JP2004236219A - 画像圧縮装置、復号装置、画像形成装置、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

画像圧縮装置、復号装置、画像形成装置、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Takanori Yano
隆則 矢野
Yasuyuki Nomizu
泰之 野水
Nekka Matsuura
熱河 松浦
Junichi Hara
潤一 原
Taku Kodama
児玉  卓
Toshio Miyazawa
利夫 宮澤
Hiroyuki Sakuyama
宏幸 作山
Yasuyuki Shinkai
康行 新海
Takayuki Nishimura
隆之 西村
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】画像の圧縮、符号化などの処理を高速化する。
【解決手段】バンドバッファに1バンド分の画像データを書き込み(書込)、この画像データRAMへ読み込んで(読込)、圧縮符号化して(符号化処理)、符号列を作成する(符号列形成)。この場合に、1つ目のバンドの符号化処理(符号化処理1)と2つ目のバンドの書込(書込2)、2つ目のバンドの符号化処理(符号化処理2)と3つ目のバンドの書込(書込3)を同時並行的に実行する。さらに、複数の符号化部を用いることにより、符号化処理1と2、符号化処理2と3を、それぞれ同時並行的に実行してもよい。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を圧縮する画像圧縮装置、画像を圧縮した符号列を復号する復号装置、この画像圧縮装置または復号装置を備えている画像形成装置、画像を圧縮するまたは画像を圧縮した符号列を復号するプログラムおよびそのプログラムを記憶している記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、画像圧縮伸長アルゴリズムとして、国際標準としてJPEG2000という新しい方式が規格化されている。このJPEG2000の処理手順については、例えば、非特許文献1に開示されている。
【0003】
【非特許文献1】
「インターフェイス 2002年1月号」(CQ出版発行)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像圧縮技術は、電子写真方式の画像形成装置などにも使用されている。このような画像形成装置においては、1枚の画像の画像データをバンドという単位に分割して、このバンドごとにバンドバッファとよばれる記憶装置にバッファリングし、このバッファリングされているバンド単位で画像を圧縮符号化し、作成した符号列はページメモリとよばれる記憶装置やハードディスクに記憶する場合がある。そして、この場合に、画像形成を行うときは、ページメモリやハードディスクから符号列を呼び出し、これを復号して、復号後の画像データをプリンタエンジンに出力して画像形成を行う。
【0005】
しかしながら、バンドバッファは記憶容量が小さく、1枚の画像でもバンド単位に分割してバッファリングするため、1枚分の画像の符号化処理をするために、ガザデータのバンドバッファへの書込み、読込み処理を繰り返さなければならず、また、1枚分の画像の画像形成をするためにも、画像圧縮した符号列のバンドバッファへの書込み、読込み処理を繰り返さなければならず、画像の圧縮や画像形成を実行する際に処理を高速化することができなかった。
【0006】
本発明の目的は、画像の圧縮、符号化などの処理を高速化することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像データをバッファリングする第1の記憶装置と、第2の記憶装置と、前記第1の記憶装置に画像データを書き込む書込手段と、この書込ごとの画像データを読み込んで前記第2の記憶装置に記憶する読込手段と、この読み込んだ画像データごとに、当該画像データごとまたは当該画像データをさらに複数の領域に分割して当該領域ごとに独立して当該画像データを前記第2の記憶装置を作業エリアとして利用して圧縮符号化する符号化手段と、を備え、前記符号化手段は、異なる前記画像データについて前記圧縮符号化を前記書込と並列して実行する、画像圧縮装置である。
【0008】
したがって、圧縮符号化を書込と並列して実行することにより、処理を高速化することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像圧縮装置において、前記符号化手段を複数備え、この各符号化手段は、互いに異なる前記画像データについて前記圧縮符号化を並列して実行する。
【0010】
したがって、圧縮符号化を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像圧縮装置において、前記各符号化手段は、互いに異なる前記画像データについて前記読込を並列して前記圧縮符号化を実行する。
【0012】
したがって、読込を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの一に記載の画像圧縮装置において、前記各符号化手段は、前記画像データごとの前記圧縮符号化を早期に終了したものが優先して次の前記画像データごとの前記圧縮符号化を優先的に実行する。
【0014】
したがって、各符号化手段を効率よく利用して、処理を高速化することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、符号列をバッファリングする第3の記憶装置と、第4の記憶装置と、画像データを圧縮符号化した符号列を復号する復号化手段と、この復号後の画像データを前記第3の記憶装置に書き込む書込手段と、この書込ごとの画像データを読み込んで前記第4の記憶装置に記憶する読込手段と、この記憶されている画像データを当該画像データに基づいて媒体上に画像形成を行うプリンタエンジンに出力する出力手段と、を備え、前記符号化手段は、前記画像形成と同時並行的に前記復号を行う、復号装置である。
【0016】
したがって、画像形成と復号とを並列して実行することにより、処理を高速化することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の復号装置において、前記復号手段を複数備え、この各復号手段は、互いに異なる前記符号列について前記復号を並列して実行する。
【0018】
したがって、復号を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の復号装置において、前記各復号手段は、異なる前記符号列について前記読込と並列して前記復号を実行する。
【0020】
したがって、読込と復号とを並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれかの一に記載の復号装置において、前記各復号手段は、前記符号列ごとの前記復号を早期に終了したものが優先して次の前記符号列ごとの前記復号を優先的に実行する。
【0022】
したがって、各復号手段を効率よく利用して、処理を高速化することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれかの一に記載の復号装置と、この復号装置で復号後の画像データに基づいて媒体上に画像の形成を行うプリンタエンジンと、を備えている画像形成装置である。
【0024】
したがって、請求項5〜8のいずれかの一に記載の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、請求項1〜4のいずれかの一に記載の画像圧縮装置と、この画像圧縮装置で圧縮符号化後の符号列を記憶する第5の記憶装置と、をさらに備え、前記復号装置は、前記第5の記憶装置に記憶されている符号列を処理する。
【0026】
したがって、請求項1〜4のいずれかの一に記載の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0027】
請求項11に記載の発明は、画像データをバッファリングする第1の記憶装置に画像データを書き込む書込処理と、この書込ごとの画像データを読み込んで第2の記憶装置に記憶する読込処理と、この読み込んだ画像データごとに、当該画像データごとまたは当該画像データをさらに複数の領域に分割して当該領域ごとに独立して当該画像データを前記第2の記憶装置を作業エリアとして利用して圧縮符号化する符号化処理と、をコンピュータに実行させ、前記符号化処理は、異なる前記画像データについて前記圧縮符号化を前記書込と並列して実行する、コンピュータに読み取り可能なプログラムである。
【0028】
したがって、圧縮符号化を書込と並列して実行することにより、処理を高速化することができる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のプログラムにおいて、前記符号化処理は、互いに異なる前記画像データについて前記圧縮符号化を並列して実行できる。
【0030】
したがって、圧縮符号化を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0031】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のプログラムにおいて、前記各符号化処理は、互いに異なる前記画像データについて前記読込を並列して前記圧縮符号化を実行できる。
【0032】
したがって、読込を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0033】
請求項14に記載の発明は、画像データを圧縮符号化した符号列を復号する復号化処理と、この復号後の画像データを符号列をバッファリングする第3の記憶装置に書き込む書込処理と、この書込ごとの画像データを読み込んで第4の記憶装置に記憶する読込処理と、この記憶されている画像データを当該画像データに基づいて媒体上に画像形成を行うプリンタエンジンに出力する出力処理と、をコンピュータに実行させ、前記符号化処理は、前記画像形成と同時並行的に前記復号を行う、コンピュータに読み取り可能なプログラムである。
【0034】
したがって、画像形成と復号とを並列して実行することにより、処理を高速化することができる。
【0035】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載のプログラムにおいて、前記復号処理は、互いに異なる前記符号列について前記復号を並列して実行できる。
【0036】
したがって、復号を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0037】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載のプログラムにおいて、前記各復号処理は、異なる前記符号列について前記読込と並列して前記復号を実行できる。
【0038】
したがって、読込と復号とを並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0039】
請求項17に記載の発明は、請求項11〜16のいずれかの一に記載のプログラムを記憶している記憶媒体である。
【0040】
したがって、請求項11〜16のいずれかの一に記載の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0041】
【発明の実施の形態】
[JPEG2000アルゴリズムの概要について]
まず、本実施の形態に関連するJPEG2000アルゴリズムの概要について説明する。
【0042】
図10は、JPEGアルゴリズムの概要を説明するためのブロック図である。JPEGアルゴリズムは、色空間変換・逆変換部100、離散コサイン変換・逆変換部101、量子化・逆量子化部102、エントロピー符号化・復号化部103で構成されている。通常は、高い圧縮率を得るために、非可逆符号化を使用するので、完全なオリジナル画像データの圧縮伸長、いわゆるロスレス圧縮は行なわない場合がほとんどである。しかしながら、この非可逆(ロッシー)圧縮により実用上問題が生じることは少ない。そのため、JPEG方式は、圧縮や伸長の処理あるいは圧縮後の画像データ蓄積に必要なメモリ容量を抑え、また、データの送受信に費やされる時間を短くすることに大きく貢献している。こうした利点のために、JPEGは現在最も広く普及している静止画像の圧縮伸長アルゴリズムとなった。
【0043】
図11は、JPEG2000アルゴリズムの概要を説明するためのブロック図である。JPEG2000のアルゴリズムは、色空間変換・逆変換部110、2次元ウェーブレット変換・逆変換部111、量子化・逆量子化部112、エントロピー符号化・復号化部113、タグ処理部114で構成されている。
【0044】
上記のごとく、現在、最も広く普及している静止画像の圧縮伸長方式はJPEGである。しかしながら、静止画像に対する高精細化の要求はとどまることがなく、JPEG方式にも技術的な限界が見え始めている。例えば、今まではあまり目立たなかったブロックノイズやモスキートノイズが、原画像の高精細化に伴い顕著となり、JPEGファイルの画質劣化が無視できないレベルとなってきている。その結果を受けて、低ビットレート、すなわち高圧縮率領域における画質向上が、技術開発の最重要課題として認識されるようになった。JPEG2000はこうした問題を解決することが出来るアルゴリズムとして生まれた。そして、近い将来、現在主流のJPEG形式と併用されることが予想される。
【0045】
前述した図10と図11とを比較して、最も大きく異なる点の一つは変換方法である。JPEGは離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)を、JPEG2000は離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)を用いている。DWTはDCTに比べて、高圧縮領域における画質が良いという長所が、採用の大きな理由となっている。また、もう一つの大きな相違点は、後者では、最終段に符号形成をおこなうために、タグ処理部114と呼ばれる機能ブロックが追加されている。ここで、コードストリームの生成や解釈が行われる。そして、コードストリームによって、JPEG2000は様々な便利な機能を実現できるようになった。例えば、図12は、デコンポジションレベルが3の場合の、各デコンポジションレベルにおけるサブバンドの一例を示す図で、図12に示したブロックベースでのDWTにおけるオクターブ分割の階層に対応した任意の階層で、静止画像の圧縮伸長処理を停止させることができる。
【0046】
なお、図10と図11の原画像の入出力部分には、色空間変換・逆変換部100,110が用意されることが多い。例えば、原色系のR(赤)/G(緑)/B(青)の各コンポーネントからなるRGB表色系や、補色系のY(黄)/M(マゼンタ)/C(シアン)の各コンポーネントからなるYMC表色系から、YCrCbあるいはYUV表色系への変換又は逆の変換を行なう部分がこれに相当する。
【0047】
以下、JPEG2000アルゴリズムについて、説明する。
【0048】
ここで、JPEG2000に関する用語の定義は、JPEG2000 PartI FDIS(Final Draft International Standard)に準拠するものとする。以下、代表的な用語の定義について示す。
【0049】
1.code−block: A rectangular grouping of coefficients from the same subband of a tile−component.
2.decomposition level: A collection of wavelet subbands where each coefficient has the same spatial impact or span with respect to the source component samples. These include the HL, LH, and HH subbands of the same two dimensional subband decomposition. For the last decomposition level the LL subband is also included.
3.precinct: A one rectangular region of a transformed tile−component, within each resolution level, used for limiting the size of packets.
4.layer: A collection of compressed image data from coding passes ofone, or more, code−blocks of a tilecomponent. Layers have an order for encoding and decoding that must be preserved.
5.region of interest(ROI):A collection of coefficients that are considered of particular relevance by some user defined measure.以上が、代表的な用語の定義である。
【0050】
図13は、タイル分割されたカラー画像の各コンポーネントの例を示す図である。カラー画像は、一般に、図13に示すように、原画像の各コンポーネント130,131,132(この例ではRGB原色系)が、矩形をした領域(タイル)130,131,132によって分割される。そして、個々のタイル、例えば、R00,R01,…,R15/G00,G01,…,G15/B00,B01,…,B15が、圧縮伸長プロセスを実行する際の基本単位となる。従って、圧縮伸長動作は、コンポーネント毎、そしてタイル毎に、独立に行われる。
【0051】
符号化時には、各コンポーネントの各タイルのデータが、図11に示した色空間変換部110に入力され、色空間変換を施されたのち、2次元ウェーブレット変換部111で2次元ウェーブレット変換(順変換)が適用されて周波数帯に空間分割される。
【0052】
前述した図12には、デコンポジションレベルが3の場合の、各デコンポジションレベルにおけるサブバンドを示している。すなわち、原画像のタイル分割によって得られたタイル原画像(0LL)(デコンポジションレベル0(符号120))に対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル1(符号121)に示すサブバンド(1LL,1HL,1LH,1HH)を分離する。そして引き続き、この階層における低周波成分1LLに対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル2(符号122)に示すサブバンド(2LL,2HL,2LH,2HH)を分離する。順次同様に、低周波成分2LLに対しても、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル3(符号123)に示すサブバンド(3LL,3HL,3LH,3HH)を分離する。
【0053】
更に図12では、各デコンポジションレベルにおいて符号化の対象となるサブバンドを、グレーで表してある。例えば、デコンポジションレベルを3とした時、グレーで示したサブバンド(3HL,3LH,3HH,2HL,2LH,2HH,1HL,1LH,1HH)が符号化対象となり、3LLサブバンドは符号化されない。
【0054】
次いで、指定した符号化の順番で符号化の対象となるビットが定められ、図11に示した量子化部112で対象ビット周辺のビットからコンテキストが生成される。量子化の処理が終わったウェーブレット係数は、個々のサブバンド毎に、プレシンクトと呼ばれる重複のない矩形に分割される。これは、インプリメンテーションでメモリを効率的に使うために導入されたものである。なお、量子化・逆量子化部112における量子化、逆量子化の処理は、JPEG2000アルゴリズムにおいて必ず行われなければならない処理ではなく、省いてもかまわない。すなわち、ロスレスで圧縮する場合は、量子化を行わないことになる。
【0055】
図14は、プレシンクトとコードブロックの関係の一例を説明する図で、原画像140は、デコンポジションレベル1において、タイル140t0,140t1,140t2,140t3の4つのタイルに分割されている。図14に示したように、例えばプレシンクト140p4は、空間的に一致した3つの矩形領域からなり、プレシンクト140p6も同様である。ここでプレシンクトの番号はラスター順に0〜8まで割り当てられる。更に、個々のプレシンクトは、重複しない矩形のコードブロックと呼ばれるブロックに分けられる。本例では、0〜11までの12個のコードブロックに分けられており、例えばコードブロック140b1は、コードブロック番号1を示す。このコードブロックは、エントロピーコーディングを行なう際の基本単位となる。
【0056】
ウェーブレット変換後の係数値は、そのまま量子化し符号化することも可能であるが、JPEG2000では符号化効率を上げるために、係数値を「ビットプレーン」単位に分解し、画素あるいはコード・ブロック毎に「ビットプレーン」に順位付けを行なうことができる。図15には、その手順を簡単に説明するものである。この例は、原画像(32×32画素)を16×16画素のタイル4つで分割した場合で、デコンポジション・レベル1のプレシンクトとコード・ブロックの大きさは、各々8×8画素と4×4画素としている。プレシンクトとコード・ブロックの番号は、ラスター順に付けられる。タイル境界外に対する画素拡張にはミラーリング法を使い、可逆(5,3)フィルタでウェーブレット変換を行い、デコンポジションレベル1のウェーブレット係数値を求めている。また、タイル0/プレシンクト3/コード・ブロック3について、代表的な「レイヤ」についての概念図をも併せて示している。レイヤの構造は、ウェーブレット係数値を横方向(ビットプレーン方向)から見ると理解しやすい。1つのレイヤは任意の数のビットプレーンから構成される。この例では、レイヤ0,1,2,3は、各々、1,3,1の3つのビットプレーンから成っている。そして、LSBに近いビットプレーンを含むレイヤ程、先に量子化の対象となり、逆に、MSBに近いレイヤは最後まで量子化されずに残ることになる。LSBに近いレイヤから破棄する方法はトランケーションと呼ばれ、量子化率を細かく制御することが可能である。なお、トランケーションを実行する処理は、レイヤから破棄する方法だけではない。
【0057】
前述の図11に示したエントロピー符号化部113では、コンテキストと対象ビットから確率推定によって、各コンポーネントのタイルに対する符号化を行なう。こうして、原画像の全てのコンポーネントについて、タイル単位で符号化処理が行われる。最後にタグ処理部114は、エントロピーコーダ部からの全符号化データを1本のコードストリームに結合するとともに、それにタグを付加する処理を行なう。図16は、コードストリームの構造の一例を簡単に示した図で、コードストリームの先頭と各タイルを構成する部分タイルの先頭にはヘッダ(それぞれ、メインヘッダ150及びタイルパートヘッダ151)と呼ばれるタグ情報が付加され、その後に、各タイルの符号化データ(ビットストリーム152)が続く。そして、コードストリームの終端には、再びタグ(End of codestream)153が置かれる。
【0058】
一方、復号化時には、符号化時とは逆に、各コンポーネントの各タイルのコードストリームから画像データを生成する。前述の図11を用いて簡単に説明する。この場合、タグ処理部114は、外部より入力したコードストリームに付加されたタグ情報を解釈し、コードストリームを各コンポーネントの各タイルのコードストリームに分解し、その各コンポーネントの各タイルのコードストリーム毎に復号化処理が行われる。コードストリーム内のタグ情報に基づく順番で復号化の対象となるビットの位置が定められるとともに、逆量子化部112で、その対象ビット位置の周辺ビット(既に復号化を終えている)の並びからコンテキストが生成される。エントロピー復号化部113で、このコンテキストとコードストリームから確率推定によって復号化を行い対象ビットを生成し、それを対象ビットの位置に書き込む。
【0059】
このようにして復号化されたデータは周波数帯域毎に空間分割されているため、これを2次元ウェーブレット逆変換部111で2次元ウェーブレット逆変換を行なうことにより、画像データの各コンポーネントの各タイルが復元される。復元されたデータは色空間逆変換部110によって元の表色系のデータに変換される。
【0060】
また、従来のJPEG圧縮伸長形式の場合は、上記のJPEG2000で述べたタイルを、2次元離散コサイン変換を行なう、一辺が8ピクセルの正方形ブロック、として読み替えれば良い。
【0061】
ここまでは、一般的な静止画像についての説明であったが、この技術を動画像に拡張することも可能である。すなわち、動画像の各フレームを1枚の静止画像で構成し、これらの静止画像を、アプリケーションに最適なフレーム速度で動画像データを作成(符号化)し、あるいは表示(復号化)させることができる。これが、静止画像のMotion圧縮伸長処理と言われている機能である。この方式は、動画像で現在広く使われているMPEG形式のビデオ・ファイルには無い機能、すなわち、フレーム単位で高品質な静止画像を扱えるという利点を持っていることから、放送局等の業務分野で注目を集め始めている。やがては、一般消費者向けに普及する可能性も大きい。
【0062】
[発明の実施の形態1]
本発明の一実施の形態を発明の実施の形態1として説明する。
【0063】
図1は、本実施の形態であるデジタル複写機1の概略構成を示すブロック図である。このデジタル複写機1は、本発明の画像形成装置を実施するもので、周知の電子写真プロセスにより用紙上などに画像形成を行なうプリンタエンジン2と、原稿の画像を読み取るスキャナ3とを備えている。このデジタル複写機1は、マイクロコンピュータを有するコントローラ5を備えている。このコントローラ55は、具体的には、デジタル複写機1の全体を制御するメインコントローラと、メインコントローラ5各部をそれぞれ制御する複数のサブコントローラとからなるが、ここでは、単一のコントローラ5として図示する。このコントローラ5のCPUは、ROMに記憶されている制御プログラムに基づいて後述する処理を実行する。
【0064】
プリンタエンジン2は、それぞれ感光体、現像装置、クリーニング装置、帯電装置を有していて、K,M,C,Y(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)各色の乾式トナー像を形成するためのプロセスカートリッジ11K,11M,11C,11Yと、転写ベルト12と、定着装置13と、プロセスカートリッジ11K,11M,11C,11Yの各感光体にK,M,C,Y各色の画像の静電潜像を光書込みする光書込装置14K,14M,14C,14Yとを備えている。また、デジタル複写機1は、カラー画像を記録されるための媒体(用紙やOHPなど)を収納する給紙トレイ15a〜15cを備えている。各プロセスカートリッジ11K,11M,11C,11Yは、K,M,C,Y各色のトナー像を転写ベルト12に重ね合わせて形成し、この重ね合わされたトナー像は、給紙トレイ15a〜15cから供給される媒体に転写されて、定着装置13により定着される。
【0065】
また、デジタル複写機1は、第1および第3の記憶装置となるバンドバッファ22、符号化部23a,23b、復号部24,24b、ページメモリ25からなる、画像処理装置26を備えている。
【0066】
図1において、バンドバッファ22は、1ページ分の画像データを構成する複数のバンドのうち、一つのバンドに含まれる画素のデータを格納するためのバッファである。ここでバンドとは、所定数の画素ラインから構成される画像データの一領域である。
【0067】
デジタル複写機1は、LANなどの所定のネットワーク4から図示しない通信インターフェイスを介して画像データを受け取ることができる。RIP部21は、ネットワーク4を介して入力された画像データがPDL(ページ記述言語)形式のデータであるとき、これをバンド単位に描画処理してビットマップ形式に変換して、画像処理装置26に出力する。
【0068】
本例では、バンドバッファ22に格納された画像データを符号化するための符号化装置である符号化部23a,23bと、圧縮符号列を復号するための復号装置である復号化部24a,24bを備えている。符号化部23aと23b、復号化部24aと24bは、それぞれ同一の処理が可能である。これらは、静止画圧縮の国際標準であるJPEG2000、JPEGなどにより処理を実施する。すなわち、本実施の形態で使用する符号化方式は、画像を1または複数の領域(タイルなど)に分割し、この領域ごとに独立して圧縮符号化する方式である。例えば、JPEG2000方式においては、画像をタイル分割して符号化することができ、また、タイル数=1はタイル分割しない場合に該当するので、符号化部24aはタイル数=1としてJPEG2000方式で画像データを符号化し、一方、符号化部24bはタイル数=16としてJPEG2000方式で画像データを符号化する。
【0069】
ページメモリ25は、所定ページ分の画像データを圧縮符号列として格納(記憶)するための記憶装置である。本例のページメモリ25は、A4サイズの画像データ1ページ分の圧縮符号列を格納可能とする。ハードディスク27はページメモリ25に格納された圧縮符号列を取得して格納し、必要に応じてその圧縮符号列をページメモリ25に再格納するために設けられたメモリである。
【0070】
RGB→CMYK変換部28は、後述のようにして復号化部24bで復号された、RGB(レッド、グリーン、ブルー)色の信号で表現された画像データを受け取り、これをCMYK信号に変換する。K,M,C,Y色階調処理部29K、29M,29C,29Yは、それぞれK,M,C,Y色の多値データを少値化して書込データに変換する機能を果たす。本例では、バンドバッファ22では1画素8ビットの600dpi画像データを格納し、これをK,M,C,Y色階調処理部29K,29M,29C,29Yで1画素1ビットの1200dpi画像データへと変換する。
【0071】
K,M,C色の書込みデータは、画像形成開始タイミングを調節するためにラインメモリ16K,16M,16Cに格納され、各色の画像が媒体上で重なり合うようにタイミングを合わせてK、M、C,Y,の色書込装置14K,14M,14C,14Yに送られ、画像形成に供される。
【0072】
次に、本例における符号化部23a,23bが行う処理を図2(a)の機能ブロック図を参照して説明する。ここでの符号化方式は、JPEG2000である。すなわち、RGB信号からなる画像データは必要に応じてタイル分割部31でタイル分割され、タイルごとに独立(ここで、「独立」とは、符号化の際に他のタイル内の画素情報を利用することなく、画像の圧縮符号化を実施するという意味である)にDCレベルシフト部32でレベルシフトされ、色変換部33で色変換され、各色変換係数がウェーブレット変換部34でウェーブレット変換され、エントロピー符号化部35でウェーブレット係数がエントロピー符号化される。エントロピー符号化された符号は符号フォーマットに従い、最終的に必要とされる符号順序に並べ替えて出力される。
【0073】
次に、復号化部24a,24bが行う処理について説明する。図2(b)は、復号部24a,24bが実施する復号方式の機能ブロック図である。復号部24a,24bが実行するのは符号化部23の逆変換であり、符号化部23a,23bで使用するDCレベルシフト、色変換、ウェーブレット変換、エントロピー符号化の各処理の逆変換をそれぞれ実行する逆DCレベルシフト部36、逆色変換部37、ウェーブレット逆変換部38、エントロピー復号部39からなる。圧縮符号がタイル分割されている場合には、かかる処理を各タイルについて実行する。
【0074】
図3は、画像処理装置26の制御や、この画像処理装置26で処理後の画像データのプリンタエンジン2への出力などの処理にかかわるコントローラ5(ここでは、サブコントローラ6とする)を構成するマイクロコンピュータのハードウエア構成の概略を示すブロック図である。すなわち、このサブコントローラ6は、各種演算を行い、各部を集中的に制御するCPU41と、各種制御プログラムが格納された記憶媒体であるROM42と、CPU41の作業エリアとなる第2および第4の記憶装置となるRAM43とが、バス44で接続されている。バス44には、前述のバンドバッファ22、ページメモリ25、ハードディスク27などのほか、スキャナ3、RIP部21、プリンタエンジン2側などと通信を行う所定の通信インターフェイス45、ASIC(Application Specified IC)46などが接続されている。符号化部23a,23b、復号化部24a,24bは、この例では、その少なくとも一部の処理をASIC46により実行し、残りの処理はCPU41が行う処理によっている(すべての処理をCPU41の処理によることもできる)。
【0075】
次に、デジタル複写機1の動作について説明する。
【0076】
図4に示すように、1枚の画像51をバンド52に分割して(図4の例では、▲1▼〜▲4▼の4つのバンド52に分割している)、このバンド52ごとに画像データをバンドバッファ22でバッファリングするとした場合、画像処理装置26で行う画像の圧縮、その復号は、バンド52ごとに単一のタイルを構成するようにして処理する。あるいは、単一のバンド52をさらに複数のタイルに分割して処理してもよい。いずれにしても、単一のバンド52が処理単位となる。
【0077】
次に、符号化部23a,23bで画像を圧縮符号化する処理の手順について説明する。すなわち、CPU41は、次の(1)〜(4)の手順で処理する。
【0078】
(1)「書込」:スキャナ3、または、ネットワーク4から取り込んだ一個のバンド52の画像データをバンドバッファ22に書き込む(書込手段、書込処理)。
【0079】
(2)「読込」:バンドバッファ22に格納されているバンド52をRAM43に読み込む(読込手段、読込処理)。
【0080】
(3)「符号化処理」:この読み込んだバンド52を符号化する(符号化手段、符号化処理)。
【0081】
(4)「符号列形成」:(1)〜(3)を繰り返して、画像1枚分の符号化が行われたときは(バンド52ごとにタイルを構成するとすれば、バンド52の数だけのタイルを処理したことになる)、その処理後の各符号データを1本の符号列に生成する。
【0082】
かかる処理のタイムチャートの構成例を図5に示す。図5において、横軸は時間経過を示し、縦軸は後述の処理の並列を示す。
【0083】
ここでは、1,2,3…番目のバンド52についての、「書込」、「読込」、「符号化処理」を、それぞれ「書込1,2,3…」、「読込1,2,3…」、「符号化処理1,2,3…」と表し、1枚の画像を3つのバンド52に分割するものとする。
【0084】
図5(a)の例は、1,2,3番目のバンド52について、順次、「書込」、「読込」を実行して、1,2,3番目すべてのバンド52をRAM43に読み込んでから、一気にすべてのバンド52を「符号化処理」している。
【0085】
しかし、かかる処理では、処理を十分に高速化することができない。そこで、本実施の形態では、図5(a)の処理に代えて図5(b)の処理を実行する。すなわち、ここでは、異なるバンド52ごとに「書込」と「符号化処理」を並列的に処理する。すなわち、「書込2」と「符号化処理1」を並列して実行し、「書込3」と「符号化処理2」を並列して実行する。その結果、「符号化処理1,2,3」を分散して実行し、最後に「符号列形成」で1本の符号列にまとめる。これにより、図5(a)の処理に比較して処理を高速化することができる。かかる処理は、符号化部23aまたは23bのいずれか一方で実行できるので、かかる処理を実行する場合は、符号化部23bを備えている必要はない。
【0086】
これに対し、複数の符号化部23a,23bを用いて、図5(c)の処理を実行すれば、さらに処理を高速化することができる。すなわち、図5(c)では、複数の符号化部23a,23bを用いることにより、異なるバンド52ごとに「符号化処理」同士も並列的に実行する。すなわち、「符号化処理1」と「符号化処理2」を並列処理し、「符号化処理2」と「符号化処理3」を並列処理している。
【0087】
このように、複数の符号化部23a,23bを用いる場合には、符号化部23a,23bの使用をスケジューリングする所定の制御用テーブルを用いて処理を効率化することができる。符号化部23aと23bとのうち、1つの「符号化処理」を終了し、未使用となったものから優先して次の「符号化処理」を実行させるようにする。
【0088】
すなわち、符号化部23a,23bのうち、使用中のものにはON、現在未使用のものにはOFFを設定する。すなわち、符号化部23aまたは23bの使用を開始するときは、制御用テーブルの符号化部23aまたは23bの欄のフラグをONにし、符号化部23aまたは23bの使用を終了するときは、制御用テーブルの符号化部23aまたは23bの欄のフラグをOFFにする。
【0089】
図6に示すように、これを用いて、CPU41は、バンドバッファ22への「書込」が終了した時点で(ステップS1のY)、制御用テーブルで符号化部23a,23bのうち現在未使用のものを探す(ステップS2)。すべて使用中であるときは、いずれかひとつが未使用となるまで待ち(ステップS2のN)、未使用のものがあったときは(ステップS2のY)、その符号化部23aまたは23bで、ステップS1で「書込」を行ったバンド52の「読込」、「符号化処理」を開始する(ステップS3)。
【0090】
次に、復号化部24a,24bで画像を圧縮符号化する処理の手順について説明する。すなわち、CPU41は、次の(1)〜(4)の手順で処理する。
【0091】
(1)「復号化処理」:ページメモリ25、または、ハードディスク27から取り込んだ一個のバンド52の符号列を復号化部24a,24bで復号する(復号化手段、復号化処理)。
【0092】
(2)「書込」:この復号後のバンド52の画像データをバンドバッファ22に書き込む(書込手段、書込処理)。
【0093】
(3)「読込」:この書き込んだバンド52の画像データをバンドバッファ22から読み込んでRAM43に記憶する(読込手段、読込処理)。
【0094】
(4)「画像形成処理」:(1)〜(3)を繰り返して、RAM43に取り込まれたものから順に各バンド52の画像データをプリンタエンジン2側に順次出力して、プリンタエンジン2における画像形成に供する(出力手段、出力処理)。
【0095】
かかる処理のタイムチャートの構成例を図7に示す。図7において、横軸は時間経過を示し、縦軸は後述の処理の並列を示す。
【0096】
ここでは、1,2,3…番目のバンド52についての、「復号化処理」、「書込」、「読込」、「画像形成処理」を、それぞれ「書込1,2,3…」、「読込1,2,3…」、「符号化処理1,2,3…」、「画像形成処理1,2,3…」と表し、1枚の画像を3つのバンド52に分割するものとする。
【0097】
図7(a)の例は、1,2,3番目のバンド52について、一気に復号化処理を行った後、1,2,3番目のバンド52について、順次、「書込」、「読込」、「画像形成処理」を実行する。
【0098】
しかし、かかる処理では、復号処理を十分に高速化することができない。そこで、本実施の形態では、図7(a)の処理に代えて図7(b)の処理を実行する。すなわち、ここでは、バンド52ごとに「復号化処理」を行っては、順次「書込」、「読込」、「画像形成処理」を実行し、異なるバンド52ついて「復号化処理」と「画像形成処理」とを並列的に処理する。すなわち、「復号化処理2」と「画像形成1」を並列して実行し、「復号化処理書込3」と「画像形成処理2」を並列して実行する。これにより、図7(a)の処理に比較して処理を高速化することができる。かかる処理は、復号化部24aまたは24bのいずれか一方で実行できるので、かかる処理を実行する場合は、復号化部24bを備えている必要はない。
【0099】
これに対し、複数の復号化部24a,24bを用いて、図7(c)の処理を実行すれば、さらに処理を高速化することができる。すなわち、図7(c)では、複数の復号化部24a,24bを用いることにより、異なるバンド52について「符号化処理」同士も並列的に実行する。すなわち、「符号化処理1」と「符号化処理2」を並列処理している。
【0100】
このように、複数の復号化部24a,24bを用いる場合にも、復号化部24a,24bの使用をスケジューリングする所定の制御用テーブルを用いて処理を効率化することができる。ここでも、復号化部24aと24bとのうち、1つの「復号化処理」を終了し、未使用となったものから優先して次の「復号化処理」を実行させるようにする。
【0101】
すなわち、復号化部24a,24bのうち、使用中のものにはON、現在未使用のものにはOFFを設定する。復号化部24aまたは24bの使用を開始するときは、制御用テーブルの復号化部24aまたは24bの欄のフラグをONにし、復号化部24aまたは24bの使用を終了するときは、制御用テーブルの復号化部24aまたは24bの欄のフラグをOFFにする。
【0102】
図8に示すように、これを用いて、CPU41は、1つのバンド52の符号列の「書込」が終了した時点で(ステップS11のY)、制御用テーブルで復号化部24a,24bのうち現在未使用のものを探す(ステップS12)。すべて使用中であるときは、いずれかひとつが未使用となるまで待ち(ステップS12のN)、未使用のものがあったときは(ステップS12のY)、その復号化部24aまたは24bで、次のバンド52の符号列の「読込」、「復号化処理」を開始する(ステップS13)。
【0103】
[発明の実施の形態2]
本発明の別の実施の形態について発明の実施の形態2として説明する。
【0104】
図9は、本実施の形態である画像処理装置61の電気的な接続を示すブロック図である。図9に示すように、画像処理装置61は、PCなどの情報処理装置であり、各種演算を行ない画像処理装置61の各部を集中的に制御するCPU62と、各種のROMやRAMからなるメモリ63とが、バス64で接続されている。
【0105】
バス64には、所定のインターフェイスを介して、ハードディスクなどの磁気記憶装置65と、マウスやキーボードなどで構成される入力装置66と、LCDやCRTなどの表示装置67と、光ディスクなどの記憶媒体68を読取る記憶媒体読取装置69と、媒体上に画像の形成を行うプリンタ72とが接続され、また、インターネットなどのネットワーク70と通信を行なう所定の通信インターフェイス71が接続されている。なお、記憶媒体8としては、CDやDVDなどの光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブルディスクなどの各種方式のメディアを用いることができる。また、記憶媒体読取装置69は、具体的には記憶媒体68の種類に応じて光ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブなどが用いられる。
【0106】
磁気記憶装置65には、本発明のプログラムを実現する画像処理プログラムが記憶されている。この画像処理プログラムは、記憶媒体68から記憶媒体読取装置69により読取るか、あるいは、インターネットなどのネットワーク70からダウンロードするなどして、磁気記憶装置65にインストールしたものである。このインストールにより画像処理装置61は動作可能な状態となる。なお、この画像処理プログラムは、所定のOS上で動作するものであってもよい。また、特定のアプリケーションソフトの一部をなすものであってもよい。
【0107】
このような構成の画像処理装置61は、画像処理プログラムにより、前述の画像処理装置26と同様の処理を行なう。具体的な処理内容については、図4〜図8を参照して前記したとおりであるため、ここでは省略する。なお、実施の形態1では、復号後の画像データをプリンタエンジン2に送出し、プリンタエンジン2において画像形成する処理を「画像形成処理」としていたが、ここでは、プリンタ72がプリンタエンジン2に相当し、復号後の画像データをプリンタ72に送出し、プリンタ72において画像形成する処理を「画像形成処理」とする。また、プリンタ72の印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、さまざまな方式を用いることができる。
【0108】
これにより、画像処理装置61において、一連の処理を高速化することができる。
【0109】
【発明の効果】
請求項1,11に記載の発明は、圧縮符号化を書込と並列して実行することにより、処理を高速化することができる。
【0110】
請求項2,12に記載の発明は、請求項1,11に記載の発明において、圧縮符号化を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0111】
請求項3,13に記載の発明は、請求項2,12に記載の発明において、読込を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0112】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの一に記載の発明において、各符号化手段を効率よく利用して、処理を高速化することができる。
【0113】
請求項5,14に記載の発明は、画像形成と復号とを並列して実行することにより、処理を高速化することができる。
【0114】
請求項6,15に記載の発明は、請求項5,14に記載の発明において、復号を並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0115】
請求項7,16に記載の発明は、請求項6,15に記載の発明において、読込と復号とを並列して実行することにより、さらに処理を高速化することができる。
【0116】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれかの一に記載の発明において、各復号手段を効率よく利用して、処理を高速化することができる。
【0117】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれかの一に記載の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0118】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、請求項1〜4のいずれかの一に記載の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0119】
請求項17に記載の発明は、請求項11〜16のいずれかの一に記載の発明と同様の作用、効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1であるデジタル複写機の全体構成を示すブロック図である。
【図2】符号化、復号化処理の機能ブロック図である。
【図3】画像処理装置の制御や、その処理後の画像データのプリンタエンジンへの出力などの処理にかかわるサブコントローラを構成するマイクロコンピュータのハードウエア構成の概略を示すブロック図である。
【図4】画像データのバンドへの分割について説明する説明図である。
【図5】比較例(a)と本実施の形態(b)(c)についての符号化処理について説明するタイムチャートである。
【図6】本実施の形態の符号化処理における符号化部の選択について説明するフローチャートである。
【図7】比較例(a)と本実施の形態(b)(c)についての復号化処理について説明するタイムチャートである。
【図8】本実施の形態の復号化処理における復号化部の選択について説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2である画像処理装置の電気的な接続を示すブロック図である。
【図10】JPEGアルゴリズムの概要を説明するためのブロック図である。
【図11】JPEG2000アルゴリズムの概要を説明するためのブロック図である。
【図12】デコンポジションレベルが3の場合の、各デコンポジションレベルにおけるサブバンドの一例を示す図である。
【図13】タイル分割されたカラー画像の各コンポーネントの例を示す図である。
【図14】プレシンクトとコードブロックの関係の一例を説明する図である。
【図15】係数値を「ビットプレーン」単位に分解し、画素あるいはコード・ブロック毎に「ビットプレーン」に順位付けを行なう手順の説明図である。
【図16】コードストリームの構造の一例を簡単に示した図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 プリンタエンジン
26 画像処理装置
61 画像処理装置

Claims (15)

  1. 画像データをバッファリングする第1の記憶装置と、
    第2の記憶装置と、
    前記第1の記憶装置に画像データを書き込む書込手段と、
    この書込ごとの画像データを読み込んで前記第2の記憶装置に記憶する読込手段と、
    この読み込んだ画像データごとに、当該画像データごとまたは当該画像データをさらに複数の領域に分割して当該領域ごとに独立して当該画像データを前記第2の記憶装置を作業エリアとして利用して圧縮符号化する符号化手段と、
    を備え、
    前記符号化手段は、異なる前記画像データについて前記圧縮符号化を前記書込と並列して実行する、
    画像圧縮装置。
  2. 前記符号化手段は、互いに異なる前記画像データについて前記圧縮符号化を並列して実行できる、
    請求項1に記載の画像圧縮装置。
  3. 前記各符号化手段は、互いに異なる前記画像データについて前記読込を並列して前記圧縮符号化を実行できる、
    請求項2に記載の画像圧縮装置。
  4. 符号列をバッファリングする第3の記憶装置と、
    第4の記憶装置と、
    画像データを圧縮符号化した符号列を復号する復号化手段と、
    この復号後の画像データを前記第3の記憶装置に書き込む書込手段と、
    この書込ごとの画像データを読み込んで前記第4の記憶装置に記憶する読込手段と、
    この記憶されている画像データを当該画像データに基づいて媒体上に画像形成を行うプリンタエンジンに出力する出力手段と、
    を備え、
    前記符号化手段は、前記画像形成と同時並行的に前記復号を行う、
    復号装置。
  5. 前記復号手段は、互いに異なる前記符号列について前記復号を並列して実行できる、
    請求項4に記載の復号装置。
  6. 前記各復号手段は、異なる前記符号列について前記読込と並列して前記復号を実行できる、
    請求項5に記載の復号装置。
  7. 請求項4〜6のいずれかの一に記載の復号装置と、
    この復号装置で復号後の画像データに基づいて媒体上に画像の形成を行うプリンタエンジンと、
    を備えている画像形成装置。
  8. 請求項1〜3のいずれかの一に記載の画像圧縮装置と、
    この画像圧縮装置で圧縮符号化後の符号列を記憶する第5の記憶装置と、
    をさらに備え、
    前記復号装置は、前記第5の記憶装置に記憶されている符号列を処理する、
    請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 画像データをバッファリングする第1の記憶装置に画像データを書き込む書込処理と、
    この書込ごとの画像データを読み込んで第2の記憶装置に記憶する読込処理と、
    この読み込んだ画像データごとに、当該画像データごとまたは当該画像データをさらに複数の領域に分割して当該領域ごとに独立して当該画像データを前記第2の記憶装置を作業エリアとして利用して圧縮符号化する符号化処理と、
    をコンピュータに実行させ、
    前記符号化処理は、異なる前記画像データについて前記圧縮符号化を前記書込と並列して実行する、
    コンピュータに読み取り可能なプログラム。
  10. 前記符号化処理は、互いに異なる前記画像データについて前記圧縮符号化を並列して実行できる、
    請求項9に記載のプログラム。
  11. 前記各符号化処理は、互いに異なる前記画像データについて前記読込を並列して前記圧縮符号化を実行できる、
    請求項10に記載のプログラム。
  12. 画像データを圧縮符号化した符号列を復号する復号化処理と、
    この復号後の画像データを符号列をバッファリングする第3の記憶装置に書き込む書込処理と、
    この書込ごとの画像データを読み込んで第4の記憶装置に記憶する読込処理と、
    この記憶されている画像データを当該画像データに基づいて媒体上に画像形成を行うプリンタエンジンに出力する出力処理と、
    をコンピュータに実行させ、
    前記符号化処理は、前記画像形成と同時並行的に前記復号を行う、
    コンピュータに読み取り可能なプログラム。
  13. 前記復号処理は、互いに異なる前記符号列について前記復号を並列して実行できる、
    請求項12に記載のプログラム。
  14. 前記各復号処理は、異なる前記符号列について前記読込と並列して前記復号を実行できる、
    請求項15に記載のプログラム。
  15. 請求項9〜14のいずれかの一に記載のプログラムを記憶している記憶媒体。
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