JP2004239011A - ポンプゲートへの水中ポンプの着脱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水中ポンプ(1)の吐出ケーシング(3)に、上部外壁から左右に突設させた係止杆(8)と、下部外壁から垂下させた係止爪(9)を設け、止水ゲート(10)の前壁に、傾斜状の案内部(12a)と保持部(12b)を設けた一対の凹溝状の上部受け(12)と、水平状の係合杆(13b)を設けた下部受け(13)を配設したもので、止水ゲート(10)に配設する水中ポンプ(1)の重量が軽減され、負担を掛けることがなく止水ゲート(10)の開閉が行なえる。水中ポンプ(1)と止水ゲート(10)のシールができるので、水中ポンプ(1)の振動と脱落が防止され、水圧によりシール面が離れることがなく、ポンプ揚程が高揚程まで可能となる。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、止水ゲートに水中ポンプを装着して閉鎖状態で強制排水を行なうポンプゲートに関し、詳しくは、止水ゲートから着脱自在とした水中ポンプの着脱装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、灌漑用や取水用のポンプゲートに、水中ポンプを支架した止水ゲートを配設し、水中ポンプを止水ゲートとともに昇降させるポンプゲートは良く知られている。このゲートポンプは降雨等による突然の増水に対応するため、常時清掃と点検整備を行なっている。ポンプゲートは、止水ゲートと水中ポンプの接続をフランジにボルト止めをした固定タイプと、水中ポンプを止水ゲートから容易に取外せる着脱式がある。止水ゲートに固定した水中ポンプは、水中ポンプがゲート下部に取付けられているため、止水ゲート本体を大きく引上げなければ清掃や点検が困難で、ポンプゲートの建屋も高いものが必要となっていた。水中ポンプのメンテナンス性を考えた場合、着脱式の水中ポンプが有利である。着脱式のポンプゲートとして、止水ゲートに連結した着脱配管に水中ポンプを水平状に配設したポンプゲートを、特許文献1で本願発明の出願人が提案している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−342999号公報(発明の詳細な説明の欄、段落番号0008及び0009、第5図)
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
従来の着脱式の水中ポンプは、着脱用受けを設けた着脱配管が必要であり、着脱配管の長さ分だけポンプの重心が止水ゲートの重心より離れ、ゲートに負担を掛けている。また、着脱式の水中ポンプは、揚程が高い場合や大口径になると、水圧によってシール面が開いてしまう。その対策として、水中ポンプの重量増や、重心を止水ゲートから離すことが考えられるが、ポンプゲートの場合、水門や止水ゲートの負担増となる。この発明は、水中ポンプを止水ゲート側に寄せることでポンプゲート一体の重量を軽くして、ポンプゲートや止水ゲートの負担を軽減させる止水ゲートへの水中ポンプの着脱装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨は、昇降自在とした止水ゲートに、吸込口と吐出口を水平状に配設した水中ポンプを着脱自在に支架し、止水ゲートを閉鎖状態で強制排水を行なうポンプゲートにおいて、水中ポンプの吐出ケーシングに、その上部外壁に係止杆と下部外壁に係止爪を設け、止水ゲートに水中ポンプの吐出ケーシングに連通する吐出管を配設すると共に、吐出管を開口した止水ゲートの上部前壁と下部前壁に、一対の上部受けと下部受けを突設して、水中ポンプの係止杆を止水ゲートの上部受けに嵌入し、水中ポンプの係止爪を止水ゲートの下部受けに係止させるもので、着脱配管を省略して止水ゲートに直接水中ポンプが取付けられ、止水ゲートに配設する水中ポンプの重量を軽減させ、ゲート開閉機の出力を抑えることができる。そして、着脱配管の長さ分ポンプをゲート側に寄せることができ、止水ゲートに負担を掛けることがなく、安定した止水ゲートの開閉が行なえる。
【0006】
具体的な水中ポンプの着脱装置は、水中ポンプの吐出ケーシングに、上部外壁から左右に突設させた係止杆と、ケーシングの下部外壁から垂下させて吸込側に傾斜部を形成した係止爪を設けると共に、止水ゲートの前壁に、傾斜状の案内部と保持部を設けた一対の凹溝状の上部受けと、水平状の係合杆を設けた下部受けを配設したもので、水中ポンプの振動と脱落を防止することができる。水中ポンプと止水ゲートのシールができるので、水圧によりシール面が離れることがなく、ポンプ揚程が高揚程まで可能となる。そして、止水ゲートを陸上部まで上昇させることなく、ポンプ本体を取外すことができ、メンテナンス性が向上する。水中ポンプを吊上げれば足場等を組む必要もなく、水中ポンプを止水ゲートから取外し、点検整備が行なえるもので、止水ゲートの建屋も低くてすむものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明に係るポンプゲートへの水中ポンプの着脱装置は、上記のように構成してあり、止水ゲートを水面近傍に上昇させた後、吊設した水中ポンプの吐出ケーシングの係止杆を止水ゲートの凹溝状の上部受けに当接して水中ポンプを降下させる。水中ポンプは上部受けの傾斜した案内部に案内されて保持部に嵌入し、止水ゲートが直接水中ポンプの荷重を支える。同時に、吐出ケーシングの係止爪が、その吸込側の傾斜部を止水ゲートの係合杆に摺接させて係止する。水中ポンプが止水ゲートに装着され、水中ポンプの吐出口と止水ゲートの開口部が合着してシールされる。水中ポンプの吐出口が止水ゲートに直接設置され、水中ポンプの振動、脱落を防止して、閉鎖状態で強制排水を行なうことができ、装着した水中ポンプは止水ゲートとともに昇降も可能となる。そして、点検整備などのために水中ポンプを着脱配管から取外す時には、水中ポンプを吊上げれば、吐出ケーシングの係止杆と係止爪が、止水ゲートの上部受けと下部受けから離反する。水中ポンプは止水ゲートから取外すことができて、地上に吊上げて点検整備が行なえる。
【0008】
【実施例】
この発明の実施例を図面に基づき詳述すると、まず、図1は水中ポンプ1の側面図であって、水中ポンプ1は円筒状に形成された羽根ケーシング2と吐出ケーシング3が連結してあり、羽根ケーシング2と吐出ケーシング3が横軸の軸線方向に配設してある。羽根ケーシング2に羽根車(図示せず)と、吐出ケーシング3に羽根車に連結したモーター4が配設してあり、モーター4の後端部が吐出ケーシング3から突出させて、モーター4の周部を流路としてある。なお、符号5は水中ポンプ1の吊設チエーン、符号6はモーター4の給電用の電源ケーブルである。
【0009】
図2は吐出ケーシング10の正面図であって、吐出ケーシング3の上部外壁にブラケット7が嵌着してあり、このブラケット7に丸棒状の係止杆8が左右に突設させてある。吐出ケーシング3の下部外壁から一対の角棒状の係止爪9、9が垂下させてあり、図1に示すように、係止爪9は水中ポンプ1の吸込側を切欠いて傾斜部9aを形成してある。図3はポンプゲートに配設する止水ゲートの正面図であって、水中ポンプ1の吐出ケーシング3に連通させる吐出管11が止水ゲート10に配設してある。この吐出管11を開口11aした止水ゲート10の前壁10aの上部と下部に一対の上部受け12、12と下部受け13、13がそれぞれ突設してある。止水ゲート10の前壁10aに吐出管11の開口11aと吐出ケーシング3を合着させるシール面14を形成してある。
【0010】
図4は止水ゲート10の側面図であって、止水ゲート10に配設した上部受け12は、両側を貫通させて凹溝状に形成してあり、水中ポンプ1の吸込み側に向って傾斜させた案内部12aと、上方に向って開口した保持部12bが設けてある。図3及び図4に示すように、止水ゲート10に配設した下部受け13は、止水ゲート10から突設させた一対のブラケット13a、13aに係合杆13bが水平状に軸支してある。図5及び図6は水中ポンプの装着状態を示す側面図であって、水中ポンプ1を止水ゲート10に装着するには、先ず、吊設チエーン5に吊下げられた水中ポンプ1を水平移動して、吐出ケーシング3から突出したモーター4を止水ゲート10の吐出管11の内部に挿入する。次に、図5に示すように、水中ポンプ1の吐出ケーシング3の上部外壁から延設した係止杆8を、止水ゲート10に突設した上部受け12の案内部12aの開口に当接させる。水中ポンプ1を降下させれば、図6に示す状態の、傾斜した案内部12aに案内させて保持部12bに嵌入して、止水ゲート10が直接水中ポンプ1の荷重を支えることができる。
【0011】
図5及び図6に示すように、水中ポンプ1の係止杆8を、止水ゲート10の上部受け12に嵌着した時に、同時に、水中ポンプ1の吐出ケーシング3の下部外壁から垂下させた係止爪9の傾斜部9aが、止水ゲート10から突設させた係合杆13bに摺接しながら係止され、水中ポンプ1が止水ゲート10に装着される。水中ポンプ1の吐出ケーシング3と止水ゲート10の吐出管11の開口11aが合着して水中ポンプ1のシール面14の面圧を確保する。水中ポンプ1が止水ゲート10に直接設置され、水中ポンプ1の振動、脱落を防止して、閉鎖状態で強制排水を行なうことができる。なお、図2及び図3の実施例では、水中ポンプ1の係止爪9と止水ゲート10の下部受け13を吐出管11の開口11aの下部近傍に1対設けてあるが、小型の水中ポンプ1にあっては、吐出管11の開口11aの下端近傍に一ヶ所だけに設けてもよいものである。
【0012】
点検整備のために、水中ポンプ1を止水ゲート10から取外す時には、止水ゲート10を上昇させて水中ポンプ1を水面上の近傍に引上げた後、水中ポンプ1を上方に吊上げれば、水中ポンプ1は吐出ケーシング3の係止杆8が止水ゲート10の凹溝状の上部受け12から摺接しながら解離する。同時に、水中ポンプ1に配設した係止爪9が止水ゲート10に設けた下部受け13の係合杆13bから解離する。次に、吊上げた水中ポンプ1を止水ゲートから水平に離反させれば、モーター4の後端部を止水ゲートに内設した吐出管11から抜出して、水中ポンプ1を地上に引上げることができる。
【0013】
【発明の効果】
この発明は、上記のように構成してあり、水中ポンプを止水ゲート側に寄せることでポンプゲート一体の重量を軽くして、ポンプゲートや止水ゲートの負担を軽減させることができる。即ち、従来装置にあっては、水中ポンプの着脱配管の長さ分だけポンプの重心が止水ゲートの重心より離れ、止水ゲートに負担を掛けていた。また、着脱式の水中ポンプは、揚程が高い場合や大口径になると、水圧によってシール面が開く恐れがあった。この発明にあっては、水中ポンプの吐出ケーシングに係止杆と係止爪を設け、止水ゲートに配設した吐出管の開口の前壁に上部受けと下部受けを突設して、水中ポンプを止水ゲートに着脱自在としたもので、止水ゲートに直接水中ポンプが取付けられ、止水ゲートに配設する水中ポンプの重量が軽減されて、ゲート開閉機の出力を抑えることができる。そして、着脱配管の長さ分ポンプをゲート側に寄せることができ、止水ゲートに負担を掛けることがなく、安定した止水ゲートの開閉が行なえる。
【0014】
水中ポンプの具体的な着脱装置が、水中ポンプの吐出ケーシングに、上部外壁から左右に突設させた係止杆と、下部外壁から垂下させて吸込側に傾斜部を形成した係止爪を設け、止水ゲートの前壁に、傾斜状の案内部と保持部を設けた凹溝状の上部受けと、水平状の係合杆を設けた下部受けを配設したもので、水圧によりシール面が離れることがなく、水中ポンプの振動と脱落が防止され、ポンプ揚程が高揚程まで可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るポンプゲートに着脱させる水中ポンプの側面図である。
【図2】この発明に係る水中ポンプの吐出ケーシングの正面図である。
【図3】この発明に係る止水ゲートの正面図である。
【図4】この発明に係る止水ゲートの側面図である。
【図5】水中ポンプを止水ゲートの装着位置に合致させた状態を示す側面図である。
【図6】水中ポンプを止水ゲートに装着した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 水中ポンプ
3 吐出ケーシング
8 係止杆
9 係止爪
9a 傾斜部
10 止水ゲート
11 吐出管
11a 開口
12 上部受け
12a 案内部
12b 保持部
13 下部受け
13b 係合杆
Claims (2)
- 昇降自在とした止水ゲート(10)に、吸込口と吐出口を水平状に配設した水中ポンプ(1)を着脱自在に支架し、止水ゲート(10)を閉鎖状態で強制排水を行なうポンプゲートにおいて、水中ポンプ(1)の吐出ケーシング(3)に、その上部外壁に係止杆(8)と下部外壁に係止爪(9)を設け、止水ゲート(10)に水中ポンプ(1)の吐出ケーシング(3)に連通する吐出管(11)を配設すると共に、吐出管(11)を開口(11a)した止水ゲート(10)の上部前壁と下部前壁に、一対の上部受け(12、12)と下部受け(13、13)を突設して、水中ポンプ(1)の係止杆(8)を止水ゲート(10)の上部受け(12)に嵌入し、水中ポンプ(1)の係止爪(9)を止水ゲート(10)の下部受け(13)に係止させることを特徴とするポンプゲートへの水中ポンプの着脱装置。
- 水中ポンプ(1)の吐出ケーシング(3)に、上部外壁から左右に突設させた係止杆(8)と、ケーシング(3)の下部外壁から垂下させて吸込側に傾斜部(9a)を形成した係止爪(9)を設けると共に、止水ゲート(10)の前壁に、傾斜状の案内部(12a)と保持部(12b)を設けた一対の凹溝状の上部受け(12)と、水平状の係合杆(13b)を設けた下部受け(13)を配設したことを特徴とする請求項1に記載のポンプゲートへの水中ポンプの着脱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003031935A JP3985687B2 (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | ポンプゲートへの水中ポンプの着脱装置 |
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Publications (2)
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JP2004239011A true JP2004239011A (ja) | 2004-08-26 |
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JP2003031935A Expired - Fee Related JP3985687B2 (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | ポンプゲートへの水中ポンプの着脱装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101469813B1 (ko) * | 2014-03-25 | 2014-12-10 | 금정공업 주식회사 | 탈부착이 가능한 게이트펌프와 설치구조물 |
-
2003
- 2003-02-10 JP JP2003031935A patent/JP3985687B2/ja not_active Expired - Fee Related
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