JP2004238376A - 透明液状油性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】濡れた手や、濡れた体に使用しても油剤が本来備えているなめらかなマッサージ性や透明感のある外観、油汚れを溶かす性質を維持できるにもかかわらず、すすぎ時には大量の水の添加により、容易に乳化して洗い流すことができる透明液状油性組成物の提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(E):
Figure 2004238376

を含有する組成物であって、該組成物100重量部に対して100重量部までの水を加えて混合するとき、常に透明又は半透明の状態をとる温度が28〜32℃の範囲内に存在することを特徴とする透明液状油性組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚に適用後、水又は湯で洗い流して使用する、油剤を主体とした透明な液状組成物に関し、さらに詳細には、透明で美麗な液状を呈し、浴室や洗面台等、水の介在する環境下でも、例えばマッサージ化粧料、クレンジング化粧料として使用することができる透明液状油性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、界面活性剤/水/油の共存する系では、界面活性剤濃度が一定の場合、水/油の混合比と温度によって系の状態が変化することが知られており、相図を基にした研究がなされている。
界面活性剤を含む油相から、水の割合を増やしていく場合、界面活性剤の働きにより水は一部油中に可溶化され、透明から半透明の外観の可溶化状態を呈する。この可溶化量の大きさは、界面活性剤の種類と配合量のほかに、系全体の親水性−親油性バランス(HLバランス)、特に用いられる界面活性剤のHLバランスに大きな影響を受ける。
【0003】
一般に、非イオン界面活性剤を用いた系では、界面活性剤が温度によってHLバランスを変化させるため、油への水の可溶化量は、温度によって著しく変化し、最適な温度範囲よりも高い温度であっても、低い温度であっても急激に可溶化量が減ってしまう。すなわち、最適温度よりもより高い温度においては、界面活性剤が油相に溶解しやすいため、水の添加によりW/Oエマルションになり白濁し、低い温度においては、界面活性剤が水相に溶解しやすいため、O/Wエマルションとなり白濁する(非特許文献1)。
【0004】
ところで、一般に洗い流して使用するオイル製剤を商品設計する場合、スキンケア効果や洗浄効果など、オイルそのものの効果もさることながら、洗い流しやすく、油性感が残らないことが重要である。このような思想のもと、水が混入したときに素早くO/Wエマルションに乳化し、さっぱりと洗い流せるオイル製剤に関する技術が開発されてきた。
【0005】
オイルクレンジング関連では、例えば、特許文献1に、特定の非イオン界面活性剤と液体油を組み合わせ、使用後水により容易に乳化分散してすすぎ落とせる非水クレンジング料が記載されている。特許文献2及び特許文献3には、これに更に水を加え、洗い流し性や安定性を向上させたクレンジング化粧料が記載されている。また、特許文献4には、非イオン界面活性剤と脂肪酸等の特定の添加剤を含有する液状油性皮膚洗浄料が、洗い流し時により乳化しやすいことが記載され、特許文献5には、油性成分と、特定の非イオン界面活性剤及び少量の多価アルコールを含有する油性洗浄料が、良好な洗い流し性や使用感を有することが記載されている。
【0006】
これらの技術では、オイル製剤が素早くO/W状態に乳化して、すっきりと洗い流せるようにするために、ある程度HLバランスの高い非イオン界面活性剤を選ぶか、油や添加剤の種類を変えて系全体のHLバランスを高めに設定されている。そのために前述した相図の上では、油が最も水を可溶化する領域は、実使用温度範囲である約30℃近辺よりも高い温度領域であるか、あるいはほとんど存在しなくなり、実使用温度近辺では水の混入によって速やかにO/Wとなる領域が広がっているような系に設計される。
【0007】
しかしながら、一般のオイル製剤において、水の混入により速やかにO/Wに乳化するという性質は、逆に水が混入するとオイルとしての性質が失われてしまうということにもつながるため、従来のオイル製剤では、濡れた手での使用や濡れた体に対する使用が困難であった。
【0008】
【非特許文献1】
篠田耕三,「転相温度方式とHLB値方式による乳化剤選定の比較」,日本化学雑誌,1968年,第89巻,第5号,p.435−442
【特許文献1】
特開昭62−108806号公報
【特許文献2】
特開平3−161428号公報
【特許文献3】
特開2002−241224号公報
【特許文献4】
特開平11−35421号公報
【特許文献5】
特開2001−342115号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、濡れた手や、濡れた体にも使用でき、かつすっきりと洗い流せ、浴室やシャワー室での使用も可能な透明液状油性組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、製剤に対し100重量部までの水(製剤:水=1:1重量比)の混入に際して、(一時的にでも)可溶化領域を形成し、かつ可溶化領域の形成される温度範囲が実使用温度、つまり皮膚表面での温度に合致するよう、特定の非イオン界面活性剤等と油剤を特定の割合で組み合わせて用いれば、水の混入に対してもオイルとしての性質を失わず、濡れた手や、濡れた体に使用しても油剤が本来備えているなめらかなマッサージ性や透明感のある外観、油汚れを溶かす性質を維持でき、すすぎ時には大量の水の添加により、容易に乳化してさっぱりと洗い流せる液状油性組成物が得られることを見出した。
【0011】
本発明は、次の成分(A)〜(E):
Figure 2004238376
を含有する組成物であって、該組成物100重量部に対して100重量部までの水を加えて混合するとき、常に透明又は半透明の状態をとる温度が28〜32℃の範囲内に存在することを特徴とする透明液状油性組成物を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる成分(A)は、IOBが0.75〜1.05、好ましくは0.80〜0.95の非イオン界面活性剤で、親水基としてポリアルキレングリコール鎖を有するものである。常温で液状のものが、低温で析出しにくく好ましい。
ここで、IOB(無機性−有機性バランス)とは、親水性−親油性のバランスを示す指標であり、本発明においては小田、寺村らによる次式を用いて算出している。なお、無機性値及び有機性値は有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域 Vol.11,No.10(1957)p.719−725)に基づき求められる。
【0013】
【数1】
Figure 2004238376
【0014】
成分(A)の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下POEと表記する)脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、脂肪酸POEアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0015】
より具体的には、POE(6)オレイルエーテル(IOB0.83)、POE(5)ラウリルエーテル(IOB0.95)、POE(15)ラウリルエーテルステアレート(IOB0.94)、POE(8)ジラウレート(IOB0.81)、POE(12)ジイソステアレート(IOB0.80)、POE(12)ジラウレート(IOB0.98)、POE(30)ソルビトールテトラオレエート(IOB0.90)、POE(6)モノイソステアレート(IOB0.91)、POE(6)モノオレエート(IOB0.90)、POE(6)グリセリルモノイソステアレート(IOB0.84)、POE(8)グリセリルモノイソステアレート(IOB0.95)、POE(30)グリセリルトリイソステアレート(IOB0.98)、POE(30)グリセリルトリオレエート(IOB0.97)等が挙げられる。
【0016】
成分(A)の非イオン界面活性剤は、2種以上を組み合わせて用いることもでき、全組成中に5〜15重量%、好ましくは8〜15重量%含有される。5重量%未満では、十分な耐水性が得られず、15重量%を超えると、すすぎ時にぬるつきが強くなる。
【0017】
本発明で用いる成分(B)は、IOBが1.1〜2.0、好ましくは1.2〜1.5の水溶性の非イオン界面活性剤である。ここで水溶性とは、10重量%の濃度で水に透明に溶解する性質をいう。また、常温で液状のものが好ましい。
このような非イオン界面活性剤としては、POEモノ脂肪酸エステル、脂肪酸POEグリセリル(POE鎖を付加したグリセリンと脂肪酸のエステル)、モノ脂肪酸POEグリセリン(モノ脂肪酸グリセリンにPOE鎖を付加した構造)、アルキルグルコシド、POEソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。特に、POEモノ脂肪酸エステル、脂肪酸POEグリセリル、モノ脂肪酸POEグリセリンが、耐水性に優れたものを作ることができることから好ましい。
より具体的には、POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリン(IOB1.22)、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(IOB1.34)等が挙げられる。
【0018】
成分(B)の非イオン界面活性剤は、2種以上を組み合わせて用いることもでき、全組成中に6〜20重量%、好ましくは9〜15重量%含有される。6重量%未満では、十分なすすぎ性が得られず、20重量%を超えると、相対的に該組成物中の油剤の配合量が少なくなるために油汚れの洗浄力が十分に得られず、また、肌への刺激が生じ易くなる。
【0019】
本発明で用いる成分(C)は、IOBが0.25〜0.60、好ましくは0.30〜0.60の非イオン界面活性剤又は高極性油剤である。
かかる非イオン界面活性剤又は高極性油剤としては、高級アルコール、ジグリセリルジアルキレート、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、POE脂肪酸エステル等が挙げられ、具体的には、ミリスチルアルコール(IOB0.36)、イソステアリルアルコール(IOB0.28)、オレイルアルコール(IOB0.29)、ジイソステアリン酸ジグリセリル(IOB0.41)、ジオレイン酸ジグリセリル(IOB0.42)、モノオレイン酸プロピレングリコール(IOB0.39)、モノイソステアリン酸プロピレングリコール(IOB0.38)、モノラウリン酸プロピレングリコール(IOB0.53)、POE(6)ジイソステアレート(IOB0.53)、POE(6)ジオレエート(IOB0.52)等が挙げられる。
【0020】
成分(C)は、2種以上を組み合わせて用いることもでき、全組成中に1〜8重量%、好ましくは2.5〜8重量%含有される。1重量%未満では、十分な耐水性が得られず、8重量%を超えると、すすぎ時にべたつくなどして好ましくない。
【0021】
本発明の透明液状油性組成物は、該組成物100重量部に対して100重量部までの水を加えて混合するとき、常に透明又は半透明の状態をとる温度が28〜32℃の範囲内に存在するものである。
このためには、特に成分(A)、(B)及び(C)の混合物のIOBを調節することが重要であり、混合IOBは0.8〜1.2、特に0.9〜1.1の範囲であるのが好ましい。混合IOBが0.8未満の場合、濡れた皮膚上で使用して水と混ざるとW/O乳化物になって白濁してしまい、マッサージ感や外観が悪くなるとともに、すすぎ性が極めて悪くなり好ましくない。また、混合IOBが1.2を超えると、濡れた皮膚上で使用して水と混ざるとO/W乳化物になって白濁してしまい、マッサージ感や外観が悪くなるとともに、油汚れを溶かす能力やオイル独特のマッサージ感が失われるために好ましくない。
【0022】
混合IOBは、成分(A)、(B)及び(C)全体の大まかな配合量とそれぞれの種類、および油剤の種類が固定されればおおむね一定の値をとる。適正な混合IOBは、該組成物100重量部に対して100重量部の水を加えて混合したときに、約30℃において系全体が白濁しないように成分(A)、(B)及び(C)の配合量を調節し、適当な混合比率のポイントで各々の成分固有のIOBと配合量をもとに、混合IOBを計算することにより決定することができる。なお、混合IOBは、例えば活性剤aと活性剤bと活性剤cの場合、以下の式で求めることができる。
【0023】
【数2】
Figure 2004238376
【0024】
また、本発明の透明液状油性組成物において、成分(A)及び(B)における成分(A)の分率、即ち、成分(A)/{成分(A)+成分(B)}の重量比は、0.25〜0.65、特に0.35〜0.45が好ましい。この比率が大きくなると、すすぎ性を高める水溶性活性剤成分(B)に比べてすすぎ性があまり良くない活性剤成分(A)の比率が高まるために、成分(A)に由来するぬるつき感が大きくなる傾向があり、また、この比率が小さくなると、十分な耐水性が得にくくなる。
【0025】
成分(D)の液状油剤は、成分(C)以外のもので、25℃において液体のものである。かかる液状油としては、通常化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、例えば流動パラフィン、流動イソパラフィン、ポリイソブテン、スクワラン等の炭化水素油;ヘキサデシル−1,3−ジメチルブチルエーテル等のエーテル油(特開平9−87223号公報参照);パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸トリデシル等のモノエステル油;トリ(2−エチルヘキサン酸)グリセリン、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン等のトリエステル油;オリーブ油、ホホバ油、マカダミアナッツ油等の植物性油;デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油などを用いることができる。
【0026】
これらのうち、デカメチルシクロペンタシロキサン;炭素数20〜30で、かつ無機性値が75以下の油が、水を可溶化するのに効果的であり好ましい。ここで、無機性値とは、前記のIOBを求める際に用いる有機概念図により決定される値である。
炭素数20〜30で、かつ無機性値が75以下の油としては、例えば平均炭素数20〜30の流動パラフィン(例えば、カネダ社製、ハイコールK230;無機性値0、平均炭素数24等)、イソノナン酸イソトリデシル(無機性値60、炭素数22)、2−エチルヘキサン酸セチル(無機性値60、炭素数24)、ヘキサデシル−1,3−ジメチルブチルエーテル(無機性値20、炭素数22)等が挙げられる。
【0027】
成分(D)の液状油は、2種以上を用いることもでき、全組成中に60〜85重量%、好ましくは65〜75重量%含有される。また、液状油のうち、特にデカメチルシクロペンタシロキサン;炭素数20〜30で、かつ無機性値が75以下の油を全組成中に48〜85重量%含有するのが好ましい。
【0028】
本発明の透明液状油性組成物には、更に(E)12重量%以下の水を含有させることができる。水分は成分(B)の析出を抑制するなど、安定化に作用するために、2〜7重量%含有するのが好ましい。12重量%を超えると、相分離を起こすなど好ましくない。
【0029】
また、透明液状油性組成物には、前記成分以外に、例えば非イオン界面活性剤の溶解性の調整や使用感の向上のため、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチルカルビトール等のグリコールエーテル類、またはアルコール類を、本発明の特質に影響しない範囲で含有させることができる。
【0030】
さらに、粘度を調整するための、超微粒子シリカ、パルミチン酸デキストリン、有機性ベントナイト等の油剤の増粘剤;無機塩類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、高分子ポリマー、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、香料、色素、エキス類、薬効剤等も含有できる。また、クエン酸、リン酸などの一般に使われる有機酸、無機酸を水に溶かしてから配合すると、弱酸性にすることもできる。
【0031】
本発明の透明液状油性組成物は、混合する順序によらず、常温で固体の原料については一度溶解した後に、全成分を均一に混合することにより、容易に製造することができる。
【0032】
本発明の透明液状油性組成物は、該組成物100重量部に対して100重量部までの水を加えて混合していくとき、常に透明又は半透明の状態をとっている温度が28〜32℃の範囲内に存在するものである。ここで、透明または半透明の状態とは、言い換えるならば白濁していない状態である。白濁とは、主に乳化に起因するものであり、濁度計(デジタル比色計 mini photo 5;10mmΦガラスセル;三紳工業社製)で波長530nmにおいて精製水をリファレンスにして測定した透過率を、酸化チタン(酸化チタンJA−C、粒径0.1〜0.5μm程度:テイカ社製)の0.02重量%懸濁水溶液の透過率と比較し、0.02重量%酸化チタン懸濁水溶液の透過率より低いものを白濁とする。
【0033】
皮膚の表面温度は約30℃(表面温度計で測定)であり、本発明の組成物は該組成物100重量部に対して100重量部までの水を加えて混合していくときに、30℃近辺でO/WやW/Oといった乳化状態にならず、28〜32℃の範囲内に常に油が水を可溶化する領域が存在する。そして特に好ましいのは該組成物100重量部に対して100重量部までの水を加えて混合していくときに、常に28℃〜32℃の温度範囲全域に油が水を可溶化する領域を有している場合である。28〜32℃の範囲内に油が水を可溶化する領域が存在せず、透明又は半透明を維持できない場合は、濡れた皮膚上で使用して水と混ざってしまうと白濁してしまい、マッサージ感や外観が悪くなるとともに、O/W乳化物になってしまう場合は油汚れを溶かす能力が弱くなる。また一方、W/O乳化物になってしまう場合はすすぎ性が悪くなる。
【0034】
水100重量部の混入まで乳化されず、可溶化状態が続くことが必要である根拠は、以下により示される。例えばクレンジングオイルの場合、オイル2gに対して、手が軽く濡れている場合は約1g、手がびしょびしょに濡れている場合は2g程度の水が混入する。またボディケアオイルの場合、片腕に3g使用するとして、腕が軽く濡れている場合は1〜1.5g程度、腕がびしょびしょに濡れている場合は2.5〜3g程度の水が混入する。
【0035】
本発明の透明液状油性組成物は、透明な液状のものである。透明とは、濁度計で波長530nmにおいて精製水をリファレンスにして測定した透過率が、0.001重量%酸化チタン懸濁水溶液の透過率より高く、かつ、常温で1日静置しても分離しない状態をいう(色素や粉体等の配合があった場合は、それらを含まない状態で透明であれば、本発明の範囲に含まれるとする)。また、液状とは、25℃における粘度が1000mPa・s(B型粘度計、ローター2、30rpm)以下の状態をいう。25℃において該組成物の粘度は300mPa・s以下、特に70mPa・s以下であるのが好ましい。
【0036】
また、本発明の透明液状油性組成物は、該組成物100重量部に対して100重量部までの水を加えて混合していくときに、25℃における粘度が常に2000mPa・s以下であるのが好ましく、特に50重量部から100重量部までの水を加えて混合していくときの粘度が常に300mPa・s以下であるのが好ましい。粘度がこれ以上高くなると、水で濡れている肌の上で使用する場合と、乾いた肌の上で使用する場合のマッサージ感の差違が大きくなり快適に使用できない。
【0037】
本発明の透明液状油性組成物は、水又は湯で洗い流して使用する化粧料、例えばクレンジング化粧料、マッサージ化粧料などとして用いることができる。より具体的には、例えば、メイクアップ除去用のクレンジングオイル、毛穴洗浄剤、ハンドクリーナー、紫外線防御用のボディーローションの除去剤等とすることができ、その他では保湿用のボディーローション、マッサージ用のローション、シェービング補助剤等とすることができる。
【0038】
【実施例】
実施例1〜5、比較例1〜3
表1示す組成の液状油性組成物を製造し、それらの外観、性状、水と混合して濁らない温度領域、水と混合したときの外観、油汚れ落ち、濡れた肌で使用したときの外観、マッサージ性、及びすすぎやすさについて評価した。結果を表1に併せて示す。
【0039】
(製法)
成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を均一に混合して、液状油性組成物を得た。
【0040】
(評価方法)
(1)外観;
25℃において、濁度計(デジタル比色計 mini photo 5;10mmΦガラスセル;三紳工業社製)で波長530nmにおいて精製水をリファレンスにして透過率を測定し、0.001重量%酸化チタン懸濁水溶液の透過率より高く、かつ常温で1日静置しても分離しないものを「透明」とし、0.001重量%酸化チタン懸濁水溶液の透過率より低く0.02重量%酸化チタン懸濁水溶液の透過率より高いものを「半透明」とした。
【0041】
(2)性状;
25℃において、B型粘度計(ローター2、30rpm)で測定した粘度が、1000mPa・s以下のものを「液状」とした。
【0042】
(3)水100重量部と混合した状態での濁らない温度領域(25〜70℃);
20mLスクリュー管に水3gと油性組成物3gをとり、振とうしながら70℃まで加温した後に、振とうしながら25℃までゆっくりと冷却し、ガラスビンの壁が透き通って見えない状態から透き通って見える状態に変化したときの温度、及び透き通って見える状態から透き通って見えない態に変化したときの温度をデジタル温度計で測定して、水100重量部と混合した状態での濁らない温度領域とした。
【0043】
(4)30℃で水100重量部と混合するまでの外観;
各油性組成物について、該組成物100重量部に対して10重量部づつ、計100重量部までの水を加えて混合していく過程において、それぞれ濁度計(デジタル比色計 mini photo 5;10mmΦガラスセル;三紳工業社製)で波長530nmにおいて精製水をリファレンスにして透過率を測定し、酸化チタン(酸化チタンJA−C、粒径0.1〜0.5μm程度:テイカ社製)の懸濁水溶液の透過率と比較して、以下の基準で評価した。
A:100重量部までの水との混合で常に0.02重量%酸化チタン懸濁水溶液の透過率より高い。
B:50〜100重量部の水との混合で0.02重量%酸化チタン懸濁水溶液の透過率より低くなる。
C:10〜40重量部の水との混合で0.02重量%酸化チタン懸濁水溶液の透過率より低くなる。
【0044】
(5)水100重量部と混合した状態での油汚れ落ち;
口紅(マックスファクター社製、リップフィニティー カラーリクィッドベース)を前腕部に直径約0.5cmに薄く塗り、15分放置して乾燥させた後、各クレンジング化粧料約25mgをのせ、指で軽く30回マッサージした。その後、流水で洗い流し、口紅の残り具合を目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:口紅の落ちが良好。
×:メイクの落ちが不良。
【0045】
(6)濡れた肌で使用したときの外観;
約36℃のぬるま湯でよく濡らして、水を切らない状態の手の平に、液状油性組成物2gをとり、両手をすり合わせるようにしてよく伸ばしたとき、手の平に広げられた剤の外観について評価した。
A:手の平が白くならない。
B:手の平が一部白っぽく見える。
C:手の平全体が白く見える。
【0046】
(7)濡れた肌で使用したときのマッサージ性;
液状油性組成物2gをよく濡らして水を切らない状態の手の平にとり、両手をすり合わせるようにして伸ばすときのすべり感について官能評価した。
A:つるつるとよくすべり、マッサージ性が良好。
B:つるつるとすべり、マッサージ性が良好。
C:重過ぎる、または軽すぎてすべり感が弱くマッサージ性が不良。
【0047】
(8)すすぎやすさ;
液状油性組成物2gをよく濡らして水を切らない状態の手の平にとり、両手をすり合わせるようにしてよく伸ばした後、前腕にぬりひろげた。そしてぬるま湯で洗い流したときのすすぎやすさと、洗い流した後の肌の感じについて評価した。
A:さっぱりとすすげる。
B:すすぎやすいがさっぱりしない。
C:いつまでもぬるぬると肌に残り、すすぎにくい。
【0048】
【表1】
Figure 2004238376
【0049】
実施例6〜10、比較例4〜5
実施例1〜5と同様にして、表2に示す組成の液状油性組成物を製造し、同様に評価を行なった。結果を表2に併せて示す。
【0050】
【表2】
Figure 2004238376
【0051】
【発明の効果】
本発明の透明液状油性組成物は、濡れた手や、濡れた体に使用しても油剤が本来備えているなめらかなマッサージ性や透明感のある外観、油汚れを溶かす性質を維持できるにもかかわらず、すすぎ時には大量の水の添加により、容易に乳化して洗い流すことができる。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)〜(E):
    Figure 2004238376
    を含有する組成物であって、該組成物100重量部に対して100重量部までの水を加えて混合するとき、常に透明又は半透明の状態をとる温度が28〜32℃の範囲内に存在することを特徴とする透明液状油性組成物。
  2. 成分(A)、(B)及び(C)の混合IOBが0.8〜1.2である請求項1記載の透明液状油性組成物。
  3. 成分(A)/{成分(A)+成分(B)}で表される、成分(A)及び(B)における成分(A)の分率(重量比)が0.25〜0.65である請求項1又は2記載の透明液状油性組成物。
  4. マッサージ化粧料である請求項1〜3のいずれか1項記載の透明液状油性組成物。
  5. クレンジング化粧料である請求項1〜3のいずれか1項記載の透明液状油性組成物。
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