JP2004237640A - 成形機のエジェクタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続部における二つの駆動力伝達部材の軸心のずれを許容し、接続部において前記二つの駆動力伝達部材の間隔を調整することができ、前記駆動力伝達部材を容易に接続することができ、各部材に負荷がかかることのないようにする。
【解決手段】金型支持装置の背面側に取り付けられた駆動源と、該駆動源によって前進又は後退させられる第1の駆動力伝達部材と、エジェクタ部材を前進又は後退させる第2の駆動力伝達部材と、前記第1の駆動力伝達部材及び第2の駆動力伝達部材に接続され、前記第1の駆動力伝達部材から第2の駆動力伝達部材に駆動力を伝達する第3の駆動力伝達部材とを有し、該第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に移動することによって、前記第1の駆動力伝達部材又は第2の駆動力伝達部材との接続を解除又は確保する接続部材を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】金型支持装置の背面側に取り付けられた駆動源と、該駆動源によって前進又は後退させられる第1の駆動力伝達部材と、エジェクタ部材を前進又は後退させる第2の駆動力伝達部材と、前記第1の駆動力伝達部材及び第2の駆動力伝達部材に接続され、前記第1の駆動力伝達部材から第2の駆動力伝達部材に駆動力を伝達する第3の駆動力伝達部材とを有し、該第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に移動することによって、前記第1の駆動力伝達部材又は第2の駆動力伝達部材との接続を解除又は確保する接続部材を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形機のエジェクタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機等の成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され、溶融させられた樹脂を高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品を成形するようになっている。
【0003】
そのために、前記金型装置は固定金型及び可動金型から成り、型締装置によって前記可動金型を進退させ、前記固定金型に対して接離させることによって、型の開閉、すなわち、型閉、型締及び型開を行うことができるようになっている。
【0004】
そして、前記型締装置に、前記可動金型を進退させるためにトグル機構が配設され、該トグル機構は、駆動源として配設された電動モータ、サーボモータ等を駆動することによって作動させられる。また、前記型締装置の可動プラテンには、成形された成形品を可動金型から取り外すために、エジェクタ装置が配設され、エジェクタ駆動装置によって駆動されるエジェクタピンが前記可動金型の金型面から突出して、型開された状態で可動金型の金型面に付着している成形品をエジェクトするようになっている。
【0005】
この場合、駆動源としてのサーボモータの回転軸にはボールねじ機構が取り付けられ、該ボールねじ機構によって、前記回転軸の回転運動が往復運動に変換される。そして、前記ボールねじ機構におけるボールナット等の往復運動部材には、取付ロッドに沿って移動するクロスヘッドが取り付けられ、さらに、該クロスヘッドにはエジェクタロッドの一端が接続されている。また、該エジェクタロッドの他端は、単数又は複数のエジェクタピンの根本部分が取り付けられたエジェクタプレートに接続されている。
【0006】
ところで、エジェクタ装置の種類によっては、可動金型の内部等にリターンスプリングを備え、該リターンスプリングによって前記エジェクタプレート等を後退する方向に付勢するようになっている。この場合、前記サーボモータが逆方向に回転して前記クロスヘッドを後退させると、前記リターンスプリングの付勢力によって、前記エジェクタピン、エジェクタプレート及びエジェクタロッドが後退する。そのため、前記クロスヘッド及びエジェクタロッドの接続部、エジェクタロッド及びエジェクタプレートの接続部等の駆動力伝達部材同士の接続部は、前方に押す力だけを伝達すればよく、後方に引く力を伝達するような構成を備える必要がない。例えば、クロスヘッド及びエジェクタロッドは、接続部においてそれぞれの端面が互いに当接するようになっていればよい。しかし、リターンスプリングを備えていない種類のエジェクタ装置の場合、前記クロスヘッド及びエジェクタロッドの接続部、エジェクタロッド及びエジェクタプレートの接続部等の駆動力伝達部材同士の接続部は、前方に押す力及び後方に引く力を伝達するような構成を備える必要がある。ここでは、前記接続部が前方に押す力及び後方に引く力を伝達するような構成を備えるエジェクタ装置について説明する(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
そして、成形品が成形されて型開が行われると、前記サーボモータが一方向に所定量だけ回転する。これにより、前記クロスヘッドが所定量だけ前進して、該クロスヘッドに接続されたエジェクタロッドを前方に押すので、該エジェクタロッドは前進する。そして、該エジェクタロッドが前進すると、エジェクタプレートは、前記エジェクタロッドによって前方に押されて前進する。そのため、前記エジェクタプレートに固定されたエジェクタピンの先端が前記可動金型の金型面から所定量だけ突出して、型開された状態で可動金型の金型面に付着している成形品をエジェクトする。
【0008】
続いて、前記サーボモータが逆方向に所定量だけ回転すると、前記クロスヘッドが所定量だけ後退して、該クロスヘッドに接続されたエジェクタロッドを後方に引くので、該エジェクタロッドは後退する。そして、該エジェクタロッドが後退すると、エジェクタプレートは前記エジェクタロッドによって後方に引かれて後退する。そのため、前記エジェクタプレートに固定されたエジェクタピンも所定量だけ後退し、該エジェクタピンの先端は可動金型の金型面から引っ込んだ状態となる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−343569号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の成形機のエジェクタ装置においては、前記クロスヘッド及びエジェクタロッドの接続部、エジェクタロッド及びエジェクタプレートの接続部等の駆動力伝達部材同士の接続部が前方に押す力及び後方に引く力を伝達するような構成を備えるので、前記接続部が大型化し、駆動源としてのサーボモータから可動金型までの距離を長くする必要があった。そのため、型締装置が大型化し、成形機の全長が長大化してしまうので、コストが増加し、また、成形機の配設に広いスペースが必要となってしまう。
【0011】
また、前方に押す力及び後方に引く力を伝達するために、クロスヘッド及びエジェクタロッドは固定的に接続され、また、エジェクタロッド及びエジェクタプレートも固定的に接続されるようになっている。そのため、クロスヘッド及びエジェクタロッドの軸心がずれていたり、エジェクタロッド及びエジェクタプレートの軸心がずれていたりした場合、クロスヘッド、エジェクタロッド及びエジェクタプレートだけでなく、可動プラテン、可動金型等の部材にまで負荷がかかってしまう。さらに、前記エジェクタロッドの長さが所定値からずれていた場合にも、各部材に負荷がかかってしまう。
【0012】
本発明は、前記従来の成形機のエジェクタ装置の問題点を解決して、接続部における二つの駆動力伝達部材の軸心のずれを許容し、接続部において前記二つの駆動力伝達部材の間隔を調整することができ、前記駆動力伝達部材を容易に接続することができ、各部材に負荷がかかることのない成形機のエジェクタ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の成形機のエジェクタ装置においては、金型支持装置の背面側に取り付けられた駆動源と、該駆動源によって前進又は後退させられる第1の駆動力伝達部材と、エジェクタ部材を前進又は後退させる第2の駆動力伝達部材と、前記第1の駆動力伝達部材及び第2の駆動力伝達部材に接続され、前記第1の駆動力伝達部材から第2の駆動力伝達部材に駆動力を伝達する第3の駆動力伝達部材とを有し、該第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に移動することによって、前記第1の駆動力伝達部材又は第2の駆動力伝達部材との接続を解除又は確保する接続部材を備える。
【0014】
本発明の他の成形機のエジェクタ装置においては、さらに、前記第3の駆動力伝達部材は、前記第1の駆動力伝達部材と第2の駆動力伝達部材との軸心のずれを許容する。
【0015】
本発明の更に他の成形機のエジェクタ装置においては、さらに、前記第3の駆動力伝達部材は、前記第1の駆動力伝達部材と第2の駆動力伝達部材との間隔を調整可能な調整部材を備える。
【0016】
本発明の更に他の成形機のエジェクタ装置においては、さらに、前記第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に分割可能な複数の部材から成る。
【0017】
本発明の更に他の成形機のエジェクタ装置においては、さらに、前記第3の駆動力伝達部材は、内部にフランジを収容する円筒状の空間を備え、軸方向に対して垂直な方向に分割可能な略半円筒形状の二つの部材から成る。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明のエジェクタ装置は、各種の装置や用途に適用することができるものであるが、本実施の形態においては、説明の都合上、射出成形機に適用した場合について説明する。
【0019】
図2は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締装置の概略図である。
【0020】
図において、15はフレーム、13は該フレーム15に固定された金型支持装置としての固定プラテン、23は該固定プラテン13との間に所定の距離を置いて、前記フレーム15に対して移動自在に配設されたベースプレートとしてのトグルサポート、14は前記固定プラテン13とトグルサポート23との間に架設されたタイバー、12は前記固定プラテン13と対向させて配設され、前記タイバー14に沿って進退(図における左右方向に移動)自在に配設された金型支持装置としての可動プラテンである。そして、前記固定プラテン13における前記可動プラテン12と対向する面に図示されない固定金型が取り付けられ、また、前記可動プラテン12における前記固定プラテン13と対向する面に図示されない可動金型が取り付けられる。
【0021】
また、前記可動プラテン12の背面側 (図における左側) にはエジェクタ装置10が取り付けられる。なお、該エジェクタ装置10は、前記固定プラテン13に取り付けることもできるが、本実施の形態においては、可動プラテン12に取り付けた場合について説明する。そして、前記エジェクタ装置10は、駆動源としてのモータ11を有し、第2の駆動力伝達部材としてのエジェクタロッド24を前進又は後退(図における右方向又は左方向に移動)させる。なお、該エジェクタロッド24の先端 (図における右端) には、図示されないエジェクタプレートが接続され、該エジェクタプレートにはエジェクタ部材としての図示されないエジェクタピンが固定されている。そして、前記エジェクタロッド24が前進又は後退することによって、金型装置における可動金型内部のキャビティに突出して成形品をエジェクトするためのエジェクタピンが前進又は後退させられる。なお、図においては、前進した状態のエジェクタロッド24が示されている。ここで、前記モータ11は、いかなる種類のモータであってもよいが、サーボモータであることが望ましい。
【0022】
そして、前記可動プラテン12とトグルサポート23との間にはトグル機構18が取り付けられ、前記トグルサポート23の後端(図における左端)には射出成形機の型締用の駆動手段として、駆動装置が取り付けられる。該駆動装置は、駆動源としてのモータ11’を有し、被駆動部材としてのクロスヘッド17を進退させることによって、トグル機構18を作動させることができる。これにより、前記可動プラテン12が前進(図における右方向に移動)させられて型閉が行われるとともに、モータ11’による推進力にトグル倍率を乗じた型締力が発生させられ、該型締力によって型締が行われる。本実施の形態においては、トグル機構18を作動させることによって型締力を発生させるようにしているが、トグル機構18を使用することなく、モータ11’による推進力をそのまま型締力として可動プラテン12に伝達することもできる。
【0023】
前記トグル機構18は、前記クロスヘッド17に対して揺動自在に支持されたトグルレバー21、前記トグルサポート23に対して揺動自在に支持されたトグルレバー22、及び、前記可動プラテン12に対して揺動自在に支持されたトグルアーム16から成り、前記トグルレバー21と22との間及びトグルレバー22とトグルアーム16との間が、それぞれ、リンク結合される。
【0024】
次に、前記エジェクタ装置10について説明する。まず、前記エジェクタ装置10が取り付けられた可動プラテン12の構成について説明する。
【0025】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるエジェクタ装置が取り付けられた可動プラテンの構成を示す斜視図である。
【0026】
図3において、25は、トグルアーム16の端部が回転自在に取り付けられるトグルアーム取付部であり、可動プラテン12の金型取付板12aにおける金型取付面の反対側の面、すなわち、背面の上下に一体的に形成されている。なお、トグルアーム取付部25には、前記トグルアーム16の端部を回転自在に取り付けるための、トグルピンが挿入されるトグルピン挿入孔(こう)25aが形成されている。なお、該トグルピン挿入孔25aには、ブッシュが嵌(は)め込まれていることが望ましい。また、前記可動プラテン12のタイバー14のそれぞれに対応する位置には、ガイド手段であるタイバー14と係合するガイド孔29が複数、例えば、四つ形成される。そして、前記ガイド孔29には、図示されないブッシュが嵌め込まれ、該ブッシュの内周面がタイバー14の外周面に接触して摺(しゅう)動するようになっている。
【0027】
また、上下の前記トグルアーム取付部25は、荷重受け部連結部材26によって互いに連結される。ここで、該荷重受け部連結部材26は、断面が略矩(く)形状の筒状孔26aを備える角筒状の形状を有するものであるが、いかなる形状であってもよい。そして、前記荷重受け部連結部材26は、前記トグルアーム取付部25と一体となって前方(図3における右方)に延在し、金型取付板12aの背面に接続されている。これにより、前記トグルアーム取付部25がトグルアーム16の端部から受ける押圧荷重(前方に押し付ける荷重)は、前記荷重受け部連結部材26を介して金型取付板12aに伝達される。
【0028】
そして、前記筒状孔26a内の空間には、金型取付板12aの背面に取り付けられたエジェクタ装置10が収納される。また、前記荷重受け部連結部材26の側壁には、開放窓27が形成され、前記筒状孔26a内の空間に収納されたエジェクタ装置10の少なくとも一部を、オペレータが外部から監視することができるようになっている。さらに、本実施の形態においては、オペレータが前記開放窓27から筒状孔26a内の空間に手を挿入して、後述される連結部材41の取付作業及び取外作業を行うことができる。
【0029】
次に、前記エジェクタ装置10の構成について説明する。
【0030】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す斜視図である。
【0031】
図4に示されるように、エジェクタ装置10の駆動源としてのモータ11は、図示されない内部にステータ、軸受を介してモータ11のハウジングに回転可能に取り付けられた中空回転軸、該中空回転軸に取り付けられたロータ等を有する。なお、前記モータ11のハウジングの前端(図4における右端)は、取付部材としての取付プレート31を介して、前記可動プラテン12に取り付けられる。ここで、前記取付プレート31の中心部には、後述されるボールねじ軸及びボールねじナットが通過する孔が形成されている。なお、前記中空回転軸の後端(図4における左端)には回転検出手段としてのエンコーダ11aが取り付けられ、前記中空回転軸の回転を検出するようになっている。
【0032】
そして、該中空回転軸には、スプライン結合等の結合機構によって、ボールねじ軸の後端部分が軸方向に移動可能に、かつ、回転不能に結合されている。そのため、前記ボールねじ軸は、前記モータ11に対して軸方向に移動可能でありながら、前記モータ11によって回転させられるようになっている。また、前記ボールねじ軸の前記モータ11のハウジングの前端から突出した部分には、ボールねじが形成され、ナット支持部材としてのナットホルダ32に回転不能に支持されたナットとしての図示されないボールねじナットが螺(ら)合される。そして、前記ボールねじ軸とボールねじナットとによってボールねじ機構を構成し、前記ボールねじ軸は、モータ11によって回転させられると回転方向に応じて軸方向に進退する。ここで、前記ナットホルダ32は、中心に孔を有するフランジ部の背面(図における左側面)に円筒部材としての短い円筒部32aを取り付けた形状を有する。そして、該円筒部32a内に前記ボールねじナットが収納されている。
【0033】
また、前記ボールねじ軸の前端、すなわち、前記ナットホルダ32の前面(図における右側面)から突出した部分には、ガイドバー33aに沿ってスライド可能なクロスヘッド34が図示されない軸受を介して取り付けられる。なお、前記ガイドバー33aは、前記ナットホルダ32を取付プレート31に固定する固定ロッド33の前方に一体的に形成されているが、該固定ロッド33と別の部材であってもよい。また、前記クロスヘッド34には前記ガイドバー33aが挿入されるガイド孔34aが形成されている。そして、前記クロスヘッド34が前進又は後退するとき、前記ガイド孔34aの内周面がガイドバー33aの外周面に接触して摺動するようになっている。
【0034】
ここで、前記クロスヘッド34の前面には、ボルト等の部材によってアダプタ35が固定され、該アダプタ35には、連結部材41を介して、接続ロッド51が連結されている。なお、前記連結部材41は図において軸方向に沿って上下に分割可能な後述される二つの部材としての、第1部分41a及び第2部分41bから成り、該第1部分41a及び第2部分41bは前記軸方向に垂直な結合ボルト44によって結合されている。
【0035】
次に、前記連結部材41によるアダプタ35と接続ロッド51との接続構造について説明する。
【0036】
図1は本発明の第1の実施の形態における連結部材によるアダプタと接続ロッドとの接続構造を示す分解立体図である。
【0037】
図1に示されるように、アダプタ35の中心部には、前方に突出する突出軸35bが一体的に形成されている。なお、該突出軸35bの軸線は、前記ボールねじ軸の軸線と一致することが望ましいがずれていてもよい。そして、前記突出軸35bの先端には、該突出軸35bより大径の円板状のアダプタフランジ35aが一体的に形成されている。
【0038】
また、接続ロッド51の後端部には、該接続ロッド51より大径の円板状の接続ロッドフランジ51aが一体的に形成されている。なお、該接続ロッドフランジ51aの外径は前記アダプタフランジ35aの外径とほぼ等しい。また、前記接続ロッドフランジ51aの外周には、少なくとも二つの平坦(たん)面51bが形成されている。該平坦面51bは互いに平行であり、その間隔はJIS等の規格に定められたスパナの二面幅又はボルト頭部の二面幅の寸法に等しいことが望ましい。これにより、前記接続ロッドフランジ51aにスパナをかけて回転させることができる。
【0039】
そして、接続ロッド51のねじ部51cには、図1に示されるように、エクステンションロッド52が螺合されている。なお、該エクステンションロッド52の周面にも、少なくとも二つの平坦面52bが形成されている。該平坦面52bは互いに平行であり、その間隔はJIS等の規格に定められたスパナの二面幅又はボルト頭部の二面幅の寸法に等しいことが望ましい。これにより、前記エクステンションロッド52にスパナをかけて回転させることができる。そして、前記接続ロッド51とエクステンションロッド52とが螺合した状態において、接続ロッド51に対してエクステンションロッド52を回転させることによって、前記接続ロッド51に対してエクステンションロッド52を軸方向に移動させて位置を調整することができる。前記接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置が所定の位置となった状態でロックナット53をエクステンションロッド52に対して締め付けることによって、接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の回転が防止され、接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置がロックされる。
【0040】
また、該エクステンションロッド52のねじ孔52aにおいて、前記接続ロッド51の反対側には、前記エジェクタロッド24のねじ部が螺入される。そして、前記接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置と同様に、前記エジェクタロッド24に対するエクステンションロッド52の位置も調整してロックすることができる。そのため、前記エクステンションロッド52を介在させることによって、前記アダプタ35に対するエジェクタロッド24の位置を調整することができ、どのような金型に対しても、容易にメンテナンスを行うことができる。
【0041】
そして、連結部材41は、軸方向に沿って分割可能であり、図において軸の上方に位置する第1部分41a及び軸の下方に位置する第2部分41bとから成る。前記連結部材41は、全体として中空の円筒状の部材であり、前記第1部分41a及び第2部分41bは、円筒を該円筒の軸を含む平面に関して対称となるように二等分したそれぞれの部分に該当する形状を有する。なお、前記第1部分41aには、結合ボルト44の軸を挿入する図示されない挿入孔及び前記結合ボルト44の頭部を収容する大きさの座ぐり凹部46が二つ形成されている。また、前記第2部分41bには、前記第1部分41aの挿入孔に対応する位置に、前記結合ボルト44のねじ部が螺入されるねじ孔47が二つ形成されている。なお、前記挿入孔及びねじ孔47は軸方向に垂直な方向に延在する。また、前記挿入孔、座ぐり凹部46及びねじ孔47の数は二つ以上であってもよい。そして、前記第1部分41a及び第2部分41bの前記挿入孔、座ぐり凹部46及びねじ孔47を除いた箇所の形状及び寸法は互いに対称になっている。
【0042】
ここで、図に示されるように、第2部分41bの内部にはフランジ収容凹部42が形成されている。該フランジ収容凹部42は、アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aを収容するためのものであり、円板状のアダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aを軸を含む平面に関して対称となるように二等分した部分に適合した半円筒の側壁に該当する形状を有する。また、前記第1部分41aの内部にも、フランジ収容凹部42と同一形状のフランジ収容凹部42が形成されている。そして、前記第1部分41aと第2部分41bとを結合させた状態において、第1部分41aと第2部分41bとに形成されたフランジ収容凹部42は、円筒状の空間を形成する。なお、前記フランジ収容凹部42の内径は、前記アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aの外径より大きく、突出軸35bと接続ロッド51との軸心のずれを許容する。すなわち、軸方向の直線運動を構成するようになっている。このように、第3の駆動力伝達部材である連結部材41を構成した際に形成される係合空間は、第1の駆動力伝達部材であるアダプタ35又は第2の駆動力伝達部材である接続ロッド51の係合部よりわずかに大きいので、突出軸35bと接続ロッド51とが互いに軸心がずれた状態であっても、連結部材41によって連結することができる。
【0043】
なお、前記フランジ収容凹部42の軸方向の寸法(図1における左右方向の寸法)は、前記アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aの厚さの合計よりわずかに大きい程度であることが望ましい。これにより、突出軸35bと接続ロッド51との軸方向の位置がずれることを防止して、突出軸35bと接続ロッド51との間で、大きくがたつくことなく軸方向の直線運動を伝達することができる。
【0044】
また、前記第2部分41bの前端及び後端の壁部材43は、それぞれ、全体として中空の円筒状である連結部材41における円筒の底面を二等分した半円状の形状を備え、半円状の切欠部43aを備える。また、前記第1部分41aも、前記第2部分41bと同様に、前端及び後端の壁部材43は、円筒の底面を二等分した半円状の形状を備え、半円状の切欠部43aを備える。そして、前記第1部分41aと第2部分41bとを結合させた状態において、第1部分41a及び第2部分41bの壁部材43は、切欠部43aから成る円形の孔を中心に備えた円形の壁を形成する。なお、前記切欠部43aの内径は、前記アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aの外径より小さく、突出軸35b及び接続ロッド51の外径の両方より大きくなっている。これにより、突出軸35bと接続ロッド51との軸心のずれを許容し、かつ、前記アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aを壁部材43によって係止して、突出軸35bと接続ロッド51との間で前進及び後退する動き、すなわち、軸方向の直線運動を伝達するようになっている。
【0045】
次に、前記構成の駆動装置の動作を説明する。
【0046】
まず、電流を供給してモータ11を駆動すると、図示されないボールねじ軸が回転する。ここで、該ボールねじ軸は、図示されないボールねじナットに螺入され、かつ、該ボールねじナットはナットホルダ32に支持され、回転不能、かつ、ボールねじ軸の軸方向に移動不能となっている。したがって、前記ボールねじ軸自体が、回転することによって軸方向に移動する、すなわち、前進又は後退する。なお、前進するか後退するかは、ねじの向きとボールねじ軸の回転方向によって決定されるが、まず、前進する場合について説明する。
【0047】
そして、ボールねじ軸が前進すると、該ボールねじ軸の前端に軸受を介して取り付けられたクロスヘッド34が、ガイドバー33aに沿って前進する。なお、前記ボールねじ軸とクロスヘッド34とは、互いに回転可能であるが、軸方向に互いに移動不能に結合され、かつ、前記クロスヘッド34はガイドバー33aによって回り止めされているので、前記ボールねじ軸の回転は、被駆動部材である前記クロスヘッド34に伝達されることがない。
【0048】
そして、前記接続ロッド51が前進すると該接続ロッド51にエクステンションロッド52を介して接続されたエジェクタロッド24が前進し、図示されないエジェクタピンが固定されたエジェクタプレートを前進させる。これにより、エジェクタピンが前進して金型装置の可動金型内部のキャビティに突出し、キャビティ内の成形品をエジェクトする。
【0049】
続いて、前記モータ11が逆方向に回転するとボールねじ軸が逆方向に回転して後退する。そして、ボールねじ軸が後退すると、前記ボールねじ軸の前端に軸受を介して取り付けられたクロスヘッド34が、ガイドバー33aに沿って後退する。
【0050】
それに伴い、前記クロスヘッド34の後退する動きがアダプタ35から、連結部材41を介して、接続ロッド51に伝達される。この場合、前記連結部材41に形成されたフランジ収容凹部42の軸方向の寸法が、アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aの厚さの合計よりわずかに大きい程度であるので、アダプタ35の突出軸35bと接続ロッド51との軸方向の位置がずれることがない。そのため、前記アダプタ35と接続ロッド51との間で、大きくがたつくことなく後退する動きが伝達される。
【0051】
そして、前記接続ロッド51が後退すると該接続ロッド51にエクステンションロッド52を介して接続されたエジェクタロッド24が後退し、エジェクタピンが固定されたエジェクタプレートを後退させる。これにより、エジェクタピンが後退し、該エジェクタピンの先端は可動金型の金型面から引っ込んだ状態となる。
【0052】
このように、本実施の形態においては、クロスヘッド34のアダプタ35の突出軸35bと、エジェクタロッド24に接続された接続ロッド51とが、軸方向のずれを許容する連結部材41によって連結されている。そのため、クロスヘッド34のアダプタ35の突出軸35bと接続ロッド51との軸心がずれていても、前記クロスヘッド34、ガイドバー33a、接続ロッド51等の他の部材に横方向の力が加わらず、負荷がかかることがない。
【0053】
また、接続ロッド51とエクステンションロッド52とが螺合しているので、前記接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置を調整することができる。そのため、金型装置の交換によって、可動金型からモータ11までの距離が変化した場合であっても、前記接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置を調整することによって、前記距離の変化を吸収することができる。
【0054】
さらに、前記連結部材41は、軸方向に沿って分割可能な第1部分41a及び第2部分41bから成り、該第1部分41a及び第2部分41bは、前記軸方向に対して垂直な結合ボルト44によって結合されている。そのため、オペレータは、図3に示されるような開放窓27から筒状孔26a内の空間に手を挿入して、前記結合ボルト44を締め付けたり緩めたりする作業や、連結部材41を第1部分41a及び第2部分41bに分解して取り外したり、前記第1部分41a及び第2部分41bを組み合わせて連結部材41を取り付けたりする作業を容易に短時間で行うことができる。したがって、エジェクタ装置10の取付作業、取外作業、調整、保守等を容易に短時間で行うことができる。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0056】
図5は本発明の第2の実施の形態における連結部材によるアダプタと接続ロッドとの接続構造を示す分解立体図である。
【0057】
本実施の形態においては、図5に示されるように、エクステンションロッド52が省略されている。この場合、エジェクタロッド24として、後端部に雌ねじが形成されたものを使用し、該雌ねじを接続ロッド51のねじ部51cに直接螺合させるようになっている。これにより、エクステンションロッド52を省略することができ、エジェクタ装置10の部品点数を減少させ、コストを低減することができる。なお、その他の点の構成及び動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0059】
図6は本発明の第3の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す部分断面図、図7は本発明の第3の実施の形態における連結部材による接続構造を示す横断面図であり図6のA−A矢視図である。
【0060】
前記第1及び第2の実施の形態におけるボールねじ機構では、ボールねじナットが回転不能、かつ、軸方向に移動不能であり、該ボールねじナットに螺合するボールねじ軸が回転可能、かつ、軸方向に移動可能であるのに対して、本実施の形態におけるボールねじ機構では、ボールねじナットが回転可能、かつ、軸方向に移動不能であり、該ボールねじナットに螺合するボールねじ軸が回転不能、かつ、軸方向に移動可能であるようになっている。
【0061】
図6において、金型支持装置としての可動プラテン61の後端 (図6における左端) には、取付プレート63を介して、エジェクタ装置60が取り付けられている。該エジェクタ装置60は、駆動源としてのモータ62を有し、被駆動部材としてのエジェクタロッド75を前進又は後退(図における右方向又は左方向に移動)させる。なお、エジェクタ装置60の駆動源としてのモータ62は、内部に軸受を介してハウジングに回転可能に取り付けられた中空回転軸67を有し、該中空回転軸67の回転を検出するエンコーダ62aが取り付けられている。
【0062】
そして、前記中空回転軸67の前端には、ナット支持部材としてのナットホルダ64がボルト等によって取り付けられ、前記ナットホルダ64にボールねじナット68が支持されている。そのため、前記中空回転軸67が回転するとボールねじナット68が回転する。また、該ボールねじナット68にはボールねじ軸71が螺入されている。なお、該ボールねじ軸71は、後述されるようにクロスヘッド66に取り付けられ回転不能となっている。また、前記ボールねじ軸71のボールねじナット68よりも後方の部分は、前記中空回転軸67内に相対的に回転可能、かつ、軸方向に移動可能に収納されている。これにより、前記モータ62によって中空回転軸67を介してボールねじナット68が回転させられると、ボールねじ軸71が軸方向に移動する、すなわち、前進又は後退する。
【0063】
また、前記ボールねじ軸71の前端、すなわち、前記ナットホルダ64の前面(図6における右側面)から突出した部分には、ねじ部が形成され、該ねじ部にガイドバー65に沿ってスライド可能なクロスヘッド66が取付ナット72によって取り付けられる。なお、前記ガイドバー65は、後端が前記ナットホルダ64に固定されているが、前端も可動プラテン61に固定されていることが望ましい。また、前記クロスヘッド66には前記ガイドバー65が挿入されるガイド孔が形成されている。そして、前記クロスヘッド66が前進又は後退するとき、前記ガイド孔の内周面がガイドバー65の外周面に接触して摺動するようになっている。
【0064】
ここで、前記ボールねじ軸71において前記クロスヘッド66の前面から突出した最前端には小径部が形成され、該小径部に連結部材74の側面に形成されたボールねじ軸嵌(かん)入孔76bが係合されている。また、前記連結部材74におけるボールねじ軸71と反対側の側面に形成されたエジェクタロッド嵌入孔76aは、エジェクタロッド75の後端に形成された小径部に係合されている。
【0065】
さらに、前記連結部材74には、前記ボールねじ軸71の最前端の大径フランジ部とエジェクタロッド75の最後端の大径フランジ部とを収容するフランジ収容凹部78が形成されている。そして、後述される第1部分74aと第2部分74bとを結合させた状態において、前記第1部分74aと第2部分74bとに形成されたフランジ収容凹部78は、円筒状の空間を形成する。
【0066】
なお、前記フランジ収容凹部78の内径は、前記ボールねじ軸71の最前端の大径フランジ部及びエジェクタロッド75の最後端の大径フランジ部の外径より大きい。また、エジェクタロッド嵌入孔76aの内径は、エジェクタロッド75の小径部の外径より大きくなっているが、ボールねじ軸嵌入孔76bの内径は、ボールねじ軸71の小径部の外径より小さく、連結部材74の軸心は、ボールねじ軸71の軸心を基準として確実に支持された状態となっており、したがって、連結部材74の第1部分74aと第2部分74bとは接触せず、離れた状態を維持している。そのため、エジェクタロッド75が十分にしっかりと支持された状態でなくても、駆動部に確実に支持されているボールねじ軸71に連結部材74が支持されているため、エジェクタ装置を高速で往復運動させても、主要な機構部品であるボールねじ軸71の連結部材74との係合部にヘタリ等の損傷が発生することはない。さらに、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれが許容される。すなわち、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75とが互いに軸心がずれた状態であっても、連結部材41によって連結することができる。これにより、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75とは、連結部材74によって連結される。
【0067】
なお、前記連結部材74は、図7に示されるように、軸方向に沿って図における左右に分割可能な二つの部材としての、第1部分74a及び第2部分74bから成り、該第1部分41a及び第2部分41bは前記軸方向に対して垂直な結合ボルト77によって結合されている。この場合、前記連結部材74は、全体として中空の円筒状の部材であり、前記第1部分74a及び第2部分74bは、円筒を該円筒の軸を含む平面に関して対称となるように二等分したそれぞれの部分に該当する形状を有する。なお、前記第1部分74aには、結合ボルト77の軸を挿入する挿入孔及び前記結合ボルト77の頭部を収容する大きさの座ぐり凹部77bが、それぞれ、二つ形成されている。また、前記第2部分74bには、前記第1部分74aの挿入孔に対応する位置に、前記結合ボルト77のねじ部が螺入されるねじ孔77aが二つ形成されている。なお、前記挿入孔及びねじ孔77aは軸方向に対して垂直な方向に延在する。また、前記挿入孔、座ぐり凹部77b及びねじ孔77aの数は二つ以上であってもよい。そして、前記第1部分74a及び第2部分74bの前記挿入孔、座ぐり凹部77b及びねじ孔77aを除いた箇所の形状及び寸法は互いに対称になっている。
【0068】
これにより、前記連結部材74は、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれを許容し、かつ、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との間で前進及び後退する動き、すなわち、軸方向の直線運動を伝達するようになっている。なお、本実施の形態において、前記ボールねじ軸71及びクロスヘッド66は第1の駆動力伝達部材に相当し、エジェクタロッド75は第2の駆動力伝達部材に相当し、連結部材74は第3の駆動力伝達部材に相当する。また、連結部材74は接続部材にも相当する。
【0069】
次に、前記構成のエジェクタ装置60の動作を説明する。
【0070】
まず、電流を供給してモータ62を駆動すると、中空回転軸67が回転し、ボールねじナット68が回転する。ここで、ボールねじ軸71は、前記ボールねじナット68に螺入され、かつ、前端がクロスヘッド66に取り付けられ回転不能となっているので、前記ボールねじナット68が回転すると軸方向に移動する、すなわち、前進又は後退する。なお、前進するか後退するかは、ねじの向きとボールねじナット68の回転方向によって決定されるが、ここでは、前進する場合について説明する。
【0071】
そして、ボールねじ軸71が前進すると、該ボールねじ軸71の前端に取り付けられたクロスヘッド66がガイドバー65に沿って前進する。続いて、前記ボールねじ軸71の前進する動き、すなわち、軸方向の直線運動がボールねじ軸71の前端から、連結部材74を介して、エジェクタロッド75に伝達される。この場合、前記連結部材74に形成されたエジェクタロッド嵌入孔76a及びボールねじ軸嵌入孔76bの軸方向の寸法は、ボールねじ軸71の小径部及びエジェクタロッド75の小径部の軸方向の寸法よりそれぞれわずかに大きい程度であるので、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸方向の位置がずれることがない。そのため、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との間で、がたつくことなく軸方向の直線運動が伝達される。
【0072】
また、フランジ収容凹部78の内径は、前記ボールねじ軸71の最前端の大径フランジ部及びエジェクタロッド75の最後端の大径フランジ部の外径より大きくなっている。さらに、エジェクタロッド嵌入孔76a及びボールねじ軸嵌入孔76bの内径はボールねじ軸71の小径部及びエジェクタロッド75の小径部の外径よりもそれぞれ大きくなっている。そのため、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれが許容される。そのため、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75とが互いに軸心がずれた状態であっても、前記クロスヘッド66、ガイドバー65等の部材に、軸線と垂直な方向、すなわち、横方向の力が加わることがない。
【0073】
そして、前記エジェクタロッド75が前進して、図示されないエジェクタピンが固定されたエジェクタプレートを前進させる。これにより、エジェクタピンが前進して金型装置の可動金型内部のキャビティに突出し、成形品をエジェクトする。
【0074】
続いて、前記モータ62が逆方向に回転するとボールねじナット68が逆方向に回転し、ボールねじ軸71が後退する。そして、ボールねじ軸71が後退すると、該ボールねじ軸71の前端に取り付けられたクロスヘッド66が、ガイドバー65に沿って後退する。
【0075】
続いて、前記ボールねじ軸71の後退する動きが、連結部材74を介して、エジェクタロッド75に伝達される。この場合、前記連結部材74に形成されたエジェクタロッド嵌入孔76a及びボールねじ軸嵌入孔76bの軸方向の寸法は、ボールねじ軸71の小径部及びエジェクタロッド75の小径部の軸方向の寸法よりそれぞれわずかに大きい程度であるので、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸方向の位置がずれることがない。そのため、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との間で、がたつくことなく、後退する動きが伝達される。
【0076】
そして、前記エジェクタロッド75が後退すると、エジェクタピンが固定されたエジェクタプレートが後退する。これにより、エジェクタピンが後退し、該エジェクタピンの先端は可動金型の金型面から引っ込んだ状態となる。
【0077】
このように、本実施の形態においては、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75とが、軸方向のずれを許容する連結部材74によって連結されている。そのため、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心がずれていても、前記クロスヘッド66、ガイドバー65等の他の部材に横方向の力が加わらず、負荷がかかることがない。
【0078】
また、前記連結部材74は、軸方向に沿って分割可能な第1部分74a及び第2部分74bから成り、該第1部分74a及び第2部分74bは、前記軸方向に対して垂直な結合ボルト77によって結合されている。そのため、オペレータは、前記第1の実施の形態における図3に示されるような開放窓27から筒状孔26a内の空間に手を挿入して、前記結合ボルト77を締め付けたり緩めたりする作業や、連結部材74を第1部分74a及び第2部分74bに分解して取り外したり、前記第1部分74a及び第2部分74bを組み合わせて連結部材74を取り付けたりする作業を容易に短時間で行うことができる。したがって、エジェクタ装置60の取付作業、取外作業、調整、保守等を容易に短時間で行うことができる。
【0079】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第3の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0080】
図8は本発明の第4の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す部分断面図、図9は本発明の第4の実施の形態における連結部材による接続構造を示す横断面図であり図8のB−B矢視図である。
【0081】
本実施の形態においては、前記第3の実施の形態と同様に、ボールねじナットが回転可能、かつ、軸方向に移動不能であり、該ボールねじナットに螺合するボールねじ軸が回転不能、かつ、軸方向に移動可能であるようになっている。
【0082】
本実施の形態においては、図8に示されるように、クロスヘッド66の前面に連結部材81が取付ボルト82によって取り付けられている。そして、前記連結部材81のクロスヘッド66側の面にはボールねじ軸収容凹部87が形成され、該ボールねじ軸収容凹部87内にボールねじ軸71の前端及び取付ナット72が収容される。また、前記連結部材81の前面にはエジェクタロッド挿入孔88が形成され、エジェクタロッド75の後端が挿入されている。そして、前記エジェクタロッド挿入孔88には、シャッタ挿入凹部88aが形成され、該シャッタ挿入凹部88aに挿入されたシャッタ部材83がエジェクタロッド75の小径部に係合する。これにより、連結部材81とエジェクタロッド75とは軸方向に移動不能に接続される。
【0083】
ここで、前記シャッタ部材83は、図9に示されるように、エジェクタロッド75の軸方向に対して垂直に連結部材81のシャッタ挿入凹部88aに挿入され、エジェクタロッド75の小径部に係合し、シャッタ取付ボルト86によって連結部材81に取り付けられている。なお、前記シャッタ取付ボルト86もエジェクタロッド75の軸方向に対して垂直に延在し、前記連結部材81の側方から締付等の作業を行うことができるようになっている。また、前記シャッタ部材83におけるシャッタ取付ボルト86と反対側の面には、ハンドル部材84がハンドル取付ボルト85によって取り付けられている。
【0084】
ここで、エジェクタロッド75のシャッタ収容部75bの外径は、シャッタ部材83の内径より大きく、エジェクタロッドのシャッタ収容部75bの長さ(図8における横方向の寸法)は、シャッタ部材83の幅(図8における横方向の寸法)より長くなっており、また、連結部材81の内方に形成されたエジェクタロッドフランジ収容部81aの内径は、エジェクタロッドフランジ75aの外径より大きく、連結部材81の内方に形成されたエジェクタロッドフランジ収容部81aの底部とシャッタ端面83bとの間の長さは、エジェクタロッドフランジ75aの長さより長くなっている。このように、エジェクタロッドフランジ75aの大きさは、それと係合する連結部材81とシャッタ部材83とで構成されるエジェクタロッドフランジ収容部81aの大きさよりわずかに大きくなっている。
【0085】
したがって、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれを許容することができ、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれがわずかに生じていても、前記クロスヘッド66、ガイドバー65等の部材に、軸線と垂直な方向、すなわち、横方向の力が加わることがない。
【0086】
なお、本実施の形態において、前記ボールねじ軸71及びクロスヘッド66は第1の駆動力伝達部材に相当し、エジェクタロッド75は第2の駆動力伝達部材に相当し、連結部材81は第3の駆動力伝達部材に相当する。そして、シャッタ部材83は接続部材に相当する。なお、その他の点の構成及び動作については、前記第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0087】
このように、本実施の形態においては、連結部材81とエジェクタロッド75とを接続するシャッタ部材83がエジェクタロッド75の軸方向に対して垂直にシャッタ挿入凹部88aに挿入され、シャッタ取付ボルト86もエジェクタロッド75の軸方向に対して垂直に延在し、前記連結部材81の側方から締付等の作業を行うことができるようになっている。そのため、オペレータは、前記第1の実施の形態における図3に示されるような開放窓27から筒状孔26a内の空間に手を挿入して、前記シャッタ取付ボルト86を締め付けたり緩めたりする作業や、シャッタ部材83を挿入したり取り外したりする作業を容易に短時間で行うことができる。したがって、エジェクタ装置60の取付作業、取外作業、調整、保守等を容易に短時間で行うことができる。
【0088】
なお、前記第1〜第4の実施の形態においては、エジェクタ装置が駆動源としてのモータを有する場合について説明したが、エジェクタロッドを前進又は後退させるための駆動源として、モータに代えて、油圧シリンダ装置を使用することもできる。そして、前記第1〜第4の実施の形態においては、可動プラテンが横方向(水平方向)に移動する横置型の射出成形機について説明したが、本発明のエジェクタ装置は、可動プラテンが縦方向(垂直方向)に移動する縦置型の射出成形機にも適用することができる。さらに、本発明のエジェクタ装置は、射出成形機の他に、ダイキャストマシーン、IJ封止プレス等の成形機にも適用することができる。
【0089】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0090】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、成形機のエジェクタ装置においては、金型支持装置の背面側に取り付けられた駆動源と、該駆動源によって前進又は後退させられる第1の駆動力伝達部材と、エジェクタ部材を前進又は後退させる第2の駆動力伝達部材と、前記第1の駆動力伝達部材及び第2の駆動力伝達部材に接続され、前記第1の駆動力伝達部材から第2の駆動力伝達部材に駆動力を伝達する第3の駆動力伝達部材とを有し、該第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に移動することによって、前記第1の駆動力伝達部材又は第2の駆動力伝達部材との接続を解除又は確保する接続部材を備える。
【0091】
この場合、第3の駆動力伝達部材の接続部材を移動させることができ、第1の駆動力伝達部材と第2の駆動力伝達部材との接続を容易に解除させたり、確保したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における連結部材によるアダプタと接続ロッドとの接続構造を示す分解立体図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるエジェクタ装置が取り付けられた可動プラテンの構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における連結部材によるアダプタと接続ロッドとの接続構造を示す分解立体図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す部分断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における連結部材による接続構造を示す横断面図であり図6のA−A矢視図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における連結部材による接続構造を示す横断面図であり図8のB−B矢視図である。
【符号の説明】
10、60 エジェクタ装置
11、62 モータ
12、61 可動プラテン
13 固定プラテン
24、75 エジェクタロッド
34、66 クロスヘッド
35 アダプタ
41、74、81 連結部材
41a 第1部分
41b 第2部分
51 接続ロッド
52 エクステンションロッド
71 ボールねじ軸
83 シャッタ部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形機のエジェクタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機等の成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され、溶融させられた樹脂を高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品を成形するようになっている。
【0003】
そのために、前記金型装置は固定金型及び可動金型から成り、型締装置によって前記可動金型を進退させ、前記固定金型に対して接離させることによって、型の開閉、すなわち、型閉、型締及び型開を行うことができるようになっている。
【0004】
そして、前記型締装置に、前記可動金型を進退させるためにトグル機構が配設され、該トグル機構は、駆動源として配設された電動モータ、サーボモータ等を駆動することによって作動させられる。また、前記型締装置の可動プラテンには、成形された成形品を可動金型から取り外すために、エジェクタ装置が配設され、エジェクタ駆動装置によって駆動されるエジェクタピンが前記可動金型の金型面から突出して、型開された状態で可動金型の金型面に付着している成形品をエジェクトするようになっている。
【0005】
この場合、駆動源としてのサーボモータの回転軸にはボールねじ機構が取り付けられ、該ボールねじ機構によって、前記回転軸の回転運動が往復運動に変換される。そして、前記ボールねじ機構におけるボールナット等の往復運動部材には、取付ロッドに沿って移動するクロスヘッドが取り付けられ、さらに、該クロスヘッドにはエジェクタロッドの一端が接続されている。また、該エジェクタロッドの他端は、単数又は複数のエジェクタピンの根本部分が取り付けられたエジェクタプレートに接続されている。
【0006】
ところで、エジェクタ装置の種類によっては、可動金型の内部等にリターンスプリングを備え、該リターンスプリングによって前記エジェクタプレート等を後退する方向に付勢するようになっている。この場合、前記サーボモータが逆方向に回転して前記クロスヘッドを後退させると、前記リターンスプリングの付勢力によって、前記エジェクタピン、エジェクタプレート及びエジェクタロッドが後退する。そのため、前記クロスヘッド及びエジェクタロッドの接続部、エジェクタロッド及びエジェクタプレートの接続部等の駆動力伝達部材同士の接続部は、前方に押す力だけを伝達すればよく、後方に引く力を伝達するような構成を備える必要がない。例えば、クロスヘッド及びエジェクタロッドは、接続部においてそれぞれの端面が互いに当接するようになっていればよい。しかし、リターンスプリングを備えていない種類のエジェクタ装置の場合、前記クロスヘッド及びエジェクタロッドの接続部、エジェクタロッド及びエジェクタプレートの接続部等の駆動力伝達部材同士の接続部は、前方に押す力及び後方に引く力を伝達するような構成を備える必要がある。ここでは、前記接続部が前方に押す力及び後方に引く力を伝達するような構成を備えるエジェクタ装置について説明する(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
そして、成形品が成形されて型開が行われると、前記サーボモータが一方向に所定量だけ回転する。これにより、前記クロスヘッドが所定量だけ前進して、該クロスヘッドに接続されたエジェクタロッドを前方に押すので、該エジェクタロッドは前進する。そして、該エジェクタロッドが前進すると、エジェクタプレートは、前記エジェクタロッドによって前方に押されて前進する。そのため、前記エジェクタプレートに固定されたエジェクタピンの先端が前記可動金型の金型面から所定量だけ突出して、型開された状態で可動金型の金型面に付着している成形品をエジェクトする。
【0008】
続いて、前記サーボモータが逆方向に所定量だけ回転すると、前記クロスヘッドが所定量だけ後退して、該クロスヘッドに接続されたエジェクタロッドを後方に引くので、該エジェクタロッドは後退する。そして、該エジェクタロッドが後退すると、エジェクタプレートは前記エジェクタロッドによって後方に引かれて後退する。そのため、前記エジェクタプレートに固定されたエジェクタピンも所定量だけ後退し、該エジェクタピンの先端は可動金型の金型面から引っ込んだ状態となる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−343569号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の成形機のエジェクタ装置においては、前記クロスヘッド及びエジェクタロッドの接続部、エジェクタロッド及びエジェクタプレートの接続部等の駆動力伝達部材同士の接続部が前方に押す力及び後方に引く力を伝達するような構成を備えるので、前記接続部が大型化し、駆動源としてのサーボモータから可動金型までの距離を長くする必要があった。そのため、型締装置が大型化し、成形機の全長が長大化してしまうので、コストが増加し、また、成形機の配設に広いスペースが必要となってしまう。
【0011】
また、前方に押す力及び後方に引く力を伝達するために、クロスヘッド及びエジェクタロッドは固定的に接続され、また、エジェクタロッド及びエジェクタプレートも固定的に接続されるようになっている。そのため、クロスヘッド及びエジェクタロッドの軸心がずれていたり、エジェクタロッド及びエジェクタプレートの軸心がずれていたりした場合、クロスヘッド、エジェクタロッド及びエジェクタプレートだけでなく、可動プラテン、可動金型等の部材にまで負荷がかかってしまう。さらに、前記エジェクタロッドの長さが所定値からずれていた場合にも、各部材に負荷がかかってしまう。
【0012】
本発明は、前記従来の成形機のエジェクタ装置の問題点を解決して、接続部における二つの駆動力伝達部材の軸心のずれを許容し、接続部において前記二つの駆動力伝達部材の間隔を調整することができ、前記駆動力伝達部材を容易に接続することができ、各部材に負荷がかかることのない成形機のエジェクタ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の成形機のエジェクタ装置においては、金型支持装置の背面側に取り付けられた駆動源と、該駆動源によって前進又は後退させられる第1の駆動力伝達部材と、エジェクタ部材を前進又は後退させる第2の駆動力伝達部材と、前記第1の駆動力伝達部材及び第2の駆動力伝達部材に接続され、前記第1の駆動力伝達部材から第2の駆動力伝達部材に駆動力を伝達する第3の駆動力伝達部材とを有し、該第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に移動することによって、前記第1の駆動力伝達部材又は第2の駆動力伝達部材との接続を解除又は確保する接続部材を備える。
【0014】
本発明の他の成形機のエジェクタ装置においては、さらに、前記第3の駆動力伝達部材は、前記第1の駆動力伝達部材と第2の駆動力伝達部材との軸心のずれを許容する。
【0015】
本発明の更に他の成形機のエジェクタ装置においては、さらに、前記第3の駆動力伝達部材は、前記第1の駆動力伝達部材と第2の駆動力伝達部材との間隔を調整可能な調整部材を備える。
【0016】
本発明の更に他の成形機のエジェクタ装置においては、さらに、前記第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に分割可能な複数の部材から成る。
【0017】
本発明の更に他の成形機のエジェクタ装置においては、さらに、前記第3の駆動力伝達部材は、内部にフランジを収容する円筒状の空間を備え、軸方向に対して垂直な方向に分割可能な略半円筒形状の二つの部材から成る。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明のエジェクタ装置は、各種の装置や用途に適用することができるものであるが、本実施の形態においては、説明の都合上、射出成形機に適用した場合について説明する。
【0019】
図2は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締装置の概略図である。
【0020】
図において、15はフレーム、13は該フレーム15に固定された金型支持装置としての固定プラテン、23は該固定プラテン13との間に所定の距離を置いて、前記フレーム15に対して移動自在に配設されたベースプレートとしてのトグルサポート、14は前記固定プラテン13とトグルサポート23との間に架設されたタイバー、12は前記固定プラテン13と対向させて配設され、前記タイバー14に沿って進退(図における左右方向に移動)自在に配設された金型支持装置としての可動プラテンである。そして、前記固定プラテン13における前記可動プラテン12と対向する面に図示されない固定金型が取り付けられ、また、前記可動プラテン12における前記固定プラテン13と対向する面に図示されない可動金型が取り付けられる。
【0021】
また、前記可動プラテン12の背面側 (図における左側) にはエジェクタ装置10が取り付けられる。なお、該エジェクタ装置10は、前記固定プラテン13に取り付けることもできるが、本実施の形態においては、可動プラテン12に取り付けた場合について説明する。そして、前記エジェクタ装置10は、駆動源としてのモータ11を有し、第2の駆動力伝達部材としてのエジェクタロッド24を前進又は後退(図における右方向又は左方向に移動)させる。なお、該エジェクタロッド24の先端 (図における右端) には、図示されないエジェクタプレートが接続され、該エジェクタプレートにはエジェクタ部材としての図示されないエジェクタピンが固定されている。そして、前記エジェクタロッド24が前進又は後退することによって、金型装置における可動金型内部のキャビティに突出して成形品をエジェクトするためのエジェクタピンが前進又は後退させられる。なお、図においては、前進した状態のエジェクタロッド24が示されている。ここで、前記モータ11は、いかなる種類のモータであってもよいが、サーボモータであることが望ましい。
【0022】
そして、前記可動プラテン12とトグルサポート23との間にはトグル機構18が取り付けられ、前記トグルサポート23の後端(図における左端)には射出成形機の型締用の駆動手段として、駆動装置が取り付けられる。該駆動装置は、駆動源としてのモータ11’を有し、被駆動部材としてのクロスヘッド17を進退させることによって、トグル機構18を作動させることができる。これにより、前記可動プラテン12が前進(図における右方向に移動)させられて型閉が行われるとともに、モータ11’による推進力にトグル倍率を乗じた型締力が発生させられ、該型締力によって型締が行われる。本実施の形態においては、トグル機構18を作動させることによって型締力を発生させるようにしているが、トグル機構18を使用することなく、モータ11’による推進力をそのまま型締力として可動プラテン12に伝達することもできる。
【0023】
前記トグル機構18は、前記クロスヘッド17に対して揺動自在に支持されたトグルレバー21、前記トグルサポート23に対して揺動自在に支持されたトグルレバー22、及び、前記可動プラテン12に対して揺動自在に支持されたトグルアーム16から成り、前記トグルレバー21と22との間及びトグルレバー22とトグルアーム16との間が、それぞれ、リンク結合される。
【0024】
次に、前記エジェクタ装置10について説明する。まず、前記エジェクタ装置10が取り付けられた可動プラテン12の構成について説明する。
【0025】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるエジェクタ装置が取り付けられた可動プラテンの構成を示す斜視図である。
【0026】
図3において、25は、トグルアーム16の端部が回転自在に取り付けられるトグルアーム取付部であり、可動プラテン12の金型取付板12aにおける金型取付面の反対側の面、すなわち、背面の上下に一体的に形成されている。なお、トグルアーム取付部25には、前記トグルアーム16の端部を回転自在に取り付けるための、トグルピンが挿入されるトグルピン挿入孔(こう)25aが形成されている。なお、該トグルピン挿入孔25aには、ブッシュが嵌(は)め込まれていることが望ましい。また、前記可動プラテン12のタイバー14のそれぞれに対応する位置には、ガイド手段であるタイバー14と係合するガイド孔29が複数、例えば、四つ形成される。そして、前記ガイド孔29には、図示されないブッシュが嵌め込まれ、該ブッシュの内周面がタイバー14の外周面に接触して摺(しゅう)動するようになっている。
【0027】
また、上下の前記トグルアーム取付部25は、荷重受け部連結部材26によって互いに連結される。ここで、該荷重受け部連結部材26は、断面が略矩(く)形状の筒状孔26aを備える角筒状の形状を有するものであるが、いかなる形状であってもよい。そして、前記荷重受け部連結部材26は、前記トグルアーム取付部25と一体となって前方(図3における右方)に延在し、金型取付板12aの背面に接続されている。これにより、前記トグルアーム取付部25がトグルアーム16の端部から受ける押圧荷重(前方に押し付ける荷重)は、前記荷重受け部連結部材26を介して金型取付板12aに伝達される。
【0028】
そして、前記筒状孔26a内の空間には、金型取付板12aの背面に取り付けられたエジェクタ装置10が収納される。また、前記荷重受け部連結部材26の側壁には、開放窓27が形成され、前記筒状孔26a内の空間に収納されたエジェクタ装置10の少なくとも一部を、オペレータが外部から監視することができるようになっている。さらに、本実施の形態においては、オペレータが前記開放窓27から筒状孔26a内の空間に手を挿入して、後述される連結部材41の取付作業及び取外作業を行うことができる。
【0029】
次に、前記エジェクタ装置10の構成について説明する。
【0030】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す斜視図である。
【0031】
図4に示されるように、エジェクタ装置10の駆動源としてのモータ11は、図示されない内部にステータ、軸受を介してモータ11のハウジングに回転可能に取り付けられた中空回転軸、該中空回転軸に取り付けられたロータ等を有する。なお、前記モータ11のハウジングの前端(図4における右端)は、取付部材としての取付プレート31を介して、前記可動プラテン12に取り付けられる。ここで、前記取付プレート31の中心部には、後述されるボールねじ軸及びボールねじナットが通過する孔が形成されている。なお、前記中空回転軸の後端(図4における左端)には回転検出手段としてのエンコーダ11aが取り付けられ、前記中空回転軸の回転を検出するようになっている。
【0032】
そして、該中空回転軸には、スプライン結合等の結合機構によって、ボールねじ軸の後端部分が軸方向に移動可能に、かつ、回転不能に結合されている。そのため、前記ボールねじ軸は、前記モータ11に対して軸方向に移動可能でありながら、前記モータ11によって回転させられるようになっている。また、前記ボールねじ軸の前記モータ11のハウジングの前端から突出した部分には、ボールねじが形成され、ナット支持部材としてのナットホルダ32に回転不能に支持されたナットとしての図示されないボールねじナットが螺(ら)合される。そして、前記ボールねじ軸とボールねじナットとによってボールねじ機構を構成し、前記ボールねじ軸は、モータ11によって回転させられると回転方向に応じて軸方向に進退する。ここで、前記ナットホルダ32は、中心に孔を有するフランジ部の背面(図における左側面)に円筒部材としての短い円筒部32aを取り付けた形状を有する。そして、該円筒部32a内に前記ボールねじナットが収納されている。
【0033】
また、前記ボールねじ軸の前端、すなわち、前記ナットホルダ32の前面(図における右側面)から突出した部分には、ガイドバー33aに沿ってスライド可能なクロスヘッド34が図示されない軸受を介して取り付けられる。なお、前記ガイドバー33aは、前記ナットホルダ32を取付プレート31に固定する固定ロッド33の前方に一体的に形成されているが、該固定ロッド33と別の部材であってもよい。また、前記クロスヘッド34には前記ガイドバー33aが挿入されるガイド孔34aが形成されている。そして、前記クロスヘッド34が前進又は後退するとき、前記ガイド孔34aの内周面がガイドバー33aの外周面に接触して摺動するようになっている。
【0034】
ここで、前記クロスヘッド34の前面には、ボルト等の部材によってアダプタ35が固定され、該アダプタ35には、連結部材41を介して、接続ロッド51が連結されている。なお、前記連結部材41は図において軸方向に沿って上下に分割可能な後述される二つの部材としての、第1部分41a及び第2部分41bから成り、該第1部分41a及び第2部分41bは前記軸方向に垂直な結合ボルト44によって結合されている。
【0035】
次に、前記連結部材41によるアダプタ35と接続ロッド51との接続構造について説明する。
【0036】
図1は本発明の第1の実施の形態における連結部材によるアダプタと接続ロッドとの接続構造を示す分解立体図である。
【0037】
図1に示されるように、アダプタ35の中心部には、前方に突出する突出軸35bが一体的に形成されている。なお、該突出軸35bの軸線は、前記ボールねじ軸の軸線と一致することが望ましいがずれていてもよい。そして、前記突出軸35bの先端には、該突出軸35bより大径の円板状のアダプタフランジ35aが一体的に形成されている。
【0038】
また、接続ロッド51の後端部には、該接続ロッド51より大径の円板状の接続ロッドフランジ51aが一体的に形成されている。なお、該接続ロッドフランジ51aの外径は前記アダプタフランジ35aの外径とほぼ等しい。また、前記接続ロッドフランジ51aの外周には、少なくとも二つの平坦(たん)面51bが形成されている。該平坦面51bは互いに平行であり、その間隔はJIS等の規格に定められたスパナの二面幅又はボルト頭部の二面幅の寸法に等しいことが望ましい。これにより、前記接続ロッドフランジ51aにスパナをかけて回転させることができる。
【0039】
そして、接続ロッド51のねじ部51cには、図1に示されるように、エクステンションロッド52が螺合されている。なお、該エクステンションロッド52の周面にも、少なくとも二つの平坦面52bが形成されている。該平坦面52bは互いに平行であり、その間隔はJIS等の規格に定められたスパナの二面幅又はボルト頭部の二面幅の寸法に等しいことが望ましい。これにより、前記エクステンションロッド52にスパナをかけて回転させることができる。そして、前記接続ロッド51とエクステンションロッド52とが螺合した状態において、接続ロッド51に対してエクステンションロッド52を回転させることによって、前記接続ロッド51に対してエクステンションロッド52を軸方向に移動させて位置を調整することができる。前記接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置が所定の位置となった状態でロックナット53をエクステンションロッド52に対して締め付けることによって、接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の回転が防止され、接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置がロックされる。
【0040】
また、該エクステンションロッド52のねじ孔52aにおいて、前記接続ロッド51の反対側には、前記エジェクタロッド24のねじ部が螺入される。そして、前記接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置と同様に、前記エジェクタロッド24に対するエクステンションロッド52の位置も調整してロックすることができる。そのため、前記エクステンションロッド52を介在させることによって、前記アダプタ35に対するエジェクタロッド24の位置を調整することができ、どのような金型に対しても、容易にメンテナンスを行うことができる。
【0041】
そして、連結部材41は、軸方向に沿って分割可能であり、図において軸の上方に位置する第1部分41a及び軸の下方に位置する第2部分41bとから成る。前記連結部材41は、全体として中空の円筒状の部材であり、前記第1部分41a及び第2部分41bは、円筒を該円筒の軸を含む平面に関して対称となるように二等分したそれぞれの部分に該当する形状を有する。なお、前記第1部分41aには、結合ボルト44の軸を挿入する図示されない挿入孔及び前記結合ボルト44の頭部を収容する大きさの座ぐり凹部46が二つ形成されている。また、前記第2部分41bには、前記第1部分41aの挿入孔に対応する位置に、前記結合ボルト44のねじ部が螺入されるねじ孔47が二つ形成されている。なお、前記挿入孔及びねじ孔47は軸方向に垂直な方向に延在する。また、前記挿入孔、座ぐり凹部46及びねじ孔47の数は二つ以上であってもよい。そして、前記第1部分41a及び第2部分41bの前記挿入孔、座ぐり凹部46及びねじ孔47を除いた箇所の形状及び寸法は互いに対称になっている。
【0042】
ここで、図に示されるように、第2部分41bの内部にはフランジ収容凹部42が形成されている。該フランジ収容凹部42は、アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aを収容するためのものであり、円板状のアダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aを軸を含む平面に関して対称となるように二等分した部分に適合した半円筒の側壁に該当する形状を有する。また、前記第1部分41aの内部にも、フランジ収容凹部42と同一形状のフランジ収容凹部42が形成されている。そして、前記第1部分41aと第2部分41bとを結合させた状態において、第1部分41aと第2部分41bとに形成されたフランジ収容凹部42は、円筒状の空間を形成する。なお、前記フランジ収容凹部42の内径は、前記アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aの外径より大きく、突出軸35bと接続ロッド51との軸心のずれを許容する。すなわち、軸方向の直線運動を構成するようになっている。このように、第3の駆動力伝達部材である連結部材41を構成した際に形成される係合空間は、第1の駆動力伝達部材であるアダプタ35又は第2の駆動力伝達部材である接続ロッド51の係合部よりわずかに大きいので、突出軸35bと接続ロッド51とが互いに軸心がずれた状態であっても、連結部材41によって連結することができる。
【0043】
なお、前記フランジ収容凹部42の軸方向の寸法(図1における左右方向の寸法)は、前記アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aの厚さの合計よりわずかに大きい程度であることが望ましい。これにより、突出軸35bと接続ロッド51との軸方向の位置がずれることを防止して、突出軸35bと接続ロッド51との間で、大きくがたつくことなく軸方向の直線運動を伝達することができる。
【0044】
また、前記第2部分41bの前端及び後端の壁部材43は、それぞれ、全体として中空の円筒状である連結部材41における円筒の底面を二等分した半円状の形状を備え、半円状の切欠部43aを備える。また、前記第1部分41aも、前記第2部分41bと同様に、前端及び後端の壁部材43は、円筒の底面を二等分した半円状の形状を備え、半円状の切欠部43aを備える。そして、前記第1部分41aと第2部分41bとを結合させた状態において、第1部分41a及び第2部分41bの壁部材43は、切欠部43aから成る円形の孔を中心に備えた円形の壁を形成する。なお、前記切欠部43aの内径は、前記アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aの外径より小さく、突出軸35b及び接続ロッド51の外径の両方より大きくなっている。これにより、突出軸35bと接続ロッド51との軸心のずれを許容し、かつ、前記アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aを壁部材43によって係止して、突出軸35bと接続ロッド51との間で前進及び後退する動き、すなわち、軸方向の直線運動を伝達するようになっている。
【0045】
次に、前記構成の駆動装置の動作を説明する。
【0046】
まず、電流を供給してモータ11を駆動すると、図示されないボールねじ軸が回転する。ここで、該ボールねじ軸は、図示されないボールねじナットに螺入され、かつ、該ボールねじナットはナットホルダ32に支持され、回転不能、かつ、ボールねじ軸の軸方向に移動不能となっている。したがって、前記ボールねじ軸自体が、回転することによって軸方向に移動する、すなわち、前進又は後退する。なお、前進するか後退するかは、ねじの向きとボールねじ軸の回転方向によって決定されるが、まず、前進する場合について説明する。
【0047】
そして、ボールねじ軸が前進すると、該ボールねじ軸の前端に軸受を介して取り付けられたクロスヘッド34が、ガイドバー33aに沿って前進する。なお、前記ボールねじ軸とクロスヘッド34とは、互いに回転可能であるが、軸方向に互いに移動不能に結合され、かつ、前記クロスヘッド34はガイドバー33aによって回り止めされているので、前記ボールねじ軸の回転は、被駆動部材である前記クロスヘッド34に伝達されることがない。
【0048】
そして、前記接続ロッド51が前進すると該接続ロッド51にエクステンションロッド52を介して接続されたエジェクタロッド24が前進し、図示されないエジェクタピンが固定されたエジェクタプレートを前進させる。これにより、エジェクタピンが前進して金型装置の可動金型内部のキャビティに突出し、キャビティ内の成形品をエジェクトする。
【0049】
続いて、前記モータ11が逆方向に回転するとボールねじ軸が逆方向に回転して後退する。そして、ボールねじ軸が後退すると、前記ボールねじ軸の前端に軸受を介して取り付けられたクロスヘッド34が、ガイドバー33aに沿って後退する。
【0050】
それに伴い、前記クロスヘッド34の後退する動きがアダプタ35から、連結部材41を介して、接続ロッド51に伝達される。この場合、前記連結部材41に形成されたフランジ収容凹部42の軸方向の寸法が、アダプタフランジ35a及び接続ロッドフランジ51aの厚さの合計よりわずかに大きい程度であるので、アダプタ35の突出軸35bと接続ロッド51との軸方向の位置がずれることがない。そのため、前記アダプタ35と接続ロッド51との間で、大きくがたつくことなく後退する動きが伝達される。
【0051】
そして、前記接続ロッド51が後退すると該接続ロッド51にエクステンションロッド52を介して接続されたエジェクタロッド24が後退し、エジェクタピンが固定されたエジェクタプレートを後退させる。これにより、エジェクタピンが後退し、該エジェクタピンの先端は可動金型の金型面から引っ込んだ状態となる。
【0052】
このように、本実施の形態においては、クロスヘッド34のアダプタ35の突出軸35bと、エジェクタロッド24に接続された接続ロッド51とが、軸方向のずれを許容する連結部材41によって連結されている。そのため、クロスヘッド34のアダプタ35の突出軸35bと接続ロッド51との軸心がずれていても、前記クロスヘッド34、ガイドバー33a、接続ロッド51等の他の部材に横方向の力が加わらず、負荷がかかることがない。
【0053】
また、接続ロッド51とエクステンションロッド52とが螺合しているので、前記接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置を調整することができる。そのため、金型装置の交換によって、可動金型からモータ11までの距離が変化した場合であっても、前記接続ロッド51に対するエクステンションロッド52の位置を調整することによって、前記距離の変化を吸収することができる。
【0054】
さらに、前記連結部材41は、軸方向に沿って分割可能な第1部分41a及び第2部分41bから成り、該第1部分41a及び第2部分41bは、前記軸方向に対して垂直な結合ボルト44によって結合されている。そのため、オペレータは、図3に示されるような開放窓27から筒状孔26a内の空間に手を挿入して、前記結合ボルト44を締め付けたり緩めたりする作業や、連結部材41を第1部分41a及び第2部分41bに分解して取り外したり、前記第1部分41a及び第2部分41bを組み合わせて連結部材41を取り付けたりする作業を容易に短時間で行うことができる。したがって、エジェクタ装置10の取付作業、取外作業、調整、保守等を容易に短時間で行うことができる。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0056】
図5は本発明の第2の実施の形態における連結部材によるアダプタと接続ロッドとの接続構造を示す分解立体図である。
【0057】
本実施の形態においては、図5に示されるように、エクステンションロッド52が省略されている。この場合、エジェクタロッド24として、後端部に雌ねじが形成されたものを使用し、該雌ねじを接続ロッド51のねじ部51cに直接螺合させるようになっている。これにより、エクステンションロッド52を省略することができ、エジェクタ装置10の部品点数を減少させ、コストを低減することができる。なお、その他の点の構成及び動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0059】
図6は本発明の第3の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す部分断面図、図7は本発明の第3の実施の形態における連結部材による接続構造を示す横断面図であり図6のA−A矢視図である。
【0060】
前記第1及び第2の実施の形態におけるボールねじ機構では、ボールねじナットが回転不能、かつ、軸方向に移動不能であり、該ボールねじナットに螺合するボールねじ軸が回転可能、かつ、軸方向に移動可能であるのに対して、本実施の形態におけるボールねじ機構では、ボールねじナットが回転可能、かつ、軸方向に移動不能であり、該ボールねじナットに螺合するボールねじ軸が回転不能、かつ、軸方向に移動可能であるようになっている。
【0061】
図6において、金型支持装置としての可動プラテン61の後端 (図6における左端) には、取付プレート63を介して、エジェクタ装置60が取り付けられている。該エジェクタ装置60は、駆動源としてのモータ62を有し、被駆動部材としてのエジェクタロッド75を前進又は後退(図における右方向又は左方向に移動)させる。なお、エジェクタ装置60の駆動源としてのモータ62は、内部に軸受を介してハウジングに回転可能に取り付けられた中空回転軸67を有し、該中空回転軸67の回転を検出するエンコーダ62aが取り付けられている。
【0062】
そして、前記中空回転軸67の前端には、ナット支持部材としてのナットホルダ64がボルト等によって取り付けられ、前記ナットホルダ64にボールねじナット68が支持されている。そのため、前記中空回転軸67が回転するとボールねじナット68が回転する。また、該ボールねじナット68にはボールねじ軸71が螺入されている。なお、該ボールねじ軸71は、後述されるようにクロスヘッド66に取り付けられ回転不能となっている。また、前記ボールねじ軸71のボールねじナット68よりも後方の部分は、前記中空回転軸67内に相対的に回転可能、かつ、軸方向に移動可能に収納されている。これにより、前記モータ62によって中空回転軸67を介してボールねじナット68が回転させられると、ボールねじ軸71が軸方向に移動する、すなわち、前進又は後退する。
【0063】
また、前記ボールねじ軸71の前端、すなわち、前記ナットホルダ64の前面(図6における右側面)から突出した部分には、ねじ部が形成され、該ねじ部にガイドバー65に沿ってスライド可能なクロスヘッド66が取付ナット72によって取り付けられる。なお、前記ガイドバー65は、後端が前記ナットホルダ64に固定されているが、前端も可動プラテン61に固定されていることが望ましい。また、前記クロスヘッド66には前記ガイドバー65が挿入されるガイド孔が形成されている。そして、前記クロスヘッド66が前進又は後退するとき、前記ガイド孔の内周面がガイドバー65の外周面に接触して摺動するようになっている。
【0064】
ここで、前記ボールねじ軸71において前記クロスヘッド66の前面から突出した最前端には小径部が形成され、該小径部に連結部材74の側面に形成されたボールねじ軸嵌(かん)入孔76bが係合されている。また、前記連結部材74におけるボールねじ軸71と反対側の側面に形成されたエジェクタロッド嵌入孔76aは、エジェクタロッド75の後端に形成された小径部に係合されている。
【0065】
さらに、前記連結部材74には、前記ボールねじ軸71の最前端の大径フランジ部とエジェクタロッド75の最後端の大径フランジ部とを収容するフランジ収容凹部78が形成されている。そして、後述される第1部分74aと第2部分74bとを結合させた状態において、前記第1部分74aと第2部分74bとに形成されたフランジ収容凹部78は、円筒状の空間を形成する。
【0066】
なお、前記フランジ収容凹部78の内径は、前記ボールねじ軸71の最前端の大径フランジ部及びエジェクタロッド75の最後端の大径フランジ部の外径より大きい。また、エジェクタロッド嵌入孔76aの内径は、エジェクタロッド75の小径部の外径より大きくなっているが、ボールねじ軸嵌入孔76bの内径は、ボールねじ軸71の小径部の外径より小さく、連結部材74の軸心は、ボールねじ軸71の軸心を基準として確実に支持された状態となっており、したがって、連結部材74の第1部分74aと第2部分74bとは接触せず、離れた状態を維持している。そのため、エジェクタロッド75が十分にしっかりと支持された状態でなくても、駆動部に確実に支持されているボールねじ軸71に連結部材74が支持されているため、エジェクタ装置を高速で往復運動させても、主要な機構部品であるボールねじ軸71の連結部材74との係合部にヘタリ等の損傷が発生することはない。さらに、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれが許容される。すなわち、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75とが互いに軸心がずれた状態であっても、連結部材41によって連結することができる。これにより、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75とは、連結部材74によって連結される。
【0067】
なお、前記連結部材74は、図7に示されるように、軸方向に沿って図における左右に分割可能な二つの部材としての、第1部分74a及び第2部分74bから成り、該第1部分41a及び第2部分41bは前記軸方向に対して垂直な結合ボルト77によって結合されている。この場合、前記連結部材74は、全体として中空の円筒状の部材であり、前記第1部分74a及び第2部分74bは、円筒を該円筒の軸を含む平面に関して対称となるように二等分したそれぞれの部分に該当する形状を有する。なお、前記第1部分74aには、結合ボルト77の軸を挿入する挿入孔及び前記結合ボルト77の頭部を収容する大きさの座ぐり凹部77bが、それぞれ、二つ形成されている。また、前記第2部分74bには、前記第1部分74aの挿入孔に対応する位置に、前記結合ボルト77のねじ部が螺入されるねじ孔77aが二つ形成されている。なお、前記挿入孔及びねじ孔77aは軸方向に対して垂直な方向に延在する。また、前記挿入孔、座ぐり凹部77b及びねじ孔77aの数は二つ以上であってもよい。そして、前記第1部分74a及び第2部分74bの前記挿入孔、座ぐり凹部77b及びねじ孔77aを除いた箇所の形状及び寸法は互いに対称になっている。
【0068】
これにより、前記連結部材74は、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれを許容し、かつ、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との間で前進及び後退する動き、すなわち、軸方向の直線運動を伝達するようになっている。なお、本実施の形態において、前記ボールねじ軸71及びクロスヘッド66は第1の駆動力伝達部材に相当し、エジェクタロッド75は第2の駆動力伝達部材に相当し、連結部材74は第3の駆動力伝達部材に相当する。また、連結部材74は接続部材にも相当する。
【0069】
次に、前記構成のエジェクタ装置60の動作を説明する。
【0070】
まず、電流を供給してモータ62を駆動すると、中空回転軸67が回転し、ボールねじナット68が回転する。ここで、ボールねじ軸71は、前記ボールねじナット68に螺入され、かつ、前端がクロスヘッド66に取り付けられ回転不能となっているので、前記ボールねじナット68が回転すると軸方向に移動する、すなわち、前進又は後退する。なお、前進するか後退するかは、ねじの向きとボールねじナット68の回転方向によって決定されるが、ここでは、前進する場合について説明する。
【0071】
そして、ボールねじ軸71が前進すると、該ボールねじ軸71の前端に取り付けられたクロスヘッド66がガイドバー65に沿って前進する。続いて、前記ボールねじ軸71の前進する動き、すなわち、軸方向の直線運動がボールねじ軸71の前端から、連結部材74を介して、エジェクタロッド75に伝達される。この場合、前記連結部材74に形成されたエジェクタロッド嵌入孔76a及びボールねじ軸嵌入孔76bの軸方向の寸法は、ボールねじ軸71の小径部及びエジェクタロッド75の小径部の軸方向の寸法よりそれぞれわずかに大きい程度であるので、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸方向の位置がずれることがない。そのため、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との間で、がたつくことなく軸方向の直線運動が伝達される。
【0072】
また、フランジ収容凹部78の内径は、前記ボールねじ軸71の最前端の大径フランジ部及びエジェクタロッド75の最後端の大径フランジ部の外径より大きくなっている。さらに、エジェクタロッド嵌入孔76a及びボールねじ軸嵌入孔76bの内径はボールねじ軸71の小径部及びエジェクタロッド75の小径部の外径よりもそれぞれ大きくなっている。そのため、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれが許容される。そのため、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75とが互いに軸心がずれた状態であっても、前記クロスヘッド66、ガイドバー65等の部材に、軸線と垂直な方向、すなわち、横方向の力が加わることがない。
【0073】
そして、前記エジェクタロッド75が前進して、図示されないエジェクタピンが固定されたエジェクタプレートを前進させる。これにより、エジェクタピンが前進して金型装置の可動金型内部のキャビティに突出し、成形品をエジェクトする。
【0074】
続いて、前記モータ62が逆方向に回転するとボールねじナット68が逆方向に回転し、ボールねじ軸71が後退する。そして、ボールねじ軸71が後退すると、該ボールねじ軸71の前端に取り付けられたクロスヘッド66が、ガイドバー65に沿って後退する。
【0075】
続いて、前記ボールねじ軸71の後退する動きが、連結部材74を介して、エジェクタロッド75に伝達される。この場合、前記連結部材74に形成されたエジェクタロッド嵌入孔76a及びボールねじ軸嵌入孔76bの軸方向の寸法は、ボールねじ軸71の小径部及びエジェクタロッド75の小径部の軸方向の寸法よりそれぞれわずかに大きい程度であるので、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸方向の位置がずれることがない。そのため、前記ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との間で、がたつくことなく、後退する動きが伝達される。
【0076】
そして、前記エジェクタロッド75が後退すると、エジェクタピンが固定されたエジェクタプレートが後退する。これにより、エジェクタピンが後退し、該エジェクタピンの先端は可動金型の金型面から引っ込んだ状態となる。
【0077】
このように、本実施の形態においては、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75とが、軸方向のずれを許容する連結部材74によって連結されている。そのため、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心がずれていても、前記クロスヘッド66、ガイドバー65等の他の部材に横方向の力が加わらず、負荷がかかることがない。
【0078】
また、前記連結部材74は、軸方向に沿って分割可能な第1部分74a及び第2部分74bから成り、該第1部分74a及び第2部分74bは、前記軸方向に対して垂直な結合ボルト77によって結合されている。そのため、オペレータは、前記第1の実施の形態における図3に示されるような開放窓27から筒状孔26a内の空間に手を挿入して、前記結合ボルト77を締め付けたり緩めたりする作業や、連結部材74を第1部分74a及び第2部分74bに分解して取り外したり、前記第1部分74a及び第2部分74bを組み合わせて連結部材74を取り付けたりする作業を容易に短時間で行うことができる。したがって、エジェクタ装置60の取付作業、取外作業、調整、保守等を容易に短時間で行うことができる。
【0079】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第3の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0080】
図8は本発明の第4の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す部分断面図、図9は本発明の第4の実施の形態における連結部材による接続構造を示す横断面図であり図8のB−B矢視図である。
【0081】
本実施の形態においては、前記第3の実施の形態と同様に、ボールねじナットが回転可能、かつ、軸方向に移動不能であり、該ボールねじナットに螺合するボールねじ軸が回転不能、かつ、軸方向に移動可能であるようになっている。
【0082】
本実施の形態においては、図8に示されるように、クロスヘッド66の前面に連結部材81が取付ボルト82によって取り付けられている。そして、前記連結部材81のクロスヘッド66側の面にはボールねじ軸収容凹部87が形成され、該ボールねじ軸収容凹部87内にボールねじ軸71の前端及び取付ナット72が収容される。また、前記連結部材81の前面にはエジェクタロッド挿入孔88が形成され、エジェクタロッド75の後端が挿入されている。そして、前記エジェクタロッド挿入孔88には、シャッタ挿入凹部88aが形成され、該シャッタ挿入凹部88aに挿入されたシャッタ部材83がエジェクタロッド75の小径部に係合する。これにより、連結部材81とエジェクタロッド75とは軸方向に移動不能に接続される。
【0083】
ここで、前記シャッタ部材83は、図9に示されるように、エジェクタロッド75の軸方向に対して垂直に連結部材81のシャッタ挿入凹部88aに挿入され、エジェクタロッド75の小径部に係合し、シャッタ取付ボルト86によって連結部材81に取り付けられている。なお、前記シャッタ取付ボルト86もエジェクタロッド75の軸方向に対して垂直に延在し、前記連結部材81の側方から締付等の作業を行うことができるようになっている。また、前記シャッタ部材83におけるシャッタ取付ボルト86と反対側の面には、ハンドル部材84がハンドル取付ボルト85によって取り付けられている。
【0084】
ここで、エジェクタロッド75のシャッタ収容部75bの外径は、シャッタ部材83の内径より大きく、エジェクタロッドのシャッタ収容部75bの長さ(図8における横方向の寸法)は、シャッタ部材83の幅(図8における横方向の寸法)より長くなっており、また、連結部材81の内方に形成されたエジェクタロッドフランジ収容部81aの内径は、エジェクタロッドフランジ75aの外径より大きく、連結部材81の内方に形成されたエジェクタロッドフランジ収容部81aの底部とシャッタ端面83bとの間の長さは、エジェクタロッドフランジ75aの長さより長くなっている。このように、エジェクタロッドフランジ75aの大きさは、それと係合する連結部材81とシャッタ部材83とで構成されるエジェクタロッドフランジ収容部81aの大きさよりわずかに大きくなっている。
【0085】
したがって、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれを許容することができ、ボールねじ軸71とエジェクタロッド75との軸心のずれがわずかに生じていても、前記クロスヘッド66、ガイドバー65等の部材に、軸線と垂直な方向、すなわち、横方向の力が加わることがない。
【0086】
なお、本実施の形態において、前記ボールねじ軸71及びクロスヘッド66は第1の駆動力伝達部材に相当し、エジェクタロッド75は第2の駆動力伝達部材に相当し、連結部材81は第3の駆動力伝達部材に相当する。そして、シャッタ部材83は接続部材に相当する。なお、その他の点の構成及び動作については、前記第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0087】
このように、本実施の形態においては、連結部材81とエジェクタロッド75とを接続するシャッタ部材83がエジェクタロッド75の軸方向に対して垂直にシャッタ挿入凹部88aに挿入され、シャッタ取付ボルト86もエジェクタロッド75の軸方向に対して垂直に延在し、前記連結部材81の側方から締付等の作業を行うことができるようになっている。そのため、オペレータは、前記第1の実施の形態における図3に示されるような開放窓27から筒状孔26a内の空間に手を挿入して、前記シャッタ取付ボルト86を締め付けたり緩めたりする作業や、シャッタ部材83を挿入したり取り外したりする作業を容易に短時間で行うことができる。したがって、エジェクタ装置60の取付作業、取外作業、調整、保守等を容易に短時間で行うことができる。
【0088】
なお、前記第1〜第4の実施の形態においては、エジェクタ装置が駆動源としてのモータを有する場合について説明したが、エジェクタロッドを前進又は後退させるための駆動源として、モータに代えて、油圧シリンダ装置を使用することもできる。そして、前記第1〜第4の実施の形態においては、可動プラテンが横方向(水平方向)に移動する横置型の射出成形機について説明したが、本発明のエジェクタ装置は、可動プラテンが縦方向(垂直方向)に移動する縦置型の射出成形機にも適用することができる。さらに、本発明のエジェクタ装置は、射出成形機の他に、ダイキャストマシーン、IJ封止プレス等の成形機にも適用することができる。
【0089】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0090】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、成形機のエジェクタ装置においては、金型支持装置の背面側に取り付けられた駆動源と、該駆動源によって前進又は後退させられる第1の駆動力伝達部材と、エジェクタ部材を前進又は後退させる第2の駆動力伝達部材と、前記第1の駆動力伝達部材及び第2の駆動力伝達部材に接続され、前記第1の駆動力伝達部材から第2の駆動力伝達部材に駆動力を伝達する第3の駆動力伝達部材とを有し、該第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に移動することによって、前記第1の駆動力伝達部材又は第2の駆動力伝達部材との接続を解除又は確保する接続部材を備える。
【0091】
この場合、第3の駆動力伝達部材の接続部材を移動させることができ、第1の駆動力伝達部材と第2の駆動力伝達部材との接続を容易に解除させたり、確保したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における連結部材によるアダプタと接続ロッドとの接続構造を示す分解立体図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるエジェクタ装置が取り付けられた可動プラテンの構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における連結部材によるアダプタと接続ロッドとの接続構造を示す分解立体図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す部分断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における連結部材による接続構造を示す横断面図であり図6のA−A矢視図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態におけるエジェクタ装置の構成を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における連結部材による接続構造を示す横断面図であり図8のB−B矢視図である。
【符号の説明】
10、60 エジェクタ装置
11、62 モータ
12、61 可動プラテン
13 固定プラテン
24、75 エジェクタロッド
34、66 クロスヘッド
35 アダプタ
41、74、81 連結部材
41a 第1部分
41b 第2部分
51 接続ロッド
52 エクステンションロッド
71 ボールねじ軸
83 シャッタ部材
Claims (5)
- (a)金型支持装置の背面側に取り付けられた駆動源と、
(b)該駆動源によって前進又は後退させられる第1の駆動力伝達部材と、
(c)エジェクタ部材を前進又は後退させる第2の駆動力伝達部材と、
(d)前記第1の駆動力伝達部材及び第2の駆動力伝達部材に接続され、前記第1の駆動力伝達部材から第2の駆動力伝達部材に駆動力を伝達する第3の駆動力伝達部材とを有し、
(e)該第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に移動することによって、前記第1の駆動力伝達部材又は第2の駆動力伝達部材との接続を解除又は確保する接続部材を備えることを特徴とする成形機のエジェクタ装置。 - 前記第3の駆動力伝達部材は、前記第1の駆動力伝達部材と第2の駆動力伝達部材との軸心のずれを許容する請求項1に記載の成形機のエジェクタ装置。
- 前記第3の駆動力伝達部材は、前記第1の駆動力伝達部材と第2の駆動力伝達部材との間隔を調整可能な調整部材を備える請求項1又は2に記載の成形機のエジェクタ装置。
- 前記第3の駆動力伝達部材は、軸方向に対して垂直な方向に分割可能な複数の部材から成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形機のエジェクタ装置。
- 前記第3の駆動力伝達部材は、内部にフランジを収容する円筒状の空間を備え、軸方向に対して垂直な方向に分割可能な略半円筒形状の二つの部材から成る請求項4に記載の成形機のエジェクタ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003030523A JP2004237640A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 成形機のエジェクタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003030523A JP2004237640A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 成形機のエジェクタ装置 |
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JP2004237640A true JP2004237640A (ja) | 2004-08-26 |
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Family Applications (1)
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JP2003030523A Withdrawn JP2004237640A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 成形機のエジェクタ装置 |
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JP (1) | JP2004237640A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018171811A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 住友重機械工業株式会社 | 射出成形機 |
KR20190114804A (ko) | 2018-03-30 | 2019-10-10 | 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 | 사출 성형기의 이젝터로드 조정 방법 |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030523A patent/JP2004237640A/ja not_active Withdrawn
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KR20190114804A (ko) | 2018-03-30 | 2019-10-10 | 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 | 사출 성형기의 이젝터로드 조정 방법 |
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