JP2004239092A - 内燃機関の吸気温度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気温度を最適に制御し、内燃機関の運転状態を最適に保つこと。
【解決手段】内燃機関10の筒内へ送る吸入空気を圧縮する過給機20と、吸入空気を冷却する水冷インタークーラー22と、車両室内35の空気調整を行う空気調整手段と、水冷インタークーラー22と空気調整手段との間で熱交換を行う冷却タンク50、冷却水52、ラジエター30,36と、熱交換の動作を制御するECU60と、を備える。水冷インタークーラー22と空気調整手段との間で熱交換を行うようにしたため、空気調整手段により水冷インタークーラー22を冷却することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】内燃機関10の筒内へ送る吸入空気を圧縮する過給機20と、吸入空気を冷却する水冷インタークーラー22と、車両室内35の空気調整を行う空気調整手段と、水冷インタークーラー22と空気調整手段との間で熱交換を行う冷却タンク50、冷却水52、ラジエター30,36と、熱交換の動作を制御するECU60と、を備える。水冷インタークーラー22と空気調整手段との間で熱交換を行うようにしたため、空気調整手段により水冷インタークーラー22を冷却することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関の吸気温度制御装置に関し、特に、過給機を備えた内燃機関に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
近時においては、機関出力増大のため過給機(ターボチャージャー、スーパーチャージャー)を備えた内燃機関が一般的となっている。過給機を備えた内燃機関では、機関筒内への吸入空気を過給機のコンプレッサによって圧縮するため、吸入空気温度が上昇する。吸入空気温度が上昇すると吸入空気の体積が膨張して筒内への空気の充填効率が低下するため、吸気通路にインタークーラーを設けて吸入空気を冷却することが行われている。
【0003】
インタークーラーとしては空冷式、水冷式のものが一般に用いられている。このうち、水冷式のインタークーラーでは、吸気通路に設けたインタークーラー内に冷却水を循環させることでインタークーラーを冷却している。そして、走行風の当たるラジエターにインタークーラー内の冷却水を通すことで、冷却水を冷却している。
【0004】
一方で、エンジン冷却水温の温度上昇を抑える方法として、特開昭63−170520号公報に記載されているように、エアコン(Air Conditioner)装置を備えた車両において、エアコンの冷媒を利用してエンジン冷却水温の上昇を抑える方法が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−170520号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近時では、過給機の過給圧を大きくして内燃機関の出力をより増大させる傾向にある。過給圧を大きくすることで、小排気量の機関であっても大排気量の機関と同等の出力を発揮させることができ、機関および車両の小型化、軽量化の点でもメリットは大きい。しかしながら、過給圧が上昇すると吸入空気がより圧縮されるため、吸入空気温度の上昇が顕著となる。この場合、内燃機関の仕様によっては吸入空気温度が200℃以上まで急激に上昇することがあり、インタークーラーによる冷却効率を従来に増して高める必要がある。
【0007】
しかしながら、インタークーラーの冷却効率を高めるためにはインタークーラーを大型化する必要があるが、インタークーラーが占有できるスペースは限られているため、大幅な冷却効率の向上は困難である。また、水冷式インタークーラーの場合、インタークーラーの冷却水が循環するラジエターの大型化などが必要となるが、やはりスペース上の制約があり、冷却効率を向上させることは困難である。
【0008】
一方、特開昭63−170520号公報に記載されている方法では、オーバーヒートの防止のためにエンジン冷却水温を大まかに制御することはできるが、これをインタークーラーに適用して吸入空気温度を最適に制御することは困難である。
【0009】
すなわち、吸入空気温度は吸入空気の体積に直接的に影響し、吸入空気温度が上昇すると吸入空気の体積が増加して筒内への実質的な吸入空気量が減少する。このため筒内での燃焼状態が悪化し、出力低下(トルクダウン)、異常燃焼、ノッキング発生、そしてドライバビリティの悪化といった問題が生じる。
【0010】
また、点火時期遅角制御を行う内燃機関では、ノッキングの発生により点火時期が遅角側へ制御されるため、更なる出力低下が生じるという問題がある。更に、点火時期遅角制御により排気ガス温度が上昇するため、これを回避するため燃料噴射量が増加する。これにより燃費が悪化し、更なる出力低下が生じるという弊害が生じる。
【0011】
一方、エンジン冷却水温の変動が機関筒内での燃焼に与える直接的な影響は非常に小さく、エンジン冷却水温が非常に高くなった場合にオーバーヒートの問題が生じるのみである。このように、吸気温度の変動が筒内の燃焼状態に与える影響はエンジン冷却水温の変動が筒内の燃焼状態に与える影響に比べて非常に大きく、吸気温度を制御して筒内の燃焼を最適にするためには、より精度の高い温度制御が必要となる。従って、特開昭63−170520号公報に記載された方法では、オーバーヒートの防止程度のエンジン冷却水温制御は可能であるが、これをインタークーラーによる吸気温度制御に適用することは困難である。
【0012】
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、吸気温度を最適に制御することで内燃機関の運転状態を最適に保つことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記の課題を解決するため、内燃機関の筒内へ送る吸入空気を圧縮する過給手段と、前記吸入空気を冷却する吸気冷却手段と、車両室内の空気調整を行う空気調整手段と、前記吸気冷却手段と前記空気調整手段との間で熱交換を行う熱交換手段と、前記熱交換手段による熱交換の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記吸気冷却手段は第1の冷却水により前記吸入空気を冷却し、前記空気調整手段は所定の冷媒により車両室内の空気調整を行い、前記熱交換手段は、前記第1の冷却水と前記冷媒との間で前記熱交換を行うことを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、前記熱交換手段は、前記第1の冷却水が通る第1のラジエターと前記冷媒が通る第2のラジエターとが内部に配置された冷却タンクと、前記冷却タンク内に満たされた第2の冷却水とを含むことを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、第3の発明において、車両室内及び前記第2のラジエターを通る所定の経路に前記冷媒を循環させるコンプレッサと、前記コンプレッサから送られた冷媒を車両室内へ向かう経路と前記第2のラジエターへ向かう経路へ分配する切換弁と、前記空気調整手段による車両室内の空気調整のオン/オフを切り換える切換スイッチと、を更に備え、前記制御手段は、前記切換スイッチがオフの場合は前記第2のラジエターへ前記冷媒を送り、前記切換スイッチがオンの場合は車両室内及び前記第2のラジエターへ前記冷媒を送るように前記切換弁を制御することを特徴とする。
【0017】
第5の発明は、第3又は第4の発明において、外気温を検出する外気温センサと、前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を調整する流量制御弁と、を更に備え、前記制御手段は、前記外気温センサの検出値に基づいて前記流量制御弁による前記冷媒の流量の調整を行うことを特徴とする。
【0018】
第6の発明は、第5の発明において、前記制御手段は、前記外気温センサの検出値と所定値とを比較する外気温比較手段を含み、前記外気温センサの検出値が前記所定値よりも低い場合は、前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を減少させるように前記流量制御弁を制御することを特徴とする。
【0019】
第7の発明は、第5の発明において、前記第2の冷却水の水温を検出する水温センサを更に備え、前記制御手段は、前記外気温センサ又は前記水温センサの検出値に基づいて前記流量制御弁による前記冷媒の流量の調整を行うことを特徴とする。
【0020】
第8の発明は、第7の発明において、前記制御手段は、前記水温センサの検出値と所定値とを比較する水温比較手段を含み、前記水温センサの検出値が前記所定値よりも低い場合は、前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を減少させるように前記流量制御弁を制御することを特徴とする。
【0021】
第9の発明は、第7の発明において、前記制御手段は、前記外気温センサの検出値が所定の外気温よりも低く、且つ、前記水温センサの検出値が所定の水温よりも低い場合は、前記第2のラジエターへの前記冷媒の流れが停止するように前記流量制御弁を制御することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施形態について説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の吸気温度制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。図1に示すように、内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12の上流側の端部にはエアフィルタ16が設けられている。また、排気通路14の下流側には触媒18が設けられている。
【0024】
エアフィルタ16の下流には過給機(ターボチャージャー)20が配置されている。また、過給機20には排気通路14が導入している。過給機20は、排気通路14を流れる排気ガスによってタービン、コンプレッサを回転させ、吸気通路12を流れる吸入空気を圧縮するものである。
【0025】
過給機20の下流には水冷インタークーラー22が設けられている。また、水冷インタークーラー22の更に下流にはサージタンク25が設けられている。
水冷インタークーラー22は配管24を介してウォータポンプ26、ラジエター28、ラジエター30と接続されている。水冷インタークーラー22内は冷却水(LLC: Long Life Coolant)23で満たされており、冷却水23はウォータポンプ26の作動によって水冷インタークーラー22とラジエター30の間で循環している。なお、ラジエター28には走行風が当てられている。
【0026】
また、本実施形態の吸気温度制御装置は車両室内の空気調整を行う空気調整装置(Air Conditioner)を備えている。空気調整装置は車両の室内35の温度調節、及び除湿を行うものである。空気調整装置は、コンプレッサ32、エバポレータ34、ラジエター36、ラジエター37を有して構成されている。コンプレッサ32、エバポレータ34、ラジエター36,37は配管38によって接続されている。コンプレッサ32の作動により配管38内には図1中の矢印Aの方向に冷媒が循環する。エバポレータ34は室内35に配置されており、循環する冷媒によって室温調整、除湿を行う。また、室内35にはA/C(エアコン)スイッチ58が設けられており、A/Cスイッチ58のオン(ON)/オフ(OFF)状態に基づいて室温調節、除湿が行われる。
【0027】
コンプレッサ32の下流において、配管38には切換弁42が設けられている。切換弁42は電磁弁から構成され、コンプレッサ32からエバポレータ34へ向かう冷媒の流れを必要に応じてラジエター36側へ切り換えるものである。図1に示すように、切換弁42がオン(ON)の場合は、コンプレッサ32から送られた冷媒の全てがラジエター36へ送られる。また、切換弁42がオフ(OFF)の場合はコンプレッサ32から送られた冷媒の一部がラジエター36へ送られ、残りがエバポレータ34へ送られる。このように、切換弁42は、コンプレッサ32から送られた冷媒を必要に応じてエバポレータ34とラジエター36の双方へ分配する3方向弁として機能する。
【0028】
また、ラジエター36の上流には流量制御弁46が設けられている。流量制御弁46は、その開度を変更することでラジエター36へ向かう冷媒の流量を調整する。流量制御弁46を開いている状態では切換弁42から流れてきた冷媒は全てラジエター36へ送られる。流量制御弁46の開度を制御して流路を絞ると、流量制御弁46の開度に応じた量の冷媒がラジエター36へ送られる。
【0029】
そして、図1に示すように、水冷インタークーラー22の冷却水23が循環しているラジエター30と、冷媒が循環しているラジエター36は、ともに冷却タンク50内に配置されている。そして、冷却タンク50内は冷却水52で満たされている。冷却水52はエンジン冷却水とは独立した冷却水であって、低温時の凍結防止、腐食防止などの観点から冷却水23と同様にLLCを用いることが望ましい。冷却タンク50には冷却水52の水温を検出するための水温センサ54が装着されている。
【0030】
また、本実施形態の制御装置はECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60には、コンプレッサ32、切換弁42、流量調整弁46、水温センサ54、及びA/Cスイッチ58に加えて、外気温を検出する外気温センサ56などが接続されている。
【0031】
なお、図1では過給機20としてターボチャージャーを例示しているが、スーパーチャージャーなど他の過給機を備えた内燃機関に適用しても良い。
【0032】
このように構成された本実施形態の吸気温度制御装置において、過給機20によって内燃機関10の筒内への吸入空気が圧縮されると、吸入空気の温度が上昇する。吸入空気は吸気通路12を下流に向かって流れ、水冷インタークーラー22によって冷却される。水冷インタークーラー22内の冷却水23は、電動ウォータポンプ26によってラジエター30へ送られ、冷却タンク50内の冷却水52によって冷却される。そして、冷却水23は電動ウォータポンプ26によって水冷インタークーラー22へ戻される。
【0033】
一方、空気調整装置では、コンプレッサ32の作動によって必要に応じて冷媒がエバポレータ34へ送られる。これにより、室内35の温度が適温に維持され、また室内35の除湿が行われる。ラジエター37には走行風が当てられており、配管38を循環した冷媒はラジエター37を通過する際に走行風によって冷却される。
【0034】
そして、本実施形態の吸気温度制御装置では、空気調整装置の冷媒をラジエター36へ送ることで、冷却タンク50内の冷却水52を冷却し、これによりラジエター30内を循環する冷却水23を冷却する。すなわち、本実施形態の構成によれば、冷却水52を介してラジエター30とラジエター36の間で熱交換が行われ、冷却タンク50、冷却水52及びラジエター30,36が熱交換器として機能する。これにより、水冷インタークーラー22内の冷却水23の温度上昇を抑えることができ、冷却水23を常に最適な温度に維持することができる。従って、過給機20によって高過給圧がかけられ、吸入空気が大幅に圧縮された場合であっても、冷却水23の水温上昇を抑えることができ、水冷インタークーラー22による吸気冷却を確実に行うことができる。
【0035】
また、冷却水52の入った冷却タンク50内に比較的大きな2つのラジエター30,36を配置したため、ラジエター36によってラジエター30の熱を確実に奪うことが可能となり、ラジエター30とラジエター36の間で確実に熱交換を行うことができる。
【0036】
そして、本実施形態では、吸気温度を高い精度で制御するため、環境条件、運転状態、空気調整装置の稼動状態などの各種条件に応じて冷却タンク50内へ送る冷媒量を制御するようにしている。
【0037】
例えば、過給状態の走行が高い頻度で行われる状況下では、吸気温度が急激に上昇することが想定されるため、冷却タンク50内により多くの冷媒を流入させて水冷インタークーラー22の冷却効率を高めることが望ましい。一方、過給状態の走行が殆ど行われない場合、例えば外気温が低くて路面が凍結しているような状況下では、水冷インタークーラー22内の冷却水23の温度はそれほど上昇しない。従って、この場合は吸気通路12が過冷却されないように、冷却タンク50内に導入する冷媒量を抑えることが望ましい。
【0038】
また、室内35用に空気調整装置が稼動していない場合、すなわち、A/Cスイッチ58がオフの場合は、室内35の空気調整用に冷媒を使用する必要がないため、水冷インタークーラー22の冷却効率をより高める制御が可能となる。一方、A/Cスイッチ58がオンの場合は、室内35の空気調整と吸気冷却を同時に行う必要も生じる。更に、冷却タンク50内の冷却水52の温度が既に低温である場合は、冷却タンク50内に冷媒を導入する必要がない場合もある。
【0039】
このように、外気温、A/Cスイッチ58の状態、冷却水52の温度、などの条件に応じて冷却タンク50内への冷媒の導入量を制御することで、吸気温度をより最適に制御することが可能となる。このため、本実施形態では、コンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46などの冷媒の循環に関わる各構成要素の作動状態を制御し、冷却タンク50内へ導入する冷媒量が最適となるように制御を行う。
【0040】
以下、本実施形態の吸気温度制御装置による具体的な制御の方法を説明する。図2及び図3は外気温、冷却水52の水温、A/Cスイッチ58の各状態に応じて、コンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46を制御する方法を示す模式図である。ここで、図2は外気温、冷却水52の水温、A/Cスイッチ58の状態がそれぞれ異なる8つのケース▲1▼〜▲8▼を示しており、図3は、ケース▲1▼〜▲8▼毎のコンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46の制御方法と、冷媒による冷却タンク50の冷却状態を示している。
【0041】
図2において、ケース▲1▼,▲2▼は外気温が5℃以上、且つ、冷却水52の水温が15℃以上の場合である。更に、ケース▲1▼はA/Cスイッチ58がオフの場合であり、ケース▲2▼はA/Cスイッチ58がオンの場合である。
【0042】
また、ケース▲3▼,▲4▼は外気温が5℃以上、冷却水52の水温が15℃未満の場合である。更に、ケース▲3▼はA/Cスイッチ58がオフの場合であり、ケース▲4▼はA/Cスイッチ58がオンの場合である。
【0043】
また、ケース▲5▼,▲6▼は外気温が5℃未満、冷却水52の水温が15℃未満の場合である。更に、ケース▲5▼はA/Cスイッチ58がオフの場合であり、ケース▲6▼はA/Cスイッチ58がオンの場合である。
【0044】
また、ケース▲7▼,▲8▼は外気温が5℃未満、冷却水52の水温が15℃以上の場合である。更に、ケース▲7▼はA/Cスイッチ58がオフの場合であり、ケース▲8▼はA/Cスイッチ58がオンの場合である。
【0045】
ECU60は、5℃をしきい値として外気温が5℃以上であるか否かを判定し、また、15℃をしきい値として冷却水52の水温が15℃以上であるか否かを判定する。また、A/Cスイッチ58についてはオン又はオフの状態を判定する。そして、ECU60は判定の結果に基づいてケース▲1▼〜▲8▼への当てはめを行い、図3に示すように各ケース▲1▼〜▲8▼毎にコンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46の制御を行う。なお、外気温は外気温センサ56から、冷却水52の水温は水温センサ54からそれぞれ検出する。
【0046】
ケース▲1▼〜▲4▼のように、外気温が5℃以上の場合は、気温が比較的高く路面凍結などの心配がないため、過給状態の走行が行われる可能性が高い状況といえる。このため、高過給圧により吸入空気が圧縮された場合など水冷インタークーラー22内の冷却水23の温度が急激に上昇する場合が想定される。従って、図3に示すように、コンプレッサ32をオンにして冷媒を配管38内に循環させ、冷却タンク50へ冷媒を導入する。
【0047】
特に、ケース▲1▼,▲2▼では、冷却タンク50内の冷却水52の温度が既に15℃以上であるため、より多くの冷媒を冷却タンク50内へ導入しておかないと、更なる過給様態走行により冷却水23の水温が上昇してしまう。従って、図3に示すように、流量制御弁46を完全に開いてコンプレッサ32側から送られてきた冷媒をそのままラジエター36へ送るようにする。これにより、多量の冷媒をラジエター36に送ることができ、冷却水52の温度を低温に維持しておくことが可能となり、吸気温度を確実に低下させることができる。
【0048】
また、ケース▲1▼の場合は、A/Cスイッチ58がオフであるため、室内35の空気調整用に冷媒を使用する必要がない。従って、図3に示すように、ECU60は切換弁42をオンに設定し、コンプレッサ32から送られた冷媒をエバポレータ34へ送ることなく直接ラジエター36へ送る。これにより、冷却タンク50内の冷却水52の温度を確実に低温に維持できる。そして、過給状態の走行が継続して行われた場合であっても、水冷インタークーラー22内の冷却水23の温度が上昇してしまうことを抑止でき、吸気冷却を確実に行うことができる。
【0049】
一方、ケース▲2▼ではA/Cスイッチ58がオンであるため、室内35の空気調整用としてエバポレータ34に冷媒を供給する必要がある。従って、図3に示すように、ECU60はコンプレッサ32をケース▲1▼と同様にオンに設定し、切換弁42をオフに切り換える。これにより、コンプレッサ32から送られた冷媒がエバポレータ34とラジエター36の双方へ供給されることとなる。従って、冷媒による室内35の空気調整と、水冷インタークーラー22の冷却とを同時に行うことができ、室内快適性を犠牲にすることなく吸気冷却を行うことが可能となる。また、図3に示すように、ケース▲2▼の場合は流量制御弁46の開度を制御し、ラジエター36へ向かう冷媒量を減少させる。これにより、コンプレッサ32からエバポレータ34へ向かって確実に冷媒を送り込むことが可能となる。
【0050】
このように、ケース▲1▼,▲2▼では過給状態の走行が行われる可能性が高い状況であり、且つ、冷却タンク50内の冷却水52の水温が15℃以上と比較的高いため、積極的に冷媒を冷却タンク50内へ導入することによって、冷却タンク50を冷却状態にしておく。これにより、吸入空気に高過給圧がかけられた場合であっても、吸入空気を確実に冷却することができる。
【0051】
ケース▲3▼,▲4▼では冷却水52の温度が15℃未満であるため、冷却水52を過度に冷却する必要はない。しかし、冷却水52の温度が低い場合であっても、高過給圧がかけられると吸気温度は瞬時に上昇してしまうため、過給状態走行に備えて冷却タンク50の冷却を継続しておく必要がある。このため、ケース▲3▼,▲4▼では、図3に示すようにコンプレッサ32をオンにして冷媒を配管38内に循環させるとともに、流量制御弁46の開度を制御して流量制御弁46を適度な開度で開いておく。これにより、必要量の冷媒をラジエター36へ送ることができる。このように、冷却水52の水温が低い場合であっても冷却タンク50内へ所定量の冷媒を導入して冷却待機状態としておくことで、予め水冷インタークーラー22内の冷却水23を低温に維持しておくことができ、高過給圧がかかった場合の一時的な吸気温度上昇を抑えることができる。そして、冷却水52の温度が15℃以上となった場合に、流量制御弁46を開き、ケース▲1▼,▲2▼と同様にラジエター36への冷媒の流量を増加させるようにする。
【0052】
また、ケース▲3▼の場合は、A/Cスイッチ58がオフであるため、ケース▲1▼の場合と同様、エバポレータ34へ冷媒を送る必要はない。従って、切換弁42をオンにし、コンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36へ直接送り込む。ケース▲4▼の場合はA/Cスイッチ58がオンであるため、切換弁42をオフにして冷媒をエバポレータ34とラジエター36の双方へ供給する。また、図3に示すように、ケース▲4▼の場合は流量制御弁46の開度を制御し、ラジエター36へ向かう冷媒量を減少させる。これにより、コンプレッサ32からエバポレータ34へ向かって確実に冷媒を送り込むことが可能となる。なお、ケース▲3▼の冷却待機の状態では、流量制御弁46を完全に開いておいても良い。
【0053】
このように、ケース▲3▼,▲4▼では、過給状態走行が行われることを予め想定して、所定量の冷媒をラジエター36に流して冷却待機状態としておくことで、高過給圧がかかった場合の瞬間的な吸気温度上昇を抑えることができる。なお、冷却タンク50へ導入する冷媒量を減らすためには、流量制御弁46を用いることなく、コンプレッサ32のオン/オフを切り換える制御で代用することも可能であるが、内燃機関10の負荷が変動してドライバビリティが悪化するため、本実施形態のように流量制御弁46で制御することが望ましい。
【0054】
ケース▲5▼,▲6▼では、外気温が5℃未満であるため、冬場の路面凍結時などの状況が想定される。このような状況下では過給状態の走行が行われる可能性は低いため、吸入空気の温度が急激に上昇することは殆どないと考えられる。また、このような環境下では、吸気冷却をして機関出力を増大させる必要性は低い。更に、ケース▲5▼,▲6▼では冷却水52の温度が既に15℃未満と比較的低温であり、特に冬場の低温時には、吸入空気を過冷却すると吸気通路12に結露が生じる場合があり、機関停止後に結露が凍結するため好ましくない。従って、ケース▲5▼,▲6▼の場合は冷却タンク50への冷媒の供給を停止する制御を行う。
【0055】
ケース▲5▼ではA/Cスイッチ58がオフ(OFF)であるため、コンプレッサ32をオフにする。これにより、配管38内における冷媒の循環が停止し、冷却タンク50への冷媒の導入が停止される。この場合、切換弁42、流量制御弁46の設定に関わらず冷却タンク50への冷媒の導入が停止されるため、切換弁42、流量制御弁46の設定は特に指定しなくても良い。
【0056】
ケース▲6▼のように、外気温が低い(5℃未満)場合であっても室温調節、除湿のために、A/Cスイッチ58がオンに設定される場合がある。例えば冬場の室内35の除湿時などがケース▲6▼に該当する。この場合はコンプレッサ32をオンにして冷媒を循環させ、切換弁42をオフにしてエバポレータ34に冷媒を供給する。これにより、室内35の除湿を行うことができる。
【0057】
また、外気温が低い状態で除湿を行うのは主として冬の降雨、降雪時であり、吸入空気の湿度が高い状態である。従って、ケース▲6▼では吸気通路12に結露が生じ易い状態となっている。このため、ECU60は流量制御弁46を閉じ、ラジエター36への冷媒の流れを停止させる。これにより、吸気通路12の過冷却を抑え、吸気通路12に結露が生じたり、結露が凍結してしまうことを抑止できる。
【0058】
このように、ケース▲5▼,▲6▼では外気温が低温で過給状態走行が行われる可能性が低く、冷却タンク50の冷却水52の温度も低いため、吸気温度の急激な上昇は殆ど生じないものとして冷却タンク50への冷媒の導入を停止させる。これにより、吸気通路12の過冷却を抑えることができ、結露の発生及び凍結を抑止できる。また、ケース▲5▼ではコンプレッサ32をオフにしているため、燃費の向上、機関出力増大に寄与できる。また、ケース▲6▼では室内35の空気調整を行うとともに、吸気通路12の過冷却を抑止できる。
【0059】
ケース▲7▼,▲8▼では、外気温が5℃未満であるため、やはり冬場の路面凍結時などの状況が想定され、過給状態の走行が行われる可能性は低く、吸入空気の温度が急激に上昇することは殆どないと考えられる。しかし、ケース▲5▼,▲6▼の場合と異なり、冷却水52の温度が15℃以上と比較的高いため、図3に示すようにコンプレッサ32をオンにして冷媒を配管38内に循環させるとともに、流量制御弁46の開度を制御して流量制御弁46を適度な開度で開いておく。これにより、冷却水52を冷却するために必要な量の冷媒をラジエター36へ送ることができ、冷却水52の温度を下げることができる。冷却水52の温度が15℃未満に低下した後、ケース▲5▼,▲6▼と同様の制御を行う。
【0060】
また、ケース▲7▼の場合は、A/Cスイッチ58がオフであるためエバポレータ34へ冷媒を送る必要はない。従って、切換弁42をオンにし、コンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36へ直接送り込む。ケース▲8▼は、ケース▲6▼と同様に冬場の室内35の除湿時などの場合が想定される。従って、切換弁42をオフにしてエバポレータ34とラジエター36の双方に冷媒を供給する。なお、ケース▲7▼,▲8▼においては、冷却水52の温度を判定するしきい値を更に設定しておき、冷却水52の温度が例えばエンジン冷却水温と同等以上の温度まで上昇している場合は、過給走行性能を維持するため、流量制御弁46を完全に開いて冷却水52への冷却効率を高めるようにしても良い。また、ケース▲7▼,▲8▼で過給走行性能を常に維持したい場合は、流量制御弁46を全開状態として冷却水52への冷却効率を高めても良い。
【0061】
なお、図2の例では、外気温5℃をしきい値として過給状態の走行が行われる可能性を判別しているが、5℃以外の所定温度をしきい値として判定しても良い。同様に、冷却水52の水温15℃をしきい値として冷却タンク50への冷却状態/冷却待機状態を切り換えることとしているが、15℃以外の所定温度をしきい値として冷却状態/冷却待機状態を切り換えても良い。
【0062】
次に、図4のフローチャートに基づいて、上述した本実施形態の吸気温度制御装置による処理手順を説明する。先ず、ステップS1では、外気温センサ56の検出値から、外気温が5℃以上であるか否かを判定する。外気温が5℃以上の場合は上述したケース▲1▼〜▲4▼の場合であり、ステップS2へ進んでコンプレッサ32をオンにする。
【0063】
次のステップS3では、水温センサ54の検出値から冷却タンク50内の冷却水52の水温が15℃以上であるか否かを判定する。冷却水52の温度が15℃以上の場合はケース▲1▼,▲2▼の場合であり、ステップS4へ進んでA/Cスイッチ58がオンであるか否かを判定する。A/Cスイッチ58がオフのときはケース▲1▼の場合であり、ステップS5へ進んで切換弁42をオンに設定し、流量制御弁46を開く。これにより、コンプレッサ32から送られた冷媒が全てラジエター36へ流れ、冷却タンク50が冷却状態となる。ステップS4でA/Cスイッチ58がオンのときはケース▲2▼の場合であり、ステップS6へ進んで切換弁42をオフに設定し、流量制御弁46の開度を調整する。これにより、エバポレータ34とラジエター36の双方に冷媒が送られ、室内35の空気調整と冷却タンク50の冷却が行われる。
【0064】
一方、ステップS3で冷却水52の温度が15℃未満の場合はケース▲3▼,▲4▼の場合であり、ステップS7へ進んでA/Cスイッチ58がオンであるか否かを判定する。A/Cスイッチ58がオフのときはケース▲3▼の場合であり、ステップS8へ進んで切換弁42をオンにし、流量制御弁46を適切な開度で開く。これにより、冷却タンク50へ必要量の冷媒が送られ、冷却タンク50が冷却待機の状態となる。ステップS7でA/Cスイッチ58がオンのときはケース▲4▼の場合であり、ステップS9へ進んで切換弁42をオフにし、流量制御弁46を適切な開度で開く。これにより、エバポレータ34へ冷媒が送られるとともに冷却タンク50へ必要量の冷媒が送られ、冷却タンク50が冷却待機の状態となる。
【0065】
ステップS1で外気温が5℃未満の場合は、ステップS11へ進み、水温センサ54の検出値から冷却タンク50内の冷却水52の水温が15℃以上であるか否かを判定する。冷却水52の温度が15℃以上の場合はケース▲7▼,▲8▼の場合であり、ステップS12へ進んでA/Cスイッチ58がオンしているか否かを判定する。ステップS12でA/Cスイッチ58がオフの場合はケース▲7▼の場合であり、ステップS13へ進んでコンプレッサ32をオン、切換弁42をオンにし、流量制御弁46の開度を制御する。ステップS12でA/Cスイッチ58がオンの場合はケース▲8▼の場合であり、ステップS14へ進んでコンプレッサ32をオン、切換弁42をオフにし、流量制御弁46の開度を制御する。
【0066】
一方、ステップS11で冷却水52の温度が15℃未満の場合はケース▲5▼,▲6▼に該当し、ステップS15へ進んでA/Cスイッチ58がオンしているか否かを判定する。ステップS15でA/Cスイッチ58がオフのときはケース▲5▼の場合であり、ステップS16へ進んでコンプレッサ32をオフにする。これにより、冷却タンク50への冷媒の導入が停止される。ステップS15でA/Cスイッチ58がオンのときはケース▲6▼の場合であり、ステップS17へ進んでコンプレッサ32をオンにし、切換弁42をオフにし、流量制御弁46を閉じる。これにより、冷媒による室内35の除湿が行われ、且つ、冷却タンク50への冷媒の導入が停止される。
【0067】
以上説明したように実施の形態1によれば、空気調整装置の冷媒を用いて水冷インタークーラー22の冷却水23を冷却し、且つ、外気温、冷却タンク50内の冷却水52の水温、A/Cスイッチ58の状態に応じてコンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46の設定を変更するようにしたため、水冷インタークーラー22の冷却水23の水温を常に最適に保つことが可能となる。従って、過給機20による圧縮で吸気温度が上昇した場合であっても、水冷インタークーラー22によって確実に吸気温度を低下させることができる。これにより、筒内への吸入空気の充填効率を高めて燃焼状態を良好にすることができ、機関出力向上、燃費向上を達成することが可能となる。また、吸気温度を確実に低下させることができるため、ノッキングの発生を抑止することが可能となり、ドライバビリティを良好にすることができる。
【0068】
また、過給がかかっていない低回転時であっても安定して吸気冷却を行うことができるため、特に高負荷、低回転時のノッキング発生を抑止することができる。これにより、過給機付きエンジンの圧縮比をより高めることが可能となり、レスポンス向上、燃費改善などの効果を得ることもできる。
【0069】
実施の形態2.
次に、図5及び図6に基づいて、この発明の実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2にかかる内燃機関の吸気温度制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。図5に示すように、実施の形態2にかかる吸気温度制御装置では、流量制御弁46の位置が実施の形態1と相違しており、その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0070】
上述したように、実施の形態1では、A/Cスイッチ58がオンの場合、ラジエター36の上流に配置した流量制御弁46を制御して、ラジエター36へ向かう冷媒量を減少させ、確実にエバポレータ34へ冷媒を送るようにしている。
【0071】
実施の形態2では、エバポレータ34から流れ出た冷媒がコンプレッサ32へ戻る経路に流量制御弁46を設けている。そして、エバポレータ34の下流に配置した流量制御弁46を制御して、エバポレータ34を通過する冷媒量を調節するようにしている。
【0072】
これにより、切換弁42をオフにして冷媒を分流させた場合に、エバポレータ34を流れる冷媒量を制御することができ、ラジエター36へ向かう冷媒の量をより増大させる制御が可能となる。従って、実施の形態2によれば、室内35の空気調整よりも水冷インタークーラー22の冷却を優先した制御を行うことが可能となり、水冷インタークーラー22の冷却水23の温度上昇を確実に抑えることができる。
【0073】
図6は、図3と同様に、図2に示すケース▲1▼〜▲8▼毎のコンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46の制御方法と、冷媒による冷却タンク50の冷却状態を示している。図6において、コンプレッサ32の制御方法は図3と同様である。以下、図6に基づいて、実施の形態2にかかる吸気温度制御装置による制御を説明する。
【0074】
ケース▲1▼では、冷却タンク50内の冷却水52を冷却する必要があるため、切換弁42をオンにしてコンプレッサ32から送られた冷媒を全てラジエター36側へ送る。これにより、冷媒がラジエター36側に流れて冷却水52を確実に冷却できる。なお、この場合、エバポレータ34には冷媒が流れないため、流量制御弁46による制御は行わなくても良い。
【0075】
ケース▲2▼では、冷却水52を冷却するとともに、室内35の空気調整用としてエバポレータ34側に冷媒を流す必要があるため、切換弁42をオフにしてコンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36側とエバポレータ34側へ分流させる。そして、流量制御弁46の開度を制御する。これにより、エバポレータ34を流れる冷媒量を制御することができ、エバポレータ34を流れる冷媒量を減少させることで、ラジエター36側へより多くの冷媒を流すことも可能となる。
【0076】
ケース▲3▼では、冷却タンク50を冷却待機の状態にしておくため、切換弁42をオンにしてコンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36側へ送る。ケース▲4▼では、冷却水52を冷却するとともに、室内35の空気調整用としてエバポレータ34側に冷媒を流す必要があるため、切換弁42をオフにしてコンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36側とエバポレータ34側へ分流させる。そして、流量制御弁46の開度を制御する。これにより、エバポレータ34を流れる冷媒量を制御して、ラジエター36側へ流れる冷媒量を制御することができる。
【0077】
ケース▲5▼では、ラジエター36及びエバポレータ34へ冷媒を流す必要がないため、実施の形態1と同様にコンプレッサ32をオフにする。ケース▲6▼では、室内35の空気調整用としてエバポレータ34側に冷媒を流す必要があるため、切換弁42をオフし、流量制御弁46を開く。これによりコンプレッサ32から送られた冷媒がエバポレータ34へ流れることとなり、室内35の空気調整を行うことができる。
【0078】
ケース▲7▼では、冷却水52の温度が比較的高く、ラジエター36側へ冷媒を流す必要があり、室内35の空気調整を行う必要がないため、切換弁42をオンにする。この場合、エバポレータ34には冷媒が流れないため、流量制御弁46による制御は特に行わなくても良い。ケース▲8▼では、室内35の空気調整用としてエバポレータ34側に冷媒を流す必要があるため、切換弁42をオフにし、流量制御弁46の開度を制御する。これにより、エバポレータ34を流れる冷媒量を制御することができ、ラジエター36側へ流れる冷媒量を制御することができる。
【0079】
以上説明したように実施の形態2によれば、室内35の空気調整よりも水冷インタークーラー22の冷却を優先した制御を行うことが可能となり、水冷インタークーラー22の冷却水23の温度上昇を確実に抑えることができる。なお、実施の形態2にかかる吸気温度制御装置の処理は、図4と同様に行うことができる。
【0080】
なお、上述の各実施形態では、冷却タンク50内にラジエター30及びラジエター36を配置し、冷却タンク50内を冷却水52で満たすことで熱交換器を構成したが、熱交換の方法はこれに限定されるものではない。例えば、配管24、ラジエター30に直接冷媒を導入して熱交換を行っても良いし、配管24、ラジエター30の周辺に冷媒を循環させて熱交換を行ってもよい。
【0081】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0082】
第1の発明によれば、吸気冷却手段と空気調整手段との間で熱交換を行うようにしたため、空気調整手段により吸気冷却手段を冷却することが可能となる。これにより、過給手段による吸気圧縮で吸気温度が上昇した場合であっても、吸気冷却手段によって確実に吸気温度を低下させることができる。
【0083】
第2の発明によれば、吸気冷却手段の第1の冷却水と空気調整手段の冷媒との間で熱交換を行うようにしたため、空気調整手段の冷媒によって吸気冷却手段の第1の冷却水を冷却することができる。
【0084】
第3の発明によれば、吸気冷却手段の第1の冷却水が通る第1のラジエターと空気調整手段の冷媒が通る第2のラジエターとを冷却タンク内に配置して、冷却タンク内に第2の冷却水を満たすようにしたため、第1のラジエターと第2のラジエターとの間で確実に熱交換を行うことができる。
【0085】
第4の発明によれば、切換スイッチがオンの場合は冷媒を車両室内及び第2のラジエターの双方へ流すことで室内の空気調整と吸気冷却を同時に行うことができ、また、切換スイッチがオフの場合は第2のラジエターに直接冷媒を送ることで吸気冷却効率を高めることができる。
【0086】
第5の発明によれば、外気温に基づいて過給状態走行が行われる度合いを判別でき、外気温センサの検出値に基づいて流量制御弁による第2のラジエターへの冷媒の流量の調整することで、過給状態走行が行われる度合いに応じて吸気温度を制御することが可能となる。
【0087】
第6の発明によれば、外気温センサの検出値が所定値よりも低い場合は、第2のラジエターへの冷媒の流量を減少させるようにしたため、過給状態走行が行われる可能性の低い低温時には冷媒による吸気冷却手段の冷却を待機状態にしておくことができる。
【0088】
第7の発明によれば、外気温センサ又は水温センサの検出値に基づいて流量制御弁による冷媒の流量の調整を行うようにしたため、過給状態走行が行われる度合い、または冷却タンク内の水温に応じて吸気温度を制御することが可能となる。
【0089】
第8の発明によれば、水温センサの検出値が所定の水温よりも低い場合は、第2のラジエターへの冷媒の流量を減少させるようにしたため、冷媒による吸気冷却手段の冷却を待機状態にしておくことができる。
【0090】
第9の発明によれば、外気温センサの検出値が所定の外気温よりも低く、且つ、水温センサの検出値が所定の水温よりも低い場合は、第2のラジエターへの冷媒の流れを停止させるため、吸入空気、吸気通路が過冷却されることを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の吸気温度制御装置及びその周辺の構造を説明するための模式図である。
【図2】外気温、冷却水タンクの水温、A/Cスイッチの各状態を示す模式図である。
【図3】実施の形態1において、外気温、冷却水タンクの水温、A/Cスイッチの各状態に応じて、コンプレッサ、切換弁、流量調整弁を制御する方法を示す模式図である。
【図4】実施の形態1にかかる吸気温度制御装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の吸気温度制御装置及びその周辺の構造を説明するための模式図である。
【図6】実施の形態2において、外気温、冷却水タンクの水温、A/Cスイッチの各状態に応じて、コンプレッサ、切換弁、流量調整弁を制御する方法を示す模式図である。
【符号の説明】
10 内燃機関
20 過給機
22 水冷インタークーラー
23,52 冷却水
30,36 ラジエター
32 コンプレッサ
34 エバポレータ
35 室内
38 配管
40,44 バイパス管
42 切換弁
46 流量制御弁
50 冷却タンク
54 水温センサ
56 外気温センサ
58 A/Cスイッチ
60 ECU
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関の吸気温度制御装置に関し、特に、過給機を備えた内燃機関に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
近時においては、機関出力増大のため過給機(ターボチャージャー、スーパーチャージャー)を備えた内燃機関が一般的となっている。過給機を備えた内燃機関では、機関筒内への吸入空気を過給機のコンプレッサによって圧縮するため、吸入空気温度が上昇する。吸入空気温度が上昇すると吸入空気の体積が膨張して筒内への空気の充填効率が低下するため、吸気通路にインタークーラーを設けて吸入空気を冷却することが行われている。
【0003】
インタークーラーとしては空冷式、水冷式のものが一般に用いられている。このうち、水冷式のインタークーラーでは、吸気通路に設けたインタークーラー内に冷却水を循環させることでインタークーラーを冷却している。そして、走行風の当たるラジエターにインタークーラー内の冷却水を通すことで、冷却水を冷却している。
【0004】
一方で、エンジン冷却水温の温度上昇を抑える方法として、特開昭63−170520号公報に記載されているように、エアコン(Air Conditioner)装置を備えた車両において、エアコンの冷媒を利用してエンジン冷却水温の上昇を抑える方法が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−170520号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近時では、過給機の過給圧を大きくして内燃機関の出力をより増大させる傾向にある。過給圧を大きくすることで、小排気量の機関であっても大排気量の機関と同等の出力を発揮させることができ、機関および車両の小型化、軽量化の点でもメリットは大きい。しかしながら、過給圧が上昇すると吸入空気がより圧縮されるため、吸入空気温度の上昇が顕著となる。この場合、内燃機関の仕様によっては吸入空気温度が200℃以上まで急激に上昇することがあり、インタークーラーによる冷却効率を従来に増して高める必要がある。
【0007】
しかしながら、インタークーラーの冷却効率を高めるためにはインタークーラーを大型化する必要があるが、インタークーラーが占有できるスペースは限られているため、大幅な冷却効率の向上は困難である。また、水冷式インタークーラーの場合、インタークーラーの冷却水が循環するラジエターの大型化などが必要となるが、やはりスペース上の制約があり、冷却効率を向上させることは困難である。
【0008】
一方、特開昭63−170520号公報に記載されている方法では、オーバーヒートの防止のためにエンジン冷却水温を大まかに制御することはできるが、これをインタークーラーに適用して吸入空気温度を最適に制御することは困難である。
【0009】
すなわち、吸入空気温度は吸入空気の体積に直接的に影響し、吸入空気温度が上昇すると吸入空気の体積が増加して筒内への実質的な吸入空気量が減少する。このため筒内での燃焼状態が悪化し、出力低下(トルクダウン)、異常燃焼、ノッキング発生、そしてドライバビリティの悪化といった問題が生じる。
【0010】
また、点火時期遅角制御を行う内燃機関では、ノッキングの発生により点火時期が遅角側へ制御されるため、更なる出力低下が生じるという問題がある。更に、点火時期遅角制御により排気ガス温度が上昇するため、これを回避するため燃料噴射量が増加する。これにより燃費が悪化し、更なる出力低下が生じるという弊害が生じる。
【0011】
一方、エンジン冷却水温の変動が機関筒内での燃焼に与える直接的な影響は非常に小さく、エンジン冷却水温が非常に高くなった場合にオーバーヒートの問題が生じるのみである。このように、吸気温度の変動が筒内の燃焼状態に与える影響はエンジン冷却水温の変動が筒内の燃焼状態に与える影響に比べて非常に大きく、吸気温度を制御して筒内の燃焼を最適にするためには、より精度の高い温度制御が必要となる。従って、特開昭63−170520号公報に記載された方法では、オーバーヒートの防止程度のエンジン冷却水温制御は可能であるが、これをインタークーラーによる吸気温度制御に適用することは困難である。
【0012】
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、吸気温度を最適に制御することで内燃機関の運転状態を最適に保つことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記の課題を解決するため、内燃機関の筒内へ送る吸入空気を圧縮する過給手段と、前記吸入空気を冷却する吸気冷却手段と、車両室内の空気調整を行う空気調整手段と、前記吸気冷却手段と前記空気調整手段との間で熱交換を行う熱交換手段と、前記熱交換手段による熱交換の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記吸気冷却手段は第1の冷却水により前記吸入空気を冷却し、前記空気調整手段は所定の冷媒により車両室内の空気調整を行い、前記熱交換手段は、前記第1の冷却水と前記冷媒との間で前記熱交換を行うことを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、前記熱交換手段は、前記第1の冷却水が通る第1のラジエターと前記冷媒が通る第2のラジエターとが内部に配置された冷却タンクと、前記冷却タンク内に満たされた第2の冷却水とを含むことを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、第3の発明において、車両室内及び前記第2のラジエターを通る所定の経路に前記冷媒を循環させるコンプレッサと、前記コンプレッサから送られた冷媒を車両室内へ向かう経路と前記第2のラジエターへ向かう経路へ分配する切換弁と、前記空気調整手段による車両室内の空気調整のオン/オフを切り換える切換スイッチと、を更に備え、前記制御手段は、前記切換スイッチがオフの場合は前記第2のラジエターへ前記冷媒を送り、前記切換スイッチがオンの場合は車両室内及び前記第2のラジエターへ前記冷媒を送るように前記切換弁を制御することを特徴とする。
【0017】
第5の発明は、第3又は第4の発明において、外気温を検出する外気温センサと、前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を調整する流量制御弁と、を更に備え、前記制御手段は、前記外気温センサの検出値に基づいて前記流量制御弁による前記冷媒の流量の調整を行うことを特徴とする。
【0018】
第6の発明は、第5の発明において、前記制御手段は、前記外気温センサの検出値と所定値とを比較する外気温比較手段を含み、前記外気温センサの検出値が前記所定値よりも低い場合は、前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を減少させるように前記流量制御弁を制御することを特徴とする。
【0019】
第7の発明は、第5の発明において、前記第2の冷却水の水温を検出する水温センサを更に備え、前記制御手段は、前記外気温センサ又は前記水温センサの検出値に基づいて前記流量制御弁による前記冷媒の流量の調整を行うことを特徴とする。
【0020】
第8の発明は、第7の発明において、前記制御手段は、前記水温センサの検出値と所定値とを比較する水温比較手段を含み、前記水温センサの検出値が前記所定値よりも低い場合は、前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を減少させるように前記流量制御弁を制御することを特徴とする。
【0021】
第9の発明は、第7の発明において、前記制御手段は、前記外気温センサの検出値が所定の外気温よりも低く、且つ、前記水温センサの検出値が所定の水温よりも低い場合は、前記第2のラジエターへの前記冷媒の流れが停止するように前記流量制御弁を制御することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施形態について説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の吸気温度制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。図1に示すように、内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12の上流側の端部にはエアフィルタ16が設けられている。また、排気通路14の下流側には触媒18が設けられている。
【0024】
エアフィルタ16の下流には過給機(ターボチャージャー)20が配置されている。また、過給機20には排気通路14が導入している。過給機20は、排気通路14を流れる排気ガスによってタービン、コンプレッサを回転させ、吸気通路12を流れる吸入空気を圧縮するものである。
【0025】
過給機20の下流には水冷インタークーラー22が設けられている。また、水冷インタークーラー22の更に下流にはサージタンク25が設けられている。
水冷インタークーラー22は配管24を介してウォータポンプ26、ラジエター28、ラジエター30と接続されている。水冷インタークーラー22内は冷却水(LLC: Long Life Coolant)23で満たされており、冷却水23はウォータポンプ26の作動によって水冷インタークーラー22とラジエター30の間で循環している。なお、ラジエター28には走行風が当てられている。
【0026】
また、本実施形態の吸気温度制御装置は車両室内の空気調整を行う空気調整装置(Air Conditioner)を備えている。空気調整装置は車両の室内35の温度調節、及び除湿を行うものである。空気調整装置は、コンプレッサ32、エバポレータ34、ラジエター36、ラジエター37を有して構成されている。コンプレッサ32、エバポレータ34、ラジエター36,37は配管38によって接続されている。コンプレッサ32の作動により配管38内には図1中の矢印Aの方向に冷媒が循環する。エバポレータ34は室内35に配置されており、循環する冷媒によって室温調整、除湿を行う。また、室内35にはA/C(エアコン)スイッチ58が設けられており、A/Cスイッチ58のオン(ON)/オフ(OFF)状態に基づいて室温調節、除湿が行われる。
【0027】
コンプレッサ32の下流において、配管38には切換弁42が設けられている。切換弁42は電磁弁から構成され、コンプレッサ32からエバポレータ34へ向かう冷媒の流れを必要に応じてラジエター36側へ切り換えるものである。図1に示すように、切換弁42がオン(ON)の場合は、コンプレッサ32から送られた冷媒の全てがラジエター36へ送られる。また、切換弁42がオフ(OFF)の場合はコンプレッサ32から送られた冷媒の一部がラジエター36へ送られ、残りがエバポレータ34へ送られる。このように、切換弁42は、コンプレッサ32から送られた冷媒を必要に応じてエバポレータ34とラジエター36の双方へ分配する3方向弁として機能する。
【0028】
また、ラジエター36の上流には流量制御弁46が設けられている。流量制御弁46は、その開度を変更することでラジエター36へ向かう冷媒の流量を調整する。流量制御弁46を開いている状態では切換弁42から流れてきた冷媒は全てラジエター36へ送られる。流量制御弁46の開度を制御して流路を絞ると、流量制御弁46の開度に応じた量の冷媒がラジエター36へ送られる。
【0029】
そして、図1に示すように、水冷インタークーラー22の冷却水23が循環しているラジエター30と、冷媒が循環しているラジエター36は、ともに冷却タンク50内に配置されている。そして、冷却タンク50内は冷却水52で満たされている。冷却水52はエンジン冷却水とは独立した冷却水であって、低温時の凍結防止、腐食防止などの観点から冷却水23と同様にLLCを用いることが望ましい。冷却タンク50には冷却水52の水温を検出するための水温センサ54が装着されている。
【0030】
また、本実施形態の制御装置はECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60には、コンプレッサ32、切換弁42、流量調整弁46、水温センサ54、及びA/Cスイッチ58に加えて、外気温を検出する外気温センサ56などが接続されている。
【0031】
なお、図1では過給機20としてターボチャージャーを例示しているが、スーパーチャージャーなど他の過給機を備えた内燃機関に適用しても良い。
【0032】
このように構成された本実施形態の吸気温度制御装置において、過給機20によって内燃機関10の筒内への吸入空気が圧縮されると、吸入空気の温度が上昇する。吸入空気は吸気通路12を下流に向かって流れ、水冷インタークーラー22によって冷却される。水冷インタークーラー22内の冷却水23は、電動ウォータポンプ26によってラジエター30へ送られ、冷却タンク50内の冷却水52によって冷却される。そして、冷却水23は電動ウォータポンプ26によって水冷インタークーラー22へ戻される。
【0033】
一方、空気調整装置では、コンプレッサ32の作動によって必要に応じて冷媒がエバポレータ34へ送られる。これにより、室内35の温度が適温に維持され、また室内35の除湿が行われる。ラジエター37には走行風が当てられており、配管38を循環した冷媒はラジエター37を通過する際に走行風によって冷却される。
【0034】
そして、本実施形態の吸気温度制御装置では、空気調整装置の冷媒をラジエター36へ送ることで、冷却タンク50内の冷却水52を冷却し、これによりラジエター30内を循環する冷却水23を冷却する。すなわち、本実施形態の構成によれば、冷却水52を介してラジエター30とラジエター36の間で熱交換が行われ、冷却タンク50、冷却水52及びラジエター30,36が熱交換器として機能する。これにより、水冷インタークーラー22内の冷却水23の温度上昇を抑えることができ、冷却水23を常に最適な温度に維持することができる。従って、過給機20によって高過給圧がかけられ、吸入空気が大幅に圧縮された場合であっても、冷却水23の水温上昇を抑えることができ、水冷インタークーラー22による吸気冷却を確実に行うことができる。
【0035】
また、冷却水52の入った冷却タンク50内に比較的大きな2つのラジエター30,36を配置したため、ラジエター36によってラジエター30の熱を確実に奪うことが可能となり、ラジエター30とラジエター36の間で確実に熱交換を行うことができる。
【0036】
そして、本実施形態では、吸気温度を高い精度で制御するため、環境条件、運転状態、空気調整装置の稼動状態などの各種条件に応じて冷却タンク50内へ送る冷媒量を制御するようにしている。
【0037】
例えば、過給状態の走行が高い頻度で行われる状況下では、吸気温度が急激に上昇することが想定されるため、冷却タンク50内により多くの冷媒を流入させて水冷インタークーラー22の冷却効率を高めることが望ましい。一方、過給状態の走行が殆ど行われない場合、例えば外気温が低くて路面が凍結しているような状況下では、水冷インタークーラー22内の冷却水23の温度はそれほど上昇しない。従って、この場合は吸気通路12が過冷却されないように、冷却タンク50内に導入する冷媒量を抑えることが望ましい。
【0038】
また、室内35用に空気調整装置が稼動していない場合、すなわち、A/Cスイッチ58がオフの場合は、室内35の空気調整用に冷媒を使用する必要がないため、水冷インタークーラー22の冷却効率をより高める制御が可能となる。一方、A/Cスイッチ58がオンの場合は、室内35の空気調整と吸気冷却を同時に行う必要も生じる。更に、冷却タンク50内の冷却水52の温度が既に低温である場合は、冷却タンク50内に冷媒を導入する必要がない場合もある。
【0039】
このように、外気温、A/Cスイッチ58の状態、冷却水52の温度、などの条件に応じて冷却タンク50内への冷媒の導入量を制御することで、吸気温度をより最適に制御することが可能となる。このため、本実施形態では、コンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46などの冷媒の循環に関わる各構成要素の作動状態を制御し、冷却タンク50内へ導入する冷媒量が最適となるように制御を行う。
【0040】
以下、本実施形態の吸気温度制御装置による具体的な制御の方法を説明する。図2及び図3は外気温、冷却水52の水温、A/Cスイッチ58の各状態に応じて、コンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46を制御する方法を示す模式図である。ここで、図2は外気温、冷却水52の水温、A/Cスイッチ58の状態がそれぞれ異なる8つのケース▲1▼〜▲8▼を示しており、図3は、ケース▲1▼〜▲8▼毎のコンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46の制御方法と、冷媒による冷却タンク50の冷却状態を示している。
【0041】
図2において、ケース▲1▼,▲2▼は外気温が5℃以上、且つ、冷却水52の水温が15℃以上の場合である。更に、ケース▲1▼はA/Cスイッチ58がオフの場合であり、ケース▲2▼はA/Cスイッチ58がオンの場合である。
【0042】
また、ケース▲3▼,▲4▼は外気温が5℃以上、冷却水52の水温が15℃未満の場合である。更に、ケース▲3▼はA/Cスイッチ58がオフの場合であり、ケース▲4▼はA/Cスイッチ58がオンの場合である。
【0043】
また、ケース▲5▼,▲6▼は外気温が5℃未満、冷却水52の水温が15℃未満の場合である。更に、ケース▲5▼はA/Cスイッチ58がオフの場合であり、ケース▲6▼はA/Cスイッチ58がオンの場合である。
【0044】
また、ケース▲7▼,▲8▼は外気温が5℃未満、冷却水52の水温が15℃以上の場合である。更に、ケース▲7▼はA/Cスイッチ58がオフの場合であり、ケース▲8▼はA/Cスイッチ58がオンの場合である。
【0045】
ECU60は、5℃をしきい値として外気温が5℃以上であるか否かを判定し、また、15℃をしきい値として冷却水52の水温が15℃以上であるか否かを判定する。また、A/Cスイッチ58についてはオン又はオフの状態を判定する。そして、ECU60は判定の結果に基づいてケース▲1▼〜▲8▼への当てはめを行い、図3に示すように各ケース▲1▼〜▲8▼毎にコンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46の制御を行う。なお、外気温は外気温センサ56から、冷却水52の水温は水温センサ54からそれぞれ検出する。
【0046】
ケース▲1▼〜▲4▼のように、外気温が5℃以上の場合は、気温が比較的高く路面凍結などの心配がないため、過給状態の走行が行われる可能性が高い状況といえる。このため、高過給圧により吸入空気が圧縮された場合など水冷インタークーラー22内の冷却水23の温度が急激に上昇する場合が想定される。従って、図3に示すように、コンプレッサ32をオンにして冷媒を配管38内に循環させ、冷却タンク50へ冷媒を導入する。
【0047】
特に、ケース▲1▼,▲2▼では、冷却タンク50内の冷却水52の温度が既に15℃以上であるため、より多くの冷媒を冷却タンク50内へ導入しておかないと、更なる過給様態走行により冷却水23の水温が上昇してしまう。従って、図3に示すように、流量制御弁46を完全に開いてコンプレッサ32側から送られてきた冷媒をそのままラジエター36へ送るようにする。これにより、多量の冷媒をラジエター36に送ることができ、冷却水52の温度を低温に維持しておくことが可能となり、吸気温度を確実に低下させることができる。
【0048】
また、ケース▲1▼の場合は、A/Cスイッチ58がオフであるため、室内35の空気調整用に冷媒を使用する必要がない。従って、図3に示すように、ECU60は切換弁42をオンに設定し、コンプレッサ32から送られた冷媒をエバポレータ34へ送ることなく直接ラジエター36へ送る。これにより、冷却タンク50内の冷却水52の温度を確実に低温に維持できる。そして、過給状態の走行が継続して行われた場合であっても、水冷インタークーラー22内の冷却水23の温度が上昇してしまうことを抑止でき、吸気冷却を確実に行うことができる。
【0049】
一方、ケース▲2▼ではA/Cスイッチ58がオンであるため、室内35の空気調整用としてエバポレータ34に冷媒を供給する必要がある。従って、図3に示すように、ECU60はコンプレッサ32をケース▲1▼と同様にオンに設定し、切換弁42をオフに切り換える。これにより、コンプレッサ32から送られた冷媒がエバポレータ34とラジエター36の双方へ供給されることとなる。従って、冷媒による室内35の空気調整と、水冷インタークーラー22の冷却とを同時に行うことができ、室内快適性を犠牲にすることなく吸気冷却を行うことが可能となる。また、図3に示すように、ケース▲2▼の場合は流量制御弁46の開度を制御し、ラジエター36へ向かう冷媒量を減少させる。これにより、コンプレッサ32からエバポレータ34へ向かって確実に冷媒を送り込むことが可能となる。
【0050】
このように、ケース▲1▼,▲2▼では過給状態の走行が行われる可能性が高い状況であり、且つ、冷却タンク50内の冷却水52の水温が15℃以上と比較的高いため、積極的に冷媒を冷却タンク50内へ導入することによって、冷却タンク50を冷却状態にしておく。これにより、吸入空気に高過給圧がかけられた場合であっても、吸入空気を確実に冷却することができる。
【0051】
ケース▲3▼,▲4▼では冷却水52の温度が15℃未満であるため、冷却水52を過度に冷却する必要はない。しかし、冷却水52の温度が低い場合であっても、高過給圧がかけられると吸気温度は瞬時に上昇してしまうため、過給状態走行に備えて冷却タンク50の冷却を継続しておく必要がある。このため、ケース▲3▼,▲4▼では、図3に示すようにコンプレッサ32をオンにして冷媒を配管38内に循環させるとともに、流量制御弁46の開度を制御して流量制御弁46を適度な開度で開いておく。これにより、必要量の冷媒をラジエター36へ送ることができる。このように、冷却水52の水温が低い場合であっても冷却タンク50内へ所定量の冷媒を導入して冷却待機状態としておくことで、予め水冷インタークーラー22内の冷却水23を低温に維持しておくことができ、高過給圧がかかった場合の一時的な吸気温度上昇を抑えることができる。そして、冷却水52の温度が15℃以上となった場合に、流量制御弁46を開き、ケース▲1▼,▲2▼と同様にラジエター36への冷媒の流量を増加させるようにする。
【0052】
また、ケース▲3▼の場合は、A/Cスイッチ58がオフであるため、ケース▲1▼の場合と同様、エバポレータ34へ冷媒を送る必要はない。従って、切換弁42をオンにし、コンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36へ直接送り込む。ケース▲4▼の場合はA/Cスイッチ58がオンであるため、切換弁42をオフにして冷媒をエバポレータ34とラジエター36の双方へ供給する。また、図3に示すように、ケース▲4▼の場合は流量制御弁46の開度を制御し、ラジエター36へ向かう冷媒量を減少させる。これにより、コンプレッサ32からエバポレータ34へ向かって確実に冷媒を送り込むことが可能となる。なお、ケース▲3▼の冷却待機の状態では、流量制御弁46を完全に開いておいても良い。
【0053】
このように、ケース▲3▼,▲4▼では、過給状態走行が行われることを予め想定して、所定量の冷媒をラジエター36に流して冷却待機状態としておくことで、高過給圧がかかった場合の瞬間的な吸気温度上昇を抑えることができる。なお、冷却タンク50へ導入する冷媒量を減らすためには、流量制御弁46を用いることなく、コンプレッサ32のオン/オフを切り換える制御で代用することも可能であるが、内燃機関10の負荷が変動してドライバビリティが悪化するため、本実施形態のように流量制御弁46で制御することが望ましい。
【0054】
ケース▲5▼,▲6▼では、外気温が5℃未満であるため、冬場の路面凍結時などの状況が想定される。このような状況下では過給状態の走行が行われる可能性は低いため、吸入空気の温度が急激に上昇することは殆どないと考えられる。また、このような環境下では、吸気冷却をして機関出力を増大させる必要性は低い。更に、ケース▲5▼,▲6▼では冷却水52の温度が既に15℃未満と比較的低温であり、特に冬場の低温時には、吸入空気を過冷却すると吸気通路12に結露が生じる場合があり、機関停止後に結露が凍結するため好ましくない。従って、ケース▲5▼,▲6▼の場合は冷却タンク50への冷媒の供給を停止する制御を行う。
【0055】
ケース▲5▼ではA/Cスイッチ58がオフ(OFF)であるため、コンプレッサ32をオフにする。これにより、配管38内における冷媒の循環が停止し、冷却タンク50への冷媒の導入が停止される。この場合、切換弁42、流量制御弁46の設定に関わらず冷却タンク50への冷媒の導入が停止されるため、切換弁42、流量制御弁46の設定は特に指定しなくても良い。
【0056】
ケース▲6▼のように、外気温が低い(5℃未満)場合であっても室温調節、除湿のために、A/Cスイッチ58がオンに設定される場合がある。例えば冬場の室内35の除湿時などがケース▲6▼に該当する。この場合はコンプレッサ32をオンにして冷媒を循環させ、切換弁42をオフにしてエバポレータ34に冷媒を供給する。これにより、室内35の除湿を行うことができる。
【0057】
また、外気温が低い状態で除湿を行うのは主として冬の降雨、降雪時であり、吸入空気の湿度が高い状態である。従って、ケース▲6▼では吸気通路12に結露が生じ易い状態となっている。このため、ECU60は流量制御弁46を閉じ、ラジエター36への冷媒の流れを停止させる。これにより、吸気通路12の過冷却を抑え、吸気通路12に結露が生じたり、結露が凍結してしまうことを抑止できる。
【0058】
このように、ケース▲5▼,▲6▼では外気温が低温で過給状態走行が行われる可能性が低く、冷却タンク50の冷却水52の温度も低いため、吸気温度の急激な上昇は殆ど生じないものとして冷却タンク50への冷媒の導入を停止させる。これにより、吸気通路12の過冷却を抑えることができ、結露の発生及び凍結を抑止できる。また、ケース▲5▼ではコンプレッサ32をオフにしているため、燃費の向上、機関出力増大に寄与できる。また、ケース▲6▼では室内35の空気調整を行うとともに、吸気通路12の過冷却を抑止できる。
【0059】
ケース▲7▼,▲8▼では、外気温が5℃未満であるため、やはり冬場の路面凍結時などの状況が想定され、過給状態の走行が行われる可能性は低く、吸入空気の温度が急激に上昇することは殆どないと考えられる。しかし、ケース▲5▼,▲6▼の場合と異なり、冷却水52の温度が15℃以上と比較的高いため、図3に示すようにコンプレッサ32をオンにして冷媒を配管38内に循環させるとともに、流量制御弁46の開度を制御して流量制御弁46を適度な開度で開いておく。これにより、冷却水52を冷却するために必要な量の冷媒をラジエター36へ送ることができ、冷却水52の温度を下げることができる。冷却水52の温度が15℃未満に低下した後、ケース▲5▼,▲6▼と同様の制御を行う。
【0060】
また、ケース▲7▼の場合は、A/Cスイッチ58がオフであるためエバポレータ34へ冷媒を送る必要はない。従って、切換弁42をオンにし、コンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36へ直接送り込む。ケース▲8▼は、ケース▲6▼と同様に冬場の室内35の除湿時などの場合が想定される。従って、切換弁42をオフにしてエバポレータ34とラジエター36の双方に冷媒を供給する。なお、ケース▲7▼,▲8▼においては、冷却水52の温度を判定するしきい値を更に設定しておき、冷却水52の温度が例えばエンジン冷却水温と同等以上の温度まで上昇している場合は、過給走行性能を維持するため、流量制御弁46を完全に開いて冷却水52への冷却効率を高めるようにしても良い。また、ケース▲7▼,▲8▼で過給走行性能を常に維持したい場合は、流量制御弁46を全開状態として冷却水52への冷却効率を高めても良い。
【0061】
なお、図2の例では、外気温5℃をしきい値として過給状態の走行が行われる可能性を判別しているが、5℃以外の所定温度をしきい値として判定しても良い。同様に、冷却水52の水温15℃をしきい値として冷却タンク50への冷却状態/冷却待機状態を切り換えることとしているが、15℃以外の所定温度をしきい値として冷却状態/冷却待機状態を切り換えても良い。
【0062】
次に、図4のフローチャートに基づいて、上述した本実施形態の吸気温度制御装置による処理手順を説明する。先ず、ステップS1では、外気温センサ56の検出値から、外気温が5℃以上であるか否かを判定する。外気温が5℃以上の場合は上述したケース▲1▼〜▲4▼の場合であり、ステップS2へ進んでコンプレッサ32をオンにする。
【0063】
次のステップS3では、水温センサ54の検出値から冷却タンク50内の冷却水52の水温が15℃以上であるか否かを判定する。冷却水52の温度が15℃以上の場合はケース▲1▼,▲2▼の場合であり、ステップS4へ進んでA/Cスイッチ58がオンであるか否かを判定する。A/Cスイッチ58がオフのときはケース▲1▼の場合であり、ステップS5へ進んで切換弁42をオンに設定し、流量制御弁46を開く。これにより、コンプレッサ32から送られた冷媒が全てラジエター36へ流れ、冷却タンク50が冷却状態となる。ステップS4でA/Cスイッチ58がオンのときはケース▲2▼の場合であり、ステップS6へ進んで切換弁42をオフに設定し、流量制御弁46の開度を調整する。これにより、エバポレータ34とラジエター36の双方に冷媒が送られ、室内35の空気調整と冷却タンク50の冷却が行われる。
【0064】
一方、ステップS3で冷却水52の温度が15℃未満の場合はケース▲3▼,▲4▼の場合であり、ステップS7へ進んでA/Cスイッチ58がオンであるか否かを判定する。A/Cスイッチ58がオフのときはケース▲3▼の場合であり、ステップS8へ進んで切換弁42をオンにし、流量制御弁46を適切な開度で開く。これにより、冷却タンク50へ必要量の冷媒が送られ、冷却タンク50が冷却待機の状態となる。ステップS7でA/Cスイッチ58がオンのときはケース▲4▼の場合であり、ステップS9へ進んで切換弁42をオフにし、流量制御弁46を適切な開度で開く。これにより、エバポレータ34へ冷媒が送られるとともに冷却タンク50へ必要量の冷媒が送られ、冷却タンク50が冷却待機の状態となる。
【0065】
ステップS1で外気温が5℃未満の場合は、ステップS11へ進み、水温センサ54の検出値から冷却タンク50内の冷却水52の水温が15℃以上であるか否かを判定する。冷却水52の温度が15℃以上の場合はケース▲7▼,▲8▼の場合であり、ステップS12へ進んでA/Cスイッチ58がオンしているか否かを判定する。ステップS12でA/Cスイッチ58がオフの場合はケース▲7▼の場合であり、ステップS13へ進んでコンプレッサ32をオン、切換弁42をオンにし、流量制御弁46の開度を制御する。ステップS12でA/Cスイッチ58がオンの場合はケース▲8▼の場合であり、ステップS14へ進んでコンプレッサ32をオン、切換弁42をオフにし、流量制御弁46の開度を制御する。
【0066】
一方、ステップS11で冷却水52の温度が15℃未満の場合はケース▲5▼,▲6▼に該当し、ステップS15へ進んでA/Cスイッチ58がオンしているか否かを判定する。ステップS15でA/Cスイッチ58がオフのときはケース▲5▼の場合であり、ステップS16へ進んでコンプレッサ32をオフにする。これにより、冷却タンク50への冷媒の導入が停止される。ステップS15でA/Cスイッチ58がオンのときはケース▲6▼の場合であり、ステップS17へ進んでコンプレッサ32をオンにし、切換弁42をオフにし、流量制御弁46を閉じる。これにより、冷媒による室内35の除湿が行われ、且つ、冷却タンク50への冷媒の導入が停止される。
【0067】
以上説明したように実施の形態1によれば、空気調整装置の冷媒を用いて水冷インタークーラー22の冷却水23を冷却し、且つ、外気温、冷却タンク50内の冷却水52の水温、A/Cスイッチ58の状態に応じてコンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46の設定を変更するようにしたため、水冷インタークーラー22の冷却水23の水温を常に最適に保つことが可能となる。従って、過給機20による圧縮で吸気温度が上昇した場合であっても、水冷インタークーラー22によって確実に吸気温度を低下させることができる。これにより、筒内への吸入空気の充填効率を高めて燃焼状態を良好にすることができ、機関出力向上、燃費向上を達成することが可能となる。また、吸気温度を確実に低下させることができるため、ノッキングの発生を抑止することが可能となり、ドライバビリティを良好にすることができる。
【0068】
また、過給がかかっていない低回転時であっても安定して吸気冷却を行うことができるため、特に高負荷、低回転時のノッキング発生を抑止することができる。これにより、過給機付きエンジンの圧縮比をより高めることが可能となり、レスポンス向上、燃費改善などの効果を得ることもできる。
【0069】
実施の形態2.
次に、図5及び図6に基づいて、この発明の実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2にかかる内燃機関の吸気温度制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。図5に示すように、実施の形態2にかかる吸気温度制御装置では、流量制御弁46の位置が実施の形態1と相違しており、その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0070】
上述したように、実施の形態1では、A/Cスイッチ58がオンの場合、ラジエター36の上流に配置した流量制御弁46を制御して、ラジエター36へ向かう冷媒量を減少させ、確実にエバポレータ34へ冷媒を送るようにしている。
【0071】
実施の形態2では、エバポレータ34から流れ出た冷媒がコンプレッサ32へ戻る経路に流量制御弁46を設けている。そして、エバポレータ34の下流に配置した流量制御弁46を制御して、エバポレータ34を通過する冷媒量を調節するようにしている。
【0072】
これにより、切換弁42をオフにして冷媒を分流させた場合に、エバポレータ34を流れる冷媒量を制御することができ、ラジエター36へ向かう冷媒の量をより増大させる制御が可能となる。従って、実施の形態2によれば、室内35の空気調整よりも水冷インタークーラー22の冷却を優先した制御を行うことが可能となり、水冷インタークーラー22の冷却水23の温度上昇を確実に抑えることができる。
【0073】
図6は、図3と同様に、図2に示すケース▲1▼〜▲8▼毎のコンプレッサ32、切換弁42、流量制御弁46の制御方法と、冷媒による冷却タンク50の冷却状態を示している。図6において、コンプレッサ32の制御方法は図3と同様である。以下、図6に基づいて、実施の形態2にかかる吸気温度制御装置による制御を説明する。
【0074】
ケース▲1▼では、冷却タンク50内の冷却水52を冷却する必要があるため、切換弁42をオンにしてコンプレッサ32から送られた冷媒を全てラジエター36側へ送る。これにより、冷媒がラジエター36側に流れて冷却水52を確実に冷却できる。なお、この場合、エバポレータ34には冷媒が流れないため、流量制御弁46による制御は行わなくても良い。
【0075】
ケース▲2▼では、冷却水52を冷却するとともに、室内35の空気調整用としてエバポレータ34側に冷媒を流す必要があるため、切換弁42をオフにしてコンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36側とエバポレータ34側へ分流させる。そして、流量制御弁46の開度を制御する。これにより、エバポレータ34を流れる冷媒量を制御することができ、エバポレータ34を流れる冷媒量を減少させることで、ラジエター36側へより多くの冷媒を流すことも可能となる。
【0076】
ケース▲3▼では、冷却タンク50を冷却待機の状態にしておくため、切換弁42をオンにしてコンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36側へ送る。ケース▲4▼では、冷却水52を冷却するとともに、室内35の空気調整用としてエバポレータ34側に冷媒を流す必要があるため、切換弁42をオフにしてコンプレッサ32から送られた冷媒をラジエター36側とエバポレータ34側へ分流させる。そして、流量制御弁46の開度を制御する。これにより、エバポレータ34を流れる冷媒量を制御して、ラジエター36側へ流れる冷媒量を制御することができる。
【0077】
ケース▲5▼では、ラジエター36及びエバポレータ34へ冷媒を流す必要がないため、実施の形態1と同様にコンプレッサ32をオフにする。ケース▲6▼では、室内35の空気調整用としてエバポレータ34側に冷媒を流す必要があるため、切換弁42をオフし、流量制御弁46を開く。これによりコンプレッサ32から送られた冷媒がエバポレータ34へ流れることとなり、室内35の空気調整を行うことができる。
【0078】
ケース▲7▼では、冷却水52の温度が比較的高く、ラジエター36側へ冷媒を流す必要があり、室内35の空気調整を行う必要がないため、切換弁42をオンにする。この場合、エバポレータ34には冷媒が流れないため、流量制御弁46による制御は特に行わなくても良い。ケース▲8▼では、室内35の空気調整用としてエバポレータ34側に冷媒を流す必要があるため、切換弁42をオフにし、流量制御弁46の開度を制御する。これにより、エバポレータ34を流れる冷媒量を制御することができ、ラジエター36側へ流れる冷媒量を制御することができる。
【0079】
以上説明したように実施の形態2によれば、室内35の空気調整よりも水冷インタークーラー22の冷却を優先した制御を行うことが可能となり、水冷インタークーラー22の冷却水23の温度上昇を確実に抑えることができる。なお、実施の形態2にかかる吸気温度制御装置の処理は、図4と同様に行うことができる。
【0080】
なお、上述の各実施形態では、冷却タンク50内にラジエター30及びラジエター36を配置し、冷却タンク50内を冷却水52で満たすことで熱交換器を構成したが、熱交換の方法はこれに限定されるものではない。例えば、配管24、ラジエター30に直接冷媒を導入して熱交換を行っても良いし、配管24、ラジエター30の周辺に冷媒を循環させて熱交換を行ってもよい。
【0081】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0082】
第1の発明によれば、吸気冷却手段と空気調整手段との間で熱交換を行うようにしたため、空気調整手段により吸気冷却手段を冷却することが可能となる。これにより、過給手段による吸気圧縮で吸気温度が上昇した場合であっても、吸気冷却手段によって確実に吸気温度を低下させることができる。
【0083】
第2の発明によれば、吸気冷却手段の第1の冷却水と空気調整手段の冷媒との間で熱交換を行うようにしたため、空気調整手段の冷媒によって吸気冷却手段の第1の冷却水を冷却することができる。
【0084】
第3の発明によれば、吸気冷却手段の第1の冷却水が通る第1のラジエターと空気調整手段の冷媒が通る第2のラジエターとを冷却タンク内に配置して、冷却タンク内に第2の冷却水を満たすようにしたため、第1のラジエターと第2のラジエターとの間で確実に熱交換を行うことができる。
【0085】
第4の発明によれば、切換スイッチがオンの場合は冷媒を車両室内及び第2のラジエターの双方へ流すことで室内の空気調整と吸気冷却を同時に行うことができ、また、切換スイッチがオフの場合は第2のラジエターに直接冷媒を送ることで吸気冷却効率を高めることができる。
【0086】
第5の発明によれば、外気温に基づいて過給状態走行が行われる度合いを判別でき、外気温センサの検出値に基づいて流量制御弁による第2のラジエターへの冷媒の流量の調整することで、過給状態走行が行われる度合いに応じて吸気温度を制御することが可能となる。
【0087】
第6の発明によれば、外気温センサの検出値が所定値よりも低い場合は、第2のラジエターへの冷媒の流量を減少させるようにしたため、過給状態走行が行われる可能性の低い低温時には冷媒による吸気冷却手段の冷却を待機状態にしておくことができる。
【0088】
第7の発明によれば、外気温センサ又は水温センサの検出値に基づいて流量制御弁による冷媒の流量の調整を行うようにしたため、過給状態走行が行われる度合い、または冷却タンク内の水温に応じて吸気温度を制御することが可能となる。
【0089】
第8の発明によれば、水温センサの検出値が所定の水温よりも低い場合は、第2のラジエターへの冷媒の流量を減少させるようにしたため、冷媒による吸気冷却手段の冷却を待機状態にしておくことができる。
【0090】
第9の発明によれば、外気温センサの検出値が所定の外気温よりも低く、且つ、水温センサの検出値が所定の水温よりも低い場合は、第2のラジエターへの冷媒の流れを停止させるため、吸入空気、吸気通路が過冷却されることを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の吸気温度制御装置及びその周辺の構造を説明するための模式図である。
【図2】外気温、冷却水タンクの水温、A/Cスイッチの各状態を示す模式図である。
【図3】実施の形態1において、外気温、冷却水タンクの水温、A/Cスイッチの各状態に応じて、コンプレッサ、切換弁、流量調整弁を制御する方法を示す模式図である。
【図4】実施の形態1にかかる吸気温度制御装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の吸気温度制御装置及びその周辺の構造を説明するための模式図である。
【図6】実施の形態2において、外気温、冷却水タンクの水温、A/Cスイッチの各状態に応じて、コンプレッサ、切換弁、流量調整弁を制御する方法を示す模式図である。
【符号の説明】
10 内燃機関
20 過給機
22 水冷インタークーラー
23,52 冷却水
30,36 ラジエター
32 コンプレッサ
34 エバポレータ
35 室内
38 配管
40,44 バイパス管
42 切換弁
46 流量制御弁
50 冷却タンク
54 水温センサ
56 外気温センサ
58 A/Cスイッチ
60 ECU
Claims (9)
- 内燃機関の筒内へ送る吸入空気を圧縮する過給手段と、
前記吸入空気を冷却する吸気冷却手段と、
車両室内の空気調整を行う空気調整手段と、
前記吸気冷却手段と前記空気調整手段との間で熱交換を行う熱交換手段と、
前記熱交換手段による熱交換の動作を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の吸気温度制御装置。 - 前記吸気冷却手段は第1の冷却水により前記吸入空気を冷却し、
前記空気調整手段は所定の冷媒により車両室内の空気調整を行い、
前記熱交換手段は、前記第1の冷却水と前記冷媒との間で前記熱交換を行うことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の吸気温度制御装置。 - 前記熱交換手段は、前記第1の冷却水が通る第1のラジエターと前記冷媒が通る第2のラジエターとが内部に配置された冷却タンクと、前記冷却タンク内に満たされた第2の冷却水とを含むことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の吸気温度制御装置。
- 車両室内及び前記第2のラジエターを通る所定の経路に前記冷媒を循環させるコンプレッサと、
前記コンプレッサから送られた冷媒を車両室内へ向かう経路と前記第2のラジエターへ向かう経路へ分配する切換弁と、
前記空気調整手段による車両室内の空気調整のオン/オフを切り換える切換スイッチと、を更に備え、
前記制御手段は、前記切換スイッチがオフの場合は前記第2のラジエターへ前記冷媒を送り、前記切換スイッチがオンの場合は車両室内及び前記第2のラジエターへ前記冷媒を送るように前記切換弁を制御することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の吸気温度制御装置。 - 外気温を検出する外気温センサと、
前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を調整する流量制御弁と、を更に備え、
前記制御手段は、前記外気温センサの検出値に基づいて前記流量制御弁による前記冷媒の流量の調整を行うことを特徴とする請求項3又は4記載の内燃機関の吸気温度制御装置。 - 前記制御手段は、前記外気温センサの検出値と所定値とを比較する外気温比較手段を含み、前記外気温センサの検出値が前記所定値よりも低い場合は、前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を減少させるように前記流量制御弁を制御することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の吸気温度制御装置。
- 前記第2の冷却水の水温を検出する水温センサを更に備え、
前記制御手段は、前記外気温センサ又は前記水温センサの検出値に基づいて前記流量制御弁による前記冷媒の流量の調整を行うことを特徴とする請求項5記載の内燃機関の吸気温度制御装置。 - 前記制御手段は、前記水温センサの検出値と所定値とを比較する水温比較手段を含み、前記水温センサの検出値が前記所定値よりも低い場合は、前記第2のラジエターへ送る前記冷媒の流量を減少させるように前記流量制御弁を制御することを特徴とする請求項7記載の内燃機関の吸気温度制御装置。
- 前記制御手段は、前記外気温センサの検出値が所定の外気温よりも低く、且つ、前記水温センサの検出値が所定の水温よりも低い場合は、前記第2のラジエターへの前記冷媒の流れが停止するように前記流量制御弁を制御することを特徴とする請求項7記載の内燃機関の吸気温度制御装置。
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