JP5536950B1 - 魚類卵回収具および魚類卵回収方法 - Google Patents

魚類卵回収具および魚類卵回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率よく卵を回収することのできる魚類卵回収具および魚類卵回収方法を提供する。
【解決手段】魚類卵回収具10を、一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁にドジョウDが通過可能な連通部15を備えた筒状の枠体16と、枠体16に対して着脱可能で、かつドジョウDの卵の大きさより小さな網目を有すると共に、枠体16に装着された状態で、枠体16の内部にドジョウDの産卵場所を形成するように少なくとも一部が枠体16の内部に収納される網体18と、を備えて構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、魚類の卵を回収する魚類卵回収具および魚類卵回収方法に関する。
従来より、食用、観賞用、愛玩用、研究用、餌用等として、多くの種類の魚類が養殖されている。
例えば、ドジョウはドジョウ科に属し、自然界では、水田、湿地、池や、これらの周辺の細流に多く生息しているが、河川の中流から下流域、用水路等の流れの緩やかな泥底にも生息している。ドジョウの食性は雑食性で、主に泥の中にある有機物や小動物を泥ごと吸い取って鰓耙で選り分けて食べるが、底生藻類、イトミミズ、ユスリカの幼虫等も食べる。
ドジョウの産卵期は4月から7月で、この時期の雄は背びれの前および基底近くに各々一対のこぶ状の突起が現れる。また、ドジョウの産卵は細流や水田等の水域で夜間に行われ、産卵時には雄が雌の腹部に巻き付くようにするが、このときに雄の尖った胸びれやこぶ状の突起が役立っている。さらに、ドジョウは、卵を水草や稲株等に産み付けるが、ここから離れるものが多く、泥底にばらまくように産卵する。
また、例えば、メダカはメダカ科に属し、自然界では、平野部の池や沼の他、水田や水路、小川等の細流に生息し、群れになって生活している。また、メダカは、上記細流の表層を泳いでおり、主に動物プランクトンや当該細流に落下した昆虫の他、付着藻類等も食べるが、底生生物は殆ど食べない。メダカの産卵期は、地域によっても差があるが、4月から10月で、雌は暫く受精卵を体につけたまま泳いでいるが、やがて水草等に付着させる。
ところで、以上のようなドジョウやメダカ等の魚類の卵を効率よく回収するために適用することのできる技術として、特許文献1には、所定の広さと深さを持つ水槽の底面に、網目が不規則な目を持った材料で構成され、一方の表面に一定の間隔を保って水草が植え付けられた複数枚の産卵用魚巣を配置し、更に上記産卵用魚巣から所定長離反した部位に、親魚の隠れ場所となる複数個のパイプの束を沈めておき、水槽内に給水管を用いて清浄水を給水して、水槽内にドジョウの雌親と雄親とを放して産卵行動を誘発することにより、産卵用魚巣に産卵をさせ、その後送気管を介して水槽内にエアを供給しながら卵を孵化させて所定期間初期育成を行い、稚魚を適当な大きさまで成長させた後に養殖池に放流するドジョウの産卵育成方法が開示されている。
この技術における産卵用魚巣から卵を回収することにより、比較的効率よく卵を回収することができる。
また、特許文献2には、実験用または観賞用のメダカやゼブラフィッシュなどの小型魚を飼育して卵を回収するための小型魚飼育用水槽であって、水と小型魚を収容する上面開口の水槽本体と、該水槽本体の内部を長さ方向に主室と隔離室に仕切る態様で設けられた着脱自在の仕切部材と、端部が回動自在に連結された底板と壁板とからなり、通常時には底板が水槽本体の底面部に当接され、かつ壁板が仕切板と対向する態様で配置され、底板が小型魚の卵を付着するものとなされた回収部材とを備えた小型魚飼育用水槽を用いた小型魚産卵回収方法が開示されている。
特開平5−336860号公報 特開2009−261338号公報
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に開示されている技術は、共に、対象とする魚類に対して水槽で産卵させることが前提とされており、自然な状態で産卵を行わせることには対応しておらず、この結果として、必ずしも効率よく卵を回収することができるとは限らない、という問題点があった。なお、この問題点は、上述したドジョウやメダカに限らず、コイ、フナ等の他の魚類にも生じ得る問題点である。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、効率よく卵を回収することのできる魚類卵回収具および魚類卵回収方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の魚類卵回収具は、一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁に卵の回収対象とされる魚類が通過可能な連通部を備えた筒状の枠体と、前記枠体に対して着脱可能で、かつ前記魚類の卵の大きさより小さな網目を有すると共に、前記枠体に装着された状態で、前記枠体の内部に前記魚類の産卵場所を形成するように少なくとも一部が前記枠体の内部に収納される網体と、を備えている。
本発明の魚類卵回収具によれば、一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁に卵の回収対象とされる魚類が通過可能な連通部を備えた筒状の枠体に、当該枠体に対して着脱可能で、かつ当該魚類の卵の大きさより小さな網目を有すると共に、当該枠体に装着された状態で、当該枠体の内部に当該魚類の産卵場所を形成するように少なくとも一部が当該枠体の内部に収納される網体が装着される。
以上のような魚類卵回収具は、水槽のみならず、水田、湿地等といった、卵の回収対象とする魚類が生息し、産卵する自然界においても用いることができるため、当該魚類に対して、より効率的に産卵させることができる。この結果、本発明に係る魚類卵回収具は、水槽を用いて卵を産卵させ、回収する技術に比較して、より効率よく卵を回収することができる。
また、本発明に係る魚類卵回収具は、枠体が、側壁に卵の回収対象とされる魚類が通過可能な連通部を備えている。このため、本発明に係る魚類卵回収具を、当該連通部の少なくとも一部が水面下に位置される状態で水田等の水域に設置することにより、魚類が枠体の内部に進入しやすくなるため、結果として、本発明の連通部を備えていない場合に比較して、より効率よく卵を回収することができる。
また、本発明に係る魚類卵回収具は、魚類の卵の大きさより小さな網目を有する網体が、枠体に装着された状態で、当該枠体の内部に当該魚類の産卵場所を形成するように少なくとも一部が当該枠体の内部に収納される。このため、魚類により産卵場所に産卵された卵は本発明の網体によって捕獲されるため、本発明の網体を用いない技術に比較して、より効率よく卵を回収することができる。
さらに、本発明に係る魚類卵回収具は、卵が捕獲された状態で網体を枠体から取り外して卵を回収することができるため、網体と枠体とが一体的に構成されている場合に比較して、より効率よく卵を回収することができる。
このように、本発明の魚類卵回収具によれば、一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁に卵の回収対象とされる魚類が通過可能な連通部を備えた筒状の枠体と、前記枠体に対して着脱可能で、かつ前記魚類の卵の大きさより小さな網目を有すると共に、前記枠体に装着された状態で、前記枠体の内部に前記魚類の産卵場所を形成するように少なくとも一部が前記枠体の内部に収納される網体と、を備えているので、本発明を適用しない場合に比較して、より効率よく卵を回収することができる。
なお、本発明は、前記網体が、前記枠体に装着された状態で、前記枠体の一端部の開口部と他端部の開口部との間を仕切るか、または一端部の開口部または他端部の開口部を内側から覆うように、当該枠体の内部に収納されてもよい。これにより、産卵された卵は本発明の網体によってもれなく捕獲される結果、本発明の網体を用いない技術に比較して、より効率よく卵を回収することができる。
また、本発明は、前記網体が、前記枠体の内部に収納された場合に、周端部が当該枠体の外部に位置する部分を有してもよい。これにより、網体の上記周端部を把持した状態で当該網体を枠体から取り外すことができる結果、より簡易に卵を回収することができる。
特に、本発明は、前記枠体が、水に浮く材料で構成されると共に、前記魚類が産卵可能な水域に設置された状態で、前記側壁の水面下に位置する部分に前記連通部の少なくとも一部を備えてもよい。これにより、枠体が水に浮いた状態で卵を回収する作業を行うことできる結果、より効率よく卵を回収することができる。
また、本発明は、前記枠体の内部に前記網体が収納された状態で、前記網体により形成された産卵場所に前記魚類が産卵するための水草を保持する保持部材をさらに備えてもよい。これにより、魚類にとって産卵しやすい環境を作り上げることができる結果、より多量の卵を産卵させることができ、この結果として、より効率よく卵を回収することができる。
特に、本発明は、前記枠体および前記網体の少なくとも一方が、前記水草と同一系統の色に着色されていてもよい。これによっても、魚類にとって産卵しやすい環境を作り上げることができる結果、より効率よく卵を回収することができる。
さらに、本発明は、前記魚類が、ドジョウであるものとしてもよい。これにより、ドジョウにより枠体の内側で泥底にばらまくように産卵された卵を網体により回収できる結果、本発明を他の魚類に関して適用する場合に比較して、効率よく卵を回収することができる効果を、より享受することができる。
一方、上記目的を達成するために、本発明の魚類卵回収方法は、卵の回収対象とされる魚類が産卵可能な水域に、一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁に前記魚類が通過可能な連通部を備えた筒状の枠体を、前記連通部の少なくとも一部が水面下に位置するように設け、前記枠体に対して着脱可能で、かつ前記魚類の卵の大きさより小さな網目を有すると共に、前記枠体に装着された状態で、前記枠体の内部に前記魚類の産卵場所を形成するように少なくとも一部が前記枠体の内部に収納される網体を、前記枠体に装着し、前記枠体の内部において前記魚類により産卵が行われた後に、前記網体を前記枠体から取り外して当該網体により捕獲されている卵を回収するものである。
従って、本発明の魚類卵回収方法によれば、本発明の魚類卵回収具と同様に作用するので、当該魚類卵回収具と同様に、本発明を適用しない場合に比較して、効率よく卵を回収することができる。
本発明の魚類卵回収具および魚類卵回収方法によれば、本発明を適用しない場合に比較して、効率よく卵を回収することができる、という効果が得られる。
実施の形態に係る魚類卵回収具の構成の一例を示す平面図である。 実施の形態に係る魚類卵回収具の構成の一例を示す側面図である。 実施の形態に係る魚類卵回収具の構成の一例を示す側面断面図である。 実施の形態に係る枠体の構成部品の説明に供する斜視図である。 実施の形態に係る枠体および網体の説明に供する要部斜視図である。 実施の形態に係る網体の構成の一例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。 実施の形態に係る網体の説明に供する要部側面図である。 実施の形態に係る魚類卵回収方法の作業の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る枠体の他の構成例を示す側面図である。 実施の形態に係る連通部の他の構成例を示す側面図である。 実施の形態に係る網体の他の構成例を示す要部平面図である。 実施の形態に係る枠体の他の構成例の説明に供する要部側面図である。 実施の形態に係る魚類卵回収具の他の構成例を示す要部平面図である。 実施の形態に係る魚類卵回収具の他の構成例を示す要部断面図である。 実施の形態に係る魚類卵回収具を用いて魚類の育成を行う場合の説明に供する側面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、遊休水田(以下、単に「水田」ともいう。)に適用し、卵の回収対象とする魚類として、ドジョウを適用した場合について説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本実施の形態に係る魚類卵回収具10の構成を説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る魚類卵回収具10の構成の一例を示す平面図である。また、図2は、図1の矢印A方向から見た魚類卵回収具10の側面図である。さらに、図3は、図1のB−B線断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る魚類卵回収具10は、水田11の予め定められた領域の底に、予め定められた第1の方向(図1の矢印aの方向)および当該第1の方向に交差(本実施の形態では、直交)する第2の方向(図1の矢印bの方向)に各々予め定められた間隔を空けて、平面視マトリクス状に配置された複数の台12を備えている。なお、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、台12として、レンガを適用しているが、これに限らない。例えば、台12として、コンクリートブロック等の固形物で、かつ水に対する耐侵食性を有する他の物を適用してもよい。また、台12の材料としては、設置の際の作業性の観点から、水に浮かない材料が好ましい。
また、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、上記予め定められた領域として、魚類卵回収具10の設置時や、卵を回収する際の作業性の観点から、水田11の縁に接する領域を適用しているが、これに限らない。上記予め定められた領域として、水田11の任意の領域を適用してもよい。さらに、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、上記第2の方向として、上記第1の方向に直交する方向を適用しているが、これに限らない。上記第2の方向として、上記第1の方向に交差する方向であれば、他の任意の方向を適用してもよい。
一方、本実施の形態に係る魚類卵回収具10は、上記第1の方向に直線状に配置された台12の組み合わせ毎に、各台12間を架け渡すように配置された長尺状の複数の支持管14aを備えている。さらに、魚類卵回収具10は、上記複数の支持管14aの上部に、各支持管14aの間を上記第2の方向に架け渡すように配置された長尺状の複数の支持管14bを備えている。ここで、支持管14a、14bは、互いに重なっている部分が不図示の紐等で結束されることにより固定されている。なお、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、支持管14a、14bとして、鋼管を適用しているが、これに限らない。例えば、支持管14a、14bとして、塩化ビニル管等を適用してもよい。また、支持管14a、14bの材料としては、設置の際の作業性の観点から、水に浮かない材料が好ましい。
また、本実施の形態に係る魚類卵回収具10は、支持管14bの上部に配置された、一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁にドジョウDが通過可能な連通部15を備えた筒状の枠体16を2つ備えている。ここで、本実施の形態に係る枠体16は、一例として図4に示すように、略矩形状で、かつ平板状の一対の木材16aと、当該木材16aより短手方向の長さが長く、略矩形状で、かつ平板状の一対の木材16bと、が各々対となる木材が対向した状態で、各木材16a、16bが平面視矩形の各辺を構成するように組み合わされて形成されている。
より具体的には、各木材16aは、一端部に複数(本実施の形態では、2つ)の凸部16a1が形成され、各木材16bは、一端部に複数(本実施の形態では、2つ)の凸部16b1が形成されている。また、各木材16aは、他端部に木材16bの凸部16b1と高さ方向の位置が同一で、かつ当該凸部16b1に対応する形状とされた、当該凸部16b1と同数の凹部16a2が形成されている。さらに、各木材16bは、他端部に木材16aの凸部16a1と高さ方向の位置が同一で、かつ当該凸部16a1に対応する形状とされた、当該凸部16a1と同数の凹部16b2が形成されている。
そして、本実施の形態に係る枠体16は、各木材16aの凸部16a1が、隣接して配置される各木材16bの凹部16b2に嵌め込まれる。さらに、本実施の形態に係る枠体16は、各木材16bの凸部16b1が、隣接して配置される木材16aの凹部16a2に嵌め込まれる。以上の構成により、本実施の形態に係る枠体16は、各木材16a、16bが平面視矩形の各辺を構成するように形成されている。
従って、本実施の形態に係る枠体16は、上端部および下端部が開口部とされており、平面視矩形の筒状に形成されている。また、枠体16は、図2および図3に示すように、各木材16aにより形成されている壁面の上端部が、各木材16bにより形成されている壁面の上端部より低くなっている。ここで、本実施の形態に係る枠体16は、枠体16が水田11に設けられた場合に、木材16aと木材16bとの高さの差が、水面と木材16aの上端部との間をドジョウが通過可能とされる差となっている。このため、枠体16は、各木材16bの間で、かつ水面と各木材16aの上端部との間の領域が、ドジョウDが通過可能とされた連通部15とされている。なお、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、枠体16の色として、後述する水草22と同一系統の色(本実施の形態では、緑系の色)を適用しているが、これに限らず、枠体16の色として、他の色を適用してもよいことは言うまでもない。
一方、本実施の形態に係る枠体16には、当該枠体16の内部にドジョウDの産卵場所を形成するようにドジョウDの卵の大きさより小さな網目を有する網体(以下、「内網」という。)18が設けられている。ここで、本実施の形態に係る内網18は、枠体16の下端部の開口部を内側から覆い、かつ当該枠体16の壁面の内側に沿うように、当該枠体16に設けられている。
また、図5に示すように、本実施の形態に係る内網18は、周端部が枠体16の各壁面の上端部に、目玉クリップやターンクリップ等の複数のクリップ19により当該枠体16に対して着脱可能に固定されている。この際、内網18は、当該内網18の周端部の一部が、枠体16の各壁面の上端部の外側に位置するようにクリップ19により枠体16に対して固定されている。
なお、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、内網18として、ポリプロピレン製の網を適用しているが、これに限らない。例えば、内網18として、ポリエステル製、グラスファイバー製、ステンレス製等の網を適用してもよい。また、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、内網18の網目の形状として、矩形を適用しているが、これに限らない。例えば、内網18の網目の形状として、三角形等を適用してもよく、回収対象とする卵が内網18の網目から漏れない寸法とされていれば、網目の形状は問わない。また、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、内網18を枠体16に固定する部材として、クリップ19を適用しているが、これに限らない。例えば、当該固定する部材として、ステープラー等を適用してもよい。さらに、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、内網18の色として、後述する水草22と同一系統の色(本実施の形態では、緑系の色)を適用しているが、これに限らず、内網18の色として、他の色を適用してもよいことは言うまでもない。
また、図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、枠体16の内部で、かつ内網18で囲まれた領域に、紐20で結束された複数の水草22が配置されている。また、本実施の形態に係る魚類卵回収具10は、枠体16の内部に配置された複数の水草22を、当該枠体16の底部の内網18に向けて押圧する水草押さえ部23を備えている。
本実施の形態に係る水草押さえ部23は、長尺状で、かつ平板状とされた渡し板28と、当該渡し板28と短手方向の長さ(幅)が略同一とされ、長尺状で、かつ平板状とされた押さえ板24と、渡し板28と押さえ板24との間を連結する連結棒26と、を有している。
本実施の形態に係る水草押さえ部23は、渡し板28の長手方向に対する長さが、枠体16の上記第2の方向に対する長さより若干長く、押さえ板24の長手方向に対する長さが、枠体16の上記第2の方向に対する長さより若干短くされている。従って、図2および図3に示すように、本実施の形態に係る水草押さえ部23は、渡し板28の長手方向に対する両端部が枠体16の上端部の上面に載せられた状態で、押さえ板24の下面により、水草22の上面を枠体16の底部の内網18に向けて押圧することができる。
なお、本実施の形態に係る水草押さえ部23は、連結棒26が、渡し板28および押さえ板24との間で適度な摩擦力をもって可動自在に結合されているため、複数の水草22の各々の高さの変動を吸収した状態で、各水草22を下方に向けて付勢することができる。
さらに、本実施の形態に係る魚類卵回収具10は、水草押さえ部23の渡し板28の上面に載荷される重し部材30を備えている。本実施の形態に係る重し部材30は、枠体16および水草22を水田11に沈めることが可能な重量を有する固形物により構成されている。従って、本実施の形態に係る魚類卵回収具10では、重し部材30が渡し板28の上面に載荷された状態で、枠体16は、下端部が支持管14bの上部に接し、水草22は、下面が枠体16の底部の内網18の上面に接する。なお、本実施の形態に魚類卵回収具10では、重し部材30として、レンガを適用しているが、これに限らない。例えば、重し部材30として、コンクリートブロック等の他の固形物を適用してもよい。
一方、本実施の形態に係る魚類卵回収具10は、枠体16の周囲の支持管14bの上に配置された、内網18と同様にドジョウDの卵の大きさより小さな網目を有する複数の組(本実施の形態では、4組)の網体(以下、「外網」という。)32が設けられている。本実施の形態に係る外網32は、図1に示すように、第1外網32aの一端と、第1外網32aと形状、材料、寸法が同一の第2外網32bの他端と、が予め定められた長さの分、一方が他方の上になるように重ねられて構成されている。
ここで、図6および図7を参照して、本実施の形態に係る外網32について詳細に説明する。なお、図6(A)は、第1外網32a(第2外網32b)の平面図であり、図6(B)は、第1外網32a(第2外網32b)の側面図である。また、図7は、図1の矢印A方向から見た外網32の要部側面図である。
図6および図7に示すように、本実施の形態に係る第1外網32aは、長尺状で、かつ矩形上の網部32a1の長手方向の両端に長尺状の棒鋼32a2、32a3が不図示の紐等で固定されている。ここで、本実施の形態に係る第1外網32aは、一方の棒鋼32a2が支持管14bの側部に垂れ下がるように配置されており、当該棒鋼32a2は網部32a1の重しの役目を果たしている。また、第1外網32aは、他方の棒鋼32a3に網部32a1が巻き付けられたり、巻き戻されたりすることにより、簡易に網部32a1の長さを変更することができる。なお、本実施の形態に係る第2外網32bは、第1外網32aと同様の構成であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、図1に示した第1外網32a、32bについては、錯綜を回避するために、棒鋼32a2、32a3、32b2、32b3の図示を省略している。
次に、図8を参照して、本実施の形態に係る魚類卵回収具10を用いた魚類の卵を回収する際の準備段階から実際に卵を回収するまでの作業の流れを説明する。なお、図8は、当該作業を行う作業者によって実行される作業の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップ100では、作業者は、上述したように、水田11の底に複数の台12を設置した後、各台12間を架け渡すように複数の支持管14aを設置し、さらに、各支持管14aの上部に複数の支持管14bを設置する。次のステップ102では、作業者は、上述したように、支持管14bの上に複数(本実施の形態では、2つ)の枠体16を設置し、次のステップ104にて、作業者は、上述したように、各枠体16の内部に内網18を装着した後、複数のクリップ19により内網18の周端部を枠体16の上端部に固定する。なお、本実施の形態では、作業者は、内網18の枠体16への装着を、枠体16を水田11に設置した後に行っているが、これに限らず、前もって内網18を枠体16に装着した後に、当該枠体16を水田11に設置してもよい。
次のステップ106では、作業者は、上述したように、各枠体16の内部で、かつ内網18で囲まれた領域に、紐20で結束した複数の水草22を設置し、次のステップ108にて、作業者は、上述したように、水草押さえ部23を各枠体16に設置した後、水草押さえ部23の渡し板28の上に重し部材30を設置する。そして、次のステップ110にて、作業者は、上述したように、各枠体16の外側の領域の支持管14bの上部に複数の外網32を設置する。なお、作業者は、水草22を必ずしも紐等で結束する必要はなく、個々の水草をばらけた状態で設置してもよい。
次のステップ112では、作業者は、予め定められた数のドジョウDの雄と雌の親魚を水田11に放流する。この際、作業者は、各枠体16の内側の領域に親魚を放流してもよいし、各枠体16の外側の水田11の任意の領域に親魚を放流してもよい。なお、本実施の形態では、上記予め定められた数として、水田11の面積が広くなるほど多い数(一例として、1m2当り雄、雌ともに2匹ずつ)を適用しているが、これに限らず、水田11に生息する、ドジョウDの餌の量、ドジョウDの放流の時期等に応じて、上記予め定められた数を適宜設定してもよいことは言うまでもない。
次のステップ114では、作業者は、予め定められた期間待機する。なお、本実施の形態では、作業者は、上記ステップ100〜ステップ112の作業を実行した日の翌日の午前中の予め定められた時刻(例えば9時)まで待機する。ここで、作業者が翌日の午前中まで待機するのは、ドジョウDは、早朝(夜明け頃)から午前6時頃までに産卵を行うことが多いためである。
次のステップ116では、作業者は、内網18、水草22、および外網32の少なくとも1つにドジョウDの卵が産み付けられているか否かを確認する。ここで、作業者は、卵が産み付けられていることを確認した場合は、ステップ118に移行し、卵が産み付けられていることを確認できなかった場合には、上記ステップ114に戻り、再び翌日の上記午前中の予め定められた時刻まで待機する。なお、本実施の形態では、作業者が、卵が産み付けられているか否かを確認する対象として、内網18、水草22、および外網32の全てを適用しているが、これに限らない。当該確認する対象として、内網18、水草22、および外網32の何れか1つを適用してもよいし、これらの2つの組み合わせを適用してもよい。
ステップ118では、作業者は、予め定められた期間待機する。なお、本実施の形態では、作業者は、上記ステップ116の作業により、卵が産み付けられていることを確認した日の夕方の予め定められた時刻(例えば16時)まで待機する。ここで、作業者が当該時刻まで待機するのは、ドジョウDは産卵を行った後、夕方まで水田11の底で休養する習性があり、ドジョウDに対して極力ストレスを与えないためである。また、当該習性により、待機している期間に、親魚によって卵が食べられる可能性は低い。
次のステップ120では、作業者は、各第1外網32aを水田11から取り出す。この際、作業者は、第1外網32aを水中から引き上げる際に、第1外網32aの両端の棒鋼32a2、32a3を把持し、斜め上方に引き上げる。これにより発生する水の抵抗により、ドジョウDや他の水田11の生息物の行動等によって水田11の底から舞い上がって第1外網32aに付着した泥等の浮遊物が、第1外網32aの網目を通り落下して取り除かれる。そして、作業者は、各第1外網32aから棒鋼32a2、32a3を取り外し、各第1外網32aの網部32a1を、別途用意した不図示の水槽の水中に沈めて揺り動かす。これにより、網部32a1に付着した卵は、網部32a1から離脱して、上記水槽の水中に回収される。なお、この際、網部32a1に微量の卵が付着したまま残っている場合があり、この場合、作業者は、網部32a1を上記水槽の水中に沈めておく。さらに、作業者は、第2外網32bに対しても第1外網32aと同様の作業を行う。
次のステップ122では、作業者は、重し部材30を渡し板28の上部から退避した後、水草押さえ部23を各枠体16から取り出す。本ステップ120の作業により、各枠体16および水草22は、水田11の水に浮いた状態となる。そこで、次のステップ124では、作業者は、各枠体16を水に浮いた状態で水田11の縁まで移動させる。この移動による水の抵抗によって、内網18に付着した上記浮遊物が、内網18の網目を通り落下して取り除かれる。
次のステップ126では、作業者は、水草22を各枠体16から取り出し、当該水草22を上記水槽の水中に沈めることにより卵を回収する。また、作業者は、クリップ19を取り外し、内網18の枠体16の外側に位置する部分を把持して、内網18を各枠体16から取り外す。そして、作業者は、取り外した内網18を、上記水槽の水中に沈めて揺り動かす。これにより、内網18に付着した卵は、内網18から離脱して、上記水槽の水中に回収される。なお、この際も、内網18に微量の卵が付着したまま残っている場合があり、この場合、作業者は、内網18を上記水槽の水中に沈めておく。
作業者は、ドジョウDの産卵期に以上のステップ100〜ステップ126の作業を繰り返し実行することにより、大量の卵を効率よく回収することができる。なお、本実施の形態では、上記ステップ112の作業によりドジョウDを水田11に放流する場合について説明したが、これに限らず、元々ドジョウDが生息する水域に魚類卵回収具10を設置し、ドジョウDを放流しない形態としてもよいことは言うまでもない。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、魚類卵回収具(本実施の形態では、魚類卵回収具10)が、一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁に卵の回収対象とされる魚類(本実施の形態では、ドジョウD)が通過可能な連通部(本実施の形態では、連通部15)を備えた筒状の枠体(本実施の形態では、枠体16)と、前記枠体に対して着脱可能で、かつ前記魚類の卵の大きさより小さな網目を有すると共に、前記枠体に装着された状態で、前記枠体の内部に前記魚類の産卵場所を形成するように少なくとも一部が前記枠体の内部に収納される網体(本実施の形態では、網体18)と、を備えているので、効率よく卵を回収することができる。
また、本実施の形態では、前記網体が、前記枠体に装着された状態で、前記枠体の他端部(本実施の形態では、下端部)の開口部を内側から覆うように、当該枠体の内部に収納されているので、産卵された卵は網体によってもれなく捕獲される結果、より効率よく卵を回収することができる。
また、本実施の形態では、前記網体が、前記枠体の内部に収納された場合に、周端部が当該枠体の外部に位置する部分を有しているので、網体の当該周端部を把持した状態で当該網体を枠体から取り外すことができる結果、より簡易に卵を回収することができる。
特に、本実施の形態では、前記枠体は、水に浮く材料(本実施の形態では、木材)で構成されると共に、前記魚類が産卵可能な水域(本実施の形態では、水田11)に設置された状態で、前記側壁の水面下に位置する部分に前記連通部の少なくとも一部を備えているので、枠体が水に浮いた状態で卵を回収する作業を行うことができる結果、より効率よく卵を回収することができる。
また、本実施の形態では、前記枠体の内部に前記網体が収納された状態で、前記網体により形成された産卵場所に前記魚類が産卵するための水草(本実施の形態では、水草22)を保持する保持部材(本実施の形態では、水草押さえ部23)をさらに備えているので、魚類にとって産卵しやすい環境を作り上げることができる結果、より多量の卵を産卵させることができ、この結果として、より効率よく卵を回収することができる。
特に、本実施の形態では、前記枠体および前記網体が、前記水草と同一系統の色(本実施の形態では、緑系の色)に着色されているので、魚類にとって産卵しやすい環境を作り上げることができる結果、より効率よく卵を回収することができる。
また、本実施の形態では、前記卵の回収対象とされる魚類が、ドジョウであるので、ドジョウにより枠体の内側で泥底にばらまくように産卵された卵を網体により回収できる結果、効率よく卵を回収することができる効果を、より享受することができる。
さらに、本実施の形態では、内網18および外網32が、水田11の底から離間されて設けられているので、内網18および外網32に上記浮遊物が付着し難い。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記実施の形態では、枠体16を2つ設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、枠体16を1つ設けた形態としてもよいし、枠体16を3つ以上設けた形態としてもよく、枠体16の数は、設置場所の面積や、目標とする卵の回収数等に応じて適宜決めればよい。
また、上記実施の形態では、枠体16を、平面視矩形の筒状のものとした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、枠体16として、平面視円形の筒状、すなわち、円筒状のものとする形態としてもよく、平面視三角形や五角形以上の角形の筒状のものとする形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、枠体16として、下端部と上端部との平面視の形状および寸法が同一(合同)のものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図9(A)、(B)に示すように、枠体16として、下端部と上端部との平面視の形状が同一であり、かつ下端部から上端部にかけて側面視の面積が徐々に小さく、または徐々に大きくなるものを適用する形態としてもよい。また、図9(C)、(D)に示すように、枠体16として、下端部と上端部との平面視の形状等が合同であり、側面視の中間部が下端部や上端部に比較して面積が小さく、または大きくなるものを適用する形態としてもよい。さらに、枠体16として、下端部の開口部が平面視矩形状であり、上端部の開口部が平面視円状といったように、下端部の開口部と上端部の開口部との平面視の形状が異なるものを適用する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、枠体16を、略矩形状で、かつ平板状の4つの木材を用いて、各木材が平面視矩形の各辺を構成するように嵌め込むことにより構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、枠体16の成形金型を予め作製し、当該成形金型およびプラスチック等の材料を用いて枠体16を成形することにより枠体16を構成する形態としてもよい。なお、この場合の枠体16の材料は、上記実施の形態に係る枠体16と同様に、水に浮く材料が好ましい。
また、上記実施の形態では、枠体16を水田11に設置した場合に、枠体16の木材16aの上端部が水面下に位置するように枠体16を構成することにより、連通部15を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、枠体16を水田11に設置した場合に、全ての壁面の上端部が水面上に位置するように枠体16を構成し、枠体16の水面下に位置する一部の領域(一例として上端部近傍の領域)に上記魚類が通過可能な連通部15を設ける形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、内網18を、枠体16の下端部の開口部を内側から覆うように設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、内網18を、連通部15より下方で、かつ枠体16の上端部の開口部と下端部の開口部との間を仕切るように設ける形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、魚類卵回収具10の設置場所として、水田11を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、魚類卵回収具10の設置場所として、水田11以外の人工池や天然の池等、卵の回収対象とする魚類が生息可能な他の水域を適用する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、魚類卵回収具10により卵を回収する対象の魚類として、ドジョウDを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、当該魚類として、メダカ、コイ、フナ等の他の魚類を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、内網18として、1枚の網を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、内網18として、複数の網を用いて形成された網を適用する形態としてもよい。この場合、内網18として、一例として図11に示すように、2枚の網18a、18bの一端を不図示のステープラー、目玉クリップ、ターンクリップ等により接合する形態が例示される。また、この場合、枠体16の底部で、かつ網18a、18bの接合部の下部に、当該接合部の補強用として、一例として平板状の補強板50等を設けることが好ましい。
また、上記実施の形態では、枠体16の下端部の開口部、すなわち内網18により内側から覆われている開口部を水田11の底から離間させるために、台12および支持管14a、14bを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、枠体16の木材16bとして、水田11に直接設置した場合に、重力方向の長さが、上端部を含む一部の領域が水面上に突出するサイズのものを用いることにより、枠体16の下端部の開口部を水田の底から離間させる形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、枠体16が一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有する筒状である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一例として図13に示すように、枠体16の下端部の開口部を平板状のものにより閉塞させ、枠体16の内側に、水に浮く材料で形成され、上端部に開口部を有し、平面視矩形の複数(同図に示す例では、4つ)の箱体54を互いに接するように平面視マトリクス状に設置する形態としてもよい。この場合、箱体54の内側には、水草22が配置される。また、この場合、一例として図14に示すように、箱体54の対向する側壁の上端部を架け渡すように、水草22を押さえるための紐56を設ける形態としてもよいし、箱体54の外側の壁面に、箱体54を枠体16から取り出す際に把持するための紐58を設ける形態としてもよい。
さらに、上記実施の形態では、魚類卵回収具10を魚類の卵を回収するためだけに用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、魚類卵回収具10を用いて、卵の回収に加えて、一部の卵の孵化から成魚への成長までの魚類の育成を行う形態としてもよい。この場合、一例として図15に示すように、枠体16の連通部15に、対象とする魚類が通過できない程度の大きさの網目を有する網体60を設けることが好ましい。
その他、上記実施の形態で説明した魚類卵回収具10の構成(図1〜図3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な構成要素を削除したり、新たな構成要素を追加したりすることができることは言うまでもない。
さらに、上記実施の形態で示した魚類の卵を回収する際の作業の流れ(図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
10 魚類卵回収具
12 台
14a、14b 支持管
15 連通部
16 枠体
18 内網(網体)
22 水草
23 水草押さえ部(保持部材)
24 押さえ板
26 連結棒
28 渡し板
30 重し部材
32 外網
D ドジョウ

Claims (7)

  1. 一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁に卵の回収対象とされる魚類が通過可能な連通部を備えた筒状の枠体と、
    前記枠体に対して着脱可能で、かつ前記魚類の卵の大きさより小さな網目を有すると共に、前記枠体に装着された状態で、前記枠体の内部に前記魚類の産卵場所を形成するように少なくとも一部が前記枠体の内部に収納される網体と、
    を備えた魚類卵回収具。
  2. 前記網体は、前記枠体の内部に収納された場合に、周端部が当該枠体の外部に位置する部分を有する
    請求項1記載の魚類卵回収具。
  3. 前記枠体は、水に浮く材料で構成されると共に、前記魚類が産卵可能な水域に設置された状態で、前記側壁の水面下に位置する部分に前記連通部の少なくとも一部を備えた
    請求項1または請求項2記載の魚類卵回収具。
  4. 前記枠体の内部に前記網体が収納された状態で、前記網体により形成された産卵場所に前記魚類が産卵するための水草を保持する保持部材
    をさらに備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載の魚類卵回収具。
  5. 前記枠体および前記網体の少なくとも一方は、前記水草と同一系統の色に着色されている
    請求項4記載の魚類卵回収具。
  6. 前記魚類は、ドジョウである
    請求項1〜請求項5の何れか1項記載の魚類卵回収具。
  7. 卵の回収対象とされる魚類が産卵可能な水域に、一端部および当該一端部に対向する他端部に開口部を有し、側壁に前記魚類が通過可能な連通部を備えた筒状の枠体を、前記連通部の少なくとも一部が水面下に位置するように設け、
    前記枠体に対して着脱可能で、かつ前記魚類の卵の大きさより小さな網目を有すると共に、前記枠体に装着された状態で、前記枠体の内部に前記魚類の産卵場所を形成するように少なくとも一部が前記枠体の内部に収納される網体を、前記枠体に装着し、
    前記枠体の内部において前記魚類により産卵が行われた後に、前記網体を前記枠体から取り外して当該網体により捕獲されている卵を回収する
    魚類卵回収方法。
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