JP2004239490A - 石油燃焼機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】石油燃焼機器において、設置時に高地設定や延長配管設定等の設定を簡単に行えるようにして、設置の省施工化を図るとともに、安全に使用できるようにする。
【解決手段】リモコン制御部13はリモコン設定値記憶手段14の内容をホームページへ送受信する受信手段16と送信手段17を有し、該機器の使用状態や不良履歴データをホームページへ送信し、ホームページ情報からそれに応じた機器設定データを受信手段16から取得して、リモコン設定値記憶手段14に記憶させ、そして、リモコン設定値記憶手段14の機器設定データを機器制御部10へ送信するようにしてあるので、より簡単に該機器に応じた最新の機器設定データを得られるようになり、安全性やメンテナンス性も向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】リモコン制御部13はリモコン設定値記憶手段14の内容をホームページへ送受信する受信手段16と送信手段17を有し、該機器の使用状態や不良履歴データをホームページへ送信し、ホームページ情報からそれに応じた機器設定データを受信手段16から取得して、リモコン設定値記憶手段14に記憶させ、そして、リモコン設定値記憶手段14の機器設定データを機器制御部10へ送信するようにしてあるので、より簡単に該機器に応じた最新の機器設定データを得られるようになり、安全性やメンテナンス性も向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油燃焼機器における制御条件等の情報処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、石油を燃料として用いた石油燃焼機器にあって、自然燃焼方式の機器は、標高の高い地域(以下、高地と呼ぶ)に設置して使用すると、空気密度が薄いため、平地における運転条件で設定し燃焼させると、空気不足状態となり黄火燃焼により異常を来すことになる。そこで、正常な燃焼を維持するには燃焼用の空気量を増やしたり、または燃焼量を下げる等の補正が必要であった。
【0003】
また、強制給排気方式の石油燃焼機器にあっては、上記現象以外に、設置場所によって生じる給排気管の長さに起因した問題が発生し、例えば、給排気管を長くする延長配管をすると、配管抵抗が大きくなり空気不足状態となり同様に、黄火燃焼により異常を来すことになる。そこで、正常な燃焼を維持するには延長配管の長さを制限する必要があった。
【0004】
また、石油燃焼機器は最近の住宅事情が多様化し、一般住宅から高気密・高断熱住宅までの対応が必要になってきて、それに加え、暖房する部屋数も1部屋の暖房から家全体の暖房や、2階建家屋や3階建家屋に対応しなければならない等、設置条件も多岐にわたり複雑になってきている。
【0005】
さらに、石油温水暖房機のように温水を循環させるものにあっては、その燃焼量を調節するのはもちろんのこと、循環させる循環水の流量も調節する必要を生じている。つまり、部屋数が増えると、暖房に必要な熱量が増えるが、循環水の温度は、循環水を沸騰させないために最高80℃程度に抑えなければならないので、循環流量を増やし、単位時間当たりに循環水が搬送できる熱量を増やさなければならない。
【0006】
そのため、従来の石油温水暖房機は、その家の暖房能力に適した循環ポンプを、現地で取り付けるか、あるいは、能力切換ができる循環ポンプを搭載し、現地でその能力切換を行っていた。
【0007】
そして、これら設置条件や使用条件の変化に対応させるため、石油燃焼機器を用いた機器では種々の対応をしなければならず、例えば、空気不足状態を解消し、空気量に応じた燃料消費量として正常な燃焼を維持させるように燃料を供給する燃料ポンプや送風機の制御を変更したり、循環ポンプの制御を変更するため、制御回路の定数を変更して、設定を変更させるなどの方法がとられていた。
【0008】
このような対処方法では、施工時の手間がかかったり、定数設定を間違えたりして、本来の機能を果たさなくなる心配などの課題があった。そこで、従来の石油燃焼機器(特許文献1参照)において、燃焼機器の制御モード設定装置は、記憶手段に燃焼条件を複数記憶させ、高地や延長配管時には、対応する燃焼条件を選択する方法を応用するなどの対応が考えられていた。
【0009】
これらの高地設置や延長配管、循環ポンプの能力切換等における条件の設定は、機器を使用する前の設置時に、設置施工業者か、あるいは使用者が設定を行うのが一般的であった。
【0010】
しかしながら、上記従来の石油温水暖房機等の機器では、制御部に搭載した記憶手段に燃焼部などの制御条件等の制御定数を複数記憶させたものを、機器設置時に設置施工業者か、あるいは使用者が高地設定や延長配管設定、循環ポンプの能力切換等の条件の設定を使用条件に応じて設定スイッチ等を選択して行っているので、高地設定や延長配管設定の方法が、機種毎に異なっていたり、設定方法を記載した工事説明書や取扱説明書を紛失した場合は、作業内容が不明確となり、手間がかかるとともに、間違った設定を行う心配があった。
【0011】
そのため設定できる内容も、細かく設定することが難しく、設置条件にあった最適な設定ができない場合もあった。そして、万一、設定を間違うと正常な燃焼状態を維持できなくなり、黄火燃焼でススが発生したり、不完全燃焼で機器が停止するといった不具合が発生する恐れもあった。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−324735号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、高地設定や延長配管設定等の設置及び使用環境に対応した機器使用の設定が簡単に行えるようにし、設置の省施工化を図るとともに安全に使用できる石油燃焼機器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、燃焼部と、前記燃焼部等を制御する機器制御部と、機器と別に設け、運転の入/切や運転条件等を設定する遠隔制御手段としてのリモコンと、前記リモコンに設けたリモコン制御部とを備え、前記機器制御部は、前記燃焼部等の制御条件や使用条件に対応する機器設定データを記憶する機器設定値記憶手段を有し、前記リモコン制御部は、機器の使用条件に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段と、機器設定データを含むホームページ情報を受信する受信手段と、前記受信手段から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段へ記憶させる受信データ設定手段と、リモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御部へ送信する送信手段を有した構成としてある。
【0015】
上記手段によれば、リモコン制御手段は機器の設置及び使用条件等の環境に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段を有し、リモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御手段へ送信して、機器の機器設定値記憶手段に機器設定データを記憶させるので、使用条件に応じた、例えば高地設定や延長配管設定、循環ポンプの能力切換等の設定値をリモコン単独で設定できるようになり、設置時に設定を行う必要がなくなり、事前に設定ができるなど、施工性を向上できるとともに、安全性やメンテナンス性も向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記した本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成できるので、以下には各請求項の構成にその構成による作用効果を併記し、併せて請求項記載の構成のうち説明を必要とする特定用語については詳細な説明を加えて、本発明における実施の形態の説明とする。
【0017】
請求項1記載に係る発明は、燃焼部と、燃焼部等を制御する機器制御部と、機器と別に設け、運転の入/切や運転条件等を設定するリモコンと、リモコンに設けたリモコン制御部とを備え、機器制御部は、燃焼部等の制御条件や使用条件に対応する機器設定データを記憶する機器設定値記憶手段を有し、リモコン制御部は、機器の使用条件に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段と、機器設定データを含むホームページ情報を受信する受信手段と、受信手段から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段へ記憶させる受信データ設定手段と、リモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御部へ送信する送信手段を有した構成としてある。
【0018】
上記実施の形態によれば、リモコン制御部は機器の使用条件等に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段を有し、リモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御部へ送信手段により送信して、機器の機器設定値記憶手段に機器設定データを記憶させるので、使用条件に応じた高地設定や延長配管設定、循環ポンプの能力切換等の代表設定値をリモコン単独で設定できるようになり、設置時に設定を行う必要がなくなり、事前に設定ができるなど、施工性が向上するとともに、安全性やメンテナンス性も向上する。
【0019】
例えば、高地地域に使用する機器は、その設定を設置施工業者か、あるいは使用者がしなくてもいいように、予め高地使用に応じた機器設定データをリモコン設定値記憶手段に記憶させたリモコンを出荷することで、設置時に高地設定を行う必要がなくなり、施工性が向上するとともに、間違った設定もされる心配もなくなり、安全性も向上する。
【0020】
また、何らかの理由でメンテナンス時に初期設定から燃焼部等の制御条件等の機器設定データを変更する場合、例えば、何らかの理由で部品を追加して負荷が変化するなどの場合に、部品と一緒に、変更する機器設定データをリモコン設定値記憶手段に記憶させたリモコンを出荷することで対応ができるようになり、機器の入れ替えが不要となり、メンテナンス性が向上する。
【0021】
さらに、リモコン制御部は機器設定データを含むホームページ情報を受信するための受信手段から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段へ記憶させるようにしてあるので、機器の燃焼部などの制御条件等の機器設定データを設置施工業者か、あるいは使用者がホームページ情報を受信して得られるようになるので、より詳細な機器設定データを得ることができるようになり、安全性やメンテナンス性も向上する。
【0022】
また、請求項2記載に係る発明は、請求項1記載の石油燃焼機器にあって、リモコンは、少なくとも複数の機器設定データの中から機器の使用条件等に対応する機器設定データか、あるいはその内容を示す代表値のどちらか一方を表示する設定表示手段を配設した構成としてある。
【0023】
上記実施の形態によれば、リモコンの設定表示手段により複数の機器設定データの中から機器の使用条件等に対応する機器設定データか、その内容を示す代表値のどちらか、あるいは両方とも表示できるので、予め機器設定データあるいは代表設定値を設定したリモコンを出荷することで、設置施工業者か、あるいは使用者が制御条件等を設定する必要がなくなり、施工性等が向上するのはもちろん、仮に流通段階で取り違えるなど、何らかの理由で設定の異なるリモコンが供給されても、設置施工業者、あるいは使用者で確認ができるようになり、安全性が向上する。
【0024】
例えば、リモコンに機器の使用条件等に対応する内容として「高地1000m以上用」といったラベルをリモコンに貼り付けることで、設置施工業者か、あるいは使用者でも判断できるようになり、間違ったリモコンの使用を防止でき、安全性が向上する。
【0025】
また、リモコンに機器設定データとその内容を表示する液晶表示を設けることで、リモコンの定数設定手段で、液晶表示を見ながら機器の使用条件等に応じた機器設定データを設定することができるようになるとともに、さらに液晶表示で機器設定データと、その内容を確認できるようになり、リモコン単独で簡単にリモコンの設定ができるようになるとともに、誤使用を防止でき安全性が向上する。
【0026】
また、請求項3記載に係る発明は、請求項1または請求項2記載の石油燃焼機器にあって、リモコン制御部はリモコン設定値記憶手段から機器の使用条件等に対応する機器設定データを、リモコン使用開始時、あるいは所定の動作期間中のみ、機器制御部へ送信する構成としてある。
【0027】
上記実施の形態によれば、リモコン制御部はリモコン使用開始時、あるいは所定動作時のみに、機器制御部へ機器設定データを送信するので、リモコンでの運転条件などの変更も操作に支障なく使用できるとともに、リモコンの電気使用量も抑えることができる。
【0028】
つまり、リモコンで運転の入/切や運転条件などを設定するときに合わせて、機器の使用条件等に対応する機器設定データあるいは機器設定データを毎回送信すると、送信に時間を要し運転条件などの変更に支障をきたしたり、リモコンの電気使用量が増え、電源寿命が短くなるなどの課題を生じるが、通常時は機器設定データを送信しないので、リモコンでの運転条件などの変更も容易で、電源である電池も長く使用することができる。
【0029】
また、請求項4記載に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の石油燃焼機器にあって、リモコン制御部に機器の使用状態や不良履歴データを取得する使用履歴取得手段を設け、取得した機器の使用状態や不良履歴データをリモコン設定値記憶手段に記憶するように構成してある。
【0030】
上記実施の形態によれば、リモコン制御部の使用履歴取得手段により、機器の使用状態や不良履歴データを取得できるので、取得した機器の使用状態や不良履歴データをリモコン設定値記憶手段に記憶し、設置した機器を取り外して修理業者に持ち運ばなくても、リモコンを機器メーカーや修理業者に渡すことで、その場にいかなくても機器メーカーや修理業者が状況を把握できるようになる。
【0031】
そこで、修理が必要でない機器の使用条件等における設定データの変更で対応できる場合は、修正した機器設定データをリモコン設定値記憶手段に記憶させ、使用者にリモコンを返却して、使用者がリモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御部へ送信することで対応できるようになり、修理性が向上する。
【0032】
また、機器メーカーがリモコンを回収することで、機器の使用条件等の設定データを簡単に収集することができるようにもなる。
【0033】
また、請求項5記載に係る発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の石油燃焼機器にあって、リモコンは、リモコン設定値記憶手段の内容をホームページへ送信する送信手段と、ホームページ情報から機器設定データを受信する受信手段を備え、ホームページを介して機器の各種情報を扱う構成にしてある。
【0034】
上記実施の形態によれば、リモコン制御部の送信手段により、リモコン設定値記憶手段の内容である機器の使用状態や不良履歴データをホームページへ送信し、一方、受信手段によりホームページ情報からそれに応じた機器設定データを取得してリモコン設定値記憶手段に記憶させ、そして、リモコン設定値記憶手段の機器設定データを送信手段により機器制御部へ送信するので、より簡単に機器に応じた最新の機器設定データを得られるようになり、安全性やメンテナンス性も向上する。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を石油燃焼機器である石油温水暖房機の構成を用いて説明する。
【0036】
図1は本発明の一実施例における石油温水暖房機のブロック図、図2は同石油温水暖房機のリモコンの外観図である。
【0037】
図1において、1は燃焼部で、バーナー2と、灯油をバーナー2に供給する燃料ポンプ3と、燃焼空気をバーナー2に送る送風機4で構成してある。
【0038】
5は温水循環部で、循環ポンプ6と、バーナー2で燃焼した熱を温水に伝えるための熱交換器7で構成され、熱交換器(図示せず)を有する放熱器としての室内機8とは往復の温水配管9で接続している。この室内機8は、温水循環部2から送られる温水を熱交換し、室内を暖房するようになっている。
【0039】
10はマイクロコンピュータ及びその周辺回路からなる機器制御部で、燃焼部1に対して最適な燃焼となるよう制御を行うようになっていて、機器制御部10には、書き込み可能な不揮発性メモリーで構成され、燃焼部等の制御条件や使用条件に対応する機器設定データを記憶する機器設定値記憶手段11が配設されている。
【0040】
12は遠隔制御手段としてのリモコンで、このリモコン12を制御するマイクロコンピュータ及びその周辺回路からなり、リモコン使用開始時、あるいは所定動作時のみに、機器制御部10へ機器設定データを送信するリモコン制御部13を備え、このリモコン制御部13には書き込み可能な不揮発性メモリーで構成され、機器の使用条件に対応する複数の機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段14と、該機器の使用状態や不良履歴データを取得する使用履歴取得手段15と、機器設定データを含むホームページの情報を受信するための受信手段16と、リモコン設定値記憶手段14の機器設定データを機器制御部10へ送信する送信手段17と、受信手段16から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段14へ記憶させる受信データ設定手段18とを有し、リモコン設定値記憶手段14は機器の使用条件等に応じた機器設定データを記憶するとともに、受信手段16と送信手段17は、パソコン19や携帯電話20などの通信手段に接続できるようになっている。
【0041】
そして、このリモコン12は、機器のオン/オフや、温水温度の設定の信号を機器制御部10へ送信して、機器の運転条件などを設定するとともに、初めて機器制御部10へ運転条件などを送信手段17により送信したときに、該機器の使用条件等に対応する機器設定データの代表設定値を機器制御部10へ送信するようになっている。
【0042】
21は給排気管で、石油温水暖房機を屋内に設置する場合に、屋外の空気を取り入れ、燃焼後の排気ガスを屋外に放出するために取り付けられる。
【0043】
リモコン12について、図2を用いてさらに説明すると、22は石油温水暖房機の運転を入/切するリモコンの運転スイッチ、23はその運転状態を表示する運転ランプ、24は運転中の温水温度の設定値等を表示する設定表示手段としての液晶表示部、25は温水温度の設定を高くするための「高」スイッチ、26は温水温度の設定を低くするための「低」スイッチ、27はリモコンに貼付された機器の使用条件等に対応する設定表示手段としてのラベル、例えば「高地1000m以上用」といった機器の使用条件等の内容を示す。
【0044】
次に、上記のように構成された石油温水暖房機の動作と作用について説明する。リモコン12の運転スイッチ22をオンすると、運転ランプ23が点灯し、液晶表示部24に温水の設定温度が表示される。運転スイッチ22をオフすると、運転ランプ23が消灯し、液晶表示部24も消灯する。
【0045】
ここで、石油温水暖房機を設置した場合の、機器設定データの設定方法について説明する。まず、設置場所の標高に応じた高地設定を行う場合を説明する。
【0046】
運転スイッチ22はオフのまま、初期設定を行う時以外、不用意に設定を変えてしまわないようにするため「高」スイッチ25を2秒間押し続け、定数設定モードとする。
【0047】
「高」スイッチ25を2秒間押し続けると、液晶表示部24には、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを示す「H0」が表示される。「H0」の意味は、標高が0m以上500m未満で使用する場合の設定である。
【0048】
次に、「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「H5」が表示される。「H5」は、標高が500m以上1000m未満で使用する場合の設定である。
【0049】
さらに「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「HH」が表示される。「HH」は、標高が1000m以上1500m未満で使用する場合の設定である。この実施例では、標高1500m未満で使用する機器として説明しているので、この次、「高」スイッチ25を押せば、液晶表示部24には、「H0」が表示され、もとの設定に戻る。このように、標高に応じた高地設定をリモコン12で行うことができる。
【0050】
例えば、高地設定が「H5」に設定された場合、機器制御部10は、標高が高くなり、空気密度が低くなった分、送風機4の風量を増加させるか、あるいは燃料ポンプ3の吐出量を減少させるようになっている。
【0051】
次に、給排気管18の長さ設定について説明する。石油温水暖房機を屋内に設置した場合、燃焼のための空気を屋外から取り入れ、燃焼の排気ガスを屋外に放出させるための給排気管18を取り付けるが、給排気管18の長さは、設置場所により異なり、給排気管18の長さ設定が必要となる。この給排気管18の長さ設定は高地設定と同様にして設定できる。
【0052】
すなわち、運転スイッチ21はオフのまま、初期設定を行う時以外、不用意に設定を変えてしまわないようにするため「低」スイッチ26を2秒間押し続け、定数設定モードとする。「低」スイッチ26を2秒間押し続けると、液晶表示部24には、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを示す「F0」が表示される。「F0」の意味は、給排気管18の長さが標準のままで使用する場合の設定である。
【0053】
次に、「低」スイッチ26を押すと、液晶表示部24には、「F1」が表示される。「F1」は、給排気管18に延長配管を1mつなげて使用する場合の設定である。さらに「低」スイッチ26を押すと、液晶表示部24には、「F2」が表示される。「F2」は、給排気管18に延長配管を2mつなげて使用する場合の設定である。さらに「低」スイッチ26を押すと、液晶表示部24には、「F10」が表示される。「F10」は、給排気管18に延長配管を10mつなげて使用する場合の設定である。この実施例では、延長配管は10mを限度として使用する機器として説明しているので、この次、「低」スイッチ26を押せば、液晶表示部24には、「F0」が表示され、もとの設定に戻る。このように、給排気管18の長さに応じた設定をリモコン12で行うことができる。
【0054】
例えば、給排気管18の長さ設定が「F2」に設定された場合、延長配管が2m追加されたことによる配管抵抗の増加で送風機4の風量が減少した分を、送風機4の回転数を上げて風量を確保するか、あるいは燃料ポンプ3の吐出量を減少させるようになっている。
【0055】
次に、循環ポンプ6の設定について説明する。石油温水暖房機の温水配管9は、室内機8とつながっている。その温水配管9の長さは、設置された家によって異なる。また、室内機8を何台接続するのかも、家毎に異なる。したがって、循環ポンプ6の能力をその家に適した設定にしなければならず、温水配管9の配管抵抗が大きければ、循環ポンプ6の能力を大きく、つまり、室内機8の設置台数が多くなれば循環ポンプ6の能力を大きく設定しなければならない。循環ポンプ6の能力設定も高地設定と同様にして設定できる。
【0056】
すなわち、運転スイッチ22はオフのまま、初期設定を行う時以外、不用意に設定を変えてしまわないようにするため「高」スイッチ25と「低」スイッチ26を同時に2秒間押し続け、定数設定モードとする。
【0057】
「高」スイッチ25と「低」スイッチ26を同時に2秒間押し続けると、液晶表示部24には、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを示す「P1」が表示される。「P1」の意味は、循環ポンプ6の回転数を1000回転/分で制御する場合の設定である。
【0058】
次に、「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「P2」が表示される。「P2」は、循環ポンプ6の回転数を2000回転/分で制御する場合の設定である。
【0059】
次に、「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「P3」が表示される。「P3」は、循環ポンプ6の回転数を3000回転/分で制御する場合の設定である。
【0060】
次に、「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「P4」が表示される。「P4」は、循環ポンプ6の回転数を4000回転/分で制御する場合の設定である。
【0061】
次に、「低」スイッチ26を押すと、液晶表示部24には、「P1」が表示され、もとの設定に戻る。このように、循環ポンプ6の能力設定をリモコン12で行うことができる。よって、施工時の手間が大幅に削減できる。
【0062】
なお、循環ポンプ6の能力設定は、本実施例では循環ポンプ6の回転数を設定したが、これを実現するためには、回転数を検知して、フィードバック制御が必要であり、他の方法として循環ポンプ6に与える電力を設定する方法、例えば、「P1」設定はフルパワーの1/4、「P2」設定はフルパワーの2/4、「P3」設定はフルパワーの3/4、「P4」設定はフルパワーという形にしてもよい。
【0063】
以上のようにリモコン12で設定した高地設定、給排気管18の長さ設定、循環ポンプ6の能力設定等の機器設定データは、リモコン12を制御するリモコン制御部13のリモコン設定値記憶手段14に記憶され、この記憶された機器設定データはリモコン12の使用開始時に、機器制御部10へ送信され機器設定値記憶手段11に記憶され、これに基づき燃焼部1等の制御がなされるようになっている。
【0064】
なお、機器設定値記憶手段11およびリモコン設定値記憶手段14は、不揮発性メモリーで構成され不揮発性であるため、電源が切られても、そのデータは残るようになっている。
【0065】
次にリモコン12のホームページ情報を用いる機器設定データの設定方法について説明する。
【0066】
リモコン12のリモコン制御部13は、該機器の使用状態や不良履歴データを使用履歴取得手段15で取得して、取得した該機器の使用状態や不良履歴データをリモコン設定値記憶手段14に記憶するようになっている。
【0067】
そして、受信手段16と送信手段17をパソコン19や携帯電話20などの通信手段に接続したのち、リモコン12のリモコン制御部13は、該機器の使用状態や不良履歴データのリモコン設定値記憶手段14の内容をホームページへ送信手段17で送信するとともに、ホームページの情報からそれに応じた機器設定データを受信手段16から取得して、その機器設定データをリモコン設定値記憶手段14に記憶させて、リモコン設定値記憶手段14の機器設定データを機器制御部10へ送信手段17により送信するようになっている。
【0068】
以上のように、リモコン12は複数の機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段14を有し、リモコン12から代表設定値を機器制御部10へ送信する構成としてあるので、使用条件に応じた高地設定や延長配管設定、循環ポンプ6の能力切換等の代表設定値をリモコン12単独で設定できるようになり、設置時に設定を行う必要がなくなり、事前に設定ができるなど、施工性を向上できる。
【0069】
例えば、高地地域に使用する機器は、その設定を設置施工業者か、あるいは使用者がしなくてもいいように、予めリモコン12を高地での使用に応じた機器設定データをリモコン設定値記憶手段14に記憶させて出荷することで、設置時に高地設定を行う必要がなくなり、施工性を向上させることができるとともに、間違った設定が行われる心配もなくなり、安全性も向上できる。
【0070】
これは、機器本体側で高地地域に使用する機器を準備すると、容積や重量が重たくなるため、管理が大変で実現性に乏しいが、小さなリモコン12で準備するのは簡単であり、そのメリットが生かせる利点がある。
【0071】
また、何らかの理由でメンテナンス時に初期設定から燃焼部1などの制御条件等の機器設定データを変更する場合、例えば何らかの理由で部品を追加して負荷が変化するなどの場合に、部品と一緒に、変更する機器設定データをリモコン設定値記憶手段14に記憶させたリモコン12を出荷することで対応ができるようになり、該機器の入れ替え等が不要となり、メンテナンス性を向上できる。
【0072】
そして、予め機器設定データを設定したリモコン12を出荷することで、設置施工業者か、あるいは使用者が制御条件等を設定する必要がなくなり、施工性等を向上できるのはもちろん、流通段階で取り違えるなど、何らかの理由で、設定の異なるリモコン12が供給されても、リモコン12に複数の機器設定データの中から該機器の使用条件等に対応する機器設定データの内容として表示する設定表示手段、本実施例では「高地1000m以上用」といった該機器の使用条件を示すラベル27を配設した構成としてあるので、設置施工業者かあるいは使用者でも確認ができるようになり、間違ったリモコン12の使用を防止でき、安全性が向上できる。
【0073】
またそれに加え、リモコン12に機器設定データとその内容を表示する液晶表示部24を設けることで、リモコン12の定数設定手段で、液晶表示部24を見ながら該機器の使用条件等に応じた機器設定データを設定することができるようになるとともに、液晶表示部24で機器設定データとその内容を確認できるようになり、リモコン12単独で簡単にリモコン12の設定を行えるようになるともに、リモコン12の代表設定値を確認できるようになるので誤使用を防止でき、安全性を向上できる。
【0074】
また、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを、リモコン12の使用開始時に、機器制御部10へ送信する構成としてあるので、リモコン12での運転条件などの変更も操作に支障なく使用できるとともに、リモコン12の電気使用量も抑えることができる。
【0075】
つまり、リモコン12で運転の入/切や運転条件などを設定するときに合わせて、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを毎回送信すると、送信に時間を要し運転条件などの変更に支障をきたしたり、リモコン12の電気使用量が増え、電源としての電池寿命が短くなるなどの課題を生じるが、通常時は機器設定データあるいは機器設定データを送信しないので、リモコン12での運転条件などの変更も容易で、電池も長く使用することができる。
【0076】
さらに、リモコン12のリモコン制御部13は、機器設定データを含むホームページの情報を受信するための受信手段16から得た機器設定データを受信データ設定手段18によリモコン設定値記憶手段14へ記憶させるようにしてあるので、該機器の燃焼部1などの制御条件等の機器設定データを設置施工業者か、あるいは使用者がホームページの情報を受信して得られるようになり、より詳細な機器設定データを得ることができ、安全性やメンテナンス性も向上できる。
【0077】
そして、リモコン12のリモコン制御部13に該機器の使用状態や不良履歴等を取得する使用履歴取得手段15を設けるとともに、取得した該機器の使用状態や不良履歴等をリモコン設定値記憶手段14に記憶するようにした構成としてあるので、設置した機器を取り外さなければ持ち運びできない機器であっても、リモコンを機器メーカーや修理業者に渡すことで、その場にいかなくても機器メーカーや修理業者が予め状況を把握できるようになる。そこで、修理が必要でない該機器の使用条件等における設定データの変更で対応できる場合は、修正した機器設定データをリモコン設定値記憶手段14に記憶させ、そのリモコンを使用者に返却して、使用者がリモコン設定値記憶手段14から機器設定データを機器制御部10へ送信することで対応できるようになり、取扱いとしての修理性を向上できる。
【0078】
また、機器メーカーがリモコン12を回収することで、該機器の使用条件等の設定データを簡単に収集することができるようになる。
【0079】
それに加え、リモコン12のリモコン制御部13はリモコン設定値記憶手段14の内容をホームページへ送信する送信手段17により、該機器の使用状態や不良履歴等をホームページへ送信し、ホームページ情報からそれに応じた機器設定データを受信手段16から取得して、リモコン設定値記憶手段14に記憶させ、そして、リモコン設定値記憶手段14の機器設定データを機器制御部10へ送信するようにしてあるので、より簡単に該機器に応じた最新の機器設定データを得られるようになり、安全性やメンテナンス性を向上できる。
【0080】
なお上記実施例では、定数設定手段をリモコン12のスイッチ類で行うように説明したが、これはリモコン12に個別に設けたスライドスイッチなどで高地設定、給排気管18の長さ設定、循環ポンプ6の能力設定等を行うようにしてもよく、その他各部の構成も本発明の目的を達成する範囲であればその構成はどのようなものであってもよい。また、リモコン12は上記実施例では機器制御部10との通信を有線で行なったが、有線を着脱自在に結線する方法、あるいは無線で行なうようにしても良いものである。
【0081】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、機器の仕様環境に応じた設定をリモコン単独で設定でき、施工性を向上できるとともに、安全性やメンテナンス性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における石油温水暖房機のブロック図
【図2】同石油温水暖房機のリモコンの外観図
【符号の説明】
1 燃焼部
10 機器制御部
11 機器設定値記憶手段
12 リモコン
13 リモコン制御部
14 リモコン設定値記憶手段
15 使用履歴取得手段
16 受信手段
17 送信手段
18 受信データ設定手段
24 液晶表示部(設定表示手段)
27 ラベル(設定表示手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油燃焼機器における制御条件等の情報処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、石油を燃料として用いた石油燃焼機器にあって、自然燃焼方式の機器は、標高の高い地域(以下、高地と呼ぶ)に設置して使用すると、空気密度が薄いため、平地における運転条件で設定し燃焼させると、空気不足状態となり黄火燃焼により異常を来すことになる。そこで、正常な燃焼を維持するには燃焼用の空気量を増やしたり、または燃焼量を下げる等の補正が必要であった。
【0003】
また、強制給排気方式の石油燃焼機器にあっては、上記現象以外に、設置場所によって生じる給排気管の長さに起因した問題が発生し、例えば、給排気管を長くする延長配管をすると、配管抵抗が大きくなり空気不足状態となり同様に、黄火燃焼により異常を来すことになる。そこで、正常な燃焼を維持するには延長配管の長さを制限する必要があった。
【0004】
また、石油燃焼機器は最近の住宅事情が多様化し、一般住宅から高気密・高断熱住宅までの対応が必要になってきて、それに加え、暖房する部屋数も1部屋の暖房から家全体の暖房や、2階建家屋や3階建家屋に対応しなければならない等、設置条件も多岐にわたり複雑になってきている。
【0005】
さらに、石油温水暖房機のように温水を循環させるものにあっては、その燃焼量を調節するのはもちろんのこと、循環させる循環水の流量も調節する必要を生じている。つまり、部屋数が増えると、暖房に必要な熱量が増えるが、循環水の温度は、循環水を沸騰させないために最高80℃程度に抑えなければならないので、循環流量を増やし、単位時間当たりに循環水が搬送できる熱量を増やさなければならない。
【0006】
そのため、従来の石油温水暖房機は、その家の暖房能力に適した循環ポンプを、現地で取り付けるか、あるいは、能力切換ができる循環ポンプを搭載し、現地でその能力切換を行っていた。
【0007】
そして、これら設置条件や使用条件の変化に対応させるため、石油燃焼機器を用いた機器では種々の対応をしなければならず、例えば、空気不足状態を解消し、空気量に応じた燃料消費量として正常な燃焼を維持させるように燃料を供給する燃料ポンプや送風機の制御を変更したり、循環ポンプの制御を変更するため、制御回路の定数を変更して、設定を変更させるなどの方法がとられていた。
【0008】
このような対処方法では、施工時の手間がかかったり、定数設定を間違えたりして、本来の機能を果たさなくなる心配などの課題があった。そこで、従来の石油燃焼機器(特許文献1参照)において、燃焼機器の制御モード設定装置は、記憶手段に燃焼条件を複数記憶させ、高地や延長配管時には、対応する燃焼条件を選択する方法を応用するなどの対応が考えられていた。
【0009】
これらの高地設置や延長配管、循環ポンプの能力切換等における条件の設定は、機器を使用する前の設置時に、設置施工業者か、あるいは使用者が設定を行うのが一般的であった。
【0010】
しかしながら、上記従来の石油温水暖房機等の機器では、制御部に搭載した記憶手段に燃焼部などの制御条件等の制御定数を複数記憶させたものを、機器設置時に設置施工業者か、あるいは使用者が高地設定や延長配管設定、循環ポンプの能力切換等の条件の設定を使用条件に応じて設定スイッチ等を選択して行っているので、高地設定や延長配管設定の方法が、機種毎に異なっていたり、設定方法を記載した工事説明書や取扱説明書を紛失した場合は、作業内容が不明確となり、手間がかかるとともに、間違った設定を行う心配があった。
【0011】
そのため設定できる内容も、細かく設定することが難しく、設置条件にあった最適な設定ができない場合もあった。そして、万一、設定を間違うと正常な燃焼状態を維持できなくなり、黄火燃焼でススが発生したり、不完全燃焼で機器が停止するといった不具合が発生する恐れもあった。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−324735号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、高地設定や延長配管設定等の設置及び使用環境に対応した機器使用の設定が簡単に行えるようにし、設置の省施工化を図るとともに安全に使用できる石油燃焼機器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、燃焼部と、前記燃焼部等を制御する機器制御部と、機器と別に設け、運転の入/切や運転条件等を設定する遠隔制御手段としてのリモコンと、前記リモコンに設けたリモコン制御部とを備え、前記機器制御部は、前記燃焼部等の制御条件や使用条件に対応する機器設定データを記憶する機器設定値記憶手段を有し、前記リモコン制御部は、機器の使用条件に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段と、機器設定データを含むホームページ情報を受信する受信手段と、前記受信手段から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段へ記憶させる受信データ設定手段と、リモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御部へ送信する送信手段を有した構成としてある。
【0015】
上記手段によれば、リモコン制御手段は機器の設置及び使用条件等の環境に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段を有し、リモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御手段へ送信して、機器の機器設定値記憶手段に機器設定データを記憶させるので、使用条件に応じた、例えば高地設定や延長配管設定、循環ポンプの能力切換等の設定値をリモコン単独で設定できるようになり、設置時に設定を行う必要がなくなり、事前に設定ができるなど、施工性を向上できるとともに、安全性やメンテナンス性も向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記した本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成できるので、以下には各請求項の構成にその構成による作用効果を併記し、併せて請求項記載の構成のうち説明を必要とする特定用語については詳細な説明を加えて、本発明における実施の形態の説明とする。
【0017】
請求項1記載に係る発明は、燃焼部と、燃焼部等を制御する機器制御部と、機器と別に設け、運転の入/切や運転条件等を設定するリモコンと、リモコンに設けたリモコン制御部とを備え、機器制御部は、燃焼部等の制御条件や使用条件に対応する機器設定データを記憶する機器設定値記憶手段を有し、リモコン制御部は、機器の使用条件に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段と、機器設定データを含むホームページ情報を受信する受信手段と、受信手段から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段へ記憶させる受信データ設定手段と、リモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御部へ送信する送信手段を有した構成としてある。
【0018】
上記実施の形態によれば、リモコン制御部は機器の使用条件等に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段を有し、リモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御部へ送信手段により送信して、機器の機器設定値記憶手段に機器設定データを記憶させるので、使用条件に応じた高地設定や延長配管設定、循環ポンプの能力切換等の代表設定値をリモコン単独で設定できるようになり、設置時に設定を行う必要がなくなり、事前に設定ができるなど、施工性が向上するとともに、安全性やメンテナンス性も向上する。
【0019】
例えば、高地地域に使用する機器は、その設定を設置施工業者か、あるいは使用者がしなくてもいいように、予め高地使用に応じた機器設定データをリモコン設定値記憶手段に記憶させたリモコンを出荷することで、設置時に高地設定を行う必要がなくなり、施工性が向上するとともに、間違った設定もされる心配もなくなり、安全性も向上する。
【0020】
また、何らかの理由でメンテナンス時に初期設定から燃焼部等の制御条件等の機器設定データを変更する場合、例えば、何らかの理由で部品を追加して負荷が変化するなどの場合に、部品と一緒に、変更する機器設定データをリモコン設定値記憶手段に記憶させたリモコンを出荷することで対応ができるようになり、機器の入れ替えが不要となり、メンテナンス性が向上する。
【0021】
さらに、リモコン制御部は機器設定データを含むホームページ情報を受信するための受信手段から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段へ記憶させるようにしてあるので、機器の燃焼部などの制御条件等の機器設定データを設置施工業者か、あるいは使用者がホームページ情報を受信して得られるようになるので、より詳細な機器設定データを得ることができるようになり、安全性やメンテナンス性も向上する。
【0022】
また、請求項2記載に係る発明は、請求項1記載の石油燃焼機器にあって、リモコンは、少なくとも複数の機器設定データの中から機器の使用条件等に対応する機器設定データか、あるいはその内容を示す代表値のどちらか一方を表示する設定表示手段を配設した構成としてある。
【0023】
上記実施の形態によれば、リモコンの設定表示手段により複数の機器設定データの中から機器の使用条件等に対応する機器設定データか、その内容を示す代表値のどちらか、あるいは両方とも表示できるので、予め機器設定データあるいは代表設定値を設定したリモコンを出荷することで、設置施工業者か、あるいは使用者が制御条件等を設定する必要がなくなり、施工性等が向上するのはもちろん、仮に流通段階で取り違えるなど、何らかの理由で設定の異なるリモコンが供給されても、設置施工業者、あるいは使用者で確認ができるようになり、安全性が向上する。
【0024】
例えば、リモコンに機器の使用条件等に対応する内容として「高地1000m以上用」といったラベルをリモコンに貼り付けることで、設置施工業者か、あるいは使用者でも判断できるようになり、間違ったリモコンの使用を防止でき、安全性が向上する。
【0025】
また、リモコンに機器設定データとその内容を表示する液晶表示を設けることで、リモコンの定数設定手段で、液晶表示を見ながら機器の使用条件等に応じた機器設定データを設定することができるようになるとともに、さらに液晶表示で機器設定データと、その内容を確認できるようになり、リモコン単独で簡単にリモコンの設定ができるようになるとともに、誤使用を防止でき安全性が向上する。
【0026】
また、請求項3記載に係る発明は、請求項1または請求項2記載の石油燃焼機器にあって、リモコン制御部はリモコン設定値記憶手段から機器の使用条件等に対応する機器設定データを、リモコン使用開始時、あるいは所定の動作期間中のみ、機器制御部へ送信する構成としてある。
【0027】
上記実施の形態によれば、リモコン制御部はリモコン使用開始時、あるいは所定動作時のみに、機器制御部へ機器設定データを送信するので、リモコンでの運転条件などの変更も操作に支障なく使用できるとともに、リモコンの電気使用量も抑えることができる。
【0028】
つまり、リモコンで運転の入/切や運転条件などを設定するときに合わせて、機器の使用条件等に対応する機器設定データあるいは機器設定データを毎回送信すると、送信に時間を要し運転条件などの変更に支障をきたしたり、リモコンの電気使用量が増え、電源寿命が短くなるなどの課題を生じるが、通常時は機器設定データを送信しないので、リモコンでの運転条件などの変更も容易で、電源である電池も長く使用することができる。
【0029】
また、請求項4記載に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の石油燃焼機器にあって、リモコン制御部に機器の使用状態や不良履歴データを取得する使用履歴取得手段を設け、取得した機器の使用状態や不良履歴データをリモコン設定値記憶手段に記憶するように構成してある。
【0030】
上記実施の形態によれば、リモコン制御部の使用履歴取得手段により、機器の使用状態や不良履歴データを取得できるので、取得した機器の使用状態や不良履歴データをリモコン設定値記憶手段に記憶し、設置した機器を取り外して修理業者に持ち運ばなくても、リモコンを機器メーカーや修理業者に渡すことで、その場にいかなくても機器メーカーや修理業者が状況を把握できるようになる。
【0031】
そこで、修理が必要でない機器の使用条件等における設定データの変更で対応できる場合は、修正した機器設定データをリモコン設定値記憶手段に記憶させ、使用者にリモコンを返却して、使用者がリモコン設定値記憶手段から機器設定データを機器制御部へ送信することで対応できるようになり、修理性が向上する。
【0032】
また、機器メーカーがリモコンを回収することで、機器の使用条件等の設定データを簡単に収集することができるようにもなる。
【0033】
また、請求項5記載に係る発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の石油燃焼機器にあって、リモコンは、リモコン設定値記憶手段の内容をホームページへ送信する送信手段と、ホームページ情報から機器設定データを受信する受信手段を備え、ホームページを介して機器の各種情報を扱う構成にしてある。
【0034】
上記実施の形態によれば、リモコン制御部の送信手段により、リモコン設定値記憶手段の内容である機器の使用状態や不良履歴データをホームページへ送信し、一方、受信手段によりホームページ情報からそれに応じた機器設定データを取得してリモコン設定値記憶手段に記憶させ、そして、リモコン設定値記憶手段の機器設定データを送信手段により機器制御部へ送信するので、より簡単に機器に応じた最新の機器設定データを得られるようになり、安全性やメンテナンス性も向上する。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を石油燃焼機器である石油温水暖房機の構成を用いて説明する。
【0036】
図1は本発明の一実施例における石油温水暖房機のブロック図、図2は同石油温水暖房機のリモコンの外観図である。
【0037】
図1において、1は燃焼部で、バーナー2と、灯油をバーナー2に供給する燃料ポンプ3と、燃焼空気をバーナー2に送る送風機4で構成してある。
【0038】
5は温水循環部で、循環ポンプ6と、バーナー2で燃焼した熱を温水に伝えるための熱交換器7で構成され、熱交換器(図示せず)を有する放熱器としての室内機8とは往復の温水配管9で接続している。この室内機8は、温水循環部2から送られる温水を熱交換し、室内を暖房するようになっている。
【0039】
10はマイクロコンピュータ及びその周辺回路からなる機器制御部で、燃焼部1に対して最適な燃焼となるよう制御を行うようになっていて、機器制御部10には、書き込み可能な不揮発性メモリーで構成され、燃焼部等の制御条件や使用条件に対応する機器設定データを記憶する機器設定値記憶手段11が配設されている。
【0040】
12は遠隔制御手段としてのリモコンで、このリモコン12を制御するマイクロコンピュータ及びその周辺回路からなり、リモコン使用開始時、あるいは所定動作時のみに、機器制御部10へ機器設定データを送信するリモコン制御部13を備え、このリモコン制御部13には書き込み可能な不揮発性メモリーで構成され、機器の使用条件に対応する複数の機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段14と、該機器の使用状態や不良履歴データを取得する使用履歴取得手段15と、機器設定データを含むホームページの情報を受信するための受信手段16と、リモコン設定値記憶手段14の機器設定データを機器制御部10へ送信する送信手段17と、受信手段16から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段14へ記憶させる受信データ設定手段18とを有し、リモコン設定値記憶手段14は機器の使用条件等に応じた機器設定データを記憶するとともに、受信手段16と送信手段17は、パソコン19や携帯電話20などの通信手段に接続できるようになっている。
【0041】
そして、このリモコン12は、機器のオン/オフや、温水温度の設定の信号を機器制御部10へ送信して、機器の運転条件などを設定するとともに、初めて機器制御部10へ運転条件などを送信手段17により送信したときに、該機器の使用条件等に対応する機器設定データの代表設定値を機器制御部10へ送信するようになっている。
【0042】
21は給排気管で、石油温水暖房機を屋内に設置する場合に、屋外の空気を取り入れ、燃焼後の排気ガスを屋外に放出するために取り付けられる。
【0043】
リモコン12について、図2を用いてさらに説明すると、22は石油温水暖房機の運転を入/切するリモコンの運転スイッチ、23はその運転状態を表示する運転ランプ、24は運転中の温水温度の設定値等を表示する設定表示手段としての液晶表示部、25は温水温度の設定を高くするための「高」スイッチ、26は温水温度の設定を低くするための「低」スイッチ、27はリモコンに貼付された機器の使用条件等に対応する設定表示手段としてのラベル、例えば「高地1000m以上用」といった機器の使用条件等の内容を示す。
【0044】
次に、上記のように構成された石油温水暖房機の動作と作用について説明する。リモコン12の運転スイッチ22をオンすると、運転ランプ23が点灯し、液晶表示部24に温水の設定温度が表示される。運転スイッチ22をオフすると、運転ランプ23が消灯し、液晶表示部24も消灯する。
【0045】
ここで、石油温水暖房機を設置した場合の、機器設定データの設定方法について説明する。まず、設置場所の標高に応じた高地設定を行う場合を説明する。
【0046】
運転スイッチ22はオフのまま、初期設定を行う時以外、不用意に設定を変えてしまわないようにするため「高」スイッチ25を2秒間押し続け、定数設定モードとする。
【0047】
「高」スイッチ25を2秒間押し続けると、液晶表示部24には、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを示す「H0」が表示される。「H0」の意味は、標高が0m以上500m未満で使用する場合の設定である。
【0048】
次に、「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「H5」が表示される。「H5」は、標高が500m以上1000m未満で使用する場合の設定である。
【0049】
さらに「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「HH」が表示される。「HH」は、標高が1000m以上1500m未満で使用する場合の設定である。この実施例では、標高1500m未満で使用する機器として説明しているので、この次、「高」スイッチ25を押せば、液晶表示部24には、「H0」が表示され、もとの設定に戻る。このように、標高に応じた高地設定をリモコン12で行うことができる。
【0050】
例えば、高地設定が「H5」に設定された場合、機器制御部10は、標高が高くなり、空気密度が低くなった分、送風機4の風量を増加させるか、あるいは燃料ポンプ3の吐出量を減少させるようになっている。
【0051】
次に、給排気管18の長さ設定について説明する。石油温水暖房機を屋内に設置した場合、燃焼のための空気を屋外から取り入れ、燃焼の排気ガスを屋外に放出させるための給排気管18を取り付けるが、給排気管18の長さは、設置場所により異なり、給排気管18の長さ設定が必要となる。この給排気管18の長さ設定は高地設定と同様にして設定できる。
【0052】
すなわち、運転スイッチ21はオフのまま、初期設定を行う時以外、不用意に設定を変えてしまわないようにするため「低」スイッチ26を2秒間押し続け、定数設定モードとする。「低」スイッチ26を2秒間押し続けると、液晶表示部24には、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを示す「F0」が表示される。「F0」の意味は、給排気管18の長さが標準のままで使用する場合の設定である。
【0053】
次に、「低」スイッチ26を押すと、液晶表示部24には、「F1」が表示される。「F1」は、給排気管18に延長配管を1mつなげて使用する場合の設定である。さらに「低」スイッチ26を押すと、液晶表示部24には、「F2」が表示される。「F2」は、給排気管18に延長配管を2mつなげて使用する場合の設定である。さらに「低」スイッチ26を押すと、液晶表示部24には、「F10」が表示される。「F10」は、給排気管18に延長配管を10mつなげて使用する場合の設定である。この実施例では、延長配管は10mを限度として使用する機器として説明しているので、この次、「低」スイッチ26を押せば、液晶表示部24には、「F0」が表示され、もとの設定に戻る。このように、給排気管18の長さに応じた設定をリモコン12で行うことができる。
【0054】
例えば、給排気管18の長さ設定が「F2」に設定された場合、延長配管が2m追加されたことによる配管抵抗の増加で送風機4の風量が減少した分を、送風機4の回転数を上げて風量を確保するか、あるいは燃料ポンプ3の吐出量を減少させるようになっている。
【0055】
次に、循環ポンプ6の設定について説明する。石油温水暖房機の温水配管9は、室内機8とつながっている。その温水配管9の長さは、設置された家によって異なる。また、室内機8を何台接続するのかも、家毎に異なる。したがって、循環ポンプ6の能力をその家に適した設定にしなければならず、温水配管9の配管抵抗が大きければ、循環ポンプ6の能力を大きく、つまり、室内機8の設置台数が多くなれば循環ポンプ6の能力を大きく設定しなければならない。循環ポンプ6の能力設定も高地設定と同様にして設定できる。
【0056】
すなわち、運転スイッチ22はオフのまま、初期設定を行う時以外、不用意に設定を変えてしまわないようにするため「高」スイッチ25と「低」スイッチ26を同時に2秒間押し続け、定数設定モードとする。
【0057】
「高」スイッチ25と「低」スイッチ26を同時に2秒間押し続けると、液晶表示部24には、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを示す「P1」が表示される。「P1」の意味は、循環ポンプ6の回転数を1000回転/分で制御する場合の設定である。
【0058】
次に、「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「P2」が表示される。「P2」は、循環ポンプ6の回転数を2000回転/分で制御する場合の設定である。
【0059】
次に、「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「P3」が表示される。「P3」は、循環ポンプ6の回転数を3000回転/分で制御する場合の設定である。
【0060】
次に、「高」スイッチ25を押すと、液晶表示部24には、「P4」が表示される。「P4」は、循環ポンプ6の回転数を4000回転/分で制御する場合の設定である。
【0061】
次に、「低」スイッチ26を押すと、液晶表示部24には、「P1」が表示され、もとの設定に戻る。このように、循環ポンプ6の能力設定をリモコン12で行うことができる。よって、施工時の手間が大幅に削減できる。
【0062】
なお、循環ポンプ6の能力設定は、本実施例では循環ポンプ6の回転数を設定したが、これを実現するためには、回転数を検知して、フィードバック制御が必要であり、他の方法として循環ポンプ6に与える電力を設定する方法、例えば、「P1」設定はフルパワーの1/4、「P2」設定はフルパワーの2/4、「P3」設定はフルパワーの3/4、「P4」設定はフルパワーという形にしてもよい。
【0063】
以上のようにリモコン12で設定した高地設定、給排気管18の長さ設定、循環ポンプ6の能力設定等の機器設定データは、リモコン12を制御するリモコン制御部13のリモコン設定値記憶手段14に記憶され、この記憶された機器設定データはリモコン12の使用開始時に、機器制御部10へ送信され機器設定値記憶手段11に記憶され、これに基づき燃焼部1等の制御がなされるようになっている。
【0064】
なお、機器設定値記憶手段11およびリモコン設定値記憶手段14は、不揮発性メモリーで構成され不揮発性であるため、電源が切られても、そのデータは残るようになっている。
【0065】
次にリモコン12のホームページ情報を用いる機器設定データの設定方法について説明する。
【0066】
リモコン12のリモコン制御部13は、該機器の使用状態や不良履歴データを使用履歴取得手段15で取得して、取得した該機器の使用状態や不良履歴データをリモコン設定値記憶手段14に記憶するようになっている。
【0067】
そして、受信手段16と送信手段17をパソコン19や携帯電話20などの通信手段に接続したのち、リモコン12のリモコン制御部13は、該機器の使用状態や不良履歴データのリモコン設定値記憶手段14の内容をホームページへ送信手段17で送信するとともに、ホームページの情報からそれに応じた機器設定データを受信手段16から取得して、その機器設定データをリモコン設定値記憶手段14に記憶させて、リモコン設定値記憶手段14の機器設定データを機器制御部10へ送信手段17により送信するようになっている。
【0068】
以上のように、リモコン12は複数の機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段14を有し、リモコン12から代表設定値を機器制御部10へ送信する構成としてあるので、使用条件に応じた高地設定や延長配管設定、循環ポンプ6の能力切換等の代表設定値をリモコン12単独で設定できるようになり、設置時に設定を行う必要がなくなり、事前に設定ができるなど、施工性を向上できる。
【0069】
例えば、高地地域に使用する機器は、その設定を設置施工業者か、あるいは使用者がしなくてもいいように、予めリモコン12を高地での使用に応じた機器設定データをリモコン設定値記憶手段14に記憶させて出荷することで、設置時に高地設定を行う必要がなくなり、施工性を向上させることができるとともに、間違った設定が行われる心配もなくなり、安全性も向上できる。
【0070】
これは、機器本体側で高地地域に使用する機器を準備すると、容積や重量が重たくなるため、管理が大変で実現性に乏しいが、小さなリモコン12で準備するのは簡単であり、そのメリットが生かせる利点がある。
【0071】
また、何らかの理由でメンテナンス時に初期設定から燃焼部1などの制御条件等の機器設定データを変更する場合、例えば何らかの理由で部品を追加して負荷が変化するなどの場合に、部品と一緒に、変更する機器設定データをリモコン設定値記憶手段14に記憶させたリモコン12を出荷することで対応ができるようになり、該機器の入れ替え等が不要となり、メンテナンス性を向上できる。
【0072】
そして、予め機器設定データを設定したリモコン12を出荷することで、設置施工業者か、あるいは使用者が制御条件等を設定する必要がなくなり、施工性等を向上できるのはもちろん、流通段階で取り違えるなど、何らかの理由で、設定の異なるリモコン12が供給されても、リモコン12に複数の機器設定データの中から該機器の使用条件等に対応する機器設定データの内容として表示する設定表示手段、本実施例では「高地1000m以上用」といった該機器の使用条件を示すラベル27を配設した構成としてあるので、設置施工業者かあるいは使用者でも確認ができるようになり、間違ったリモコン12の使用を防止でき、安全性が向上できる。
【0073】
またそれに加え、リモコン12に機器設定データとその内容を表示する液晶表示部24を設けることで、リモコン12の定数設定手段で、液晶表示部24を見ながら該機器の使用条件等に応じた機器設定データを設定することができるようになるとともに、液晶表示部24で機器設定データとその内容を確認できるようになり、リモコン12単独で簡単にリモコン12の設定を行えるようになるともに、リモコン12の代表設定値を確認できるようになるので誤使用を防止でき、安全性を向上できる。
【0074】
また、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを、リモコン12の使用開始時に、機器制御部10へ送信する構成としてあるので、リモコン12での運転条件などの変更も操作に支障なく使用できるとともに、リモコン12の電気使用量も抑えることができる。
【0075】
つまり、リモコン12で運転の入/切や運転条件などを設定するときに合わせて、該機器の使用条件等に対応する機器設定データを毎回送信すると、送信に時間を要し運転条件などの変更に支障をきたしたり、リモコン12の電気使用量が増え、電源としての電池寿命が短くなるなどの課題を生じるが、通常時は機器設定データあるいは機器設定データを送信しないので、リモコン12での運転条件などの変更も容易で、電池も長く使用することができる。
【0076】
さらに、リモコン12のリモコン制御部13は、機器設定データを含むホームページの情報を受信するための受信手段16から得た機器設定データを受信データ設定手段18によリモコン設定値記憶手段14へ記憶させるようにしてあるので、該機器の燃焼部1などの制御条件等の機器設定データを設置施工業者か、あるいは使用者がホームページの情報を受信して得られるようになり、より詳細な機器設定データを得ることができ、安全性やメンテナンス性も向上できる。
【0077】
そして、リモコン12のリモコン制御部13に該機器の使用状態や不良履歴等を取得する使用履歴取得手段15を設けるとともに、取得した該機器の使用状態や不良履歴等をリモコン設定値記憶手段14に記憶するようにした構成としてあるので、設置した機器を取り外さなければ持ち運びできない機器であっても、リモコンを機器メーカーや修理業者に渡すことで、その場にいかなくても機器メーカーや修理業者が予め状況を把握できるようになる。そこで、修理が必要でない該機器の使用条件等における設定データの変更で対応できる場合は、修正した機器設定データをリモコン設定値記憶手段14に記憶させ、そのリモコンを使用者に返却して、使用者がリモコン設定値記憶手段14から機器設定データを機器制御部10へ送信することで対応できるようになり、取扱いとしての修理性を向上できる。
【0078】
また、機器メーカーがリモコン12を回収することで、該機器の使用条件等の設定データを簡単に収集することができるようになる。
【0079】
それに加え、リモコン12のリモコン制御部13はリモコン設定値記憶手段14の内容をホームページへ送信する送信手段17により、該機器の使用状態や不良履歴等をホームページへ送信し、ホームページ情報からそれに応じた機器設定データを受信手段16から取得して、リモコン設定値記憶手段14に記憶させ、そして、リモコン設定値記憶手段14の機器設定データを機器制御部10へ送信するようにしてあるので、より簡単に該機器に応じた最新の機器設定データを得られるようになり、安全性やメンテナンス性を向上できる。
【0080】
なお上記実施例では、定数設定手段をリモコン12のスイッチ類で行うように説明したが、これはリモコン12に個別に設けたスライドスイッチなどで高地設定、給排気管18の長さ設定、循環ポンプ6の能力設定等を行うようにしてもよく、その他各部の構成も本発明の目的を達成する範囲であればその構成はどのようなものであってもよい。また、リモコン12は上記実施例では機器制御部10との通信を有線で行なったが、有線を着脱自在に結線する方法、あるいは無線で行なうようにしても良いものである。
【0081】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、機器の仕様環境に応じた設定をリモコン単独で設定でき、施工性を向上できるとともに、安全性やメンテナンス性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における石油温水暖房機のブロック図
【図2】同石油温水暖房機のリモコンの外観図
【符号の説明】
1 燃焼部
10 機器制御部
11 機器設定値記憶手段
12 リモコン
13 リモコン制御部
14 リモコン設定値記憶手段
15 使用履歴取得手段
16 受信手段
17 送信手段
18 受信データ設定手段
24 液晶表示部(設定表示手段)
27 ラベル(設定表示手段)
Claims (5)
- 燃焼部と、前記燃焼部等を制御する機器制御部と、機器と別に設け、運転の入/切や運転条件等を設定するリモコンと、前記リモコンに設けたリモコン制御部とを備え、前記機器制御部は、前記燃焼部の制御条件や使用条件に対応する機器設定データを記憶する機器設定値記憶手段を有し、前記リモコン制御部は、機器の使用条件に対応する機器設定データを記憶するリモコン設定値記憶手段と、機器設定データを含むホームページ情報を受信する受信手段と、前記受信手段から得た機器設定データをリモコン設定値記憶手段へ記憶させる受信データ設定手段と、前記リモコン設定値記憶手段から機器設定データを前記機器制御部へ送信する送信手段とを備えた石油燃焼機器。
- リモコンは、少なくとも複数の機器設定データの中から機器の使用条件に対応する機器設定データか、あるいはその内容を示す代表値のどちらか一方を表示する設定表示手段を有する請求項1記載の石油燃焼機器。
- リモコン制御部は、リモコン設定値記憶手段から機器の使用条件に対応する機器設定データを、リモコン使用開始時、あるいは所定の動作期間中のみ、機器制御部へ送信するようにした請求項1または請求項2記載の石油燃焼機器。
- リモコン制御部に機器の使用状態や不良履歴データを取得する使用履歴取得手段を設け、取得した機器の使用状態や不良履歴データをリモコン設定値記憶手段に記憶するようにした請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の石油燃焼機器。
- リモコンは、リモコン設定値記憶手段の内容をホームページへ送信する送信手段と、ホームページの情報から機器設定データを受信する受信手段を備え、ホームページを介して機器の各種情報を扱うようにした請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の石油燃焼機器。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006092385A (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Mitsubishi Materials Corp | 電気機器及び該電気機器の仕様設定方法 |
-
2003
- 2003-02-05 JP JP2003028023A patent/JP2004239490A/ja active Pending
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