JP2004236436A - 制御システム及び充電制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電源オフ時の制御データの誤記憶を補正し、精度の良い制御処理を実現できる制御システムを提供する。
【解決手段】充電制御システム1では、強制充電状態から通常状態への途中で電源がオフされることにより、電源オフ前後の補機バッテリ20の充電量を正常に記憶できなかった場合でも、一旦前の制御状態(強制充電状態)に戻ってその制御を再実行し、再度状態遷移をして充電量データの合わせ込みを行っている。このため、次の状態である通常状態の情報は記憶できたが、そのときの充電量データ(満充電状態:100%)が記憶できなかった場合にも、電源オン時の再度の合わせ込みにより、充電量データとして正確な値を記憶することができる。その結果、充電制御状態と充電量データとが整合し、その後の充電制御が精度良く実行される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源オフ時のデータの同時性を確保する制御システムに関し、特に、それによって車両の燃費を向上させる充電制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両には、車軸に回転ベルト等を介して連結可能に構成され、エンジンの回転により回転駆動されて発電し、車両に搭載された種々の電気負荷に必要な駆動用電流を供給するオルタネータ(発電機)と、このオルタネータの余剰電流により充電される一方、車載電子制御装置に動作用電力を供給すると共に、オルタネータによる発電量が不足した場合に上記電気負荷に補助的に電流を供給する補機バッテリとが設置されている。
【0003】
尚、本発明は公知・公用の技術に基づいて行われたものであり、出願人は先行技術文献を備えていない。このため、先行技術文献の開示については行わない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記オルタネータは、その発電中はエンジンへの回転負荷になるため、必要以上に発電動作を行うと、エンジンにオルタネータの駆動を見越した無用な負荷をかけ、燃費を低下させてしまうことになる。一方、オルタネータの発電が十分でないと、補機バッテリの放電量が増加するため、その充電量が低下していわゆるバッテリ上がりが発生してしまう。
【0005】
そこで近年、出願人は、車両の燃費を向上させるためのバッテリ充電制御方法として、例えば現在の補機バッテリの充電量を逐次検出して「充電量データ」としてバックアップメモリ(内部メモリ)に格納し、この充電量データに基づき、オルタネータの発電によるエンジンへの負荷を抑え、補機バッテリにてそのバッテリ上がりが起こらない範囲でこれを補う(放電させる)方法を試みていた。具体的には、例えば補機バッテリの充放電電流を検出する電流センサが設けられており、この電流センサからの検出電流,その補機バッテリの端子電圧,外気温等の周囲の環境等から判断された満充電状態を基準とし、さらにこの電流センサが検出した充放電電流を積算し、現在の充電量を算出していた。ただしこの場合、電流センサが検出した充放電電流の積算の過程において、例えば補機バッテリの内部抵抗が外部環境(気温等)によって変化したり、電流センサのセンシング精度に誤差があったり、ワイヤーハーネスの電圧降下分があったりするため、検出されてバックアップメモリに格納された満充電状態が実際の満充電状態と必ずしも一致しないことがある。そこで、補機バッテリの充電状態を正確に測定するため、定期的に充電量データの補正をするリフレッシュ処理を行っていた。このリフレッシュ処理は、通常の充放電制御状態(通常状態)から強制的に補機バッテリを満充電状態まで充電する強制充電状態に遷移し、その満充電完了時にバックアップメモリの充電量を満充電状態(100%)に補正して書き換えるいわゆる合わせ込みを行うものである。このリフレッシュ処理後、再び通常状態に遷移する。
【0006】
そして、上記のように強制充電状態から通常状態へ充電状態を遷移させる際には、これら補機バッテリの充電制御状態(通常状態)と満充電状態(100%)に補正された充電量データとをその充電制御状態が変化するタイミングでバックアップメモリに書き込んでいた。それにより、次のパワーオン(イグニッションキースイッチのオン)時にはこれらのデータをバックアップメモリから読み込むことにより、パワーオフ前の状態から充電制御を開始することができた。
【0007】
図11には、その具体的充電制御の一例を表すタイミングチャートが示されており、上段が上記バックアップメモリに記憶された充電量データを、中段が補機バッテリの実際の充電量を、下段が充電制御状態をそれぞれ表しており、横軸は経過時間を表している。
【0008】
同図に示すように、上述した強制充電状態においては、補機バッテリがオルタネータから供給される電流により徐々に充電され、バックアップメモリの充電量データが逐次(例えば4ms毎に)更新されていく。そして、上述した満充電後の補正処理が終了すると、強制充電状態から通常状態に状態遷移するのである。ただしその際、満充電状態からいきなり充放電制御を開始すると補機バッテリへの負荷が大きくその故障を招く虞があるため、通常状態では、まず一旦予め決められた安全な充電レベル(維持したい充電量:例えば80%)まで放電させた後、通常のバッテリの充放電制御を行う。
【0009】
以上の充電制御においては、強制充電状態において、補機バッテリはオルタネータから供給される電流により徐々に充電され、満充電に至るとそれ以上充電量は増えず、供給される電流は熱等となって消失されることになる。このため、同図に示すように、オルタネータからの電流供給は継続されるが実際の充電量は増えずに横ばい状態となる現象が生じる。このため、この充電制御においては、強制充電状態において満充電が判定された場合、充電量データを満充電状態(100%)に書き換えて通常状態に遷移する。つまり、満充電状態及び充電量データ(100%)をバックアップメモリに更新して状態遷移をする。
【0010】
しかしながら、上記充電制御システムでは、例えば充電制御状態が強制充電状態から通常状態へ変化するタイミングでパワーオフがなされた場合、タイミングによっては例えばその充電制御状態の書き込みは行えたが、現在の充電量データ(100%)については書込みができなかったという場合も考えられる。この場合、次のパワーオン時において、読み込んだ充電制御状態が変化後の通常状態であるのに対し、充電量データが変化前の値(100%を超えた値:例えば120%)となる。このため、上述のように通常状態における初期動作として安定した充電量(例えば80%)まで放電しようとしたときに、実際には上記維持したい充電量よりも低い充電量(例えば60%)まで下がり、この結果、電気負荷をオンすると放電量がさらに大きくなって充電量が少なくなってしまう。つまり、充電量データと実際のバッテリ容量の誤差が大きいため、正常な充電制御が行えなくなる虞があった。また、このように読み込んだ充電量データが実際の値よりも大きいような場合には、充電量が十分であることを前提にその後の制御処理がなされるため、バッテリが上がってしまう可能性があるといった問題があった。
【0011】
このような問題は、イグニッションスイッチのオフと次のオンとの間で充電量データについての同期がとれなかったために生じるものである。そして、そのような問題は、上述した充電制御システムに限らず、複数の異なる制御状態に遷移し、少なくとも一つの物理値(上記では充電量)に基づいて所定の制御を行う制御システムにおいては、同様に生じるものであると考えられる。
【0012】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、電源オフ時のデータの同時性を確保して精度の良い制御処理を実現できる制御システム、特に、それによって車両の燃費を向上させることができる充電制御システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、請求項1記載の制御システムは、予め定める条件に基づいて複数の異なる制御状態に遷移し、制御に伴い逐次内部メモリに更新される少なくとも一つの物理値に基づいて、所定の制御を行うものであり、その所定の制御を行う制御手段と、制御状態の遷移が実行される際に、次の制御状態,内部メモリの物理値,及び現在の制御状態を夫々表す各データを、この順に記憶する不揮発性の記憶手段とを備える。
【0014】
すなわち、当該制御システムは、制御に伴って変化する物理量(データ)に基づいて制御対象を制御するものである。この物理量は逐次内部メモリに更新されるが、電源オンの際に電源オフ前の状態から制御を再開するために、所定のタイミングで不揮発性の記憶手段に記憶されるのである。
【0015】
そして、記憶手段が、「次の制御状態」,「物理値」,「現在の制御状態」を夫々表す各データのうち、「次の制御状態」を最優先にして記憶する。このため、例えば記憶手段が「次の制御状態」を記憶した時点で電源がオフされたとしても、再度電源がオンされたときに、「次の制御状態」を読み出すことができる。尚、電源オフ時の直前の「現在の制御状態」は、前回の状態遷移の際に既に更新して記憶されている。このため、これら「次の制御状態」と「現在の制御状態」とを比較してこれらが相違するか否かを確認することで、状態遷移の途中で電源オフがあったことを判定することができる。そして、その場合には「物理量」の更新がなされてない可能性があることが分かる。
【0016】
制御手段は、当該制御システムを動作させるための電源がオフされ再びオンされた時に、記憶手段を参照して得た次の制御状態と現在の制御状態とが異なる場合に、この現在の制御状態を表すデータを用いて制御処理を再実行する。
かかる構成によれば、制御状態の遷移の途中で電源オフされることにより、電源オフ前後の物理値を正常に記憶できなかった場合でも(同時性が満たされなかった場合でも)、一旦前の制御状態に戻ってその制御を再実行して再度状態遷移をする。それにより、制御状態と物理値との整合をとることができ(データの同時性が確保でき)、精度の良い制御処理を実現することができる。
【0017】
より具体的構成としては、例えば請求項2に記載の制御システムでもよい。すなわち、状態遷移条件記憶手段が、制御手段による制御状態と、制御対象物を制御する上で発生するイベント情報とに基づき、遷移させるべき制御状態を記憶しており、イベント情報検出手段がイベント情報を検出する。ここでいう「イベント情報」とは、制御対象物の制御において発生する事象であり、制御状態を遷移させる要因となるものである。この「イベント情報」は、当該制御システム自体の所定の動作情報でもよいし、制御対象物の実際の制御状態を表す情報でもよいし、それ以外の外的要因の情報等であってもよい。
そして、制御手段は、記憶手段が記憶した現在の制御状態とイベント情報検出手段が検出した現在のイベント情報とに基づき、状態遷移条件記憶手段を参照して制御状態を遷移させて制御を実行する。
このように、イベント情報によって状態遷移の頻度が増えるほど、上述した制御状態と物理値との整合による次の制御状態への正常な移行を確保することの意義が大きくなり、また、精度の良い制御処理を実現するという効果も大きなものとなる。
その際、請求項3に記載のように、上記状態遷移条件記憶手段が、制御状態とイベント情報との関係で状態遷移先が設定された複数の状態遷移テーブルから構成されたものでもよい。
すなわち、様々な条件によって遷移先を変更したいような場合、それらの条件毎に状態遷移テーブルを構成し、これらの状態遷移テーブルを適宜切り換えて制御することにより、より制御精度の向上を図ることができる。
【0018】
そして、以上に説明した制御システムをより具体化することにより、車両の燃費向上を図ることができる充電制御システムを構築することができる。例えば、上述した「物理量」の一つとしての充電量に基づいて補機バッテリの充電制御を行う請求項4に記載の充電制御システムがそれである。
【0019】
この請求項4に記載の充電制御システムは、一般的な充電制御システムと同様に、車両に搭載された電子制御装置からの指令に従って、車載電気負荷に対して駆動用電流を供給するオルタネータと、オルタネータによる電気負荷への供給電流の余剰電流により充電される一方、電子制御装置に動作用電力を供給すると共に、オルタネータに並設された補助電源として、このオルタネータによる電気負荷への供給電流が不足した場合に、電気負荷に補助的に電流を供給する補機バッテリと、補機バッテリに入出する電流を検出してこの補機バッテリの充電量を算出し、充電量データとして記憶する充電量記憶手段と、車両の運転状態を検出する状態検出手段と、充電量記憶手段に記憶された充電量と、状態検出手段により検出された運転状態とに基づいてオルタネータの発電を制御することにより、補機バッテリの充電制御を行う充電制御手段とを備える。
【0020】
そして、上記充電制御手段が、補機バッテリを、補助電源としての機能を継続するために充放電させる通常状態と、予め定める条件にて補機バッテリを満充電状態になるまで強制的に充電すると共に、充電量記憶手段が記憶した充電量データを満充電値に補正して合わせ込みを行う強制充電状態とを含む複数の充電制御状態の間で状態遷移させつつ、補機バッテリの充電を制御する。
【0021】
尚、ここでいう「予め定める条件」は、定期的としてもよいし、補機バッテリの充電量データが予め定める設定値よりも小さくなった場合としてもよく、適宜設定可能である。
また、ここでいう「合わせ込み」は、逐次更新される補機バッテリの充電量データと、補機バッテリの実際の充電量との誤差を解消又は小さくし、その後の充電制御処理を精度良く実行するためのものである。つまり、上述したように、補機バッテリを強制的に満充電状態まで充電し、その満充電完了時に充電量記憶手段が記憶する充電量を満充電状態(100%)に補正して書き換える処理である。
【0022】
また、ここでいう「充電制御状態」の他の例としては、例えば後述する実施例に述べる異常状態や補充電状態等が挙げられるが、それ以外の充電制御状態を適宜設定することもできる。
そして特に、状態記憶手段が、少なくとも充電制御手段が充電状態の遷移を実行する際に、充電制御手段により実行される次の制御状態と、強制充電状態にて充電量記憶手段が記憶した充電量データと、充電制御手段により実行される現在の制御状態とを、この順に記憶する。この状態記憶手段は、不揮発性のメモリを備えており、そこに記憶されたデータは、書き換え処理が行われない限り電源がオフされてもその記憶状態が保持される。
【0023】
そして、状態記憶手段が、「次の制御状態」,「充電量データ」,「現在の制御状態」のうち、「次の制御状態」を最優先にして記憶するため、例えば状態記憶手段が「次の制御状態」を記憶した時点で電源がオフされたとしても、再度電源がオンされたときに、「次の制御状態」を読み出すことができる。尚、この場合も、電源オフ時の直前の「現在の制御状態」は、前回の状態遷移の際に既に更新して記憶されている。このため、これら「次の制御状態」と「現在の制御状態」とを比較することで、状態遷移の途中で電源オフがあったことを判定することができる。
【0024】
そして、上記充電制御手段は、車両のイグニッションスイッチがオンされた時に、状態記憶手段が記憶した次の制御状態と現在の制御状態とが異なる場合に、現在の制御状態を表す制御処理を再実行する。
かかる構成によれば、充電制御状態の遷移の途中で電源オフされることにより、電源オフ前後の補機バッテリの充電量を正常に記憶できなかった場合でも、一旦前の制御状態に戻ってその制御を再実行して再度状態遷移をすることで、充電制御状態と充電量データとの整合をとることができ、精度の良い充電制御処理を実現することができる。具体的には、強制充電状態から通常状態への途中で電源オフされることにより、次の状態である通常状態の情報は記憶できたが、満充電状態(100%)に合わせ込みが行われた充電量データが記憶できなかった場合にも有効である。この場合、次の制御状態である「通常状態」の情報のみが更新・記憶されていることになり、充電量データとして、満充電状態(100%)よりも大きな値(例えば120%)が、現在の制御状態として、前回の状態遷移時に記憶された「強制充電状態」の情報が記憶されている。このため、再度の電源オンの際には、次の制御状態と現在の制御状態とが異なるため、「強制充電状態」が再実行されることになる。そして、再度満充電状態が検出されると、上記合わせ込み処理が実行される。その結果、充電制御状態と充電量データとが整合し、その後の充電制御が精度良く実行されることになる。
【0025】
また、かかる充電制御システムにおいても請求項5に記載のように、状態遷移条件記憶手段が、補機バッテリの充電制御状態と車両のイベント情報とに基づき、遷移させるべき充電制御状態を記憶しており、イベント情報検出手段がそのイベント情報を検出する。ここでいう「イベント情報」とは、充電制御を行っている際に発生する事象であり、充電制御状態を遷移させる要因となるものである。この「イベント情報」は、当該充電制御システム自体の所定の動作情報でもよいし、オルタネータや補機バッテリを含む車両の実際の制御状態を表す情報でもよいし、それ以外の外的要因の情報等であってもよい。
【0026】
そして、充電制御手段は、状態記憶手段が記憶した現在の充電制御状態とイベント情報検出手段が検出した現在のイベント情報とに基づき、状態遷移条件記憶手段を参照して充電制御状態を遷移させて充電制御を実行する。
このように、イベント情報によって状態遷移の頻度が増えるほど、上述した充電制御状態と充電量データとの整合による次の制御状態への正常な移行を確保することの意義が大きくなり、また、精度の良い制御処理を実現するという効果も大きなものとなる。
【0027】
その際、請求項6に記載のように、状態遷移条件記憶手段が、充電制御状態とイベント情報との関係で状態遷移先が設定された複数の状態遷移テーブルから構成されたものでもよい。
すなわち、例えば温度条件等の様々な条件によって遷移先を変更したいような場合、それらの条件毎に状態遷移テーブルを構成し、これらの状態遷移テーブルを適宜切り換えて制御することにより、より制御精度の向上を図ることができる。
【0028】
以上に説明した充電制御システムにより、充電量データの精度を確保することができ、その高精度な充電量データに基づく充電制御を実行することで、オルタネータへ出力する制御指令も正確に行われる。その結果、補機バッテリの充電を考慮したオルタネータの発電量も無駄なく設定することができ、車両エンジンへの無駄な負荷を防止して車両の燃費を向上させることができる。
【0029】
このような車両の燃費向上の観点からは、例えば請求項7に記載のように、充電制御手段が、充電量記憶手段に記憶された充電量と、状態検出手段により検出された運転状態とに基づき、補機バッテリにバッテリ上がりが発生しない範囲でオルタネータによる発電を小さくするための当該オルタネータの必要発電量を算出し、この必要発電量に応じてオルタネータの発電を制御することにより、補機バッテリの充電制御を行うようにするのがよい。
【0030】
かかる構成によれば、オルタネータの発電量をできるだけ抑える分、車両エンジンへの負荷を低減でき、結果的に車両の燃費を向上させることができる。また、その分補機バッテリへの負担が大きくなるが、そのバッテリ上がりが生じない範囲で制御されるため、何ら問題は生じない。逆に、このような制御を実現するためには、オルタネータの発電量と補機バッテリの充電量とのバランスが重要となるため、上述した本発明の充電制御システムによる高精度な充電制御の効果が顕著に発揮されるのである。
【0031】
さらに、車両制御の観点からは、充電制御による影響が小さい方が好ましい。そこで、請求項8に記載のように、充電制御手段が、状態検出手段が検出した車両の走行負荷が大きくなるほどオルタネータの発電量が小さくなるように制御し、電気負荷への供給電力の不足分を補機バッテリにより供給させるようにするとよい。
【0032】
かかる構成により、車両が上り坂を走行したり、急な加速をする場合などの走行負荷が大きくなる場合に、エンジンの負荷を優先的に車両制御に用いることができる。このため、本来の車両制御を優先して実行することができる一方、補機バッテリにより必要な電力供給も確保することができる。その結果、乗員に対して車両操作上のストレスを与えることもなく、快適な運転環境を維持することができる。
【0033】
さらに、請求項9に記載のように、充電制御手段が、車両の制動時において、オルタネータにて発生する回生電流の一部を補機バッテリの充電に利用させるように、オルタネータの発電を制御するようにしてもよい。
かかる構成により、例えば車両が下り坂を走行したり、高速走行から低速走行又は停止状態に減速する際に、オルタネータをエンジンブレーキとして利用することができ、そのとき発生する回生電流を有効に活用することができる。その結果、補機バッテリの充電に対するオルタネータひいては車両エンジンへの負担が軽減され、車両の燃費を向上させることができる。
【0034】
尚、上述した制御システムの制御手段及び記憶手段や、上述した充電制御システムの充電制御手段,充電量記憶手段,及び状態記憶手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えられる(請求項10,11)。このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ハードディスク等の記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。その他、ROMやバックアップRAMを記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで使用してもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を明確にするため、本発明の好適な実施例を図面と共に説明する。図1は本実施例の制御システムである充電制御システムの概略構成を表すブロック図である。
【0036】
同図に示すように、本実施例の充電制御システム1は、車両を制御するための電子制御装置(以下「ECU」という)10に動作用電力を供給すると共に、車載電気負荷40に対して補助的に電流を供給する補機バッテリ20の充電制御を行うシステムとして構成されている。
【0037】
すなわち、この充電制御システム1は、補機バッテリ20と、車載発電機であるオルタネータ30と、オルタネータ30に対して指令信号を出してその発電量を制御するECU10とから構成される。
ECU10は、所定の記憶・演算処理を実行する図示しないマイクロコンピュータを中心に構成されており、各種機器を制御するCPU,予め各種の数値やプログラムが書き込まれたROM,演算過程の数値やフラグが所定の領域に書き込まれるRAM,不揮発性のバックアップメモリ(バックアップRAMやEEPROM等),アナログ入力信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ,各種ディジタル信号が入力され、各種ディジタル信号が出力される入出力インターフェース(I/O),計時手段としてのタイマ,及びこれら各機器がそれぞれ接続されるバスラインから構成されている。
【0038】
このECU10は、車速,スロットル開度,アイドル状態,エンジン回転数等の車両の運転状態を検出する各種センサ・スイッチ群からの入力信号に基づき、所定の演算処理を実行し、各種アクチュエータ,ランプ,ブロア,ワイパ等の各種電気負荷40の駆動制御を行う。その一方、ECU10は、バッテリ容量算出部11及びオルタネータ制御電圧算出部12を有し、補機バッテリ20の充放電路に設けられた電流センサ60を介して得た電流値及び補機バッテリ20の端子を介して検出した電圧値に基づき、バッテリ容量算出部11にて補機バッテリ20の充電制御状態やその充電量を算出する。そして、オルタネータ制御電圧算出部12にて、この充電制御状態及び充電量と、各種センサ・スイッチ群50からの入力信号により得られる車両の運転状態とに基づき、補機バッテリ20の充電制御を行う。
【0039】
オルタネータ30は、ECU10から出力される制御電圧指令に従って、車軸への連結の有無やその変速段等を変更してその発電状態を切り換え、電気負荷40に対して必要な駆動用電流を供給すると共に、その余剰電流によって補機バッテリ20の充電を行う。
【0040】
補機バッテリ20は、上述のようにオルタネータ30により充電される一方、ECU10に動作用電力を供給すると共に、オルタネータ30に並設された補助電源として、オルタネータ30による電気負荷40への供給電流が不足した場合に、電気負荷40に補助的に電流を供給する。
【0041】
次に、本実施例の充電制御システムにおいて実行される補機バッテリ20の充電制御方法について、図2〜図6に基づいて説明する。まず、図2〜図4は本充電制御における状態遷移を表す説明図である。
図2に示すように、本充電制御においては、充電制御状態が通常状態,強制充電状態,異常状態,補充電状態の間で遷移するように設定されている。
【0042】
通常状態は、車両の走行状態に応じてオルタネータ30の発電量を制御し、補機バッテリ20を補助電源としての機能させるための充電量を維持する通常の充放電状態である。つまり、ここでは電流センサ60等を介して検出された充電量と、各種センサ・スイッチ群50からの入力信号により得られる車両の運転状態とに基づき、補機バッテリ20にバッテリ上がりが発生しない範囲でオルタネータ30による発電をできるだけ小さくするための必要発電量を算出し、この必要発電量に応じた制御電圧指令を出力してオルタネータ30の発電を制御する。それにより、車両の燃費の向上を図りつつ補機バッテリ20の充電制御を行っている。
【0043】
強制満充電状態は、補機バッテリ20の実際の充電量とECU10内部で算出した充電量(充電量データ)との誤差を解消して、補機バッテリ20の充電状態を正確に測定するために充電量データの補正をするリフレッシュ処理を行う充電制御状態である。すなわち、上記通常状態から定期的に遷移し、補機バッテリ20を満充電状態になるまで強制的に充電させる。そして、その満充電完了時にバックアップメモリの充電量を満充電状態(100%)に書き換えて合わせ込みを行う。このリフレッシュ処理後、原則として再び通常状態に遷移する。
【0044】
異常状態は、通常状態において充電制御システム1になんらかの異常が発生した場合に遷移する状態である。この場合には、継続した充電制御の安全性を確保するために、オルタネータ30の発電電圧が予め定める小さな一定の値に設定される。
【0045】
補充電状態は、エンジン始動を円滑に行うためにスタータオン時に遷移し、充電量が回復するまで充電を行う状態である。これは、スタータオン時は電力を多く消費するため、充電量を回復するために行われるものである。
以上に示した状態遷移は、図3に示す状態遷移テーブルに基づいて行われる。この状態遷移テーブルは、予め設定された車両の状態を表すイベントに対応してどの充電制御状態に遷移するかを記憶しており、ECU10が保有するデータベースの一部を構成している。
【0046】
すなわち、各種センサ・スイッチ群50からの入力信号により得られる車両の運転状態に基づき、システム異常を表すイベントが検知された場合には、上記全ての充電制御状態から異常状態へ遷移する(図2▲3▼)。また、スタータオンを表すイベントが検知された場合には、通常状態から補充電状態へ遷移する(図2▲4▼)。そして、補充電状態において補充電完了を表すイベントが検知された場合には、補充電状態から通常状態へ遷移する(図2▲5▼)。また、通常状態から予め定める一定時間が経過したことを表すイベントが検知された場合には、通常状態から強制充電状態へ遷移する(図2▲1▼)。そして、強制充電状態において満充電完了を表すイベントが検知された場合には、強制充電状態から通常状態へ遷移するように設定されている(図2▲2▼)。
【0047】
尚、状態遷移テーブルは、上記以外にも複数種類設けることができる。例えば、温度条件等によって遷移先を変えたい場合、温度条件毎の状態遷移表を設けることもできる。このように複数の状態遷移テーブルを設けることで最適な制御を実現することができ、制御精度の向上が可能となる。
【0048】
そして、このようにして状態遷移された各種充電制御状態において、さらに各種センサ・スイッチ群50からの入力信号により得られる車両の運転負荷の状態と、バッテリ容量算出部11で算出された充電量データとに基づき、オルタネータ制御電圧算出部12にてオルタネータ30の制御電圧が算出される。この制御電圧の設定は、例えば図4に示された制御電圧設定テーブルに基づいて行われる。この制御電圧設定テーブルでは、車両が一定以上の加速走行,一定以上の減速走行,それ以外の通常走行のいずれの走行状態にあるかによって、各充電制御状態におけるオルタネータ30の電圧制御状態が設定されるように構成されている。
【0049】
すなわち、通常状態においては、車両が加速状態にあるときには、オルタネータ30の駆動によるエンジン負荷を相対的に減少させて加速を優先させるために、オルタネータ30の発電電圧を低下させる。また、車両が坂道をエンジンブレーキにて下る場合等減速状態にあるときには、オルタネータ30をエンジンブレーキの負荷に利用して回生電流を発生させ、その発生電流を電気負荷40の駆動と補機バッテリ20の充電に使用する。この場合、オルタネータ30の発電電圧は結果的に増大することになるが、不用意に発電電圧の上昇を許容すると過電流により電気負荷40や補機バッテリ20が損傷する可能性があるため、その上限値が設定されている。さらに、車両が通常走行状態であるときには、オルタネータ30の発電電圧が現状の値に維持されるように設定されている。
【0050】
また、強制充電状態及び補充電状態のときには、充電状態を優先するためにオルタネータ30の発電電圧が現状の値に維持されるように設定されている。
さらに、異常状態のときには、安全性を確保したり、異常状態であることを報知する等のために、発電電圧が予め定める小さな一定値(例えば0V等の通常あり得ない値など)となるように設定されている。
【0051】
次に、図5及び図6は本充電制御を表すタイミングチャートであり、その縦軸について、上段がバックアップメモリに記憶された補機バッテリ20の充電量データを、中段が補機バッテリ20の実際の充電量を、下段が充電制御状態をそれぞれ表しており、横軸は経過時間を表している。
【0052】
まず、補機バッテリ20が満充電のタイミングでパワーオフ(イグニッションスイッチがオフ)された場合の例を図5に基づいて説明する。
同図に示すように、強制充電状態において、補機バッテリ20はオルタネータ30から供給される電流により徐々に充電され、満充電に至ると実際の充電量は増えずに横ばい状態となる。一方、ECU10では、一定のタイミング(例えば4ms)で電流センサ60から入力される電流情報を積算して充電量データを算出し、その値をバックアップメモリに逐次更新している。
【0053】
そして、このように満充電状態に至ったことが検出されると、上述したリフレッシュ処理が実行され、バックアップメモリの充電量が満充電状態(100%)に強制的に書き換えられる。またそれと共に、前述した状態遷移条件に基づき、充電制御状態が強制充電状態から通常状態に遷移するが、その際、不揮発性のバックアップメモリに、次の制御状態である通常状態の制御変数,充電量データ(100%),現在の制御状態である強制充電状態の制御変数が、この順に格納される。
【0054】
このため、同図に示すように、仮に次の制御状態のみバックアップメモリに書き込んだところでパワーオフとなっても、再度パワーオンされた際には、バックアップメモリに当該次の制御状態が格納されている。このため、それ以前に記憶された現在の制御状態と次の制御状態との変化を判定することができ、これらが異なるときには再度強制充電状態の充電制御を実行してバックアップメモリの充電量データの更新(100%への書き換え)を行うことが可能になる。このため、充電量データ(100%)と実際の充電量(100%)とが一致し、安定した充電量(例えば80%)まで放電したときに実際に維持したい充電量に一致する。この結果、その後電気負荷をオンにしても設計通りの充放電が行われ、従来のような補機バッテリ20の過放電によるバッテリ上がりの問題が発生することもなく、安定した充電制御が行われる。
【0055】
次に、強制充電状態において補機バッテリ20が満充電に満たない充電途中のタイミングでパワーオフされた場合の例を、図6に基づいて説明する。
同図に示すように、強制充電状態の処理の途中でパワーオフがなされた場合、バックアップメモリに更新される充電量データは満充電に至っておらず、強制充電状態から通常状態への遷移が実行されていないため、バックアップメモリには充電制御状態として強制充電状態のまま記憶されている。このため、再度パワーオンされると、強制充電状態にて充電制御による強制充電が再開され、充電量データが積算されていく。そして、満充電状態が判定されると、上述したリフレッシュ処理が行われて充電量データが100%に書き換えられると共に、前述した状態遷移条件に基づき、充電制御状態が強制充電状態から通常状態に遷移する。尚、この場合も、不揮発性のバックアップメモリに、次の制御状態である通常状態の制御変数,充電量データ(100%),現在の制御状態である強制充電状態の制御変数が、この順に更新され記憶される。
【0056】
このため、同図に示すように、バックアップメモリの充電量データの補正が行われ、充電量データと実際の充電量とが一致し、安定した充電量まで放電したときに実際に維持したい充電量に一致する。この結果、その後電気負荷をオンにしても設計通りの充放電が行われ、バッテリ上がりの問題が発生することもなく、安定した充電制御が行われる。
【0057】
次に、本実施例の充電制御においてECU10が実行する処理の流れについて、図7〜図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず図7に示すように、ECU10は4ms毎に充電量算出処理を実行する(S110)。この充電量算出処理は、充電量データを更新するために実行されるものであり、補機バッテリ20の端子電圧等から判断された満充電状態を基準とし、電流センサ60が検出した充放電電流を積算して現在の補機バッテリ20の充電量を算出する。ここで算出された充電量の値がバックアップメモリに更新されていく。
【0058】
次に、図8に示すように、ECU10は64ms毎に状態遷移処理(S210)及びオルタネータ制御電圧算出処理(S220)を実行する。
前者の状態遷移処理では、図9に示されるように、まず、電流センサ60等を介して検出された現在の充電量と、各種センサ・スイッチ群50からの入力信号により得られる現在の車両の運転状態とに基づき、上述した図2の状態遷移テーブルを参照して次の制御状態を取得し(S310)、その制御状態をバックアップメモリに書き込む(S320)。従って、遷移条件にないときは制御状態は遷移されない。
【0059】
続いて、現在の制御状態に基づく充電制御処理を実行する(S330)。ここでは、上述した通常状態,強制充電状態,異常状態,補充電状態のいずれかの状態で決められた充電制御を実行する。例えば強制充電状態であれば、満充電の状態検出処理等が行われる。
【0060】
そして、強制充電状態から通常状態への遷移があったか否かを判断し(S340)、その遷移があったと判断されると(S340:YES)、バックアップメモリの充電量データを満充電状態(100%)に書き換えて更新をした後(S350)、このとき書き換えた充電量データをバックアップメモリの特定の領域に書き込む(S360)。続いて、現在の制御状態を上記で書き込んだ次の制御状態に更新し(S370)、その更新された現在の制御状態をバックアップメモリに書き込む(S380)。以上により、状態遷移処理が完了する。
【0061】
ここで、パワーオン時の処理について、図10に基づいて説明しておく。
同図に示すように、パワーオフから再度パワーオンされると、まず、バックアップメモリから次の制御状態,充電量データ,現在の制御状態を順に読み込む(S410,420,430)。そして、次の制御状態と現在の制御状態とが異なるか否かを判定する(S440)。
【0062】
このとき、次の制御状態と現在の制御状態とが異なると判定されると(S440:YES)、強制充電状態から通常状態に遷移する状態でパワーオフされたと判断し、強制充電状態の充電制御処理を再度行った後、バックアップメモリの充電量データを満充電状態(100%)に書き換えて更新する(S450)。一方、次の制御状態と現在の制御状態とが同じと判定されると(S440:NO)、そのまま処理を終了する。
【0063】
図8に戻り、以上のようにして状態遷移処理が終了すると、続いてオルタネータ制御電圧算出処理が実行される(S220)。この処理は、上述した図4の制御電圧設定テーブルに基づいて行われ、車両が加速走行,減速走行,通常走行のいずれの走行状態にあるかによって、各充電制御状態におけるオルタネータ30の制御電圧が算出される。そして、ここで算出された制御電圧指令がECU10からオルタネータ30に出力され、これに基づく充電制御が実現される。
【0064】
以上に説明したように、本実施例の充電制御システム1においては、強制充電状態から通常状態への途中で電源がオフされることにより、電源オフ前後の補機バッテリ20の充電量を正常に記憶できなかった場合でも、一旦前の制御状態(強制充電状態)に戻ってその制御を再実行し、再度状態遷移をして充電量データの合わせ込みを行っている。
【0065】
このため、次の状態である通常状態の情報は記憶できたが、満充電状態(100%)に合わせ込みが行われた充電量データが記憶できなかった場合にも、電源オン時に再度その合わせ込みを行って充電量データとして記憶することができる。その結果、充電制御状態と充電量データとが整合し、その後の充電制御が精度良く実行される。またそれにより、補機バッテリ20の過放電させてしまうことを防止してバッテリ上がりを防止することができる。
【0066】
さらに、このようにして充電制御が精度良く実行されるため、電気負荷40への電力供給に際し、オルタネータ30の発電量をできるだけ抑えて補機バッテリ20でこれを補うことができ、車両エンジンへの負荷を低減することができる。その結果、車両の燃費を向上させることができる。
【0067】
尚、本実施例において、ECU10が、充電制御手段,充電量記憶手段,及び状態記憶手段に該当し、各種センサ・スイッチ群50が、状態検出手段及びイベント情報検出手段に該当する。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0068】
例えば、上記各実施例ではあえて述べなかったが、リフレッシュ処理を実行しそれが完了したことをバックアップメモリに記憶しておき、当該充電制御システムを含む車両制御装置の他の制御部にその情報を送信するようにしてもよい。それにより、車両全体として制御精度を向上させ、最適な車両制御を実現することができる。
【0069】
その際、例えばCAN通信プロトコルを用いた車内LANを介して、再設定履歴(リフレッシュ処理等の履歴)を車両制御装置の他の制御部に通知するようにしてもよい。それにより車両全体として統合的な制御を実現することができる。また、充電制御状態や充電量データについて、各々のいわゆるミラーデータ(データを反転したデータ)をバックアップメモリに書き込んで、データ化けがないことをチェックできるようにし、データ化けがあったデータについてはこれを用いないようにしてもよい。それにより、正常な充電制御状態を確保してその精度を維持することができる。
【0070】
また、同様の観点から、バックアップメモリの初期化のタイミングで、バックアップメモリにキーワード(任意の値)を書き込み、以降、このデータをチェックすることにより、バックアップメモリのデータの破壊を検出できるようにしてもよい。
【0071】
また、データの書き込みに際しては、先頭データの書き込み前にフラグをセットし、最後尾データの書き込み後にそのフラグをリセットするようにしてもよい。また、このフラグについてもバックアップメモリに書き込むようにしてもよい。それにより、データ書き込みのタイミングが、パワーオフのタイミングと一致した場合に、次のパワーオン時にこのフラグを判定することにより、書き込み途中でパワーオフされたかどうかを判定することができる。
【0072】
或いは、任意のタイミングで使用しているデータを加算して(排他的論理和でも可)、その値を任意のバックアップメモリの領域に書き込み、いわゆるチェックサム値を用いたチェック機能を付加してもよい。それにより、パワーオン時に、使用しているデータを加算(排他的論理和でも可)した値が、既に書き込まれている値と異なった場合に、データ化けとしてこれを検出することができる。
【0073】
また、電流センサのオフセット値を考慮して電流制御を行うようにしてもよい。つまり、パワーオフ時にECUを起動させてオフセット電流値を算出し、そのセンシング誤差を考慮して電流量を算出するようにしてもよい。それにより、電流センシング精度を向上させることができる。
【0074】
さらに、充電量データの容量が大きい場合、つまり充電量データがバックアップメモリに1回で書き込めるデータ容量以上の場合には、バックアップメモリに対して充電量データを数回に分けて書き込みを行うようにしてもよい。それにより、バード的な制約に影響されず、データ長の長いデータを扱うことができる。
【0075】
尚、上記実施例においては、充電制御システムについての例を示したが、本発明の制御システムの技術思想は充電制御システムに限られず、複数の異なる制御状態に遷移し、少なくとも一つの物理値(上記では充電量)に基づいて所定の制御を行う制御システムに適用することができる。
【0076】
そして、その場合には、物理量の合わせ込みに際して、ECU10内の上述したバックアップメモリ内の一定の有限値(上記充電制御では満充電状態:100%)を基準とする他に、ゼロ値,車両状態から算出した値,他のECUのバックアップメモリから通信を介して読み込んだ値,或いは外部から読み込んだ値等を基準とするように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる充電制御システムの概略構成を表すブロック図である。
【図2】実施例の充電制御における状態遷移を表す説明図である。
【図3】充電制御の状態遷移条件を判定するための状態遷移テーブルを表す説明図である。
【図4】オルタネータへの制御電圧指令を出す際に参照される制御電圧設定テーブルを表す説明図である。
【図5】充電制御処理の一例を表すタイミングチャートである。
【図6】充電制御処理の一例を表すタイミングチャートである。
【図7】充電制御処理の流れを表すフローチャートである。
【図8】充電制御処理の流れを表すフローチャートである。
【図9】充電制御処理の流れを表すフローチャートである。
【図10】充電制御処理の流れを表すフローチャートである。
【図11】従来の充電制御処理の問題点を表すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1・・・充電制御システム、 11・・・バッテリ容量算出部、
12・・・オルタネータ制御電圧算出部、 20・・・補機バッテリ、
30・・・オルタネータ、 40・・・電気負荷、 60・・・電流センサ

Claims (11)

  1. 予め定める条件に基づいて複数の異なる制御状態に遷移し、制御に伴い逐次内部メモリに更新される少なくとも一つの物理値に基づいて、所定の制御を行う制御システムにおいて、
    前記所定の制御を行う制御手段と、
    前記制御状態の遷移が実行される際に、次の制御状態,前記内部メモリの物理値,及び現在の制御状態を夫々表す各データを、この順に記憶する不揮発性の記憶手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、当該制御システムを動作させるための電源がオフされ再びオンされた時に、前記記憶手段を参照して得た前記次の制御状態と前記現在の制御状態とが異なる場合に、該現在の制御状態を表すデータを用いて制御処理を再実行することを特徴とする制御システム。
  2. 請求項1に記載の制御システムにおいて、
    さらに、
    前記制御手段による制御状態と、制御対象物を制御する上で発生するイベント情報とに基づき、遷移させるべき制御状態を記憶した状態遷移条件記憶手段と、
    前記イベント情報を検出するイベント情報検出手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記記憶手段が記憶した現在の制御状態と前記イベント情報検出手段が検出した現在のイベント情報とに基づき、状態遷移条件記憶手段を参照して制御状態を遷移させて制御を実行することを特徴とする制御システム。
  3. 請求項2に記載の制御システムにおいて、
    前記状態遷移条件記憶手段は、前記制御状態と前記イベント情報との関係で状態遷移先が設定された複数の状態遷移テーブルから構成されることを特徴とする充電制御システム。
  4. 車両に搭載された電子制御装置からの指令に従って、車載電気負荷に対して駆動用電流を供給するオルタネータと、
    前記オルタネータによる前記電気負荷への供給電流の余剰電流により充電される一方、前記電子制御装置に動作用電力を供給すると共に、前記オルタネータに並設された補助電源として、該オルタネータによる前記電気負荷への供給電流が不足した場合に、前記電気負荷に補助的に電流を供給する補機バッテリと、
    前記補機バッテリに入出する電流を検出して該補機バッテリの充電量を算出し、充電量データとして記憶する充電量記憶手段と、
    車両の運転状態を検出する状態検出手段と、
    前記補機バッテリを前記補助電源としての機能を継続するために充放電させる通常状態と、予め定める条件にて前記補機バッテリを満充電状態になるまで強制的に充電すると共に、前記充電量記憶手段が記憶した充電量データを満充電値に補正して合わせ込みを行う強制充電状態と、を含む複数の充電制御状態の間で状態遷移させつつ、前記充電量記憶手段に記憶された充電量と、前記状態検出手段により検出された運転状態とに基づいて前記オルタネータの発電を制御することにより、前記補機バッテリの充電制御を行う充電制御手段と、
    を備えた充電制御システムであって、さらに、
    少なくとも前記充電制御手段が充電状態の遷移を実行する際に、前記充電制御手段により実行される次の制御状態と、前記強制充電状態にて前記充電量記憶手段が記憶した充電量データと、前記充電制御手段により実行される現在の制御状態とを、この順に記憶する不揮発性の状態記憶手段を備え、
    前記充電制御手段は、車両のイグニッションスイッチがオンされた時に、前記状態記憶手段が記憶した次の制御状態と現在の制御状態とが異なる場合に、現在の制御状態を表す制御処理を再実行することを特徴とする充電制御システム。
  5. 請求項4に記載の充電制御システムにおいて、さらに、
    前記補機バッテリの充電制御状態と車両のイベント情報とに基づき、遷移させるべき充電制御状態を記憶した状態遷移条件記憶手段と、
    前記イベント情報を検出するイベント情報検出手段と、
    を備え、
    前記充電制御手段は、前記状態記憶手段が記憶した現在の充電制御状態と前記イベント情報検出手段が検出した現在のイベント情報とに基づき、状態遷移条件記憶手段を参照して充電制御状態を遷移させ、充電制御を実行することを特徴とする充電制御システム。
  6. 請求項5に記載の充電制御システムにおいて、
    前記状態遷移条件記憶手段は、前記充電制御状態と前記イベント情報との関係で状態遷移先が設定された複数の状態遷移テーブルから構成されることを特徴とする充電制御システム。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の充電制御システムにおいて、前記充電制御手段は、前記充電量記憶手段に記憶された充電量と、前記状態検出手段により検出された運転状態とに基づき、前記補機バッテリにバッテリ上がりが発生しない範囲で前記オルタネータによる発電を小さくするための該オルタネータの必要発電量を算出し、該必要発電量に応じて該オルタネータの発電を制御することにより、前記補機バッテリの充電制御を行うことを特徴とする充電制御システム。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載の充電制御システムにおいて、
    前記充電制御手段は、
    前記状態検出手段が検出した前記車両の走行負荷が大きくなるほど前記オルタネータの発電量が小さくなるように制御し、前記電気負荷への供給電力の不足分を前記補機バッテリにより供給させることを特徴とする充電制御システム。
  9. 請求項4〜8のいずれかに記載の充電制御システムにおいて、前記充電制御手段は、車両の制動時において、前記オルタネータにて発生する回生電流の一部を前記補機バッテリの充電に利用させるように、前記オルタネータの発電を制御することを特徴とする充電制御システム。
  10. 請求項1〜3のいずれかに記載の制御システムの前記制御手段及び前記記憶手段としてコンピュータシステムを機能させるプログラム。
  11. 請求項4〜9のいずれかに記載の充電制御システムの前記充電制御手段,前記充電量記憶手段,及び前記状態記憶手段としてコンピュータシステムを機能させるプログラム。
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