JP2004239574A - 燃焼機器の残燃焼時間算出方法及びこれを用いた残燃焼時間算出装置 - Google Patents

燃焼機器の残燃焼時間算出方法及びこれを用いた残燃焼時間算出装置 Download PDF

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Abstract

【目的】石油燃料を使用する暖房機器、例えばストーブやファンヒータの燃料残量を計測し、燃焼可能な時間を算出する方法に関し、実燃焼時間に沿った残燃焼時間が算出できる燃焼機器を提供する。
【構成】燃料タンクを備え、当該燃料タンクから電磁ポンプを使用して燃焼室へ燃料を供給する燃焼機器において、前記電磁ポンプの駆動状態により単位油量の燃焼にかかる時間Tを監視する手段と、当該単位油量の消費回数Cをカウントする制御部とを有し、一単位油量あたりの燃焼時間Tの合計を消費回数Cにより燃焼可能な時間を算出する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は石油燃料を使用する暖房機器、例えばストーブやファンヒータの燃料残量を計測し、燃焼可能な時間を算出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より灯油等の石油燃料を使用する燃焼機器においては、燃料タンクに残っている燃料量を計測若しくは算出することで、以降の運転可能な時間を使用者に知らせる機能を備えたものが提案されている。例えば特開平9−196372号には残留燃料量による燃焼機器の燃焼作動可能時間表示方法及び装置が、また本願出願人においても特願2002−71124号や特願2001−349532号のように重量センサを用いることなく電磁ポンプの駆動周波数と過去の燃焼状態等より燃料の送出量を予想し、以降の燃焼状態を想定して残燃焼時間を算出する方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−196372号公報
【特許文献2】
特願2002−71124号公報
【特許文献3】
特願2001−349532号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術においては、主に現在の燃料タンクの消費時間を算出し、最大と最小の消費値をカウントしない平均値において残燃焼時間を算出する方法を採っている。しかしながらこのような燃焼機器においては、一度の給油で使用する時間はまちまちであり、数日にまたがって使用する場合や、日に一度は給油する場合等使用環境が異なる。従って使用環境温度や運転状況に応じて、上記従来技術においては必ずしも実燃焼時間に沿った残燃焼時間が算出できるものではなかった。また上記本願発明者の従来技術においてはサンプル回数が10回程度であり、最大と最小の値を除いたとしても運転状況によりサンプルデータがばらつく場合ではやはり実燃焼時間に沿った残燃焼時間の算出が困難なものとなり、加えて残燃焼時間が数分のうちに数時間動いてしまうということで、残燃焼時間表示に信頼性がなくなるといった問題が生じている。本発明は上記課題に鑑み、実燃焼時間に沿った残燃焼時間が算出できる燃焼機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では次のような構成とする。すなわち請求項1では、燃料タンクを備え、当該燃料タンクから電磁ポンプを使用して燃焼室へ燃料を供給する燃焼機器において、前記電磁ポンプの駆動状態により単位油量の燃焼にかかる時間Tを監視する手段と、当該単位油量の消費回数Cをカウントする制御部とを有し、一単位油量あたりの燃焼時間Tの合計を消費回数Cにより燃焼可能な時間を算出することを特徴とする燃焼機器の残燃焼時間算出方法とする。
【0006】
請求項2では、単位油量の燃焼にかかる時間Tを監視する手段と、当該単位油量の消費回数Cをカウントする手段とを有し、一単位油量あたりの燃焼時間Tの合計を消費回数Cで割ることにより一単位油量の平均消費時間を求めたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器の残燃焼時間算出方法とする。
【0007】
請求項3では、平均消費時間より残燃焼時間を算出し、当該算出結果に残りの単位油量数をかけることで燃焼機器の残燃焼時間を求めることを特徴とする請求項1に記載の残燃焼時間算出方法とする。
【0008】
請求項4では、単位油量の消費回数Cが10以上であることで燃料タンクが10単位油量以上により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の残燃焼時間算出方法とする。
【0009】
請求項5では、制御部での単位油量の消費回数Cの最大記憶回数が燃料タンクの単位油量数以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器の残燃焼時間算出方法とする。
【0010】
請求項6では、所定単位油量を消費するまでは補正データにより残燃焼時間を算出し、当該補正データが所定値と実測値との間で徐々に所定値から実測値に近似する如く算出されるように求められていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器の残燃焼時間算出方法とする。
【0011】
請求項7では、請求項1に記載の燃焼機器の残燃焼時間算出方法により算出した残燃焼時間を表示する表示部を備えたことを特徴とする燃焼機器の残燃焼時間算出装置とする。
【0012】
【実施例】
本発明の実施例について、一例としてファンヒータの構造図を図3に挙げ説明する。図3において、本実施例では本体10内にカートリッジ型の燃料タンク20を持ち、石油燃料は当該燃料タンク20から本体タンク30を介して電磁ポンプ40によってバーナ50を備える燃焼室に送出されている。また所望の燃焼状態を得るための温度調節機能と、設定温度や時間、残燃料や燃焼時間等の情報を表示する表示部70及び、燃料タンク20に給油を行った際に押下し燃料が満タンであることをセットする給油リセットスイッチ80とを備えている。以上のファンヒータにおいては電磁ポンプ40の駆動状態すなわち燃料タンク20から燃焼室に送出される燃料量を監視したり、設定温度と室温、時間等を監視し燃焼状態を制御するマイコン等で構成される制御部60を備えている。
【0013】
このような構成のファンヒータについて残燃料の算出方法を図1に従って説明する。なお本実施例では、燃料タンク20は4.8リットル、後述する単位油量は50CCであり、前タンク20内容量を96等分したものが1単位油量としている。また本実施例においては一単位油量あたりの燃焼時間をTとし、当該単位油量の消費回数をCとする。
【0014】
図1において、S0でファンヒータの電源を入れると、製造段階において設定される燃焼可能時間の初期値(S1)が制御部60に入力される。当該初期値は諸々の使用条件を考慮し、例えばT=0.5時間といったように制御部内部で設定がなされる。当該0.5時間とは1単位油量50CCが燃焼する時間であり、これが後述のS6により算出される。本実施例では燃料タンクは消費回数Cの合計=96単位油量で構成されるために、0.5時間(50CC)×96単位油量=48時間の燃焼可能時間となる。
【0015】
次に給油リセットスイッチが押された場合(S2)は、S3に進んでS2でスイッチが押された時点での使用油量により、過去20単位油量以上を使用している場合にはこの使用油量より1単位油量あたりの平均消費時間を初期値として更新、記憶(S4)することで、S1において記憶されている初期値を書き換えることになる。ここでS3において使用油量が20単位油量より少ない場合には、前記S1において設定される初期値がそのまま使用されることになる。その後燃料タンク内が満タンであることを制御部に知らせ(S5)、その後残燃焼可能時間を算出(S6)する。当該算出にあたってはS3における使用単位油量が20単位以上の時にはS4を、20単位以下の場合にはS1を参照し算出される。本実施例においては、使用単位油量が20単位以上の場合にはS4により1単位あたりの平均を求め、例えば1単位あたりの平均時間が0.4時間であれば、S6においてこの0.4時間に96(単位油量)をかけて38.4時間が算出される。そしてこの値を表示部において表示することになる。また、20単位以下の場合では、前述したとおりS1に記憶されている0.5時間を基準としてS6において96をかけ、48時間が算出され、この値を表示部に表示することになる。
【0016】
すなわち、ここでは単位油量の燃焼にかかる時間Tの合計と、単位油量の消費回数Cと、によって一単位油量あたりの平均燃焼時間をT/Cで算出するので、例えば第一回目の単位油量消費に0.3時間、第二回目の単位油量消費に0.7時間かかったとすれば、一単位油量あたりの平均消費時間は(0.3+0.7)/2=0.5が算出される。ここでT/CのCの最少値は算出結果の信頼性を考慮して従来技術の10以上であって上限は給油タンク1回分の給油量すなわち本実施例においては96回とするのが好ましい。
【0017】
また、前記S2において給油リセットスイッチが押されない場合には、S7の電磁ポンプの監視に移行する。一般に電磁ポンプはオン幅が15m秒程度で、オフ幅もこれと同程度かそれ以上となっており、制御部では数十ミリ秒から数百ミリ秒のタイミングで周期的に当該電磁ポンプの駆動状態を監視している。従って電源コンセントが接続された状態で燃焼が行われていない場合では当該電磁ポンプは停止しており、ファンヒータの燃焼時のみS7において電磁ポンプの駆動がカウントされる。S8においては1単位油量が消費されたかを判断し、ポンプの駆動回数より1単位油量を消費した場合には燃料タンク内の残油量を−1単位油量し、例えば96単位油量であったならばS9によって1単位油量を減算し95単位油量へ減少させている。次にS10により当該1単位油量の燃焼時間を加えたこれまでの1単位油量の平均燃焼時間を算出し制御部に記憶させる。
【0018】
次にS11において使用単位油量が20単位であるかの判断を行う。ここで使用単位油量が20より多い場合では前記S10により求めた1単位油量あたりの平均燃焼可能時間を使用し、S6において残燃焼時間を算出、表示部に表示することになる。またS11において使用油量が20単位油量以下の場合では、S12により以下の説明ような補正データを作成した後にS6に移行し残燃焼時間を算出する。
【0019】
上記「補正データ」とは、実際の算出結果から得られる残燃焼時間において、実測データ、すなわち単位油量の平均消費時間から残燃焼時間を算出するが、数単位油量といった少ないサンプルから残燃焼時間を予測すると、例えば48時間と表示していたものが数十分後に38時間になってしまうといったように、表示部への表示時間が急激に変化することがあり、この対策を行うものである。本実施例においては、図2に示すような補正を行う。図2において、S1において記憶されている所定の燃焼時間を所定値aと、一例としての実測値bとを示している。図2が示すとおり、所定値aと実測値bの間には残燃焼時間において差異が生じており、例えばA点においては実測値aだけで表示を行うと38時間となるが、1単位油量を消費するまでは表示部には48時間と表示され、1単位油量を消費する数十分後にはいきなり38時間へと移行する。そこで本発明においては、1単位油量消費後に所定値aから実測値bを減算し、この減算結果を1/20にした結果を補正値cとして算出し、この算出結果を残燃焼時間として表示部に表示する。従ってA点における補正値は48時間−38時間=10時間の1/20で0.5時間となり、48時間−0.5時間=47.5時間(47時間30分)が表示されることになる。次にB点においては前記1/20に代えて2/20の点を拾い上げ、以下20単位油量になるまで3/20、4/20・・・とした点を残燃焼時間の補正値として算出させ、以上によりS12の補正データの作成を行っている。
【0020】
なお上記構成においては燃焼機器にファンヒータを用いているが、これはストーブや他の暖房機器にも利用可能なものであり、また燃料タンクについてはカートリッジ型に限らず本体内蔵型のものであっても給油時に給油リセットボタンを押すことでタンク内の燃料量をリセット可能なタンク構造であればよい。また、1単位油量とした50CCや、燃料タンクを96単位油量とした点、1単位油量の燃焼時間0.5時間についても、特にこの値に限定することなく、設計事項や使用条件を考慮して適宜設定変更可能であることはいうまでもない。また、補正データの抽出単位としている所定単位油量は20であり、補正幅は1/20としているが、この数値についても特に当該値に限定するものではなく、実施例において残燃焼時間を表示するために補正を必要としないデータ数であって、また所定値と実測値との間で徐々に所定値から実測値に近似する如く算出されるように求められてれば任意に設定変更してよい。
【0021】
【発明の効果】
上記構成の通り単位油量を細かく設定することで従来より実燃焼時間に沿った残燃料の燃焼時間算出が可能となり、この構成においてもマイコン等の制御部内のプログラムを変更することで対応可能であるのでコストや部品数を増やすことなく残燃料の表示が可能になる。また、補正データを作成、表示することで、実使用時の残燃焼時間の急激な変化が防止でき、使用者に違和感のない残燃焼時間が表示可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す残燃焼算出のフローチャートである
【図2】本発明の補正処理をグラフ化したものである
【図3】本発明の実施例を示すファンヒータの概略図である
【符号の説明】
図において同一符号は同一、または相当部分を示す。
10 本体
20 燃料タンク
30 本体タンク
40 電磁ポンプ
50 バーナ
60 演算部
70 表示部
80 給油リセットスイッチ

Claims (7)

  1. 燃料タンクを備え、当該燃料タンクから電磁ポンプを使用して燃焼室へ燃料を供給する燃焼機器において、前記電磁ポンプの駆動状態により単位油量の燃焼にかかる時間Tを監視する手段と、当該単位油量の消費回数Cをカウントする制御部とを有し、一単位油量あたりの燃焼時間Tの合計を消費回数Cにより燃焼可能な時間を算出することを特徴とする燃焼機器の残燃焼時間算出方法。
  2. 単位油量の燃焼にかかる時間Tを監視する手段と、当該単位油量の消費回数Cをカウントする手段とを有し、一単位油量あたりの燃焼時間Tの合計を消費回数Cで割ることにより一単位油量の平均消費時間を求めたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器の残燃焼時間算出方法。
  3. 平均消費時間より残燃焼時間を算出し、当該算出結果に残りの単位油量数をかけることで燃焼機器の残燃焼時間を求めることを特徴とする請求項1に記載の残燃焼時間算出方法。
  4. 単位油量の消費回数Cが10以上であることで燃料タンクが10単位油量以上により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の残燃焼時間算出方法。
  5. 制御部での単位油量の消費回数Cの最大記憶回数が燃料タンクの単位油量数以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器の残燃焼時間算出方法。
  6. 所定単位油量を消費するまでは補正データにより残燃焼時間を算出し、当該補正データが所定値と実測値との間で徐々に所定値から実測値に近似する如く算出されるように求められていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器の残燃焼時間算出方法。
  7. 請求項1に記載の燃焼機器の残燃焼時間算出方法により算出した残燃焼時間を表示する表示部を備えたことを特徴とする燃焼機器の残燃焼時間算出装置。
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