JP2004236721A - 脱臭体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルコキシシランと水と溶媒とゲル化触媒と化学吸着作用を有する吸着剤とを用いて湿潤ゲルを形成し、超臨界乾燥もしくは疎水化した後に表面張力の小さな溶媒からの乾燥により、細孔を潰すことなく乾燥させることができる。よって、硫黄系の臭気、特に硫化水素を吸着する能力が極めて高い化学吸着作用を有する吸着剤を含み、またメソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体であるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレ臭や寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気や、下水処理場などで発生する硫化水素等の硫黄系臭気を除去する脱臭体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、各種臭気を吸着する吸着剤を添着させた粒状の活性炭を充填させ、臭気を脱臭する脱臭体としたもの(例えば文献1参照)や、担体となるガラスと発泡剤となるアルカリ金属の炭酸塩と脱臭用の活性炭とを混合し、700℃から1000℃の還元雰囲気下で焼成することで、アルカリ金属の炭酸塩の発泡作用により、0.7〜1.2mmの平均細孔径を有する多孔質な脱臭体を製造するもの(例えば文献2参照)であった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−157620号公報
【特許文献2】
特開2001−276197号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各種臭気を吸着する吸着剤を添着させた活性炭は、トイレ臭などの複合臭気、特に硫黄系の臭気を脱臭する能力が十分ではなく、また粒状では表面積が小さいため、各種ガスの脱臭能力が極めて低い脱臭体しか製造できないという課題があった。
【0005】
また、焼成により作製したものは、ガラスが焼結を起こすことにより、最も吸着に威力を発揮するメソ孔(2〜50nm)が潰れてしまうことや、孔の平均径が約1mmと大きいため表面積が小さく、各種ガスの脱臭能力が極めて低い脱臭体しか製造できないという課題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するもので、(R’O)4Siで表されるアルコキシシランをゲル原料とし、前記ゲル原料を少なくとも水を含む溶媒と化学吸着作用を有する吸着剤とを用いて湿潤ゲルを形成させてなるゲル化工程と、前記湿潤ゲル中に含まれる水の全部もしくは一部を脱水し脱水湿潤ゲルを得る脱水行程と、前記脱水湿潤ゲルを溶媒の臨界点以上の温度または圧力条件で乾燥する乾燥工程とにより、前記化学吸着作用を有する吸着剤の平均径以下で、かつ気体分子の平均径以上の孔を有する脱臭体を製造する脱臭体の製造方法としたものである。
【0007】
本発明によれば、硫黄系の臭気、特に硫化水素を吸着する能力が極めて高い化学吸着作用を有する吸着剤を含み、またメソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体であるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、脱臭体の製造方法であって、R’はアルキル基を表し、(R’O)4Siで表されるアルコキシシランをゲル原料とし、前記ゲル原料を少なくとも水を含む溶媒と化学吸着作用を有する吸着剤とを用いて湿潤ゲルを形成させてなるゲル化工程と、前記湿潤ゲル中に含まれる水の全部もしくは一部を脱水し脱水湿潤ゲルを得る脱水行程と、前記脱水湿潤ゲルを溶媒の臨界点以上の温度または圧力条件で乾燥する乾燥工程とにより、前記化学吸着作用を有する吸着剤の平均径以下かつ気体分子の平均径以上の孔を有する脱臭体を製造する脱臭体の製造方法としたもので、メソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体を作製できるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造できる製造方法を実現できる。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、脱臭体の製造方法であって、R’とR’’とR’’’はアルキル基を表し、(R’O)4Siで表されるアルコキシシランをゲル原料とし、前記ゲル原料を少なくとも水を含む溶媒と化学吸着作用を有する吸着剤とを用いて湿潤ゲルを形成させてなるゲル化工程と、R’’x(R’’’O)4−xSiで表される疎水化剤を用い、前記湿潤ゲルの表面を疎水化し、疎水化湿潤ゲルを得る疎水化工程と、前記疎水化湿潤ゲル中に含まれる水の全部もしくは一部を脱水し脱水疎水化湿潤ゲルを得る脱水行程と、前記脱水疎水化湿潤ゲルを溶媒の臨界点以下の温度または圧力条件で乾燥する乾燥工程とにより、前記化学吸着作用を有する吸着剤の平均径以下かつ気体分子の平均径以上の孔を有する脱臭体を製造する脱臭体の製造方法としたもので、超臨界以下の乾燥方式により請求項1と同様の脱臭体を実現できるので、製造工程が安全で、かつ製造コストが安い製造方法を実現できる。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、R’とR’’とR’’’はいずれもメチル基である請求項1もしくは2のいずれか1項に記載の脱臭体の製造方法としたもので、湿潤ゲルを形成する速度や疎水化の速度が速く、かつ安価な原料で、メソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体を作製できるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造できる製造方法を実現できる。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、x=2である請求項2記載の脱臭体の製造方法としたもので、x=1の単官能では3つのアルキル基の立体障害のために反応性が低下し、またx=3の3官能では加水分解の結果生じる3つのシラノール基が全て、ゲル表面の水酸基と反応することが難しく水酸基がゲル表面に残存することで反応性が低下する。したがって、x=2のジメチルジメトキシシランにより、確実にかつ最も速く疎水化でき、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を最も速く製造できる製造方法を実現できる。また2つの官能基でSiと結合するため、耐熱性が高い脱臭体を製造することができる。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、化学吸着作用を有する吸着剤は少なくともマンガン、コバルト、銅、亜鉛のいずれかを含む酸化物、水酸化物、複合酸化物、あるいはその混合物である請求項1もしくは2のいずれか1項に記載の脱臭体の製造方法としたもので、これらは硫化水素を主に硫酸化物や硫黄単体として化学吸着し脱臭するものだが、特にマンガン、コバルト、銅、亜鉛の酸化物や複合酸化物などは、硫酸化物や硫黄単体を作りやすく、硫化水素を除去する能力が非常に高いので、トイレ臭中に含まれる硫化水素や下水処理場で発生する硫化水素を化学吸着作用により極めて高い脱臭能力で除去することができ、また化学吸着であるため一度吸着した硫化水素を再度放出することがない脱臭体を製造できる製造方法を実現できる。
【0013】
また、請求項6記載の発明は、ゲル化工程時に物理吸着作用を有する吸着剤を添加する請求項1もしくは2のいずれか1項に記載の脱臭体の製造方法としたもので、ゼオライトやセピオライト、シリカ、アルミナ等の物理吸着作用を有する吸着剤を加えることで、トイレ臭のアンモニアや二硫化ジメチルに対する脱臭作用を高めた脱臭体を製造することができる製造方法を実現できる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0015】
(実施例1)
本発明の実施例1における脱臭体の製造方法は、次の3つの工程(1)ゲル化工程(湿潤ゲルの形成)、(2)脱水工程(湿潤ゲル中の水の除去)、(3)乾燥工程(湿潤ゲルからの溶媒除去)からなり、製造される脱臭体は、化学吸着作用を有する吸着剤を担持したエアロゲルと称されるものである。
【0016】
以下、各工程毎に説明する。
【0017】
(1)ゲル化工程(湿潤ゲルの形成)
本発明では、ゾル−ゲル法により湿潤ゲルを作製する。具体的には、アルコキシシランをゲル原料とし、水やアルコールなどの溶媒と、必要に応じてゲル化触媒とを混合することで、溶媒中でゲル原料の重合をすすめて湿潤ゲルを形成する。
【0018】
本発明の製造方法で用いられるゲル原料としては、ゾル−ゲル法で一般的に用いられる、例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等のアルコキシド等がある。この中でも金属としてケイ素を含有する化合物が、入手の容易性、安価なコストなどから好ましい。例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン等のケイ素アルコキシドやそのオリゴマー等およびこれらの混合物が用いられる。特に、R’がメチル基のテトラメトキシシランは、シリカ含有分が多く、また安価で容易に入手でき、反応も速いため、本発明で用いるためには最適である。
【0019】
ゲル化触媒としては、一般的な有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基が用いられる。有機酸として、酢酸、クエン酸、無機酸として、硫酸、塩酸、硝酸、有機塩基として、ピペリジン、無機塩基として、アンモニア、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等がある。
【0020】
湿潤ゲルの形成には、アルコキシシランと、溶媒としてのアルコールと、ゲル化触媒としての酸あるいは塩基及び水を加えることで、アルコキシシランの加水分解、縮重合を経て、湿潤ゲルを形成する。湿潤ゲルは、珪素原子と酸素原子が交互に結合した3次元網目構造のシリカ粒子を作り、それらシリカ粒子が重合して数珠状となり、それら粒子同士の隙間すなわち孔に水等の溶媒が入り込む構造となっている。湿潤ゲル形成前に、化学吸着作用を有する吸着剤(以下、本実施例では化学吸着剤という)を添加しておくことにより、化学吸着剤は3次元網目構造の一部分や一部の孔に入り込む構造となっている。また、化学吸着剤に、酸化マンガンなどのアルカリ性金属酸化物を用いる場合、ゲル化触媒にはアンモニアなどのアルカリ触媒が望ましい。酸触媒では、化学吸着剤を冒してしまうおそれがあるからである。
【0021】
また、ゲル化後、形成された湿潤ゲルを必要に応じて、昇温雰囲気に置き、ゲル中の未反応の水酸基を縮合させてゲルを熟成させることが、ゲル強度を増して、乾燥時の収縮を抑制することに有効である。
【0022】
(2)脱水工程(湿潤ゲル中の水の除去)
この工程では、(1)ゲル化工程、で形成された湿潤ゲル内にある水を除去する。その方法として、溶媒置換もしくは加熱留去のいずれかの方法が望ましい。
【0023】
まず、溶媒置換について説明する。一般的な溶媒置換は、形成された湿潤ゲルを、水溶性溶媒の中に浸漬させて、前記溶媒をゲル内の溶媒と入れ替えることで行う。この時に用いる溶媒としては、水溶性の溶媒であれば特に制限されない。例えば、水溶性のアルコール類としてメタノール、エタノール、プロパノールおよびターシャリ−ブタノール、エチレングリコール、グリセロール等の低級アルコール、その他に、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等のケトン類やエーテル類、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類、さらに蟻酸、酢酸およびプロピオン酸などの低級カルボン酸や、これらの混合物を用いることができる。この中でも、低価格で、入手が容易なメタノールの使用が望ましい。
【0024】
また、溶媒置換は、上記水溶性溶媒だけではなく、上記水溶性溶媒と他の非水溶性溶媒との混合溶媒によっても可能である。具体的には、n−ヘキサン、デカン、ノナン、オクタン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等と水溶性溶媒の混合溶媒である。安全面や入手の容易性など工業用として特に好ましいものは、オクタン、トルエン、キシレン等である。
【0025】
次に加熱留去に関して説明する。加熱留去により水を除く場合、一般的に、水の沸点付近より高い沸点を有する非水溶性の溶媒を加えて加熱することで、水を優先的に留去することが可能である。非水溶性の溶媒を用いることで、加熱留去後に有機溶媒と水が自然に分離するため、溶媒の再利用が容易になる効果がある。また、非水溶性溶媒の沸点は、水の沸点より低くても、過剰に加えれば、水を除去することが可能であるが、さらに溶媒の沸点を高くすることで、水留去の選択性を高めることができる。このため、溶媒置換により水を除去する場合に比較して、使用する溶媒量も大幅に低減できる効果が得られる。
【0026】
また、水と加えた溶媒が、共沸混合物を形成する場合は、水と溶媒が一定の割合で留去されていくため、水の除去の制御が容易になる効果がある。さらに、通常の有機溶媒の乾燥で行われるように、減圧条件下で加熱留去を行うことで、効率的な水除去が可能になる。特に、ゲル化触媒等が存在する場合、水を含む状態で温度を上げて加熱乾燥すると、ゲル骨格中の結合の切断などが生じる可能性がある。このような場合は、減圧で水を加熱留去することで、温度上昇を防ぐことが効果的である。
【0027】
(3)乾燥工程
乾燥方法に関して説明する。
【0028】
乾燥は、脱水工程により水を除去時に代わりに湿潤ゲル内に入り込む溶媒を除去する工程である。湿潤ゲルを普通に熱風乾燥させたものは、溶媒が乾燥するときの表面張力により、収縮してしまい孔を潰してしまうので、比表面積が小さくなり、脱臭性能を低下させる原因となる。孔に掛かる力は一般に下記に示した(数1)により表される。
【0029】
【数1】
【0030】
ここでΔPは毛管力、γは溶媒の表面張力、θは溶媒の接触角、dは孔の径を表す。
【0031】
そこで、湿潤ゲル内に残存する溶媒の臨界点以上に温度と圧力を上げた状態、すなわち超臨界状態で乾燥させること、もしくは二酸化炭素を超臨界状態で流通させることにより溶媒を抽出する超臨界乾燥することで、表面張力γを0に限りなく近づけることができるため、孔をほとんど潰すことがない。
【0032】
以上により、硫黄系の臭気、特に硫化水素を吸着する能力が極めて高い化学吸着作用を有する吸着剤を含み、またメソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体であるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造できる。
【0033】
(実施例2)
本発明の実施例2における脱臭体の製造方法について説明する。実施例1で記述した超臨界乾燥以外で、メソ孔を潰さない脱臭体を実現する方法として、(数1)に示すように、表面張力γを0に近づける、もしくは接触角θを90°に近づけることである。そこで、θを90°に近づけるために、湿潤ゲル表面のシラノール基をトリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジメトキシシラン等でメチル基を導入することにより疎水化を行うことにより実現できる。疎水化はメチル基に限定されるものではなく、エチル基、プロピル基やフッ素系官能基やフェニル基などでもほぼ同様の効果が得られる。
【0034】
そしてさらに溶媒をトルエンやキシレンやアセトンやヘキサンなどの表面張力γが比較的小さな溶媒に置換し、熱風乾燥させたものは、毛管力がほとんど働かず、メソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体を作製できるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造できる。この脱臭体は化学吸着剤を担持したキセロゲルと称されるものである。
【0035】
この製造方法としては、以下の2つがある。
【0036】
(A)ゲル化工程→脱水工程→疎水化工程→除去工程→乾燥工程
(B)ゲル化工程→疎水化工程→脱水工程→乾燥工程
(A)の方法では、シラノール基よりも先に水やアルコールなどと反応するトリメチルクロロシランなどのクロロシラン化合物を疎水化剤として用いるときにとる方法であるが、化学吸着剤として酸化マンガンなどのアルカリ性金属酸化物を用いる場合、疎水化剤であるクロロシラン化合物は反応時に塩酸を発生するため、化学吸着剤を冒してしまうおそれがある。また、工程が一つ増えることを考慮すると(B)の方法の方が望ましい。
【0037】
(B)の方法について、詳細を説明する。(B)の方法は、次の4つの工程
(1)ゲル化工程(湿潤ゲルの形成)、(2)疎水化工程(湿潤ゲル表面の疎水化)、(3)脱水工程(湿潤ゲル中の水や未反応の疎水化剤などの除去)、(4)乾燥工程(湿潤ゲルからの溶媒除去)からなる。
【0038】
以下、各工程毎に説明する。
【0039】
(1)ゲル化工程
実施例1と同様の方法で行うことができる。
【0040】
(2)疎水化工程(湿潤ゲル表面の疎水化)
湿潤ゲル表面のシラノール基を例えば疎水性のメチル基に代えることが疎水化である。これにより、接触角θを大きくすることができるので、毛管力を下げることができる。
【0041】
本発明で用いる疎水化剤となるアルキルアルコキシシランとして、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン等の単官能アルキルアルコキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン等の2官能アルキルアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能アルキルアルコキシシラン化合物がある。これらのうち一つもしくは混合物を疎水化処理液となる溶媒に溶解させておき、湿潤ゲルとその溶媒に接触させることで反応させる。疎水化剤とシラノール基との反応は加水分解を伴うため、必ず水が必要となる。そこで、疎水化処理液となる溶媒は水溶性溶媒が望ましく、水溶性溶媒としては、水溶性のアルコール類としてメタノール、エタノール、プロパノールおよびターシャリ−ブタノール、エチレングリコール、グリセロール等の低級アルコール類、その他、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等のケトンやエーテルや、これらの混合物も用いることができる。
【0042】
アルキルアルコキシシランを疎水化剤に用いるためには、加水分解のために水を必要とするが、アルコキシシランを原料とした湿潤ゲルは、水を含んでいるため、新たに水を添加する必要がなく、また脱水しておく必要もないので、非常に望ましい。また、ゲル化時の触媒にアンモニア水を用い、溶媒に水とメタノールを用いることにより、湿潤ゲルに直接アルキルアルコキシシランを添加し、疎水化することができる。
【0043】
さらに、アルキルアルコキシシランの中でも、2官能のアルキルアルコキシシランが疎水化効率に優れることも見出した。これは、単官能では、3つのアルキル基の立体障害のために反応性が低下し、3官能では加水分解の結果生じる3つのシラノール基が全て、ゲル表面の水酸基と反応することが難しく、水酸基がゲル表面に残存するためではないかと考えられる。したがって、疎水化効率に優れる2官能アルキルアルコキシシラン、特にジメチルジメトキシシランが反応性が高く、非常に望ましい。
【0044】
また、疎水化工程はゲル化工程の後に記載されているが、ゲル化と同時に行うこともできる。しかし、ゲル化と同時であれば、疎水化剤が重合前のゲル原料と反応して重合を抑制したり、重合前のゲル原料との反応により必要な疎水化剤の量が多くなったりする場合がある。従って、ゲル化が終了してから、疎水化剤を作用させることが好ましい。さらに、得られるゲルの強度を確保し、疎水化剤の使用量を低減するためには、ゲルの熟成が進んだ後に、疎水化剤を作用させることが望ましい。
【0045】
(3)脱水工程
脱水工程の主な目的は、疎水化湿潤ゲル中の水を除去することにある。また、同時に未反応の疎水化剤を取り除き、さらには乾燥に適した溶媒、すなわち表面張力の小さい溶媒に置換する工程である。
【0046】
湿潤ゲル中に残す溶媒としては、表面張力の小さい溶媒を用いることが、乾燥時に作用する毛管力が小さくなるため有利である。水の表面張力は、0.072N/m(25℃)であり、他の液体、例えば汎用的な有機溶媒であるトルエン0.027N/m(30℃)、エタノール0.021N/m(25℃)等に比較して格段に大きい。従って、乾燥前に湿潤ゲル中の水の割合を低減させ、代わりに表面張力が小さい溶媒に置き換えることが非常に重要である。
【0047】
乾燥前に湿潤ゲル中の水を除く方法として、実施例1の脱水工程と同様な方法で行うことができる。すなわち、親水性溶媒による溶媒置換や加熱留去である。さらには、加熱留去により脱水工程と乾燥工程を同時に行うこともできる。この詳細は乾燥工程で記載する。
【0048】
(4)乾燥工程
乾燥方法に関して説明する。乾燥は、脱水工程により水を除去時に代わりに湿潤ゲル内に入り込む溶媒を除去する工程である。疎水化処理後、親水性溶媒による溶媒置換で脱水を行い、トルエンやヘキサンやアセトンなど表面張力の小さな溶媒に置換しておくと、そのまま熱風乾燥により、メソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体を作製できる。
【0049】
このとき、乾燥時の圧力は、大気圧以上の加圧下で行うことが、より脱臭効率の高い脱臭体を得るためには望ましい。加圧下で乾燥を行えば、孔の中に保持される溶媒の沸点が上昇する。この場合、昇温により表面張力が下がるために、毛管力が低減されて収縮が効果的に抑制されるため望ましい。例えば、アセトンを加圧下で乾燥させる場合、沸点を45℃程度上昇させて100℃程度まで上げれば、表面張力が0.005N/m程度下がり、0.015N/m程度まで減少することから、加圧下での乾燥は、臨界点に達する条件でなくても十分収縮抑制に効果的であるといえる。
【0050】
疎水化処理後、加熱留去により脱水工程と乾燥工程を同時に行うことができる。すなわち、水の沸点付近より高い沸点を有する溶媒を加えて加熱することで、水を優先的に留去し、その後溶媒を蒸発させ、乾燥させる方法である。このとき、乾燥により水の溶媒に対する相対的な割合が上昇しないように、乾燥中に溶媒量が過剰になるように調整すると良い。具体的には、乾燥中に溶媒を加える操作を行う。また、溶媒を加えるのは、乾燥前のゲル化工程後、疎水化工程時、脱水工程時のいずれであってもかまわない。
【0051】
また、水以外の溶媒の沸点は高い方が好ましい。これは、溶媒が蒸発しにくく、ゲル中に残る水の割合が低下することで、混合溶媒の表面張力が低下するのを防ぐためである。添加される沸点の高い溶媒として、水と同程度以上の沸点を有する、プロパノール、オクタン、トルエン、キシレン等があげられる。
【0052】
さらにこのとき、非水溶性の溶媒を用いることで、加熱留去後に溶媒と水が自然に分離するため、溶媒の再利用が容易になる効果がある。
【0053】
以上により、硫黄系の臭気、特に硫化水素を吸着する能力が極めて高い化学吸着作用を有する吸着剤を含み、またメソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体であるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造できる。
【0054】
(実施例3)
以下、本発明の実施例3を図に基づいて説明する。図1は本発明により得られる脱臭体の模式図である。図1(a)は本実施例の脱臭体の模式図であり、(b)は脱臭体21の一部分を拡大した模式図である。脱臭体21は、化学吸着作用を有する吸着剤22(以下、本実施例では化学吸着剤22という)が構造体23に担持されている構造をとる。化学吸着剤22と構造体23はアンカー効果もしくは物理的な結合もしくは化学的な結合などの作用により結合されているが、バインダを添加しても良い。
【0055】
次に化学吸着剤22について説明する。本実施例では、化学吸着剤22にマンガン、銅、コバルトの複合酸化物(以下、本実施例では複合酸化物Aという)を用いた。なお、本実施例ではマンガン、銅、コバルトの複合酸化物を用いたが、これに限定するものではなく、マンガン、銅、亜鉛、コバルトのいずれかを含む酸化物、水酸化物、複合酸化物あるいはその混合物とすることにより、同様に硫化水素に対する強力な化学吸着作用を有する脱臭体とすることができる。
【0056】
本実施例で用いた複合酸化物Aは、特に硫化水素の除去に優れ、硫化水素を最終的に硫酸塩の形や硫黄単体として化学吸着するものである。また、同じ硫黄系臭気であるメチルメルカプタンを二硫化ジメチルに転化する触媒作用も有する。複合酸化物Aは0.1〜1μm程度の大きさであり、脱臭体21は平均径が約2mm程度の大きさであったが、いずれもこれらの大きさに拘るものではないが、より小さい方が同体積あたりの表面積を大きくとることができるので、脱臭性能は向上する。さらに、化学吸着剤22の形は球状に限定されるものでなく、また脱臭体21の形も球状に限定されるものではない。
【0057】
構造体23は、シリカのエアロゲルやキセロゲルからなる。シリカが0.1〜20nm程度の一次粒子24を形成し、それが数珠状につながり粒子間距離25の多数の連通孔を形成する。そのため構造体23は多孔質構造となっており、粒子間距離25が化学吸着剤22の平均径以下かつ気体分子の平均径以上のものを多数有することが望ましく、さらには粒子間距離は1nm〜1μm程度が望ましい。また、空間率は大きい方が1パスで処理できる臭気ガス量を多くすることができるので望ましいが、大きすぎると担持できる化学吸着剤22の量が少なくなるため、70%〜95%程度の空間率が望ましい。また本実施例では、平均径が約2mm程度の大きさの脱臭体21を用いたが、これらの大きさに拘るものではないが、より小さい方が表面積を大きくとることができるので、脱臭性能は向上する。
【0058】
また、物理吸着作用を有する吸着剤(以下、本実施例では物理吸着剤という)を担持させておくことにより、トイレ臭に含まれる硫化水素は化学吸着作用により除去でき、さらにアンモニアや二硫化ジメチルを物理吸着作用により除去できるため、トイレ臭が全般的に除去することが可能となる。また、メチルメルカプタンを二硫化ジメチルに転化する触媒作用をも有する化学吸着作用を有する吸着剤を用いることにより、トイレ臭に含まれるメチルメルカプタンは二硫化ジメチルとなり、物理吸着作用を有する吸着剤に吸着されることで、さらにトイレ臭が全般的に除去することが可能となる。本実施例では、物理吸着剤として、疎水性ゼオライトを用いたが、親水性のゼオライト、セピオライト、シリカ、アルミナ等を用いても同様な効果が得られる。
【0059】
化学吸着剤22と物理吸着剤との比率は、臭気の成分により変えることができる。すなわち、硫化水素が多い場合は化学吸着剤22を多くし、アンモニアや二硫化ジメチルが多い場合、物理吸着剤を多くすると臭気全般を効率よく脱臭することができる。通常のトイレ臭の場合は、化学吸着作用を有する吸着剤と物理吸着作用を有する吸着剤は重量比で1:1程度が望ましい。
【0060】
なお、アンモニア等のガスを吸着し吸着作用を喪失した物理吸着作用を有する吸着剤に、臭気を含まない空気を流通させることにより、吸着したガスを放出させ、吸着作用を再生させることができる。また、温度を上げることによっても、吸着作用を喪失した物理吸着作用を有する吸着剤の吸着作用を再生させることができる。
【0061】
以上により、硫黄系の臭気、特に硫化水素を吸着する能力が極めて高い化学吸着作用を有する吸着剤を含み、またメソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体であるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造できる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように、本発明によると、硫黄系の臭気、特に硫化水素を吸着する能力が極めて高い化学吸着作用を有する吸着剤を含み、またメソ孔からサブミクロンサイズの径の孔を多く持つ多孔質構造体であるため、単位体積あたりの表面積が大きく、従来の粒状脱臭材以上の脱臭性能を有する脱臭体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例1の脱臭体の製造方法における脱臭体の模式図
(b)同製造方法における脱臭体の一部分を拡大した模式図
【符号の説明】
21 脱臭体
22 化学吸着剤
23 構造体
24 一次粒子
25 粒子間距離
Claims (6)
- R’はアルキル基を表し、(R’O)4Siで表されるアルコキシシランをゲル原料とし、前記ゲル原料を少なくとも水を含む溶媒と化学吸着作用を有する吸着剤とを用いて湿潤ゲルを形成させてなるゲル化工程と、前記湿潤ゲル中に含まれる水の全部もしくは一部を脱水し脱水湿潤ゲルを得る脱水行程と、前記脱水湿潤ゲルを溶媒の臨界点以上の温度または圧力条件で乾燥する乾燥工程とにより、前記吸着剤の平均径以下でかつ気体分子の平均径以上の孔を有する脱臭体を製造する脱臭体の製造方法。
- R’とR’’とR’’’はアルキル基を表し、(R’O)4Siで表されるアルコキシシランをゲル原料とし、前記ゲル原料を少なくとも水を含む溶媒と化学吸着作用を有する吸着剤とを用いて湿潤ゲルを形成させてなるゲル化工程と、R’’x(R’’’O)4−xSiで表される疎水化剤を用い、前記湿潤ゲルの表面を疎水化し、疎水化湿潤ゲルを得る疎水化工程と、前記疎水化湿潤ゲル中に含まれる水の全部もしくは一部を脱水し脱水疎水化湿潤ゲルを得る脱水行程と、前記脱水疎水化湿潤ゲルを溶媒の臨界点以下の温度または圧力条件で乾燥する乾燥工程とにより、前記吸着剤の平均径以下でかつ気体分子の平均径以上の孔を有する脱臭体を製造する脱臭体の製造方法。
- R’とR’’とR’’’はいずれもメチル基である請求項1又は2記載の脱臭体の製造方法。
- x=2である請求項2記載の脱臭体の製造方法。
- 化学吸着作用を有する吸着剤は少なくともマンガン、コバルト、銅、亜鉛のいずれかを含む酸化物、水酸化物、複合酸化物、あるいはその混合物である請求項1又は2記載の脱臭体の製造方法。
- ゲル化工程時に物理吸着作用を有する吸着剤を添加する請求項1又は2記載の脱臭体の製造方法。
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JP2009000621A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Kyodo Printing Co Ltd | 吸着剤含有成形体の製造方法及び吸着剤含有成形体 |
JP2009190909A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Toyota Tsusho Corp | メソポーラスシリカの表面処理方法、樹脂添加用スラリー組成物、樹脂用充填剤及び樹脂組成物の製造方法 |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003026735A patent/JP2004236721A/ja active Pending
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