JP2004240112A - 画像形成装置 - Google Patents

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Tomohisa Itagaki
智久 板垣
Nobuatsu Sasanuma
信篤 笹沼
Yuichi Ikeda
雄一 池田
Kazuo Suzuki
一生 鈴木
Nobuhiko Zaima
暢彦 財間
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Abstract

【課題】ピントずれ検知、自動調整手段の発明。ネットワークを介し、オペレーティングシステムで計算させることによる画像処理内部構成の簡易化。
【解決手段】構成は、中間調を出力、RGB信号入力。このRGB信号から、グレイスケールに変換し、粒状度を求める。LEDヘッドが所望の位置に設置されていないとき、この粒状度の値が高くなるため、規定値以上の粒状度であった場合、ピントを自動で調整させる。
デフォーカス検知調整モードはオペレーティングシステムからの指示でも可能。粒状度計算はオペレーティングシステムで行うことも可能。
粒状度算出方法は、FFTとVTFを用い、視覚に認識させるノイズを求めている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置及びその方法に関し、例えば、電子写真方式によってトナー像を形成する画像処理装置及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式におけるデジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置において、一般的には露光光源として半導体レーザを用いていた。これは、半導体レーザから出射したレーザ光を回転多面鏡等よりなる光偏向器により偏向せしめ、fθレンズを介して感光ドラム面上に結像させることで光走査し静電潜像を形成している。
【0003】
一方、近年では、露光光源として発光ダイオードアレイ(以下LEDアレイとする)を用いている画像形成装置が多く現れるようになった。これは、LEDアレイから出射した光束をロッドレンズアレイを介して感光ドラム面上に結像し静電潜像を形成している。
【0004】
図2に露光光源としてのLEDアレイを用いた画像形成装置の感光ドラム周辺の概略図を示す。
【0005】
同図においては、感光ドラムの回転方向に対して直行する方向にLEDアレイを配置し、LEDを選択的に発光させ、LEDの発光部の前方に配設した結像光学系を介して感光ドラム面上にLEDからの光を結像すると同時に、感光ドラムを回転させることにより2次元的に静電潜像を形成している。
【0006】
このような、LEDアレイを用いた画像形成装置においては、結像光学系として一般的にはロッドレンズアレイが用いられ、露光光学系としては、LEDアレイと2枚の板の間にロッドレンズが1列または2列で規則正しく直線状に整列されたロッドレンズアレイとを一体化したLEDヘッドとして用いられている。
【0007】
図22はロッドレンズの説明図である。同図においてロッドレンズ端面から物体、あるいは像面までの距離である作動距離をL0、ロッドレンズ自身の長さをZ0とすると、ロッドレンズの共役長Tcは
Tc=Z0+2L0
である。
【0008】
このロッドレンズアレイの画像伝送特性は送られる画像の質、つまり解像力で評価される。これを表わすのがMTF(Modulation Transfer Function)である。これは、例えば図23のような矩形波パタン像の原画がロッドレンズアレイを通過後に形成された画像がどの程度原画に忠実に再現できているかを見る指標である。図23よりMTFは次のように定義される。
【0009】
MTF(w)=(I(w)max−I(w)min)/(I(w)max+I(w)min)×100%
ここで、I(w)max、I(w)minは各々空間周波数w(lp/mm)における矩形波応答の極大値、極小値である。このMTFが100%に近いほど原画に忠実に画像が再現されていることになる。
【0010】
このMFTは、ロッドレンズアレイの焦点位置で測定した場合と焦点位置からずれて測定した場合で大きく異なる。また、一般的にはTc長は10mm前後なので、焦点距離の比較的長いレーザ光学系と比べて、焦点位置のずれに対して敏感な系になっている。したがって、感光ドラムとLEDヘッドとの距離は常に一定になるよう工夫されている。
【0011】
このような、LEDアレイとロッドレンズアレイを用いてLEDヘッドを構成し、露光光源とすることで、感光ドラムの近傍に露光光源を配設することが可能となり、露光光源として半導体レーザを用いた系に比べ画像形成装置のおおきさを小型化することが可能となっている。
【0012】
近年、LED露光光学系のピントに関した発明も数多く権利化されており、特に本発明に関わるピントを自動に調整する機構を備えた特開平5−127499などの発明もなされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動調整することはできても、感光ドラム表面にLEDヘッドの結像位置(Tc長)を指定の位置に設定、および検知することは大変難しく、また、組立工程の初期結像位置でさえ設定値に合わせることは困難であった。また、上記組み立て誤差に加え、LEDヘッドの歪みなどによる長手方向奥側と手前側で結像位置が異なっていたり、両者とも結像位置に設定されなかった場合、がさついた低画質の画像を出力されることが多く発生した。このがさつき感(粒状感)は上記MTFが理想状態よりも劣化し、スポットプロファイルが異なることにより生じてしまう。理想的な結像面でのスポットプロファイルを図5、結像位置から100μm離れた地点でのスポットプロファイルを図6に示す。結像位置から100μmずれた図6のスポットプロファイルは光強度が弱く、スポット端部でブロードな分布を示す。
【0014】
一方、一般的な感光ドラムの特性は図24に示すように、光量が少ない場合に敏感に反応するような挙動を示す。また、電子写真特性上、現像特性は一般的に図25のようにコントラスト電位が中間的な場合に挙動が敏感になるという特徴がある。つまり、濃度の変動が起きやすく、画質の劣化した画像を形成してしまう。
【0015】
すなわち、上記LEDヘッドの結像位置がずれることにより、粒状感、濃度変動などの画質劣化が生じてしまうため、結像位置を指定の位置に合わせ込むために、上記結像位置の検知手段が必要不可欠であった。
【0016】
また、結像位置が設定値からことなる状況は、初期組み立て誤差だけではなく、ドラムの偏心、耐久後のドラム表層削れ、などユーザがある程度使用した後にもその可能性を秘めている。このような状況において、結像位置が離れたまま画像形成を行うと、上記粒状感や濃度変動の生じた低画質の画像を出力してしまうことになる。
【0017】
(目的)
上記課題を解決し作業工程における組み立て誤差を最小限に抑え、指定の結像位置へ自動調整させるため、結像位置の検知方法およびピント調整手段を提供し、画質の安定化を図る。
【0018】
また、オペレーションセンターの制御によりデフォーカス検知調整モードを実施し、その結果に応じて自動でピント調整することにより、ユーザの手を煩わすことなく画質の安定した画像形成装置を提供する。
【0019】
更に、オペレーションセンターにデフォーカス検知機構を持ち、プリンタ側で余分なコストをかけずにより安価で安定な画像形成装置を提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる第1の発明によれば、上記目的は、トナー像形成機構によって像担持体上に形成したトナー像を転写機構によって記録媒体上に転写し、転写後のトナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置において、出力画像の粒状度を測定することにより露光結像系のピント状況を判定する判定手段と、上記判定手段からの判定結果によりピントを調整する調整手段と、上記判定手段と調整手段を実行させる制御手段と、を有することにより達成される。
【0021】
本発明に係わる第2の発明によれば、上記目的は、トナー像形成機構によって像担持体上に形成したトナー像を転写機構によって記録媒体上に転写し、転写後のトナー像を定着させる定着装置と、定着後の画像を入力する出力画像入力部を有する画像形成装置において、出力画像の粒状度を測定することにより露光結像系のピント状況を判定する判定手段と、上記判定手段からの判定結果によりピントを調整する調整手段と、上記判定手段と調整手段を実行させる制御手段と、を有することにより達成される。
【0022】
本発明に係わる第3の発明によれば、上記目的は、トナー像形成機構によって像担持体上に形成したトナー像を転写機構によって記録媒体上に転写し、転写後のトナー像を定着させる定着装置と、定着後の画像を入力する出力画像入力部と、ネットワークを経由しオペレーティングシステムにデータ送信可能な送信手段と、オペレーティングシステムからの指示を受信可能な受信手段と、を有する画像形成装置において、出力画像の粒状度を測定することにより露光結像系のピント状況を判定する判定手段と、上記判定手段からの判定結果によりピントを調整する調整手段と、上記判定手段と調整手段を実行させる制御手段と、を有することにより達成される。
【0023】
本発明に係わる第4の発明によれば、上記目的は、トナー像形成機構によって像担持体上に形成したトナー像を転写機構によって記録媒体上に転写し、転写後のトナー像を定着させる定着装置と、定着後の画像を入力する出力画像入力部と、ネットワークを経由しオペレーティングシステムにデータ送信可能な送信手段と、オペレーティングシステムからの指示を受信可能な受信手段と、を有する画像形成装置において、上記受信手段からの指示によりピントを調整する調整手段と、上記調整手段を実行させる制御手段と、を有することにより達成される。
【0024】
本発明に係わる第5の発明によれば、上記目的は、上記判定手段は、中間調を評価サンプルとすることと、出力評価サンプルを原稿台にて画像信号を入力させることと、画像信号にて粒状度を測定し、ピント状況を検知する粒状度測定手段と、粒状度測定手段の結果に基づきピント調整を行うピント調整手段と、を有することにより達成される。
【0025】
本発明に係わる第6の発明によれば、上記目的は、上記判定手段は、中間調を評価サンプルとすることと、出力評価サンプルを定着後に設けた画像入力部により画像信号を入力させることと、画像信号にて粒状度を測定し、ピント状況を算出する粒状度測定手段と、粒状度測定手段の結果に基づきピント調整を行うピント調整手段と、を有することにより達成される。
【0026】
本発明に係わる第7の発明によれば、上記目的は、上記制御手段は、デフォーカス検知モードを指示されたとき、粒状度測定を行わせ、必要に応じてピント調整を行うことにより達成される。
【0027】
本発明に係わる第8の発明によれば、上記目的は、上記制御手段は、オペレーティングシステムからデフォーカス検知モードを受信手段を介して指示されたとき、粒状度測定を行わせ、必要に応じてピント調整を行うことにより達成される。
【0028】
本発明に係わる第9の発明によれば、上記目的は、上記送信手段は、オペレーティングシステムが記録するピント調整データ、画像形成装置の現状況を送信することにより達成される。
【0029】
本発明に係わる第10の発明によれば、上記目的は、上記送信手段は、オペレーティングシステムが必要とする画像データ、複写機の現状況を送信することにより達成される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
【0031】
(第一実施形態)
図1は本発明の実施形態を示す画像形成装置の概略断面図である。
【0032】
本実施形態では、図2に示すように、露光光源としてLEDアレイ71を用いている。このLEDアレイは、感光ドラムの軸方向に対して複数のLEDを直線状に配列している。72は結像素子としての正立等倍のロッドレンズアレイであり、複数のロッドレンズを感光ドラム73の軸方向に対して直線状に配列して構成しており、LEDアレイから出射した光束を感光ドラム面上に等倍で結像させている。本実施形態では、LEDアレイとロッドレンズアレイを一体化して構成させ、露光部、LEDヘッドとして用いている。
【0033】
本実施形態における画像形成プロセスを簡単に説明する。
【0034】
まず、一次帯電器により、感光ドラム上に均一帯電を行い、そこにLEDヘッドにて入力画像信号に応じた露光を実行、静電潜像を形成させる。その静電潜像を、現像器により顕画化し、転写手段により転写紙上に転写する。定着手段により転写紙上に転写されたトナー像を固着させる。
【0035】
このとき1画素あたりの再現階調数は2値である。
【0036】
次に本実施形態で用いる露光部LEDヘッドについて詳しく述べる。
【0037】
LEDアレイは、素子密度が600dpiとなっている。また、LEDの電極サイズは約20μmである。このLEDを露光光源として感光ドラム面上に結像している。
【0038】
結像光学系であるロッドレンズアレイは、正立等倍結像レンズである。本実施形態においては、ロッドの直径を0.6mmとした。そのロッドを2列に配列し図3に示すように配列させている。
【0039】
このとき、ロッドレンズアレイのTc長は、9.9mmである。
【0040】
図4は本実施形態で用いている感光ドラムの断面図である。
【0041】
この感光ドラムは、OPC機能分離積層タイプの感光ドラムで、アルミの素管上に下引き層を塗り、その上にキャリア発生層であるCGLがサブミクロンオーダーで塗工されている。さらに、CGLの上層にはキャリア輸送層であるCTLが20μm、保護膜であるOCLがサブミクロンの厚みで塗られている。
【0042】
上記Tc長は、発光点からドラム表層の距離を示しているが、この距離がさまざまな因子で変動しやすい。例えば、感光ドラムの偏心や、耐久時の感光ドラム表層削れ、組み立て時のLEDヘッド位置決め誤差等の影響を受ける。この変動に対する画像許容範囲は発明者らの実験により、±50μmとしている。
【0043】
ここで、結像点がベストのピント状態にあるときのスポットプロファイルを図5、100μずれた場合、つまりTc長が10mmの時のスポットプロファイルを図6に示す。また、上記スポットプロファイルに感光ドラムの露光強度に対する電位減衰量を示す特性である。E−V特性と、現像手段における現像バイアスの直流電位と潜像電位の差分であるV−D特性を介した結果、プリンタ出力特性は図7のような形となる。
【0044】
この原因として、図5、6に示しているスポットプロファイルに上記E−V、V−D特性を介させ、孤立ドット、複数ドット時の潜像の様子を模式的に表すと図8、9のような挙動を示す。デフォーカス時には光強度が弱く、ブロードな潜像を行ってしまうため、孤立ドットの再現がされず、複数のドットが重なってきたところよりドットが形成されていく。この結果、上記デフォーカス時におけるプリンタ出力特性はハイライト部の濃度は低く、ドットの重なりが現れる中間調で急激に濃度が出てしまうためカーブの勾配が急峻になり、階調数、安定性に問題が生じてしまう。
【0045】
またデフォーカス時は、孤立ドットは再現されず、ドットが重なったときのみ再現されるため、孤立ドットと複数ドットが混在する中間調ではガサツキ感が生じてしまう。図10、11にそれらの様子を示す。ベストのピント状況であれば、図10のような孤立ドット、複数ドットともに再現され、マクロで観察すると一様な濃度の画像と認識できる。しかしながらデフォーカス時は図11のように、孤立ドットが再現されないため、複数ドットパターンしか認識されず、マクロで見てもその複数ドットが目立ち、がさついた画像となってしまう。
【0046】
上記のようながさついた画像、つまり粒状性の悪い画像は、視覚特性(VTF)上、認識されやすい低周波数成分を多く含んでいる。図8に示しているように、ベストのピント状態の画像は、孤立ドットもあり、複数ドットもあるが安定して再現しているため、高周波成分を多く含み、粒状性が悪い画像とは感じない。この粒状性の違いを利用し、Tc間が許容範囲に入っているか否かの判別を行うことができる。
【0047】
粒状性の評価方法として本実施形態では、FFT(高速フーリエ変換)とVTFフィルタを用いる方法を行う。中間調のパッチをサンプルとし、600dpiRGB信号で入力させ、グレイスケールに変換させる。変換方法としては、補色の関係から、CyanならばRed信号、MagentaならばGreen信号を、YellowならばBlue信号を抽出する形でグレイスケールに変換する。Blackの場合は分光特性上信号を多く含むGreen信号で抽出させる。
【0048】
グレイスケールとして変換されたパッチ画像は、FFT処理により周波数成分へ変換される。この周波数成分上においてVTFフィルタをかけ、視覚では認識できない高周波成分をカットする。高周波成分をカットした後の周波数成分をIFFT(高速逆フーリエ変換)し、実画像に戻して標準偏差を求めることにより、その画像の粒状度を求めることができる。一連の作業により、デフォーカス時のような粒状性の悪い画像は、ばらつきのある画像であるため標準偏差値は高く、粒状度の値は高くなってしまう。
【0049】
発明者らの実験の結果、50H時に孤立ドットと複数ドットがバランス良く混在し、また図7に示したプリンタ出力特性の急峻な階調が50Hで合ったため、この50H部のパッチを出力し、評価サンプルとしたところ、図12のような結果が得られた。つまり、Tc間許容範囲である±50μm以上の粒状度、0.10を超える値が検出された場合、この画像形成装置はデフォーカスの状態であるということを識別することができるのである。
【0050】
また、本発明の画像形成装置はピント調整機構を備えた。従来のLEDプリンタ組み立て時のレスを少なくすること、および出荷しても簡易的に調節を可能にすることを目的に備えられた機構である。図13にその構成図を示す。自動ピント調整手段は新規の発明ではなく、特開平5−127499ですでに権利化済みであり、本発明におけるピント調整機構においてもほぼ同じ構成であるため、詳細説明を省略する。ピント調整制御機構は、粒状度の情報により、規定値0.10を超えない状態にLEDヘッドの位置を変更させる。
【0051】
以下上記粒状度測定方法、およびピント調節機構を組み込んだ、本実施形態の画像処理部を説明する。
【0052】
図14に、画像処理部209の詳細ブロック構成を示す。図14において、210はCCDであり、原稿画像を600dpiで読み取り、読み取られたRGBの各信号出力は画像処理部209に入力される。
【0053】
画像処理部209において、102は入力されるRGBの各信号出力をデジタル信号に変換するためのAD変換器、103は照明光量やレンズ光学系で発生するCCD210の受光面上の光量むら及びCCD210の各画素の感度むらを補正するためのシェーディング補正部、104は読取りRGB信号の色味をRGBマトリクス演算により正しく補正するための入力マスキング部、105は設定されたに変換する変倍部、106はRGB各信号をCMYの各濃度信号に変換するためのLOG変換部、107はCMY信号からK(黒)信号を除去してCMYKの4色に変換するUCR(下色除去)演算、及びCMYK信号にプリンタの色再現性を補正するためのマトリクス演算を行うUCR・出力マスキング部である。UCR・出力マスキング部107においては、プリンタ部200における各プリント色に対応して、CMYK4色の信号のうち1色を、各読み取りスキャン毎に順次出力する(図中、この出力動作を示すために、出力信号を“C/M/Y/K”と表記している)。
【0054】
108は、CCD210で読み取った600dpiの読取り信号を1200dpiに変換する解像度変換部であり、CPU110からの制御により、解像度変換のオン/オフ制御が可能である。109は平均濃度保存法における誤差拡散画像処理方法により多値信号を2値信号に変換する2値変換部であり、CPU110からの制御により2値変換のオン/オフ制御が可能である。2値変換部109から出力されたC,M,Y,Kの各2値信号が、プリンタ部200へ順次送出される。
【0055】
尚、110はCPUであり、ROM111に保持された制御プログラムに基づいて画像処理部209内の各構成を統括的に制御する。例えば、UCR・マスキング部106や文字部解像度変換を行うために108等へのパラメータ設定制御も行う。尚、CPU110は操作・表示部114や外部I/F113と接続されている。また、112はCPU110の作業領域となるRAMである。
【0056】
以下、上述した構成をなす画像処理部209における動作について説明する。
【0057】
まず、画像処理部209において変倍機構27の出力側には、RGB信号を補色の関係からグレイスケールへ変換させるグレイスケール変換機構34が接続されている。また、前記グレイスケール変換機構34の出力側にはデフォーカス検知機構35が接続され、必要に応じてLED位置を変更できるピント調整制御機構36に信号を送る。上記デフォーカス検知機構35は、図15に示すようにグレイスケール変換機構34からの信号に対してFFT、VTFフィルタ、IFFT、標準偏差算出を行う粒状度測定機構50と±50μm時の粒状度データがあらかじめ記憶され、新たに算出された粒状度と比較作業を行うデフォーカス判定機構51から構成される。このとき、50μmを超えるデフォーカス状態であることを上記デフォーカス判定機構で判定された場合、デフォーカス検知機構は、ピント調整制御機構に粒状度情報を送り、ピント調整制御機構は、プリンタ内部のピント調整手段300に補正を実行させ、LEDヘッドの位置(Tc長)を変更させる。
【0058】
以下、上記のような構成におけるデフォーカス検知作業の流れを図16フローチャートに示す。
【0059】
デフォーカス検知モードを選択された画像形成装置は、Y/M/C/Kそれぞれの50H部の中間調を、二値誤差拡散画像処理方法にて出力させる。この出力された画像を、原稿台に置き、RGB信号で読み取られる。この読み取られた画像データは、イメージスキャナ211側から画像処理部209に入力され、適宜、必要な処理を受けた後、グレイスケール変換機構34に入力しグレイスケールに変換され、その後デフォーカス検知機構35に入力され、ここで粒状度測定を行う。デフォーカス判定機構は、この粒状度の値から、Tc長が±50μm以上(粒状度G1>0.10)であるかを判別し、それ以上の際には粒状度情報(G1)をピント調整制御機構へ送る。
【0060】
ピント調整機構は、図12に示すような粒状度とTc長との関係により現在ピントがどのくらいずれているのかを把握することができる。図12に示しているように、同じ粒状度でもTc長9.90を基準として、現在のピント状態がプラスの方向なのかマイナスの方向なのかを判別することはできない。そのため、本実施形態では、ピントがデフォーカス状態であるかを粒状度から判別し、Tc長がどのくらいずれているかを検知、その調整をまず+方向に変更させ、デフォーカス検知モードを自動的に実施、もう一度粒状度判定を行う構成とした。このとき、さらに粒状度がデフォーカス検知状態よりも高い値となった場合、逆の調整をしてしまったことになるので、その2倍の補正量をマイナス方向へ調整させる。
【0061】
上記一連の作業により、組み立て工程におけるLEDヘッドの位置決めが自動化され、組み立て誤差を最小限に抑え、ガサツキ感のない安定した画質を簡単に得ることができた。
【0062】
さらに、ピント調整機能も設けたことで、市場でTc長がずれ、がさついた画像を出力してしまうことになっても、サービスマン調整ではなくユーザ調整が可能であるため、ユーザの業務に支障をきたすことなく画質の安定した画像形成装置を提供することができた。
【0063】
(第二実施形態)
本発明の第二の実施形態は、基本的には第一の実施形態で使用した画像形成装置を用いてデフォーカス状態を判別、調整するものであるが、ネットワークプリンタを想定するものである。第一の実施形態と異なる点として、粒状度測定パッチの入力条件が異なること、およびオペレーションセンターにおいてデフォーカス検知モードを実施できることが変更点である。
【0064】
本実施形態における画像形成装置の概要構成図とフローチャートを図17と図18に示す。
【0065】
本実施形態での構成は基本的に実施形態1と同様であるため説明は省略するが、定着後排紙トレイの前に600dpi入力の可能なスキャン部13を新規に設け、CCD210の位置を変更している。
【0066】
また、ユーザの中にはピントがずれ、がさついた画像を出力してしまってもピントがずれていると認識されないケースや、デフォーカス検知調整モードがあることを知らないケース、たとえデフォーカス検知調整モードを知っていても面倒だというユーザなどさまざまである。そのようなユーザに対しても、画質が安定した画像形成装置を提供するために、本実施形態における画像形成装置は、サービス拠点のオペレーションセンターからの制御により、定期的にデフォーカス検知調整モードを実施させ、その結果もオペレーティングシステムに送ることを特徴とする。
【0067】
以下、上記画像形成装置の一連の作業を、画像処理部の詳細ブロック構成図、図19と図18のフローチャートに沿って説明する。
【0068】
デフォーカス検知モードをユーザ、もしくはオペレーティングシステムから指示されたとき、該画像形成装置は、Y/M/C/Kそれぞれの50H部の中間調を定着し、排紙トレイ前のスキャン部により600dpi、RGB信号で読み取られる。この読み取られた画像データは、画像処理部209に入力され、適宜、必要な処理を受けた後、グレイスケール変換機構34に入力、デフォーカス検知機構35に入力され、ここで粒状度測定を行う。この粒状度の値から、Tc長が±50μm以上だと判別された場合ピント調整制御機構がTc長の調整を行わせる。調整方法は第一の実施形態と同様である。
【0069】
上記デフォーカス検知手段33でデフォーカス状態であることを検知した場合、オペレーティングシステムにもその状況を報告する。その報告回数により、デフォーカス検知調整モードの頻度を上げること、サービスマン訪問時期などを把握することなど有効な情報となる。
【0070】
上記一連の作業により、原稿台の存在しないプリンタのピント状況も把握、調整することができた。
【0071】
また、サービス拠点にあるオペレーティングシステムにより、デフォーカス検知調整モードを実行することができるため、ユーザの手を煩わすことなく、画質の安定した画像形成装置を提供することができた。
【0072】
(第三実施形態)
本発明の第三の実施形態は、基本的には第二の実施形態で使用した画像形成装置を用いているが、オペレーティングシステムにおいて粒状度を測定し、デフォーカス状態であることを判別、必要に応じてプリンタのピント調整機構にどのくらいの調整をさせるかを指示するという構成とした。このような構成をとることにより、プリンタ側にデフォーカス検知機構を省くことができ、余分なメモリも使用せず、より安価かつ安定な画像形成装置を提供することができる。
【0073】
本実施形態における画像処理部の詳細ブロック構成図とフローチャートを図20と図21に示し、それらに沿って説明する。
【0074】
ユーザまたはオペレーティングシステムからデフォーカス検知調整モードを指示された本実施形態の画像形成装置は、Y/M/C/Kそれぞれ50H部の中間調を定着し、排紙トレイ前のスキャン部により600dpi、RGB信号で読み取られる。この読み取られた画像データは、画像処理部209に入力され、A/D変換、シェーディング補正、入力マスキング、変倍処理を受けた後、グレイスケール変換機構においてグレイスケールに変換される。その画像データは、ネットワークを経由してサービス拠点のオペレーティングシステムに、該画像形成装置のさまざまなデータとともに送られる。オペレーティングシステムは、送られてきたグレイスケールの画像データに対し、実施形態1、2で画像処理内部で行ってきた粒状度の測定を行う。この粒状度の値から、どのくらいの調整が必要かを判別し、依頼先の画像形成装置内のピント調整機構へTc長を調整するよう指示を送る。調整方法は第一、二の実施形態と同様である。
【0075】
第二の実施形態同様、オペレーティングシステムはデフォーカスを検知した回数を記録しておき、その回数により、デフォーカス検知調整モードの頻度を上げること、サービスマン訪問時期などを把握することなど有効な情報とする。
【0076】
上記のような構成により、粒状度の測定はオペレーティングシステムが行うため、プリンタ内部では余分なメモリも使用とせず、より安価かつ安定な画像形成装置を提供することができる。
【0077】
【発明の効果】
上記一連の作業により、組み立て工程におけるLEDヘッドの位置決めが自動化され、組み立て誤差を最小限に抑え、ガサツキ感のない安定した画質を簡単に得ることができた。
【0078】
原稿台の存在しないプリンタにおいてもピント状況を把握、調整することができた。
【0079】
ネットワークに接続し、オペレーティングシステムから定期的かつ効率的に、デフォーカス検知調整モードを実施することができ、ユーザの手を煩わすことなく安定した画像形成装置を提供することができた。
【0080】
ネットワークに接続し、デフォーカス状況をオペレーティングシステムが記憶するため、その機械にあったデフォーカス検知モードの実施や効率のよい部品交換をサービスマンが行うことができるようになった。
【0081】
ネットワークに接続し、オペレーティングシステムが粒状度測定を行う構成にしたことにより、より安価で安定した画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係わるデジタル複写機の概略側断面図。
【図2】本発明に係わるLEDアレイを用いた露光光源と、感光ドラム周辺の概略図。
【図3】本発明に係わるロッドレンズアレイの配列図。
【図4】本発明に係わる感光ドラムの断面図。
【図5】本発明に係わるベストピント(Tc長9.9mm)時のスポットプロファイル。
【図6】本発明に係わるデフォーカス(Tc長10.0mm)時のスポットプロファイル。
【図7】本発明に係わるベストピント時とデフォーカス時のプリンタ出力特性。
【図8】本発明に係わるベストピント時のドラム上電位分布図。
【図9】本発明に係わるデフォーカス時のドラム上電位分布図。
【図10】本発明に係わるベストピント時の50H部出力ドットパターン。
【図11】本発明に係わるデフォーカス時の50H部出力ドットパターン。
【図12】本発明に係わるデフォーカス量と粒状度との関係。
【図13】本発明に係わるピント調整手段の周辺概略図。
【図14】本発明の第一実施形態に係わる画像処理部の詳細ブロック構成図。
【図15】本発明に係わるデフォーカス検知機構の詳細ブロック図。
【図16】本発明に係わる第一実施形態を示すフローチャート。
【図17】本発明の第二の実施形態に係わる画像形成装置の概略側断面図。
【図18】本発明に係わる第二実施形態を示すフローチャート。
【図19】本発明の第二の実施形態に係わる画像処理部の詳細ブロック図。
【図20】本発明の第三の実施形態に係わる画像処理部の詳細ブロック図。
【図21】本発明に係わる第三実施形態を示すフローチャート。
【図22】本発明に係わるロッドレンズの説明図。
【図23】本発明に係わるMTFの概念図。
【図24】本発明に係わる感光ドラムの特性。
【図25】本発明に係わる現像特性。

Claims (10)

  1. トナー像形成機構によって像担持体上に形成したトナー像を転写機構によって記録媒体上に転写し、転写後のトナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置において、
    出力画像の粒状度を測定することにより露光結像系のピント状況を判定する判定手段と、
    上記判定手段からの判定結果によりピントを調整する調整手段と、
    上記判定手段と調整手段を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. トナー像形成機構によって像担持体上に形成したトナー像を転写機構によって記録媒体上に転写し、転写後のトナー像を定着させる定着装置と、定着後の画像を入力する出力画像入力部を有する画像形成装置において、
    出力画像の粒状度を測定することにより露光結像系のピント状況を判定する判定手段と、
    上記判定手段からの判定結果によりピントを調整する調整手段と、
    上記判定手段と調整手段を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. トナー像形成機構によって像担持体上に形成したトナー像を転写機構によって記録媒体上に転写し、転写後のトナー像を定着させる定着装置と、定着後の画像を入力する出力画像入力部と、ネットワークを経由しオペレーティングシステムにデータ送信可能な送信手段と、オペレーティングシステムからの指示を受信可能な受信手段と、を有する画像形成装置において、
    出力画像の粒状度を測定することにより露光結像系のピント状況を判定する判定手段と、
    上記判定手段からの判定結果によりピントを調整する調整手段と、
    上記判定手段と調整手段を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. トナー像形成機構によって像担持体上に形成したトナー像を転写機構によって記録媒体上に転写し、転写後のトナー像を定着させる定着装置と、定着後の画像を入力する出力画像入力部と、ネットワークを経由しオペレーティングシステムにデータ送信可能な送信手段と、オペレーティングシステムからの指示を受信可能な受信手段と、を有する画像形成装置において、
    上記受信手段からの指示によりピントを調整する調整手段と、
    上記調整手段を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 上記判定手段は、中間調を評価サンプルとすることと、
    出力評価サンプルを原稿台にて画像信号を入力させることと、
    画像信号にて粒状度を測定し、ピント状況を検知する粒状度測定手段と、
    粒状度測定手段の結果に基づきピント調整を行うピント調整手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  6. 上記判定手段は、中間調を評価サンプルとすることと、
    出力評価サンプルを定着後に設けた画像入力部により画像信号を入力させることと、
    画像信号にて粒状度を測定し、ピント状況を算出する粒状度測定手段と、
    粒状度測定手段の結果に基づきピント調整を行うピント調整手段と、
    を有することを特徴とする請求項2、3記載の画像処理装置。
  7. 上記制御手段は、デフォーカス検知モードを指示されたとき、粒状度測定を行わせ、必要に応じてピント調整を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4記載の画像形成装置。
  8. 上記制御手段は、オペレーティングシステムからデフォーカス検知モードを受信手段を介して指示されたとき、粒状度測定を行わせ、必要に応じてピント調整を行うことを特徴とする請求項3、4記載の画像形成装置。
  9. 上記送信手段は、オペレーティングシステムが記録するピント調整データ、画像形成装置の現状況を送信することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  10. 上記送信手段は、オペレーティングシステムが必要とする画像データ、ピント調整データ、画像形成装置の現状況を送信することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
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