JP2004238307A - アミド系化合物又はその塩、それらの製造方法及びそれらを含有する有害動物防除剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミド系化合物又はその塩、それらの製造方法及びそれらを有効成分として含有する有害動物防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
有害動物防除剤の有効成分として有用なアミド系化合物又はその塩に関する記載は、特許第2994184号公報に見られる。しかしながら、本発明化合物は該特許記載化合物とは異なる。
【0003】
【特許文献1】
特許第2994184号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有害動物防除作用を有するアミド系化合物、それらの製造方法及びそれらを含有する有害動物防除剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、有害動物防除剤を開発すべく検討を重ね、特定の化学構造を有するアミド系化合物が優れた有害動物防除作用を持つとの知見を得、本発明を完成した。
【0006】
即ち本発明は、式(I):
【化9】
【0007】
[式中、AはCH又はNであり;R1 が水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、−C(W1)R2 基(R2 は置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基又はモノ若しくはジアルキルアミノ基であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である)又は−S(O)nR3 基(R3 はアルキル基又はジアルキルアミノ基であり、nは1又は2である)であり;Xは酸素原子又は硫黄原子であり;Yはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基であり;mは0又は1である]で表わされるアミド系化合物又はその塩に関する。
【0008】
また、本発明は前記式(I)のアミド系化合物またはその塩を有効成分として含有する有害動物防除剤に関する。
【0009】
本発明化合物は、その置換基に関し、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基又は置換されてもよいシクロアルキル基のその置換基としては、ハロゲン原子;アルコキシ;アルキルチオ;トリアルキルシリル;フェニル;ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ又はハロアルキルで置換されたフェニル;アルコキシ又はアルキルチオで置換されてもよいフェノキシで置換されたフェニル;フェノキシ;フェニルチオ;アミノ;アルキルが1ケ乃至2ケ置換したアミノ;C2−6 の環状アミノ;モルホリノ;アルキルで置換されたモルホリノ;1−ピペラジニル;アルキル、フェニル、ピリジル又はトリフルオロメチルピリジルで置換された1−ピペラジニル;ヒドロキシ;シアノ;シクロアルキル;イミノ;−C(W2)R6 基(R6 は水素原子、アミノ、アルキルが1ケ乃至2ケ置換したアミノ、水酸基、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はアリールであり、W2 は酸素原子又は硫黄原子である);−OC(W2)R7 基(R7 はアルキル又はハロアルキルで置換されたアリールである)又はアルキルスルホニルが挙げられる。また上述の置換基がイミノ基の場合にはアミノ基又はアルコキシ基とともにアミジノ基又はイミダート基を形成してもよい。
【0010】
アリール基のその置換基としては、ハロゲン原子、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アミノ、アルキルが1ケ乃至2ケ置換したアミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシが挙げられる。
【0011】
アルキル基又はアルキル部分としては、炭素数が1〜6のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルが挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖又は枝分れ鎖の構造異性のものであってもよい。アルケニル基としては、炭素数が2〜6のもの、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルが挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖又は枝分れ鎖の構造異性のものであってよい。アルキニルとしては、炭素数が2〜6のもの、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルが挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖又は枝分れ鎖の構造異性のものであってよい。シクロアルキル基としては、炭素数が3〜8のもの、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルが挙げられる。
【0012】
アリール基としては、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、ナフチル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニルなどが挙げられる。
【0013】
本発明化合物は、酸性物質又は塩基性物質とともに塩を形成してもよく、酸性物質との塩としては塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩又は硝酸塩のような無機酸塩であってよく、塩基性物質との塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩又はジメチルアミン塩のような無機或は有機塩基塩であってよい。
【0014】
本発明化合物は、以下の(1)又は(2)のものであることが望ましい。
【0015】
(1)R1 が水素原子、置換されてもよいアルキル基又は−C(W1)R2 基であり、R2 が置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基又はアルコキシ基であり、Xが酸素原子であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である式(I)の化合物又はその塩。
【0016】
(2)R1 が水素原子又はアルキル基であり、Xが酸素原子である式(I)の化合物又はその塩。
【0017】
さらに望ましくはN−ホルミル−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミド又はその塩である。
【0018】
本発明化合物は、以下の(A)〜(C)の方法によって製造することができる。
【0019】
(A)式(I)において、R1 が水素原子であり、mが0である場合の化合物、即ち、式(I−1):
【0020】
【化10】
【0021】
(式中、AはCH又はNであり;Xは酸素原子又は硫黄原子であり;Yはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基である)で表わされるアミド系化合物又はその塩は、式(II):
【0022】
【化11】
【0023】
(式中、A、X及びYは前述の通りであり、R4 及びR5 は同一又は相異なって水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基又は置換されてもよいアルキニル基である)で表される化合物を酸の存在下で加水分解することによって製造することができる。
【0024】
(A)の反応の原料である式(II)の化合物は、例えば特開平11−180957号公報の第3頁右欄に記載の化合物であり、同公報に記載の方法によって製造することができる。(A)の反応で使用できる酸としては、酢酸、蟻酸、プロピオン酸などの有機酸や塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸などの鉱酸が挙げられるが、有機酸が望ましく、それらの中でも酢酸がさらに望ましい。反応温度は通常0〜50 ℃、望ましくは10〜40 ℃であり、反応時間は10分〜24時間、望ましくは0.5〜6時間である。また、(A)の反応は、通常溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド又はピリジンのような非プロトン性極性溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で或いは混合して使用してもよい。
【0025】
(B)式(I)において、R1 が水素原子以外であり、mが0である場合の化合物、即ち、式(I−2):
【0026】
【化12】
【0027】
[式中、AはCH又はNであり;(R1)’ が置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、−C(W1)R2 基(R2 は置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基又はモノ若しくはジアルキルアミノ基であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である。)又は−S(O)n R3 基(R3 はアルキル基又はジアルキルアミノ基であり、nは1又は2である)であり;Yはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基である]で表されるアミド系化合物又はその塩は、前記(A)の方法によって製造された式(I−1)の化合物と、式(III):(R1)’−Hal[式中、(R1)’ は前述の通りであり、Halはハロゲン原子である]で表される化合物とを反応させることによって製造できる。
【0028】
(B)の反応は、通常溶媒の存在下、必要により塩基の存在下で行われる。溶媒としては、例えば;ベンゼン又はトルエンのような芳香族炭化水素;ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランのようなエーテル;塩化メチレン又はクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド又はピリジンのような非プロトン性極性溶媒;水などが含まれる。これらの溶媒は、単独で或は混合して使用してもよい。塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン又はピリジンのような第三級アミン;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸化物;ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属のアルコキシドなどが含まれる。
【0029】
(B)の反応温度は通常−50 ℃〜+100 ℃であるが、望ましくは0〜30 ℃である。反応時間は通常0.1〜24時間である。
【0030】
(C)式(I)において、mが1である場合の化合物、即ち、式(I−3):
【化13】
【0031】
[式中、AはCH又はNであり;R1 は水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、−C(W1)R2 基(R2 は置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基又はモノ若しくはジアルキルアミノ基であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である)又は−S(O)n R3 基(R3 はアルキル基又はジアルキルアミノ基であり、nは1又は2である)であり;Xは酸素原子又は硫黄原子である;Yはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基である]で表わされるアミド系化合物又はその塩は、式(I−1)の化合物又は式(I−2)の化合物と酸化剤とを反応させることによって製造できる。
【0032】
この反応は、通常溶媒の存在下で行なわれる。溶媒としては酢酸などが挙げられる。酸化剤としては、過酸化水素が用いられる。反応温度は通常50〜100 ℃であり、反応時間は6〜24時間である。
【0033】
本発明化合物は、殺虫、殺ダニ、殺線虫、殺土壌害虫剤などの有害動物防除剤の有効成分として優れた活性を示す。
【0034】
例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、ミカンハダニ、ネダニなどのような植物寄生性ダニ類、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなどのアブラムシ類、コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、コドリンガ、ボールワーム、タバコバッドワーム、マイマイガ、コロラドハムシ、ウリハムシ、ボールウィービル、ウンカ類、ヨコバイ類、カイガラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、バッタ類、ハナバエ類、コガネムシ類、タマナヤガ、カブラヤガ、アリ類などのような農業害虫類、イエダニ、ゴキブリ類、イエバエ、アカイエカのような衛生害虫類、バクガ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ類などのような農業害虫類、イエダニ、ゴキブリ類、イエバエ、アカイエカのような衛生害虫類、バクガ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ類などのような貯殺害虫類、イガ、ヒメカツオブシムシ、シロアリ類などのような衣類、家屋害虫類、その他家畜などに寄生するノミ類、シラミ類、ハエ類などに対しても有効であり、更にはネコブセンチュウ類、シストセンチュウ類、ネグサレセンチュウ類、イネシンガレセンチュウ、イチゴメセンチュウ、マツノザイセンチュウなどのような植物寄生性線虫類に対しても有効である。また、土壌害虫類に対しても有効である。ここに言う土壌害虫としては、ナメクジ、マイマイのような腹足類、ダンゴムシ、ワラジムシなどのような等脚類などが挙げられる。なかでも、本発明化合物は、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなどのアブラムシ類に卓越した効果を示す。更にアブラムシ類などの有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤抵抗性害虫に対しても有効である。さらに本発明化合物は、優れた浸透移行性を有していることから、本発明化合物を土壌に処理することによって土壌有害昆虫類、ダニ類、線虫類、腹脚類、等脚類の防除と同時に茎葉部の害虫類をも防除することができる。
【0035】
本発明化合物は、従来の農薬製剤の場合と同様に農薬補助剤と共に乳剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、水和剤、水溶剤、液剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、エアゾール剤、ペースト剤、微量散布剤などの種々の形態に製剤して使用することができる。これらの配合割合は、通常有効成分0.1〜90重量部で農薬補助剤10〜99.9重量部である。これら製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、または水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。
【0036】
ここにいう農薬補助剤としては、担体、乳化剤、懸濁剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、増粘剤、安定剤などが挙げられ、必要により適宜添加すればよい。担体としては、固体担体と液体担体に分けられ、固体担体としては、澱粉、活性炭、大豆粉、小麦粉、木粉、魚粉、粉乳などの動植物性粉末、タルク、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナなどの鉱物性粉末が挙げられ、液体担体としては、水、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ケロシン、軽油などの脂肪族炭化水素類、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、メチルナフタリン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類、脂肪酸のグリセリンエステルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどの含硫化合物類などが挙げられる。
【0037】
本発明化合物は、他の農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺菌剤等と混用、併用することができ、この場合に一層優れた効果を示すこともある。
【0038】
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、或いは殺線虫剤、すなわち殺害虫剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えばプロフェノホス(Profenofos)、ジクロルボス(Dichlorvos)、フェナミホス(Fenamiphos)、フェニトロチオン(Fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(Diazinon)、クロルピリホスメチル(Chlorpyrifos−methyl)、アセフェート(Acephate)、プロチオホス(Prothiofos)、ホスチアゼート(Fosthiazate)、ホスホカルブ(Phosphocarb)、カズサホス(Cadusafos)、ジスルホトン(Dislufoton)のような有機リン酸エステル系化合物;
カルバリル(Carbaryl)、プロポキスル(Propoxur)、アルジカルブ(Aldicarb)、カルボフラン(Carbofuran)、チオジカルブ(Thiodicarb)、メソミル(Methomyl)、オキサミル(Oxamyl)、エチオフェンカルブ(Ethiofencarb)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、フェノブカルブ(Fenobucarb)、カルボスルファン(Carbosulfan)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(Cartap)、チオシクラム(Thiocyclam)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(Dicofol)、テトラジホン(Tetradifon)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(Fenbutatin Oxide)のような有機金属系化合物;
フェンバレレート(Fenvalerate)、ペルメトリン(Permethrin)、シペルメトリン(Cypermethrin)、デルタメトリン(Deltamethrin)、シハロトリン(Cyhalothrin)、テフルトリン(Tefluthrin)、エトフェンプロックス(Ethofenprox)、フルフェンプロックス(Flufenprox)、イミデート(Imidate)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(Diflubenzuron)、クロルフルアズロン(Chlorfluazuron)、テフルベンズロン(Teflubenzuron)、フルフェノクスロン(Flufenoxuron)、ビストリフルロン(Bistrifluron)、ノビフルムロン(Noviflumuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(Methoprene)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(Pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(Fenpyroximate)、フィプロニル(Fipronil)、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、エチピロール(Ethiprole)、トルフェンピラド(Tolfenpyrad)、アセトプロール(Acetoprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(Imidacloprid)、ニテンピラム(Nitenpyram)、アセタミプリド(Acetamiprid)、チアクロプリド(Thiacloprid)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、クロチアニジン(Clothianidin)、ニジノテフラン(Nidinotefuran)、ディノテフラン(Dinotefuran)などのネオニコチノイド;
テブフェノジド(Tebufenozide)、メトキシフェノジド(Methoxyfenozide)、クロマフェノジド(Chromafenozide)などのヒドラジン系化合物;
ピリダリル(Pyridaryl)、フロニカミド(Flonicamid)などのようなピリジン系化合物;
スピロディクロフェン(Spirodiclofen)などのようなテトロニック酸系化合物;
フルアクリピリム(Fluacrypyrin)などのようなストロビルリン系化合物;
フルフェネリム(Flufenerin)などのようなピリジナミン系化合物;
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物、また、その他の化合物として、ブプロフェジン(Buprofezin)、ヘキシチアゾクス(Hexythiazox)、アミトラズ(Amitraz)、クロルジメホルム(Chlordimeform)、シラフルオフェン(Silafluofen)、トリアザメイト(Triazamate)、ピメトロジン(Pymetrozine)、ピリミジフェン(Pyrimidifen)、クロルフェナピル(Chlorfenapyr)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、アセキノシル(Acequinocyl)、エトキサゾール(Etoxazole)、シロマジン(Cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3−dichloropropene)、ベルブチン(Verbutin)、スピロメシフェン(Spiromesifen)、チアゾリルシナノニトリル(Thiazolylcinnanonitrile)、アミドフルメット(Amidoflumet)のような化合物;AKD−1022、IKA−2000などが挙げられる。更に、BT剤、昆虫病原ウイルス剤などのような微生物農薬、アベルメクチン(Avermectin)、ミルベマイシン(Milbemycin)、スピノサッド(Spinosad)、エマメクチンベンゾエート(Emamectin Benzoate)のような抗生物質などと、混用、併用することもできる。
【0039】
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、メパニピリム(Mepanipyrim)、ピリメサニル(Pyrimethanil)、シプロジニル(Cyprodinil)のようなピリミジナミン系化合物;フルアジナム(Fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
トリアジメホン(Triadimefon)、ビテルタノール(Bitertanol)、トリフルミゾール(Triflumizole)、エタコナゾール(Etaconazole)、プロピコナゾール(Propiconazole)、ペンコナゾール(Penconazole)、フルシラゾール(Flusilazole)、マイクロブタニル(Myclobutanil)、シプロコナゾール(Cyproconazole)、ターブコナゾール(Terbuconazole)、ヘキサコナゾール(Hexaconazole)、ファーコナゾールシス(Furconazole−cis)、プロクロラズ(Prochloraz)、メトコナゾール(Metconazole)、エポキシコナゾール(Epoxiconazole)、テトラコナゾール(Tetraconazole)、オキスポコナゾール硫酸塩(Oxpoconazole fumarate)、シプコナゾール(Sipconazole)、プロチオコナゾール(Prothioconazole)のようなアゾール系化合物;
キノメチオネート(Quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(Maneb)、ジネブ(Zineb)、マンゼブ(Mancozeb)、ポリカーバメート(Polycarbamate)、メチラム(Metiram)、プロピネブ(Propineb)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(Fthalide)、クロロタロニル(Chlorothalonil)、キントゼン(Quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(Benomyl)、チオファネートメチル(Thiophanate−Methyl)、カーベンダジム(Carbendazim)、シアゾファミド(Cyazofamid)のようなイミダゾール系化合物;
シモキサニル(Cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(Metalaxyl)、メタラキシルM(Metalaxyl M)、オキサジキシル(Oxadixyl)、オフレース(Ofurace)、ベナラキシル(Benalaxyl)、フララキシル(Furalaxyl)、シプロフラム(Cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物;
ジクロフルアニド(Dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;
水酸化第二銅(Cuprichydroxide)、有機銅(Oxine Copper)のような銅系化合物;
ヒメキサゾール(Hymexazol)のようなイソオキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(Fosetyl−Al)、トルコホスメチル(Tolcofos−Methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチルS,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネートのような有機リン系化合物;
キャプタン(Captan)、キャプタホル(Captafol)、フォルペット(Folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物;
プロシミドン(Procymidone)、イプロジオン(Iprodione)、ビンクロゾリン(Vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
フルトラニル(Flutolanil)、メプロニル(Mepronil)、ゾキサミド(Zoxamid)、チアジニル(tiadinil)のようなベンズアニリド系化合物;
トリホリン(Triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(Pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(Fenarimol)、フルトリアフォル(Flutriafol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(Fenpropidine)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(Fenpropimorph)のようなモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(Fentin Hydroxide)、フェンチンアセテート(Fentin Acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(Pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(Dimethomorph)、フルモルフ(Flumorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(Diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
フルジオキソニル(Fludioxonil)、フェンピクロニル(Fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(Azoxystrobin)、クレソキシムメチル(Kresoxim−Methyl)、メトミノフェン(Metominofen)、トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(Picoxystrobin)、オリザストロビン(Oryzastrobin)、ジモキシストロビン(Dimoxystrobin)、フルオキサストロビン(Fluoxastrobin)のようなストロビルリン系化合物; ファモキサドン(Famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(Ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
シルチオファム(Silthiopham)のようなシリルアミド系化合物; イプロバリカルブ(Iprovalicarb)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)のようなアミノアシッドアミドカーバメート系化合物;
フェナミドン(Fenamidone)のようなイミダゾリジン系化合物;
フェンヘキサミド(Fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物:
フルスルファミド(Flusulfamid)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
シフルフェナミド(Cyflufenamid)のようなオキシムエーテル系化合物;
フェノキサニル(Fenoxanil)のようなフェノキシアミド系化合物; シメコナゾール(Simeconazole)のようなトリアゾール系化合物;
アトラキノン系化合物;クロトン酸系化合物;抗生物質またその他の化合物として、イソプロチオラン(Isoprothiolane)、トリシクラゾール(Tricyclazole)、ピロキロン(Pyroquilon)、ジクロメジン(Diclomezine)、プロベナゾール(Probenazole)、キノキシフェン(Quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(Propamocarb Hydrochloride)、スピロキサミン(Spiroxamine)クロルピクリン(Chloropicrin)、ダゾメット(Dazomet)、カーバムナトリウム塩(Metam−sodium)、ニコビフェン(Nicobifen)、メトラフェノン(Metrafenone)、MTF−753、UBF−307、ジクロシメット(Diclocymet)、プロキンアジド(Proquinazid)などが挙げられる。
【0040】
また、本発明化合物と混用、併用する他の農薬との適当な混合重量比は一般に1:300〜300:1、望ましくは1:100〜100:1である。
【0041】
本発明化合物は、有害動物防除剤として施用する場合、一般に0.1〜500000 ppm望ましくは1〜100000 ppmの有効成分濃度で使用される。これらの有効成分濃度は、製剤の形態及び施用する方法、目的、時期、場所及び害虫の発生状況等によって適当に変更できる。例えば、水生有害虫の場合、上記濃度範囲の薬液を発生場所に散布しても防除できることから、水中での有効成分濃度範囲は上記以下である。単位面積あたりの施用量は1 ha当り、有効成分化合物として約0.1〜5000 g、望ましくは10〜1000 gが使用される。しかし、特別の場合には、これらの範囲を逸脱することも可能である。
【0042】
種々の製剤、またはその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法すなわち、散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒、水面施用等)、土壌施用(混入、灌注等)、表面施用(塗布、粉衣、被覆等)又は浸漬毒餌等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生生育を防除することも可能である。またいわゆる超高濃度少量散布法(ultra low volume)により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100 %含有することが可能である。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0044】
(合成例)N−ホルミル−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミド(化合物No.1)の合成
N−(ジメチルアミノメチレン)−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミド7.5 g(0.03モル)を酢酸26.3 mlに溶解後、15〜20 ℃で水11.3 mlを徐々に添加し、攪拌下同温度で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物へ更に水37.5 mlを加えた。析出した結晶をろ過、水洗し、得られた白色結晶を温風乾燥機(80 ℃)で12時間乾燥し、融点144.5〜146.5 ℃の目的物3.3 gを得た。
【0045】
上記合成例に準じた方法で製造される本発明化合物を以下の第1表に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
(試験例) モモアカアブラムシ殺虫試験
供試化合物を含む製剤品を水に分散させ、濃度を800 ppmに調整した。本葉1枚のみを残したポット(直径8 cm、高さ7 cm)植えナスの葉柄に粘着剤を塗布した後、その本葉にモモアカアブラムシ無翅胎生雌成虫を2〜3頭接種し、産仔させた。接種2日後成虫を除去し、幼虫数を数えた。この幼虫の寄生したナス葉を前記の濃度に調整した薬液に約10秒間浸漬処理し、風乾後26 ℃の照明付恒温室内に放置した。処理後5日目に生死を判定し、下記の計算式により死虫率を求めたところ、第2表の通りであった。なお、離脱虫は死亡したものとみなした。
死虫率(%)=死虫数/処理虫数×100
【表2】
【0048】
次に本発明の製剤例を記載するが、本発明における化合物、配合割合、剤型などは記載例のみに限定されるものではない。
【0049】
製剤例1
(イ)化合物No.1 20重量部
(ロ)カオリン 72重量部
(ハ)リグニンスルホン酸ソーダ 8重量部
以上のものを均一に混合して水和剤とする。
【0050】
製剤例2
(イ)化合物No.1 5重量部
(ロ)タルク 95重量部
以上のものを均一に混合して粉剤とする。
【0051】
製剤例3
(イ)化合物No.1 20重量部
(ロ)N,N′−ジメチルアセトアミド 20重量部
(ハ)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 10重量部
(ニ)キシレン 50重量部
以上のものを均一に混合、溶解して乳剤とする。
【0052】
製剤例4
(イ)カオリン 68重量部
(ロ)リグニンスルホン酸ソーダ 2重量部
(ハ)ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート 5重量部
(ニ)微粉シリカ 25重量部
以上の各成分の混合物と、化合物No.1とを4:1の重量割合で混合し、水和剤とする。
【0053】
以上のものを均一に混合、粉砕した原液に更に(ホ)ポリカルボン酸ナトリウム5重量部(ヘ)無水硫酸ナトリウム 42.8重量部を加え均一に混合、乾燥して顆粒水和剤とする。
【0054】
製剤例6
(イ)化合物No.1 5重量部
(ロ)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 1重量部
(ハ)ポリオキシエチレンの燐酸エステル 0.1重量部
(ニ)粒状炭酸カルシウム 93.5重量部
(イ)〜(ハ)を予め均一に混合し、適量のアセトンで希釈した後、(ニ)に吹付け、アセトンを除去して粒剤とする。
【0055】
製剤例7
(イ)化合物No.1 2.5重量部
(ロ)N−メチル−2−ピロリドン 2.5重量部
(ハ)大豆油 95.0重量部
以上のものを均一に混合、溶解して微量散布剤(ultra low volume formulation)とする。
【0056】
製剤例8
(イ)化合物No.1 5重量部
(ロ)N,N′−ジメチルアセトアミド 15重量部
(ハ)ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10重量部
(ニ)キシレン 70重量部
以上のものを均一に混合し乳剤とする。
【0057】
製剤例9
(イ)化合物No.1 20重量部
(ロ)ラウリルサルフェートナトリウム塩 3重量部
(ハ)水溶性デンプン 77重量部
以上のものを均一に混合し、水溶剤とする。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミド系化合物又はその塩、それらの製造方法及びそれらを有効成分として含有する有害動物防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
有害動物防除剤の有効成分として有用なアミド系化合物又はその塩に関する記載は、特許第2994184号公報に見られる。しかしながら、本発明化合物は該特許記載化合物とは異なる。
【0003】
【特許文献1】
特許第2994184号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有害動物防除作用を有するアミド系化合物、それらの製造方法及びそれらを含有する有害動物防除剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、有害動物防除剤を開発すべく検討を重ね、特定の化学構造を有するアミド系化合物が優れた有害動物防除作用を持つとの知見を得、本発明を完成した。
【0006】
即ち本発明は、式(I):
【化9】
【0007】
[式中、AはCH又はNであり;R1 が水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、−C(W1)R2 基(R2 は置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基又はモノ若しくはジアルキルアミノ基であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である)又は−S(O)nR3 基(R3 はアルキル基又はジアルキルアミノ基であり、nは1又は2である)であり;Xは酸素原子又は硫黄原子であり;Yはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基であり;mは0又は1である]で表わされるアミド系化合物又はその塩に関する。
【0008】
また、本発明は前記式(I)のアミド系化合物またはその塩を有効成分として含有する有害動物防除剤に関する。
【0009】
本発明化合物は、その置換基に関し、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基又は置換されてもよいシクロアルキル基のその置換基としては、ハロゲン原子;アルコキシ;アルキルチオ;トリアルキルシリル;フェニル;ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ又はハロアルキルで置換されたフェニル;アルコキシ又はアルキルチオで置換されてもよいフェノキシで置換されたフェニル;フェノキシ;フェニルチオ;アミノ;アルキルが1ケ乃至2ケ置換したアミノ;C2−6 の環状アミノ;モルホリノ;アルキルで置換されたモルホリノ;1−ピペラジニル;アルキル、フェニル、ピリジル又はトリフルオロメチルピリジルで置換された1−ピペラジニル;ヒドロキシ;シアノ;シクロアルキル;イミノ;−C(W2)R6 基(R6 は水素原子、アミノ、アルキルが1ケ乃至2ケ置換したアミノ、水酸基、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はアリールであり、W2 は酸素原子又は硫黄原子である);−OC(W2)R7 基(R7 はアルキル又はハロアルキルで置換されたアリールである)又はアルキルスルホニルが挙げられる。また上述の置換基がイミノ基の場合にはアミノ基又はアルコキシ基とともにアミジノ基又はイミダート基を形成してもよい。
【0010】
アリール基のその置換基としては、ハロゲン原子、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アミノ、アルキルが1ケ乃至2ケ置換したアミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシが挙げられる。
【0011】
アルキル基又はアルキル部分としては、炭素数が1〜6のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルが挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖又は枝分れ鎖の構造異性のものであってもよい。アルケニル基としては、炭素数が2〜6のもの、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルが挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖又は枝分れ鎖の構造異性のものであってよい。アルキニルとしては、炭素数が2〜6のもの、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルが挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖又は枝分れ鎖の構造異性のものであってよい。シクロアルキル基としては、炭素数が3〜8のもの、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルが挙げられる。
【0012】
アリール基としては、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、ナフチル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニルなどが挙げられる。
【0013】
本発明化合物は、酸性物質又は塩基性物質とともに塩を形成してもよく、酸性物質との塩としては塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩又は硝酸塩のような無機酸塩であってよく、塩基性物質との塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩又はジメチルアミン塩のような無機或は有機塩基塩であってよい。
【0014】
本発明化合物は、以下の(1)又は(2)のものであることが望ましい。
【0015】
(1)R1 が水素原子、置換されてもよいアルキル基又は−C(W1)R2 基であり、R2 が置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基又はアルコキシ基であり、Xが酸素原子であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である式(I)の化合物又はその塩。
【0016】
(2)R1 が水素原子又はアルキル基であり、Xが酸素原子である式(I)の化合物又はその塩。
【0017】
さらに望ましくはN−ホルミル−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミド又はその塩である。
【0018】
本発明化合物は、以下の(A)〜(C)の方法によって製造することができる。
【0019】
(A)式(I)において、R1 が水素原子であり、mが0である場合の化合物、即ち、式(I−1):
【0020】
【化10】
【0021】
(式中、AはCH又はNであり;Xは酸素原子又は硫黄原子であり;Yはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基である)で表わされるアミド系化合物又はその塩は、式(II):
【0022】
【化11】
【0023】
(式中、A、X及びYは前述の通りであり、R4 及びR5 は同一又は相異なって水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基又は置換されてもよいアルキニル基である)で表される化合物を酸の存在下で加水分解することによって製造することができる。
【0024】
(A)の反応の原料である式(II)の化合物は、例えば特開平11−180957号公報の第3頁右欄に記載の化合物であり、同公報に記載の方法によって製造することができる。(A)の反応で使用できる酸としては、酢酸、蟻酸、プロピオン酸などの有機酸や塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸などの鉱酸が挙げられるが、有機酸が望ましく、それらの中でも酢酸がさらに望ましい。反応温度は通常0〜50 ℃、望ましくは10〜40 ℃であり、反応時間は10分〜24時間、望ましくは0.5〜6時間である。また、(A)の反応は、通常溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド又はピリジンのような非プロトン性極性溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で或いは混合して使用してもよい。
【0025】
(B)式(I)において、R1 が水素原子以外であり、mが0である場合の化合物、即ち、式(I−2):
【0026】
【化12】
【0027】
[式中、AはCH又はNであり;(R1)’ が置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、−C(W1)R2 基(R2 は置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基又はモノ若しくはジアルキルアミノ基であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である。)又は−S(O)n R3 基(R3 はアルキル基又はジアルキルアミノ基であり、nは1又は2である)であり;Yはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基である]で表されるアミド系化合物又はその塩は、前記(A)の方法によって製造された式(I−1)の化合物と、式(III):(R1)’−Hal[式中、(R1)’ は前述の通りであり、Halはハロゲン原子である]で表される化合物とを反応させることによって製造できる。
【0028】
(B)の反応は、通常溶媒の存在下、必要により塩基の存在下で行われる。溶媒としては、例えば;ベンゼン又はトルエンのような芳香族炭化水素;ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランのようなエーテル;塩化メチレン又はクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド又はピリジンのような非プロトン性極性溶媒;水などが含まれる。これらの溶媒は、単独で或は混合して使用してもよい。塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン又はピリジンのような第三級アミン;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸化物;ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属のアルコキシドなどが含まれる。
【0029】
(B)の反応温度は通常−50 ℃〜+100 ℃であるが、望ましくは0〜30 ℃である。反応時間は通常0.1〜24時間である。
【0030】
(C)式(I)において、mが1である場合の化合物、即ち、式(I−3):
【化13】
【0031】
[式中、AはCH又はNであり;R1 は水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、−C(W1)R2 基(R2 は置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基又はモノ若しくはジアルキルアミノ基であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である)又は−S(O)n R3 基(R3 はアルキル基又はジアルキルアミノ基であり、nは1又は2である)であり;Xは酸素原子又は硫黄原子である;Yはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基である]で表わされるアミド系化合物又はその塩は、式(I−1)の化合物又は式(I−2)の化合物と酸化剤とを反応させることによって製造できる。
【0032】
この反応は、通常溶媒の存在下で行なわれる。溶媒としては酢酸などが挙げられる。酸化剤としては、過酸化水素が用いられる。反応温度は通常50〜100 ℃であり、反応時間は6〜24時間である。
【0033】
本発明化合物は、殺虫、殺ダニ、殺線虫、殺土壌害虫剤などの有害動物防除剤の有効成分として優れた活性を示す。
【0034】
例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、ミカンハダニ、ネダニなどのような植物寄生性ダニ類、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなどのアブラムシ類、コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、コドリンガ、ボールワーム、タバコバッドワーム、マイマイガ、コロラドハムシ、ウリハムシ、ボールウィービル、ウンカ類、ヨコバイ類、カイガラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、バッタ類、ハナバエ類、コガネムシ類、タマナヤガ、カブラヤガ、アリ類などのような農業害虫類、イエダニ、ゴキブリ類、イエバエ、アカイエカのような衛生害虫類、バクガ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ類などのような農業害虫類、イエダニ、ゴキブリ類、イエバエ、アカイエカのような衛生害虫類、バクガ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ類などのような貯殺害虫類、イガ、ヒメカツオブシムシ、シロアリ類などのような衣類、家屋害虫類、その他家畜などに寄生するノミ類、シラミ類、ハエ類などに対しても有効であり、更にはネコブセンチュウ類、シストセンチュウ類、ネグサレセンチュウ類、イネシンガレセンチュウ、イチゴメセンチュウ、マツノザイセンチュウなどのような植物寄生性線虫類に対しても有効である。また、土壌害虫類に対しても有効である。ここに言う土壌害虫としては、ナメクジ、マイマイのような腹足類、ダンゴムシ、ワラジムシなどのような等脚類などが挙げられる。なかでも、本発明化合物は、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなどのアブラムシ類に卓越した効果を示す。更にアブラムシ類などの有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤抵抗性害虫に対しても有効である。さらに本発明化合物は、優れた浸透移行性を有していることから、本発明化合物を土壌に処理することによって土壌有害昆虫類、ダニ類、線虫類、腹脚類、等脚類の防除と同時に茎葉部の害虫類をも防除することができる。
【0035】
本発明化合物は、従来の農薬製剤の場合と同様に農薬補助剤と共に乳剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、水和剤、水溶剤、液剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、エアゾール剤、ペースト剤、微量散布剤などの種々の形態に製剤して使用することができる。これらの配合割合は、通常有効成分0.1〜90重量部で農薬補助剤10〜99.9重量部である。これら製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、または水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。
【0036】
ここにいう農薬補助剤としては、担体、乳化剤、懸濁剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、増粘剤、安定剤などが挙げられ、必要により適宜添加すればよい。担体としては、固体担体と液体担体に分けられ、固体担体としては、澱粉、活性炭、大豆粉、小麦粉、木粉、魚粉、粉乳などの動植物性粉末、タルク、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナなどの鉱物性粉末が挙げられ、液体担体としては、水、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ケロシン、軽油などの脂肪族炭化水素類、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、メチルナフタリン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類、脂肪酸のグリセリンエステルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどの含硫化合物類などが挙げられる。
【0037】
本発明化合物は、他の農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺菌剤等と混用、併用することができ、この場合に一層優れた効果を示すこともある。
【0038】
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、或いは殺線虫剤、すなわち殺害虫剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えばプロフェノホス(Profenofos)、ジクロルボス(Dichlorvos)、フェナミホス(Fenamiphos)、フェニトロチオン(Fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(Diazinon)、クロルピリホスメチル(Chlorpyrifos−methyl)、アセフェート(Acephate)、プロチオホス(Prothiofos)、ホスチアゼート(Fosthiazate)、ホスホカルブ(Phosphocarb)、カズサホス(Cadusafos)、ジスルホトン(Dislufoton)のような有機リン酸エステル系化合物;
カルバリル(Carbaryl)、プロポキスル(Propoxur)、アルジカルブ(Aldicarb)、カルボフラン(Carbofuran)、チオジカルブ(Thiodicarb)、メソミル(Methomyl)、オキサミル(Oxamyl)、エチオフェンカルブ(Ethiofencarb)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、フェノブカルブ(Fenobucarb)、カルボスルファン(Carbosulfan)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(Cartap)、チオシクラム(Thiocyclam)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(Dicofol)、テトラジホン(Tetradifon)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(Fenbutatin Oxide)のような有機金属系化合物;
フェンバレレート(Fenvalerate)、ペルメトリン(Permethrin)、シペルメトリン(Cypermethrin)、デルタメトリン(Deltamethrin)、シハロトリン(Cyhalothrin)、テフルトリン(Tefluthrin)、エトフェンプロックス(Ethofenprox)、フルフェンプロックス(Flufenprox)、イミデート(Imidate)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(Diflubenzuron)、クロルフルアズロン(Chlorfluazuron)、テフルベンズロン(Teflubenzuron)、フルフェノクスロン(Flufenoxuron)、ビストリフルロン(Bistrifluron)、ノビフルムロン(Noviflumuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(Methoprene)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(Pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(Fenpyroximate)、フィプロニル(Fipronil)、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、エチピロール(Ethiprole)、トルフェンピラド(Tolfenpyrad)、アセトプロール(Acetoprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(Imidacloprid)、ニテンピラム(Nitenpyram)、アセタミプリド(Acetamiprid)、チアクロプリド(Thiacloprid)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、クロチアニジン(Clothianidin)、ニジノテフラン(Nidinotefuran)、ディノテフラン(Dinotefuran)などのネオニコチノイド;
テブフェノジド(Tebufenozide)、メトキシフェノジド(Methoxyfenozide)、クロマフェノジド(Chromafenozide)などのヒドラジン系化合物;
ピリダリル(Pyridaryl)、フロニカミド(Flonicamid)などのようなピリジン系化合物;
スピロディクロフェン(Spirodiclofen)などのようなテトロニック酸系化合物;
フルアクリピリム(Fluacrypyrin)などのようなストロビルリン系化合物;
フルフェネリム(Flufenerin)などのようなピリジナミン系化合物;
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物、また、その他の化合物として、ブプロフェジン(Buprofezin)、ヘキシチアゾクス(Hexythiazox)、アミトラズ(Amitraz)、クロルジメホルム(Chlordimeform)、シラフルオフェン(Silafluofen)、トリアザメイト(Triazamate)、ピメトロジン(Pymetrozine)、ピリミジフェン(Pyrimidifen)、クロルフェナピル(Chlorfenapyr)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、アセキノシル(Acequinocyl)、エトキサゾール(Etoxazole)、シロマジン(Cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3−dichloropropene)、ベルブチン(Verbutin)、スピロメシフェン(Spiromesifen)、チアゾリルシナノニトリル(Thiazolylcinnanonitrile)、アミドフルメット(Amidoflumet)のような化合物;AKD−1022、IKA−2000などが挙げられる。更に、BT剤、昆虫病原ウイルス剤などのような微生物農薬、アベルメクチン(Avermectin)、ミルベマイシン(Milbemycin)、スピノサッド(Spinosad)、エマメクチンベンゾエート(Emamectin Benzoate)のような抗生物質などと、混用、併用することもできる。
【0039】
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、メパニピリム(Mepanipyrim)、ピリメサニル(Pyrimethanil)、シプロジニル(Cyprodinil)のようなピリミジナミン系化合物;フルアジナム(Fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
トリアジメホン(Triadimefon)、ビテルタノール(Bitertanol)、トリフルミゾール(Triflumizole)、エタコナゾール(Etaconazole)、プロピコナゾール(Propiconazole)、ペンコナゾール(Penconazole)、フルシラゾール(Flusilazole)、マイクロブタニル(Myclobutanil)、シプロコナゾール(Cyproconazole)、ターブコナゾール(Terbuconazole)、ヘキサコナゾール(Hexaconazole)、ファーコナゾールシス(Furconazole−cis)、プロクロラズ(Prochloraz)、メトコナゾール(Metconazole)、エポキシコナゾール(Epoxiconazole)、テトラコナゾール(Tetraconazole)、オキスポコナゾール硫酸塩(Oxpoconazole fumarate)、シプコナゾール(Sipconazole)、プロチオコナゾール(Prothioconazole)のようなアゾール系化合物;
キノメチオネート(Quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(Maneb)、ジネブ(Zineb)、マンゼブ(Mancozeb)、ポリカーバメート(Polycarbamate)、メチラム(Metiram)、プロピネブ(Propineb)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(Fthalide)、クロロタロニル(Chlorothalonil)、キントゼン(Quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(Benomyl)、チオファネートメチル(Thiophanate−Methyl)、カーベンダジム(Carbendazim)、シアゾファミド(Cyazofamid)のようなイミダゾール系化合物;
シモキサニル(Cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(Metalaxyl)、メタラキシルM(Metalaxyl M)、オキサジキシル(Oxadixyl)、オフレース(Ofurace)、ベナラキシル(Benalaxyl)、フララキシル(Furalaxyl)、シプロフラム(Cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物;
ジクロフルアニド(Dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;
水酸化第二銅(Cuprichydroxide)、有機銅(Oxine Copper)のような銅系化合物;
ヒメキサゾール(Hymexazol)のようなイソオキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(Fosetyl−Al)、トルコホスメチル(Tolcofos−Methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチルS,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネートのような有機リン系化合物;
キャプタン(Captan)、キャプタホル(Captafol)、フォルペット(Folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物;
プロシミドン(Procymidone)、イプロジオン(Iprodione)、ビンクロゾリン(Vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
フルトラニル(Flutolanil)、メプロニル(Mepronil)、ゾキサミド(Zoxamid)、チアジニル(tiadinil)のようなベンズアニリド系化合物;
トリホリン(Triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(Pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(Fenarimol)、フルトリアフォル(Flutriafol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(Fenpropidine)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(Fenpropimorph)のようなモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(Fentin Hydroxide)、フェンチンアセテート(Fentin Acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(Pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(Dimethomorph)、フルモルフ(Flumorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(Diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
フルジオキソニル(Fludioxonil)、フェンピクロニル(Fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(Azoxystrobin)、クレソキシムメチル(Kresoxim−Methyl)、メトミノフェン(Metominofen)、トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(Picoxystrobin)、オリザストロビン(Oryzastrobin)、ジモキシストロビン(Dimoxystrobin)、フルオキサストロビン(Fluoxastrobin)のようなストロビルリン系化合物; ファモキサドン(Famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(Ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
シルチオファム(Silthiopham)のようなシリルアミド系化合物; イプロバリカルブ(Iprovalicarb)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)のようなアミノアシッドアミドカーバメート系化合物;
フェナミドン(Fenamidone)のようなイミダゾリジン系化合物;
フェンヘキサミド(Fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物:
フルスルファミド(Flusulfamid)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
シフルフェナミド(Cyflufenamid)のようなオキシムエーテル系化合物;
フェノキサニル(Fenoxanil)のようなフェノキシアミド系化合物; シメコナゾール(Simeconazole)のようなトリアゾール系化合物;
アトラキノン系化合物;クロトン酸系化合物;抗生物質またその他の化合物として、イソプロチオラン(Isoprothiolane)、トリシクラゾール(Tricyclazole)、ピロキロン(Pyroquilon)、ジクロメジン(Diclomezine)、プロベナゾール(Probenazole)、キノキシフェン(Quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(Propamocarb Hydrochloride)、スピロキサミン(Spiroxamine)クロルピクリン(Chloropicrin)、ダゾメット(Dazomet)、カーバムナトリウム塩(Metam−sodium)、ニコビフェン(Nicobifen)、メトラフェノン(Metrafenone)、MTF−753、UBF−307、ジクロシメット(Diclocymet)、プロキンアジド(Proquinazid)などが挙げられる。
【0040】
また、本発明化合物と混用、併用する他の農薬との適当な混合重量比は一般に1:300〜300:1、望ましくは1:100〜100:1である。
【0041】
本発明化合物は、有害動物防除剤として施用する場合、一般に0.1〜500000 ppm望ましくは1〜100000 ppmの有効成分濃度で使用される。これらの有効成分濃度は、製剤の形態及び施用する方法、目的、時期、場所及び害虫の発生状況等によって適当に変更できる。例えば、水生有害虫の場合、上記濃度範囲の薬液を発生場所に散布しても防除できることから、水中での有効成分濃度範囲は上記以下である。単位面積あたりの施用量は1 ha当り、有効成分化合物として約0.1〜5000 g、望ましくは10〜1000 gが使用される。しかし、特別の場合には、これらの範囲を逸脱することも可能である。
【0042】
種々の製剤、またはその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法すなわち、散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒、水面施用等)、土壌施用(混入、灌注等)、表面施用(塗布、粉衣、被覆等)又は浸漬毒餌等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生生育を防除することも可能である。またいわゆる超高濃度少量散布法(ultra low volume)により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100 %含有することが可能である。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0044】
(合成例)N−ホルミル−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミド(化合物No.1)の合成
N−(ジメチルアミノメチレン)−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミド7.5 g(0.03モル)を酢酸26.3 mlに溶解後、15〜20 ℃で水11.3 mlを徐々に添加し、攪拌下同温度で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物へ更に水37.5 mlを加えた。析出した結晶をろ過、水洗し、得られた白色結晶を温風乾燥機(80 ℃)で12時間乾燥し、融点144.5〜146.5 ℃の目的物3.3 gを得た。
【0045】
上記合成例に準じた方法で製造される本発明化合物を以下の第1表に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
(試験例) モモアカアブラムシ殺虫試験
供試化合物を含む製剤品を水に分散させ、濃度を800 ppmに調整した。本葉1枚のみを残したポット(直径8 cm、高さ7 cm)植えナスの葉柄に粘着剤を塗布した後、その本葉にモモアカアブラムシ無翅胎生雌成虫を2〜3頭接種し、産仔させた。接種2日後成虫を除去し、幼虫数を数えた。この幼虫の寄生したナス葉を前記の濃度に調整した薬液に約10秒間浸漬処理し、風乾後26 ℃の照明付恒温室内に放置した。処理後5日目に生死を判定し、下記の計算式により死虫率を求めたところ、第2表の通りであった。なお、離脱虫は死亡したものとみなした。
死虫率(%)=死虫数/処理虫数×100
【表2】
【0048】
次に本発明の製剤例を記載するが、本発明における化合物、配合割合、剤型などは記載例のみに限定されるものではない。
【0049】
製剤例1
(イ)化合物No.1 20重量部
(ロ)カオリン 72重量部
(ハ)リグニンスルホン酸ソーダ 8重量部
以上のものを均一に混合して水和剤とする。
【0050】
製剤例2
(イ)化合物No.1 5重量部
(ロ)タルク 95重量部
以上のものを均一に混合して粉剤とする。
【0051】
製剤例3
(イ)化合物No.1 20重量部
(ロ)N,N′−ジメチルアセトアミド 20重量部
(ハ)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 10重量部
(ニ)キシレン 50重量部
以上のものを均一に混合、溶解して乳剤とする。
【0052】
製剤例4
(イ)カオリン 68重量部
(ロ)リグニンスルホン酸ソーダ 2重量部
(ハ)ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート 5重量部
(ニ)微粉シリカ 25重量部
以上の各成分の混合物と、化合物No.1とを4:1の重量割合で混合し、水和剤とする。
【0053】
以上のものを均一に混合、粉砕した原液に更に(ホ)ポリカルボン酸ナトリウム5重量部(ヘ)無水硫酸ナトリウム 42.8重量部を加え均一に混合、乾燥して顆粒水和剤とする。
【0054】
製剤例6
(イ)化合物No.1 5重量部
(ロ)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 1重量部
(ハ)ポリオキシエチレンの燐酸エステル 0.1重量部
(ニ)粒状炭酸カルシウム 93.5重量部
(イ)〜(ハ)を予め均一に混合し、適量のアセトンで希釈した後、(ニ)に吹付け、アセトンを除去して粒剤とする。
【0055】
製剤例7
(イ)化合物No.1 2.5重量部
(ロ)N−メチル−2−ピロリドン 2.5重量部
(ハ)大豆油 95.0重量部
以上のものを均一に混合、溶解して微量散布剤(ultra low volume formulation)とする。
【0056】
製剤例8
(イ)化合物No.1 5重量部
(ロ)N,N′−ジメチルアセトアミド 15重量部
(ハ)ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10重量部
(ニ)キシレン 70重量部
以上のものを均一に混合し乳剤とする。
【0057】
製剤例9
(イ)化合物No.1 20重量部
(ロ)ラウリルサルフェートナトリウム塩 3重量部
(ハ)水溶性デンプン 77重量部
以上のものを均一に混合し、水溶剤とする。
Claims (11)
- 式(I):
- Xが酸素原子であるとき、R1 は水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、−C(W1)R2 基(R2 は置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基又はモノ若しくはジアルキルアミノ基であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子である)又は−S(O)nR3 基(R3はアルキル基又はジアルキルアミノ基であり、nは1又は2である)であるか、或いはXが硫黄原子であるとき、R1 が水素原子である請求項1に記載のアミド系化合物又はその塩。
- R1 が水素原子、置換されてもよいアルキル基又は−C(W1)R2 基であり、R2 が置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基又はアルコキシ基であり、W1 は酸素原子又は硫黄原子であり、Xが酸素原子である請求項1に記載の化合物又はその塩。
- R1 が水素原子又はアルキル基であり、Xが酸素原子である請求項1に記載の化合物又はその塩。
- 式(I)のアミド系化合物がN−ホルミル−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミドである請求項1に記載の化合物又はその塩。
- 式(I−2):
- 式(I−3):
- 前記請求項1に記載のアミド系化合物又はその塩を有効成分として含有する有害動物防除剤。
- 有効成分がN−ホルミル−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミド又はその塩である請求項9に記載の有害動物防除剤。
- 前記請求項1に記載のアミド系化合物又はその塩の有効量を有害動物に作用させることを特徴とする有害動物の防除方法。
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-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003027439A patent/JP2004238307A/ja active Pending
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