JP2004236744A - 余剰麻酔ガスの処理方法 - Google Patents

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Sadao Terui
定男 照井
Kazunori Yoshino
和徳 吉野
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    • Y02C20/10Capture or disposal of greenhouse gases of nitrous oxide (N2O)

Abstract

【課題】余剰麻酔ガスに含まれる揮発性麻酔剤と亜酸化窒素を同時に処理できる方法及び該方法に好適に用いることのできる触媒を提供すること。
【解決手段】揮発性麻酔剤と亜酸化窒素を含む余剰麻酔ガスを処理する方法であって、前記麻酔余剰ガスを触媒と接触させた後、吸着材と接触させることに要旨を有する余剰麻酔ガスの処理方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は手術室等の麻酔使用施設から排出される麻酔ガスの処理方法に関し、より詳細には該排出麻酔ガスに含まれる揮発性麻酔剤と亜酸化窒素の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の地球温暖化対策の一つとして1997年12月に行なわれた温暖化防止京都会議(COP3)では、亜酸化窒素(NO)、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの温室効果ガスが大きな問題として取上げられていた。特に亜酸化窒素は、大気中では分解され難い非常に安定な窒素化合物であり、しかも、COに比べて数百倍の温室効果を有することから、早急な対策が求められている。
【0003】
亜酸化窒素の排出源の一つとして医療現場が挙げられる。亜酸化窒素は手術の際に麻酔ガスとして使用されるが、麻酔ガスは大抵の場合、麻酔に必要な量よりも多めに使用されるため、患者の呼吸器から排気される余剰麻酔ガスの組成は供給麻酔ガスとほぼ同程度であり、高濃度の麻酔ガスと酸素を含んでいる。従ってこの様な余剰麻酔ガスを手術スタッフが吸入しない様に、手術室内の空気を強制換気したり、患者から排気される余剰麻酔ガスを吸引装置で吸気排気し、この余剰麻酔ガスは殆どの場合、未処理のまま大気中へ放出されている。
【0004】
またそれらの余剰麻酔ガスは亜酸化窒素濃度が高く、また酸素が含まれているため高温で分解処理すると窒素酸化物(NOx)が発生する恐れがある。しかも麻酔ガスとして亜酸化窒素と併用されるセボフルラン、イソフルランなどの揮発性麻酔剤は触媒を劣化させることから、余剰麻酔ガスを安全且つ安定的に処理できる方法が求められていた。
【0005】
そこで、余剰麻酔ガス中に含まれる触媒毒成分である揮発性麻酔剤を吸着除去してから亜酸化窒素を触媒で処理する技術(例えば特許文献1)が提案されている。該技術では触媒毒成分である揮発性麻酔剤を予め吸着除去すると共に、吸着した該揮発性麻酔剤は適宜脱着してから冷凍器で冷却し、液化または凍結させて回収している。
【0006】
上記の如く余剰麻酔ガスには、亜酸化窒素の他にも揮発性麻酔剤や酸素が含まれているため、余剰麻酔ガス中の揮発性麻酔剤を予め吸着除去してから亜酸化窒素を分解する技術では、吸着した揮発性麻酔剤を更に処理しなければならず、特に該揮発性麻酔剤を凍結回収する場合には該凍結に要するコストが高くなることや設備の設置スペースなどの問題が生じる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−172171(特許請求の範囲1等)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、余剰麻酔ガスに含まれる揮発性麻酔剤と亜酸化窒素を同時に処理できる方法及び該方法に好適に用いることのできる触媒を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、揮発性麻酔剤と亜酸化窒素を含む余剰麻酔ガスを処理する方法であって、前記麻酔余剰ガスを触媒と接触させた後、吸着材と接触させることに要旨を有する余剰麻酔ガスの処理方法である。
【0010】
本発明の方法を実施するにあたっては、触媒が下記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を触媒成分として含有していることが望ましい。
(a)成分:Pt,Pd,Rhよりなる群から選択される1種以上の元素
(b)成分:Ni,Co,Cu,Fe,La,Ceよりなる群から選択される1種以上の元素
(c)成分:Ti,Si,Zr,Nb,W,Alよりなる群から選択される1種以上の元素および/またはゼオライト
また前記吸着材としてはアルカリ水溶液を用いることが好ましい。
【0011】
本発明は、処理対象となる揮発性麻酔剤がフルオロエーテル系麻酔剤である場合に、より優れた効果が発揮される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で処理対象となる気体は、亜酸化窒素と揮発性麻酔剤を含む余剰麻酔ガスである。揮発性麻酔剤とは常圧沸点の低い有機化合物をいい、例えばセボフルラン、イソフルラン、ハロセン、エンフルラン、デスフルランなどのフルオロエーテル系麻酔剤が含まれる。尚、具体的な余剰麻酔ガスの組成は手術内容など使用状況によって異なるため、特定の組成に限定されない。
【0013】
本発明の方法は、余剰麻酔ガスを触媒と接触させ、次いで吸着材と接触させて処理することによって高度に浄化処理するもので、触媒としては、余剰麻酔ガスに含まれる亜酸化窒素や揮発性麻酔剤を分解する作用を有する触媒であればいずれも用いることができる。この様な作用を有する触媒として特に好ましいものは、触媒成分として下記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を含有するものである。これら(a)〜(c)成分を含む触媒は、いずれも亜酸化窒素及び揮発性麻酔剤に対して高い分解能を有しているからである。
(a)成分:Pt,Pd,Rhよりなる群から選択される1種以上の元素、(b)成分:Ni,Co,Cu,Fe,La,Ceよりなる群から選択される1種以上の元素、及び
(c)成分:Ti,Si,Zr,Nb,W,Alよりなる群から選択される1種以上の元素および/またはゼオライト
(a)成分のうち、より高い効果を示す好ましい元素はPd,Rhであり、とりわけ好ましい元素はPdである。これら元素の触媒内での含有形態については、金属および/またはその金属の化合物であれば特に限定されないが、好ましくは、金属および/または酸化物である。
【0014】
(b)成分のうち、より高い効果を示す好ましい元素は、Co,Cuであり、特に好ましい元素はCoである。これら元素の触媒内での含有形態については、金属および/またはその金属の化合物であれば特に限定されないが、好ましくは、金属および/または酸化物である。
【0015】
(c)成分のうち、Tiを含む酸化物とアルミナおよび/またはゼオライトを含有する形態が好ましい。Tiを含む酸化物とは少なくともTiを含む酸化物または複合酸化物をいい、好ましくはSi,Zr,Nb,Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種とTiを含む複合酸化物であり、より好ましくはTiとWの複合酸化物である。
【0016】
上記各触媒成分の比率は特に限定されないが、優れた分解作用を発揮させるには(a)成分は好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であって、好ましくは5%質量以下、より好ましくは2%質量以下とすることが望ましい。(a)成分が0.01%質量未満の場合、揮発性麻酔剤及び亜酸化窒素に対する分解作用が不足気味になることがある。一方、A成分が5%を超えると揮発性麻酔剤及び亜酸化窒素の分解効率の向上に対するコストパフォーマンスが低下するので好ましくない。
【0017】
また(b)成分は好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5%質量以上であって、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であることが望ましい。(b)成分が0.1質量%未満の場合、亜酸化窒素に対する分解作用が低下することがある。一方、(b)成分が25%を越えると、亜酸化窒素の分解率の向上に対するコストパフォーマンスが低下するので好ましくない。
【0018】
更に(c)成分は好ましくは70質量%以上、より好ましくは78質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であって、好ましくは99.89質量%以下、より好ましくは99。4質量%以下、更に好ましくは99質量%以下とすればよい。(c)成分が70質量%未満の場合は成形性が低下したり、触媒の活性が低下することがある。一方、(c)成分が99.89質量%を超えると触媒の活性が低下することがある。
【0019】
本発明は(a)〜(c)成分を含む固体触媒であれば、亜酸化窒素および揮発性麻酔剤を効率よく分解できると共に、長期間すぐれた分解性能を維持できる。
【0020】
この際に用いる触媒の形状にも特に制限はなく、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、リング状、ハニカム状など任意の形状を用いることができるが、特に強度,効率性,耐圧損性などを考慮するとハニカム状が好ましい。また触媒のサイズ,細孔径,比表面積等も特に限定されず、公知の方法で製造された触媒を用いることができる。
【0021】
また上記(a)〜(c)成分は、アルミナ,ムライト,シリカ,コージェライトなどの耐熱性材料からなるハニカム状、板状、波板状、網状、円柱状、円筒状、球状、ペレット状など任意の形状の担体に担持して用いてもよい。
【0022】
公知の触媒製造方法としては例えば(1)含浸法、(2)共沈法、(3)混練法を用いることができ、特定の製造方法に限定されない。
【0023】
以下、本発明の処理方法を図1に例示する概略工程図に基づいて説明するが、本発明は下記のプロセスに限定される趣旨ではなく、本発明の効果を阻害しない範囲でプロセスに適宜変更を加えることができる。したがって特に特定的な記載がない限り、本発明の方法は例示以外の原料,装置,プロセスにも同様に適用できる。
【0024】
図示例では、手術室等から排出される余剰麻酔ガスをライン1を通して触媒処理工程4へ供給する。触媒処理工程4に充填する触媒としては、上記の如く(a)成分,(b)成分,(C)成分を触媒成分として含有する固体触媒を用いることが望ましい。
【0025】
尚、触媒の処理能力に応じて余剰麻酔ガスの供給量を調節可能するための一時貯蔵タンクをライン1の任意の位置に設けてもよい。また図示する如く必要に応じて適宜ブロアー8を設けて余剰麻酔ガスを圧送する様にしてもよい。
【0026】
触媒処理工程4へ供給する余剰麻酔ガスに含まれる亜酸化窒素濃度は好ましくは5vol%以下、より好ましくは4vol%以下、更に好ましくは3vol%以下であることが望ましい。亜酸化窒素濃度が5vol%を超える場合、亜酸化窒素の酸化分解に伴う発熱によって触媒が劣化することがある。
【0027】
また揮発性麻酔剤は好ましくは1vol%以下、より好ましくは0.7vol%以下、更に好ましくは0.5vol%以下であることが望ましい。揮発性麻酔剤濃度が1vol%を超えると、揮発性麻酔剤の酸化分解に伴う発熱によって触媒が劣化することがある。したがって余剰麻酔ガスに亜酸化窒素5vol%以上、揮発性麻酔ガス1vol%以上含まれている場合は、該余剰麻酔ガスを空気などで希釈してから触媒処理工程4へ導入することが望ましい。
【0028】
上記触媒作用を十分に発揮させるためには、空間速度が好ましくは100hr−1以上、より好ましくは500hr−1以上、更に好ましくは1000hr−1以上であることが望ましい。また好ましくは100000Hr−1以下、より好ましくは50000hr−1以下、更に好ましくは10000hr−1以下となる様にガスの供給用を調節することが望ましい。空間速度が100hr−1未満では、触媒量が増加し、過大な設備が必要となり、逆に空間速度が100000hr−1を超えると、十分に亜酸化窒素と揮発性麻酔剤を分解できず、亜酸化窒素や揮発性麻酔剤が残存することがある。
【0029】
また、触媒による亜酸化窒素及び揮発性麻酔剤の分解効率を一段と高めるため、高温下で処理することも有効であり、具体的には触媒処理工程4の温度を好ましくは250℃以上、より好ましくは300℃以上であって、好ましくは600℃以下、より好ましくは550℃以下の範囲に制御すれば、より一層優れた触媒処理効率が発揮されるので望ましい。250℃未満の場合、亜酸化窒素及び揮発性麻酔剤を十分に分解できないことがある。また一般的に高温であるほど触媒による分解効率は上昇するが、600℃を超えると触媒の耐久性低下を招くことがある。
【0030】
この様な温度条件を得るには、触媒処理工程4に図示しないヒーター等の加熱手段を設け、供給される余剰麻酔ガスを触媒処理工程4内で所望の温度に調整してもよいが、分解をより効率的に進めるには、触媒処理工程4の入口時点で余剰麻酔ガスの温度が上記好適な温度に高められていることが望ましい。したがって、余剰麻酔ガスは、図示しない予熱・加熱器を通して所望の温度となる様に予め加熱しておくことが望ましい。
【0031】
余剰麻酔ガスに含まれる亜酸化窒素は、触媒処理工程4にて酸化分解されて窒素や酸素などに分解される。尚、前記した成分系の触媒を用いると、亜酸化窒素を分解してもNOxなどの有害物質の副生物発生量を50ppm以下に抑制できる。したがって上記の触媒処理工程4では、亜酸化窒素はほぼ完全(好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上)に窒素などの無害物に分解される。
【0032】
また揮発性麻酔剤は、触媒処理工程4で酸化分解(90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上)されて二酸化炭素や水などの無害化物となる。また揮発性麻酔剤中に含まれるFはHF等のハロゲン化水素へと転化される。
【0033】
余剰麻酔ガスは触媒処理工程4での酸化分解に伴って発熱するため、触媒処理工程4で酸化分解処理されて排出される高温(例えば200〜600℃)のガス(以下、1次処理ガスという)は、吸着工程7へ供給するに先立って、触媒処理工程4へ供給される余剰麻酔ガスを加熱するための熱源として図示しない熱交換器へ導入し熱交換することも可能である。しかし余剰麻酔ガス中の揮発性麻酔剤の分解によって生じるHFにより熱交換器の腐食などが生じるため、熱交換器を設置することは望ましくない。
【0034】
触媒処理工程4から排出された1次処理ガスは、ライン5を通して吸着工程7へ供給される。吸着工程7は、吸着材を用いて1次処理ガスに含まれるHF等の有害副生物を吸着する工程である。尚、この吸着工程7では、吸着能力が飽和に近づくにつれて、吸着性能が低下し、吸着工程7後の排ガス中に含まれるHF濃度が高まることがある。したがって吸着能力の低下した吸着材を適宜交換および/または再生し、安定した吸着能力を維持できる様にすることが望ましい。
【0035】
吸着工程7に採用し得る吸着方法としては、薬液洗浄法,イオン交換樹脂などの化学的吸着法,活性炭などを用いた物理的吸着法などが例示され、公知の吸着法を単独、或いは任意に組合せて実施してもよい。しかしながら、実用上(コスト面,運転容易性等)、薬液洗浄法が推奨される。
【0036】
薬液洗浄法の場合、吸着性能が低下した薬液を適宜新しい薬液と交換すれば、高レベルの吸着性能を維持しながら連続操業が可能となる。薬液洗浄法に用いる薬液は、例えばNaOH,KOH,Ca(OH)などのアルカリ水溶液などの公知の薬液でよい。また薬液の濃度、組成などは特に限定されず、1次処理ガス中に含まれるHFなどの被吸着物の種類や濃度に応じて適宜変更すればよい。例えばアルカリ水溶液の場合、1〜50%のNaOH水溶液を用いればよい。
【0037】
薬液洗浄法を採用する場合、具体的な手段としては各種公知の装置を用いればよく、例えばスクラバーなどの排ガス洗浄装置を用いればよい。
【0038】
勿論、本発明では吸着回収工程として乾式の化学吸着法も採用できる。ハロゲン化物に対する吸着効率、耐久性の観点からアルカリ金属やアルカリ土類金属等の酸化物や水酸化物が好ましい。特に安全性,コストなどの観点からCaO,Ca(OH)が好ましい。
【0039】
吸着工程7へ供給する1次処理ガスの供給量は、吸着材の種類、充填量、吸着効率などに応じて適宜ガス空間速度を調整すればよい。
【0040】
また吸着工程7の設置方法は特に限定されず、吸着工程を複数設けて特定の吸着材で特定の成分を除去してもよい。更に複数の吸着工程を並列的に設置し、吸着操作と再生操作を交互に行なう連続処理方式とすれば、操業の連続性が確保できるので好ましい。吸着材の再生方法は特に限定されず、例えば薬液吸着法の場合、スクラバー方式を採用することによって薬液の交換作業などが不要・或いは容易になり、またpH管理によって自動連続運転も可能となるためのぞましい。
【0041】
上記した様な本発明の方法によって余剰麻酔ガスを触媒処理工程4および吸着工程7で処理することによって、ライン9を通して得られる処理ガスは、残存する余剰麻酔ガス成分やその分解により生成した有害物質の含有率を10ppm以下、より好ましくは5ppm以下、更に好ましくは0にまで減少された高度浄化ガスであり、大気中に放出できる。
【0042】
本発明によれば、簡易な手段で余剰麻酔ガスに含まれる揮発性麻酔剤と亜酸化窒素を同時に分解できるので吸着設備を小型化できるだけでなく、全体としても設備の小型化が図れる。
【0043】
【実施例】
実施例1
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(WOとして50質量%含有液)3.3kgとアンモニア水(25質量%)110kgを水2.2kgと混合した液に、硫酸チタニルの硫酸水溶液(TiOとして70g/リットル、HSOとして310g/リットル)214.3リットルを徐々に滴下してゲル状物を得た後、このゲル状物を濾過、洗浄し、更に150℃で10時間乾燥してから、600℃で3時間焼成することにより、TiO:WO=9:1(質量比)のチタン−タングステン複合酸化物を得た(以下、TWと略記する)。この粉体20kgと市販のγ−Al(コンデアペテロケミーゲゼルシャフト製:SH−3A)10kgに成形助剤としての澱粉と水を加えて混合し、ニーダーで混練した後、押出し成形機で外径150mm角、長さ500mm、目開き2.8mm、肉厚0.5mmのハニカム状に成形した。その後、80℃で乾燥した後、550℃で3時間焼成した。
【0044】
このハニカム状成形体を、硝酸パラジウム水溶液と硝酸コバルト水溶液を加えた水溶液(Pdとして20g/リットル、Coとして140g/リットル)に含浸し、その後150℃で3時間乾燥し、続いて空気雰囲気下で500℃、2時間焼成した。こうして得られた触媒の組成はTW:γ−Al:Co:Pd=63:31.5:5.0:0.5であり、BET比表面積は80m/gであった。
【0045】
この触媒を用いて、以下の条件でNOおよび揮発性麻酔ガスの処理実験を行なった。
【0046】
触媒84.5mL(13.7mm角、長さ450mm)をSUS316製の反応管に充填し、反応管を電気炉に入れ、その後、空気6.856L/min、を導入し、触媒充填層入口温度が下記所定温度となる様に昇温した。昇温後、余剰麻酔ガス(NO:2.5%、セボフレン:1200ppm、残部:空気)を反応管に空間速度5000hr−1で供給した。その時の反応条件は以下に示す。
性能確認のための反応条件
触媒充填層入口温度:実験1:400℃、実験2:450℃
ガス量:7.04L/min(NO:176mL/min、セボフレン:8.5mL/min)
触媒処理工程から排出された1次処理ガスを調べた結果、触媒充填層入口温度を400℃とした場合、亜酸化窒素分解率は95%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。また触媒充填層入口温度を450℃とした場合、亜酸化窒素分解率は99%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。尚、セボフレンの分解によって生成したHFは400℃、450℃の場合も共に8400ppmであった。
【0047】
各1次処理ガスを吸着工程(アルカリ水溶液:4L,NaOH25質量%)に通して処理したところ、1次処理ガスに含まれていたHFを10ppm以下にまで除去できた。
【0048】
実施例2
硝酸コバルト(Co(NO・6HO)4680gを水180Lに溶解して得た硝酸コバルト水溶液に、ゼオライト[「H型モルデナイト、TSZ−620HOA」、酸化ケイ素/酸化アルミニウム(モル比)=15/1、東ソー製]12kgを充分浸漬した。その後、空気気流中で120℃、5時間乾燥した後、空気気流中で500℃、3時間焼成してコバルト担持ゼオライトを得た。この粉体10kgと実施例1で得たTW粉体20kgに成形助剤としての澱粉と水を加えて混合し、ニーダーで混練りした後、押出し成形機で外径150mm角、長さ500mm、目開き2.8mm、肉厚0.5mmのハニカム状に成形した。その後、80℃で乾燥した後、550℃で3時間焼成した。
【0049】
この成形体を硝酸パラジウム水溶液と硝酸ロジウム水溶液を加えた水溶液(Pdとして20g/リットル、Rhとして10g/リットル)に含浸し、その後150℃で3時間乾燥し、続いて空気雰囲気下で500℃、2時間焼成した。こうして得られた触媒の組成は、TW:ゼオライト:CoO:Pd:Rh=64.9:32.4:2.0:0.5:0.2であり、BET比表面積は85m/gであった。
【0050】
実施例1と同様の反応条件でガス処理を行ない、触媒処理工程から排出された1次処理ガスを調べた結果、触媒充填層入口温度を400℃とした場合、亜酸化窒素分解率は94%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。また触媒充填層入口温度を450℃とした場合、亜酸化窒素分解率は99%、セボフレン分解率は99.9%以上となった。尚、セボフレンの分解により生成したHFは400℃、450℃の場合共に8400ppmであった。
【0051】
各1次処理ガスは、吸着工程(アルカリ水溶液:4L,NaOH25質量%)に通して処理したところ、1次処理ガスに含まれていたHFを10ppm以下にまで除去できた。
【0052】
実施例3
実施例1の硝酸コバルトを硝酸銅とした以外は実施例1と同様にしてガス処理を行なった。触媒の組成はTW:γ−Al:CuO:Pd:Rh=63:31.5:5.0:0.5であり、BET比表面積は80m/gであった。
【0053】
実施例1と同様の反応条件でガス処理を行ない、触媒処理工程から排出された1次処理ガスを調べた結果、触媒充填層入口温度を400℃とした場合、亜酸化窒素分解率は95%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。また触媒充填層入口温度を450℃とした場合、亜酸化窒素分解率は99%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。尚、セボフレンの分解により生成したHFは400℃、450℃いずれの場合も8400ppmであった。
【0054】
各1次処理ガスは、吸着工程(アルカリ水溶液:4L,NaOH25質量%)に通して処理したところ、1次処理ガスに含まれていたHFを10ppm以下にまで除去できた。
【0055】
実施例4
実施例3の硝酸パラジウムに更に塩化白金酸を加えた以外は実施例1と同様に行なった。触媒の組成はTW:γ−Al:CuO:Pd:Pt=62.7:31.3:5.0:0.5:0.5であり、BET比表面積は80m/gであった。
【0056】
実施例1と同様の反応条件でガス処理を行ない、触媒処理工程から排出された1次処理ガスを調べた結果、触媒充填層入口温度を400℃とした場合、亜酸化窒素分解率は95%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。また触媒充填層入口温度を450℃とした場合、亜酸化窒素分解率は99%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。尚、セボフレンの分解により生成したHFは400℃、450℃いずれの場合も8400ppmであった。
【0057】
各1次処理ガスは、吸着工程(アルカリ水溶液:4L,NaOH25質量%)に通して処理したところ、1次処理ガスに含まれていたHFを10ppm以下にまで除去できた。
【0058】
実施例5
実施例1の硝酸コバルトを硝酸セリウムとした以外は実施例1と同様に行なった。触媒の組成はTW:γ−Al:CeO:Pd=63:31.5:5.0:0.5であり、BET比表面積は80m/gであった。
【0059】
実施例1と同様の反応条件でガス処理を行ない、触媒処理工程から排出された1次処理ガスを調べた結果、触媒層充填層入口温度を400℃とした場合、亜酸化窒素分解率は93%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。また触媒充填層入口温度を450℃とした場合、亜酸化窒素分解率は98%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。尚、セボフレンの分解により生成したHFは400℃、450℃いずれの場合も8400ppmであった。
【0060】
各1次処理ガスは、吸着工程(アルカリ水溶液:4L,NaOH25質量%)に通して処理したところ、1次処理ガスに含まれていたHFを10ppm以下にまで除去できた。
【0061】
実施例6
実施例1において硝酸コバルトを担持しなかった以外は実施例1と同様に行なった。触媒の組成はTW:γ−Al:Pd=66.3:33.2:0.5であり、BET比表面積は80m/gであった。
【0062】
実施例1と同様の反応条件でガス処理を行ない、触媒処理工程から排出された1次処理ガスを調べた結果、触媒充填層入口温度を400℃とした場合、亜酸化窒素分解率は67%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。また触媒充填層入口温度を450℃とした場合、亜酸化窒素分解率は73%、セボフレン分解率は99.9%以上であった。尚、セボフレンの分解により生成したHFは400℃、450℃いずれの場合も8400ppmであった。
【0063】
各1次処理ガスは、吸着工程(アルカリ水溶液:4L,NaOH25質量%)に通して処理したところ、1次処理ガスに含まれていたHFを10ppm以下にまで除去できたが、排ガス中には亜酸化窒素が残存していた。400℃の場合、排ガス中に含まれる亜酸化窒素は0.82%、450℃の場合、排ガス中に含まれる亜酸化窒素は0.67%であった。
【0064】
実施例7
実施例1において硝酸パラジウムを担持しなかった以外は実施例1と同様に行なった。触媒の組成は、触媒の組成はTW:γ−Al:CoO=63.3:31.7:5.0であり、BET比表面積は80m/gであった。
【0065】
実施例1と同様の反応条件でガス処理を行ない、触媒処理工程から排出された1次処理ガスを調べた結果、触媒充填層入口温度を400℃とした場合、亜酸化窒素分解率は95%、セボフレン分解率は78%であった。また触媒充填層入口温度を450℃とした場合、亜酸化窒素分解率は99%、セボフレン分解率は90%であった。尚、セボフレンの分解により生成したHFは400℃の場合、6500ppm、450℃の場合、7350ppmであった。
【0066】
各1次処理ガスは、吸着工程(アルカリ水溶液:4L,NaOH25質量%)に通して処理した結果、400℃の場合、排ガス中にはHF10ppm以下、亜酸化窒素0.1%、セボフレン250ppmが含まれていた。また450℃の場合、排ガス中にはHF10ppm以下、亜酸化窒素0.02%、セボフレン120ppmが含まれていた。
【0067】
参考例1
実施例7において1処理後の吸着工程を行なわなかった以外は実施例7と同様に行なった。触媒処理工程から排出された1次処理ガスを調べた結果、触媒充填層入口温度を400℃とした場合、亜酸化窒素分解率は95%、セボフレン分解率は78%であった。また触媒充填層入口温度を450℃とした場合、亜酸化窒素分解率は99%、セボフレン分解率は90%であった。尚、セボフレンの分解により生成したHFは400℃の場合、6500ppm、450℃の場合、7350ppmであった。
【0068】
400℃で処理した場合、1次処理ガス中にはHF6500ppm、亜酸化窒素0.1%、セボフレン250ppmが含まれていた。また450℃で処理した場合、1次処理ガス中にはHF7350ppm、亜酸化窒素0.02%、セボフレン120ppmが含まれていた。
【0069】
参考例2
実施例1において触媒処理工程を行なわなずに、吸着工程(アルカリ水溶液:4L、NaOH25質量%)のみを行なった。吸着工程に通して処理した結果、排ガス中には亜酸化窒素2.5%、セボフレン1000ppmが含まれていた。
【0070】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、余剰麻酔ガスに含まれる揮発性麻酔剤と亜酸化窒素を同時に分解処理し、該分解処理によって副生した副生物を吸着工程で除去するため、得られる排ガスは高度に浄化されている。特に本発明の方法によれば、被吸着物の副生量が少ないため、吸着設備の小型化が達成できる。また上記本発明の触媒を用いて余剰麻酔ガスを処理すると、極めて高効率で分解処理できるため、触媒処理工程の小型化も達成でき、装置全体の省スペース化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を示す概略工程図の一例である。
【符号の説明】
1.余剰麻酔ガス供給ライン
3.余剰麻酔ガス供給ライン
4.触媒処理工程
5.1次処理ガス排出ライン
7.吸着工程
8.ブロアー

Claims (4)

  1. 揮発性麻酔剤と亜酸化窒素を含む余剰麻酔ガスを処理する方法であって、前記麻酔余剰ガスを触媒と接触させた後、吸着材と接触させることを特徴とする余剰麻酔ガスの処理方法。
  2. 前記触媒が下記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を触媒成分として含有するものである請求項1に記載の処理方法。
    (a)成分:Pt,Pd,Rhよりなる群から選択される1種以上の元素
    (b)成分:Ni,Co,Cu,Fe,La,Ceよりなる群から選択される1種以上の元素
    (c)成分:Ti,Si,Zr,Nb,W,Alよりなる群から選択される1種以上の元素および/またはゼオライト
  3. 前記吸着材がアルカリ水溶液である請求項1に記載の処理方法。
  4. 前記揮発性麻酔剤がフルオロエーテル系麻酔剤である請求項1〜3のいずれかに記載の処理方法。
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