JP2004237514A - 感熱記録用コート剤及び感熱記録用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発色剤成分(A)、分子量又は数平均分子量が500〜3000の有機系高分子である顕色剤成分(B)、光硬化性樹脂成分(C)及び光硬化剤成分(D)を含有する感熱記録用印刷コート剤を用いる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録層を光硬化反応により形成するためのコート剤及び該コート剤を基体上に塗布、光硬化して得られる感熱記録層を有する感熱記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録方式は、ファクシミリ、テレックス、プリンターなどの通信情報機器の記録表示、或いは、乗車券等自動販売機、プリペイドカード、レシート、商品ラベル、定期券、伝票類、各種カード類に記録されるバーコードや文字表示など、巾広い分野で普及している。この方式は、ワイヤドット印字方式や熱転写印字方式などと比較してコンパクトな装置で印字ができ、機器の保守も容易で低コストという特徴がある。
【0003】
光硬化性樹脂を用いて、基体の一部分或いは全体に感熱記録層を形成する技術については、特許文献1〜4に、ロイコ染料に代表される塩基性染料からなる発色剤とこれを発色させる顕色剤を用いたものが報告されている。(例えば特許文献1〜4参照。)。
【0004】
しかしながら、従来のコート剤は、光硬化型樹脂として使用される光重合性モノマーや光重合性プレポリマーが、発色剤や顕色剤に対する溶解性の高いものが多く、混合時又は保存中に発色剤と顕色剤の混合物が発色する、また、コート時の光硬化の際の発熱により発色する等の理由により、得られる感熱記録用シートの色調が悪いという問題点がある。
【0005】
また、本発明に係る、分子量(MW)又は数平均分子量(Mn)500〜3000以上の高分子顕色剤は、文献に記載されているが、光硬化剤によるコーティングについては記載がない。(特許文献5〜6参照)
【0006】
【特許文献1】
公開特許平4−91172号公報(請求項1〜4、第4頁左上欄下から3行目−同頁右下欄下から2行、第4頁右下欄最下行−第5頁9行目、実施例1−3)
【特許文献2】
公開特許平5−131785号公報(請求項1、段落番号[0017]、段落番号[0019])
【特許文献3】
公開特許平5−278342号公報(請求項1、段落番号[0017]−[0019]、段落番号[0021])
【特許文献4】
公開特許平7−61136号公報(請求項1〜5、段落番号[0024]、段落番号[0025])
【特許文献5】
公開特許平8−333329号公報(請求項1〜5、段落番号[0024]−[0028])
【特許文献6】
WO9951444号公報(請求項1〜5、第8−15頁に記載された化合物No.1−49、第27−32頁に記載された製造例1−11、第33−46頁に記載された実施例1−6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、感熱記録層を光硬化反応により形成した色調の良好な感熱記録用シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、検討を重ねた結果、発色剤成分、分子量500〜3000の有機系顕色剤成分、光硬化性樹脂成分及び光硬化剤成分からなる感熱記録用印刷コート剤により、上記の問題点を解決し得ることを知見し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明の第1は、発色剤成分(A)、顕色剤成分(B)、光硬化性樹脂成分(C)及び光硬化剤成分(D)を必須成分として含有してなる感熱記録用印刷コート剤であり、顕色剤成分(B)が分子量又は数平均分子量500〜3000の有機系高分子顕色剤である感熱記録用コート剤を提供する。
本発明の第2は、更に、環構造中に窒素原子を有する脂環式アミン系化合物及び/又は脂環式アミド系化合物からなる着色防止剤成分(E)を含有してなる本発明の第1に記載の感熱記録用コート剤を提供する。
本発明の第3は、光硬化性樹脂成分(C)が、(メタ)アクリレート系樹脂を50質量%以上含有するものである本発明の第1又は2に記載の感熱記録用コート剤を提供する。
本発明の第4は、本発明の第1〜3のいずれかに記載の感熱記録用コート剤を、基体の片面又は両面の全面或いは部分に塗布し、光硬化してなる感熱記録用シートを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係る発色剤成分(A)について説明する。
本発明に係る発色剤成分(A)とは、顕色剤の顕色基と反応することで呈色する染料化合物の一種類又は二種類以上の混合物からなる。発色剤成分に用いられる塩基性染料は、特に制限を受けずに、感熱記録に用いることができるものを使用してよい。具体的には、以下に示す化合物(i)〜(viii)等が挙げられる。
【0011】
(i)3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル−3−インドリル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル−3−インドリル)フタリド、3,3−ビス(9−エチル−3−カルバゾリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル−3−インドリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス〔2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリドなどのトリアリールメタン系化合物;
【0012】
(ii)4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系化合物;
【0013】
(iii)ローダミン−β−アニリノラクタム、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピルアミノ)フルオラン、6−ジエチルアミノ−3−メチル−2−(2,6−キリジノ)−フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(4−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,4−ジアニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(4−アミノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、9−(ジエチルアミノ)−スピロ[12H]−ベンゾ[a]キサンテン−12,1’(3H)−イソベンゾフラン]−3’−オン、9−エチル(3−メチルブチル)アミノ−スピロ[12H]−ベンゾ[a]キサンテン−12,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−3’−オン、2’−アニリノ−3’−メチル−6’−ジペンチルアミノスピロ(イソベンゾフラン−1(1H),9’−キサンテン)−3−オン、3−メトキシ−6−メトキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオランなどのキサンテン系化合物;
【0014】
(iv)ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなどのチアジン系化合物;
(v)3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロジベンゾピランなどのスピロ系化合物;
(vi)その他3,5’,6−トリス(ジメチルアミノ)−スピロ〔9H−フルオレン−9,1’−(3’H)−イソベンゾフラン〕−3’−オン、1,1−ビス〔2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロ(3H)イソベンゾフラン−3−オン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3’−フタリド]等のフェノキサジン誘導体;
【0015】
(vii)スチリルキノリン系誘導体;
(viii)脂肪族第二鉄等のキレート発色剤。
【0016】
次に、本発明に係る顕色剤成分(B)について説明する。
本発明に係る顕色剤成分(B)とは、発色剤に対して、電子受容性の酸として働き、発色させるものであり、分子量、数平均分子量(以下(数平均)分子量と記載する。)が500〜3000の有機系高分子顕色剤の一種類又は二種類以上の混合物からなる。顕色剤の(数平均)分子量は500より小さいと、コート剤調合時或いは光硬化時に発色による色調の変化を抑制できず、得られる感熱記録用シートの色調が悪くなる。また、(数平均)分子量が3000より大きくなると、コート剤中での分散性が悪くなるので、得られる感熱記録用シートを発色させた記録部分に、抜けや薄い個所が現れ、良好な記録状態を得ることができない。
【0017】
上記の有機系顕色剤としては、商品名D−90(日本曹達社)として知られるヒドロキシフェニルスルホン酸誘導体、商品名アデカアークルズK−5(旭電化工業社)として知られる脂肪族ポリオールと4−ヒドロキシル安息香酸の縮合物、p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール性の顕色剤;下記式で表されるような、アミド系の顕色剤が挙げられる。
【0018】
【化1】
【0019】
上記の高分子顕色剤の中でも、フェノール性の顕色剤が、感熱記録用コート剤の保存安定性がよいので好ましい。また、(数平均)分子量が、1000〜2000のものが、得られる感熱記録用シートの記録の保存安定性が良好なので好ましい。
【0020】
次に本発明に係る光硬化性樹脂成分(C)について説明する。
本発明に係る光硬化性樹脂成分(C)とは、紫外線等の放射線により、光硬化剤の作用により重合する光重合性モノマー及び/又は光重合性プレポリマーの1種類又は2種類以上の混合物からなる。光重合性モノマー、光重合性プレポリマーは、特に制限を受けず、周知一般のものを使用してよい。
【0021】
光硬化性樹脂成分(C)の配合は、硬化後の感熱記録層の強度が得られるように調整される。光重合性モノマーは、光重合性プレポリマーの粘度が高すぎる場合や硬化皮膜の硬度を調整したり、硬化速度を調整する必要がある場合に使用される。光重合性プレポリマーは樹脂骨格の基本成分であり、本発明の感熱記録用コート剤においては、光重合性プレポリマー100質量部に対して、光重合性モノマーは、5〜500質量部が好ましい。
【0022】
上記の光重合性モノマーとしては、(a)エチレン性不飽和モノ又はポリカルボン酸等で代表されるカルボキシル基含有単量体及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のカルボン酸塩基含有単量体;(b)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又はアルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有単量体;(c)脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸類で代表されるスルホン酸基含有単量体及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のスルホン酸塩基含有単量体;(d)エチレン性不飽和エーテル等で代表される水酸基含有単量体;(e)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート−2−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;(f)4級アンモニウム塩基含有単量体;(g)エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル;(h)(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;(i)スチレン;(j)酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等のエチレン性不飽和アルコールのエステル;(k)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類;(l)多塩基酸と不飽和アルコールとのジエステルで代表されるエステル基含有2官能単量体;(m)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる2官能単量体;(n)N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド;(o)ジビニルベンゼン、ジビニルエチレングリコール、ジビニルスルホン、ジビニルエーテル、ジビニルケトン等の2官能単量体;(p)ポリカルボン酸と不飽和アルコールとのポリエステルで代表されるエステル基含有多官能単量体;(q)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルよりなる多官能単量体;(r)トリビニルベンゼンのような多官能不飽和単量体等が挙げられる。
【0023】
上記の光重合性プレポリマーとしては、(a’)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族の2〜6価の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート;(b’)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族の2〜6価の多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた形の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;(c’)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル;(d’)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート;(e’)エポキシポリ(メタ)アクリレート;(f’)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート;(g’)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート;(h’)ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート;(i’)側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル系又はジエン系低重合体;(j’)前記(a’)〜(i’)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物等が挙げられる。
【0024】
上記の他には、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、トリアリルシアヌレート、ジアリリデンペンタエリスリット等のアリル化合物やビニル化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−メルカプトプロピオネート)等のチオール化合物等を用いてもよい。
【0025】
光硬化性樹脂成分(C)は、1種類でもよい場合があるが、通常、コート剤として必要な物性(塗布性、硬化後の機械的強度や柔軟性等)を得るために2種類以上の光重合性樹脂を混合して用いる。従って、各成分については、光による硬化挙動が近似しているものが好ましい。(メタ)アクリレート系樹脂の光重合性樹脂は、重合基を揃えることで光重合の挙動を容易にあわせることができ、エステル成分でコート剤としての物性調整を行うことができるので好適である。光硬化性樹脂成分(C)中に(メタ)アクリレート系樹脂を50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがさらに好ましい。(メタ)アクリレート系樹脂の中でもウレタン(メタ)アクリレート系の樹脂を用いると、硬化後の柔軟性と機械的強度のバランスがとれ、更に、コート剤の保存安定性も良好になるので、これを(メタ)アクリレート系樹脂中に10質量%以上、さらに20質量%以上含有することがより好ましい。
【0026】
次に本発明に係る光硬化剤成分(D)について説明する。
本発明に係る光硬化剤成分(D)とは、波長200nm〜500nm程度の光を吸収し重合反応を開始させる物質である光重合開始剤の1種類又は2種類以上の混合物及び必要に応じて用いられる光重合増感剤(1種類又は2種類以上の混合物)からなる。
【0027】
上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン等のベンゾフェノン類;ジメチルキサントン、ベンゾインアルキルエーテルキサントン等のキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;ベンジルジメチルケタール等のベンジルケタール類;メチル−o−ベンゾイルベンゾエート等のベンゾイルベンゾエート類;α−アシロキシムエステル;オキシムエステル類;ベンジル等のベンジル類;ベンジル(o−エトキシカルボニル)α−モノオキシム;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン等のフェニルケトン類;テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオ安息香酸S−フェニル、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、ベンジルジフェニルジスルフィド等のイオウ化合物;9,10−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、カンファキノン等のキノン誘導体;3−ケトクマリン;アリールジアゾニウム塩;アリールヨードニウム塩;アリールスルホニウム塩;スルホニルアセトフェノン;ビスイミダゾール等が挙げられる。
【0028】
上記の必要に応じて用いられる光重合増感剤としては、例えば、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノールアミン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、キノリン、キノキサリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、インドール、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、グアジニン、ジメチルアミノ安息香酸、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジオクチルアミノ安息香酸、ジオクチルアミノ安息香酸ラウリル、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のアミン類;アントラセン、1−クロロメチルナフタレン等の芳香族炭化水素類;アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等の尿素類;ヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロブタジエン、オクタクロロブテン等のハロゲン化不飽和炭化水素類;ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジル−イソ−チウロニウム−p−トルエンスルフィネート、ジフェニルスルフィド等のイオウ化合物;N,N−ジメチル−p−アミノベンゾニトリル等のニトリル系化合物;トリ−n−ブチルホスフィン、ナトリウムジエチルジチオホスフェート等のリン化合物等が挙げられる。
【0029】
次に本発明に係る着色防止剤成分(E)について、説明する。
本発明に係る着色防止剤成分(E)は、本発明のコート剤中での発色剤成分(A)と顕色剤成分(B)の反応による不必要な呈色を防ぐ目的又は塗布したコート剤の光硬化反応時の熱による不必要な呈色を防ぐ目的で、必要に応じて用いられるものであり、環構造中に1個以上の窒素原子を有する脂環式アミン系化合物及び/又は脂環式アミド系化合物であり、1種類又は2種類以上の混合物であってもよい。
【0030】
上記の脂環式アミン化合物、脂環式アミド系化合物とは、脂環構造内に窒素原子を有する構造を有していれば特に制限を受けず、周知一般の誘導体を使用することができる。
着色防止剤成分(E)としての脂環式アミン化合物としては、例えば、ピロリジン;イミダゾリジン;ピラゾリジン;ピペリジン;ピペラジン;モルホリン;サイクラム、サイクレン等の脂肪族環状ポリアミン、1,7,13−トリアザ−4,10、16−トリオキサ−18−クラウン−6、ジアミノ−18−クラウン−6等の脂肪族アザクラウンエーテル;各種の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体類が挙げられる。
【0031】
上記の各種の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体類とは、その構造と機能から一般的にHALS(ヒンダードアミン・ライト・スタビライザ)と呼ばれている化合物群である。
【0032】
上記のHALSとしては、以下の一般式(I)で表される化合物、塩化シアヌル縮合型、高分子量型等が挙げられる。
【0033】
【化2】
(式中、mは、1〜6の整数を表し、Aは、水素原子、炭素数1〜18のm価の炭化水素基、m価のアシル基またはm価のカルバモイル基を表し、Bは、酸素原子、−NH−又は炭素数1〜8のアルキル基Reを有する−NRe−を表し、Yは、水素原子、オキシラジカル(・O)、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基を表し、Zは、メチン、又は炭素数1〜8のアルキル基Rfを有する以下の基(II)を表す。)
【0034】
【化3】
【0035】
上記一般式(I)において、Aで表されるm価の炭素数1〜18の炭化水素基としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、第二ブタン、第三ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、第三ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、第三ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、第三オクタン、2−エチルヘキサン、ノナン、イソノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカンから誘導される基(アルキル基、アルカンジないしヘキサイル基)が挙げられる。
【0036】
上記Aにおけるm価のアシル基とは、カルボン酸、m価カルボン酸及びカルボキシル基がm個残存しているn価カルボン酸の(n−m)アルキルエステル(これらをアシル誘導体化合物という)から誘導される基のことである。
該アシル誘導体化合物としては、酢酸、安息香酸、4−トリフルオロメチル安息香酸、サリチル酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、マロン酸、スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリト酸、トリメシン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸モノ又はジアルキルエステル、ペンタン−1,3,5−トリカルボン酸、ペンタン−1,3,5−トリカルボン酸モノ又はジアルキルエステル、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸モノないしトリアルキルエステル、ペンタン−1,2,3,4,5−ペンタカルボン酸、ペンタン−1,2,3,4,5−ペンタカルボン酸モノないしテトラアルキルエステル、ヘキサン−1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボン酸、ヘキサン−1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボン酸モノないしペンタアルキルエステル等が挙げられる。
【0037】
上記Aにおけるm価のカルバモイル基は、イソシアネート化合物から誘導されるモノアルキルカルバモイル基またはジアルキルカルバモイル基のことである。モノアルキルカルバモイル基を誘導するイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等が挙げられる。ジアルキルカルバモイル基としては、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ジヘキシルカルバモイル基、ジオクチルカルバモイル基等が挙げられる。
【0038】
これらのAで表される基はハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等で置換されていてもよい。
【0039】
式(I)のB中のNに置換するReで表される炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、1−エチルペンチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシルが挙げられる。
【0040】
式(I)のYは、水素原子、オキシラジカル(・O)、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシル基を表す。
上記炭素数1〜18のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、イソノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、オクタデシルオキシが挙げられ、炭素数1〜8のアルキル基としては、Reと同様の基が挙げられる。
【0041】
式(I)のZ中のRfで表される炭素数1〜8のアルキル基としては、Reと同様の基が挙げられる。
【0042】
上記の一般式(I)で表されるHALSの更なる具体例としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジルメタクリレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。
【0043】
塩化シアヌル縮合型HALSとしては、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン等が挙げられる。
【0044】
また、高分子量型HALSとしては、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物等が挙げられる。
【0045】
また、着色防止剤成分(E)としての前記脂環式アミド系化合物としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、ポリN−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0046】
本発明の感熱記録用コート剤において、上記説明の各成分(A)〜(E)の配合量は、目的にかなった感熱記録層を形成できる任意の範囲であり、特に制限を受けない。
通常用いる配合としては、発色成分(A)100質量部に対する顕色剤成分(B)は1〜1000質量部であり、好ましくは1〜500である。
また、発色剤成分(A)と光硬化性樹脂成分(C)の配合については、コーティング方法により、適宜選択されるが、通常、光硬化性樹脂成分(C)100質量部に対して、発色剤成分(A)が5〜1000質量部であり、10〜500質量部が好ましい。
また、光硬化性樹脂成分(C)100質量部に対する光硬化剤成分(D)は、0.05〜30質量部であり、好ましくは0.1〜20質量部である。
また、光硬化剤成分(D)中の光重合増感剤の含有量は0〜50質量%であり、20質量%以下が好ましい。
また、着色防止剤成分(E)を使用する場合の使用量は、発色剤成分(A)、顕色剤成分(B)、光硬化性樹脂成分(C)及び光硬化剤成分(D)からなる必須成分の合計を100質量部とすると、0.01〜10質量部であり、0.05〜5質量部が好ましく、0.1〜2.5質量部がより好ましい。
【0047】
本発明の感熱記録用コート剤には、必要に応じて上記の成分(A)〜(E)以外の成分を、発色及び光硬化を阻害しない範囲で含有してもよい。例えば、有機溶剤、水等の分散媒;発色増感剤;紫外線吸収剤;抗酸化剤;保存剤;植物油、鉱物油、可塑剤、天然樹脂、合成樹脂、天然ワックス、合成ワックス類等のビヒクル成分;二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、紺青、べんがら等の顔料;レーキッドC、ブリリアントカーミン6B、ブリリアントブルー6B、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン、メチルバイオレット、キノリンイエロー、エオシン等の染料;メラミンシアヌル酸アダクト、N−ラウロイル−L−リジン、N−ラウロイルアスパラギン酸−β−ラウリルエステル、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化黒鉛、黒鉛、チッ化ホウ素、雲母、三酸化アンチモン、二硫化ジルコニウム、二硫化バナジウム、二硫化ニオブ、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、二硫化レニウム、セレン化タングステン、セレン化ニオブ等の固体潤滑剤;分散剤;充填剤;界面活性剤;滑剤;耐水性剤;磁性体;色わかれ防止剤;皮張り防止剤;レベリング剤;よう変剤;脱臭剤;滑り防止剤;帯電防止剤;湿潤剤;消泡剤;アンチブロッキング剤;サーマルヘッドスティッキング防止剤等が挙げられる。
【0048】
上記の発色増感剤としては、例えば、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、サリチル酸ドデシルエステル亜鉛塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの有機酸の金属塩;ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ステアリン酸メチロールアミド、ステアロイル尿素、アセトアニリド、アセトトルイジド、アセト酢酸アニリド、アセト酢酸−o−クロロアニリド、ベンゾイル酢酸アニリド、安息香酸ステアリルアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオクチル酸アミドなどのアミド化合物;1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、p−ベンジロキシビフェニル、ジフェニルカーボネート、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ジベンジルオキザレート、ビス(4−メチルベンジル)オキザレート、ビス(4−クロロベンジル)オキザレート、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸ベンジル、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、メチレンベンゾエート、1,4−ビス(2−ビニロキシエトキシ)ベンゼン、2−ベンジロキシナフタレン、4−ベンジロキシ安息香酸ベンジル、ジメチルフタレート、テレフタル酸ジベンジル、ジベンゾイルメタン、ジフェニルスルホン、p−トルエンスルホン酸アニリド、4−メチルフェノキシ−p−ビフェニル、4−クロロフェニルフェニルスルホンなどを用いることができる。この中では、特にビス(4−メチルベンジル)オキザレート、ビス(4−クロロベンジル)オキザレート、アセト酢酸−o−クロロアニリド、ジフェニルスルホン、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチロールアミド、2−ベンジロキシナフタレンなどが好ましく用いられる。これらの発色増感剤を使用する場合は、発色剤成分(A)1質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。
【0049】
上記の紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等のヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類等が挙げられる。
【0050】
上記の抗酸化剤としては、リン系、フェノール系、硫黄系のものが挙げられる。リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
【0051】
フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
【0052】
硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0053】
また、上記保存剤としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートなどが挙げられ、これらの保存剤を使用する場合は、発色剤成分(A)1質量部に対して好ましくは0.01〜10質量部が使用される。
【0054】
また、上記のビヒクルに用いられる合成樹脂としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フルフラール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アミド樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、でんぷん類、スチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマー、天然産製樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。
【0055】
本発明の感熱記録用コート剤は、その製造方法について、特に制限を受けず、周知一般の方法を用いることができる。製造方法としては、例えば、ディスパー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサーなどのミキサー類;ニーダー、ロールミル、ボールミル、ビスコミル、アトライター、サンドミル、振動ミル、ホモミキサー、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、衝撃ミル、超音波分散機などの分散機や混練機を使用する方法が挙げられる。
【0056】
次に本発明の感熱記録用シートについて説明する。
本発明の感熱記録用シートとは、上記説明の感熱記録用コート剤を、基体の片面又は両面の全面或いは一部分に塗布し、光硬化して、発色剤と顕色剤を含有する感熱記録層を設けたことを特徴とする。基体と感熱記録層の間に感熱記録層の密着性を上げるために塗工層(バインダー層)を設けてもよく、また、感熱記録層の上に、機械的強度や耐候性を付与するためのオーバーコート層、感熱記録用シートをロール状にして用いる場合等の重ねて使用する場合に用いる剥離層を設けてもよい。
【0057】
本発明の感熱記録用シートの基体については、上記感熱記録用コート剤がコート可能な形状や材質のものであれば、とくに限定されない。例えば、普通紙、アート紙、コート紙等の紙類、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等から作られる合成紙類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンイミン等を使ったプラスチックフィルム類などが挙げられる。
【0058】
基体にプラスチックを使用したものについては、延伸、発泡、顔料練り込み、貼り合わせなどの加工処理を施したものも使用できる。また、コート剤の基体への固着が不十分なときには、必要に応じて、基体表面にコロナ放電処理、グロー放電処理等の放電処理、火炎処理、オゾン処理、クロム酸カリウム等を用いた薬品処理を行って、基体表面のコート剤に対する濡れ性を改良するなどの方法がとられる。また、サンドブラスト処理等による機械的な粗面化処理を行ってもよい。
【0059】
また、本発明の感熱記録用シートの基体としては、磁気記録層を有するものを使用してもよい。磁気記録層を構成する材料および形成方法は、例えば、特開平5−242467号公報に記されている。磁気記録層は基材の片面あるいは両面に、全面或いは一部分に設けられる。
【0060】
本発明の感熱記録用シートにおいて、基体上に上記の各層を形成する方法については、特に制限を受けず、周知一般の方法を適宜選択できる。塗布法としては、グラビアコーター、リバースロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ダイコーター、カーテンコーター、エアナイフコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、トランスファーロールコーター、キスコーター、キャストコーター、スピンコーター、ディップコーター、スプレーコーター等を用いる方法、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷法が挙げられる。
【0061】
また、基体上に上記塗布法により、形成される各層の厚みは、コート層表面の強度や耐熱性、感熱記録濃度等に合わせて任意に設定されるが、1〜40μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。場合によっては、好ましい厚みを得るために複数回の塗布を行ってもよい。
【0062】
本発明の感熱記録用コート剤を光硬化により、硬化する際の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、フラッシュランプ、半導体レーザ等が挙げられる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例によって何ら制限を受けるものではない。
【0064】
[実施例1及び比較例1]
下記配合1で示す配合により実施した。光硬化性樹脂成分(C)と光硬化剤成分(D)を遮光フラスコに仕込み、60℃に加温し、よく撹拌した。これを室温まで冷却した後、発色剤成分(A)と顕色剤成分(B)を加え、三本ロールを用いて混合、分散させ感熱記録用コート剤を得た。また、得られた感熱記録用コート剤をPETフィルムにオフセット印刷によりコーティングした後、高圧水銀ランプで10mW/cm2、60秒硬化させて、感熱記録用シートを得た。
【0065】
得られた感熱記録用コート剤について、60℃、14時間の加速条件下で保存安定性の試験を行った。着色は、加速試験前後の感熱記録用コート剤をスライドグラスとホールスライドグラスに挟み、これをマクベス濃度計(マクベス社製RD−933型)を用いたOD(光学密度)値で評価した。また得られた感熱記録用シートについても、マクベス濃度計を用いてOD値を測定して着色の度合いを評価した。結果を表1に示す。
【0066】
(配合1)
○発色剤成分(A):BLACK305(山田化学社製ロイコ系染料、2’−アニリノ−3’−メチル−6’−ジペンチルアミノスピロ(イソベンゾフラン−1(1H),9’−キサンテン)−3−オン);147質量部
○顕色剤成分(B):下記のいずれか;293質量部
アデカアークルズK−5(旭電化工業社製;数平均分子量1500)
D−90(日本曹達社製;分子量571)
BPA(ビスフェノールA;分子量228)
○光硬化性樹脂成分(C):
UN3320HA(根上工業社製ウレタンアクリレート樹脂);100質量部
アロニックスM−111(東亜合成社製ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート);300質量部
○光硬化剤成分(D):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;40質量部
【0067】
【表1】
【0068】
[実施例2]
下記配合2により、実施例1と同様の方法で、感熱記録用コート剤及び感熱記録用シートを製造し、実施例1と同様に評価を行った。なお、着色防止剤(E)は、光硬化性樹脂成分(C)と光硬化剤成分(D)を混合する際に仕込んだ。
(配合2)
○発色剤成分(A):上記BLACK305;147質量部
○顕色剤成分(B):下記のいずれか;293質量部
アデカアークルズK−5(旭電化工業社製;数平均分子量1500)
D−90(日本曹達社製;分子量;571)
○光硬化性樹脂成分(C):
上記UN3320HA;100質量部
上記アロニックスM−111;300質量部
○光硬化剤成分(D):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;40質量部
○着色防止剤成分(E):アデカアークルズDN−44M(旭電化工業社製;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート);3質量部
【0069】
【表2】
【0070】
[実施例3]
下記配合3により、実施例2と同様の方法で、感熱記録用コート剤及び感熱記録用シートを得、実施例1と同様に評価を行った。なお、発色増感剤は、発色成分(A)、顕色剤成分(B)を混合する際に仕込んだ。また、コート剤の保存安定性の加速条件は、試験80℃、1時間で行った。
(配合3)
○発色剤成分(A):上記BLACK305;147質量部
○顕色剤成分(B):上記アデカアークルズK−5;220質量部
○光硬化性樹脂成分(C):
上記UN3320HA;100質量部
上記アロニックスM−111;300質量部
○光硬化剤成分(D):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;40質量部
○着色防止剤成分(E):下記のいずれか;3質量部
上記アデカアークルズDN−44M
ピペリジン
モルホリン
PVP:ポリビニルピロリドン(東京化成工業社製;重量平均分子量10000)
○発色増感剤:ステアリン酸メチロールアミド;74質量部
【0071】
【表3】
【0072】
以上の実施例および比較例から明らかなように、本発明の感熱記録用コート剤は、保存安定性に優れている。また、光硬化時の熱による発色もわずかなので、色調の良好な感熱記録用シートを提供することが可能である。
【0073】
【発明の効果】
本発明の感熱記録用印刷コート剤により、感熱記録層を光硬化反応により形成した色調の良好な感熱記録用シートを提供できる。
Claims (4)
- 発色剤成分(A)、顕色剤成分(B)、光硬化性樹脂成分(C)及び光硬化剤成分(D)を必須成分として含有してなる感熱記録用印刷コート剤であり、顕色剤成分(B)が分子量又は数平均分子量500〜3000の有機系高分子顕色剤である感熱記録用コート剤。
- 更に、環構造中に窒素原子を有する脂環式アミン系化合物及び/又は脂環式アミド系化合物からなる着色防止剤成分(E)を含有してなる請求項1に記載の感熱記録用コート剤。
- 光硬化性樹脂成分(C)が、(メタ)アクリレート系樹脂を50質量%以上含有するものである請求項1又は2に記載の感熱記録用コート剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録用コート剤を、基体に塗布し、光硬化してなる感熱記録用シート。
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JP2003027951A JP2004237514A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 感熱記録用コート剤及び感熱記録用シート |
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WO2022045191A1 (ja) * | 2020-08-27 | 2022-03-03 | キヤノン株式会社 | 感熱記録体及び画像形成方法 |
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2003
- 2003-02-05 JP JP2003027951A patent/JP2004237514A/ja active Pending
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