリやイメージスキャナ等の機能を加えた複合機としてのプリンタ装置も数多く作られている。
【0003】
そのため、デジタル画像はもはや一般的なメディアとなりつつあると同時に、その画像処理に関する画像品質への要求はより高くなってきている。さらにまた、インクジェットプリンタや電子写真プリンタの技術の発達による、小部数のカラープリントが一般的となりつつある。
【0004】
ところで、デジタル複写機のようにデジタル画像データを一旦とり込んでから印刷する機能を持つプリンタでは、従来の光学式アナログ複写機とは異なり、印刷前のデジタル画像データを前もってディスプレイ上で目視して確認できれば、取り込み(読み込み)の失敗による誤印刷等を未然に防止できるので便利である。
【0005】
このよう記録媒体上に画像を印刷する前に、前もって画像を予備的に表示する機能(以下、プレビュー機能と称す)を備えていると、このプレビュー機能を利用することにより、取り込みに失敗した画像(原稿)の再取り込みや取り込み後の画像の編集等による画像の修正が可能になる。そこで、デジタル画像データを確認するプレビュー機能を有するデジタル複写機などのプリンタが製品として登場してきている。
【0006】
ところで、プレビュー機能を有するプリンタでは、印刷部とディスプレイ表示部の物理的解像度(dpi, dot per inch)の違いから、印刷用デジタル画像の画像サイズをディスプレイ表示部のサイズに適したディスプレイ用デジタル画像に変換している。しかしながら、プレビュー機能を用いて画像を確認する場合、一般にプレビューディスプレイ部で表示される画像と実際に記録紙などの記録媒体上に印刷される画像には差異を生じる場合がある。
【0007】
その原因は、プレビューディスプレイ表示部で表示される画像の物理的解像度と実際に記録紙上に印刷される画像の物理的解像度とが、プレビューディスプレイ表示部の構造に物理的な制約があるため大きく異なるためである。
【0008】
例えば、プレビュー機能を有するプリンタでは、印刷用デジタル画像の画像サイズをプレビューディスプレイ表示部のサイズに適したディスプレイ用デジタル画像となるように、拡大するあるいは縮小する機能が設けられており、プレビュー機能を使用するユーザがこの拡大/縮小機能を用いることにより、適宜印刷用デジタル画像の画像サイズの倍率を変更してからプレビューディスプレイ表示部で出力画像を予測し確認することができるようになっている。
【0009】
プレビュー機能の使用例の一例を示すと、A4サイズの画像を印刷する場合に、A4サイズの全体画像をプレビューディスプレイ表示部に表示して全体の画像のレイアウトをA4サイズの基準の大きさとして把握し、次に画像の細部をプレビューディスプレイ表示部に拡大表示して確認することが一般に行われている。
【0010】
例えば、印刷画像とディスプレイの物理的解像度の違いにより画像の表現が異なってしまう状態に対してユーザーが細部の確認を行なえるように、ユーザーが拡大モードを選択した場合に、印刷時の物理的解像度での画素数のデジタルデータを作成し、それをディスプレプレビューディスプレイ表示部に表示することで、細部の確認が可能になる事が示されている(例えば、特許文献1)。
【0011】
しかしながら、この方法は、プレビューディスプレイ表示部が印刷と同等の階調性を表現可能な場合であり、かつ作成された印刷時解像度相当の画素サイズのデジタルデータの表現が実際の印刷媒体への印刷結果と忠実に対応している場合にのみ、画像の細部の確認が可能となる。
【0012】
ここで、上記説明したプレビューディスプレイ表示部には、TFT液晶ディスプレイやSTN液晶ディスプレイ等が用いられている。特に、近年、表示画像の高品質性と高速応答性の利点によりTFTパネルの需要が拡大しつつあるが、低価格性の利点等から、今なおSTN液晶ディスプレイも多用されている。しかしながら、STN液晶ディスプレイを用いてカラー表現や階調表現を行う場合には、その物理的特性から1画素で表現できる階調数が限られており、例えば4096色中、選択した256色のみ表示できるといった制限がある場合が多い。
【0013】
このようにプレビューディスプレイ表示部で表現できる色数が少ない場合には、連続階調を誤差拡散法等の画像処理を用いた多値化により、擬似的に表現する必要がある。多値化画像処理の種類にはパターンディザ法、誤差拡散法、等とその変形版が一般に広く知られ、また市販の画像入出力装置にも多用されている。これら画像処理は、同業者において広く知られている方法であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0014】
一般に、多値化画像処理は、基本的には、1画素では表現できる階調数が少ないデバイスを用いながらも、複数画素からなる画像領域が平均的に元画像に近い階調になるように各画素の階調値を計算することで、画像を広域的に見た場合に視覚的に連続階調にできるという原理を用いている。例えば、単純に8bit 256値を2bit 4値に単純減色を行なった場合、階調性の無い低画質な画像になってしまうので、これを避けるため多値化画像処理が用いられている。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−63155号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記説明したデジタル複写機等の画像処理装置に用いられるデジタル画像入出力部のプレビュー機能に関して、従来の方法には以下のような課題があった。それは、上記の多値化による画像処理を用いると、以下の問題がある点である。
【0017】
すなわち、その画像処理において、画像領域の階調が元画像に近くなるように各画素の値を計算するという性質から、元画像で同じ値が連続している画素列があったとしても、それらが処理後に同じ値になるとは限らず、そのため、画像の細部の構造が壊れて表示されてしまい、例えば、高解像性が必要な細線や細かい文字などの構造が正しく表示されないという問題があった。
【0018】
特に細かい色文字や薄文字等に対して多値化画像処理を行う場合や、中間調やカラーの背景に対して異なる色の文字がある場合等に多値化画像処理を行うと、その形状が壊れてしまい、画像領域の平均的階調は保たれたとしても、文字が読めなくなってしまうという問題があった。
【0019】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、プレビュー機能を有する画像処理装置において、入力された画像を印刷する前にプレビュー表示部で表示する際に、ユーザの要求に応じて、入力された画像の階調性あるいは高解像度性を容易に確認できる画像処理装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像形成装置は、以下の構成を有する。すなわち、 入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、前記画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成装置であって、前記印刷プレビュー画面に表示する前記画像の倍率を設定する設定手段と、前記設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像形成方法は、以下の構成を有する。すなわち、入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、前記画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成方法であって、前記印刷プレビュー画面に表示する前記画像の倍率を設定する設定工程と、前記設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像形成装置を制御する制御プログラムは、以下の構成を有する。すなわち、入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、前記画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成装置を制御する制御プログラムであって、前記印刷プレビュー画面に表示する前記画像の倍率を設定する設定工程のプログラムコードと、前記設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御工程のプログラムコードと、を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置は、入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成装置であって、印刷プレビュー画面に表示する画像の倍率を設定する設定手段と、設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0023】
ここで、例えば、制御手段は、画像データの階調変換処理を行ってから単純減色の処理を行うことが好ましい。
【0024】
ここで、例えば、制御手段は、階調変換処理を予め設定されているルックアップテーブルを用いて行うことが好ましい。
【0025】
ここで、例えば、ルックアップテーブルを設定する設定手段を更に有することが好ましい。
【0026】
ここで、例えば、制御手段による制御を行う、または、行わない、を選択する選択手段を更に有することが好ましい。
【0027】
このような本発明は、具体的に願書に添付する図1〜図11に示す構成及び処理において、以下の実施形態と対応して実現できる。
【0028】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明の適用範囲はこの実施形態に限定されるものではない。
【0029】
[画像形成装置の概観:図1A、1B]
図1Aと1Bにおいて、1000は本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概観を示す正面図および斜視図である。画像形成装置1000は、画像入力部(スキャナ部)900と画像出力部(プリンタ部)800とにより構成されている。
【0030】
[画像形成装置の制御構成:図2]
図2は、画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。画像入力部900は原稿を光学的に読み取って画像データに変換する。102は、画像形成装置全体の制御を行うCPUである。103は、後述するフローチャートの処理を実現するプログラムを含むCPU102の動作プログラムやフォントなどの各種データや後述するルックアップテーブル(LUT)を格納するROMである。104は、CPU102のワークメモリとして機能したり、入力されたデータを一時的に格納するRAMである。なお、RAM104以外に、RAM104と同様の機能を実現できるメモリ、例えば、EEPROM等を用いても良い。
【0031】
画像出力部800は、画像入力部900で読み取った画像データを記録媒体上に記録するプリンタである。このプリンタの記録方式には、感熱方式、レーザビーム方式、インクジェット方式などが挙げられる。ディスプレイ表示部10は、画像入力部900で読み取った画像データを記録媒体上に記録する前に表示するものであり、TFT液晶ディスプレイやSTN液晶ディスプレイ等が用いられる。12はディスプレイ部10上に配置された操作部である。105は、画像処理部であり、後述する画像データの多値化処理や単純減色処理など画像形成装置の各種画像処理を実行する。
【0032】
[ディスプレイ表示部:図3]
図3は、図2の画像出力部800の上面のディスプレイ表示部10を上方から見た図であり、10はプレビューを表示する為のディスプレイ表示部であり、88は、ディスプレイ表示部10内の領域にあるプレビュー表示部である。また、12はディスプレイ表示部10上に配置された操作部であるユーザーインターフェース用スイッチを示している。ディスプレイ表示部10は感圧式タッチパネルになっており、ユーザーはユーザーインターフェース用スイッチ12を押下することにより所望の各種操作、例えば、後述する入力された画像の階調性または高解像性を確認する操作を行なうことができる。
【0033】
[入力された元画像とプレビュー表示部の関係:図4]
以下、上記説明した図1〜図3を用いてディスプレイ表示部10に表示される本実施形態のプレビュー機能について説明する。
【0034】
画像入力部900から読み込まれた画像は、記録媒体上に実際に印刷される前にディスプレイ表示部10のプレビュー表示部88に表示される。図4は、入力された元画像の画素サイズに対するプレビュー表示部88に表示されるプレビューウインドウ(表示領域)の対応関係を示す図である。
【0035】
図4(a)で81は入力された元画像81の全体画像であり、88は元画像81の画素と同等の縮尺で示されたプレビュー表示部88のプレビューウインドウである。図4(a)で、元画像81と同等の倍率で、プレビュー表示部88のプレビューウインドウに元画像81を表示する場合、プレビュー表示部88の枠内には全ての元画像81を表示できない。
【0036】
そこで、図4(b)に示すように、一点鎖線の枠で示される表示領域85(プレビュー表示部88で表示できる範囲)を矢印89で示す各方向に上下左右に動かしながら元画像81の領域全体を次々にプレビュー表示部88で表示するようにする。
【0037】
なお、プレビュー表示部88で元画像81の全体画像を見るためには、図4(c)に示すように、元画像81を縮小し、縮小した元画像82を表示領域85の範囲内で表示するようにすればよい。
【0038】
[プレビュー表示部に表示する元画像の画像処理:図5、6,7]
次に、図5、図6、図7を用いて、異なる多値化画像処理の方式による画像の表示状態の違いについて説明する。本実施形態では、入力される画像として、図5に示すように、連続階調であり、かつ高精細の任意のデジタル画像を用いて説明する。
【0039】
[元画像:図5]
図5において、50は図4の入力される元画像81の全体画像と同じものである。なお、本発明の理解を容易にするために、図5では、各画素と画像全体の対応をわかりやすく図示するために、画像形成装置で実用上使用される画像のサイズより小さい画像である32x32画素の参考例を元画像50としているが、例えば、図5の元画像50を1024x768等のサイズにしても原理的には同じである。
【0040】
ここで、図5の元画像50は全体画像の一例であり、51は中間調で表示される中間調図形であり、中間調図形51は薄い中間調部分58と濃い中間調部分59から構成されている。また52は中間調で描かれた文字、すなわち中間調高精細で表示される中間調文字である。この例では中間調文字52は濃い中間調で表現されている。
【0041】
この入力された元画像50に関し、画像全体に多値化処理を行った例を図6、図7に示す。尚、ここでは、多値化数をN=2として2値化された場合の例により図示しているが、2値以上の多値化を行った場合においても、例えば最小濃度値(背景の白の濃度など)とその次に濃い濃度値の2つを2値と考えれば、原理は基本的に同様である。また、画像の白黒を反転した場合や、彩度の高いカラー画像、すなわちRGBの少なくともどれか1色の値が非常に小さいカラー画像についても同様である。但し、N=2より大きいNの値を用いれば、より連続階調の画像に近い滑らかな画像表示となる。
【0042】
[多値化画像処理した画像:図6]
まず、図6は、スクリーン2値化により元画像50を多値化画像処理した画像60の結果を示している。
【0043】
元画像50の各部分(中間調図形51、薄い中間調部分58、濃い中間調部分59、中間調文字52)が画像60の各部分(中間調図形61、薄い中間調部分68、濃い中間調部分69、中間調文字62)に対応している。
【0044】
ここで、元画像50の中間調部分51は、それぞれ薄い中間調部分68、濃い中間調部分69のように、多値化された少ない階調数(ここではN=2、白黒)を用いて画像領域の画素の密度で擬似的に表示される。しかしながら、その一方で、元画像50の中間調文字52の処理結果である中間調文字62を見てわかるように、文字の線を示す各画素が同じ入力値でも、画像処理で座標によって値が変わる為、文字のような細線の構造は適切に再現されていない。
【0045】
[単純2値化処理した画像:図7]
一方、図7は、1画素毎に固定しきい値で2値に振り分けた単純2値化処理した画像70の結果を示している。
【0046】
図6と同様、図5の元画像50の各部分(中間調図形51、薄い中間調部分58、濃い中間調部分59、中間調文字52)が図7の単純2値化処理した画像70の各部分(中間調図形71、薄い中間調部分(2値化)78、濃い中間調部分(2値化)79、中間調文字(2値化)72)に対応している。
【0047】
この単純2値化処理した画像70を見てわかるように、中間調文字52の処理結果である中間調文字72は、階調は異なっているが、文字としての細線の構造はより元画像50を正しく反映していることがわかる。一方で、単純2値化の為、中間調図形51の薄い中間調部分58はこの例では薄い中間調部分(2値化)78のように消えてしまい、階調表示が適切になされていない事がわかる。
【0048】
以上により、図5の元画像50が、多値化画像処理の方式の違いによって、連続階調が優先されて表示される場合(図6)と、文字や細線といった高解像性を優先して表示される場合(図7)とがある事を示した。
【0049】
[2つの画像処理:図8]
そこで、ユーザの要求(連続階調が優先して表示する場合と文字や細線といった高解像性を優先して表示する場合)に応じて、多値化の画像処理の方式(減色処理、多値化処理)の違いをプレビューズーム率に応じて切替えることでユーザに適切に表示可能とするのが本発明の特徴である。なお、以下説明するプレビューズーム率に応じて行う減色処理をユーザが希望しない場合には、行わないようにする選択手段を更に設けてもよい。
【0050】
次に、上記説明したユーザの要求に応じて行う多値化の画像処理の切替え方式について図8を用いて説明する。
【0051】
図8では、図4a、図4b、図4cで示した入力された元画像81の全体画像、縮小した元画像82、プレビュー表示部88に対応する一例として、入力された元画像91、縮小した元画像92に示す。また、88はプレビュー表示部のプレビューウインドウであり、図8においても図4と同様、プレビュー表示部88は入力された元画像91、縮小した元画像92の画素と同等の縮尺で示されている。
【0052】
ここで、図8では、図5と同様、発明の要件の提示の為に、図示の例として、画像形成装置で実用上使用される画像サイズより小さい画像サイズである32x32画素の参考例を用いて入力される元画像91の例とし、またプレビュー表示部のプレビューウインドウ88を16x16画素の例によって示しているが、図5と同様、元画像91および縮小した元画像92が、より大きい実用上のサイズであっても原理的には同じである。
【0053】
これらの画像に対し、表現色数に制限のあるディスプレイにプレビュー表示をする為に多値化を行うが、このときにプレビューズーム率の違いにより処理方法を切り替えて表示を行う。ユーザーからの倍率指示(図示せず)によりプレビュー倍率が設定されるが、ここで拡大倍率が高く高解像性表示を行う場合には、誤差拡散等による多値化画像処理を行わず、高精細な表示を優先して、単にビット数を切り捨てる単純減色を行う。
【0054】
[高精細(高解像性)表示]
95はこの処理を高倍率の元画像91に対して行った後の単純減色処理した画像である。図8の上段の図の例では、最大倍率すなわち入力された元画像と同じ倍率で表示されている場合を示している。この元画像91に対して図4bの説明と同じく、プレビューウインドウ表示位置85を単純減色処理した画像95の画像範囲内で動かして表示を行う。その場合のプレビュー表示部のプレビューウインドウ88上の表示結果が97に示されている。
【0055】
この高精細(高解像性)表示の場合、図からわかる通り、階調表示性は単純減色により劣化してしまうが、実際の印刷画像との対応を考えた場合、小さな領域の局所的な階調性はあまり重要視されず、ユーザーがプレビューを拡大することで確認したい情報としては精細な画像構造が重要となるので、この劣化は問題とはならない。
【0056】
[高階調(低解像性)表示]
一方、図8の下段の図において、拡大倍率を低くして元画像の広い領域の表示を行う場合には、誤差拡散等による多値化画像処理を行い階調表示性を優先して行う。96は、低倍率に縮小した元画像92に対して誤差拡散等による多値化画像処理した画像である。
【0057】
図8の例では、最大倍率の画像すなわち入力された元画像を縮小し、入力された画像全体が表示されている場合を示している。この画像に対しては、プレビューウインドウ表示位置85内に96の画像が含まれるので、画像全体が表示できる。その場合のウインドウ88上の表示結果が98に示されている。
【0058】
この高階調(低解像性)表示の場合、図からわかる通り、精細な画像構造の表示性は多値化画像処理により劣化してしまうが、プレビューの縮小によって既に精細な画像構造は失われており、ユーザーが縮小プレビューを選択することで確認したい情報としては広域な領域の階調性がより重要となるので、この精細な画像構造の表示性の劣化は問題とはならない。
【0059】
[画像処理の切替え:図11]
この図8に示す画像処理の切替え処理を図11のフローチャートに示す。
【0060】
すなわち、ステップS100で、ユーザーの選択により、入力された元画像データを所定のズーム倍率となるようにズーム変倍処理(元画像データの拡大、縮小)を行う。
【0061】
次に、ステップS110において、ズーム変倍処理でなされたズーム倍率を調べ、ズーム倍率が所定値以上の場合にはステップS130に進み、変倍処理された元画像データに対して上記説明した多値化画像処理を行ってからステップS140に進む。
【0062】
一方、ステップS110において、ズーム倍率が所定値未満の場合にはステップS130に進み、変倍処理された元画像データに対して上記説明した単純減色処理を行ってからステップS140に進む。
【0063】
ステップS140では、多値化画像処理された、あるいは、単純減色処理された画像を表示してからステップS150に進み、一連の作業を終了する。
【0064】
以上示したように、本発明の構成とする事で、プレビュー表示を行う際に、表示倍率に応じて多値化の方式を切り替えることで、プレビュー表示ディスプレイの階調表現能力に制限がある場合でも、ユーザーの必要に応じて階調性と解像性の双方に関して入力画像の確認を行う事ができ、元の画像全体の構成を容易に把握する事ができる。
【0065】
尚、本実施形態の図8における設定例では、元画像のサイズに対してプレビューウインドウの寸法が半分であり、かつプレビューのズーム倍率の切り替えを2倍で設定した例により説明を行なったが、これらは本発明の要件を簡明に図示して本発明内容の理解を助けるための設定であり、本発明は上記の例に限ることはなく、例えば、任意の元画像のサイズ、任意のプレビュー表示部のプレビューウインドウサイズ、また任意の連続した適切なズーム倍率を設定することも可能である。
【0066】
また、上記の説明では元画像と入力時のスキャン画像を同等の画像サイズとして扱い、プレビュー最大拡大時の1画素とスキャン時の1画素とが1対1に対応している例を用いて説明したが、プリンタやスキャナの物理的解像度が高い場合には、上記の元画像として、実用上有効なサイズに縮小した画像を用いても良く、本発明の機能は原理的には同等の効果がある。
【0067】
例えば、スキャン解像度が1200dpiの場合、このデータを300dpiサイズの画像データまで縮小してこれをプレビュー用の最大拡大データとみなして用いても良い。この場合、厳密には最大拡大された画像ではなく縮小画像であるが、多くのディスプレイの有効な物理的解像度が一般に80dpi程度であるので、80dpiでの縮小全画面表示から300dpi画像データでのの拡大部分表示までをズーム範囲として上記の本発明の機能を利用しても実用上は十分有効である。
【0068】
また上記画像処理において、ズーム倍率が連続の場合にどの値により処理方法を切り替えるかは、スキャン装置や印刷装置の物理解像度(dpi)、プレビューディスプレイの物理解像度(dpi)、および、何ポイントの文字を適切に表示したいか等の、実用上のデジタル画像データにおける必要な精細性によって目視や官能評価により装置毎に適切に決めれば良い。
【0069】
尚、上記の第1の実施形態の説明では、図5に示すように、元画像50は、中間調図形51や中間調文字52を用いて説明したが、図9に示すように元画像150が非常に薄い薄文字等を表示する場合には、単純減色のしきい値の決め方によっては、所望の精細画像が得られない場合がある。
【0070】
すなわち、図9は、表示図形151と文字152に対して、図5の薄い中間調部分58と同じ階調で表現されている画像に対して上記と同じ条件で単純2値化処理(単純減色処理)を行なった場合の例であり、このような条件の元画像150に対して単純減色処理を行なった場合には、薄文字等がしきい値より薄い値であると、背景色と同じ値になってしまい、必要な画像が得られない。
【0071】
このような場合には、図10(a)に示すLUT(ルックアップテーブル)を用いて、図10(b)に示す元画像150の階調を、図10(c)に一例を示すように予めより濃い画像に変換した上で、図10(d)に示すように、上記説明した単純減色処理を行なえばよい。
【0072】
このLUT(ルックアップテーブル)を用いた元画像150のテーブル変換の処理に要する処理量はわずかであり、例えば、8bitの場合、わずか256byteのテーブルを一回適用するのみである。従って、プレビュー動作実行中に適宜、図10(b)〜(d)に示す処理を行うことで、図9では確認できなかった薄文字等の精細部分を確認できるように、リアルタイムでユーザーがLUT変更しながら確認することができる。このLUT(ルックアップテーブル)は予めROM103などに格納しておけばよい、
尚、上記で解像度という用語は通常、dpi(dot per inch)など、単位長さ当りの画素数として用いられるが、デジタル画像データの画素サイズとして用いられている場合もある。これは同じ画角で撮影したりスキャンしたデジタル画像は画素数が多い程、高精細になるので高解像度とみなせ、一方でデジタル画像であるので、印刷する際の単位長さ当りの画素数は実際のプリンタ等の装置の性能に依存する値であるので可変である。以上から、印刷時の実寸法を指定していない場合などに、画素数で表されたデジタル画像データの画素数が多い高精細なデータに関して、実際上、高解像または高解像度として表記する場合も見られる。
【0073】
本実施形態では、単位長さ当りの画素数を物理的解像度(dpi)として表記し、デジタル画像データの画素数に関しては、画素サイズ、または解像性として表記し、文脈に合わせて用いている。
【0074】
【他の実施形態】
なお、本発明は、例えばシステム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0075】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0076】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0077】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0078】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0079】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図11に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プレビュー機能を有する画像処理装置において、入力された画像を印刷する前にプレビュー表示部に表示する際に、表示倍率に応じて画像データの処理を変更することができる。そのため、プレビュー表示部に階調表現能力の制限がある場合でも、ユーザの要求に応じて入力される画像の階調性あるいは高解像度性を確認することができ、入力された画像の全体構成を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概観を示す正面図である。
【図1B】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概観を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】画像出力部の上面のディスプレイ表示部を上方から見た図である。
【図4】入力された元画像の画素サイズに対するプレビュー表示部に表示されるプレビューウインドウ(表示の領域)の対応関係を説明する図である。
【図5】元画像の一例を示す図である。
【図6】スクリーン2値化により元画像を多値化画像処理した画像を示す図である。
【図7】1画素毎に固定しきい値で2値に振り分けた単純2値化処理した画像を示す図である。
【図8】ユーザの要求に応じて行う多値化の画像処理の切替え方式について説明する図である。
【図9】薄い中間調を有する表示図形と文字に対して、単純2値化処理(単純減色処理)を行なった場合の例を説明する図である。
【図10】LUT(ルックアップテーブル)を用いて、元画像の階調を予めより濃い画像に変換した上で単純減色処理した場合の画像を説明する図である。
【図11】画像処理の切替え処理の工程を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 ディスプレイ表示装置
12 ユーザインターフェース用スイッチ
88 プレビュー表示部
800 画像出力部
900 画像入力部
1000 画像形成装置
Claims (1)
- 入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する前に、前記画像を印刷プレビュー画面に表示する画像形成装置であって、
前記印刷プレビュー画面に表示する前記画像の倍率を設定する設定手段と、
前記設定された倍率が所定値より大きい場合は、変倍後の画像に対して単純減色処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させ、前記設定された倍率が所定値以下の場合は、変倍後の画像に対して多値化処理を行ってから前記印刷プレビュー画面に表示させるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003029672A JP2004240200A (ja) | 2003-02-06 | 2003-02-06 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003029672A JP2004240200A (ja) | 2003-02-06 | 2003-02-06 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004240200A true JP2004240200A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32956784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003029672A Withdrawn JP2004240200A (ja) | 2003-02-06 | 2003-02-06 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004240200A (ja) |
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-
2003
- 2003-02-06 JP JP2003029672A patent/JP2004240200A/ja not_active Withdrawn
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