JP2004237870A - 車両用空調ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】車室内の不要な水を専用の排水口を設けることなく車室外に排水し、快適な車室内環境を提供することができる車両用空調ユニットを提供する。
【解決手段】上流側に具備された送風空気の導入口11と、導入口11から内部に導入された送風空気が流通する送風路12と、当該送風空気を車室内の複数箇所にそれぞれ供給するための複数の吹出口13と、該送風路12の下部と外部とを連通する排水口14とを具備したユニットケース10を備えた車両用空調ユニットに、ユニットケース10内に設けられたシール材22の外周面23と、送風路12の内壁面12aとからなり、排水口14に通じる排水路15と、略筒形状を有し、一端側が排水路15と連通され、他端側が車室外に通じる連通部と連通され、且つ送風路12外の不要な水を受ける受け部30とを設ける。
【選択図】 図4
【解決手段】上流側に具備された送風空気の導入口11と、導入口11から内部に導入された送風空気が流通する送風路12と、当該送風空気を車室内の複数箇所にそれぞれ供給するための複数の吹出口13と、該送風路12の下部と外部とを連通する排水口14とを具備したユニットケース10を備えた車両用空調ユニットに、ユニットケース10内に設けられたシール材22の外周面23と、送風路12の内壁面12aとからなり、排水口14に通じる排水路15と、略筒形状を有し、一端側が排水路15と連通され、他端側が車室外に通じる連通部と連通され、且つ送風路12外の不要な水を受ける受け部30とを設ける。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷房機能を備えた車両用空調ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から使用されている車両用空調装置として、特許文献1に開示されるものが知られている。
【0003】
これは、各冷媒配管のエバポレータへの接続部および各温水配管のヒータへの接続部を覆いかつ固定するための側面カバーをケーシングに取り付けることにより、部品数の削減を図るとともに、各配管の破損を極力阻止でき、しかも車両への着脱を容易にするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−48752号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術では、エバポレータの配管(冷媒配管)の表面に結露した水滴を排水することが考慮されていないため、車室内に当該水滴が漏出する恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、送風路外(空調装置外)に発生したり、侵入した水を専用の車外排水口を設けることなく、ユニットケース内に導くことで車室外に排水し、快適な車室内環境を提供することができる車両用空調ユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明にあっては、上流側に具備された送風空気の導入口と、この導入口から内部に導入された送風空気が流通する送風路と、当該送風空気を車室内の複数箇所にそれぞれ供給するための複数の吹出口と、該送風路の下部と外部とを連通する排水口とを具備したユニットケースを備えた車両用空調ユニットであって、前記ユニットケース内に設けられたシール材の外周面と前記送風路の内壁面とからなり前記排水口に通じる排水路と、略筒形状を有し一端側が該排水路と連通され他端側が車室外に通じる連通部と連通され且つ前記送風路外の不要な水を受ける受け部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の車両用空調ユニットにおいて、前記ユニットケース内に配設され当該送風空気を冷却するエバポレータと、このエバポレータに接続され冷媒の循環経路を形成する冷媒配管とを備え、前記受け部が該冷媒配管を覆い且つ該ユニットケースに固定される配管カバーであり、前記排水路と該配管カバー内の内部空間とが連通されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1、または請求項2に記載の車両用空調ユニットにおいて、前記配管カバー下部外側に突設された筒部と、前記排水路内に連通孔とを備え、該筒部が前記ユニットケース外側から該連通孔に挿入され、且つ該筒部の先端部分が該シール材に付勢支持され、該筒部の先端部分が該シール材に付勢支持された状態で、該筒部の先端部分に形成される開口部によって、該排水路と該配管カバー内の内部空間とが連通されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明にあっては、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用空調ユニットにおいて、前記シール材が、エバポレータの側面に設けられた弾性部材であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明にあっては、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用空調ユニットにおいて、前記内壁面に前記ユニットケース内に設置されたエバポレータの側面の縁に沿って、複数のレール状のリブを備え、これらリブによって形成される溝部分を前記排水路としたことを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、一端側が排水路と連通され、他端側が車室外に通じる連通部と連通され、且つ送風路外の不要な水を受ける受け部を備えたことにより、外部から侵入した水、および空気中の水蒸気が結露した水等の不要な水を車室内に漏水することなく排水することができるため、快適な車室内空間を提供することができる。
【0013】
また、排水路がシール材と送風路の内壁面とから形成されていることにより、送風空気によって排水路中に溜まった水が逆流せずに排水されるため、車室内に漏水することがなく、快適な車室内空間を提供することができる。
【0014】
さらに、車室外に通じる排水経路がユニットケースの排水口のみなので、防水性能を低下させることなく、快適な車室内環境を提供することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、当該受け部が、冷媒配管を覆い、且つユニットケースに固定される配管カバーなので、不要な水である冷媒配管の表面に結露した水をユニットケース内に導き、排水することにより、車室内に漏水することがなく、快適な車室内空間を提供することができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1と請求項2の効果に加えて、軸方向に対して斜めに成形された先端部分を具備する筒部をシール材に付勢支持することにより、十分な排水路を確保しつつ配管カバー内に溜まった水を排水することができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜請求項3の効果に加えて、シール材がエバポレータ側面に設けられた弾性部材であるため、排水路を形成するために専用のシール材を設ける必要がないため、部品点数を増やすことなく排水路を形成することができる。また、送風空気がエバポレータをバイパスすることなく、排水路中に溜まった水が排水されるので、冷房効率を低下させずに車室内への漏水を防止することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜請求項4の効果に加えて、リブによってシール材を圧縮保持することにより、シール材の圧縮反力を小さくすることができるので、ユニットケースを補強する必要がないため、ユニットケースの重量を増大することなくエバポレータを保持することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用空調ユニットの一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施形態における車両用空調ユニットの全体斜視図、図2は図1の側方断面図、図3は図1の要部正面図、図4は図3の正面断面図、図5は図3の上方断面図である。
【0020】
図1、図2に示されるように、ユニットケース10には、その内部に送風空気が導入される導入口11と、この導入口11を通じて空気を外部からユニットケース10内の送風路12に導入する送風機41と、導入された送風空気を冷却するエバポレータ20と、当該送風空気を分流するエアミックスドア42と、分流された送風空気を加熱するヒータコア43と、車室内の各部に送風空気を供給するための複数の吹出口13と、これら吹出口の開閉を行うモード切替ドア44とが配設されている。
【0021】
導入口11から送風路12に導入された送風空気は、エバポレータ20を通過する際に、エバポレータ20に熱を奪われるため、エバポレータ20を通過した送風空気は冷されて送風空気中の水蒸気が結露する。そして、結露した水滴はユニットケース10の底部を伝って排水口14を通じて車室外に排出される。
【0022】
また、エバポレータ20で冷却された送風空気は、エアミックスドア42によって分流され、送風空気の一部がヒータコア43に送られ、ヒータコア43を通過する際に加熱されるとともに、残りの送風空気はヒータコア43をバイパスした後、混合部18で当該送風空気の一部と合流する。なお、エアミックスドア42の位置によって、ヒータコア43を通過する送風空気と、ヒータコア43をバイパスする送風空気の割合が変えられるので、送風空気の温度を乗員の要求する温度に調整することができる。さらに、混合部18で適温に調節された送風空気は、モード切替ドア44によってそれぞれの吹出口13の先にあるダクト不図示から車室内に送風される。
【0023】
さらに、冷媒配管21内を冷媒が循環することで、冷媒配管21が冷却されるので、冷媒配管21周辺の空気が冷やされ、当該空気中の水蒸気が結露することにより、まれに配管カバー30内に水が溜まる場合がある。
【0024】
図2〜図5に示されるように、ユニットケース10のエバポレータ20が設置される位置の内壁面12aには、設置されたエバポレータ20の側面20aの縁に沿って、断面略三角形形状を具備するレール状のリブ17が2本設けられている。そして、これら2本のリブ17の間に連通孔16が設けられている。
【0025】
エバポレータ20は、受熱面を除く側面に帯状のシール材22が貼付けられている。そして、エバポレータ20は、ユニットケース10内の所定の位置に配置される際に、2本のリブ17によって形成される溝部分19を覆うとともに、2本のリブ17の先端部分33がシール材22を圧縮保持することにより、溝部分19に蓋がなされた略管形状が形成され、配管カバー30内に溜まった水を排水口14に導く排水路15となる。なお、このユニットケース10とシール材22の隙間は、1〜2mm程度の寸法で十分な排水性を確保することができる。
【0026】
さらに、2本のリブ17の先端部分33がシール材22を圧縮保持することにより、シール材22がエバポレータ20とユニットケース10との間に挟持されるので、シール材22の圧縮反力によって、エバポレータ20がユニットケース10内で振動することなく保持される。
【0027】
つまり、連通孔16は、シール材22の外周面23と対向するユニットケース10内壁面12aに設けられている。
【0028】
エバポレータ20の一側面20bには、冷媒の循環経路を形成する冷媒配管21がその接続部分24を介して接続されている。そして、冷媒配管21と接続部分24とを覆う配管カバー30の一端側が、ユニットケース10の側面に固定され、配管カバー30の他端側が車室外に通じる連通部(不図示)に固定されている。
【0029】
また、配管カバー30の最下部には、ユニットケース10に向かって突設され、且つ軸方向に対して斜めに成形された先端部分33を具備する筒部32が設けられている。そして、配管カバー30は、ユニットケース10外側から連通孔16に筒部32が挿入され、且つシール材22に筒部32の先端部分33が付勢支持されるようにユニットケース10に固定されている。
【0030】
また、本実施形態では、配管カバー30中の冷媒配管21の端部には、膨張弁(不図示)が接続されている。そして、この膨張弁の周囲で配管カバー30の一端側との隙間を塞ぐことで、空調風が配管カバー30の内部空間31に流れ込むことを防止しているため、冷媒配管21での結露水の発生が低減されている。
【0031】
さらに、膨張弁の他の端部はエンジンルームからの配管を接続することが可能なように形成されているので、膨張弁をエンジンルーム側に配置することで、接続作業性を向上させつつ、その間の配管が延びても排水がきちんとできる構成になっている。
【0032】
これにより、筒部32の先端部分33に開口部34が形成されるので、この開口部34によって排水路15と配管カバー30内の内部空間31とが連通されている。
【0033】
したがって、上記構成により、2本のリブ17の間の溝部分19をシール材22の外周面が覆うことで形成される排水路15に配管カバー30内に溜まった水が筒部32を通じて流れ込み、排水口14を通じてユニットケース10外部に排出される。
【0034】
これにより、排水路15がシール材22と送風路12の内壁面12aとから形成されていることにより、送風空気によって排水路15中に溜まった水が逆流せずに排水されるため、車室内に漏水することがなく、快適な車室内空間を提供することができる。
【0035】
また、車室外に通じる排水経路がユニットケース10の排水口14のみなので、防水性能を低下させることなく、快適な車室内環境を提供することができる。
【0036】
軸方向に対して斜めに成形された先端部分33を具備する筒部32をシール材22に付勢支持することにより、十分な排水路15を確保しつつ配管カバー30内に溜まった水を排水することができる。
【0037】
シール材22がエバポレータ側面に設けられた弾性部材であるため、排水路15を形成するために専用のシール材を設ける必要がないため、部品点数を増やすことなく排水路を形成することができる。また、送風空気がエバポレータ20をバイパスすることなく、排水路中に溜まった水が排水されるので、冷房効率を低下させずに車室内への漏水を防止することができる。
【0038】
リブ17によってシール材22を圧縮保持することにより、シール材22の圧縮反力を小さくすることができるので、ユニットケース10を補強する必要がないため、ユニットケース10の重量を増大することなくエバポレータ20を保持することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、筒部32の先端部分33を軸方向に対して斜めに成形することで、シール材22に筒部32の先端部分33が付勢支持された際に、筒部32の先端部分33に開口部34が形成されているが、筒部32の先端部分を軸方向に対して垂直に成形し、且つ先端部分の端面に切欠を設けることによって、シール材22に筒部32の先端部分が付勢支持された際に、筒部32の先端部分に形成される開口部でも排水路15と配管カバー30内の内部空間31とを連通することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における車両用空調ユニットの全体斜視図である。
【図2】図1に示される本実施形態の車両用空調ユニットの側方断面図である。
【図3】図1に示される本実施形態の車両用空調ユニットの要部正面図である。
【図4】図3に示される本実施形態の車両用空調ユニットの正面断面図である。
【図5】図3に示される本実施形態の車両用空調ユニットの上方断面図である。
【符号の説明】
1…車両用空調ユニット
10…ユニットケース
11…導入口
12…送風路
12a…内壁面
13…吹出口
14…排水口
15…排水路
16…連通孔
17…リブ
19…溝部分
20…エバポレータ
20a…側面
21…冷媒配管
22…シール材
23…外周面
30…配管カバー
31…内部空間
32…筒部
33…先端部分
34…開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷房機能を備えた車両用空調ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から使用されている車両用空調装置として、特許文献1に開示されるものが知られている。
【0003】
これは、各冷媒配管のエバポレータへの接続部および各温水配管のヒータへの接続部を覆いかつ固定するための側面カバーをケーシングに取り付けることにより、部品数の削減を図るとともに、各配管の破損を極力阻止でき、しかも車両への着脱を容易にするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−48752号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術では、エバポレータの配管(冷媒配管)の表面に結露した水滴を排水することが考慮されていないため、車室内に当該水滴が漏出する恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、送風路外(空調装置外)に発生したり、侵入した水を専用の車外排水口を設けることなく、ユニットケース内に導くことで車室外に排水し、快適な車室内環境を提供することができる車両用空調ユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明にあっては、上流側に具備された送風空気の導入口と、この導入口から内部に導入された送風空気が流通する送風路と、当該送風空気を車室内の複数箇所にそれぞれ供給するための複数の吹出口と、該送風路の下部と外部とを連通する排水口とを具備したユニットケースを備えた車両用空調ユニットであって、前記ユニットケース内に設けられたシール材の外周面と前記送風路の内壁面とからなり前記排水口に通じる排水路と、略筒形状を有し一端側が該排水路と連通され他端側が車室外に通じる連通部と連通され且つ前記送風路外の不要な水を受ける受け部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の車両用空調ユニットにおいて、前記ユニットケース内に配設され当該送風空気を冷却するエバポレータと、このエバポレータに接続され冷媒の循環経路を形成する冷媒配管とを備え、前記受け部が該冷媒配管を覆い且つ該ユニットケースに固定される配管カバーであり、前記排水路と該配管カバー内の内部空間とが連通されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1、または請求項2に記載の車両用空調ユニットにおいて、前記配管カバー下部外側に突設された筒部と、前記排水路内に連通孔とを備え、該筒部が前記ユニットケース外側から該連通孔に挿入され、且つ該筒部の先端部分が該シール材に付勢支持され、該筒部の先端部分が該シール材に付勢支持された状態で、該筒部の先端部分に形成される開口部によって、該排水路と該配管カバー内の内部空間とが連通されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明にあっては、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用空調ユニットにおいて、前記シール材が、エバポレータの側面に設けられた弾性部材であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明にあっては、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用空調ユニットにおいて、前記内壁面に前記ユニットケース内に設置されたエバポレータの側面の縁に沿って、複数のレール状のリブを備え、これらリブによって形成される溝部分を前記排水路としたことを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、一端側が排水路と連通され、他端側が車室外に通じる連通部と連通され、且つ送風路外の不要な水を受ける受け部を備えたことにより、外部から侵入した水、および空気中の水蒸気が結露した水等の不要な水を車室内に漏水することなく排水することができるため、快適な車室内空間を提供することができる。
【0013】
また、排水路がシール材と送風路の内壁面とから形成されていることにより、送風空気によって排水路中に溜まった水が逆流せずに排水されるため、車室内に漏水することがなく、快適な車室内空間を提供することができる。
【0014】
さらに、車室外に通じる排水経路がユニットケースの排水口のみなので、防水性能を低下させることなく、快適な車室内環境を提供することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、当該受け部が、冷媒配管を覆い、且つユニットケースに固定される配管カバーなので、不要な水である冷媒配管の表面に結露した水をユニットケース内に導き、排水することにより、車室内に漏水することがなく、快適な車室内空間を提供することができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1と請求項2の効果に加えて、軸方向に対して斜めに成形された先端部分を具備する筒部をシール材に付勢支持することにより、十分な排水路を確保しつつ配管カバー内に溜まった水を排水することができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜請求項3の効果に加えて、シール材がエバポレータ側面に設けられた弾性部材であるため、排水路を形成するために専用のシール材を設ける必要がないため、部品点数を増やすことなく排水路を形成することができる。また、送風空気がエバポレータをバイパスすることなく、排水路中に溜まった水が排水されるので、冷房効率を低下させずに車室内への漏水を防止することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜請求項4の効果に加えて、リブによってシール材を圧縮保持することにより、シール材の圧縮反力を小さくすることができるので、ユニットケースを補強する必要がないため、ユニットケースの重量を増大することなくエバポレータを保持することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用空調ユニットの一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施形態における車両用空調ユニットの全体斜視図、図2は図1の側方断面図、図3は図1の要部正面図、図4は図3の正面断面図、図5は図3の上方断面図である。
【0020】
図1、図2に示されるように、ユニットケース10には、その内部に送風空気が導入される導入口11と、この導入口11を通じて空気を外部からユニットケース10内の送風路12に導入する送風機41と、導入された送風空気を冷却するエバポレータ20と、当該送風空気を分流するエアミックスドア42と、分流された送風空気を加熱するヒータコア43と、車室内の各部に送風空気を供給するための複数の吹出口13と、これら吹出口の開閉を行うモード切替ドア44とが配設されている。
【0021】
導入口11から送風路12に導入された送風空気は、エバポレータ20を通過する際に、エバポレータ20に熱を奪われるため、エバポレータ20を通過した送風空気は冷されて送風空気中の水蒸気が結露する。そして、結露した水滴はユニットケース10の底部を伝って排水口14を通じて車室外に排出される。
【0022】
また、エバポレータ20で冷却された送風空気は、エアミックスドア42によって分流され、送風空気の一部がヒータコア43に送られ、ヒータコア43を通過する際に加熱されるとともに、残りの送風空気はヒータコア43をバイパスした後、混合部18で当該送風空気の一部と合流する。なお、エアミックスドア42の位置によって、ヒータコア43を通過する送風空気と、ヒータコア43をバイパスする送風空気の割合が変えられるので、送風空気の温度を乗員の要求する温度に調整することができる。さらに、混合部18で適温に調節された送風空気は、モード切替ドア44によってそれぞれの吹出口13の先にあるダクト不図示から車室内に送風される。
【0023】
さらに、冷媒配管21内を冷媒が循環することで、冷媒配管21が冷却されるので、冷媒配管21周辺の空気が冷やされ、当該空気中の水蒸気が結露することにより、まれに配管カバー30内に水が溜まる場合がある。
【0024】
図2〜図5に示されるように、ユニットケース10のエバポレータ20が設置される位置の内壁面12aには、設置されたエバポレータ20の側面20aの縁に沿って、断面略三角形形状を具備するレール状のリブ17が2本設けられている。そして、これら2本のリブ17の間に連通孔16が設けられている。
【0025】
エバポレータ20は、受熱面を除く側面に帯状のシール材22が貼付けられている。そして、エバポレータ20は、ユニットケース10内の所定の位置に配置される際に、2本のリブ17によって形成される溝部分19を覆うとともに、2本のリブ17の先端部分33がシール材22を圧縮保持することにより、溝部分19に蓋がなされた略管形状が形成され、配管カバー30内に溜まった水を排水口14に導く排水路15となる。なお、このユニットケース10とシール材22の隙間は、1〜2mm程度の寸法で十分な排水性を確保することができる。
【0026】
さらに、2本のリブ17の先端部分33がシール材22を圧縮保持することにより、シール材22がエバポレータ20とユニットケース10との間に挟持されるので、シール材22の圧縮反力によって、エバポレータ20がユニットケース10内で振動することなく保持される。
【0027】
つまり、連通孔16は、シール材22の外周面23と対向するユニットケース10内壁面12aに設けられている。
【0028】
エバポレータ20の一側面20bには、冷媒の循環経路を形成する冷媒配管21がその接続部分24を介して接続されている。そして、冷媒配管21と接続部分24とを覆う配管カバー30の一端側が、ユニットケース10の側面に固定され、配管カバー30の他端側が車室外に通じる連通部(不図示)に固定されている。
【0029】
また、配管カバー30の最下部には、ユニットケース10に向かって突設され、且つ軸方向に対して斜めに成形された先端部分33を具備する筒部32が設けられている。そして、配管カバー30は、ユニットケース10外側から連通孔16に筒部32が挿入され、且つシール材22に筒部32の先端部分33が付勢支持されるようにユニットケース10に固定されている。
【0030】
また、本実施形態では、配管カバー30中の冷媒配管21の端部には、膨張弁(不図示)が接続されている。そして、この膨張弁の周囲で配管カバー30の一端側との隙間を塞ぐことで、空調風が配管カバー30の内部空間31に流れ込むことを防止しているため、冷媒配管21での結露水の発生が低減されている。
【0031】
さらに、膨張弁の他の端部はエンジンルームからの配管を接続することが可能なように形成されているので、膨張弁をエンジンルーム側に配置することで、接続作業性を向上させつつ、その間の配管が延びても排水がきちんとできる構成になっている。
【0032】
これにより、筒部32の先端部分33に開口部34が形成されるので、この開口部34によって排水路15と配管カバー30内の内部空間31とが連通されている。
【0033】
したがって、上記構成により、2本のリブ17の間の溝部分19をシール材22の外周面が覆うことで形成される排水路15に配管カバー30内に溜まった水が筒部32を通じて流れ込み、排水口14を通じてユニットケース10外部に排出される。
【0034】
これにより、排水路15がシール材22と送風路12の内壁面12aとから形成されていることにより、送風空気によって排水路15中に溜まった水が逆流せずに排水されるため、車室内に漏水することがなく、快適な車室内空間を提供することができる。
【0035】
また、車室外に通じる排水経路がユニットケース10の排水口14のみなので、防水性能を低下させることなく、快適な車室内環境を提供することができる。
【0036】
軸方向に対して斜めに成形された先端部分33を具備する筒部32をシール材22に付勢支持することにより、十分な排水路15を確保しつつ配管カバー30内に溜まった水を排水することができる。
【0037】
シール材22がエバポレータ側面に設けられた弾性部材であるため、排水路15を形成するために専用のシール材を設ける必要がないため、部品点数を増やすことなく排水路を形成することができる。また、送風空気がエバポレータ20をバイパスすることなく、排水路中に溜まった水が排水されるので、冷房効率を低下させずに車室内への漏水を防止することができる。
【0038】
リブ17によってシール材22を圧縮保持することにより、シール材22の圧縮反力を小さくすることができるので、ユニットケース10を補強する必要がないため、ユニットケース10の重量を増大することなくエバポレータ20を保持することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、筒部32の先端部分33を軸方向に対して斜めに成形することで、シール材22に筒部32の先端部分33が付勢支持された際に、筒部32の先端部分33に開口部34が形成されているが、筒部32の先端部分を軸方向に対して垂直に成形し、且つ先端部分の端面に切欠を設けることによって、シール材22に筒部32の先端部分が付勢支持された際に、筒部32の先端部分に形成される開口部でも排水路15と配管カバー30内の内部空間31とを連通することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における車両用空調ユニットの全体斜視図である。
【図2】図1に示される本実施形態の車両用空調ユニットの側方断面図である。
【図3】図1に示される本実施形態の車両用空調ユニットの要部正面図である。
【図4】図3に示される本実施形態の車両用空調ユニットの正面断面図である。
【図5】図3に示される本実施形態の車両用空調ユニットの上方断面図である。
【符号の説明】
1…車両用空調ユニット
10…ユニットケース
11…導入口
12…送風路
12a…内壁面
13…吹出口
14…排水口
15…排水路
16…連通孔
17…リブ
19…溝部分
20…エバポレータ
20a…側面
21…冷媒配管
22…シール材
23…外周面
30…配管カバー
31…内部空間
32…筒部
33…先端部分
34…開口部
Claims (5)
- 上流側に具備された送風空気の導入口(11)と、この導入口(11)から内部に導入された送風空気が流通する送風路(12)と、当該送風空気を車室内の複数箇所にそれぞれ供給するための複数の吹出口(13)と、該送風路(12)の下部と外部とを連通する排水口(14)とを具備したユニットケース(10)を備えた車両用空調ユニットであって、
前記ユニットケース(10)内に設けられたシール材(22)の外周面(23)と、前記送風路(12)の内壁面(12a)とからなり、前記排水口(14)に通じる排水路(15)と、
略筒形状を有し、一端側が該排水路(15)と連通され、他端側が車室外に通じる連通部と連通され、且つ前記送風路(12)外の不要な水を受ける受け部(30)とを備えたことを特徴とする車両用空調ユニット。 - 請求項1記載の車両用空調ユニット(1)において、
前記ユニットケース(10)内に配設され、当該送風空気を冷却するエバポレータ(20)と、
このエバポレータ(20)に接続され、冷媒の循環経路を形成する冷媒配管(21)とを備え、
前記受け部が該冷媒配管(21)を覆い、且つ該ユニットケース(10)に固定される配管カバー(30)であり、
前記排水路(15)と該配管カバー(30)内の内部空間(31)とが連通されていることを特徴とする車両用空調ユニット。 - 請求項1、または請求項2に記載の車両用空調ユニット(1)において、
前記配管カバー(30)下部外側に突設された筒部(32)と、
前記排水路(15)内に連通孔(16)とを備え、
該筒部(32)が前記ユニットケース(10)外側から該連通孔(16)に挿入され、且つ該筒部(32)の先端部分(33)が該シール材(22)に付勢支持され、
該筒部(32)の先端部分(33)が該シール材(22)に付勢支持された状態で、該筒部(32)の先端部分(33)に形成される開口部(34)によって、該排水路(15)と該配管カバー(30)内の内部空間(31)とが連通されていることを特徴とする車両用空調ユニット。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用空調ユニット(1)において、
前記シール材(22)が、エバポレータ(20)の側面(20a)に設けられた弾性部材であることを特徴とする車両用空調ユニット。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用空調ユニット(1)において、
前記内壁面(12a)に前記ユニットケース(10)内に設置されたエバポレータ(20)の側面(20a)の縁に沿って、複数のレール状のリブ(17)を備え、
これらリブ(17)によって形成される溝部分(19)を前記排水路(15)としたことを特徴とする車両用空調ユニット。
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-
2003
- 2003-02-06 JP JP2003029497A patent/JP2004237870A/ja active Pending
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