JP2004239765A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走査型プローブ顕微鏡において、カンチレバーを取り付けるカンチレバー取り付け手段12と、試料の周囲環境を冷却する周囲冷却手段15を備え、カンチレバー変位検出手段2をカンチレバー1に備える構成とし、周囲冷却手段15は切り欠き部のない構成とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端に微小な探針を有するカンチレバーを用いて、カンチレバーの変位から表面形状や物性を測定する走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の走査型プローブ顕微鏡は、先端に微小な探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーの変位を検出する手段と、試料を加熱冷却する手段と、試料を移動させる手段を有する走査型プローブ顕微鏡において、前記カンチレバーの変位を検出する手段としては、主にカンチレバーにレーザを照射して反射光の位置の違いで測定を行なう機構が使用されていた。この機構を用いた走査型プローブ顕微鏡では、試料を冷却して測定する際に、試料面の周囲環境に冷却パネルなどを配置して試料の冷却をするが、冷却パネル中の検出機構用のレーザが通る部分は切り欠け部を設けてレーザが通るようにしていた。(特開2002−014026(特許文献1)参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−014026
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の走査型プローブ顕微鏡では、試料冷却時に周囲からの水分子の試料面への飛来、付着、氷成長防止しながら試料の周囲環境を冷却する手段として冷却パネルなどが配置されているが、カンチレバーの測定面上方には冷却パネルにレーザ通過用の切り欠け部が設けられるため、この切り欠け部を通過して飛来してくる水分子が試料表面に付着し、氷が成長するため、試料表面の正確な形状や物性が測定できないという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、試料冷却時の試料表面の氷の成長を防止して試料表面の形状、物性を正確に測定する走査型プローブ顕微鏡を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明では、先端に微小な探針を有するカンチレバーと、カンチレバーの変位を検出する手段と、試料を加熱冷却する手段と、試料を移動させる手段を有する走査型プローブ顕微鏡において、カンチレバーの変位を検知する手段をカンチレバー自身に備えた構成とし、前記変位を検出する手段を備えたカンチレバーを固定するためのカンチレバー取り付け手段と、試料の周囲環境を冷却する周囲冷却手段をさらに備えて、試料の周囲環境を冷却する手段から切り欠き部を無くした構成として試料の周辺環境を冷却しながら測定を行なえるようにした。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、図に示すように、先端に微小な探針を有するカンチレバーと、カンチレバーの変位を検出する手段と、試料を加熱冷却する手段と、試料を移動させる手段を有する走査型プローブ顕微鏡において、カンチレバーはそれ自身に変位を検出する検出部を備えた構成とし、該カンチレバーを取り付ける手段と、試料の周囲環境を冷却する手段を備えて、試料の周囲環境冷却手段から切り欠き部を無くして、試料冷却の際に試料表面での氷の成長を防ぎながら測定を行なえるようにした。
【0008】
(実施例)
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明における走査型プローブ顕微鏡の模式図である。カンチレバー1の先端には探針があり、カンチレバーの腕部にはカンチレバー自身に設置された検出部2がある。検出部2はひずみ抵抗を利用したセンサで、探針の上下の変位はカンチレバー1の腕部の変形に応じたひずみ抵抗の違いとしてカンチレバー1の変位を検出する。カンチレバー1はカンチレバー台3に装着される。
【0009】
カンチレバー1と試料4とは探針で接触する。試料4は加熱冷却手段5の上に設置されている。加熱冷却手段5は内部にヒータが組み込まれていて試料4を加熱することができる。また加熱冷却手段5は熱伝導手段6を介して冷却供給手段7と接続されている。熱伝導手段は銅箔、銀箔などの金属箔でフレキシブルなものが使用される。冷却供給手段7には内部に液体窒素などの冷媒をため込む空間があり、冷却供給源となっている。冷却供給手段7が冷えることで、熱伝導手段6を介して加熱冷却手段5が冷却され、試料4を冷却することができる。また、冷却供給手段で加熱冷却手段を冷やしながら加熱冷却手段5に内蔵されるヒータの出力を調整することで、任意の温度に制御することができる。
【0010】
加熱冷却手段5は試料移動手段8に設置され、試料4の測定位置を変更することができる。加熱冷却手段5と試料移動手段8は真空容器9の内部に設置される。真空容器9には排気手段10が接続され、真空にすることが可能となっている。また真空容器にはガス導入部11が接続され、真空排気後、所望のガスを導入することも可能になっている。
【0011】
カンチレバー1をカンチレバー台3によって顕微鏡に設置するためのカンチレバー取り付け手段12は真空容器上部に気密シール13を介して設置される。カンチレバー取り付け手段12は、液体窒素容器14および試料4の周囲を冷却する周囲冷却手段15より構成される。液体窒素容器14内に液体窒素16をため込むことにより熱伝導で試料周囲を冷却する手段15も冷却される。液体窒素以外に冷媒となる液体をため込んでもよい。試料周囲を冷却する手段15は試料4および加熱冷却手段5を覆う構成になっていて、円筒形状でも多面体形状でもよい。試料表面から見ると切り欠け部は無く、すべて冷却された面が見える構成となっている。試料あるいはカンチレバーの交換時は、気密シール13から一体ものとして取り外せるようになっている。
【0012】
まず、液体窒素の容器14に液体窒素16をため込むことで試料周囲環境冷却手段15を冷却する。試料周囲の空間環境に存在する水分子は試料周囲環境冷却手段15の表面に吸着される。試料周囲環境冷却手段15を充分冷却した状態で、次に試料の冷却に入る。試料表面から周囲を見たとき室温の面はいっさい見えない構造のため、室温面から離脱する水分子は冷却されはじめた試料面に直接飛来、付着することが無いため試料表面に氷が成長しない。
【0013】
また、試料面の冷却をする前に試料面の加熱を行って試料面の吸着水を蒸発させて試料周囲環境を冷却する手段の面に付着させてから試料面の冷却をすれば試料が室温時点で試料面に吸着されている水分子も無くなり、試料冷却時、氷の成長が無くなりさらに効果的である。
【0014】
図2は本発明における走査型プローブ顕微鏡の第2の実施例の模式図である。カンチレバー取り付け手段12は冷媒の容器21および試料周囲環境冷却手段15で構成されている。冷媒容器21は導入部22と排出部23で密封されていて冷媒ガス24を入れることができる。冷媒ガスは冷媒容器21にため込んでもよいし、いつも流し続けてもよい。
【0015】
図3は本発明における走査型プローブ顕微鏡の第3の実施例の模式図である。試料周囲を冷却手段15と加熱冷却手段5との間に折り返し部31を設ける。折り返し部31も同様に冷却されるので試料周囲環境冷却手段15の外部環境、特に加熱冷却手段5との間の隙間を介して下方向より飛来してくる水分子を付着し、試料表面への氷の付着、成長の防止になる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。つまり、先端に微小な探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーの変位を検出する手段と、試料を加熱冷却する手段と、試料を移動させる手段を有する走査型プローブ顕微鏡において、該カンチレバーの変位を検出する手段をカンチレバー自身に備えた構成とし、試料の周囲環境を冷却する手段の切り欠け部を無くしたことにより、カンチレバーの測定面上方の切り欠け部からの水分子の試料表面への飛来が無くなり、水分子の試料表面への付着および氷成長を防止する効果がある。また、試料周囲環境を先に冷却しておいて周囲環境の水分子を無くしてから試料冷却をすること、さらには試料を加熱後冷却に入ることで、試料面が保持している水分子を加熱時に離脱させてから試料を冷却することにより、試料冷却時に試料表面の氷の成長を防止できるため、試料表面の形状や物性を正確に測定できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における走査型プローブ顕微鏡の構成を示す模式図。
【図2】本発明における走査型プローブ顕微鏡の実施例を示す模式図。
【図3】本発明における走査型プローブ顕微鏡の実施例を示す模式図。
【符号の説明】
1 カンチレバー
2 検出部2
3 カンチレバー台
4 試料
5 加熱冷却手段
6 熱伝導手段
7 冷却供給手段
8 試料移動手段
9 真空容器
10 排気手段
11 ガス導入部
12 カンチレバー取り付け手段
13 気密シール
14 液体窒素の容器
15 試料周囲環境冷却手段
16 液体窒素
21 冷媒の容器
22 導入部
23 排出部
24 冷媒ガス
31 折り返し
Claims (7)
- 先端に微小な探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、試料を加熱冷却する加熱冷却手段と、試料を移動させる試料移動手段とを備えた走査型プローブ顕微鏡において、該カンチレバーを取り付けるカンチレバー取り付け手段と、試料の周囲環境を冷却する周囲冷却手段を備え、前記変位検出手段は前記カンチレバーに備えられていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
- 前記周囲冷却手段は、円筒形状であることを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記周囲冷却手段は多面体形状であることを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記周囲冷却手段を冷却した後に試料を冷却する請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記周囲冷却手段を冷却した後に試料を加熱し、試料表面の吸着水を熱離脱させた後に試料を冷却する請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 真空容器と真空排気手段を有し、真空中で測定を行なう請求項1から5のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 真空容器と真空排気手段を有し、一度真空にしてから真空容器内を所望のガスに置換して測定する請求項1から5のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003029661A JP2004239765A (ja) | 2003-02-06 | 2003-02-06 | 走査型プローブ顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003029661A JP2004239765A (ja) | 2003-02-06 | 2003-02-06 | 走査型プローブ顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004239765A true JP2004239765A (ja) | 2004-08-26 |
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ID=32956774
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JP (1) | JP2004239765A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114688950A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-07-01 | 陕西建工第一建设集团有限公司 | 一种建筑施工用铝合金板平整检测装置 |
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2003
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Cited By (2)
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CN114688950A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-07-01 | 陕西建工第一建设集团有限公司 | 一种建筑施工用铝合金板平整检测装置 |
CN114688950B (zh) * | 2022-05-31 | 2022-08-23 | 陕西建工第一建设集团有限公司 | 一种建筑施工用铝合金板平整检测装置 |
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