JP2004235331A - プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】高密度配線化の容易なプリント配線板の提供。
【解決手段】層間接続用のビアホール形成の際のめっきを、微細配線回路形成部を除いた他の配線回路形成部に析出せしめたプリント配線板であって、少なくとも高密度配線部に形成される当該ビアホールのランド9aが、当該ビアホール形成用の非貫通孔を加工する際に設けられる表層金属箔のウインドウ部11より小さい径で形成されているか、または、さらに配線回路の方向以外がランドレスに形成されているプリント配線板。
【選択図】 図5
【解決手段】層間接続用のビアホール形成の際のめっきを、微細配線回路形成部を除いた他の配線回路形成部に析出せしめたプリント配線板であって、少なくとも高密度配線部に形成される当該ビアホールのランド9aが、当該ビアホール形成用の非貫通孔を加工する際に設けられる表層金属箔のウインドウ部11より小さい径で形成されているか、または、さらに配線回路の方向以外がランドレスに形成されているプリント配線板。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度配線化に有利なプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の回路形成方法は、銅箔などの金属箔上にエッチングレジストパターンを形成し、当該エッチングレジストパターンから露出した金属箔をエッチング処理して配線回路を形成するサブトラクティブ法と、回路と逆パターンのめっきレジストを形成し、当該めっきレジスト開口部にめっきを析出させて配線回路を形成するアディティブ法の2つに大別される。
【0003】
サブトラクティブ法はアディティブ法と比較して製造工程が容易なことから、非常に安価に製造することが可能であるが、スルーホール及びブラインドバイアホール等(以降、ビアホールと呼ぶことにする)の形成の際、絶縁基板全体に無電解めっき及び電解めっき処理を施す必要があるため、エッチングする導体厚さ(金属箔+めっき)が非常に厚くなり、良好な配線回路形成が困難であった。特に、パターン幅/パターン間隙=75μm/75μm以下の微細配線回路の形成には不向きな工法であった。
【0004】
これに対してアディティブ法は、微細配線回路形成には有利であるが、絶縁層にめっきを析出して配線回路を形成するため、サブトラクティブ法のように、元から絶縁層に金属箔が積層された絶縁基板を加工するのと比較して、配線回路の密着性に劣る等の不具合を有していた。
【0005】
このような不具合を解決するものとして、図7乃至図8に示した如く構成のプリント配線板が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
即ち、図7(a)に示したように、下層配線回路1の形成層に層間絶縁層2と銅箔等の金属箔3を順次積層し(例えば、樹脂付き銅箔を積層する)、次いで、図7(b)に示したように、当該金属箔3をエッチングして、上層配線回路4を形成する。次に、ビアホール形成用の非貫通孔5を、当該上層配線回路の内の孔近傍部4aと所定間隔をあけて穿孔する(図7(c)参照)。次に、図7(d)に示したように、当該非貫通孔5を含んだ上層配線回路4の形成層に無電解めっき6を形成し、次いで、図7(e)に示したように、当該非貫通孔5とその周囲を露出する開口部7aを有するめっきレジスト7を形成する。次に、電解めっき処理を行うことによって、当該開口部に電解めっき8を析出させた後(図7(f)参照)、当該めっきレジスト7を剥離する(図8(g)参照)。そして、最後にソフトエッチングで余分な無電解めっき6を除去することによって、上下の配線回路1、4間を接続するビアホール9(ランド9a)のみに電解めっき8を析出させるようにした図8(h)のプリント配線板10を得る。
【0007】
このように、上層配線回路を形成した後、ビアホール形成部のみに電解めっきを析出するようにしているため、サブトラクティブ法によっても微細配線回路を容易に形成することができる。
【0008】
しかし、上記のようにビアホール形成部のみにめっきを析出する方法では、以下のような不具合を有していた。
【0009】
まず第一に、標準的なめっき工法であるパネルめっき法でめっき処理した場合、本来、絶縁基板全体に対してめっきを析出させるパネルめっき法では、当該絶縁基板全体の1%程度の面積率でしかないビアホールのみにめっきを析出させることは、めっきコントロール上、非常に困難であった。
【0010】
第二に、ビアホールはプリント配線板の設計上、基板面内に不均一に配置されており、少数あるいは単独で存在しているところでは、電流が必要以上に集中し、めっき析出形状が基板面内において非常に不安定であった。
【0011】
このような不具合を解消すべく本発明者は、図9に示す如き構成のプリント配線板を発明するに至った。
【0012】
即ち、ビアホール形成の際の電解めっきを、少なくともエッチング界面、或いは微細配線回路形成部とエッチング界面を除いた配線回路形成部に電解めっきを析出させ、当該電解めっきエリアを広くすることによって、スルーホールやブラインドバイアホールに均一にめっきを析出させるとともに、微細配線回路形成を可能にするというものである。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−308530号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成においては、ビアホールの周囲に形成されるランドが非常に大きく形成されるため、高密度配線化に支障をきたすというものであった。
【0015】
即ち、ビアホールとそのランド形成の一例として、まず、図9(a)に示したように、層間絶縁層2上に積層された金属箔3のビアホール形成部に、当該ビアホール径よりも大きい径のウインドウ部11をエッチングにて形成し、次いで、当該ウインドウ部11にレーザを照射して、当該ウインドウ部11の径よりも小さい径の非貫通孔5を穿孔する(図9(b)参照)。次に、図9(c)に示したように、無電解めっき6にて当該非貫通孔5を導通させた後、当該ウインドウ部11の径よりも大きい径の開口部7aを有するめっきレジスト7を形成し、次いで、当該開口部7aに電解めっき8を析出させる(図9(d)参照)。次に、めっきレジスト7を剥離した後、図9(e)に示したようなエッチングレジスト13の形成、及びエッチング処理を行うことによって、図9(f)に示したビアホール9とそのランド9aを得るというものである。
【0016】
図9(f)のように、ランド9aとして形成される電解めっき8はウインドウ部11の外側にある金属箔3にオーバーラップさせて形成するようにしていたため、最終的にランド径が非常に大きくなり、例えば図10に示したように、金属箔厚12μm、無電解めっき厚0.5μmの導体に回路形成を行い、配線幅L/配線間隙S=30μm/30μmの微細配線回路14を0.5mmピッチのビアホールピッチP間に通そうとした場合、ビアホール径(レーザ径)r1=100μm、ウインドウ部径r2=160μm、電解めっき径r3=220μm、ランド径r4=280μmとなり、ビアホール間の微細配線回路形成領域r5が220μmとなるため、当該ビアホール間に3本しか通すことができなかった。
【0017】
本発明は、微細配線回路と接続信頼性の高いビアホールとを備えたプリント配線板をサブトラクティブ法によって製造する際に、当該ビアホールのランドが必要以上に大きくなるのを防止することによって、高密度配線化を可能にしたプリント配線板を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1にかかる本発明は、層間接続用のビアホール形成の際のめっきを、微細配線回路形成部を除いた他の配線回路形成部に析出せしめたプリント配線板であって、少なくとも高密度配線部に形成される当該ビアホールのランドが、当該ビアホール形成用の非貫通孔を加工する際に設けられる表層金属箔のウインドウ部より小さい径で形成されていることを特徴とする。
【0019】
これにより、ビアホールのランドがウインドウ部よりも小さい径で形成されるため、ビアホール間に通す微細配線回路の本数を従来に比して多くすることができる。また、予めウインドウ部よりも小さい径でビアホールのランドを形成(めっき形成)するようにしているため、後の回路形成工程において、当該ランドと隣接して形成される配線回路とのショート不良を未然に防ぐことができる。
【0020】
また、請求項2に係る本発明は、当該ランドが、当該ビアホールから引出される配線回路の方向以外がランドレスに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板とする。
【0021】
これにより、ビアホール間に通す微細配線回路の本数をより多く形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3を用いて本発明の第一の実施の形態について説明する。尚、説明図としては、従来技術で用いたものと同様に、下層配線回路形成層上に層間絶縁層と上層配線回路をビルドアップ形成した例を用い、また、実際にはビアホールに均一に電解めっきを析出させるために、微細配線回路形成部を除いた他の配線回路形成部にも電解めっきを析出させるのであるが、本実施の形態の説明では、便宜上、ビアホールとそのランド形成部のみを用いて説明することにする。
【0023】
図3(i)は、本発明のプリント配線板を示したもので、まず、図1(a)に示したように、下層配線回路1の形成層に層間絶縁層2と銅箔等の金属箔3を順次積層する(例えば、樹脂付き銅箔を積層する)。次に、図1(b)に示したように、当該金属箔3のビアホール形成部に、当該ビアホール径よりも大きい径のウインドウ部11をエッチングにて形成し、次いで、当該ウインドウ部11にレーザを照射して、当該ウインドウ部11の径よりも小さい径の非貫通孔5を穿孔する(図1(c)参照)。次に、図2(d)に示したように、無電解めっき6にて当該非貫通孔5を導通させる。次に、図2(e)に示したように、当該ウインドウ部11の径よりも小さい径の開口部7aを有するめっきレジスト7を形成した後、当該開口部7aに電解めっき8を析出させる(図2(f)参照)。ここで、当該開口部7aは、非貫通孔5から所定間隔離れた部位にある、後にビアホールから引出される上層配線回路形成予定部12の端部が露出するように開口させる。次に、図3(g)に示したように、めっきレジスト7を剥離した後、ソフトエッチング処理を行なうことによって、表面に露出している無電解めっき6を除去し、次いで、所望の配線回路を形成するためのエッチングレジスト13を形成する(図3(h)参照)。そして、当該エッチングレジスト13から露出している金属箔3をエッチング除去した後、当該エッチングレジスト13を剥離することによって、上下層の配線回路1、4間を接続するビアホール9を備えた図3(i)のプリント配線板10を得る。
【0024】
上記構成とすることによって、図4に示したように、ビアホール9のランド径r4をウインドウ部径r2よりも小さい径で形成できるので、ビアホール間Pに通すことのできる微細配線回路14の本数を従来のものより多く形成することができる。例えば、金属箔厚12μm、無電解めっき厚0.5μmの導体に回路形成を行い、配線幅L/配線間隙S=30μm/30μmの微細配線回路14を0.5mmピッチのビアホールピッチP間に通そうとした場合、ビアホール径(レーザ径)r1=100μm、ウインドウ部径r2=220μm、電解めっき径r3=160μm、ランド径r4=160μmとなり、ビアホール間の微細配線回路形成領域r5が280μmとなるため、当該微細配線回路14を4本通すことが可能となる。
【0025】
つづいて図5乃至図6を用いて第二の実施の形態について説明する。
【0026】
図5は、基本的には図1乃至図3と同じ工程により形成され、図2(e)でのめっきレジスト7の開口部7aを小さくし、ビアホール11から引出される上層配線回路4の引出し方向以外は、ほぼランドレス状態(図5では上層配線回路4の反対方向にも僅かにランド9aを形成した例を示したが、この部分もランドレスに形成することも可能である)に形成して、ビアホール間の微細配線回路形成領域r5をより広く確保したものである(ビアホール11を当該構成としても、電解めっきは孔壁、及び孔底の全ての面に形成されるため、構造物としての強度低下もなく、同径のビアホールと同じ接続信頼性を得ることができる)。例えば図6に示したように、金属箔厚12μm、無電解めっき厚0.5μmの導体に回路形成を行い、配線幅L/配線間隙S=30μm/30μmの微細配線回路14を0.5mmピッチのビアホールピッチP間に通そうとした場合、ビアホール径(レーザ径)r1=100μm、ウインドウ部径r2=160μm、電解めっき径r3=40μm、ランド径r4=100μm(ビアホール径r1をランド径r4とみなす)とすれば、ビアホール間の微細配線回路形成領域r5が340μmとなるため、微細配線回路14を5本通すことが可能となる。
【0027】
本発明を説明するに当たって、上記図1乃至図4の例を用いて説明したが、本発明の構成はこの限りでなく、以下のような製造工程によっても、同様のプリント配線板を得ることができる。
【0028】
例えば、特許文献1で開示された製造工程におけるビアホール形成の際の電解めっきを微細配線回路を除いた他の配線回路形成部にも析出させ、最後のエッチング処理でビアホールのランドを小さく、或いはランドレス等に形成すれば、同様に高密度配線化を可能にしたプリント配線板を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、プリント配線板の高密度配線化を容易に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明プリント配線板の製造工程(a)〜(c)を説明するための、概略平面及び断面工程説明図。
【図2】本発明プリント配線板の製造工程(d)〜(f)を説明するための、概略平面及び断面工程説明図。
【図3】本発明プリント配線板の製造工程(g)〜(i)を説明するための、概略平面及び断面工程説明図。
【図4】本発明プリント配線板のビアホール間に通すことのできる微細配線回路の本数を説明するための概略平面説明図。
【図5】本発明プリント配線板の他の実施の形態を説明するための概略平面及び断面説明図。
【図6】図5に示す本発明プリント配線板のビアホール間に通すことのできる微細配線回路の本数を説明するための概略平面説明図。
【図7】従来のプリント配線板の製造工程(a)〜(f)を説明するための、概略断面工程説明図。
【図8】従来のプリント配線板の製造工程(g)〜(h)を説明するための、概略断面工程説明図。
【図9】従来のプリント配線板の他の製造工程(a)〜(f)を説明するための概略断面工程説明図。
【図10】従来のプリント配線板のビアホール間に通すことのできる微細配線回路の本数を説明するための概略平面説明図。
【符号の説明】
1:下層配線回路
2:層間絶縁層
3:金属箔
4:上層配線回路
4a:孔近傍部
5:非貫通孔
6:無電解めっき
7:めっきレジスト
7a:開口部
8:電解めっき
9:ビアホール
9a:ランド
10:プリント配線板
11:ウインドウ部
12:上層配線回路形成予定部
13:エッチングレジスト
14:微細配線回路
L:配線幅
S:配線間隙
P:ビアホールピッチ
r1:ビアホール径
r2:ウインドウ部径
r3:電解めっき径
r4:ランド径
r5:微細配線回路形成領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度配線化に有利なプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の回路形成方法は、銅箔などの金属箔上にエッチングレジストパターンを形成し、当該エッチングレジストパターンから露出した金属箔をエッチング処理して配線回路を形成するサブトラクティブ法と、回路と逆パターンのめっきレジストを形成し、当該めっきレジスト開口部にめっきを析出させて配線回路を形成するアディティブ法の2つに大別される。
【0003】
サブトラクティブ法はアディティブ法と比較して製造工程が容易なことから、非常に安価に製造することが可能であるが、スルーホール及びブラインドバイアホール等(以降、ビアホールと呼ぶことにする)の形成の際、絶縁基板全体に無電解めっき及び電解めっき処理を施す必要があるため、エッチングする導体厚さ(金属箔+めっき)が非常に厚くなり、良好な配線回路形成が困難であった。特に、パターン幅/パターン間隙=75μm/75μm以下の微細配線回路の形成には不向きな工法であった。
【0004】
これに対してアディティブ法は、微細配線回路形成には有利であるが、絶縁層にめっきを析出して配線回路を形成するため、サブトラクティブ法のように、元から絶縁層に金属箔が積層された絶縁基板を加工するのと比較して、配線回路の密着性に劣る等の不具合を有していた。
【0005】
このような不具合を解決するものとして、図7乃至図8に示した如く構成のプリント配線板が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
即ち、図7(a)に示したように、下層配線回路1の形成層に層間絶縁層2と銅箔等の金属箔3を順次積層し(例えば、樹脂付き銅箔を積層する)、次いで、図7(b)に示したように、当該金属箔3をエッチングして、上層配線回路4を形成する。次に、ビアホール形成用の非貫通孔5を、当該上層配線回路の内の孔近傍部4aと所定間隔をあけて穿孔する(図7(c)参照)。次に、図7(d)に示したように、当該非貫通孔5を含んだ上層配線回路4の形成層に無電解めっき6を形成し、次いで、図7(e)に示したように、当該非貫通孔5とその周囲を露出する開口部7aを有するめっきレジスト7を形成する。次に、電解めっき処理を行うことによって、当該開口部に電解めっき8を析出させた後(図7(f)参照)、当該めっきレジスト7を剥離する(図8(g)参照)。そして、最後にソフトエッチングで余分な無電解めっき6を除去することによって、上下の配線回路1、4間を接続するビアホール9(ランド9a)のみに電解めっき8を析出させるようにした図8(h)のプリント配線板10を得る。
【0007】
このように、上層配線回路を形成した後、ビアホール形成部のみに電解めっきを析出するようにしているため、サブトラクティブ法によっても微細配線回路を容易に形成することができる。
【0008】
しかし、上記のようにビアホール形成部のみにめっきを析出する方法では、以下のような不具合を有していた。
【0009】
まず第一に、標準的なめっき工法であるパネルめっき法でめっき処理した場合、本来、絶縁基板全体に対してめっきを析出させるパネルめっき法では、当該絶縁基板全体の1%程度の面積率でしかないビアホールのみにめっきを析出させることは、めっきコントロール上、非常に困難であった。
【0010】
第二に、ビアホールはプリント配線板の設計上、基板面内に不均一に配置されており、少数あるいは単独で存在しているところでは、電流が必要以上に集中し、めっき析出形状が基板面内において非常に不安定であった。
【0011】
このような不具合を解消すべく本発明者は、図9に示す如き構成のプリント配線板を発明するに至った。
【0012】
即ち、ビアホール形成の際の電解めっきを、少なくともエッチング界面、或いは微細配線回路形成部とエッチング界面を除いた配線回路形成部に電解めっきを析出させ、当該電解めっきエリアを広くすることによって、スルーホールやブラインドバイアホールに均一にめっきを析出させるとともに、微細配線回路形成を可能にするというものである。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−308530号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成においては、ビアホールの周囲に形成されるランドが非常に大きく形成されるため、高密度配線化に支障をきたすというものであった。
【0015】
即ち、ビアホールとそのランド形成の一例として、まず、図9(a)に示したように、層間絶縁層2上に積層された金属箔3のビアホール形成部に、当該ビアホール径よりも大きい径のウインドウ部11をエッチングにて形成し、次いで、当該ウインドウ部11にレーザを照射して、当該ウインドウ部11の径よりも小さい径の非貫通孔5を穿孔する(図9(b)参照)。次に、図9(c)に示したように、無電解めっき6にて当該非貫通孔5を導通させた後、当該ウインドウ部11の径よりも大きい径の開口部7aを有するめっきレジスト7を形成し、次いで、当該開口部7aに電解めっき8を析出させる(図9(d)参照)。次に、めっきレジスト7を剥離した後、図9(e)に示したようなエッチングレジスト13の形成、及びエッチング処理を行うことによって、図9(f)に示したビアホール9とそのランド9aを得るというものである。
【0016】
図9(f)のように、ランド9aとして形成される電解めっき8はウインドウ部11の外側にある金属箔3にオーバーラップさせて形成するようにしていたため、最終的にランド径が非常に大きくなり、例えば図10に示したように、金属箔厚12μm、無電解めっき厚0.5μmの導体に回路形成を行い、配線幅L/配線間隙S=30μm/30μmの微細配線回路14を0.5mmピッチのビアホールピッチP間に通そうとした場合、ビアホール径(レーザ径)r1=100μm、ウインドウ部径r2=160μm、電解めっき径r3=220μm、ランド径r4=280μmとなり、ビアホール間の微細配線回路形成領域r5が220μmとなるため、当該ビアホール間に3本しか通すことができなかった。
【0017】
本発明は、微細配線回路と接続信頼性の高いビアホールとを備えたプリント配線板をサブトラクティブ法によって製造する際に、当該ビアホールのランドが必要以上に大きくなるのを防止することによって、高密度配線化を可能にしたプリント配線板を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1にかかる本発明は、層間接続用のビアホール形成の際のめっきを、微細配線回路形成部を除いた他の配線回路形成部に析出せしめたプリント配線板であって、少なくとも高密度配線部に形成される当該ビアホールのランドが、当該ビアホール形成用の非貫通孔を加工する際に設けられる表層金属箔のウインドウ部より小さい径で形成されていることを特徴とする。
【0019】
これにより、ビアホールのランドがウインドウ部よりも小さい径で形成されるため、ビアホール間に通す微細配線回路の本数を従来に比して多くすることができる。また、予めウインドウ部よりも小さい径でビアホールのランドを形成(めっき形成)するようにしているため、後の回路形成工程において、当該ランドと隣接して形成される配線回路とのショート不良を未然に防ぐことができる。
【0020】
また、請求項2に係る本発明は、当該ランドが、当該ビアホールから引出される配線回路の方向以外がランドレスに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板とする。
【0021】
これにより、ビアホール間に通す微細配線回路の本数をより多く形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3を用いて本発明の第一の実施の形態について説明する。尚、説明図としては、従来技術で用いたものと同様に、下層配線回路形成層上に層間絶縁層と上層配線回路をビルドアップ形成した例を用い、また、実際にはビアホールに均一に電解めっきを析出させるために、微細配線回路形成部を除いた他の配線回路形成部にも電解めっきを析出させるのであるが、本実施の形態の説明では、便宜上、ビアホールとそのランド形成部のみを用いて説明することにする。
【0023】
図3(i)は、本発明のプリント配線板を示したもので、まず、図1(a)に示したように、下層配線回路1の形成層に層間絶縁層2と銅箔等の金属箔3を順次積層する(例えば、樹脂付き銅箔を積層する)。次に、図1(b)に示したように、当該金属箔3のビアホール形成部に、当該ビアホール径よりも大きい径のウインドウ部11をエッチングにて形成し、次いで、当該ウインドウ部11にレーザを照射して、当該ウインドウ部11の径よりも小さい径の非貫通孔5を穿孔する(図1(c)参照)。次に、図2(d)に示したように、無電解めっき6にて当該非貫通孔5を導通させる。次に、図2(e)に示したように、当該ウインドウ部11の径よりも小さい径の開口部7aを有するめっきレジスト7を形成した後、当該開口部7aに電解めっき8を析出させる(図2(f)参照)。ここで、当該開口部7aは、非貫通孔5から所定間隔離れた部位にある、後にビアホールから引出される上層配線回路形成予定部12の端部が露出するように開口させる。次に、図3(g)に示したように、めっきレジスト7を剥離した後、ソフトエッチング処理を行なうことによって、表面に露出している無電解めっき6を除去し、次いで、所望の配線回路を形成するためのエッチングレジスト13を形成する(図3(h)参照)。そして、当該エッチングレジスト13から露出している金属箔3をエッチング除去した後、当該エッチングレジスト13を剥離することによって、上下層の配線回路1、4間を接続するビアホール9を備えた図3(i)のプリント配線板10を得る。
【0024】
上記構成とすることによって、図4に示したように、ビアホール9のランド径r4をウインドウ部径r2よりも小さい径で形成できるので、ビアホール間Pに通すことのできる微細配線回路14の本数を従来のものより多く形成することができる。例えば、金属箔厚12μm、無電解めっき厚0.5μmの導体に回路形成を行い、配線幅L/配線間隙S=30μm/30μmの微細配線回路14を0.5mmピッチのビアホールピッチP間に通そうとした場合、ビアホール径(レーザ径)r1=100μm、ウインドウ部径r2=220μm、電解めっき径r3=160μm、ランド径r4=160μmとなり、ビアホール間の微細配線回路形成領域r5が280μmとなるため、当該微細配線回路14を4本通すことが可能となる。
【0025】
つづいて図5乃至図6を用いて第二の実施の形態について説明する。
【0026】
図5は、基本的には図1乃至図3と同じ工程により形成され、図2(e)でのめっきレジスト7の開口部7aを小さくし、ビアホール11から引出される上層配線回路4の引出し方向以外は、ほぼランドレス状態(図5では上層配線回路4の反対方向にも僅かにランド9aを形成した例を示したが、この部分もランドレスに形成することも可能である)に形成して、ビアホール間の微細配線回路形成領域r5をより広く確保したものである(ビアホール11を当該構成としても、電解めっきは孔壁、及び孔底の全ての面に形成されるため、構造物としての強度低下もなく、同径のビアホールと同じ接続信頼性を得ることができる)。例えば図6に示したように、金属箔厚12μm、無電解めっき厚0.5μmの導体に回路形成を行い、配線幅L/配線間隙S=30μm/30μmの微細配線回路14を0.5mmピッチのビアホールピッチP間に通そうとした場合、ビアホール径(レーザ径)r1=100μm、ウインドウ部径r2=160μm、電解めっき径r3=40μm、ランド径r4=100μm(ビアホール径r1をランド径r4とみなす)とすれば、ビアホール間の微細配線回路形成領域r5が340μmとなるため、微細配線回路14を5本通すことが可能となる。
【0027】
本発明を説明するに当たって、上記図1乃至図4の例を用いて説明したが、本発明の構成はこの限りでなく、以下のような製造工程によっても、同様のプリント配線板を得ることができる。
【0028】
例えば、特許文献1で開示された製造工程におけるビアホール形成の際の電解めっきを微細配線回路を除いた他の配線回路形成部にも析出させ、最後のエッチング処理でビアホールのランドを小さく、或いはランドレス等に形成すれば、同様に高密度配線化を可能にしたプリント配線板を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、プリント配線板の高密度配線化を容易に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明プリント配線板の製造工程(a)〜(c)を説明するための、概略平面及び断面工程説明図。
【図2】本発明プリント配線板の製造工程(d)〜(f)を説明するための、概略平面及び断面工程説明図。
【図3】本発明プリント配線板の製造工程(g)〜(i)を説明するための、概略平面及び断面工程説明図。
【図4】本発明プリント配線板のビアホール間に通すことのできる微細配線回路の本数を説明するための概略平面説明図。
【図5】本発明プリント配線板の他の実施の形態を説明するための概略平面及び断面説明図。
【図6】図5に示す本発明プリント配線板のビアホール間に通すことのできる微細配線回路の本数を説明するための概略平面説明図。
【図7】従来のプリント配線板の製造工程(a)〜(f)を説明するための、概略断面工程説明図。
【図8】従来のプリント配線板の製造工程(g)〜(h)を説明するための、概略断面工程説明図。
【図9】従来のプリント配線板の他の製造工程(a)〜(f)を説明するための概略断面工程説明図。
【図10】従来のプリント配線板のビアホール間に通すことのできる微細配線回路の本数を説明するための概略平面説明図。
【符号の説明】
1:下層配線回路
2:層間絶縁層
3:金属箔
4:上層配線回路
4a:孔近傍部
5:非貫通孔
6:無電解めっき
7:めっきレジスト
7a:開口部
8:電解めっき
9:ビアホール
9a:ランド
10:プリント配線板
11:ウインドウ部
12:上層配線回路形成予定部
13:エッチングレジスト
14:微細配線回路
L:配線幅
S:配線間隙
P:ビアホールピッチ
r1:ビアホール径
r2:ウインドウ部径
r3:電解めっき径
r4:ランド径
r5:微細配線回路形成領域
Claims (2)
- 層間接続用のビアホール形成の際のめっきを、微細配線回路形成部を除いた他の配線回路形成部に析出せしめたプリント配線板であって、少なくとも高密度配線部に形成される当該ビアホールのランドが、当該ビアホール形成用の非貫通孔を加工する際に設けられる表層金属箔のウインドウ部より小さい径で形成されていることを特徴とするプリント配線板。
- 当該ランドは、当該ビアホールから引き出される配線回路の方向以外がランドレスに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
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JP2007115864A (ja) * | 2005-10-20 | 2007-05-10 | Nitto Denko Corp | 配線回路基板およびその製造方法 |
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- 2003-01-29 JP JP2003020601A patent/JP2004235331A/ja active Pending
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