JP2004269449A - ベンズアミド誘導体、それらの製造方法及びそれらを含有する有害生物防除剤 - Google Patents
ベンズアミド誘導体、それらの製造方法及びそれらを含有する有害生物防除剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低薬量で有害生物に対して極めて高い防除効果を有し、且つ哺乳動物、魚類などに対してほとんど悪影響を及ぼさない有害生物防除剤を提供する。
【解決手段】式(I);
【化1】
[式中、Aは少なくともアミノで置換されたフェニル、Xで置換されてもよい複素環基、Xで置換されてもよい縮合複素環基又はインダニル(インダニルは、ハロゲン、アルキル又はアルコキシで置換されてもよい)であり、BはYで置換されてもよいフェニルであり、X及びYは各々ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり、R1及びR2は各々アルキルであり、但し、N−[1−メチル−1−(2’−メチルイソニコチノイル)エチル]ベンズアミドを除く]で表されるベンズアミド誘導体又はその塩。
【選択図】 なし
【解決手段】式(I);
【化1】
[式中、Aは少なくともアミノで置換されたフェニル、Xで置換されてもよい複素環基、Xで置換されてもよい縮合複素環基又はインダニル(インダニルは、ハロゲン、アルキル又はアルコキシで置換されてもよい)であり、BはYで置換されてもよいフェニルであり、X及びYは各々ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり、R1及びR2は各々アルキルであり、但し、N−[1−メチル−1−(2’−メチルイソニコチノイル)エチル]ベンズアミドを除く]で表されるベンズアミド誘導体又はその塩。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害生物防除剤の有効成分として有用な新規ベンズアミド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
WO2001/60783には、フェナシルアミン誘導体、その製造方法及びそれらを含有する有害生物防除剤が開示されているが、後記式(I)で表されるベンズアミド誘導体に係る記載は見られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
長年にわたり、多数の有害生物防除剤が使用されているが、効力が不十分、有害生物が抵抗性を獲得しその使用が制限される、人畜魚類などに対して毒性が強い、残留性により生態系を乱す等、種々の課題を有するものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全性の高い新規な有害生物防除剤の開発が望まれている。
また、動物寄生性生物は、家畜、ペット等の体表、胃、腸管、肺、心臓、肝臓、血管、皮下、リンパ組織などに寄生し、貧血、栄養失調、衰弱、体重減少や、腸管壁、各種器官、その他組織の障害など、種々の動物疾患を引き起こす為、その防除が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、より優れた有害生物防除剤を見出すべくベンズアミド誘導体につき種々検討した。その結果、新規なベンズアミド誘導体及びその塩が、低薬量で有害生物に対して極めて高い防除効果を有し、且つ哺乳動物、魚類などに対してほとんど悪影響を及ぼさないことを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、式(I);
【0005】
【化5】
【0006】
[式中、Aは少なくともアミノで置換されたフェニル、Xで置換されてもよい複素環基、Xで置換されてもよい縮合複素環基又はインダニル(インダニルは、ハロゲン、アルキル又はアルコキシで置換されてもよい)であり、BはYで置換されてもよいフェニルであり、X及びYは各々ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり、R1及びR2は各々アルキルであり、但し、N−[1−メチル−1−(2’−メチルイソニコチノイル)エチル]ベンズアミドを除く]で表されるベンズアミド誘導体又はその塩、それらの製造方法並びにそれらを含有する有害生物防除剤に関する。
【0007】
A中の、少なくともアミノで置換されたフェニルは、アミノ以外にハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ及びハロアルコキシよりなる群から選ばれる少なくとも1種によって更に置換されてもよく、その中でもアルコキシにより更に置換されることが望ましい。
【0008】
A中のXで置換されてもよい複素環基又はXで置換されてもよい縮合複素環基の置換基Xの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、これら置換基は同一でも相異なってもよく、B中のYで置換されてもよいフェニルの置換基Yの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、これら置換基は同一でも相異なってもよい。A中のインダニルの置換基であるハロゲン、アルキル又はアルコキシの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、これら置換基は同一でも相異なってもよい。
【0009】
A又はB中の複素環基としてはO、S及びNからなる群より選ばれた少なくとも1種の原子を1〜4含有する5若しくは6員複素環基、例えばフリル、テトラヒドロフリル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピラニル、ピリジル、ピペリジニル、ジオキサニル、オキサジニル、モルホリニル、チアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、トリアジニルなどが挙げられ、中でもピリジルが望ましい。
【0010】
A又はB中の縮合複素環基としてはO、S及びNからなる群より選ばれた少なくとも1種の原子を1〜4含有する8〜10員縮合複素環基、例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロイソベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、クロモニル、クロマノニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジニル、イミダゾピリジル、ナフチリジニル、プテリジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリノニル、ジヒドロベンゾオキサジノニル、ベンゾチオキサニルなどが挙げられ、中でもジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾチエニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロマニル、ジヒドロベンゾオキサジニル又はジヒドロベンゾオキサジノニルが望ましい。
【0011】
X、Y、R1又はR2中のアルキル又はアルキル部分、A中のインダニルの置換基としてのアルキル又はアルキル部分としては、各々炭素数1〜6の直鎖又は分枝状のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0012】
X又はY中のハロゲン又は置換基としてのハロゲン、A中のインダニルの置換基としてのハロゲンとしては、弗素、塩素、臭素又は沃素の各原子が挙げられる。置換基としてのハロゲンの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、各ハロゲンは同一でも相異なってもよい。また、ハロゲンの置換位置はいずれの位置でもよい。
【0013】
前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体の塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれるが、例えばナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩のようなアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
【0014】
前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体には、各種異性体、例えば光学異性体や互変異性体が存在するが、本発明には各異性体及び異性体混合物の双方が含まれる。尚、本発明には、当該技術分野における技術常識の範囲内において、前記したもの以外の各種異性体も含まれる。
前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体又はその塩(以下本発明化合物と略す)は、以下の反応〔A〕と、通常の塩の製造方法に従って製造できる。
【0015】
【化6】
【0016】
反応〔A〕中、A、B、R1及びR2は前述の通りであり、Zはヒドロキシ、アルコキシ又はハロゲンであり、ハロゲンとしては弗素、塩素、臭素又は沃素の各原子が挙げられる。
【0017】
反応〔A〕は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンのようなアミン類;ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンのようなピリジン類などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(II)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜2倍モル使用する。
【0018】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0019】
反応〔A〕は、必要に応じて脱水縮合剤の存在下で行う。該脱水縮合剤としてはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、クロロスルホニルイソシアネート、N,N’−カルボニルジイミダゾール、トリフルオロ酢酸無水物などが挙げられる。
反応〔A〕の反応温度は、通常0〜100℃、望ましくは0〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜48時間、望ましくは1〜24時間である。
【0020】
前記反応〔A〕で使用される式(II)の化合物は新規であり、以下の反応〔B〕〜〔D〕に従って製造できる。
【0021】
【化7】
【0022】
反応〔B〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。反応〔B〕においては、反応の後処理或は通常の塩形成反応に準じて化合物(II)の塩を製造できる。
反応〔B〕は、通常酸化剤及び溶媒の存在下で行う。
酸化剤としては、例えばフェリシアン化カリウムなどが挙げられる。酸化剤は、式(IV)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。
【0023】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔B〕の反応温度は、通常20〜150℃、望ましくは50〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜30時間、望ましくは1〜20時間である。
【0024】
【化8】
【0025】
反応〔C〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。反応〔C〕においては、反応の後処理或は通常の塩形成反応に準じて化合物(II)の塩を製造できる。
反応〔C〕の環化反応は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(V)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
【0026】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔C〕の環化反応の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは30〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜12時間である。
【0027】
反応〔C〕の加水分解反応は、一般的な加水分解反応に準じて行えばよく、通常酸又は塩基及び溶媒の存在下で行う。
酸としては、例えば塩化水素、硫酸などが挙げられる。塩基としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物などが挙げられる。
【0028】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔C〕の加水分解反応の反応温度は通常0〜100℃、望ましくは20〜80℃であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.1〜1時間である。
【0029】
【化9】
【0030】
反応〔D〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。反応〔D〕においては、反応の後処理或は通常の塩形成反応に準じて化合物(II)の塩を製造できる。
反応〔D〕の還元反応としては、例えば接触還元、金属水素化物(水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウムなど)による還元、トリフェニルホスフィンやスルフィドによる還元などが挙げられる。接触還元は、通常、触媒の存在下で水素、ギ酸、ギ酸アンモニウム、アルコール、シクロヘキサン、トリエチルアンモニウムホルメート、塩化アンモニウムなどと反応させることにより行う。前記触媒としては、例えば白金、酸化白金、白金黒、ラネーニッケル、パラジウム、パラジウム−カーボン、ロジウム、ロジウム−アルミナ、鉄、銅などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0031】
反応〔D〕は、通常溶媒の存在下で行う。該溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔D〕の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは0〜80℃であり、反応時間は、通常0.5〜96時間、望ましくは0.5〜48時間である。
【0032】
前記反応〔C〕で使用される式(V)の化合物は新規であり、以下の反応〔E〕に従って製造できる。
【0033】
【化10】
【0034】
反応〔E〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。
反応〔E〕は、必要に応じて溶媒の存在下で行う。該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0035】
反応〔E〕のヨウ化メチルは、式(VII)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。また、ヨウ化メチルは過剰に用いれば溶媒を兼ねることができる。
反応〔E〕の反応温度は、通常0〜100℃、望ましくは10〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜48時間、望ましくは1〜24時間である。
【0036】
前記反応〔D〕で使用される式(VI)の化合物は新規であり、以下の反応〔F〕に従って製造できる。
【0037】
【化11】
【0038】
反応〔F〕中、A、R1及びR2は前述の通りであり、Uは塩素又は臭素の各原子である。
反応〔F〕は、アジド化剤の存在下で行う。該アジド化剤としては、例えばアジ化ナトリウム、アジ化カリウム、トリメチルシリルアジドなどから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0039】
反応〔F〕は、通常溶媒の存在下で行う。該溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔F〕の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは20〜90℃であり、反応時間は、通常0.1〜96時間、望ましくは0.5〜12時間である。
【0040】
前記反応〔E〕で使用される式(VII)の化合物は新規であり、以下の反応〔G〕に従って製造できる。
【0041】
【化12】
【0042】
反応〔G〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。
反応〔G〕は一般的なヒドラゾン合成反応に準じて行えばよく、必要に応じて脱水剤及び/又は触媒の存在下で行う。
脱水剤としては、例えばモレキュラーシーブなどが挙げられる。脱水剤は、式(IV)の化合物の重量に対し通常は1〜30倍、望ましくは5〜10倍使用する。
触媒としては、例えば四塩化チタンなどが挙げられる。
【0043】
反応〔G〕のジメチルヒドラジンは、式(IV)の化合物に対し通常は1〜30倍モル、望ましくは5〜10倍モル使用する。
反応〔G〕の反応温度は、通常20〜150℃、望ましくは50〜120℃であり、反応時間は、通常5〜200時間、望ましくは24〜120時間である。
【0044】
前記反応〔F〕で使用される式(VIII)の化合物は新規であり、以下の反応〔H〕に従って製造できる。
【0045】
【化13】
【0046】
反応〔H〕中、A、R1、R2及びUは前述の通りである。
反応〔H〕は、塩素化剤又は臭素化剤の存在下で行う。該塩素化剤としては、例えば塩素、N−クロロコハク酸イミドなどから1種又は2種以上を適宜選択し、臭素化剤としては、例えば臭素、N−ブロモコハク酸イミド、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミドなどから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0047】
反応〔H〕は、通常溶媒の存在下で行う。該溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;酢酸、プロピオン酸のような有機酸;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔H〕は、必要に応じて塩基又は酸の存在下で行う。
塩基は、例えばリチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられる。塩基は、式(IV)の化合物に対し1〜2倍モル、望ましくは1〜1.2倍モル使用する。
【0048】
酸は、例えば酢酸、プロピオン酸のような有機酸;塩化アルミニウムなどから1種又は2種以上を適宜選択する。酸は、通常触媒量使用する。また、溶媒としての有機酸を過剰に用いることにより溶媒と酸を兼ねることができる。
反応〔H〕の反応温度は、通常−100〜150℃、望ましくは−78〜110℃であり、反応時間は、通常0.1〜48時間、望ましくは0.5〜24時間であるが、塩基の存在下で行う場合、反応温度は、通常−100〜0℃、望ましくは−78〜−20℃であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.5〜6時間であり、酸の存在下で行う場合、反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは20〜110℃であり、反応時間は、通常0.1〜48時間、望ましくは1〜24時間である。
【0049】
前記反応〔B〕、〔G〕又は〔H〕で使用される式(IV)の化合物は公知化合物であるか、或は以下の反応〔I〕〜〔K〕又はこれらに準じた方法に従って製造できる。
【0050】
【化14】
【0051】
反応〔I〕中、R1及びR2は前述の通りであり、Tは酸素原子又は−C(G1)G2−であり、Xaは水素原子、塩素原子又はアルキルであり、Xa’は塩素原子又はアルキルであり、Xb、Xc、Xd、Xe、G1及びG2は各々水素原子、弗素原子又は塩素原子であり、Vは臭素原子又は沃素原子であり、jは0又は1である。
【0052】
反応〔I〕の第1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、リチウムジイソプロピルアミドのような有機リチウム化合物などから適宜選択する。塩基は、式(IX)の化合物に対し1〜2倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0053】
反応〔I〕の第1工程で用いる塩素化剤としては、例えばN−クロロコハク酸イミドなどが挙げられる。
反応〔I〕の第1工程で用いる式:Xa’−Iは、式(IX)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。また、反応〔I〕の第1工程で用いる塩素化剤は、式(IX)の化合物に対し1〜5倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。
【0054】
反応〔I〕の第1工程は、必要に応じ不活性ガスの存在下で行う。該不活性ガスは、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどから適宜選択する。
反応〔I〕の第1工程の反応温度は、通常−100〜50℃、望ましくは−70〜25℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、望ましくは1〜20時間である。
【0055】
反応〔I〕の第2工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、メチルリチウム、n−ブチルリチウムのような有機リチウム化合物などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(IX)又は(X)の化合物に対し1〜2倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0056】
反応〔I〕の第2工程で用いる式(XI)の化合物は、式(IX)又は(X)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
反応〔I〕の第2工程は、必要に応じ不活性ガスの存在下で行う。該不活性ガスは、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどから適宜選択する。
反応〔I〕の第2工程の反応温度は、通常−100〜50℃、望ましくは−70〜25℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、望ましくは1〜20時間である。
【0057】
【化15】
【0058】
反応〔J〕中、R1、R2、T、Xa、Xa’、Xb、Xc、Xd、Xe、V及びjは前述の通りである。
反応〔J〕の第1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
【0059】
塩基は、メチルリチウム、n−ブチルリチウムのような有機リチウム化合物などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(IX)又は(X)の化合物に対し1〜2倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0060】
反応〔J〕の第1工程で用いる式(XII)は、式(IX)又は(X)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
反応〔J〕の第1工程は、必要に応じ不活性ガスの存在下で行う。該不活性ガスは、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどから適宜選択する。
反応〔J〕の第1工程の反応温度は、通常−100〜50℃、望ましくは−70〜25℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、望ましくは1〜20時間である。
【0061】
反応〔J〕の第2工程は、通常酸化剤及び溶媒の存在下で行う。
酸化剤は、クロロクロム酸ピリジニウム、二酸化マンガンなどから1種又は2種以上を適宜選択する。酸化剤は、式(XIII)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。
【0062】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔J〕の第2工程の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは20〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜12時間である。
【0063】
【化16】
【0064】
反応〔K〕中、R1及びR2は前述の通りであり、Xfは水素原子、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり、Xgは水素原子又はアルキルであり、Halはハロゲンであり、R27はアルキルであり、kは0又は1である。
【0065】
反応〔K〕の第1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(XIV)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
【0066】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0067】
反応〔K〕の第1工程中、式(XV)の化合物は、式(XIV)の化合物に対し1〜5倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
反応〔K〕の第1工程は、必要に応じヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムのような反応促進剤の存在下で行う。
反応〔K〕の第1工程の反応温度は、通常0〜130℃、望ましくは60〜100℃であり、反応時間は、通常0.3〜72時間、望ましくは0.5〜24時間である。
【0068】
反応〔K〕の第2工程は、通常アルカリ性物質及び溶媒の存在下で行う。
アルカリ性物質は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物などから適宜選択する。アルカリ性物質は、式(XVI)の化合物に対し1〜100倍モル、望ましくは1〜10倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0069】
反応〔K〕の第2工程の反応温度は、通常0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は、通常0.1〜24時間、望ましくは0.5〜2時間である。
また反応〔K〕の第2工程は、塩酸、硫酸のような鉱酸及び酢酸、ギ酸のような溶媒の存在下で行うこともできる。鉱酸は、式(XVI)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。
【0070】
反応〔K〕の第3工程は、通常塩素化剤の存在下で行う。
塩素化剤は、例えば塩化チオニル、オキサリルクロリド、五塩化リン、オキシ塩化リンなどから1種又は2種以上を適宜選択する。塩素化剤は、式(XVII)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。
反応〔K〕の第3工程は、必要に応じて溶媒の存在下で行う。該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0071】
また反応〔K〕の第3工程は、必要に応じてジメチルホルムアミドのような触媒の存在下で行う。
反応〔K〕の第3工程の反応温度は、通常0℃〜塩素化剤又は溶媒の沸点であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.5〜2時間である。
【0072】
反応〔K〕の第4工程は、ルイス酸及び溶媒の存在下で行う。
ルイス酸は、塩化アルミニウム、塩化鉄、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、塩化亜鉛などから1種又は2種以上を適宜選択する。ルイス酸は、式(XVIII)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜2倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、二硫化炭素などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔K〕の第4工程の反応温度は、通常−20〜50℃、望ましくは−10〜30℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜5時間である。
【0073】
反応〔K〕の第5−1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物などから適宜選択する。塩基は、式(XIX)の化合物に対し1〜20倍モル、望ましくは3〜6倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコールのような高沸点グリコール類などから適宜選択する。
【0074】
反応〔K〕の第5−1工程中、ヒドラジンは、式(XIX)の化合物に対し1〜100倍モル、望ましくは2〜50倍モル使用する。
反応〔K〕の第5−1工程の反応温度は、通常30〜120℃、望ましくは60〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜12時間、望ましくは1〜3時間である。
【0075】
反応〔K〕の第5−2工程は、第5−1工程に引き続き、通常160〜230℃、望ましくは180〜200℃で、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜10時間反応させる。尚、式(XX)を製造する為の別法としては、式(XIX)の化合物をクレメンゼン還元する方法や、トリエチルシランを用いて還元する方法などが挙げられる。
【0076】
反応〔K〕の第6工程は、前記反応〔K〕の第4工程に準じて行う。尚、式(XXI)の化合物は、式(XX)の化合物に対し1〜5倍モル、望ましくは1〜2倍モル使用する。
【0077】
反応〔K〕の第7工程は、通常トルエン又はキシレンと、ルイス酸との存在下で行う。
ルイス酸は、塩化アルミニウム、塩化鉄、四塩化チタンなどから1種又は2種以上を適宜選択する。ルイス酸は、式(XXII)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。
反応〔K〕の第7工程は、必要に応じ溶媒の存在下で行う。該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばニトロメタン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔K〕の第7工程の反応温度は、通常0〜70℃であり、望ましくは0〜25℃であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.5〜3時間である。
【0078】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の望ましい態様について以下に記述する。
本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、特に、殺虫、殺ダニ、殺線虫、殺土壌害虫剤として有用であるが、例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、チャノホコリダニ、ミカンサビダニ、ネダニなどのような植物寄生性ダニ類;モモアカアブラムシ、ワタアブラムシのようなアブラムシ類、コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、コドリンガ、ボールワーム、タバコバッドワーム、マイマイガ、コブノメイガ、チャノコカクモンハマキ、コロラドハムシ、ウリハムシ、ボールウィービル、ウンカ類、ヨコバイ類、カイガラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、バッタ類、ハナバエ類、コガネムシ類、タマナヤガ、カブラヤガ、アリ類などのような農業害虫類;ネコブセンチュウ類、シストセンチュウ類、ネグサレセンチュウ類、イネシンガレセンチュウ、イチゴメセンチュウ、マツノザイセンチュウなどのような植物寄生性線虫類;ナメクジ、マイマイなどのような腹足類;ダンゴムシ、ワラジムシのような等脚類などのような土壌害虫類;イエダニ、ゴキブリ類、イエバエ、アカイエカなどのような衛生害虫類;バクガ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ類などのような貯穀害虫類;イガ、ヒメカツオブシムシ、シロアリ類などのような衣類、家屋害虫類;ケナガコナダニ、コナヒョウダニ、ミナミツメダニのような屋内塵性ダニ類などの防除に有効である。なかでも、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、農業害虫類、植物寄生性線虫類などの防除に特に有効である。また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤などの薬剤に対する各種抵抗性害虫の防除にも有効である。更に本発明化合物は、優れた浸透移行性を有していることから、本発明化合物を含有する有害生物防除剤を土壌に処理することによって土壌有害昆虫類、ダニ類、線虫類、腹脚類、等脚類の防除と同時に茎葉部の害虫類をも防除することができる。
【0079】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の別の望ましい態様としては、前記した植物寄生性ダニ類、農業害虫類、植物寄生性線虫類、腹足類、土壌害虫類などを総合的に防除する農園芸用の有害生物防除剤が挙げられる。
【0080】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、通常該化合物と各種農業上の補助剤とを混合して粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤、エアゾール剤、微量散布剤などの種々の形態に製剤して使用されるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。製剤に使用する補助剤としては、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、カオリナイト及びセリサイトの混合物、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉などの固型担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコールなどの溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩のような陰イオン系の界面活性剤や展着剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤や展着剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィンなどの植物油や鉱物油などが挙げられる。これら補助剤は本発明の目的から逸脱しないかぎり、当該分野で知られたものの中から選んで用いることができる。また、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤など通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明化合物と各種補助剤との配合割合は0.001:99.999〜95:5、望ましくは0.005:99.995〜90:10である。これらの製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、または水等の希釈剤で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤を添加して使用することができる。
【0081】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の施用は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用場所、病害虫の種類や発生状況などの相違により一概に規定できないが、一般に0.05〜800000ppm、望ましくは0.5〜500000ppmの有効成分濃度で行ない、その単位面積あたりの施用量は、1ヘクタール当り本発明化合物が0.05〜50000g、望ましくは1〜30000gである。また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤の別の望ましい態様である農園芸用の有害生物防除剤の施用は、前記有害生物防除剤の施用に準じて行われる。本発明には、このような施用方法による有害生物の防除方法、特に農業害虫類、植物寄生性線虫類の防除方法も含まれる。
【0082】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の種々の製剤、またはその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法すなわち、散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒、水面施用等)、土壌施用(混入、灌注等)、表面施用(塗布、粉衣、被覆等)、浸漬毒餌等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生及び生育を阻害することも可能である。またいわゆる超高濃度少量散布法(ultra low volume)により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100%含有することが可能である。
【0083】
また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、他の農薬、肥料、薬害軽減剤などと混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。他の農薬としては、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、殺菌剤、抗ウィルス剤、誘引剤、抗生物質、植物ホルモン、植物成長調整剤などが挙げられる。特に、本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物の1種又は2種以上とを混用或は併用した混合有害生物防除組成物は、適用範囲、薬剤処理の時期、防除活性等を好ましい方向へ改良することが可能である。尚、本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物は各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤して使用してもよい。本発明には、このような混合有害生物防除組成物も含まれる。
【0084】
本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物との混合比は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用場所、病害虫の種類や発生状況などの相違により一概に規定できないが、一般に1:300〜300:1、望ましくは1:100〜100:1である。また、施用適量は1ヘクタール当りの総有効成分化合物量として0.1〜50000g、望ましくは1〜30000gである。本発明には、このような混合有害生物防除組成物の施用方法による有害生物の防除方法も含まれる。
【0085】
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或いは殺土壌害虫剤、すなわち害虫防除剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えばプロフェノホス(Profenofos)、ジクロルボス(Dichlorvos)、フェナミホス(Fenamiphos)、フェニトロチオン(Fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(Diazinon)、クロルピリホスメチル(Chlorpyrifos−methyl)、アセフェート(Acephate)、プロチオホス(Prothiofos)、ホスチアゼート(Fosthiazate)、ホスホカルブ(Phosphocarb)、カズサホス(Cadusafos)、ジスルホトン(Dislfoton)、クロルピリホス(Chlorpyrifos)、デメトン−S−メチル(Demeton−S−methyl)、ジメトエート(Dimethoate)、メタミドホス(Methamidophos)のような有機リン酸エステル系化合物;
【0086】
カルバリル(Carbaryl)、プロポキスル(Propoxur)、アルジカルブ(Aldicarb)、カルボフラン(Carbofuran)、チオジカルブ(Thiodicarb)、メソミル(Methomyl)、オキサミル(Oxamyl)、エチオフェンカルブ(Ethiofencarb)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、フェノブカルブ(Fenobucarb)、カルボスルファン(Carbosulfan)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(Cartap)、チオシクラム(Thiocyclam)、ベンスルタップ(Bensultap)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(Dicofol)、テトラジホン(Tetradifon)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(Fenbutatin Oxide)のような有機金属系化合物;
【0087】
フェンバレレート(Fenvalerate)、ペルメトリン(Permethrin)、シペルメトリン(Cypermethrin)、デルタメトリン(Deltamethrin)、シハロトリン(Cyhalothrin)、テフルトリン(Tefluthrin)、エトフェンプロックス(Ethofenprox)、ビフェントリン(Bifenthrin)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(Diflubenzuron)、クロルフルアズロン(Chlorfluazuron)、テフルベンズロン(Teflubenzuron)、フルフェノクスロン(Flufenoxuron)、ルフェヌロン(Lufenuron)、ノバルロン(Novaluron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(Methoprene)、ピリプロキシフェン(Pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(Fenoxycarb)のような幼若ホルモン様化合物;
【0088】
ピリダベン(Pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(Fenpyroximate)、フィプロニル(Fipronil)、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、エチピロール(Ethiprole)、トルフェンピラド(Tolfenpyrad)、アセトプロール(Acetoprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(Imidacloprid)、ニテンピラム(Nitenpyram)、アセタミプリド(Acetamiprid)、チアクロプリド(Thiacloprid)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、クロチアニジン(Clothianidin)、ジノテフラン(Dinotefuran)などのネオニコチノイド;
テブフェノジド(Tebufenozide)、メトキシフェノジド(Methoxyfenozide)、クロマフェノジド(Chromafenozide)などのヒドラジン系化合物;
【0089】
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物また、その他の化合物として、フロニカミド(Flonicamid)、ブプロフェジン(Buprofezin)、ヘキシチアゾクス(Hexythiazox)、アミトラズ(Amitraz)、クロルジメホルム(Chlordimeform)、シラフルオフェン(Silafluofen)、トリアザメイト(Triazamate)、ピメトロジン(Pymetrozine)、ピリミジフェン(Pyrimidifen)、クロルフェナピル(Chlorfenapyr)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、アセキノシル(Acequinocyl)、エトキサゾール(Etoxazole)、シロマジン(Cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3−dichloropropene)、ジアフェンチウロン(Diafenthiuron)、ベンクロチアズ(Benclothiaz)、フルフェンリム(Flufenerim)、ピリダリル(Pyridalyl)、スピロジクロフェン(Spirodiclofen)、ビフェナゼート(Bifenazate)、スピロメシフェン(Spiromesifen)のような化合物;などが挙げられる。更に、BT剤、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤などのような微生物農薬、アベルメクチン(Avermectin)、エマメクチンベンゾエート(Emamectin−benzoate)、ミルベメクチン(Milbemectin)、スピノサッド(Spinosad)、イベルメクチン(Ivermectin)のような抗生物質などと、混用、併用することもできる。
【0090】
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、メパニピリム(Mepanipyrim)、ピリメサニル(Pyrimethanil)、シプロジニル(Cyprodinil)のようなピリミジナミン系化合物;
トリアジメホン(Triadimefon)、ビテルタノール(Bitertanol)、トリフルミゾール(Triflumizole)、エタコナゾール(Etaconazole)、プロピコナゾール(Propiconazole)、ペンコナゾール(Penconazole)、フルシラゾール(Flusilazole)、マイクロブタニル(Myclobutanil)、シプロコナゾール(Cyproconazole)、ターブコナゾール(Terbuconazole)、ヘキサコナゾール(Hexaconazole)、ファーコナゾールシス(Furconazole−cis)、プロクロラズ(Prochloraz)、メトコナゾール(Metconazole)、エポキシコナゾール(Epoxiconazole)、テトラコナゾール(Tetraconazole)、オキスルポコナゾール(Oxpoconazole)、シプコナゾール(Sipconazole)のようなアゾール系化合物;
【0091】
キノメチオネート(Quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(Maneb)、ジネブ(Zineb)、マンゼブ(Mancozeb)、ポリカーバメート(Polycarbamate)、プロピネブ(Propineb)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(Fthalide)、クロロタロニル(Chlorothalonil)、キントゼン(Quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(Benomyl)、チオファネートメチル(Thiophanate−Methyl)、カーベンダジム(Carbendazim)、シアゾファミド(Cyazofamid)のようなイミダゾール系化合物;
フルアジナム(Fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
シモキサニル(Cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(Metalaxyl)、オキサジキシル(Oxadixyl)、オフレース(Ofurace)、ベナラキシル(Benalaxyl)、フララキシル(Furalaxyl)、シプロフラム(Cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物;
【0092】
ジクロフルアニド(Dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;
水酸化第二銅(Cupric hydroxide)、有機銅(Oxine Copper)のような銅系化合物;
ヒドロキシイソキサゾール(Hydroxyisoxazole)のようなイソキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(Fosetyl−Al)、トルクロホスメチル(Tolclofos−Methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチル S,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネートのような有機リン系化合物;
キャプタン(Captan)、キャプタホル(Captafol)、フォルペット(Folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物;
プロシミドン(Procymidone)、イプロジオン(Iprodione)、ビンクロゾリン(Vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
【0093】
フルトラニル(Flutolanil)、メプロニル(Mepronil)、ゾキサミド(Zoxamide)のようなベンズアニリド系化合物;
トリホリン(Triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(Pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(Fenarimol)、フルトリアフォル(Flutriafol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピジン(Fenpropidine)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(Fenpropimorph)のようなモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(Fentin Hydroxide)、フェンチンアセテート(Fentin Acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(Pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(Dimethomorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(Diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
【0094】
フルジオキソニル(Fludioxonil)、フェンピクロニル(Fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(Azoxystrobin)、クレソキシムメチル(Kresoxim−Methyl)、メトミノフェン(Metominofen)、トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(Picoxystrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(Famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(Ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
シルチオファム(Silthiopham)のようなシリルアミド系化合物;
イプロバリカルブ(Iprovalicarb)のようなアミノアシッドアミドカーバメート系化合物;
【0095】
フェナミドン(Fenamidone)のようなイミダゾリジン系化合物;
フェンヘキサミド(Fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(Flusulfamide)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
ピラクロストロビン(Pyraclostrobin)のようなストロビルリン系化合物;
アトラキノン系化合物;クロトン酸系化合物;抗生物質またその他の化合物として、イソプロチオラン(Isoprothiolane)、トリシクラゾール(Tricyclazole)、ピロキロン(Pyroquilon)、ジクロメジン(Diclomezine)、プロベナゾール(Probenazole)、キノキシフェン(Quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(Propamocarb Hydrochloride)、スピロキサミン(Spiroxamine)、クロロピクリン(Chloropicrin)、ダゾメット(Dazomet)、メタムナトリウム塩(Metam−sodium);などが挙げられる。
【0096】
その他、本発明化合物と混用或いは併用することが可能な農薬としては、例えは、Farm Chemicals Handbook(1998年版)に記載されているような除草剤の有効成分化合物、特に土壌処理型のものなどがある。
また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、動物寄生生物防除剤、特に動物内部寄生性生物の防除剤として又は寄生生物起因動物疾患の防除剤として有用であるが、例えば(1)カイセンダニ、メソスチグマチド、スカピー、ツツガムシ、フタトビチマダニ、オウシマダニなどのダニ類;ネコノミ、イヌノミ、ネズミノミ、ケオプトネズミノミ、ヒトノミなどのノミ類;ウシジラミ、ウマジラミ、ヒツジジラミ、ウシホソジラミ、アタマジラミなどのシラミ類;イヌハジラミなどのハジラミ類;ウシアブ、ウアイヌカカ、ツメトゲブユなどの吸血性双翅目害虫のように宿主動物の体外に寄生する寄生生物;(2)肺虫、ベンチュウ、結節状ウオーム、胃内寄生虫、回虫、糸状虫類などの線虫類;サナダムシ;吸虫;コクシジウム、マラリア原虫、腸内肉胞子虫、トキソプラズマ、クリプトスポリジウムなどの原生動物のように宿主動物の体内に寄生する寄生生物の防除に有効である。
【0097】
本発明化合物は、通常適当な担体と共に粉剤、粒剤、顆粒剤、錠剤、散剤、カプセル剤、液剤、乳剤などの剤形に製剤して使用される。適当な担体としては、飼料用薬剤等に利用されているもの、例えば乳糖、蔗糖、ブドウ糖、澱粉、麦粉、コーン粉、大豆油粕、脱脂米糠、炭酸カルシウム、その他市販の飼料原料等を挙げることができる。また、本発明化合物は、担体と共に各種ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、酵素製剤、解熱剤、鎮静剤、消炎剤、殺菌剤、着色剤、芳香剤、保存剤等と配合併用して使用することもできる。本発明化合物の投与濃度としては、防除対象寄生生物、投与方法、投与目的、疾病症状等によって異なるが、飼料中に配合して投与する場合であれば通常0.1ppm以上の濃度となるよう投与するのが適当である。
本発明化合物は、例えば特開平5−70350号公報や、特表平11−500439号公報に記載された試験方法に準じた試験により動物寄生生物、例えばノミ、コクシジウム、糸状虫に対する防除効果を示す。
【0098】
本発明化合物の望ましい態様は以下の通りである。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)複素環基がフリル、テトラヒドロフリル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピラニル、ピリジル、ピペリジニル、ジオキサニル、オキサジニル、モルホリニル、チアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル又はトリアジニルであり、縮合複素環基がベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロイソベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、クロモニル、クロマノニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジニル、イミダゾピリジル、ナフチリジニル、プテリジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリノニル、ジヒドロベンゾオキサジノニル又はベンゾチオキサニルである、前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体又はその塩。
【0099】
(2)Aがアミノ及びアルコキシで置換されたフェニルである、前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体又はその塩。
(3)AがXで置換されてもよい複素環基又はXで置換されてもよい縮合複素環基であり、複素環基又は縮合複素環基が、ピリジル、ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾチエニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロマニル、ジヒドロベンゾオキサジニル又はジヒドロベンゾオキサジノニルである、前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体又はその塩。
(4)Aがハロゲン、アルキル又はハロアルキルで置換されたピリジルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(5)Aが無置換のジヒドロベンゾフラニル或はハロゲン又はアルキルで置換されたジヒドロベンゾフラニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(6)Aが無置換のテトラヒドロベンゾチエニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
【0100】
(7)Aがハロゲン又はアルキルで置換されたベンゾジオキソラニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(8)Aが無置換のベンゾジオキサニル或はハロゲン又はアルキルで置換されたベンゾジオキサニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(9)Aが無置換のクロマニル或はアルキルで置換されたクロマニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(10)Aが無置換のジヒドロベンゾオキサジニル或はハロゲンで置換されたジヒドロベンゾオキサジニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(11)Aがハロゲン又はアルキルで置換されたジヒドロベンゾオキサジノニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
【0101】
【実施例】
次に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず本発明化合物の合成例を記載する。
合成例1 2,6−ジフルオロ−N−[2−[(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)カルボニル]−2−プロピル]ベンズアミド(後記化合物No.9)の合成 (1)ジメチルホルムアミド40mlに炭酸カリウム3.04g及びヨウ化ナトリウム0.60gを加え、更に2−tert−ブチル−5−メチルフェノール3.24gを室温で滴下した。室温で30分間攪拌した後、30〜40℃で30分間攪拌した。室温でブロモ酢酸エチル3.67gとジメチルホルムアミド5mlの混合液を加えた後、60〜70℃で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を氷水中に投入し、結晶化させた後濾取し、水洗した。結晶を酢酸エチルに溶解させ、硫酸ナトリウムで乾燥した。その後減圧濃縮して、(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシ酢酸エチルの粗生成物4.5gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.29(t,3H),1.42(s,9H),2.31(s,3H),4.25(q,2H),4.61(s,2H),6.66(s,1H),
6.73(d,1H),7.17(d,1H)
【0102】
(2)(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシ酢酸エチルの粗生成物4.5gをエタノール100mlに溶解させ、20%水酸化ナトリウム水溶液20gを加えて2時間加熱還流下で反応させた。反応終了後、エタノールを減圧留去した後水を30ml加え、塩酸で酸性化した。析出した結晶を濾取しヘキサンで洗浄した後、酢酸エチルに溶解させ、硫酸ナトリウムで乾燥した。その後減圧濃縮して、(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシ酢酸の粗生成物3.3gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.37(s,9H),2.29(s,3H),4.65(s,2H),6.55(s,1H),6.75(d,1H),7.18(d,1H)
【0103】
(3)トルエン20mlに(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシ酢酸の粗生成物1.5g、塩化チオニル2ml及び触媒量のジメチルホルムアミドを加え、1時間加熱還流下で反応させた。反応終了後、過剰の塩化チオニルとトルエンを留去し、得られた(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシアセチルクロリドにジクロロメタン30mlを加え、更に氷冷下で塩化アルミニウム0.90gを少量ずつ加えた後、室温で3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を20%塩酸と氷水の混合物に投入し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)で精製して、7−tert−ブチル−4−メチル−3−クマラノン0.90gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.38(s,9H),2.55(s,3H),4.58(s,2H),6.73(d,1H),7.34(d,1H)
【0104】
(4)7−tert−ブチル−4−メチル−3−クマラノン1.15g、ヒドラジン一水和物8ml、水酸化カリウム1.3g及びジエチレングリコール30mlの混合物を100℃で1時間反応させた後、低沸点物を留去しながら200℃まで加熱し、更に7時間反応させた。放冷後、反応混合物を水200mlに投入し希塩酸で中和した後酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=0/1〜1/19)で精製して、7−tert−ブチル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.37gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.32(s,9H),2.20(s,3H),3.06(t,2H),4.54(t,2H),6.60(d,1H),6.96(d,1H)
【0105】
(5)四塩化チタン0.44g及び二硫化炭素5mlの混合液に、氷冷下で塩化イソブチリル0.24gを滴下し、同温度で25分間攪拌した。更に氷冷下で7−tert−ブチル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.36g及び二硫化炭素3mlの混合物を滴下し、二硫化炭素3mlで容器を洗浄した後室温に戻して1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を20%塩酸と氷水の混合物に投入した後ジクロロメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、7−tert−ブチル−5−イソブチリル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.43gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.15(d,6H),1.33(s,9H),2.33(s,3H),3.12(t,2H),3.35−3.42(m,1H),
4.62(t,2H),7.41(s,1H)
【0106】
(6)塩化アルミニウム0.25g及びトルエン3mlの混合液に、氷冷下で7−tert−ブチル−5−イソブチリル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.12g及びトルエン5mlの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を20%塩酸と氷水の混合物に投入した後ジクロロメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、5−イソブチリル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.065gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.13(d,6H),2.36(s,3H),3.15(t,2H),3.32−3.42(m,1H),4.62(t,2H),
6.62(d,1H),7.48(d,1H)
【0107】
(7)5−イソブチリル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.13g及びテトラヒドロフラン10mlの混合物に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド0.25gを加え、室温で45分間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解した後食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮して粗製の5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−ブロモ−2−プロピル ケトン0.21gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.00(s,6H),2.19(s,3H),3.14(t,2H),4.60(t,2H),6.59(d,1H),7.63(d,1H)
【0108】
(8)5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−ブロモ−2−プロピル ケトン0.21g及びジメチルスルホキシド10mlの混合物に、アジ化ナトリウム0.10gを加え、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中に投入し、ジエチルエーテルで抽出した後水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−アジド−2−プロピル ケトン0.13gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.55(s,6H),2.22(s,3H),3.14(t,2H),4.61(t,2H),6.62(d,1H),7.49(d,1H)
【0109】
(9)5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−アジド−2−プロピル ケトン0.13g、メタノール10ml及び5%パラジウム炭素30mgの混合物を、水素雰囲気下室温で30分間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して得た油状の5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−アミノ−2−プロピル ケトン及びテトラヒドロフラン10mlの混合物に、トリエチルアミン0.05gを加えた。そこへ2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド0.09g及びテトラヒドロフラン3mlの混合液を氷冷下で滴下し、滴下終了後、室温で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入し酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)要挿入 で精製して、融点133〜135℃の目的物0.13gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.78(s,6H),2.26(s,3H),3.14(t,2H),4.59(t,2H),6.56(d,1H),
6.85−6.91(m,3H),7.27〜7.38(m,2H)
【0110】
合成例2 N−[2−[(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)カルボニル]−2−プロピル]−2−トリフルオロメチルベンズアミド(後記化合物No.27)の合成
(1)ジイソプロピルアミン8.77g及びテトラヒドロフラン150mlの混合物に窒素雰囲気下、−20℃にてn−ブチルリチウム(1.56M n−ヘキサン溶液)52.7mlを滴下した後、同温度で30分間攪拌した。−50℃以下で5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソラン15.0g を滴下した後、同温度で30分間攪拌した。−70℃以下でヨウ化メチル19.7mlを滴下した後、室温まで昇温し15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入し塩酸にて弱酸性としてジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: n−ヘキサン)で精製して、油状の5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン12.54gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.34(s,3H),6.79(d,1H),7.27(d,1H)
【0111】
(2)5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン12.54g及びジエチルエーテル150mlの混合物に窒素雰囲気下、−50℃にてn−ブチルリチウム(1.56M n−ヘキサン溶液)35.2mlを滴下した後、同温度で30分間攪拌した。−70℃以下でイソブチルアルデヒド5.4gを滴下した後、室温まで昇温し15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入し塩酸にて弱酸性としてジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)で精製して、油状の1−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−2−メチルプロパノール10.65gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
0.84(d,3H),1.02(d,3H),1.94(m,1H),2.29(s,3H),4.57(m,1H),6.90(d,1H),
7.14(d,1H)
【0112】
(3)クロロクロム酸ピリジニウム11.7g、酢酸ナトリウム5.94g及びジクロロメタン100mlの混合物に、室温にて1−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−2−メチルプロパノール10.65g及びジクロロメタン35mlの混合物を加え、同温度で攪拌下に2時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル) 2−プロピル ケトン8.64gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.16(d,6H),2.40(s,3H),3.35(m,1H),6.94(d,1H),7.39(d,1H)
【0113】
(4)5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル) 2−プロピル ケトン8.64g及びテトラヒドロフラン86mlの混合物にフェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド13.41gを加え、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の2−ブロモ−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン11.4gを得た。
2−ブロモ−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン11.4g及びジメチルスルホキシド69.6mlの混合物にアジ化ナトリウム4.64gを加え、50℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中に投入し、ジエチルエーテルで抽出した後水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の2−アジド−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン9.6gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.57(s,6H),2.27(s,3H),6.94(d,1H),7.38(d,1H)
【0114】
(5)2−アジド−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン9.6g、メタノール90ml及び5%パラジウム炭素1.0gの混合物を水素雰囲気下室温で15時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の2−アミノ−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン8.78gを得た。
2−アミノ−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン0.39g及びテトラヒドロフラン14mlの混合物にトリエチルアミン0.23gを加え、そこへ2−トリフルオロメチルベンゾイルクロライド0.38gを氷冷下で滴下し、滴下終了後、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7)で精製して、融点106〜108℃の目的物0.55gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.72(s,6H),2.36(s,3H),6.46(s,1H),6.89(d,1H),7.17(dd,1H),7.34(d,1H), 7.52〜7.56(m,1H),7.66(dd,1H)
【0115】
合成例3 2,6−ジフルオロ−N−[2−[(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン−6−イル)カルボニル]−2−プロピル]ベンズアミド(後記化合物No.37)の合成
(1)3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン 9.40gに、5℃以下で濃硫酸16.26g及び硝酸(d1.4)10.76g の混合物を滴下した後、10℃で1時間、更に20℃で1時間攪拌下に反応させた。反応終了後、反応混合物を氷中に投入しジクロロメタンで抽出した。有機層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の3,3−ジフルオロ−5−メチル−6−ニトロ−1,4−ベンゾジオキサン1.30gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.49(s,3H),4.34(t,2H),6.99(d,1H),7.68(d,1H)
【0116】
(2)3,3−ジフルオロ−5−メチル−6−ニトロ−1,4−ベンゾジオキサン1.30g、メタノール13ml及び5%パラジウム炭素0.33gの混合物を水素雰囲気下室温で15時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の6−アミノ−3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン1.1gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.06(s,3H),3.49(s,2H),4.22(t,2H),6.34(d,1H),6.71(d,1H)
【0117】
(3)6−アミノ−3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン1.1g、臭化第一銅0.97g及びアセトニトリル10mlの混合物に、65℃にて亜硝酸tert−ブチル0.87gを滴下した後、30分間還流下で反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入しジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: n−ヘキサン)で精製して、油状の6−ブロモ−3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン0.81gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.32(s,3H), 4.26(t,2H),6.78(d,1H),7.18(d,1H)
【0118】
(4)6−ブロモ−3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン0.81g及びジエチルエーテル10mlの混合物に窒素雰囲気下、−50℃にてn−ブチルリチウム(1.56M n−ヘキサン溶液)2.55mlを滴下した後、同温度で30分間攪拌した。−70℃以下でイソブチルアルデヒド0.33gを滴下した後、室温まで昇温し15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入し塩酸にて弱酸性としジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)で精製して、油状の1−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン−6−イル)−2−メチルプロパノール0.40gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
0.84(d,3H),1.01(d,3H),1.94(m,1H),2.23(s,3H),4.25(t,2H),4.61(d,1H), 6.900(d,1H),7.09(d,1H)
【0119】
(5)クロロクロム酸ピリジニウム0.50g、酢酸ナトリウム0.25g及びジクロロメタン5mlの混合物に室温で1−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン−6−イル)−2−メチルプロパノール0.40g及びジクロロメタン2mlの混合物を加え、同温度で攪拌下に2時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル) 2−プロピル ケトン0.38gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.15(d,6H),2.30(s,3H),3.27(m,1H),4.29(t,2H),6.91(d,1H),7.17(d,1H)
【0120】
(6)6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル) 2−プロピル ケトン0.38g及びテトラヒドロフラン6mlの混合物にフェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド0.58gを加え、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の2−ブロモ−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.50gを得た。
2−ブロモ−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.50g及びジメチルスルホキシド3.1mlの混合物にアジ化ナトリウム0.20gを加え、50℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中に投入し、ジエチルエーテルで抽出した後水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の2−アジド−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.40gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.55(s,6H),2.18(s,3H),4.29(t,2H),6.92(d,1H),7.10(d,1H)
【0121】
(7)2−アジド−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.40g、メタノール5ml及び5%パラジウム炭素30mgの混合物を水素雰囲気下室温で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の2−アミノ−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.31gを得た。
2−アミノ−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.31g及びテトラヒドロフラン7mlの混合物にトリエチルアミン0.17gを加え、そこへ2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド0.20gを氷冷下で滴下し、滴下終了後、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7)で精製して、融点118〜120℃の目的物0.35gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.77(s,6H),2.25(s,3H),4.28(t,2H),6.76(s,1H),6.86(d,1H),6.92(t,2H), 7.16(d,1H),7.30〜7.38(m,1H)
【0122】
次に、前記式(I)で表される本発明化合物中で望ましい化合物を第1表に具体的に挙げ、本発明における最も望ましい態様を明確にする。これら化合物は前記合成例或は前記した本発明化合物の種々の製造方法に基づいて合成することができる。
表中、No.は化合物No.を示し、Meはメチル基、t−Buはtert−ブチル基、Phはフェニル基を各々示す。また、Ph(2−F)は、2位にフッ素原子が置換したフェニル基を示し、他の同様の記載もこれに準じる。
また、表中で用いている略号A1〜A14は、各々以下の置換基を示す。
【0123】
【化17】
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
次に試験例を記載する。
試験例1 サツマイモネコブセンチュウに対する効果試験(土壌混和処理)
サツマイモネコブセンチュウ汚染土壌300mlに、本発明化合物の濃度が1600ppmとなるよう調製した薬液7mlを潅注した後、薬剤が均一に分散するように混和する。処理土壌をポット(直径9cm、高さ8cm)に詰めた後、2葉期のトマト苗を移植し、温室内に置く。トマト移植3〜4週間後、根部に形成された根こぶの着生程度を以下の根こぶ指数に従って判定すると、本発明化合物は根こぶ指数1以下の高い防除効果を示す。例えば、前記化合物No.6、8、9、18、22、25〜27、31、37及び42は根こぶ指数が1以下であった。
【0127】
【表3】
【0128】
試験例2 キタネグサレセンチュウに対する効果試験(土壌混和処理)
キタネグサレセンチュウ汚染土壌300mlに、本発明化合物の濃度が1600ppmとなるよう調製した薬液7mlを潅注した後、薬剤が均一に分散するように混和する。処理土壌をポット(直径9cm、高さ8cm)に詰めた後、10粒のごぼう種子を播種し、温室内に置く。ごぼう種子の播種から約2ヶ月後に、根部の被害程度を以下の被害指数に従って判定すると、本発明化合物は被害指数1以下の高い防除効果を示す。例えば、前記化合物No.6、9、18、23〜27及び37は被害指数が1以下であった。
【0129】
【表4】
【0130】
試験例3 キタネグサレセンチュウに対する効果試験(薬液浸漬処理)
ガラス製試験管(IWAKI製のDISPOSABLE CULTURE TUBES:内径10mm、長さ75mm)に、本発明化合物の濃度が40ppmとなるよう調製した薬液1mlを入れる。そこへ、約100頭のキタネグサレセンチュウを含む水1mlを加え軽く攪拌し、得られた検液中の本発明化合物の最終濃度を20ppmとする。その後試験管の上部をパラフィルム(American National Can製)で塞いで密閉し、25℃下で放置する。
2日後、上記検液をスライドガラス(MATSUNAMI製のMICRO SLIDE GLASS:プランクトン格子線枠付)に移し、顕微鏡で不活動虫数(10秒以上動かないものを含める)及び活動虫数を調べる。下記の式により運動阻害率(%)を求めると、本発明化合物は運動阻害率70%以上の高い効果を示す。例えば、前記化合物No.27及び37の運動阻害率は、70%以上であった。
運動阻害率(%)=不活動虫数÷(活動虫数+不活動虫数)×100
【0131】
試験例4 コクシジウムに対する効果試験
アイメリアテネラ野外株を鶏雛で感染増殖させて新鮮未成熟オーシストを得、これに本発明化合物の所定濃度の溶液を10又は30分感作させ、感作した未成熟オーシストを遠心し、上清を取り除き2%重クロム酸カリウム水溶液を加え25℃で4日間スポルレーションすることにより良好なオーシスト防除効果が確認される。試験例5 イヌ糸状虫に対する効果試験
イヌ糸状虫(Dirofilaria immitis)を皮下感染させたイヌに、本発明化合物を経口投与する。感染から200日後の検死時に、処理動物の肺や心臓へのイヌ糸状虫寄生成虫数を調査することにより、良好なイヌ糸状虫防除効果が確認される。
【0132】
次に製剤例を記載する。
製剤例1
(1)本発明化合物 20重量部
(2)クレー 72重量部
(3)リグニンスルホン酸ソーダ 8重量部
以上のものを均一に混合して水和剤とする。
製剤例2
(1)本発明化合物 5重量部
(2)タルク 95重量部
以上のものを均一に混合して粉剤とする。
【0133】
製剤例3
(1)本発明化合物 20重量部
(2)N,N′−ジメチルアセトアミド 20重量部
(3)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 10重量部
(4)キシレン 50重量部
以上のものを均一に混合、溶解して乳剤とする。
製剤例4
(1)クレー 68重量部
(2)リグニンスルホン酸ソーダ 2重量部
(3)ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート 5重量部
(4)微粉シリカ 25重量部
以上の各成分の混合物と、本発明化合物とを4:1の重量割合で混合し、水和剤とする。
【0134】
製剤例5
(1)本発明化合物 50重量部
(2)オキシレーテッドポリアルキルフェニルフォスフェート−トリエタノールアミン 2重量部
(3)シリコーン 0.2重量部
(4)水 47.8重量部
以上のものを均一に混合、粉砕した原液に更に
(5)ポリカルボン酸ナトリウム 5重量部
(6)無水硫酸ナトリウム 42.8重量部
を加え均一に混合、造粒、乾燥して顆粒水和剤とする。
製剤例6
(1)本発明化合物 5重量部
(2)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 1重量部
(3)ポリオキシエチレンの燐酸エステル 0.1重量部
(4)粒状炭酸カルシウム 93.9重量部
(1)〜(3)を予め均一に混合し、適量のアセトンで希釈した後、(4)に吹付け、アセトンを除去して粒剤とする。
製剤例7
(1)本発明化合物 2.5重量部
(2)N−メチル−2−ピロリドン 2.5重量部
(3)大豆油 95.0重量部
以上のものを均一に混合、溶解して微量散布剤(ultra low volume formulation)とする。
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害生物防除剤の有効成分として有用な新規ベンズアミド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
WO2001/60783には、フェナシルアミン誘導体、その製造方法及びそれらを含有する有害生物防除剤が開示されているが、後記式(I)で表されるベンズアミド誘導体に係る記載は見られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
長年にわたり、多数の有害生物防除剤が使用されているが、効力が不十分、有害生物が抵抗性を獲得しその使用が制限される、人畜魚類などに対して毒性が強い、残留性により生態系を乱す等、種々の課題を有するものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全性の高い新規な有害生物防除剤の開発が望まれている。
また、動物寄生性生物は、家畜、ペット等の体表、胃、腸管、肺、心臓、肝臓、血管、皮下、リンパ組織などに寄生し、貧血、栄養失調、衰弱、体重減少や、腸管壁、各種器官、その他組織の障害など、種々の動物疾患を引き起こす為、その防除が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、より優れた有害生物防除剤を見出すべくベンズアミド誘導体につき種々検討した。その結果、新規なベンズアミド誘導体及びその塩が、低薬量で有害生物に対して極めて高い防除効果を有し、且つ哺乳動物、魚類などに対してほとんど悪影響を及ぼさないことを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、式(I);
【0005】
【化5】
【0006】
[式中、Aは少なくともアミノで置換されたフェニル、Xで置換されてもよい複素環基、Xで置換されてもよい縮合複素環基又はインダニル(インダニルは、ハロゲン、アルキル又はアルコキシで置換されてもよい)であり、BはYで置換されてもよいフェニルであり、X及びYは各々ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり、R1及びR2は各々アルキルであり、但し、N−[1−メチル−1−(2’−メチルイソニコチノイル)エチル]ベンズアミドを除く]で表されるベンズアミド誘導体又はその塩、それらの製造方法並びにそれらを含有する有害生物防除剤に関する。
【0007】
A中の、少なくともアミノで置換されたフェニルは、アミノ以外にハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ及びハロアルコキシよりなる群から選ばれる少なくとも1種によって更に置換されてもよく、その中でもアルコキシにより更に置換されることが望ましい。
【0008】
A中のXで置換されてもよい複素環基又はXで置換されてもよい縮合複素環基の置換基Xの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、これら置換基は同一でも相異なってもよく、B中のYで置換されてもよいフェニルの置換基Yの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、これら置換基は同一でも相異なってもよい。A中のインダニルの置換基であるハロゲン、アルキル又はアルコキシの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、これら置換基は同一でも相異なってもよい。
【0009】
A又はB中の複素環基としてはO、S及びNからなる群より選ばれた少なくとも1種の原子を1〜4含有する5若しくは6員複素環基、例えばフリル、テトラヒドロフリル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピラニル、ピリジル、ピペリジニル、ジオキサニル、オキサジニル、モルホリニル、チアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、トリアジニルなどが挙げられ、中でもピリジルが望ましい。
【0010】
A又はB中の縮合複素環基としてはO、S及びNからなる群より選ばれた少なくとも1種の原子を1〜4含有する8〜10員縮合複素環基、例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロイソベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、クロモニル、クロマノニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジニル、イミダゾピリジル、ナフチリジニル、プテリジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリノニル、ジヒドロベンゾオキサジノニル、ベンゾチオキサニルなどが挙げられ、中でもジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾチエニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロマニル、ジヒドロベンゾオキサジニル又はジヒドロベンゾオキサジノニルが望ましい。
【0011】
X、Y、R1又はR2中のアルキル又はアルキル部分、A中のインダニルの置換基としてのアルキル又はアルキル部分としては、各々炭素数1〜6の直鎖又は分枝状のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0012】
X又はY中のハロゲン又は置換基としてのハロゲン、A中のインダニルの置換基としてのハロゲンとしては、弗素、塩素、臭素又は沃素の各原子が挙げられる。置換基としてのハロゲンの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、各ハロゲンは同一でも相異なってもよい。また、ハロゲンの置換位置はいずれの位置でもよい。
【0013】
前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体の塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれるが、例えばナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩のようなアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
【0014】
前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体には、各種異性体、例えば光学異性体や互変異性体が存在するが、本発明には各異性体及び異性体混合物の双方が含まれる。尚、本発明には、当該技術分野における技術常識の範囲内において、前記したもの以外の各種異性体も含まれる。
前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体又はその塩(以下本発明化合物と略す)は、以下の反応〔A〕と、通常の塩の製造方法に従って製造できる。
【0015】
【化6】
【0016】
反応〔A〕中、A、B、R1及びR2は前述の通りであり、Zはヒドロキシ、アルコキシ又はハロゲンであり、ハロゲンとしては弗素、塩素、臭素又は沃素の各原子が挙げられる。
【0017】
反応〔A〕は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンのようなアミン類;ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンのようなピリジン類などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(II)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜2倍モル使用する。
【0018】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0019】
反応〔A〕は、必要に応じて脱水縮合剤の存在下で行う。該脱水縮合剤としてはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、クロロスルホニルイソシアネート、N,N’−カルボニルジイミダゾール、トリフルオロ酢酸無水物などが挙げられる。
反応〔A〕の反応温度は、通常0〜100℃、望ましくは0〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜48時間、望ましくは1〜24時間である。
【0020】
前記反応〔A〕で使用される式(II)の化合物は新規であり、以下の反応〔B〕〜〔D〕に従って製造できる。
【0021】
【化7】
【0022】
反応〔B〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。反応〔B〕においては、反応の後処理或は通常の塩形成反応に準じて化合物(II)の塩を製造できる。
反応〔B〕は、通常酸化剤及び溶媒の存在下で行う。
酸化剤としては、例えばフェリシアン化カリウムなどが挙げられる。酸化剤は、式(IV)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。
【0023】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔B〕の反応温度は、通常20〜150℃、望ましくは50〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜30時間、望ましくは1〜20時間である。
【0024】
【化8】
【0025】
反応〔C〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。反応〔C〕においては、反応の後処理或は通常の塩形成反応に準じて化合物(II)の塩を製造できる。
反応〔C〕の環化反応は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(V)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
【0026】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔C〕の環化反応の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは30〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜12時間である。
【0027】
反応〔C〕の加水分解反応は、一般的な加水分解反応に準じて行えばよく、通常酸又は塩基及び溶媒の存在下で行う。
酸としては、例えば塩化水素、硫酸などが挙げられる。塩基としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物などが挙げられる。
【0028】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔C〕の加水分解反応の反応温度は通常0〜100℃、望ましくは20〜80℃であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.1〜1時間である。
【0029】
【化9】
【0030】
反応〔D〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。反応〔D〕においては、反応の後処理或は通常の塩形成反応に準じて化合物(II)の塩を製造できる。
反応〔D〕の還元反応としては、例えば接触還元、金属水素化物(水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウムなど)による還元、トリフェニルホスフィンやスルフィドによる還元などが挙げられる。接触還元は、通常、触媒の存在下で水素、ギ酸、ギ酸アンモニウム、アルコール、シクロヘキサン、トリエチルアンモニウムホルメート、塩化アンモニウムなどと反応させることにより行う。前記触媒としては、例えば白金、酸化白金、白金黒、ラネーニッケル、パラジウム、パラジウム−カーボン、ロジウム、ロジウム−アルミナ、鉄、銅などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0031】
反応〔D〕は、通常溶媒の存在下で行う。該溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔D〕の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは0〜80℃であり、反応時間は、通常0.5〜96時間、望ましくは0.5〜48時間である。
【0032】
前記反応〔C〕で使用される式(V)の化合物は新規であり、以下の反応〔E〕に従って製造できる。
【0033】
【化10】
【0034】
反応〔E〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。
反応〔E〕は、必要に応じて溶媒の存在下で行う。該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0035】
反応〔E〕のヨウ化メチルは、式(VII)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。また、ヨウ化メチルは過剰に用いれば溶媒を兼ねることができる。
反応〔E〕の反応温度は、通常0〜100℃、望ましくは10〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜48時間、望ましくは1〜24時間である。
【0036】
前記反応〔D〕で使用される式(VI)の化合物は新規であり、以下の反応〔F〕に従って製造できる。
【0037】
【化11】
【0038】
反応〔F〕中、A、R1及びR2は前述の通りであり、Uは塩素又は臭素の各原子である。
反応〔F〕は、アジド化剤の存在下で行う。該アジド化剤としては、例えばアジ化ナトリウム、アジ化カリウム、トリメチルシリルアジドなどから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0039】
反応〔F〕は、通常溶媒の存在下で行う。該溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔F〕の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは20〜90℃であり、反応時間は、通常0.1〜96時間、望ましくは0.5〜12時間である。
【0040】
前記反応〔E〕で使用される式(VII)の化合物は新規であり、以下の反応〔G〕に従って製造できる。
【0041】
【化12】
【0042】
反応〔G〕中、A、R1及びR2は前述の通りである。
反応〔G〕は一般的なヒドラゾン合成反応に準じて行えばよく、必要に応じて脱水剤及び/又は触媒の存在下で行う。
脱水剤としては、例えばモレキュラーシーブなどが挙げられる。脱水剤は、式(IV)の化合物の重量に対し通常は1〜30倍、望ましくは5〜10倍使用する。
触媒としては、例えば四塩化チタンなどが挙げられる。
【0043】
反応〔G〕のジメチルヒドラジンは、式(IV)の化合物に対し通常は1〜30倍モル、望ましくは5〜10倍モル使用する。
反応〔G〕の反応温度は、通常20〜150℃、望ましくは50〜120℃であり、反応時間は、通常5〜200時間、望ましくは24〜120時間である。
【0044】
前記反応〔F〕で使用される式(VIII)の化合物は新規であり、以下の反応〔H〕に従って製造できる。
【0045】
【化13】
【0046】
反応〔H〕中、A、R1、R2及びUは前述の通りである。
反応〔H〕は、塩素化剤又は臭素化剤の存在下で行う。該塩素化剤としては、例えば塩素、N−クロロコハク酸イミドなどから1種又は2種以上を適宜選択し、臭素化剤としては、例えば臭素、N−ブロモコハク酸イミド、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミドなどから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0047】
反応〔H〕は、通常溶媒の存在下で行う。該溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;酢酸、プロピオン酸のような有機酸;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔H〕は、必要に応じて塩基又は酸の存在下で行う。
塩基は、例えばリチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられる。塩基は、式(IV)の化合物に対し1〜2倍モル、望ましくは1〜1.2倍モル使用する。
【0048】
酸は、例えば酢酸、プロピオン酸のような有機酸;塩化アルミニウムなどから1種又は2種以上を適宜選択する。酸は、通常触媒量使用する。また、溶媒としての有機酸を過剰に用いることにより溶媒と酸を兼ねることができる。
反応〔H〕の反応温度は、通常−100〜150℃、望ましくは−78〜110℃であり、反応時間は、通常0.1〜48時間、望ましくは0.5〜24時間であるが、塩基の存在下で行う場合、反応温度は、通常−100〜0℃、望ましくは−78〜−20℃であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.5〜6時間であり、酸の存在下で行う場合、反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは20〜110℃であり、反応時間は、通常0.1〜48時間、望ましくは1〜24時間である。
【0049】
前記反応〔B〕、〔G〕又は〔H〕で使用される式(IV)の化合物は公知化合物であるか、或は以下の反応〔I〕〜〔K〕又はこれらに準じた方法に従って製造できる。
【0050】
【化14】
【0051】
反応〔I〕中、R1及びR2は前述の通りであり、Tは酸素原子又は−C(G1)G2−であり、Xaは水素原子、塩素原子又はアルキルであり、Xa’は塩素原子又はアルキルであり、Xb、Xc、Xd、Xe、G1及びG2は各々水素原子、弗素原子又は塩素原子であり、Vは臭素原子又は沃素原子であり、jは0又は1である。
【0052】
反応〔I〕の第1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、リチウムジイソプロピルアミドのような有機リチウム化合物などから適宜選択する。塩基は、式(IX)の化合物に対し1〜2倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0053】
反応〔I〕の第1工程で用いる塩素化剤としては、例えばN−クロロコハク酸イミドなどが挙げられる。
反応〔I〕の第1工程で用いる式:Xa’−Iは、式(IX)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。また、反応〔I〕の第1工程で用いる塩素化剤は、式(IX)の化合物に対し1〜5倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。
【0054】
反応〔I〕の第1工程は、必要に応じ不活性ガスの存在下で行う。該不活性ガスは、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどから適宜選択する。
反応〔I〕の第1工程の反応温度は、通常−100〜50℃、望ましくは−70〜25℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、望ましくは1〜20時間である。
【0055】
反応〔I〕の第2工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、メチルリチウム、n−ブチルリチウムのような有機リチウム化合物などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(IX)又は(X)の化合物に対し1〜2倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0056】
反応〔I〕の第2工程で用いる式(XI)の化合物は、式(IX)又は(X)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
反応〔I〕の第2工程は、必要に応じ不活性ガスの存在下で行う。該不活性ガスは、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどから適宜選択する。
反応〔I〕の第2工程の反応温度は、通常−100〜50℃、望ましくは−70〜25℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、望ましくは1〜20時間である。
【0057】
【化15】
【0058】
反応〔J〕中、R1、R2、T、Xa、Xa’、Xb、Xc、Xd、Xe、V及びjは前述の通りである。
反応〔J〕の第1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
【0059】
塩基は、メチルリチウム、n−ブチルリチウムのような有機リチウム化合物などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(IX)又は(X)の化合物に対し1〜2倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0060】
反応〔J〕の第1工程で用いる式(XII)は、式(IX)又は(X)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
反応〔J〕の第1工程は、必要に応じ不活性ガスの存在下で行う。該不活性ガスは、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどから適宜選択する。
反応〔J〕の第1工程の反応温度は、通常−100〜50℃、望ましくは−70〜25℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、望ましくは1〜20時間である。
【0061】
反応〔J〕の第2工程は、通常酸化剤及び溶媒の存在下で行う。
酸化剤は、クロロクロム酸ピリジニウム、二酸化マンガンなどから1種又は2種以上を適宜選択する。酸化剤は、式(XIII)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。
【0062】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔J〕の第2工程の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは20〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜12時間である。
【0063】
【化16】
【0064】
反応〔K〕中、R1及びR2は前述の通りであり、Xfは水素原子、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり、Xgは水素原子又はアルキルであり、Halはハロゲンであり、R27はアルキルであり、kは0又は1である。
【0065】
反応〔K〕の第1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物などから1種又は2種以上を適宜選択する。塩基は、式(XIV)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
【0066】
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0067】
反応〔K〕の第1工程中、式(XV)の化合物は、式(XIV)の化合物に対し1〜5倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
反応〔K〕の第1工程は、必要に応じヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムのような反応促進剤の存在下で行う。
反応〔K〕の第1工程の反応温度は、通常0〜130℃、望ましくは60〜100℃であり、反応時間は、通常0.3〜72時間、望ましくは0.5〜24時間である。
【0068】
反応〔K〕の第2工程は、通常アルカリ性物質及び溶媒の存在下で行う。
アルカリ性物質は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物などから適宜選択する。アルカリ性物質は、式(XVI)の化合物に対し1〜100倍モル、望ましくは1〜10倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;水などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0069】
反応〔K〕の第2工程の反応温度は、通常0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は、通常0.1〜24時間、望ましくは0.5〜2時間である。
また反応〔K〕の第2工程は、塩酸、硫酸のような鉱酸及び酢酸、ギ酸のような溶媒の存在下で行うこともできる。鉱酸は、式(XVI)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。
【0070】
反応〔K〕の第3工程は、通常塩素化剤の存在下で行う。
塩素化剤は、例えば塩化チオニル、オキサリルクロリド、五塩化リン、オキシ塩化リンなどから1種又は2種以上を適宜選択する。塩素化剤は、式(XVII)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。
反応〔K〕の第3工程は、必要に応じて溶媒の存在下で行う。該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類などから1種又は2種以上を適宜選択する。
【0071】
また反応〔K〕の第3工程は、必要に応じてジメチルホルムアミドのような触媒の存在下で行う。
反応〔K〕の第3工程の反応温度は、通常0℃〜塩素化剤又は溶媒の沸点であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.5〜2時間である。
【0072】
反応〔K〕の第4工程は、ルイス酸及び溶媒の存在下で行う。
ルイス酸は、塩化アルミニウム、塩化鉄、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、塩化亜鉛などから1種又は2種以上を適宜選択する。ルイス酸は、式(XVIII)の化合物に対し1〜3倍モル、望ましくは1〜2倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、二硫化炭素などから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔K〕の第4工程の反応温度は、通常−20〜50℃、望ましくは−10〜30℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜5時間である。
【0073】
反応〔K〕の第5−1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物などから適宜選択する。塩基は、式(XIX)の化合物に対し1〜20倍モル、望ましくは3〜6倍モル使用する。
溶媒は、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコールのような高沸点グリコール類などから適宜選択する。
【0074】
反応〔K〕の第5−1工程中、ヒドラジンは、式(XIX)の化合物に対し1〜100倍モル、望ましくは2〜50倍モル使用する。
反応〔K〕の第5−1工程の反応温度は、通常30〜120℃、望ましくは60〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜12時間、望ましくは1〜3時間である。
【0075】
反応〔K〕の第5−2工程は、第5−1工程に引き続き、通常160〜230℃、望ましくは180〜200℃で、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜10時間反応させる。尚、式(XX)を製造する為の別法としては、式(XIX)の化合物をクレメンゼン還元する方法や、トリエチルシランを用いて還元する方法などが挙げられる。
【0076】
反応〔K〕の第6工程は、前記反応〔K〕の第4工程に準じて行う。尚、式(XXI)の化合物は、式(XX)の化合物に対し1〜5倍モル、望ましくは1〜2倍モル使用する。
【0077】
反応〔K〕の第7工程は、通常トルエン又はキシレンと、ルイス酸との存在下で行う。
ルイス酸は、塩化アルミニウム、塩化鉄、四塩化チタンなどから1種又は2種以上を適宜選択する。ルイス酸は、式(XXII)の化合物に対し1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。
反応〔K〕の第7工程は、必要に応じ溶媒の存在下で行う。該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばニトロメタン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどから1種又は2種以上を適宜選択する。
反応〔K〕の第7工程の反応温度は、通常0〜70℃であり、望ましくは0〜25℃であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.5〜3時間である。
【0078】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の望ましい態様について以下に記述する。
本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、特に、殺虫、殺ダニ、殺線虫、殺土壌害虫剤として有用であるが、例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、チャノホコリダニ、ミカンサビダニ、ネダニなどのような植物寄生性ダニ類;モモアカアブラムシ、ワタアブラムシのようなアブラムシ類、コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、コドリンガ、ボールワーム、タバコバッドワーム、マイマイガ、コブノメイガ、チャノコカクモンハマキ、コロラドハムシ、ウリハムシ、ボールウィービル、ウンカ類、ヨコバイ類、カイガラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、バッタ類、ハナバエ類、コガネムシ類、タマナヤガ、カブラヤガ、アリ類などのような農業害虫類;ネコブセンチュウ類、シストセンチュウ類、ネグサレセンチュウ類、イネシンガレセンチュウ、イチゴメセンチュウ、マツノザイセンチュウなどのような植物寄生性線虫類;ナメクジ、マイマイなどのような腹足類;ダンゴムシ、ワラジムシのような等脚類などのような土壌害虫類;イエダニ、ゴキブリ類、イエバエ、アカイエカなどのような衛生害虫類;バクガ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ類などのような貯穀害虫類;イガ、ヒメカツオブシムシ、シロアリ類などのような衣類、家屋害虫類;ケナガコナダニ、コナヒョウダニ、ミナミツメダニのような屋内塵性ダニ類などの防除に有効である。なかでも、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、農業害虫類、植物寄生性線虫類などの防除に特に有効である。また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤などの薬剤に対する各種抵抗性害虫の防除にも有効である。更に本発明化合物は、優れた浸透移行性を有していることから、本発明化合物を含有する有害生物防除剤を土壌に処理することによって土壌有害昆虫類、ダニ類、線虫類、腹脚類、等脚類の防除と同時に茎葉部の害虫類をも防除することができる。
【0079】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の別の望ましい態様としては、前記した植物寄生性ダニ類、農業害虫類、植物寄生性線虫類、腹足類、土壌害虫類などを総合的に防除する農園芸用の有害生物防除剤が挙げられる。
【0080】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、通常該化合物と各種農業上の補助剤とを混合して粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤、エアゾール剤、微量散布剤などの種々の形態に製剤して使用されるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。製剤に使用する補助剤としては、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、カオリナイト及びセリサイトの混合物、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉などの固型担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコールなどの溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩のような陰イオン系の界面活性剤や展着剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤や展着剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィンなどの植物油や鉱物油などが挙げられる。これら補助剤は本発明の目的から逸脱しないかぎり、当該分野で知られたものの中から選んで用いることができる。また、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤など通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明化合物と各種補助剤との配合割合は0.001:99.999〜95:5、望ましくは0.005:99.995〜90:10である。これらの製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、または水等の希釈剤で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤を添加して使用することができる。
【0081】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の施用は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用場所、病害虫の種類や発生状況などの相違により一概に規定できないが、一般に0.05〜800000ppm、望ましくは0.5〜500000ppmの有効成分濃度で行ない、その単位面積あたりの施用量は、1ヘクタール当り本発明化合物が0.05〜50000g、望ましくは1〜30000gである。また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤の別の望ましい態様である農園芸用の有害生物防除剤の施用は、前記有害生物防除剤の施用に準じて行われる。本発明には、このような施用方法による有害生物の防除方法、特に農業害虫類、植物寄生性線虫類の防除方法も含まれる。
【0082】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の種々の製剤、またはその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法すなわち、散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒、水面施用等)、土壌施用(混入、灌注等)、表面施用(塗布、粉衣、被覆等)、浸漬毒餌等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生及び生育を阻害することも可能である。またいわゆる超高濃度少量散布法(ultra low volume)により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100%含有することが可能である。
【0083】
また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、他の農薬、肥料、薬害軽減剤などと混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。他の農薬としては、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、殺菌剤、抗ウィルス剤、誘引剤、抗生物質、植物ホルモン、植物成長調整剤などが挙げられる。特に、本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物の1種又は2種以上とを混用或は併用した混合有害生物防除組成物は、適用範囲、薬剤処理の時期、防除活性等を好ましい方向へ改良することが可能である。尚、本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物は各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤して使用してもよい。本発明には、このような混合有害生物防除組成物も含まれる。
【0084】
本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物との混合比は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用場所、病害虫の種類や発生状況などの相違により一概に規定できないが、一般に1:300〜300:1、望ましくは1:100〜100:1である。また、施用適量は1ヘクタール当りの総有効成分化合物量として0.1〜50000g、望ましくは1〜30000gである。本発明には、このような混合有害生物防除組成物の施用方法による有害生物の防除方法も含まれる。
【0085】
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或いは殺土壌害虫剤、すなわち害虫防除剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えばプロフェノホス(Profenofos)、ジクロルボス(Dichlorvos)、フェナミホス(Fenamiphos)、フェニトロチオン(Fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(Diazinon)、クロルピリホスメチル(Chlorpyrifos−methyl)、アセフェート(Acephate)、プロチオホス(Prothiofos)、ホスチアゼート(Fosthiazate)、ホスホカルブ(Phosphocarb)、カズサホス(Cadusafos)、ジスルホトン(Dislfoton)、クロルピリホス(Chlorpyrifos)、デメトン−S−メチル(Demeton−S−methyl)、ジメトエート(Dimethoate)、メタミドホス(Methamidophos)のような有機リン酸エステル系化合物;
【0086】
カルバリル(Carbaryl)、プロポキスル(Propoxur)、アルジカルブ(Aldicarb)、カルボフラン(Carbofuran)、チオジカルブ(Thiodicarb)、メソミル(Methomyl)、オキサミル(Oxamyl)、エチオフェンカルブ(Ethiofencarb)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、フェノブカルブ(Fenobucarb)、カルボスルファン(Carbosulfan)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(Cartap)、チオシクラム(Thiocyclam)、ベンスルタップ(Bensultap)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(Dicofol)、テトラジホン(Tetradifon)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(Fenbutatin Oxide)のような有機金属系化合物;
【0087】
フェンバレレート(Fenvalerate)、ペルメトリン(Permethrin)、シペルメトリン(Cypermethrin)、デルタメトリン(Deltamethrin)、シハロトリン(Cyhalothrin)、テフルトリン(Tefluthrin)、エトフェンプロックス(Ethofenprox)、ビフェントリン(Bifenthrin)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(Diflubenzuron)、クロルフルアズロン(Chlorfluazuron)、テフルベンズロン(Teflubenzuron)、フルフェノクスロン(Flufenoxuron)、ルフェヌロン(Lufenuron)、ノバルロン(Novaluron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(Methoprene)、ピリプロキシフェン(Pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(Fenoxycarb)のような幼若ホルモン様化合物;
【0088】
ピリダベン(Pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(Fenpyroximate)、フィプロニル(Fipronil)、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、エチピロール(Ethiprole)、トルフェンピラド(Tolfenpyrad)、アセトプロール(Acetoprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(Imidacloprid)、ニテンピラム(Nitenpyram)、アセタミプリド(Acetamiprid)、チアクロプリド(Thiacloprid)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、クロチアニジン(Clothianidin)、ジノテフラン(Dinotefuran)などのネオニコチノイド;
テブフェノジド(Tebufenozide)、メトキシフェノジド(Methoxyfenozide)、クロマフェノジド(Chromafenozide)などのヒドラジン系化合物;
【0089】
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物また、その他の化合物として、フロニカミド(Flonicamid)、ブプロフェジン(Buprofezin)、ヘキシチアゾクス(Hexythiazox)、アミトラズ(Amitraz)、クロルジメホルム(Chlordimeform)、シラフルオフェン(Silafluofen)、トリアザメイト(Triazamate)、ピメトロジン(Pymetrozine)、ピリミジフェン(Pyrimidifen)、クロルフェナピル(Chlorfenapyr)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、アセキノシル(Acequinocyl)、エトキサゾール(Etoxazole)、シロマジン(Cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3−dichloropropene)、ジアフェンチウロン(Diafenthiuron)、ベンクロチアズ(Benclothiaz)、フルフェンリム(Flufenerim)、ピリダリル(Pyridalyl)、スピロジクロフェン(Spirodiclofen)、ビフェナゼート(Bifenazate)、スピロメシフェン(Spiromesifen)のような化合物;などが挙げられる。更に、BT剤、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤などのような微生物農薬、アベルメクチン(Avermectin)、エマメクチンベンゾエート(Emamectin−benzoate)、ミルベメクチン(Milbemectin)、スピノサッド(Spinosad)、イベルメクチン(Ivermectin)のような抗生物質などと、混用、併用することもできる。
【0090】
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、メパニピリム(Mepanipyrim)、ピリメサニル(Pyrimethanil)、シプロジニル(Cyprodinil)のようなピリミジナミン系化合物;
トリアジメホン(Triadimefon)、ビテルタノール(Bitertanol)、トリフルミゾール(Triflumizole)、エタコナゾール(Etaconazole)、プロピコナゾール(Propiconazole)、ペンコナゾール(Penconazole)、フルシラゾール(Flusilazole)、マイクロブタニル(Myclobutanil)、シプロコナゾール(Cyproconazole)、ターブコナゾール(Terbuconazole)、ヘキサコナゾール(Hexaconazole)、ファーコナゾールシス(Furconazole−cis)、プロクロラズ(Prochloraz)、メトコナゾール(Metconazole)、エポキシコナゾール(Epoxiconazole)、テトラコナゾール(Tetraconazole)、オキスルポコナゾール(Oxpoconazole)、シプコナゾール(Sipconazole)のようなアゾール系化合物;
【0091】
キノメチオネート(Quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(Maneb)、ジネブ(Zineb)、マンゼブ(Mancozeb)、ポリカーバメート(Polycarbamate)、プロピネブ(Propineb)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(Fthalide)、クロロタロニル(Chlorothalonil)、キントゼン(Quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(Benomyl)、チオファネートメチル(Thiophanate−Methyl)、カーベンダジム(Carbendazim)、シアゾファミド(Cyazofamid)のようなイミダゾール系化合物;
フルアジナム(Fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
シモキサニル(Cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(Metalaxyl)、オキサジキシル(Oxadixyl)、オフレース(Ofurace)、ベナラキシル(Benalaxyl)、フララキシル(Furalaxyl)、シプロフラム(Cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物;
【0092】
ジクロフルアニド(Dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;
水酸化第二銅(Cupric hydroxide)、有機銅(Oxine Copper)のような銅系化合物;
ヒドロキシイソキサゾール(Hydroxyisoxazole)のようなイソキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(Fosetyl−Al)、トルクロホスメチル(Tolclofos−Methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチル S,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネートのような有機リン系化合物;
キャプタン(Captan)、キャプタホル(Captafol)、フォルペット(Folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物;
プロシミドン(Procymidone)、イプロジオン(Iprodione)、ビンクロゾリン(Vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
【0093】
フルトラニル(Flutolanil)、メプロニル(Mepronil)、ゾキサミド(Zoxamide)のようなベンズアニリド系化合物;
トリホリン(Triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(Pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(Fenarimol)、フルトリアフォル(Flutriafol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピジン(Fenpropidine)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(Fenpropimorph)のようなモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(Fentin Hydroxide)、フェンチンアセテート(Fentin Acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(Pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(Dimethomorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(Diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
【0094】
フルジオキソニル(Fludioxonil)、フェンピクロニル(Fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(Azoxystrobin)、クレソキシムメチル(Kresoxim−Methyl)、メトミノフェン(Metominofen)、トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(Picoxystrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(Famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(Ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
シルチオファム(Silthiopham)のようなシリルアミド系化合物;
イプロバリカルブ(Iprovalicarb)のようなアミノアシッドアミドカーバメート系化合物;
【0095】
フェナミドン(Fenamidone)のようなイミダゾリジン系化合物;
フェンヘキサミド(Fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(Flusulfamide)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
ピラクロストロビン(Pyraclostrobin)のようなストロビルリン系化合物;
アトラキノン系化合物;クロトン酸系化合物;抗生物質またその他の化合物として、イソプロチオラン(Isoprothiolane)、トリシクラゾール(Tricyclazole)、ピロキロン(Pyroquilon)、ジクロメジン(Diclomezine)、プロベナゾール(Probenazole)、キノキシフェン(Quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(Propamocarb Hydrochloride)、スピロキサミン(Spiroxamine)、クロロピクリン(Chloropicrin)、ダゾメット(Dazomet)、メタムナトリウム塩(Metam−sodium);などが挙げられる。
【0096】
その他、本発明化合物と混用或いは併用することが可能な農薬としては、例えは、Farm Chemicals Handbook(1998年版)に記載されているような除草剤の有効成分化合物、特に土壌処理型のものなどがある。
また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、動物寄生生物防除剤、特に動物内部寄生性生物の防除剤として又は寄生生物起因動物疾患の防除剤として有用であるが、例えば(1)カイセンダニ、メソスチグマチド、スカピー、ツツガムシ、フタトビチマダニ、オウシマダニなどのダニ類;ネコノミ、イヌノミ、ネズミノミ、ケオプトネズミノミ、ヒトノミなどのノミ類;ウシジラミ、ウマジラミ、ヒツジジラミ、ウシホソジラミ、アタマジラミなどのシラミ類;イヌハジラミなどのハジラミ類;ウシアブ、ウアイヌカカ、ツメトゲブユなどの吸血性双翅目害虫のように宿主動物の体外に寄生する寄生生物;(2)肺虫、ベンチュウ、結節状ウオーム、胃内寄生虫、回虫、糸状虫類などの線虫類;サナダムシ;吸虫;コクシジウム、マラリア原虫、腸内肉胞子虫、トキソプラズマ、クリプトスポリジウムなどの原生動物のように宿主動物の体内に寄生する寄生生物の防除に有効である。
【0097】
本発明化合物は、通常適当な担体と共に粉剤、粒剤、顆粒剤、錠剤、散剤、カプセル剤、液剤、乳剤などの剤形に製剤して使用される。適当な担体としては、飼料用薬剤等に利用されているもの、例えば乳糖、蔗糖、ブドウ糖、澱粉、麦粉、コーン粉、大豆油粕、脱脂米糠、炭酸カルシウム、その他市販の飼料原料等を挙げることができる。また、本発明化合物は、担体と共に各種ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、酵素製剤、解熱剤、鎮静剤、消炎剤、殺菌剤、着色剤、芳香剤、保存剤等と配合併用して使用することもできる。本発明化合物の投与濃度としては、防除対象寄生生物、投与方法、投与目的、疾病症状等によって異なるが、飼料中に配合して投与する場合であれば通常0.1ppm以上の濃度となるよう投与するのが適当である。
本発明化合物は、例えば特開平5−70350号公報や、特表平11−500439号公報に記載された試験方法に準じた試験により動物寄生生物、例えばノミ、コクシジウム、糸状虫に対する防除効果を示す。
【0098】
本発明化合物の望ましい態様は以下の通りである。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)複素環基がフリル、テトラヒドロフリル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピラニル、ピリジル、ピペリジニル、ジオキサニル、オキサジニル、モルホリニル、チアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル又はトリアジニルであり、縮合複素環基がベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロイソベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、クロモニル、クロマノニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジニル、イミダゾピリジル、ナフチリジニル、プテリジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリノニル、ジヒドロベンゾオキサジノニル又はベンゾチオキサニルである、前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体又はその塩。
【0099】
(2)Aがアミノ及びアルコキシで置換されたフェニルである、前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体又はその塩。
(3)AがXで置換されてもよい複素環基又はXで置換されてもよい縮合複素環基であり、複素環基又は縮合複素環基が、ピリジル、ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾチエニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロマニル、ジヒドロベンゾオキサジニル又はジヒドロベンゾオキサジノニルである、前記式(I)で表されるベンズアミド誘導体又はその塩。
(4)Aがハロゲン、アルキル又はハロアルキルで置換されたピリジルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(5)Aが無置換のジヒドロベンゾフラニル或はハロゲン又はアルキルで置換されたジヒドロベンゾフラニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(6)Aが無置換のテトラヒドロベンゾチエニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
【0100】
(7)Aがハロゲン又はアルキルで置換されたベンゾジオキソラニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(8)Aが無置換のベンゾジオキサニル或はハロゲン又はアルキルで置換されたベンゾジオキサニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(9)Aが無置換のクロマニル或はアルキルで置換されたクロマニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(10)Aが無置換のジヒドロベンゾオキサジニル或はハロゲンで置換されたジヒドロベンゾオキサジニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
(11)Aがハロゲン又はアルキルで置換されたジヒドロベンゾオキサジノニルである、前記(3)のベンズアミド誘導体又はその塩。
【0101】
【実施例】
次に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず本発明化合物の合成例を記載する。
合成例1 2,6−ジフルオロ−N−[2−[(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)カルボニル]−2−プロピル]ベンズアミド(後記化合物No.9)の合成 (1)ジメチルホルムアミド40mlに炭酸カリウム3.04g及びヨウ化ナトリウム0.60gを加え、更に2−tert−ブチル−5−メチルフェノール3.24gを室温で滴下した。室温で30分間攪拌した後、30〜40℃で30分間攪拌した。室温でブロモ酢酸エチル3.67gとジメチルホルムアミド5mlの混合液を加えた後、60〜70℃で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を氷水中に投入し、結晶化させた後濾取し、水洗した。結晶を酢酸エチルに溶解させ、硫酸ナトリウムで乾燥した。その後減圧濃縮して、(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシ酢酸エチルの粗生成物4.5gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.29(t,3H),1.42(s,9H),2.31(s,3H),4.25(q,2H),4.61(s,2H),6.66(s,1H),
6.73(d,1H),7.17(d,1H)
【0102】
(2)(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシ酢酸エチルの粗生成物4.5gをエタノール100mlに溶解させ、20%水酸化ナトリウム水溶液20gを加えて2時間加熱還流下で反応させた。反応終了後、エタノールを減圧留去した後水を30ml加え、塩酸で酸性化した。析出した結晶を濾取しヘキサンで洗浄した後、酢酸エチルに溶解させ、硫酸ナトリウムで乾燥した。その後減圧濃縮して、(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシ酢酸の粗生成物3.3gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.37(s,9H),2.29(s,3H),4.65(s,2H),6.55(s,1H),6.75(d,1H),7.18(d,1H)
【0103】
(3)トルエン20mlに(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシ酢酸の粗生成物1.5g、塩化チオニル2ml及び触媒量のジメチルホルムアミドを加え、1時間加熱還流下で反応させた。反応終了後、過剰の塩化チオニルとトルエンを留去し、得られた(2−tert−ブチル−5−メチル)フェノキシアセチルクロリドにジクロロメタン30mlを加え、更に氷冷下で塩化アルミニウム0.90gを少量ずつ加えた後、室温で3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を20%塩酸と氷水の混合物に投入し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)で精製して、7−tert−ブチル−4−メチル−3−クマラノン0.90gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.38(s,9H),2.55(s,3H),4.58(s,2H),6.73(d,1H),7.34(d,1H)
【0104】
(4)7−tert−ブチル−4−メチル−3−クマラノン1.15g、ヒドラジン一水和物8ml、水酸化カリウム1.3g及びジエチレングリコール30mlの混合物を100℃で1時間反応させた後、低沸点物を留去しながら200℃まで加熱し、更に7時間反応させた。放冷後、反応混合物を水200mlに投入し希塩酸で中和した後酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=0/1〜1/19)で精製して、7−tert−ブチル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.37gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.32(s,9H),2.20(s,3H),3.06(t,2H),4.54(t,2H),6.60(d,1H),6.96(d,1H)
【0105】
(5)四塩化チタン0.44g及び二硫化炭素5mlの混合液に、氷冷下で塩化イソブチリル0.24gを滴下し、同温度で25分間攪拌した。更に氷冷下で7−tert−ブチル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.36g及び二硫化炭素3mlの混合物を滴下し、二硫化炭素3mlで容器を洗浄した後室温に戻して1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を20%塩酸と氷水の混合物に投入した後ジクロロメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、7−tert−ブチル−5−イソブチリル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.43gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.15(d,6H),1.33(s,9H),2.33(s,3H),3.12(t,2H),3.35−3.42(m,1H),
4.62(t,2H),7.41(s,1H)
【0106】
(6)塩化アルミニウム0.25g及びトルエン3mlの混合液に、氷冷下で7−tert−ブチル−5−イソブチリル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.12g及びトルエン5mlの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を20%塩酸と氷水の混合物に投入した後ジクロロメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、5−イソブチリル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.065gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.13(d,6H),2.36(s,3H),3.15(t,2H),3.32−3.42(m,1H),4.62(t,2H),
6.62(d,1H),7.48(d,1H)
【0107】
(7)5−イソブチリル−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.13g及びテトラヒドロフラン10mlの混合物に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド0.25gを加え、室温で45分間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解した後食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮して粗製の5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−ブロモ−2−プロピル ケトン0.21gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.00(s,6H),2.19(s,3H),3.14(t,2H),4.60(t,2H),6.59(d,1H),7.63(d,1H)
【0108】
(8)5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−ブロモ−2−プロピル ケトン0.21g及びジメチルスルホキシド10mlの混合物に、アジ化ナトリウム0.10gを加え、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中に投入し、ジエチルエーテルで抽出した後水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−アジド−2−プロピル ケトン0.13gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.55(s,6H),2.22(s,3H),3.14(t,2H),4.61(t,2H),6.62(d,1H),7.49(d,1H)
【0109】
(9)5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−アジド−2−プロピル ケトン0.13g、メタノール10ml及び5%パラジウム炭素30mgの混合物を、水素雰囲気下室温で30分間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して得た油状の5−(4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラニル) 2−アミノ−2−プロピル ケトン及びテトラヒドロフラン10mlの混合物に、トリエチルアミン0.05gを加えた。そこへ2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド0.09g及びテトラヒドロフラン3mlの混合液を氷冷下で滴下し、滴下終了後、室温で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入し酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)要挿入 で精製して、融点133〜135℃の目的物0.13gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.78(s,6H),2.26(s,3H),3.14(t,2H),4.59(t,2H),6.56(d,1H),
6.85−6.91(m,3H),7.27〜7.38(m,2H)
【0110】
合成例2 N−[2−[(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)カルボニル]−2−プロピル]−2−トリフルオロメチルベンズアミド(後記化合物No.27)の合成
(1)ジイソプロピルアミン8.77g及びテトラヒドロフラン150mlの混合物に窒素雰囲気下、−20℃にてn−ブチルリチウム(1.56M n−ヘキサン溶液)52.7mlを滴下した後、同温度で30分間攪拌した。−50℃以下で5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソラン15.0g を滴下した後、同温度で30分間攪拌した。−70℃以下でヨウ化メチル19.7mlを滴下した後、室温まで昇温し15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入し塩酸にて弱酸性としてジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: n−ヘキサン)で精製して、油状の5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン12.54gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.34(s,3H),6.79(d,1H),7.27(d,1H)
【0111】
(2)5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン12.54g及びジエチルエーテル150mlの混合物に窒素雰囲気下、−50℃にてn−ブチルリチウム(1.56M n−ヘキサン溶液)35.2mlを滴下した後、同温度で30分間攪拌した。−70℃以下でイソブチルアルデヒド5.4gを滴下した後、室温まで昇温し15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入し塩酸にて弱酸性としてジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)で精製して、油状の1−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−2−メチルプロパノール10.65gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
0.84(d,3H),1.02(d,3H),1.94(m,1H),2.29(s,3H),4.57(m,1H),6.90(d,1H),
7.14(d,1H)
【0112】
(3)クロロクロム酸ピリジニウム11.7g、酢酸ナトリウム5.94g及びジクロロメタン100mlの混合物に、室温にて1−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−2−メチルプロパノール10.65g及びジクロロメタン35mlの混合物を加え、同温度で攪拌下に2時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル) 2−プロピル ケトン8.64gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.16(d,6H),2.40(s,3H),3.35(m,1H),6.94(d,1H),7.39(d,1H)
【0113】
(4)5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル) 2−プロピル ケトン8.64g及びテトラヒドロフラン86mlの混合物にフェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド13.41gを加え、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の2−ブロモ−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン11.4gを得た。
2−ブロモ−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン11.4g及びジメチルスルホキシド69.6mlの混合物にアジ化ナトリウム4.64gを加え、50℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中に投入し、ジエチルエーテルで抽出した後水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の2−アジド−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン9.6gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.57(s,6H),2.27(s,3H),6.94(d,1H),7.38(d,1H)
【0114】
(5)2−アジド−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン9.6g、メタノール90ml及び5%パラジウム炭素1.0gの混合物を水素雰囲気下室温で15時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の2−アミノ−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン8.78gを得た。
2−アミノ−2−プロピル 5−(2,2−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソラニル)ケトン0.39g及びテトラヒドロフラン14mlの混合物にトリエチルアミン0.23gを加え、そこへ2−トリフルオロメチルベンゾイルクロライド0.38gを氷冷下で滴下し、滴下終了後、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7)で精製して、融点106〜108℃の目的物0.55gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.72(s,6H),2.36(s,3H),6.46(s,1H),6.89(d,1H),7.17(dd,1H),7.34(d,1H), 7.52〜7.56(m,1H),7.66(dd,1H)
【0115】
合成例3 2,6−ジフルオロ−N−[2−[(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン−6−イル)カルボニル]−2−プロピル]ベンズアミド(後記化合物No.37)の合成
(1)3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン 9.40gに、5℃以下で濃硫酸16.26g及び硝酸(d1.4)10.76g の混合物を滴下した後、10℃で1時間、更に20℃で1時間攪拌下に反応させた。反応終了後、反応混合物を氷中に投入しジクロロメタンで抽出した。有機層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の3,3−ジフルオロ−5−メチル−6−ニトロ−1,4−ベンゾジオキサン1.30gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.49(s,3H),4.34(t,2H),6.99(d,1H),7.68(d,1H)
【0116】
(2)3,3−ジフルオロ−5−メチル−6−ニトロ−1,4−ベンゾジオキサン1.30g、メタノール13ml及び5%パラジウム炭素0.33gの混合物を水素雰囲気下室温で15時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の6−アミノ−3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン1.1gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.06(s,3H),3.49(s,2H),4.22(t,2H),6.34(d,1H),6.71(d,1H)
【0117】
(3)6−アミノ−3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン1.1g、臭化第一銅0.97g及びアセトニトリル10mlの混合物に、65℃にて亜硝酸tert−ブチル0.87gを滴下した後、30分間還流下で反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入しジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: n−ヘキサン)で精製して、油状の6−ブロモ−3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン0.81gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
2.32(s,3H), 4.26(t,2H),6.78(d,1H),7.18(d,1H)
【0118】
(4)6−ブロモ−3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン0.81g及びジエチルエーテル10mlの混合物に窒素雰囲気下、−50℃にてn−ブチルリチウム(1.56M n−ヘキサン溶液)2.55mlを滴下した後、同温度で30分間攪拌した。−70℃以下でイソブチルアルデヒド0.33gを滴下した後、室温まで昇温し15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中投入し塩酸にて弱酸性としジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)で精製して、油状の1−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン−6−イル)−2−メチルプロパノール0.40gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
0.84(d,3H),1.01(d,3H),1.94(m,1H),2.23(s,3H),4.25(t,2H),4.61(d,1H), 6.900(d,1H),7.09(d,1H)
【0119】
(5)クロロクロム酸ピリジニウム0.50g、酢酸ナトリウム0.25g及びジクロロメタン5mlの混合物に室温で1−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン−6−イル)−2−メチルプロパノール0.40g及びジクロロメタン2mlの混合物を加え、同温度で攪拌下に2時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル) 2−プロピル ケトン0.38gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.15(d,6H),2.30(s,3H),3.27(m,1H),4.29(t,2H),6.91(d,1H),7.17(d,1H)
【0120】
(6)6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル) 2−プロピル ケトン0.38g及びテトラヒドロフラン6mlの混合物にフェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド0.58gを加え、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の2−ブロモ−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.50gを得た。
2−ブロモ−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.50g及びジメチルスルホキシド3.1mlの混合物にアジ化ナトリウム0.20gを加え、50℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中に投入し、ジエチルエーテルで抽出した後水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/19)で精製して、油状の2−アジド−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.40gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.55(s,6H),2.18(s,3H),4.29(t,2H),6.92(d,1H),7.10(d,1H)
【0121】
(7)2−アジド−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.40g、メタノール5ml及び5%パラジウム炭素30mgの混合物を水素雰囲気下室温で1時間反応させた。反応終了後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、油状の2−アミノ−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.31gを得た。
2−アミノ−2−プロピル 6−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサニル)ケトン0.31g及びテトラヒドロフラン7mlの混合物にトリエチルアミン0.17gを加え、そこへ2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド0.20gを氷冷下で滴下し、滴下終了後、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7)で精製して、融点118〜120℃の目的物0.35gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.77(s,6H),2.25(s,3H),4.28(t,2H),6.76(s,1H),6.86(d,1H),6.92(t,2H), 7.16(d,1H),7.30〜7.38(m,1H)
【0122】
次に、前記式(I)で表される本発明化合物中で望ましい化合物を第1表に具体的に挙げ、本発明における最も望ましい態様を明確にする。これら化合物は前記合成例或は前記した本発明化合物の種々の製造方法に基づいて合成することができる。
表中、No.は化合物No.を示し、Meはメチル基、t−Buはtert−ブチル基、Phはフェニル基を各々示す。また、Ph(2−F)は、2位にフッ素原子が置換したフェニル基を示し、他の同様の記載もこれに準じる。
また、表中で用いている略号A1〜A14は、各々以下の置換基を示す。
【0123】
【化17】
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
次に試験例を記載する。
試験例1 サツマイモネコブセンチュウに対する効果試験(土壌混和処理)
サツマイモネコブセンチュウ汚染土壌300mlに、本発明化合物の濃度が1600ppmとなるよう調製した薬液7mlを潅注した後、薬剤が均一に分散するように混和する。処理土壌をポット(直径9cm、高さ8cm)に詰めた後、2葉期のトマト苗を移植し、温室内に置く。トマト移植3〜4週間後、根部に形成された根こぶの着生程度を以下の根こぶ指数に従って判定すると、本発明化合物は根こぶ指数1以下の高い防除効果を示す。例えば、前記化合物No.6、8、9、18、22、25〜27、31、37及び42は根こぶ指数が1以下であった。
【0127】
【表3】
【0128】
試験例2 キタネグサレセンチュウに対する効果試験(土壌混和処理)
キタネグサレセンチュウ汚染土壌300mlに、本発明化合物の濃度が1600ppmとなるよう調製した薬液7mlを潅注した後、薬剤が均一に分散するように混和する。処理土壌をポット(直径9cm、高さ8cm)に詰めた後、10粒のごぼう種子を播種し、温室内に置く。ごぼう種子の播種から約2ヶ月後に、根部の被害程度を以下の被害指数に従って判定すると、本発明化合物は被害指数1以下の高い防除効果を示す。例えば、前記化合物No.6、9、18、23〜27及び37は被害指数が1以下であった。
【0129】
【表4】
【0130】
試験例3 キタネグサレセンチュウに対する効果試験(薬液浸漬処理)
ガラス製試験管(IWAKI製のDISPOSABLE CULTURE TUBES:内径10mm、長さ75mm)に、本発明化合物の濃度が40ppmとなるよう調製した薬液1mlを入れる。そこへ、約100頭のキタネグサレセンチュウを含む水1mlを加え軽く攪拌し、得られた検液中の本発明化合物の最終濃度を20ppmとする。その後試験管の上部をパラフィルム(American National Can製)で塞いで密閉し、25℃下で放置する。
2日後、上記検液をスライドガラス(MATSUNAMI製のMICRO SLIDE GLASS:プランクトン格子線枠付)に移し、顕微鏡で不活動虫数(10秒以上動かないものを含める)及び活動虫数を調べる。下記の式により運動阻害率(%)を求めると、本発明化合物は運動阻害率70%以上の高い効果を示す。例えば、前記化合物No.27及び37の運動阻害率は、70%以上であった。
運動阻害率(%)=不活動虫数÷(活動虫数+不活動虫数)×100
【0131】
試験例4 コクシジウムに対する効果試験
アイメリアテネラ野外株を鶏雛で感染増殖させて新鮮未成熟オーシストを得、これに本発明化合物の所定濃度の溶液を10又は30分感作させ、感作した未成熟オーシストを遠心し、上清を取り除き2%重クロム酸カリウム水溶液を加え25℃で4日間スポルレーションすることにより良好なオーシスト防除効果が確認される。試験例5 イヌ糸状虫に対する効果試験
イヌ糸状虫(Dirofilaria immitis)を皮下感染させたイヌに、本発明化合物を経口投与する。感染から200日後の検死時に、処理動物の肺や心臓へのイヌ糸状虫寄生成虫数を調査することにより、良好なイヌ糸状虫防除効果が確認される。
【0132】
次に製剤例を記載する。
製剤例1
(1)本発明化合物 20重量部
(2)クレー 72重量部
(3)リグニンスルホン酸ソーダ 8重量部
以上のものを均一に混合して水和剤とする。
製剤例2
(1)本発明化合物 5重量部
(2)タルク 95重量部
以上のものを均一に混合して粉剤とする。
【0133】
製剤例3
(1)本発明化合物 20重量部
(2)N,N′−ジメチルアセトアミド 20重量部
(3)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 10重量部
(4)キシレン 50重量部
以上のものを均一に混合、溶解して乳剤とする。
製剤例4
(1)クレー 68重量部
(2)リグニンスルホン酸ソーダ 2重量部
(3)ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート 5重量部
(4)微粉シリカ 25重量部
以上の各成分の混合物と、本発明化合物とを4:1の重量割合で混合し、水和剤とする。
【0134】
製剤例5
(1)本発明化合物 50重量部
(2)オキシレーテッドポリアルキルフェニルフォスフェート−トリエタノールアミン 2重量部
(3)シリコーン 0.2重量部
(4)水 47.8重量部
以上のものを均一に混合、粉砕した原液に更に
(5)ポリカルボン酸ナトリウム 5重量部
(6)無水硫酸ナトリウム 42.8重量部
を加え均一に混合、造粒、乾燥して顆粒水和剤とする。
製剤例6
(1)本発明化合物 5重量部
(2)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 1重量部
(3)ポリオキシエチレンの燐酸エステル 0.1重量部
(4)粒状炭酸カルシウム 93.9重量部
(1)〜(3)を予め均一に混合し、適量のアセトンで希釈した後、(4)に吹付け、アセトンを除去して粒剤とする。
製剤例7
(1)本発明化合物 2.5重量部
(2)N−メチル−2−ピロリドン 2.5重量部
(3)大豆油 95.0重量部
以上のものを均一に混合、溶解して微量散布剤(ultra low volume formulation)とする。
Claims (10)
- Aがアミノ及びアルコキシで置換されたフェニルである、前記請求項1に記載のベンズアミド誘導体又はその塩。
- AがXで置換されてもよい複素環基又はXで置換されてもよい縮合複素環基であり、複素環基又は縮合複素環基が、ピリジル、ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾチエニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、クロマニル、ジヒドロベンゾオキサジニル又はジヒドロベンゾオキサジノニルである、前記請求項1に記載のベンズアミド誘導体又はその塩。
- 式(I);
- 請求項1のベンズアミド誘導体又はその塩を有効成分として含有する有害生物防除剤。
- 請求項1のベンズアミド誘導体又はその塩を有効成分として含有する殺虫、殺ダニ又は殺線虫剤。
- 請求項1のベンズアミド誘導体又はその塩を有効成分として含有する殺線虫剤。
- 請求項1のベンズアミド誘導体又はその塩を有効成分として含有する動物寄生生物防除剤。
- 請求項1のベンズアミド誘導体又はその塩を有効成分として含有する動物内部寄生性生物の防除剤。
- 請求項1のベンズアミド誘導体又はその塩の有効成分量を使用する有害生物の防除方法。
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