JP2004239063A - 硬岩地層への鋼矢板連続打設工法 - Google Patents
硬岩地層への鋼矢板連続打設工法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 硬岩地層に対し、慣用のダンザホールハンマーによって単独削孔C1を形成して鋼矢板Pをバイブロ打設し、次いで、セクションガイド5を備えたダンザホールハンマー3によって、セクションガイド5を鋼矢板セクションPEで案内して第1ラップ削孔C2を形成し、次いで、突出したアームセクションガイドW5を備えたダンザホールハンマーW3によって、セクションガイドW5を鋼矢板セクションPEで案内して第2ラップ削孔WC2を形成し、次いで、ワイド鋼矢板WPを第1ラップ削孔C2と第2ラップ削孔WC2とに亘って振動打込みし、小径の第1ラップ削孔C2と第2ラップ削孔WC2の一対の削孔作業と、ワイド鋼矢板の打込みを反復してワイド鋼矢板を連続打設する。
【選択図】図1
Description
そして、鋼矢板連続打込みで鋼矢板山留め壁を形成するためには、鋼矢板打込み用の削孔をラップ形態で連続形成する必要があり、例え硬岩地層にダンザホールハンマー削孔を隣接形態に連続形成しても、各削孔間に均斉なラップ削孔部を形成しない限り、現状の振動杭打機での鋼矢板の連続打込みは不可能である。
従って、硬岩地層の如き、ダンザホールハンマーで削孔する地層に対する山留め用連続壁造成は、現状では、親杭(H型鋼)と横矢板併用工法で実施されている。
即ち、硬岩地層への山留め用連続壁造成は、オーガスクリュー、又は円筒体(図示せず)の先端にダンザホールハンマーを装着した削孔軸を用い、削孔軸から供給する強力な高圧空気(10.5kg/cm2)の作用により緩回転(10〜30rpm)するダンザホールハンマーに上下動を付与し、ハンマービットの強力な落下打撃力によって硬岩を叩き砕いて破砕削孔することにより、1〜2mの定間隔に独立削孔を形成する。
即ち、図12(A)に示す如く、オーガ先端部に配置したガイド装置を既打込み済鋼矢板の端部に当接案内し、オーガ基端部(原動機)でのリーダーによる案内と併せて図12(B)の如く、各削孔を均斉な隣接形態で連続形成し、鋼矢板を連続打設する構想を開示している。
特に、横矢板のH型鋼間への嵌合配置に際しては、掘削時の土砂の崩壊を防ぎながらの作業であるため、深さ1m前後の掘削排土と、排土深さ(1m)に対応した横矢板の嵌め込み作業との反復繰返しで所定深度まで実施する作業となり、親杭列の背面側の非掘削地層の、親杭列の表面側の掘削排土側への地山崩壊等、災害、事故発生の危険を伴う難工事であると共に、工事の能率も悪い。
即ち、硬岩等の硬質地層にあっては、例え均斉な連続削孔であっても、各削孔相互がかなりの削孔ラップを有し、各鋼矢板セクション部の打込み部周辺領域が重複(ラップ)削孔で破砕軟質土化されていない限り、鋼矢板の連続打設は無理である。
また、削孔機は、削孔軸2に回転力と押圧力が付与出来れば良く、慣用のオーガ削孔機の使用が可能であり、振動杭打機も、慣用のバイブロ杭打機の使用が可能である。
また、セクションガイドW5は、図5に示す如く、アーム状の固定片W44Cで突出させたものであり、第2ラップ削孔WC2用のセクションガイドである。
また、「既設鋼矢板セクションPE」は、第1ラップ削孔C2及び第2ラップ削孔WC2形成時の基準となるものであり、最初のワイド鋼矢板WP用削孔工程では、単独削孔C1内へ打込んだ鋼矢板PのセクションPEであり、2枚目以降のワイド鋼矢板WP用削孔工程では、直前に打込んだワイド鋼矢板WPのセクションPEである。
また、セクションガイド5と突出したセクションガイドW5は、共に、係合溝5Gにより、鋼矢板セクションPEに係合して案内摺動出来れば良いものであり、係合溝5Gは、鋼矢板のセクションPEの断面形状に適合係止出来る断面形状であれば良い。
従って、最初の鋼矢板P、及び連続打設用ワイド鋼矢板WPの連続打込み断面を基に、ハンマービット6の径と、セクションガイド5及び突出したセクションガイドW5によって適正な削孔ラップCw寸法を設定することにより、広幅の鋼矢板(ワイド鋼矢板)WP打込み用の削孔穴も、削孔動力が小さくても削孔可能な小径の第1削孔C2と第2削孔WC2との形成で得られ、小型のリーダーレスダンザホール削孔機ですら硬岩地層へのワイド鋼矢板用の削孔が可能となり、硬岩地層への合理的な省エネルギー施工が可能となる。
この場合、削孔作業と振動杭打作業との切換え毎に、作業機(振動オーガ機)に削孔軸2とチャック10との交換取付けが必要となるため、作業機への交換取付けは、慣用のピン取付け等で実施するのが好ましい。
従って、1台の土木基礎機械で、削孔作業と鋼矢板打込み作業が実施出来るため、従来の煩雑、且つ困難な作業であった作業機(オーガ機、バイブロ機)の取換えが省略出来、土木基礎機械の稼動率が向上すると共に、作業性も向上し、施工コストが合理化出来る。
この場合、振動オーガ機1は、図3に示す如く、従来の油圧オーガ11に振動部13を直列配置して、着脱機構部P14を備えた出力軸14bに、回転作用と振動作用とが付与出来る作業機である。
また、駆動系統は、オーガ本体11の駆動モータM11の油圧回路のポートの他に、別のポートを増設して振動部13の駆動モータM13用の作動回路を形成すれば良い。
尚、出力軸14bの着脱機構部P14は、削孔軸2の上端及びチャック10の上端を、簡便に、且つ着脱自在に確保すれば良く、典型的には、従来のリーダーレスオーガ機での削孔軸着脱機構同様のピン着脱機構で良い。
この場合、セクションガイド94は、図1(C)の如く、第1ラップ削孔C2形成時の、ダンザホールハンマー3のセクションガイド5と協働する対応物であり、セクションガイドW94は、図1(E)の如く、第2ラップ削孔WC2形成時の、ダンザホールハンマーW3の突出したセクションガイドW5と協働する対応セクションガイドである。
この場合、アダプター9,W9は、慣用の削孔軸2の上下端とピンジョイント可能となって削孔軸2の継ぎ足し作業が簡便になり、損耗の激しいセクションガイド94,W94の取換えも簡便となり、アダプター9,W9のメンテナンスも合理化出来る。
尚、ダンザホール削孔機(ダンザホールハンマー削孔機)は、通常、基端の作業機に取付けた、円筒軸本体先端にダンザホールハンマーを装着した専用機(図示せず)と、図11の如く、基端の削孔機にアースオーガスクリューを装着したオーガ削孔機の先端のスクリューヘッドをダンザホールハンマーに置換したダンザホール削孔機とがあるが、本願明細書中の「削孔軸2」は、ダンザホールハンマーを先端に装着したダンザホールハンマー削孔軸全てを含む意味である。
尚、円筒セクションガイド8,W8は、第1ラップ削孔C2形成時は、ダンザホールハンマー3のセクションガイド5に対応して、図8(A)に示す無突出のセクションガイド80を備えたものを、第2ラップ削孔WC2形成時は、ダンザホールハンマーW3の突出したセクションガイドW5に対応して、図8(E)に示す、突出したセクションガイドW80を備えたものを用いる。
従って、大型のリーダー式ダンザホール削孔機のみならず、小型のリーダーレスダンザホール削孔機によっても、硬岩地層GHへの所定の均斉な連続ラップ削孔C2,WC2の形成が可能となり、一対の小径の第1ラップ削孔C2と第2ラップ削孔WC2内への鋼矢板のスムーズな連続打設が可能となり、山留め用の鋼矢板連続壁造成が、ワイド鋼矢板WPを用いて安全、且つ、画期的高能率の下に実施出来る。
この場合、セクションガイド80,W80にネジ孔(図示せず)を配置してネジボルトを螺入し、ボルト先端を鋼矢板セクションPEに当接押圧すれば、セクションガイド80,W80の鋼矢板セクションPEへの止着は可能である。
この場合、二分割型の円筒輪体82は、連結ピンP8での挿入、抜去による閉止開放操作が有利であり、また、図8に示す如く、円筒輪体82に二分割型の内輪体83を付設形態で併用すれば、削孔軸2の径の変化にも、或いは、摺動摩損にも、内輪体83の取換えで対処出来、有利となる。
図10の如く、鋼矢板Pは、断面形状が平板部PFと、両側の傾斜板部PSとの台形であって、両側の傾斜板部PSの先端が屈曲して係合溝PGを備えたセクションPEを有したものであり、鋼矢板の連続壁は、平板部PFが鋼矢板噛合中心線O−O位置から交互に右側、左側に突出した形態にセクションPEの係合で接続するものである。
従って、「右用セクションガイド」とは、中心線O−Oから右側に突出する鋼矢板P用の一対の第1削孔C2と第2削孔WC2との形成時に、セクションPEに係合させるセクションガイドを意味するものである。
勿論、1枚のワイド鋼矢板WPに対応する第1ラップ削孔C2と第2ラップ削孔WC2は、ダンザホールハンマー中心点Ocを同一線上で実施する。
そして、この場合、各セクションガイド5,W5,94,W94が右用と左用とを備えているため、右側突出鋼矢板用の一対の第1ラップ削孔C2と第2ラップ削孔WC2の削孔時も、左側突出鋼矢板用の一対のラップ削孔C2,WC2の削孔時も、右用セクションガイド片5a,94aと左用セクションガイド5b,94bとの使い分けにより、且つ、ダンザホールハンマー中心点Ocの偏位配置により、図10の如く、消費動力の少ない、小さな削孔径(ハンマービット径)の下に、左右交互に突出する各ワイド鋼矢板WPの全体の収容可能な一対の連続ラップ削孔C2,WC2列の形成が可能となり、鋼矢板WPの連続打設に必要な最少径の削孔C2,WC2の合理的な形成が可能となる。
この場合、振動オーガ機1の降下に伴って地中を降下するダンザホールハンマー3のセクションガイド5、W5及びアダプター9,W9のセクションガイド94,W94は、既削孔C1,C2,WC2内での案内降下と出来、削孔軸2へセクションガイド5,W5を付設突出したための削孔抵抗が無視出来る程度に抑制出来る。
しかも、ハンマービット6は、鋼矢板セクションPEに非接触の状態の下で、必要、且つ十分な削孔ラップCw領域が形成出来る。
この場合、小径部32は、慣用のダンザホールハンマー(図11)のダンザホールハンマー本体30(シリンダー、ハンマー)の駆動に干渉しない形態で、且つ、ケース31の下部に配置するのが好ましい。
また、ケース31は、ハンマー駆動用の高圧空気の排気、排土流にさらされるが、スリーブ4の外表面は、図9の如く、ケース上部31u、ケース下部31dと面一であるため、スリーブ4の損耗は抑制出来る。
そして、損耗の激しい、セクションガイド5,W5の交換取換えにも有利である。
しかも、セクションガイド5,W5を外した状態では、ケース31が上下面一であるため、通常のダンザホールハンマーとしても使用出来、高価なダンザホールハンマーの稼動率が向上する。
従って、小径の連続ラップ削孔C2,WC2列内への、削孔C2,WC2径より広幅のワイド鋼矢板WPの連続打設が低動力削孔及び低動力杭打で可能となり、硬岩地層GHに対する山留め用の鋼矢板連続壁の造成、及び、山留め連続壁に沿った掘削排土が、安全、省エネルギー、且つ、画期的高能率の下に実施出来、施工コストの大幅低減が可能となる。
そして、損耗の激しいセクションガイド5,W5の取換えメンテナンスも容易であり、セクションガイド5,W5を外した状態で慣用のダンザホールハンマーとしても使用出来るため、ダンザホールハンマーの稼動率が向上する。
図4(A)は、振動オーガ機1の全体正面図であり、図4(B)は分解正面図である。
振動オーガ機1は、図4(A)に示す如く、油圧モータM11の下部に、第1減速機11a、第2減速機11b、基本軸受11cの直結した減速機付きモータを、ケース1Cで保護したオーガ本体11と、スイベル部14との間に、振動部13を介装固着したものであり、図2(A)の如く、オーガ本体11上部を取付ピンP1で基礎機械(リーダーレスオーガ機)のブラケットに吊下げ、図3の如く、スイベル部14下端の出力軸14bに、ダンザホールハンマー装着削孔軸2と、鋼矢板把持用チャック10とを着脱機構部P14で交換接続可能とする。
また、振動部13は、偏芯体を対向配置して同調ギアを介して回動し、上下振動を発生させるバイブロであり、振動部13の上部の取付部C13と、強力軸受12の上面外周の角4ヶ所の取付部C12とをボルトナット締着する。
また、強力軸受12の下端の出力軸12bと、スイベル部14の出力軸受14aとをボルトナットEで連結する。
また、オーガケース1Cとオーガ本体11との取付けは、取付部A1と、取付部A11とをボルトナット締着する。
以上の如く、強力軸受12と振動部13との好適な組込みにより、図4(A)に示す振動オーガ機1が得られる。
本発明のダンザホールハンマーは、第1ラップ削孔C2形成用のダンザホールハンマー3と、第2ラップ削孔WC2形成用のダンザホールハンマーW3の2タイプ用意するが、両者は、無突出のセクションガイド5であるか、突出形態のセクションガイドW5であるかの相違のみである。
従って、第1ラップ削孔C2用ダンザホールハンマー3も、第2ラップ削孔WC2形成用ダンザホールハンマーW3も、一般的な市販のダンザホール本体30と、外側のケース(ダンザホール)31を備えたものであって、下部にハンマービット6を有し、油圧オーガのスイベル部を通った高圧エアーが、上部のオスジョイント部Jmからオーガスクリュー内部を通って供給され、ダンザホール本体30内のシリンダー(図示せず)を駆動してハンマービット6に上下動を生起し、岩石を叩き砕くものであり、内部構造、及び打撃破砕作用は、図11(C)に示す慣用のダンザホールハンマーと同じである。
ダンザホールハンマー3,W3共、図6(A)に示す如く、ケース31として、外径508mm、厚さ16mmの市販の鋼管を所望長に切断して、ケース上部31uとケース下部31dを用意し、別途用意した外径355.6mm、厚さ15mmのケース小径部32用の鋼管とを溶接接合して、ケース上部31u(標準長:1500mm)と、小径部32(標準長:500mm)と、ケース下部31d(標準長:300mm)から成るケース31を準備する。
次いで、肉厚28mmで、内面には内スリーブ42の嵌合凸部a42に対応した嵌合凹部b43を有する円筒二分割形態の外スリーブ43aと、43bとを、内スリーブ42上に、嵌合凹部b43を嵌合凸部a42に嵌着してボルト穴h43とボルト穴h42とを介してボルト締着する。
次いで、ケース小径部32上に回動自在、且つ、上下動不能にスリーブ4を配置したケース31を、慣用(市販)のダンザホールハンマー(図11(C))のケースと置換して取付ピンP3でダンザホール本体30と止着し、本発明第1ラップ削孔C2形成用のダンザホールハンマー3を得る。
そして、固定片W44Cの突出長は、削孔径に応じて決定し、第2ラップ削孔WC2形成時に、セクションガイドW5が、第1ラップ削孔C2形成時のセクションガイド5と同様に、図10(D)の如く、第1ラップ削孔C2を横断貫通して既打設鋼矢板セクションPEに係合する長さとする。
尚、ホルダー44,W44のスリーブ4への固定は、図6の溶接一体化に代えて、固定片44C,W44Cの外スリーブ43a表面へのボルト締着でも良く、この場合、ケース31外面に突出するホルダー44,W44、及びセクションガイド片5a,5bは、使用時での止着となるため、ダンザホールハンマー3,W3の保守、管理が合理化出来る。
第1ラップ削孔C2用の円筒セクションガイド8と、第2ラップ削孔WC2用の円筒セクションガイドW8の2タイプを用意するが、両者は単に、無突出のセクションガイド80と、突出したセクションガイドW80との相違のみである。
円筒セクションガイド8,W8は、図1(B)の如く、ダンザホールハンマー削孔軸2の削孔作業中に、地面GLに載置して削孔軸2を地面位置で案内するものであり、図8(A)に示す如く、円筒の内径D8が削孔軸2の外径D2(図1)より若干(標準:10mm)大きくする。
図8(B)の如く、第1ラップ削孔C2形成用円筒セクションガイド8は、セクションガイド80を備えた平板形態の固定板81の両側端に、連結ピンP8で回動自在にピン係止した、両側の半円筒形態の円筒輪体82(外輪体)と、各外輪体82の内周部に配置する半円筒形態の内輪体83で構成する。
セクションガイド80は、図8(B)の如く、中央に仕切板80wを前方に突出し、両側に係合溝8Gを備えた形態で、且つ、仕切板80wが円筒輪体82から上下に突出部80eを30mm突出した形態に一体化鋳造し、仕切板80wの突出部80eにボルト穴h80を付与し、固定板81の外表面に溶接一体化する。
そして、固定板81の両側縁中央部の円筒片tu1と、各円筒輪体82の内端部上下の円筒片tu2とを連結ピンP8で挿通係止し、固定板81を中心として開閉可能な円筒輪体82を構成する。
そして、一種の円筒輪体82に対して、数種の異なる曲率半径の内輪体83を用意しておき、削孔軸2の外径の変化に対応して異なる内径サイズに取換え配置したり、内周面の摩損によって取換えるものであるから、オーガスクリュー2を摩耗させない軟鋼管で製作する。
即ち、固定板81上に突出する断面角筒形の支持腕80Aを固定し、支持腕80Aの先端面に、第1ラップ削孔C2形成用の円筒セクションガイド8同様に、仕切板80w及び両側の係合溝8Gを配置すれば良い。
支持腕80Aは角筒であるため薄肉板金で製作出来、地面GLに載置するので角筒であっても何ら支障ない。
図7(A)は、第1ラップ削孔C2掘削時の削孔軸用第1アダプター9の分解斜視図であり、図7(B)は第1アダプター組立状態斜視図であり、図7(C)は第1アダプターの完成状態斜視図であり、図7(D)は、第2ラップ削孔WC2掘削軸用の第2アダプターW9の固定片W93C斜視図であり、図7(E)は、第2アダプターW9斜視図である。
即ち、図7(C)、図7(E)から明らかな如く、第1アダプタ−9と第2アダプターW9とは、単に、セクションガイド固定片93C,W93Cの形状のみ相違し、第2アダプターW9のセクションガイドW94が長尺突出したものである。
この場合、第1アダプター9では、ホルダー93に止着したセクションガイド片94a,94bの係合溝94Gが鋼矢板セクションPEに係合した状態で、ダンザホールハンマー外周が鋼矢板セクションPEに接触しないよう、ホルダー93の側方突出寸法を決定し、第2アダプターW9では、ハンマービット6の中心点Ocを所定第2ラップ削孔WC2位置に設定した状態で、ホルダーW93が第1ラップ削孔C2を横断貫通し、セクションガイド片94a,94bの係合溝94Gが既設鋼矢板セクションPEに係合するように、ホルダーW9の側方突出寸法を決定する。
硬岩地層GHに対する鋼矢板連続打設工法は、図2の如く、作業機として振動オーガ機1を装着したリーダーレス基礎機械により実施する。
また、鋼矢板Pとしては、慣用の400mm幅(三型幅)を、ワイド鋼矢板WPとしては600mm幅(ワイド三型幅)を採用する。
また、単独削孔C1、第1ラップ削孔C2、第2ラップ削孔WC2は、共に同径であって、径が508mmのハンマービットを用いる。
最初の単独削孔C1の形成は、慣用のオーガスクリューのスクリューヘッドに代えて、慣用のダンザホールハンマー(図11(C))を配置した削孔軸2を、振動オーガ機1の出力軸14bに着脱機構部P14でピン接続し、慣用のダンザホールハンマー削孔により、図10(A)の如く、所定深度まで形成する。
そして、第1ラップ削孔C2と第2ラップ削孔WC2を削孔形成すれば、振動オーガ機1に削孔軸2と油圧チャック10とを交換取付けし、図1(F)の如く、ワイド鋼矢板WPをチャック10で把持して、第1ラップ削孔C2と第2ラップ削孔WC2とに亘って、且つ、既設鋼矢板セクションPEとのセクション係合の下にバイブロ打込みする。
また、ワイド鋼矢板WPの連続壁中に、例えばコーナー部等、必要に応じて小幅の鋼矢板Pを配置する際には、第1ラップ削孔C2内に小幅の鋼矢板Pを打込めば良い。
従って、硬岩地層GHへの小径で同一径の単独削孔C1、第1ラップ削孔C2、第2ラップ削孔WC2の省エネルギー削孔により、削孔径より広幅のワイド鋼矢板WPによる連続打設壁が容易に形成出来る。
円筒セクションガイド8,W8を配置しての第1ラップ削孔C2、及び第2ラップ削孔WC2の形成作用は、削孔軸2が、先端のダンザホールハンマー3,W3のセクションガイド5,W5と、地面位置での円筒セクションガイド8,W8との案内となるため、硬岩地層GH中への打撃削孔作業も、横ぶれが抑制出来てスムーズに遂行出来る。
第1アダプター9も、第2アダプターW9も図7(C)、(E)の如く、右用と左用のセクションガイド片94a,94bを備えているため、ダンザホールハンマー3、又はW3のセクションガイド5、又はW5と同様に、セクションガイド片94a,94bを使い分けて既設鋼矢板PのセクションPEに係合して、アダプター9,W9を、上部のオスジョイント部Jmと下部のメスジョイント部Jfとにより、地中削孔軸2と、継ぎ足し削孔軸2とを接続し、ラップ削孔作業を再閉継続する。
図1(E)の如く、アダプター9、又はW9も地中深く進入した段階で、必要に応じて、再度円筒セクションガイド8、又はW8を再配置してラップ削孔C2,WC2を形成する。
勿論、円筒セクションガイド8,W8のセクションガイド80,W80、及び削孔軸用アダプター9,W9のセクションガイド94,W94の左右選択適用は、ダンザホールハンマーのセクションガイド5,W5と整合させる。
2 削孔軸(ダンザホールハンマー削孔軸)
3,W3 ダンザホールハンマー
4 スリーブ
5,80,94 セクションガイド
5a 右用セクションガイド片(セクションガイド片)
5b 左用セクションガイド片(セクションガイド片)
5G,8G,94G 係合溝
6 ハンマービット
7 アダプター
8 円筒セクションガイド
9 第1アダプター(アダプター、継手)
W9 第2アダプター(アダプター、継手)
10 チャック(油圧チャック)
11 オーガ本体(減速機付モータ、油圧オーガ)
11a 第1減速機(減速機)
11b 第2減速機(減速機)
11c 基本軸受
11d スプライン出力軸(出力軸)
12 強力軸受(軸受)
12a 出力軸受(軸受)
12b 出力軸
13 振動部(バイブロ)
14 スイベル部
14a 出力軸受
14b 出力軸(振動オーガ出力軸)
30 ダンザホール本体(ダンザホールハンマー本体)
31 ケース
31u ケース上部
31d ケース下部
32 小径部(ケース小径部)
41,41a,41b,91,91a,91b スリーブガイド
42,42a,42b 内スリーブ
43,43a,43b 外スリーブ
44,93 ホルダー
W44,W93 アームホルダー(ホルダー)
44C,W44C,93C,W93C 固定片
44P,93P 保持片
80,W80 セクションガイド
80e 突出部
80w 仕切板
81 固定板
82 円筒輪体(外輪体)
82a,83a 舌片
83 内輪体
90 ロッド片
92,92a,92b スリーブ
94a,94b セクションガイド片
A1,A11,B11,B12,C12,C13,D12,D13 取付部
a42 嵌合凸部(嵌合部)
b43 嵌合凹部(嵌合部)
GL 地面
Jm オスジョイント部(ジョイント部)
Jf メスジョイント部(ジョイント部)
Lm 溶接線(溶接)
hj ジョイントピン孔
f41,f91 フランジ
h5,h42,h43,h44,h80,h82,h83,h93,h94 ボルト穴
C1 最初の削孔(単独削孔)
C2 第1ラップ削孔(削孔)
WC2 第2ラップ削孔(削孔)
Cw 削孔ラップ
JP2,JP3 取付ピン部
M11,M13 駆動モータ(油圧モータ、モータ)
P 鋼矢板
WP ワイド鋼矢板(鋼矢板)
PE セクション
PF 平板部
PG 係合溝
PS 傾斜板部
P1,P3 取付ピン
P8 連結ピン
P14 着脱機構部(取付ピン部)
S ネジボルト(ボルト)
tu1,tu2,tu3,tu4 円筒片
W5,W8,W94 アームセクションガイド(セクションガイド)
Claims (9)
- 慣用のダンザホールハンマーを備えた削孔軸(2)を接続した削孔機によって単独削孔(C1)を形成し、次いで、振動杭打機によって、鋼矢板(P)を削孔(C1)内に振動打込みし、次いでセクションガイド(5)を有するダンザホールハンマー(3)を備えた削孔軸(2)を接続した削孔機により、ダンザホールハンマー(3)のセクションガイド(5)を既設鋼矢板のセクション(PE)に係合して、既削孔(C1)に削孔ラップ(Cw)を有する第1ラップ削孔(C2)を形成して削孔軸(2)を抜去し、次いで、突出したセクションガイド(W5)を有するダンザホールハンマー(W3)を備えた削孔軸(2)を接続した削孔機により、セクションガイド(W5)を既設鋼矢板セクション(PE)に係合して、該第1ラップ削孔(C2)に削孔ラップ(Cw)を有する第2ラップ削孔(WC2)を形成し、該削孔軸(2)の抜去後、振動杭打機により、新設ワイド鋼矢板(WP)を、既設鋼矢板のセクション(PE)に係合して、第1ラップ削孔(C2)と第2ラップ削孔(WC2)とに亘って打込み、以降、一対のラップ削孔(C2,WC2)の形成と、ワイド鋼矢板(WP)の打設とを反復実施する、硬岩地層への鋼矢板連続打設工法。
- 削孔機と振動杭打機が単一の振動オーガ機(1)であり、振動オーガ機(1)の出力軸(14b)が、回転運動と振動運動とを自在に発生する、請求項1の鋼矢板連続打設工法。
- 振動オーガ機(1)が、オーガ本体(11)と、スイベル部(14)との間に、振動部(13)を介在固定し、下端の出力軸(14b)の着脱機構部(P14)に、ダンザホールハンマー削孔軸(2)、及び鋼矢板把持用チャック(10)を交換取付可能とし、オーガ本体(11)の駆動モータ(M11)と、振動部(13)の駆動モータ(M13)とは、別個独立の駆動系統とした、請求項2の鋼矢板連続打設工法。
- セクションガイド(5,W5)を備えたダンザホールハンマー削孔軸(2)が土中に没入して次の削孔軸(2)を継ぎ足す際に、ダンザホールハンマー(3,W3)のセクションガイド(5,W5)に対応するセクションガイド(94,W94)を備えたアダプター(9,W9)を用いて、セクションガイド(94,W94)を既設鋼矢板セクション(PE)と係合して削孔軸(2)相互を連結する、請求項1乃至3のいずれか1項の鋼矢板連続打設工法。
- セクションガイド(5,W5)を有するダンザホールハンマー(3,W3)が地中に埋没した段階で、該セクションガイド(5,W5)に対応するセクションガイド(80,W80)を備えた円筒セクションガイド(8,W8)を、削孔軸(2)の外周に遊嵌して地面(GL)に載置すると共に、既設鋼矢板に止着し、円筒セクションガイド(8,W8)で削孔軸(2)の削孔進行を案内する、請求項1乃至4のいずれか1項の鋼矢板打込み工法。
- 円筒セクションガイド(8,W8)は、セクションガイド(80,W80)を備えた二分割開閉型の円筒輪体(82)であって、セクションガイド(80,W80)を既設鋼矢板のセクション(PE)に係合すると共に、削孔軸(2)外周に遊嵌閉止し、地面に載置した状態で、セクションガイド(80,W80)を鋼矢板セクション(PE)に止着して削孔軸(2)を案内する、請求項5の鋼矢板連続打設工法。
- ダンザホールハンマー(3,W3)のセクションガイド(5,W5)、及び、アダプター(9,W9)のセクションガイド(94,W94)が、右用セクションガイド片(5a,94a)と左用セクションガイド片(5b,94b)とを備え、右用セクションガイド片(5a,94a)の鋼矢板セクション(PE)への係合時には、ダンザホールハンマー中心点(Oc)を鋼矢板噛合中心線(O−O)から右側へ距離(d1)をずらし、左用セクションガイド片(5b,94b)の鋼矢板セクション(PE)への係合時には、ダンザホールハンマー中心点(Oc)を鋼矢板噛合中心線(O−O)から左側へ距離(d1)をずらして削孔する、請求項4乃至6のいずれか1項の鋼矢板連続打設工法。
- 鋼矢板(P)は単独削孔(C1)内に、ワイド鋼矢板(WP)は第1ラップ削孔(C2)と第2ラップ削孔(WC2)に亘る2削孔内に、共に、進行方向(F)の後方にずらして打込む、請求項1乃至7のいずれか1項の鋼矢板連続打設工法。
- ダンザホールハンマー(3,W3)は、ダンザホール本体(30)の外周のケース(31)に小径部(32)を形成し、小径部(32)外周にスリーブ(4)を、ケース外周面と面一に、上下動不能、且つ摺動回転可能に配置し、スリーブ(4)に、鋼矢板セクション(PE)と係合摺動するためのセクションガイド(5
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