JP2004239084A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】能力再生等のために排気系に燃料等の炭化水素(HC)が添加される排気浄化触媒について、この触媒に捕捉された炭化水素(HC)量を把握し、これらを適切に酸化除去する制御が実行できる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の停止命令後に前記排気浄化触媒に捕捉された炭化水素を離脱させる炭化水素離脱手段を備え、内燃機関の停止命令時に、排気中の炭化水素量が増大する制御の実行中であるか否か、この制御の実行時間、またはこの制御の処理完了後の経過時間のうち、少なくとも一つに基づいて前記排気浄化触媒に捕捉された炭化水素量を推定し、この炭化水素量が所定量以上のときは前記炭化水素離脱手段による前記炭化水素離脱処理を実行する。詳細な捕捉炭化水素(HC)量が推定可能な場合には、これに基づいて前記制御の実行時間を長さを決定する。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気系には、排気浄化装置として例えば三元触媒が設けられ、排気中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)の酸化と、窒素酸化物(NOx)の還元を行い、排気を浄化するが、冷間始動時等では三元触媒が活性温度に達していないために炭化水素(HC)が触媒で浄化されず、これをすり抜ける事態が起こる。そこで、排気路の三元触媒の上流に炭化水素(HC)を吸着する吸着材を配置して、冷間始動時等の低温時において炭化水素(HC)のすり抜けを防止する技術が知られている。
【0003】
この吸着材に吸着された炭化水素(HC)は、内燃機関の排気の温度上昇等に伴って吸着材が炭化水素(HC)の放出温度に達すれば吸着材から放出され、排気路の下流の三元触媒にて酸化される。この場合に、炭化水素(HC)吸着量を、内燃機関の冷却水温、触媒温度、機関停止時間、機関始動時からの吸入空気量、または機関始動後の経過時間等から推定し、この炭化水素(HC)吸着量が所定量以上であるときには、炭化水素(HC)が放出されるまで内燃機関の運転を継続することで、次回の機関始動時の吸着可能な容量の低下を抑制する排気ガス浄化装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−8837号公報
【特許文献2】
特開平6−173653号公報
【特許文献3】
特開2000−271629号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排気系に燃料添加を行って排気触媒の浄化能力の再生をするタイプのものがある。例えば、NOx保持材を含む吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒とする。)では、このNOx触媒に流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を保持し、一方、このNOx触媒に流入する排気の酸素濃度が低下したときは保持していたNOxを離脱させる。その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、該NOx触媒から離脱したNOxが還元されるので、還元剤として排気系に燃料添加が行われる。
【0006】
このような場合は、NOx触媒に多量の炭化水素(HC)が付着するが、この触媒が保持しているNOxを離脱させて、再び触媒のNOxの保持能力を再生させる制御が完了した場合は、触媒に捕捉されている炭化水素(HC)量は僅かとなる。
【0007】
しかし、このような制御の途中で機関停止や再生条件を満たさない運転状態に移行したために、前記再生が中断したときは、却って捕捉した炭化水素(HC)が大量に存在する。このような場合に、前記の従来の方法では、触媒に捕捉された炭化水素(HC)量を正確に推定することが困難であるので、これらの炭化水素(HC)の適切かつ効率的な酸化除去は不可能である。
【0008】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、排気系に炭化水素(HC)を添加する制御を実行する排気浄化触媒について、この触媒に捕捉された炭化水素(HC)量を把握し、これらを適切に酸化除去する制御が実行できる内燃機関の排気浄化装置を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明は、排気浄化触媒の排気中の炭化水素量を増大させる制御を実行中か否か、この制御の実行期間、この制御の終了後の経過時間等に基づいてこの触媒に捕捉された炭化水素(HC)量を推定し、この炭化水素(HC)量が所定量以上のときには、この炭化水素(HC)を酸化除去する処理を実施するものである。
【0010】
本発明は、排気系に排気浄化触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置において、
内燃機関の停止命令後に前記排気浄化触媒に捕捉された炭化水素を離脱させる炭化水素離脱手段を備え、内燃機関の停止命令時に、排気中の炭化水素量が増大する制御の実行中であるか否か、この制御の実行期間、またはこの制御の処理完了後の経過時間のうち、少なくとも一つに基づいて前記排気浄化触媒に捕捉された炭化水素量を推定し、この炭化水素量が所定量以上のときは前記炭化水素離脱手段による前記炭化水素離脱処理を実行することを特徴とする。
【0011】
ここで「捕捉された炭化水素量を推定」するとは、少なくとも捕捉された炭化水素(HC)を、その離脱手段により、排気浄化触媒から離脱させる制御の実行の要否を決定するに足りるものであればよい。
【0012】
さらに、詳細な捕捉炭化水素(HC)量が推定可能な場合には、これに基づいて前記制御の実行期間を長さを決定することが好ましい。
【0013】
排気浄化触媒における炭化水素(HC)の捕捉量は、触媒温度、機関からの排出された排気量、燃料添加量等に基づいて推定することができる。
【0014】
前記排気浄化触媒としては、吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタ、酸化触媒を担持したパティキュレートフィルタ、吸蔵還元型NOx触媒等が例示できる。
【0015】
本発明によれば、捕捉した炭化水素(HC)を離脱させる制御を実行するか否か、さらに実行する場合はその制御の持続時間の長さが判断され、先ず、排気中の炭化水素量が増大する制御を実行中であるか否かを判断する。ここで制御の実行中であれば、この制御の開始からの経過時間に基づいて、炭化水素(HC)離脱制御の実行の要否、及び制御を実行するときはその制御の長さを判断する。
【0016】
排気中の炭化水素量が増大する制御の実行中でない場合は、前回の制御の終了から現在までの時間に基づいてこれらを判断することができる。
【0017】
また、排気中の炭化水素量を増大させる制御の実行中でない場合、その制御を中断した履歴の有無、中断した際の捕捉した炭化水素(HC)量、触媒の温度等を考慮することで、炭化水素(HC)の捕捉量を推定することが可能である。
【0018】
なお、前記炭化水素(HC)離脱手段は、内燃機関の停止指令後であっても内燃機関の運転を所定時間にわたり継続させるものとすることができる。
【0019】
この場合、内燃機関の停止指令後の運転継続時間は、内燃機関の停止後における捕捉した炭化水素(HC)の酸化除去量を予測し、かつ内燃機関の停止判断時の前記触媒の温度に基づいて決定することができる。
【0020】
また、内燃機関の停止指令後の運転継続時間は、前記排気浄化触媒の温度が上昇するにしたがって短く設定されることが好適である。
【0021】
さらに、内燃機関の停止指令後の運転継続中には、併せて排気温度を上昇させる制御を実行することが好適である。このような制御は、例えば、アイドル回転数の上昇、内燃機関により駆動される発電機の発電容量の増大、低温燃焼への移行、ポスト噴射、または排気中への燃料添加であり、これらのうち少なくともいずれか一つを実行することが可能である。このようにして排気温度を上昇させることによって、炭化水素(HC)の酸化除去がより促進される。
【0022】
本発明によれば、触媒に捕捉されている炭化水素(HC)量を正確に推定することができ、これに基づいて捕捉した炭化水素(HC)の的確な酸化除去が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る排気浄化装置の具体的な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る排気浄化装置を適用する内燃機関1とその吸排気系の概略構成を示す図である。
【0024】
図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼル機関である。
【0025】
内燃機関1は、各気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。各燃料噴射弁3は、燃料を所定圧まで蓄圧する蓄圧室(コモンレール)4と接続されている。
【0026】
前記コモンレール4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。この燃料ポンプ6は、内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源として作動するポンプであり、該燃料ポンプ6の入力軸に取り付けられたポンププーリ6aが内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)に取り付けられたクランクプーリ1aとベルト7を介して連結されている。
【0027】
このように構成された燃料噴射系では、クランクシャフトの回転トルクが燃料ポンプ6の入力軸へ伝達されると、燃料ポンプ6は、クランクシャフトから該燃料ポンプ6の入力軸へ伝達された回転トルクに応じた圧力で燃料を吐出する。
【0028】
前記燃料ポンプ6から吐出された燃料は、燃料供給管5を介してコモンレール4へ供給され、コモンレール4にて所定圧まで蓄圧されて各気筒2の燃料噴射弁3へ分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電流が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃料噴射弁3から気筒2内へ燃料が噴射される。
【0029】
次に、内燃機関1には、吸気枝管8が接続されており、吸気枝管8の各枝管は、各気筒2の燃焼室と吸気ポート(図示省略)を介して連通している。
【0030】
前記吸気枝管8は吸気管9に接続されている。吸気管9には、該吸気管9内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ11が取り付けられている。
【0031】
前記吸気管9における吸気枝管8の直上流に位置する部位には、該吸気管9内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁13が設けられている。この吸気絞り弁13には、ステップモータ等で構成されて該吸気絞り弁13を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ14が取り付けられている。
【0032】
前記エアフローメータ11と前記吸気絞り弁13との間に位置する吸気管9には、排気のエネルギを駆動源として作動する遠心過給機(ターボチャージャ)15のコンプレッサハウジング15aが設けられている。
【0033】
このように構成された吸気系では、吸気は、吸気管9を介してコンプレッサハウジング15aに流入する。
【0034】
コンプレッサハウジング15aに流入した吸気は、該コンプレッサハウジング15aに内装されたコンプレッサホイールの回転によって圧縮される。前記コンプレッサハウジング15a内で圧縮された吸気は、必要に応じて吸気絞り弁13によって流量を調節されて吸気枝管8に流入する。吸気枝管8に流入した吸気は、各枝管を介して各気筒2の燃焼室へ分配され、各気筒2の燃料噴射弁3から噴射された燃料を着火源として燃焼される。
【0035】
一方、内燃機関1には、排気枝管18が接続され、排気枝管18の各枝管が排気ポート1bを介して各気筒2の燃焼室と連通している。
【0036】
前記排気枝管18は、前記遠心過給機15のタービンハウジング15bと接続されている。前記タービンハウジング15bは、排気管19と接続され、この排気管19は、下流にて大気へと通じている。
【0037】
前記排気管19の途中には、NOx保持材を含む吸蔵還元型NOx触媒20(以下、単にNOx触媒とする。)が設けられている。NOx触媒20は、例えばコージェライトのような多孔質材料から形成され、例えば、アルミナを担体とし、その担体上に、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、もしくはセシウム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム(Ba)もしくはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類と、ランタン(La)もしくはイットリウム(Y)等の希土類とから選択された少なくとも1つと、白金(Pt)等の貴金属とを担持して構成されている。尚、本実施の形態では、アルミナからなる担体上にバリウム(Ba)と白金(Pt)とを担持し、更に酸素貯蔵(Oストレージ)能のある例えばセリア(CeO)等の遷移金属が添加されている。
【0038】
このNOx触媒20は、このNOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を保持し、一方、このNOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が低下したときは保持していたNOxを離脱させる。その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、該NOx触媒20から離脱したNOxが還元される。また、セリア(CeO)等の遷移金属は、排気の特性に応じて酸素を一時的に保持し、活性化酸素として放出する能力を有する。
【0039】
NOx触媒20より上流の排気管19には、該排気管19内を流通する排気の温度に対応した電気信号を出力する排気温度センサ24が取り付けられている。また、NOx触媒20より下流の排気管19には、該排気管19内を流通する排気中のNOx濃度に対応した電気信号を出力するNOxセンサ22及び排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比センサ23が取り付けられている。
【0040】
このように構成された排気系では、内燃機関1の各気筒2で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気ポート1bを介して排気枝管18へ排出され、次いで排気枝管18から遠心過給機15のタービンハウジング15bへ流入する。タービンハウジング15bに流入した排気は、該排気が持つエネルギを利用してタービンハウジング15b内に回転自在に支持されたタービンホイールを回転させる。その際、タービンホイールの回転トルクは、前述したコンプレッサハウジング15aのコンプレッサホイールへ伝達される。
【0041】
前記タービンハウジング15bから排出された排気は、排気管19を介してNOx触媒20へ流入し、排気中のNOxが保持される。その後、排気は排気管19を流通して大気中へと放出される。
【0042】
ところで、内燃機関1が希薄燃焼運転されている場合は、内燃機関1から排出される排気の空燃比がリーン雰囲気となり排気中の酸素濃度が高くなるため、排気中に含まれるNOxがNOx触媒に保持されることになるが、内燃機関1の希薄燃焼運転が長時間継続されると、NOx触媒のNOx保持能力が飽和し、排気中のNOxがNOx触媒にて保持されずに大気中へ放出されてしまう。
【0043】
特に、内燃機関1のようなディーゼル機関では、大部分の運転領域においてリーン空燃比の混合気が燃焼され、それに応じて大部分の運転領域において排気の空燃比がリーン空燃比となるため、NOx触媒のNOx保持能力が飽和し易い。なお、ここでいうリーン空燃比とは、ディーゼル機関にあっては、例えば20から50の範囲であり、三元触媒ではNOxを浄化できない領域を意味する。
【0044】
従って、内燃機関1が希薄燃焼運転されている場合は、NOx触媒のNOx保持能力が飽和する前にNOx触媒に流入する排気中の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高め、NOx触媒に保持されたNOxを還元させる必要がある。
【0045】
このように酸素濃度を低下させる方法としては、排気中への燃料添加や、再循環するEGRガス量を増大させて煤の発生量が増加して最大となった後に、更にEGRガス量を増大させる低温燃焼(特許第3116876号参照)、機関出力のための燃料を噴射させる主噴射の後の膨張行程若しくは排気行程中に再度燃料を噴射させる副噴射等の方法が考えられる。例えば、排気中の燃料添加では、NOx触媒20より上流の排気管19を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)を添加する還元剤供給機構を備え、この還元剤供給機構から排気中へ燃料を添加することにより、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高めることができる。
【0046】
還元剤供給機構は、図1に示されるように、その噴孔が排気枝管18内に臨むように取り付けられ、後述するECU35からの信号により開弁して燃料を噴射する還元剤噴射弁28と、前述した燃料ポンプ6から吐出された燃料を前記還元剤噴射弁28へ導く還元剤供給路29と、を備えている。
【0047】
このような還元剤供給機構では、燃料ポンプ6から吐出された高圧の燃料が還元剤供給路29を介して還元剤噴射弁28へ印加される。そして、ECU35からの信号により該還元剤噴射弁28が開弁して排気枝管18内へ還元剤としての燃料が噴射される。
【0048】
還元剤噴射弁28から排気枝管18内へ噴射された還元剤は、排気枝管18の上流から流れてきた排気の酸素濃度を低下させると共に、NOx触媒20に到達し、NOx触媒20に保持されていたNOxを還元することになる。
【0049】
その後、ECU35からの信号により還元剤噴射弁28が閉弁し、排気枝管18内への還元剤の添加が停止されることになる。
【0050】
また、内燃機関1には、クランクシャフトの回転位置に対応した電気信号を出力するクランクポジションセンサ33が設けられている。
【0051】
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
【0052】
ECU35には、各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号の他、運転者がアクセルを踏み込んだ量に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ36の出力信号が入力されるようになっている。
【0053】
一方、ECU35には、燃料噴射弁3、吸気絞り用アクチュエータ14、還元剤噴射弁28等が電気配線を介して接続され、上記した各部をECU35が制御することが可能になっている。
【0054】
例えば、NOx浄化制御では、ECU35は、NOx触媒20に流入する排気中の酸素濃度を比較的に短い周期でスパイク的(短時間)に低くする、所謂リッチスパイク制御を実行する。
【0055】
リッチスパイク制御では、ECU35は、所定の周期毎にリッチスパイク制御実行条件が成立しているか否かを判別する。このリッチスパイク制御実行条件としては、例えば、NOx触媒20が活性状態にある、排気温度センサ24の出力信号値(排気温度)が所定の上限値以下である、被毒解消制御が実行されていない、等の条件を例示することができる。
【0056】
上記したようなリッチスパイク制御実行条件が成立していると判定された場合は、ECU35は、還元剤噴射弁28からスパイク的に還元剤たる燃料を噴射させるべく当該還元剤噴射弁28を制御することにより、NOx触媒20に流入する排気の空燃比を一時的に所定の目標リッチ空燃比とする。
【0057】
具体的には、ECU35は、記憶されている機関回転数、アクセル開度センサ36の出力信号(アクセル開度)、エアフローメータ11の出力信号値(吸入空気量)、空燃比センサ23の出力信号、燃料噴射量等を読み出す。
【0058】
ECU35は、前記した機関回転数とアクセル開度と吸入空気量と燃料噴射量とをパラメータとして還元剤添加量制御マップへアクセスし、排気の空燃比を予め設定された目標空燃比とする上で必要となる還元剤の添加量(目標添加量)を算出する。
【0059】
続いて、ECU35は、前記目標添加量をパラメータとして還元剤噴射弁制御マップへアクセスし、還元剤噴射弁28から目標添加量の還元剤を噴射させる上で必要となる還元剤噴射弁28の開弁時間(目標開弁時間)を算出する。
【0060】
還元剤噴射弁28の目標開弁時間が算出されると、ECU35は、還元剤噴射弁28を開弁させる。
【0061】
ECU35は、還元剤噴射弁28を開弁させた時点から前記目標開弁時間が経過すると、還元剤噴射弁28を閉弁させる。
【0062】
このように還元剤噴射弁28が目標開弁時間だけ開弁されると、目標添加量の燃料が還元剤噴射弁28から排気枝管18内へ噴射されることになる。そして、還元剤噴射弁28から噴射された還元剤は、排気枝管18の上流から流れてきた排気と混ざり合って目標空燃比の混合気を形成してNOx触媒20に流入する。
【0063】
この結果、NOx触媒20に流入する排気の空燃比は、比較的に短い周期で酸素濃度が変化することになり、以て、NOx触媒20がNOxの保持と還元とを交互に短周期的に繰り返すことになる。
【0064】
このように、NOx触媒20に流入する排気の空燃比をスパイク的に目標リッチ空燃比とし、吸蔵還元型NOx触媒に保持されたNOxを還元することが可能となる。
【0065】
次に、SOx被毒解消制御では、ECU35は、NOx触媒20のSOxによる被毒を解消すべくSOx被毒解消処理を行う。
【0066】
ここで、内燃機関1の燃料には硫黄(S)が含まれている場合があり、そのような燃料が内燃機関1で燃焼されると、二酸化硫黄(SO)や三酸化硫黄(SO)などの硫黄酸化物(SOx)が生成される。
【0067】
SOxは、排気とともにNOx触媒20に流入し、NOxと同様のメカニズムによって吸蔵還元型NOx触媒に保持される。
【0068】
具体的には、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が高いときには、流入排気ガス中の二酸化硫黄(SO)や三酸化硫黄(SO)等のSOxが白金(Pt)の表面上で酸化され、硫酸イオン(SO 2−)の形でNOx触媒20に保持される。更に、NOx触媒20に吸収された硫酸イオン(SO 2−)は、酸化バリウム(BaO)と結合して硫酸塩(BaSO)を形成する。
【0069】
ところで、硫酸塩(BaSO)は、硝酸バリウム(Ba(NO)に比して安定していて分解し難く、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が低くなっても分解されずにNOx触媒20内に残留してしまう。
【0070】
NOx触媒20における硫酸塩(BaSO)の量が増加すると、それに応じてNOxの保持に関与することができる酸化バリウム(BaO)の量が減少するため、NOx触媒20のNOx保持能力が低下する、いわゆるSOx被毒が発生する。
【0071】
NOx触媒20のSOx被毒を解消する方法としては、NOx触媒20の雰囲気温度をおよそ600乃至650℃の高温域まで昇温させるとともに、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度を低くすることにより、NOx触媒20に吸収されている硫酸バリウム(BaSO)をSO やSO に熱分解し、次いでSO やSO を排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応させて気体状のSO に還元する方法を例示することができる。
【0072】
ECU35は、例えば、還元剤噴射弁28から排気中へ燃料を添加することにより、それらの未燃燃料成分をNOx触媒20において酸化させ、酸化の際に発生する熱によってNOx触媒20の床温を高めるようにする。同時に、各気筒の膨張行程若しくは排気行程時に燃料噴射弁3から副次的に燃料を噴射させても良い。
【0073】
上記したような燃料添加により、NOx触媒20の床温が600℃から650℃程度の高温域まで上昇する。その後も、引き続きNOx触媒20に流入する排気の酸素濃度を低下させるべくECU35は、還元剤噴射弁28から燃料を噴射させる。
【0074】
このように被毒回復処理が実行されると、NOx触媒20の床温が高い状況下で、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が低くなるため、NOx触媒20に保持されている硫酸バリウム(BaSO)がSO やSO に熱分解され、それらSO やSO が排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応して還元され、以てNOx触媒20のSOx被毒が回復されることになる。
【0075】
なお、上述のSOx被毒回復処理には前記リッチスパイクを実行して排気の酸素濃度を低下させる。
【0076】
本発明は上述のように、機関停止命令時にNOx触媒等の排気浄化触媒に捕捉されている炭化水素(HC)量を推定し、この炭化水素(HC)量が所定量以上であればこれを酸化除去する処理を行うものである。ここでは、触媒だけでなく排気管に付着した炭化水素(HC)も含まれる。
【0077】
この場合、排気浄化触媒に炭化水素(HC)を添加する各種の制御、すなわち昇温制御、リッチスパイク制御、或いはSOx被毒回復制御等が実行されていると、捕捉炭化水素(HC)量はこれらの制御が実行されていない通常時に比較して大幅に多量となるので、このような制御の実行の状況を考慮した制御を行う。
【0078】
以下、この場合の具体的な捕捉炭化水素(HC)の処理制御について説明する。
(実施の形態1)
機関の運転中に機関停止命令がされたか否かをエンジンキーがOFFにされたかどうかによって判断し、OFFにされた場合は、SOx被毒再生制御の実行中であるか否かを判断する。この制御の実行中でなければ、この制御が中断したか否かを判断する。
【0079】
ところで、SOx被毒再生制御が実行されると、触媒床温と触媒に捕捉された炭化水素(HC)量との関係は図2に示すようになる。図2に示すようにSOx被毒再生制御では、その開始直後は捕捉炭化水素(HC)量が増大するが、時間の経過と共に触媒床温が上昇するので酸化除去される炭化水素(HC)が増え、全体の捕捉炭化水素(HC)量が減少してゆく。
【0080】
したがって、上記制御の実行中にエンジンキーをOFFにした場合、この制御の初期においてOFFにしたとき、またはOFF直前にSOx被毒回復制御が可能な運転条件から外れ(例えば、触媒床温の低下)、この制御の開始後初期に制御が中断したときには、多量の炭化水素(HC)が触媒に存在しているため、機関の再始動後に白煙が発生し易い。
【0081】
そこで、SOx被毒再生制御が実行中であるときは、SOx被毒回復制御の開始からの時間が所定時間T2より短いか否を判断する。
【0082】
一方、前記制御の中断がされたときは、SOx被毒回復制御の開始から中断までの時間が所定時間T2より短いか否かを判断することにより、前記中断が制御の初期に生じたか否かを判断する。
【0083】
いずれの場合も、SOx被毒回復制御の開始からの時間が所定時間T2よりも長ければ、捕捉炭化水素(HC)量が少ないので、機関再始動時の白煙は生じないとして直ちに機関1を停止する。
【0084】
反対に、SOx被毒回復制御の開始からの時間が所定時間T2よりも短ければ、機関を停止せずに運転を継続させ、触媒の捕捉炭化水素(HC)量を減少させる。
【0085】
なお、SOx被毒回復制御が中断されたか否かは、中断から所定時間(例えば5分間)以上が経過したか否かによって決定され、中断期間が長くなればSOx被毒回復制御の中断はなかったものとされる。
【0086】
そして、エンジンキーがOFFにされてから機関運転が継続した時間が所定時間T1に達したら機関を停止させる。すなわち、所定時間T1に達しない間は機関運転が継続する。このとき、機関運転の継続中には触媒床温を上昇させるため、低温燃焼への移行、ポスト噴射、または排気中への燃料添加を実施し、捕捉した炭化水素(HC)を積極的に低減することが好ましい。
【0087】
他方、SOx被毒再生制御実行中でなく、また中断が生じていなければ、直ちに機関を停止する。
【0088】
次に、この制御を図3に示すSOx被毒回復のフローを示したフローチャート図に基づいて説明する。
【0089】
ステップS101では、エンジンキーがOFFか否か、すなわち機関停止命令がされたか否か判定する。
【0090】
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合には、このルーチンを抜ける。
【0091】
ステップS102では、捕捉炭化水素(HC)処理制御、すなわち機関運転の継続が実行中であるか否かを判断する。
【0092】
ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはS103に進む。
【0093】
ステップS106では、捕捉炭化水素(HC)処理制御の実行後、T1時間が経過したか否かが判断される。
【0094】
一方、ステップS103では、SOx被毒再生制御を実行中であるか否かが判断される。
【0095】
S106では、肯定判定がされれば直ちに機関が停止され、否定判定がされれば、次にステップS108に進み、捕捉炭化水素(HC)処理制御が実行される。
【0096】
前記ステップS103で肯定判定がされれば、ステップS109に進み、SOx被毒再生制御の実行時間が所定時間T2よりも小さいか否かを判断する。
【0097】
ステップS103で否定判定がされると、ステップS104に進みSOx被毒再生制御の実行を中断したか否かを判断する。ステップS104で肯定判定がされるとステップS109に進む。
【0098】
一方、ステップS104で否定判定がされるとステップS105に進み、直ちに機関が停止される。
【0099】
ここで、SOx被毒回復制御が中断されたか否かは、このルーチンとは別に、図4に示すサブルーチンにしたがって判断する。そこで、図4に示すSOx被毒再生制御のサブルーチンについて説明する。
【0100】
最初に、ステップS301で、運転状態がSOx被毒制御実行条件の範囲内にあるか否かを判断する。この条件としては、NOx触媒20に保持されたSOx量が所定量を超えたか等を例示することができる。ここで、SOx保持量は、機関回転数NE × 燃料噴射量Qの二次元マップに基づいて算出することができる。
【0101】
その他、燃料消費量やNOxセンサ22からの出力信号、車両走行距離等により求めることができる。燃料中の硫黄成分によりNOx触媒20が被毒するので、燃料の消費量を積算してECU35に記憶させ、この燃料の消費量によりSOx保持量を求めても良い。
【0102】
また、SOx被毒が進行すると吸蔵還元型NOx触媒のNOxの保持量が減少し、NOx触媒20下流に流通するNOxの量が増大する。したがって、NOx触媒20の下流にNOxセンサ22を設け、この出力信号に基づいてSOx保持量を求めても良い。更に、車両走行距離に応じてSOx保持量が増加するとして、この車両走行距離に基づいてSOx保持量を求めることも可能である。
【0103】
ステップS301で肯定判定がされたときは、ステップS302に進みSOx被毒再生制御が実行される。
【0104】
ステップS301で否定判定がされたときは、ステップS303に進み、SOx被毒再生制御が実行中であるか否かが判断される。肯定判定がされたときは、ステップS304に進みこの制御は終了する。
【0105】
次に、ステップS305に進み中断フラグを1にした後、ステップS306に進んでカウンタCをスタートさせる。
【0106】
一方、ステップS303で否定判定がされたときは、ステップS307に進み中断フラグが1か否かを判断する。ここで肯定判定がされたときは、ステップS308に進み、カウンタCのカウントC1が所定時間T3より小さいか否かが判断される。ステップS308で肯定判定がされれば、ステップS309に進み中断フラグは0にされる。
【0107】
また、ステップS307で否定判定がされたときは、このルーチンを抜ける。
【0108】
以上のルーチンにおいて、中断フラグが1であるときはSOx被毒再生制御が実行中に中断があったものと判断し、カウンタCをスタートさせる。
【0109】
一方、中断フラグが0であれば、中断から所定時間以上が経過しており、前記制御の中断はなかったものと判断する。
【0110】
ここで、図3のフローチャートに戻り、前記ステップS109で、SOx被毒再生制御の実行時間が所定時間T2よりも小さいときは、ステップS110に進み、捕捉炭化水素(HC)処理制御が開始され、機関運転が継続する。所定時間T2は、図2に示すように、捕捉炭化水素(HC)量が充分に減少する時間である。
【0111】
一方、SOx被毒再生制御の実行時間が所定時間T2よりも長ければ、捕捉炭化水素(HC)量が減少しているので、S105に進み機関が直ちに停止される。
【0112】
この実施の形態によれば、排気中の炭化水素(HC)量が増大するSOx被毒再生制御が実施されているか否か、実施されているときはその開始からの経過時間を考慮し、また、制御の実行中でなくても過去に制御を中断した履歴があれば、制御開始から中断までの時間、及び中断からの時間を考慮して炭化水素(HC)量を推定する。
【0113】
したがって、触媒に存在する炭化水素(HC)の量の推定が正確になり、その除去が確実に、かつ効率的に実行される。
【0114】
また、上記の制御において、捕捉炭化水素(HC)量を触媒温度、機関から排出された排気量、燃料添加量等に基づいて推定することができる。これは、下記式により求めることができ、ECU35において一定時間経過(例えば100ms)毎に計算する。これは前回計算した捕捉炭化水素(HC)量から、一定時間経過中に酸化された炭化水素(HC)量を減算するものである。
【0115】
HC捕捉量=前回HC捕捉量−酸化HC量(触媒床温予測、前回HC捕捉量、酸素濃度)+HC捕捉増加量(機関からの排気量、排気燃料添加量)
酸素濃度は、排気酸素センサで実測、または運転条件によりマップ補間で求めることができる。または、吸入空気量と燃料噴射量から算出してもよい。
【0116】
HC捕捉増加量は、例えば機関からの排気量を運転条件からマップ補間で求めた量と、燃料の排気添加量のうち、一定割合(例えば70%)が新たにHCとして捕捉されると考えることができる。
【0117】
このようにして求めた捕捉炭化水素(HC)量に応じて、捕捉HC処理制御を実行するか否かを決定し、また、捕捉HC処理制御の実行期間の長さを決定することができる。このようにすれば、機関停止遅延時間を必要かつ充分なものとし、燃料消費量の不必要な増加を抑制できる。
(実施の形態2)
上述したように本発明では、エンジンキーがOFFにされたとき、触媒で捕捉した炭化水素(HC)の予測量が所定値を上回っているときは、機関停止をせず継続運転をして、捕捉炭化水素(HC)処理制御を実行する。
【0118】
機関停止許可判断時の捕捉炭化水素(HC)量(所定値K1と触媒温度との関係を図5に示す。触媒温度が上昇する程、所定値K1が大きくなり、これは、機関停止の遅延時間が短くなることを意味している。
【0119】
ここで、停止判断時の触媒温度は、実測値または触媒20の上流に設けた排気温度センサ24によって計測した排気温度による予測値を用いることができる。
【0120】
さらに、捕捉炭化水素(HC)処理制御の実行判断時と終了判断時の捕捉炭化水素(HC)量に対する判断値を変えることが好ましい。すなわち、捕捉炭化水素(HC)処理制御(機関運転継続)が実行中でないときは、捕捉炭化水素(HC)量を所定値1と比較して捕捉HC処理制御をするか否かを決定する。
【0121】
一方で、前記処理制御の実行中であれば、その実行後T1時間(触媒昇温に必要な時間)が経過しているかどうかを判断し、T1時間を経過していれば所定値2(所定値1<所定値2)を用いて、捕捉炭化水素(HC)の予測量との比較をする。
【0122】
このようにすれば、制御の実行中で触媒温度が高いときは、処理制御(機関運転継続)が実行される機会が減少するので、無駄のない適切な炭化水素(HC)の酸化除去が実現される。
【0123】
なお、制御実行中であっても、処理制御は触媒床温が上昇するのに必要な時間T1以上は最短でも続行される。
【0124】
次に、この制御を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0125】
ステップS201では、エンジンキーがOFFか否か、すなわち機関停止命令がされたか否か判定する。
【0126】
ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS202へ進み、一方、否定判定がなされた場合には、このルーチンを終了させる。
【0127】
ステップS202では、捕捉炭化水素(HC)処理制御、すなわち機関運転の継続が実行中であるか否かを判断する。
【0128】
ステップS202で肯定判定がなされた場合にはステップS205へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS203に進む。ステップS203では、捕捉炭化水素(HC)量が所定値1より大きいか否かが判断される。
【0129】
ステップS203では、否定判定がされればステップS204に進み、直ちに機関が停止される。否定判定がされれば、ステップS208に進み、捕捉炭化水素(HC)処理制御が開始される。
【0130】
前記ステップS202で肯定判定がされれば、ステップS205に進み、捕捉炭化水素(HC)処理制御の実行後、T1時間が経過したか否かが判断される。
【0131】
ステップS205で否定判定がされると、ステップS207に進み、捕捉炭化水素(HC)処理制御が開始される。
【0132】
一方、ステップS205で肯定判定がされるとステップS206に進み、捕捉炭化水素(HC)量が所定値2よりも大きいか否かが判断される。上述のように所定値2は、所定値1よりも大きな値である。
【0133】
ステップS206で肯定判定がされるとステップ207に進み、捕捉炭化水素(HC)処理制御が実行される。
【0134】
前記ステップS206で否定判断がされると、捕捉炭化水素(HC)量が減少しているので、ステップS209に進み機関が直ちに停止される。
【0135】
以上のように、この実施の形態によれば、触媒に存在する炭化水素(HC)の量の推定がより正確になり、捕捉炭化水素(HC)処理制御が効率的に実行される。すなわち、機関の継続運転がされる機会が減少することで、燃費の悪化が抑制される。
【0136】
なお、前記所定値1または所定値2を、機関停止判断時の触媒温度に対応した値とすることにより、必要充分な制御実行時間として機関停止の遅延時間を設定することができる。この場合は、所定値を固定せず、図7に示すような触媒温度と機関停止許可判断捕捉炭化水素量(所定値)の関係を予めマップとして、これをECU35のRAMに記憶しておく。そして、触媒温度が高いときには適宜所定値を大きく設定することにより、機関運転時間(機関停止の遅延時間)を短縮させることができる。
【0137】
このようにすれば、さらに燃料の消費量を低減することが可能である。
(その他の実施の形態)
車両の信号待ち中等におけるアイドリングストップを実施するための内燃機関の自動始動停止装置を備えた装置では、機関の自動停止の場合には本発明による制御を禁止し、または実行判断の捕捉炭化水素(HC)量の基準を高く設定することが好ましい。このようにすれば、機関停止の遅延の制御が実施される頻度を減少させて燃費の悪化を抑制し、かつ捕捉炭化水素(HC)処理の頻度を適正化することができる。このような自動始動停止装置では、触媒温度の低下を招くほどの時間、内燃機関が停止することは少なく、このような機関停止では捕捉炭化水素(HC)量が所定値よりも多くても白煙が発生する頻度は低い。
【0138】
また、捕捉炭化水素(HC)処理制御による機関停止の遅延による残り時間を運転者に表示、または音声その他の手段によって知らしめることが好ましい。
【0139】
機関停止までの残り時間は、例えば、「捕捉炭化水素(HC)量」と「酸化炭化水素(HC)量と炭化水素(HC)捕捉増加量の差」を求め、前者を後者で割ることにより概略求めることができる。
【0140】
さらに、排気を出せない屋内空間に駐車した場合等、機関の緊急停止が必要な場合を考慮して、機関の強制停止手段を設けることが好ましい。
【0141】
以上説明したように、上記の実施の形態によれば、排気浄化触媒や排気管壁面に捕捉された未反応の炭化水素(HC)量を推定し、これが所定量を超えて捕捉されているときは、イグニションキーがOFFになっても、機関停止を遅延すると共に、低温燃焼への移行、ポスト噴射、燃料の排気中への添加によって触媒を昇温し、捕捉した炭化水素(HC)量を低減してから機関を停止させる。その結果、機関再始動時の白煙の発生が抑制される。
【0142】
このとき、捕捉炭化水素(HC)量の正確な推定により、適切な捕捉炭化水素(HC)処理制御が実施され、不要な機関運転の延長が回避される。
【0143】
また、触媒の昇温に機関燃料が使用される場合を含め、必要以上の燃費の悪化を抑制することができる。
【0144】
【発明の効果】
本発明によれば、排気系に還元剤が添加される排気浄化触媒について、この触媒に捕捉された炭化水素(HC)量を把握し、これらを適切に酸化除去する制御が実行できるので、機関の再始動時における白煙の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る内燃機関の概略構成図である。
【図2】SOx被毒再生処理の開始後の時間の経過に伴う触媒床温と捕捉炭化水素(HC)量の変化を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における捕捉炭化水素(HC)処理制御の実行フローを示すフローチャート図である。
【図4】図3に示す制御におけるSOx被毒再生制御の中断の存否を判断する制御の実行フローを示すフローチャート図である。
【図5】触媒温度と所定値K1の関係を示す図である。
【図6】他の実施の形態における実行フローを示すフローチャート図である。
【図7】機関停止許可判断捕捉炭化水素量(所定値)と触媒温度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
2・・・・気筒
3・・・・燃料噴射弁
4・・・・コモンレール
4a・・・コモンレール圧センサ
5・・・・燃料供給管
6・・・・燃料ポンプ
6a・・・ポンププーリ
8・・・・吸気枝管
9・・・・吸気管
18・・・排気枝管
19・・・排気管
20・・・NOx触媒
22・・・NOxセンサ
23・・・空燃比センサ
24・・・排気温度センサ
28・・・還元剤噴射弁
29・・・還元剤供給路
33・・・クランクポジションセンサ
35・・・ECU
36・・・アクセル開度センサ

Claims (5)

  1. 排気系に排気浄化触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置において、
    内燃機関の停止命令後に前記排気浄化触媒に捕捉された炭化水素を離脱させる炭化水素離脱手段を備え、内燃機関の停止命令時に、排気中の炭化水素量が増大する制御が実行されているか否か、この制御の実行期間、この制御の処理完了後の経過時間のうち、少なくとも一つに基づいて前記排気浄化触媒に捕捉された炭化水素量を推定し、この炭化水素量が所定量以上のときは前記炭化水素離脱手段による前記炭化水素離脱処理を実行することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 排気中の炭化水素量が増大する制御は、前記排気浄化触媒に捕捉された微粒子の酸化除去、前記排気浄化触媒に保持されたNOxの還元、前記排気浄化触媒のSOx被毒再生処理、または前記排気浄化触媒の昇温のうち、少なくとも一つを実施するものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記炭化水素離脱手段は、内燃機関の停止指令後であっても内燃機関の運転を所定時間にわたり継続させることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 内燃機関の停止指令後の運転継続時間は、内燃機関の停止後における捕捉した炭化水素の酸化除去量を予測し、かつ内燃機関の停止判断時の前記触媒の温度に基づいて決定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 内燃機関の停止指令後の運転継続時間は、前記排気浄化触媒の温度が上昇するにしたがって短く設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007223532A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Toyota Motor Corp 車体前部構造
JP2011032997A (ja) * 2009-08-05 2011-02-17 Denso Corp 空燃比検出装置

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