JP2004236629A - アオリイカ産卵礁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被産卵基体6を基盤5の上に立設してなる被産卵ユニット4を構造躯体に配設して構成されるアオリイカ産卵礁7において、被産卵基体6を、通水性の筒状ケース内部に貝殻又は貝殻類似部材を充填することにより構成した。また、筒状ケースに、アオリイカ幼生が出入りするのに十分な大きさの開口部を複数個設けるとより好適である。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アオリイカの産卵を促進することだけでなく、アオリイカ幼生やその飼料生物の棲息空間をも確保する等、孵化後のアオリイカ幼生の棲息環境にも配慮した人工のアオリイカ産卵礁に関する。
【0002】
【従来の技術】
アオリイカはミズイカやモイカ等の別名でも知られている非常に美味なイカであり、日本人が好んで食する海産物の一つである。しかし、アオリイカの天然の産卵場所は近年減少してきているため、その水揚量は少なく一般には中々出回らない。このような実情に鑑みて、アオリイカの水揚量を増加させるため、種々の人工のアオリイカ産卵礁が提案されている。
【0003】
特許文献1には、海底等に着地される基台に対して、海藻の茎の代用となる棒状等の細長い被産卵基体を多数立設し、かつ被産卵基体の1箇所以上にアオリイカの擬似卵嚢を取り付けたことを特徴とするアオリイカ産卵礁について記載されている。この擬似卵嚢により、来遊してきたアオリイカに、そこが安心して産卵できる場所であると認識させることができるため、多数の卵嚢を効率良く生ませることができる旨が記載されている。また、基台上に立設される被産卵基体を擬似海藻とすることについても記載されている。これにより、自然の産卵環境に近い場所を提供することができ、アオリイカの産卵を一層促すことができるとされている。
【0004】
特許文献2には、毛状擬似藻が棒体にその先端が垂れ下がる如く放射状に固着され、かつ擬似藻が棒体の長手方向に沿って所要間隔をもって複数段階的に配設されてなる被産卵基体を林立させて構成したアオリイカ産卵礁が記載されている。これにより、擬似藻の根元近傍を陰にすることができるため、アオリイカの産卵に好適な場所を提供することができるとされている。
【0005】
また、本発明者自身は、人工魚礁についていくつかの提案を行っており(例えば特許文献3、特許文献4)、これらの経験から通水性ケースの内部にカキ殻を充填した構造の人工魚礁が極めて高い集魚効果をもたらすことが明らかとなっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−275514号公報
(特許請求の範囲、発明の実施の形態、発明の効果、図1、図2)
【特許文献2】
登録実用新案第3056823号公報
(実用新案登録請求の範囲、考案の実施の形態、考案の効果、図1〜図6)
【特許文献3】
特開2001−352858号公報
(特許請求の範囲、発明の実施の形態、発明の効果、図1〜図5)
【特許文献4】
特開2002−45079号公報
(特許請求の範囲、発明の実施の形態、発明の効果、図1〜図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1や特許文献2のアオリイカ産卵礁は、アオリイカに産卵を促すという点で一定の効果が見込めるものではあるが、小さく複雑に仕切られた空間に乏しいため、孵化後のアオリイカ幼生が天敵から身を隠したり、その餌となる小型甲殻類や小型魚類が蝟集し繁殖する場所が少ない。これでは、アオリイカが産卵礁に卵嚢を産みつけたとしても、卵や幼生の個体数減少が著しく、生産効率が悪いものとなる。また、無事に孵化した幼生の多くは産卵礁に定棲することなく、餌を求めて産卵礁から離れた場所に移動してしまうため、水揚時に産卵礁内部にアオリイカが定棲しているとは限らず、水揚量の増加に直接的な影響を及ぼしにくい。さらに、擬似藻の製造や保守において労力やコストがかかる欠点も有している。
【0008】
被産卵基体にアオリイカ幼生やその飼料生物の棲息空間を設けたのでは、その棲息空間がアオリイカの産卵に適した場所を侵食してしまうし、その棲息空間を被産卵基体と別個に設けたのでは、産卵礁を徒に大きなものとさせてしまう。また、どちらの場合も、産卵礁の製造や維持にかかるコストを高騰させてしまうおそれがある。このため、アオリイカの産卵可能場所とその幼生や飼料生物の棲息空間とを両立させたアオリイカ産卵礁を低コストで開発することは非常に困難と考えられている。
【0009】
また、特許文献3や特許文献4の魚礁は、集魚に適した魚礁ではあるものの、カジメやホンダワラ等の海藻の密集地内部の比較的明るい場所に好んで産卵する等といったアオリイカ独特の生態を反映したものとは言えず、アオリイカ産卵礁としての効果はあまり見込めるものではない。
【0010】
イカはその形態や生態において魚と著しく異なっているため、イカの産卵礁の開発は、魚の繁殖や定棲を目的とする人工魚礁の開発の延長線上にあるものではなく、一般的に異なる技術と考えられている。また、同じイカの範疇においても多様な生態が認められおり、例えば、ヤリイカは岩棚等水平に近い棚状の天井部分を好んで産卵するのに対して、アオリイカはカジメやホンダワラ等の大型海藻の棒状の茎に好んで産卵することが知られている。ある特定の生物を対象とした産卵礁の開発は、その生物固有の生態を反映しなければならず、非常に困難である。本発明者は、長年の研究を経て、上記課題を解決した人工のアオリイカ産卵礁を開発することに成功した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、被産卵基体を基盤上に立設してなる被産卵ユニットを構造躯体に配設して構成されるアオリイカ産卵礁において、前記被産卵基体は通水性の筒状ケース内部に貝殻又は貝殻類似部材を充填してなることを特徴とするアオリイカ産卵礁によって解決される。
【0012】
ここで、貝殻類似部材とは、それを筒状ケースに無造作に詰めた場合の充填率が、カキ殻又はハマグリ殻を同じ筒状ケースに無造作につめた場合の充填率と同等なものを言い、例えば、瓦、石、木の枝、木片、金属片等、蟹や海老等の甲殻類の殻や、それらを適当な大きさ、形状に加工したもの等が挙げられる。
【0013】
これにより、アオリイカの産卵場所を侵食することなく、その幼生の餌となる小型甲殻類や小型魚類が蝟集し繁殖する場所を被産卵基体内部に確保することが可能となる。
【0014】
このとき、筒状ケースは、アオリイカ幼生が出入りするのに十分な大きさの開口部を複数個有することが好ましい。これにより、被産卵基体にその飼料生物だけでなくアオリイカ幼生自身の棲息空間も確保できるため、より好適である。
【0015】
また、被産卵ユニットは、複数本の被産卵基体をアオリイカ成体が通り抜けるのに十分な間隔をおいて立設されたものであることが良い。これにより、アオリイカ成体の通り道が確保できると共に、被産卵ユニット内部の潮通しも確保でき、アオリイカの卵嚢を傷つけたり埋没させるおそれのある砂が堆積しにくくなる。
【0016】
さらに、アオリイカ産卵礁が、被産卵基体又は被産卵ユニットを配列して構成される層を複数層有することも好ましい。これにより、産卵礁内部の空間を有効に活用することが可能となり、産卵礁一基当りの生産効率を高めることができる。
【0017】
この際、複数本の被産卵基体をその長手方向が水平方向となるよう並列配置して形成される擬似海底層を有することが望ましい。これにより、その擬似海底層より上層に来遊してきたアオリイカに落ち着いて産卵できる環境を提供することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を使用して、本発明のアオリイカ産卵礁をより具体的に説明する。図1はアオリイカ産卵礁を各層ごとに分解した状態の斜視図であり、図2はアオリイカ産卵礁の斜視図である。図3は小型円筒状ケースの斜視図、図4は大型円筒状ケースの斜視図であり、図5は円筒状ケース内部にカキ殻を充填してなる被産卵基体の斜視図である。図6と図7は、基盤上に被産卵基体を立設した被産卵ユニットの斜視図である。図8は海藻の胞子を付着させた可撓性線状部材をアングル鋼に巻き付けた状態の斜視図であり、図9は海藻の胞子を付着させた可撓性線状部材を円筒状ケースに巻き付けた状態の斜視図である。図10は、円筒状ケース内部の一部にカキ殻を充填してなる被産卵基体の斜視図であり、図11と図12は、基盤上に被産卵基体を立設した被産卵ユニットの斜視図である。図1、図2、図6〜図8、図11、図12において、被産卵基体は一部を除いて円筒で示してある。
【0019】
アオリイカ産卵礁は、図1に示すように、第一層1、第二層2、第三層3の階層構造をなしており、その構造躯体はアングル鋼により構成されている。これを組み立てたものが、図2に示したアオリイカ産卵礁7である。アオリイカ産卵礁7の大きさは特に限定されるものではないが、本実施態様においては、縦と横が2.0m、高さが1.6mである。
【0020】
第一層1は、被産卵ユニット4を海底から一定の距離を隔てて支持する構造となっている。このため、被産卵ユニット上に砂が舞い込み堆積するのを防ぐことが可能となる。第一層1と第三層3には、各4枚の被産卵ユニット4が2行2列に配列され、かつその基盤5が水平となるよう構造躯体に支持されている。
【0021】
第二層2には、12本の被産卵基体6が適当な間隔をおいて2行6列に配列され、かつその長手方向が水平方向となるよう構造躯体に支持されている。適当な間隔をおいて配置するのは、第一層1における照度を確保するためである。この第二層2は、擬似海底としての役割を果たし、アオリイカが第三層3においても落ち着いて産卵できる環境を提供する。アオリイカは、海底から離れすぎた場所を産卵場所としてあまり好まないため、これを考慮したものである。第三層3より上の層にも第一層1や第三層3のような層を設けたい場合は、その間に第二層2のような擬似海底層を設置すると良い。
【0022】
被産卵ユニット4は、図6又は図7に示すように、鉄筋が配筋されたコンクリート製基盤5の上面において、鉛直上側から見て90°の回転対称をなす位置に複数本の被産卵基体を立設することが好ましい。これにより、被産卵ユニット4は、重量バランスがとれ潮流に流されにくいものとなるだけでなく、共通ユニットとしての性質をも有するようになり、構造躯体への配置自由度の高いものとなる。基盤5の形状は正方形に限らず、正三角形や正六角形であってもよい。
【0023】
また、基盤上に被産卵基体を立設する間隔は、アオリイカ成体が通り抜けるのに十分な間隔であることが好ましく、平均的なアオリイカ成体の横幅が10〜15cm前後であることを考慮すれば、この間隔は10〜30cmであることが好ましい。この間隔が10cm未満では、産卵に来たアオリイカ成体の通り道が確保できないのと同時に潮通しも悪くなり、産み付けられた卵嚢を傷つける又は埋没させるおそれのある砂が堆積し易い。また、この間隔が30cmより大きければ、被産卵ユニット4における単位面積当りの被産卵基体本数が少なくなり過ぎて生産効率の悪い産卵礁となってしまう。さらに、海藻の密集地を産卵場所として好むアオリイカが産卵場所として敬遠してしまうおそれもある。本実施態様においては、この間隔を20cmに設定している。
【0024】
被産卵基体6は、筒状ケースの内部に、貝殻又は貝殻類似部材を充填してなる。このとき、筒状ケースの上面に蓋を取り付けることが好ましい。これにより、充填された貝殻等が潮流によって筒状ケースの外部に流出することを防ぐことが可能となる。この蓋は、被産卵基体内部における上下方向の潮通しを確保するために、通水性を有することが好ましい。図5に、円筒状ケース17の内部にカキ殻12を充填してなる被産卵基体6を示す。カキ殻12の流出を防止するため、通水性上面21を取り付けてある。
【0025】
被産卵ユニット4には、図6又は図7に示すように、大きさや形態が異なる被産卵基体6を組み合わせて使用することが好ましく、本実施態様においては、図3に示す小型円筒状ケース9にカキ殻を充填してなる小型被産卵基体11と、図4に示す大型円筒状ケース10にカキ殻12を充填してなる大型被産卵基体13とを使用している。
【0026】
これにより、アオリイカ幼生は成長にあわせて、その棲み処を産卵礁内において移すことが可能となる。本実施態様において、大型円筒状ケース10は、縦幅が3cm、横幅が4cmの略矩形の開口部を有しており、比較的小さいアオリイカ幼生の棲み処に適している。また、小型円筒状ケース9は、縦幅が5.5cm、横幅が5cmの略矩形の開口部を有しており、比較的大きな幼生の棲み処に適している。どちらのタイプの円筒状ケースも高さは35cmに設定されている。
【0027】
円筒状ケースは、円環部材と棒状部材とを溶接して形成したものや、エキスパンドメタルを筒状に曲げることにより形成したものが好ましく、その他、パンチングメタルを筒状に形成したものや、ワイヤ等の線状部材が編み込まれた網を筒状に形成したもの等も好ましい。これらは、アオリイカが好んで産卵する棒状部を多く有するからである。筒状ケースの材質は、銅やアルミ等の金属類や、プラスチック等の樹脂であっても良いが、本実施態様においては鉄を使用している。筒状ケースが鉄製であると、筒状ケースの下端と基台に配筋された鉄筋とを溶接することが可能となり、被産卵基体と基台との連結が強固なものとすることができる。この場合、基台を形成するコンクリートの流入及び養生は、その溶接を終えた後に行うことになる。
【0028】
円筒状ケース内部への貝殻又は貝殻類似部材の充填は、その場所における通水性を阻害しない程度の充填率で行うことが好ましい。貝殻を充填する場合は、入手コスト、通水性の確保、アオリイカ幼生やその飼料生物の棲息空間の形成、廃物処理等の観点から、比較的大きな殻や比較的大きなヒダを有するカキ殻やハマグリ殻が最適である。また、貝殻類似部材としては、瓦、石、木の枝、木片、金属片等やそれらを適当な大きさ、形状に加工したものであれば良いが、なかでも蟹や海老等の甲殻類の殻は特別な加工を必要としないために好ましい。筒状ケース内部への充填物は1種類に限定されるものではなく、上記の貝殻又は貝殻類似部材の中から選択した複数のものを混ぜ合わせたものであっても良い。
【0029】
この際、貝殻又は貝殻類似部材の各殻体が筒状ケース内部に完全に収まるように充填しても良いが、いくつかの殻体の一部を円筒状ケース側面の開口部から突出させても良い。特に、カキ殻やハマグリ殻は、アオリイカが産卵に好むホンダワラやカジメ等の海藻の葉と形や大きさが比較的似ているため、開口部から突出させた殻体をそれらの葉に擬似させ、アオリイカが産卵場所として好む葉陰に似た環境を提供することが可能となるため好適である。また、被産卵基体6の表面をより複雑な形状とし、ヒトデやウニ等の管足を有する棘皮動物の歩行を困難とするため、これらの棘皮動物による捕食から卵嚢を保護することも可能となる。さらに、浮遊して来た海藻の胞子も被産卵基体6の表面に付着しやすくなるため好適である。
【0030】
また、筒状ケース内部の一部に貝殻又は貝殻類似部材を充填することも好ましい。これにより、被産卵ユニット内部の潮通しを良好なものとするだけでなく、被産卵ユニット内部の照度を明るくすることも可能となる。このとき、筒状ケースの内部において、貝殻等が充填された空間(以下、充填部という。)の下側に空洞部が形成されることが好ましい。これにより、アオリイカ幼生やその飼料生物の棲息空間を、それらの天敵から襲われにくい高い位置に配置することが可能となる。充填部の下側に空洞が形成される場合は、貝殻等の充填物が落ちないように支持部材を配設する。この支持部材は、被産卵基体内部における上下方向の潮通しを確保するために、通水性を有することが好ましい。図10に、円筒状ケース17の上側半分にカキ殻12を充填してなる被産卵基体6を示す。支持部材として通水性底面18を配設している。筒状ケース内部における充填部の配置は、筒状ケース内部の上側半分に限られるものではなく、上側3分の1、上側3分の2、中間3分の1等その他の配置であってもよい。1つの被産卵基体に複数の充填部を設けても良い。
【0031】
筒状ケース内部の一部に貝殻等を充填した被産卵基体を基盤に配置する場合は、図11又は図12に示すように、各被産卵基体の充填部(図のハッチング部)の高さが、隣り合う被産卵基体の充填部の高さとできるだけ異なるように配置することが好ましい。これにより、各充填部の潮通しは良好なものとなり、充填部に棲息するアオリイカ幼生やその飼料生物に十分な酸素を供給することが可能となる。
【0032】
アオリイカ産卵礁をより好適なものとするために、アングル鋼や円筒状ケースの棒状部に、カジメやホンダワラ等アオリイカが産卵場所に好む海藻の胞子を適度に付着させることが好ましい。胞子を付着させた箇所に海藻が着生するため、アオリイカの産卵場所を大幅に増加させることができる。また、構造躯体の表面や被産卵基体の表面がそれらの葉で適度に覆われるため、産卵礁内部のアオリイカ幼生を天敵から保護することも可能となる。
【0033】
胞子の付着は、図8又は図9に示すように、海藻の胞子を染み込ませたクレモナ糸等の可撓性線状部材14を、アングル鋼15や円筒状ケース17に直接巻き付けることが好ましい。この付着方法は接着剤等を使用しないため、自然に悪影響を及ぼし得る化学物質が海水へ溶出するおそれがなく、また、胞子の発芽を阻害するおそれもない。
【0034】
アオリイカ産卵礁は、水深20m以浅の海底に設置されることが好ましい。アオリイカはその終生をおおよそ水深20m以浅の水域で過ごすからである。さらに、産卵期に水深10m以浅の波浪の穏やかな浅海域の藻場まで来遊し産卵することを考慮すれば、水深10m以浅であることがより好ましい。
【0035】
【発明の効果】
本発明のアオリイカ産卵礁は、その構造躯体が階層構造をなしている等、空間を有効に活用できる構造であるため、生産効率を高めることができる。また被産卵ユニットは、アオリイカが産卵場所として好む海藻の密集地に似た環境を提供するため、アオリイカの産卵を促すことが可能となる。さらに被産卵基体は、その内部に小さく複雑に仕切られた空間を多数形成しているため、アオリイカ幼生やその飼料生物の棲息空間を提供することが可能となる等、孵化後のアオリイカ幼生の棲息環境に配慮したものとなっている。また、筒状ケースを枠体で構成することにより、アオリイカの産卵に好適な棒状部をより多く確保することができる。
【0036】
上述のように、本発明のアオリイカ産卵礁は、アオリイカの産卵を促進することだけでなく、孵化後のアオリイカ幼生の棲息環境にも配慮した人工のアオリイカ産卵礁を低コストで提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】アオリイカ産卵礁を各層ごとに分解した状態の斜視図である。
【図2】アオリイカ産卵礁の斜視図である。
【図3】小型円筒状ケースの斜視図である。
【図4】大型円筒状ケースの斜視図である。
【図5】円筒状ケース内部にカキ殻を充填してなる被産卵基体の斜視図である。
【図6】基盤上に被産卵基体を立設した被産卵ユニットの斜視図である。
【図7】基盤上に被産卵基体を立設した被産卵ユニットの斜視図である。
【図8】海藻の胞子を付着させた可撓性線状部材をアングル鋼に巻き付けた状態の斜視図である。
【図9】海藻の胞子を付着させた可撓性線状部材を、小型円筒状ケースに巻き付けた状態の斜視図である。
【図10】円筒状ケース内部の一部にカキ殻を充填してなる被産卵基体の斜視図である。
【図11】基盤上に被産卵基体を立設した被産卵ユニットの斜視図である。
【図12】基盤上に被産卵基体を立設した被産卵ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
1 第一層
2 第二層
3 第三層
4 被産卵ユニット
5 基盤
6 被産卵基体
7 アオリイカ産卵礁
8 アオリイカ
9 小型円筒状ケース
10 大型円筒状ケース
11 小型被産卵基体
12 カキ殻
13 大型被産卵基体
14 可撓性線状部材
15 アングル鋼
16 卵嚢
17 円筒状ケース
18 通水性底面
19 充填部
20 空洞部
21 通水性上面
Claims (5)
- 被産卵基体を基盤上に立設してなる被産卵ユニットを構造躯体に配設して構成されるアオリイカ産卵礁において、前記被産卵基体は通水性の筒状ケース内部に貝殻又は貝殻類似部材を充填してなることを特徴とするアオリイカ産卵礁。
- 筒状ケースは、アオリイカ幼生が出入りするのに十分な大きさの開口部を複数個有する請求項1記載のアオリイカ産卵礁。
- 被産卵ユニットは、複数本の被産卵基体をアオリイカ成体が通り抜けるのに十分な間隔をおいて立設してなる請求項1又は2記載のアオリイカ産卵礁。
- アオリイカ産卵礁は、被産卵基体又は被産卵ユニットを配設して構成される層を複数層有する請求項1〜3いずれか記載のアオリイカ産卵礁。
- アオリイカ産卵礁は、複数本の被産卵基体をその長手方向が水平方向となるよう並列配置して形成される擬似海底層を有する請求項4記載のアオリイカ産卵礁。
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