JP2004234518A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気などで高電圧が印加された場合にも周辺機器をリセットすることなく以後の通信を継続可能にする。
【解決手段】USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器は、周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において接続状態の変化の有無を監視する第1監視ユニットと、USBホストチップと制御ユニットとの間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視ユニットと、第1及び/または第2監視ユニットによる監視結果に基づき、周辺機器と接続しているか否か、及び/またはUSBホストチップと制御ユニットとが通信可能か否かを判定する判定ユニットと、判定の結果に基づき、USBホストチップを制御する制御ユニットとを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器は、周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において接続状態の変化の有無を監視する第1監視ユニットと、USBホストチップと制御ユニットとの間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視ユニットと、第1及び/または第2監視ユニットによる監視結果に基づき、周辺機器と接続しているか否か、及び/またはUSBホストチップと制御ユニットとが通信可能か否かを判定する判定ユニットと、判定の結果に基づき、USBホストチップを制御する制御ユニットとを備える。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はUSB通信規格に対応したホストチップを備える電子機器の制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製品技術の発展とともに電子機器の高機能化による付加価値の向上が進んでおり、パソコン等の情報処理装置を介さず映像・情報機器を直接に電子機器に接続し、情報を処理する試みが多くなされている。その構成を実現するために、従来はパソコンのみに搭載されていた、機器の接続を自動的に認識するプラグ・アンド・プレイ機能や、機器の電源を入れたままコネクタの抜き差しができるホット・プラグ機能等を備える、USB(Universal Serial Bus)通信規格に準拠したホスト機能(USBホスト機能)を実現するチップ(以下、「USBホストチップ」という。)が、電子機器に搭載されるようになっている。
【0003】
例えば、電子機器の例として、USBホストチップを搭載するプリンタが開発されているが、このプリンタはデジタルカメラのような映像機器とケーブルにより直接接続し、デジタルカメラから画像データを受け取り、プリンタは受け取った画像データを印刷することができる。ここで、USBホストチップを備える小型の電子機器を操作する場合、オペレータに帯電している静電気などの影響で高電圧がその小型電子機器に印加されると、USBホストチップがその高電圧の影響で誤動作することがある。
【0004】
特許文献1では、静電気ノイズによる誤動作を解決するために、USB通信規格に準拠したケーブルにより小型電子機器と接続する周辺機器側が静電ノイズを受け誤動作した場合について対策が講じられているが、特許文献1が開示する内容は周辺機器側の対策にとどまるものであり、ホスト側の誤動作については特に考慮されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−306413
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
USBホストチップを搭載するホスト側(電子機器)が受ける障害としては、USBで接続する周辺機器の接続が外された状態(切断)と誤認識したり、またはホストチップがCPUからのリセット指示を受け付けた状態(通信不成立)であるかのように誤動作することが挙げられる。
【0007】
周辺機器の接続が外された状態(切断)と誤認した場合、実際には電子機器と周辺機器との間の接続は維持されているため、USBホストチップはただちに再接続されたものと認識し、USBの規格に定められた方法で周辺機器との接続を一旦リセットし、引き続き通信の確立を試みるが、必ずしもこのリセット要求を適切に処理しない周辺機器も存在する。この状態に陥るとUSBコネクタの電圧を供給する端子(VBUS端子)への電力供給を一旦停止して、USB規格外の動作に移行して処理を行うか、または、実際に接続ケーブルの抜き差しを行って、電子機器と周辺機器との通信を個別に行ない復旧させなければ、以後の通信が成立しなくなるという状態に陥ることになる。
【0008】
また、リセット指示を受けた状態(通信不成立)と誤認した場合、USBホストチップは、ホストチップとして必須の機能までをリセットしてしまうため、USBホストチップとしての機能を全く果たせなくなってしまう。更に、この状態で電子機器と接続する周辺機器は、USBホストチップに印加された高電圧を認識することがなく、通信が継続されているものと認識して、動作を継続することになり、電子機器及び周辺機器間で通信に不具合が生じることとなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の従来例における課題を鑑みてなされたものであり、周辺機器と接続するUSBケーブルの切断を判定、または通信不成立の判定及びその判定に基づくUSBホストチップの初期化を行なうことにより、周辺機器をリセットすることなく、以後の通信を継続させることができるUSBホストチップを備える電子機器の提供を目的とするものである。
【0010】
すなわち、USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器は、前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視手段と、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視手段と、
前記第1及び/または第2監視手段による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態では、電子機器としてUSBホストチップを搭載したプリンタを例に挙げ説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本発明の代表的な実施の形態であるプリンタ101の構成の概要を示す外観斜視図である。図1において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0013】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
【0014】
5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。
【0015】
5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0016】
<制御構成の説明>
図2はプリンタ101の制御回路の構成を示すブロック図である。同図において、200はCPU、230はCPUが実行する制御プログラムを格納するROM、240は制御プログラムを実行するための各種データを保存しておくRAMである。292は記録ヘッド(IJT)293を搬送するためのキャリッジモータ、291は記録紙搬送のための搬送モータである。280は記録ヘッド(IJT)293を駆動するヘッドドライバ、260、270はそれぞれ搬送モータ291、キャリッジモータ292を駆動するためのモータドライバである。
【0017】
220はUSBホストチップであり、USB通信規格に準拠したデータ通信をデジタルカメラ等の周辺機器250と行ない、周辺機器250から受信した種々のデータの処理を行なうことができる。210は割り込みコントローラであり、USBホストチップで検出したデジタルカメラ等を含む周辺機器250との接続状態の変化、あるいは、CPU200とUSBホストチップ220との間の通信状態の変化の検出に従い、CPU200に対してプリンタ制御の中断を命じ、それらの状態変化が異常状態であるか、一時的なものであるか否かを判断するためにCPUの制御モードに割り込みをかけて制御を切り替える制御部である。割り込みコントローラ210は、USBホストチップ220から接続状態の変化による割り込み信号を受け付けると、この内容をCPU200に通知する。CPU200は、割り込みコントローラ210から受けた通知に基づき、ソフトウエアによる断線監視ルーチンを起動して異常状態の判断を行なう。
【0018】
また、USBホストチップ220とCPU200との間の通信は、ソフトウエアによる通信不成立監視ルーチンの処理により監視され、一定時間、通信の割り込みが発生しない事象を通信の失敗(通信タイムアウト)とみなし、この通信タイムアウトが連続して発生した場合、その回数をカウントし、連続して一定時間にわたり通信が途絶した状態を確認すると、通信不成立な状態と判断する。切断監視ルーチン及び通信不成立監視ルーチンの詳細な説明は、図4、図5を用いて後に詳述する。
【0019】
CPU200、割り込みコントローラ210、USBホストチップ220、ROM230、RAM240、およびモータドライバ260、270、280は共通のバス290に接続し、相互にデータを送受信することができる。USBホストチップ220にデジタルカメラ等の周辺機器250から記録信号が入るとCPU200とUSBホストチップ220との間で記録信号が印刷用の記録データに変換される。そして、モータドライバ260、270が駆動されると共に、ヘッドドライバ280に送られた記録データに従って記録ヘッド293が駆動され、記録が行われる。プリンタ101を構成する各部、搬送モータ291、キャリッジモータ292や記録ヘッド293等の全体的な動作は、CPU200上で起動するプリンタ制御プログラムにより制御されている。このプリンタ制御プログラムは、上述の切断監視ルーチン及び通信不成立監視ルーチンの処理による判断結果に従い、制御の内容を切り替えることができる。
【0020】
<異常の検出>
プリンタ101に対し、外部から静電気等の影響により高電圧が印加されると、USBホストチップ220は周辺機器250との接続が一時的に切断された状態(D+、D−信号がLow状態)、またはCPU200から通信不能状態をリセットするための制御データが発せられた状態と誤認する場合がある。
【0021】
プリンタ101は異常を判断する判断手段としてソフトウエアによる切断監視ルーチンと通信不成立監視ルーチンを備えている。これらのソフトウエアは、上述のROM230に格納されており、割り込みコントローラ210からの通知に従って切断監視ルーチンは起動し、通信不成立監視ルーチンはUSBホストチップ220とCPU200との間の通信割り込みの有無を監視する。各ルーチンの処理はCPU200の制御の下に実行される。
【0022】
図3は、USBホストチップ220と周辺機器250との接続関係を示す図である。USBホストチップ220と周辺機器250とは、USB通信規格に準拠した接続ケーブルにより接続し、信号ライン(D+、D−:図3(a))は周辺機器が接続すると、D+若しくはD−の信号がプルアップされ、High状態となる。切断監視ルーチンの処理において所定のタイミングでモニタする信号レベルのHigh、Low状態を検出することにより、接続する周辺機器の接続の有無を識別することができる。例えば、両信号ライン(D+、D−)が両方ともLow状態である場合は、周辺機器の接続が無い状態、いずれかの信号がHighの場合は、周辺機器が接続した状態として識別することができる(図3(b))。USBケーブルの切断状態が生じると、2つの信号ラインD+及びD−に対する信号の入力が途切れることになるため、Low状態になったことをUSBホストチップ220は検出する。
【0023】
図4は、切断監視ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。まず、ステップS410で両信号(D+、D−)の状態を検出し、USBホストチップ220は両信号ライン(D+、D−)のLow状態を検出すると(S420−Yes)、それを割り込みコントローラ210に通知し、割り込みコントローラ210はその状態変化の通知に従い、CPU200の制御を切り替えるための割り込み情報をCPU200に通知する(S430)。この通知をトリガとしてCPU200は切断監視ルーチンを起動させる。
【0024】
ステップS420において、両信号(D+、D−)のうち、いずれか一方がHighの場合(S420−No)は、接続状態に変化は生じていないことになるので、処理をステップS401に戻し信号の検出を続行する。また、切断監視ルーチン起動後において、信号D+、D−のいずれか一方がHigh状態になったことを検出した場合は、その結果をステップS445の判断に反映させる。
【0025】
起動した切断監視ルーチンは、ステップS440において、切断状態の計測を開始し、ステップS445において、信号D+、D−のいずれか一方がHigh状態になったか否か、信号の変化の有無を判断する。一定時間(T1)経過後、なお、両信号(D+、D−)がLow状態であれば(S450−Yes)、切断状態と判定し(S460)、プリンタ制御プログラムに切断状態を通知する(S470)。プリンタ制御プログラムは、切断状態である旨の通知を受けると、後続のプリンタ制御を続行しても不完全なものとして終了することになるので、処理を終了させる(S490)。
【0026】
ステップS445の判断で、一定時間(T1)内に信号D+、D−のレベルが切り換わった場合(S445−Yes)は、切断状態ではないと判断し(S480)、割り込みコントローラ210がCPU200に対して割り込みをかける前の制御モードに再び切り換えられる。
【0027】
図5は、通信不成立監視ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。ステップS510で、USBホストチップ220とCPU200の通信を監視し、ステップS520において、通信タイムアウトが連続して発生した場合、その回数をカウントし、連続して一定時間(T2)通信が途絶した状態を確認すると(S520−Yes)、通信不能な状態と判定する(S530)。
【0028】
そして、通信不成立監視ルーチンは、その判定結果をプリンタ制御プログラムに通知する(S540)。CPU200上で動作するプリンタ制御プログラムはUSBホストチップ220に対し、通信不能状態をリセットするための制御データを送信することで、USBホストチップ220の状態を初期化して、通信不能状態を回復させることができる(S550)。
【0029】
ステップS520の判断で、一定時間(T2)内に通信が検出された場合(S520−No)は、通信は可能な状態であると判断し(S560)、処理をステップS510に戻す。
【0030】
図6は、切断、通信不成立の判定における、切断監視ルーチン及び通信不成立監視ルーチンの処理の関係を示す図である。
【0031】
<ケーブル切断の場合(610)>
切断監視ルーチンが切断状態を継続して監視している間は、通信不成立監視ルーチンも同時にタイムアウトをカウントすることになるが、例えば、切断監視の判定に要する時間(T1:図4のS450)を通信不能の判定に要する時間(T2:図5のS520)よりも短く設定することで、それぞれの状態を個別に判断することができる。切断監視の判定に要する時間(T1)内の判断(図4のS445)に従い、信号(D+、D−)の状態の変化が無い場合、切断監視ルーチンはケーブルの切断を確認する(611)。この時、通信不成立監視ルーチンは監視を中断する(612)。
【0032】
<ケーブル切断と誤認した場合(620)>
一時的に切断された状態になると、USBホストチップ220は割り込み信号を割り込みコントローラ210に対して発生させるが、実際にはその切断状態は継続的に発生していないため(図4のS445)、切断監視ルーチンは切断状態ではなく、切断は誤認と判断し(図4のS480)、切断の監視を終了する(621)。通信不成立監視ルーチンは、通信不成立を監視し(622)、通信不成立にならない場合は、プリンタ制御プログラム、USBホストチップ220、周辺機器250のいずれも制御状態が変化することはなく通信状態も継続される。
【0033】
<リセット要求に関する処理(630、640)>
リセット要求を受けたと判断した場合、USBホストチップ220はただちに自身の内部状態をリセットする。しかし、実際にはリセットすべきとの要求はCPU200から発行されていないため、プリンタ制御プログラムは通信の継続を試み、プリンタ制御プログラムとUSBホストチップ220との認識に食い違いが生じる。プリンタ制御プログラムは、その後も周辺機器にデータ送信を試みるが、USBホストチップ220のリセット後の状態では正常にデータは受信されず、必ずタイムアウトとなりデータ送信は不成立となる。通信不成立監視ルーチンは、この通信不成立状態を監視し(632)、所定時間内に通信があれば、USBホストチップ220はリセット指示を受けたと誤認していない(630)と判断する。通信不能状態が連続して所定時間、継続している場合は、USBホストチップ220はリセット指示を受けたと誤認し、通信不能な状態に陥っているものと判定する(642)。通信不成立が判定された場合、その旨の通知(図5のS540)を受けたプリンタ制御プログラムはUSBホストチップ220に対し、通信不能状態をリセットするための制御データを送信することで、USBホストチップ220の状態を初期化して、通信不能状態を回復させる(640)。
【0034】
尚、切断監視ルーチンは、リセット指示の判断においては、起動せず何等関与することはない。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、USBホストチップを備えるプリンタにおいて、周辺機器と接続するUSBケーブルの切断を判定し、通信不能な状態の判定及びその判定に従ってUSBホストチップの初期化を行なうことにより、周辺機器をリセットすることなく、以後の通信を継続させることが可能になる。
【0036】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばインターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のCPUやMPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0037】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0038】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0039】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図4および/または図5に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0040】
<実施態様の例>
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0041】
[実施態様1] USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器であって、
前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視手段と、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視手段と、
前記第1及び/または第2監視手段による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【0042】
[実施態様2] 前記第1監視手段は、前記USBホストチップと前記周辺機器が接続するD+ライン及びD−ラインがLow状態となる状態を検出し、
前記判定手段は、該検出結果に基づき前記第1判定時間内における監視を開始し、該Low状態が変化しない場合は、該周辺機器の切断と判定することを特徴とする実施態様1に記載の電子機器。
【0043】
[実施態様3] 前記判定手段は、前記第1判定時間内において接続状態が変化する場合は、前記周辺機器と接続していると判定することを特徴とする実施態様1または2に記載の電子機器。
【0044】
[実施態様4] 前記第2監視手段は、前記制御手段と前記USBホストチップとの間における通信タイムアウトを前記第2判定時間内において計測し、
該計測結果に基づき、前記判定手段は該第2判定時間内で通信ができない場合は通信不成立と判定することを特徴とする実施態様1に記載の電子機器。
【0045】
[実施態様5] 前記制御手段は、前記判定手段により、前記周辺機器とは接続しているが、通信は不成立と判定された場合、前記USBホストチップを初期化して、通信を可能にするリセット情報を送信することを特徴とする実施態様1乃至4のいずれか1態様に記載の電子機器。
【0046】
[実施態様6] USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器の制御方法であって、
前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視工程と、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視工程と、
前記第1及び/または第2監視工程の処理による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定工程と、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする電子機器の制御方法。
【0047】
[実施態様7] USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器の制御プログラムであって、
前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視モジュールと、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視モジュールと、
前記第1及び/または第2監視モジュールの処理による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定モジュールと、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御モジュールと、
を備えることを特徴とする電子機器の制御プログラム。
【0048】
[実施態様8] 実施態様7に記載の制御プログラムを格納することを特徴とするコンピュータ可読の記憶媒体。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、USBホストチップを備える電子機器において、周辺機器と接続するUSBケーブルの切断を判定、または通信不成立の判定及びその判定に基づくUSBホストチップの初期化を行なうことにより、周辺機器をリセットすることなく、以後の通信を継続させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態であるプリンタの外観を示す図である。
【図2】プリンタの制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】USBホストチップと周辺機器との接続関係を示す図である。
【図4】切断監視ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】通信不成立監視ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】切断、通信不成立の判定における、切断監視ルーチン及び通信不成立監視ルーチンの処理の関係を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明はUSB通信規格に対応したホストチップを備える電子機器の制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製品技術の発展とともに電子機器の高機能化による付加価値の向上が進んでおり、パソコン等の情報処理装置を介さず映像・情報機器を直接に電子機器に接続し、情報を処理する試みが多くなされている。その構成を実現するために、従来はパソコンのみに搭載されていた、機器の接続を自動的に認識するプラグ・アンド・プレイ機能や、機器の電源を入れたままコネクタの抜き差しができるホット・プラグ機能等を備える、USB(Universal Serial Bus)通信規格に準拠したホスト機能(USBホスト機能)を実現するチップ(以下、「USBホストチップ」という。)が、電子機器に搭載されるようになっている。
【0003】
例えば、電子機器の例として、USBホストチップを搭載するプリンタが開発されているが、このプリンタはデジタルカメラのような映像機器とケーブルにより直接接続し、デジタルカメラから画像データを受け取り、プリンタは受け取った画像データを印刷することができる。ここで、USBホストチップを備える小型の電子機器を操作する場合、オペレータに帯電している静電気などの影響で高電圧がその小型電子機器に印加されると、USBホストチップがその高電圧の影響で誤動作することがある。
【0004】
特許文献1では、静電気ノイズによる誤動作を解決するために、USB通信規格に準拠したケーブルにより小型電子機器と接続する周辺機器側が静電ノイズを受け誤動作した場合について対策が講じられているが、特許文献1が開示する内容は周辺機器側の対策にとどまるものであり、ホスト側の誤動作については特に考慮されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−306413
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
USBホストチップを搭載するホスト側(電子機器)が受ける障害としては、USBで接続する周辺機器の接続が外された状態(切断)と誤認識したり、またはホストチップがCPUからのリセット指示を受け付けた状態(通信不成立)であるかのように誤動作することが挙げられる。
【0007】
周辺機器の接続が外された状態(切断)と誤認した場合、実際には電子機器と周辺機器との間の接続は維持されているため、USBホストチップはただちに再接続されたものと認識し、USBの規格に定められた方法で周辺機器との接続を一旦リセットし、引き続き通信の確立を試みるが、必ずしもこのリセット要求を適切に処理しない周辺機器も存在する。この状態に陥るとUSBコネクタの電圧を供給する端子(VBUS端子)への電力供給を一旦停止して、USB規格外の動作に移行して処理を行うか、または、実際に接続ケーブルの抜き差しを行って、電子機器と周辺機器との通信を個別に行ない復旧させなければ、以後の通信が成立しなくなるという状態に陥ることになる。
【0008】
また、リセット指示を受けた状態(通信不成立)と誤認した場合、USBホストチップは、ホストチップとして必須の機能までをリセットしてしまうため、USBホストチップとしての機能を全く果たせなくなってしまう。更に、この状態で電子機器と接続する周辺機器は、USBホストチップに印加された高電圧を認識することがなく、通信が継続されているものと認識して、動作を継続することになり、電子機器及び周辺機器間で通信に不具合が生じることとなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の従来例における課題を鑑みてなされたものであり、周辺機器と接続するUSBケーブルの切断を判定、または通信不成立の判定及びその判定に基づくUSBホストチップの初期化を行なうことにより、周辺機器をリセットすることなく、以後の通信を継続させることができるUSBホストチップを備える電子機器の提供を目的とするものである。
【0010】
すなわち、USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器は、前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視手段と、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視手段と、
前記第1及び/または第2監視手段による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態では、電子機器としてUSBホストチップを搭載したプリンタを例に挙げ説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本発明の代表的な実施の形態であるプリンタ101の構成の概要を示す外観斜視図である。図1において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0013】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
【0014】
5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。
【0015】
5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0016】
<制御構成の説明>
図2はプリンタ101の制御回路の構成を示すブロック図である。同図において、200はCPU、230はCPUが実行する制御プログラムを格納するROM、240は制御プログラムを実行するための各種データを保存しておくRAMである。292は記録ヘッド(IJT)293を搬送するためのキャリッジモータ、291は記録紙搬送のための搬送モータである。280は記録ヘッド(IJT)293を駆動するヘッドドライバ、260、270はそれぞれ搬送モータ291、キャリッジモータ292を駆動するためのモータドライバである。
【0017】
220はUSBホストチップであり、USB通信規格に準拠したデータ通信をデジタルカメラ等の周辺機器250と行ない、周辺機器250から受信した種々のデータの処理を行なうことができる。210は割り込みコントローラであり、USBホストチップで検出したデジタルカメラ等を含む周辺機器250との接続状態の変化、あるいは、CPU200とUSBホストチップ220との間の通信状態の変化の検出に従い、CPU200に対してプリンタ制御の中断を命じ、それらの状態変化が異常状態であるか、一時的なものであるか否かを判断するためにCPUの制御モードに割り込みをかけて制御を切り替える制御部である。割り込みコントローラ210は、USBホストチップ220から接続状態の変化による割り込み信号を受け付けると、この内容をCPU200に通知する。CPU200は、割り込みコントローラ210から受けた通知に基づき、ソフトウエアによる断線監視ルーチンを起動して異常状態の判断を行なう。
【0018】
また、USBホストチップ220とCPU200との間の通信は、ソフトウエアによる通信不成立監視ルーチンの処理により監視され、一定時間、通信の割り込みが発生しない事象を通信の失敗(通信タイムアウト)とみなし、この通信タイムアウトが連続して発生した場合、その回数をカウントし、連続して一定時間にわたり通信が途絶した状態を確認すると、通信不成立な状態と判断する。切断監視ルーチン及び通信不成立監視ルーチンの詳細な説明は、図4、図5を用いて後に詳述する。
【0019】
CPU200、割り込みコントローラ210、USBホストチップ220、ROM230、RAM240、およびモータドライバ260、270、280は共通のバス290に接続し、相互にデータを送受信することができる。USBホストチップ220にデジタルカメラ等の周辺機器250から記録信号が入るとCPU200とUSBホストチップ220との間で記録信号が印刷用の記録データに変換される。そして、モータドライバ260、270が駆動されると共に、ヘッドドライバ280に送られた記録データに従って記録ヘッド293が駆動され、記録が行われる。プリンタ101を構成する各部、搬送モータ291、キャリッジモータ292や記録ヘッド293等の全体的な動作は、CPU200上で起動するプリンタ制御プログラムにより制御されている。このプリンタ制御プログラムは、上述の切断監視ルーチン及び通信不成立監視ルーチンの処理による判断結果に従い、制御の内容を切り替えることができる。
【0020】
<異常の検出>
プリンタ101に対し、外部から静電気等の影響により高電圧が印加されると、USBホストチップ220は周辺機器250との接続が一時的に切断された状態(D+、D−信号がLow状態)、またはCPU200から通信不能状態をリセットするための制御データが発せられた状態と誤認する場合がある。
【0021】
プリンタ101は異常を判断する判断手段としてソフトウエアによる切断監視ルーチンと通信不成立監視ルーチンを備えている。これらのソフトウエアは、上述のROM230に格納されており、割り込みコントローラ210からの通知に従って切断監視ルーチンは起動し、通信不成立監視ルーチンはUSBホストチップ220とCPU200との間の通信割り込みの有無を監視する。各ルーチンの処理はCPU200の制御の下に実行される。
【0022】
図3は、USBホストチップ220と周辺機器250との接続関係を示す図である。USBホストチップ220と周辺機器250とは、USB通信規格に準拠した接続ケーブルにより接続し、信号ライン(D+、D−:図3(a))は周辺機器が接続すると、D+若しくはD−の信号がプルアップされ、High状態となる。切断監視ルーチンの処理において所定のタイミングでモニタする信号レベルのHigh、Low状態を検出することにより、接続する周辺機器の接続の有無を識別することができる。例えば、両信号ライン(D+、D−)が両方ともLow状態である場合は、周辺機器の接続が無い状態、いずれかの信号がHighの場合は、周辺機器が接続した状態として識別することができる(図3(b))。USBケーブルの切断状態が生じると、2つの信号ラインD+及びD−に対する信号の入力が途切れることになるため、Low状態になったことをUSBホストチップ220は検出する。
【0023】
図4は、切断監視ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。まず、ステップS410で両信号(D+、D−)の状態を検出し、USBホストチップ220は両信号ライン(D+、D−)のLow状態を検出すると(S420−Yes)、それを割り込みコントローラ210に通知し、割り込みコントローラ210はその状態変化の通知に従い、CPU200の制御を切り替えるための割り込み情報をCPU200に通知する(S430)。この通知をトリガとしてCPU200は切断監視ルーチンを起動させる。
【0024】
ステップS420において、両信号(D+、D−)のうち、いずれか一方がHighの場合(S420−No)は、接続状態に変化は生じていないことになるので、処理をステップS401に戻し信号の検出を続行する。また、切断監視ルーチン起動後において、信号D+、D−のいずれか一方がHigh状態になったことを検出した場合は、その結果をステップS445の判断に反映させる。
【0025】
起動した切断監視ルーチンは、ステップS440において、切断状態の計測を開始し、ステップS445において、信号D+、D−のいずれか一方がHigh状態になったか否か、信号の変化の有無を判断する。一定時間(T1)経過後、なお、両信号(D+、D−)がLow状態であれば(S450−Yes)、切断状態と判定し(S460)、プリンタ制御プログラムに切断状態を通知する(S470)。プリンタ制御プログラムは、切断状態である旨の通知を受けると、後続のプリンタ制御を続行しても不完全なものとして終了することになるので、処理を終了させる(S490)。
【0026】
ステップS445の判断で、一定時間(T1)内に信号D+、D−のレベルが切り換わった場合(S445−Yes)は、切断状態ではないと判断し(S480)、割り込みコントローラ210がCPU200に対して割り込みをかける前の制御モードに再び切り換えられる。
【0027】
図5は、通信不成立監視ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。ステップS510で、USBホストチップ220とCPU200の通信を監視し、ステップS520において、通信タイムアウトが連続して発生した場合、その回数をカウントし、連続して一定時間(T2)通信が途絶した状態を確認すると(S520−Yes)、通信不能な状態と判定する(S530)。
【0028】
そして、通信不成立監視ルーチンは、その判定結果をプリンタ制御プログラムに通知する(S540)。CPU200上で動作するプリンタ制御プログラムはUSBホストチップ220に対し、通信不能状態をリセットするための制御データを送信することで、USBホストチップ220の状態を初期化して、通信不能状態を回復させることができる(S550)。
【0029】
ステップS520の判断で、一定時間(T2)内に通信が検出された場合(S520−No)は、通信は可能な状態であると判断し(S560)、処理をステップS510に戻す。
【0030】
図6は、切断、通信不成立の判定における、切断監視ルーチン及び通信不成立監視ルーチンの処理の関係を示す図である。
【0031】
<ケーブル切断の場合(610)>
切断監視ルーチンが切断状態を継続して監視している間は、通信不成立監視ルーチンも同時にタイムアウトをカウントすることになるが、例えば、切断監視の判定に要する時間(T1:図4のS450)を通信不能の判定に要する時間(T2:図5のS520)よりも短く設定することで、それぞれの状態を個別に判断することができる。切断監視の判定に要する時間(T1)内の判断(図4のS445)に従い、信号(D+、D−)の状態の変化が無い場合、切断監視ルーチンはケーブルの切断を確認する(611)。この時、通信不成立監視ルーチンは監視を中断する(612)。
【0032】
<ケーブル切断と誤認した場合(620)>
一時的に切断された状態になると、USBホストチップ220は割り込み信号を割り込みコントローラ210に対して発生させるが、実際にはその切断状態は継続的に発生していないため(図4のS445)、切断監視ルーチンは切断状態ではなく、切断は誤認と判断し(図4のS480)、切断の監視を終了する(621)。通信不成立監視ルーチンは、通信不成立を監視し(622)、通信不成立にならない場合は、プリンタ制御プログラム、USBホストチップ220、周辺機器250のいずれも制御状態が変化することはなく通信状態も継続される。
【0033】
<リセット要求に関する処理(630、640)>
リセット要求を受けたと判断した場合、USBホストチップ220はただちに自身の内部状態をリセットする。しかし、実際にはリセットすべきとの要求はCPU200から発行されていないため、プリンタ制御プログラムは通信の継続を試み、プリンタ制御プログラムとUSBホストチップ220との認識に食い違いが生じる。プリンタ制御プログラムは、その後も周辺機器にデータ送信を試みるが、USBホストチップ220のリセット後の状態では正常にデータは受信されず、必ずタイムアウトとなりデータ送信は不成立となる。通信不成立監視ルーチンは、この通信不成立状態を監視し(632)、所定時間内に通信があれば、USBホストチップ220はリセット指示を受けたと誤認していない(630)と判断する。通信不能状態が連続して所定時間、継続している場合は、USBホストチップ220はリセット指示を受けたと誤認し、通信不能な状態に陥っているものと判定する(642)。通信不成立が判定された場合、その旨の通知(図5のS540)を受けたプリンタ制御プログラムはUSBホストチップ220に対し、通信不能状態をリセットするための制御データを送信することで、USBホストチップ220の状態を初期化して、通信不能状態を回復させる(640)。
【0034】
尚、切断監視ルーチンは、リセット指示の判断においては、起動せず何等関与することはない。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、USBホストチップを備えるプリンタにおいて、周辺機器と接続するUSBケーブルの切断を判定し、通信不能な状態の判定及びその判定に従ってUSBホストチップの初期化を行なうことにより、周辺機器をリセットすることなく、以後の通信を継続させることが可能になる。
【0036】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばインターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のCPUやMPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0037】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0038】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0039】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図4および/または図5に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0040】
<実施態様の例>
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0041】
[実施態様1] USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器であって、
前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視手段と、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視手段と、
前記第1及び/または第2監視手段による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【0042】
[実施態様2] 前記第1監視手段は、前記USBホストチップと前記周辺機器が接続するD+ライン及びD−ラインがLow状態となる状態を検出し、
前記判定手段は、該検出結果に基づき前記第1判定時間内における監視を開始し、該Low状態が変化しない場合は、該周辺機器の切断と判定することを特徴とする実施態様1に記載の電子機器。
【0043】
[実施態様3] 前記判定手段は、前記第1判定時間内において接続状態が変化する場合は、前記周辺機器と接続していると判定することを特徴とする実施態様1または2に記載の電子機器。
【0044】
[実施態様4] 前記第2監視手段は、前記制御手段と前記USBホストチップとの間における通信タイムアウトを前記第2判定時間内において計測し、
該計測結果に基づき、前記判定手段は該第2判定時間内で通信ができない場合は通信不成立と判定することを特徴とする実施態様1に記載の電子機器。
【0045】
[実施態様5] 前記制御手段は、前記判定手段により、前記周辺機器とは接続しているが、通信は不成立と判定された場合、前記USBホストチップを初期化して、通信を可能にするリセット情報を送信することを特徴とする実施態様1乃至4のいずれか1態様に記載の電子機器。
【0046】
[実施態様6] USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器の制御方法であって、
前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視工程と、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視工程と、
前記第1及び/または第2監視工程の処理による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定工程と、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする電子機器の制御方法。
【0047】
[実施態様7] USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器の制御プログラムであって、
前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視モジュールと、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視モジュールと、
前記第1及び/または第2監視モジュールの処理による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定モジュールと、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御モジュールと、
を備えることを特徴とする電子機器の制御プログラム。
【0048】
[実施態様8] 実施態様7に記載の制御プログラムを格納することを特徴とするコンピュータ可読の記憶媒体。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、USBホストチップを備える電子機器において、周辺機器と接続するUSBケーブルの切断を判定、または通信不成立の判定及びその判定に基づくUSBホストチップの初期化を行なうことにより、周辺機器をリセットすることなく、以後の通信を継続させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態であるプリンタの外観を示す図である。
【図2】プリンタの制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】USBホストチップと周辺機器との接続関係を示す図である。
【図4】切断監視ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】通信不成立監視ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】切断、通信不成立の判定における、切断監視ルーチン及び通信不成立監視ルーチンの処理の関係を示す図である。
Claims (1)
- USBホストチップを介して周辺機器との接続を制御する電子機器であって、
前記周辺機器との接続状態の変化を検出し、第1判定時間内において該接続状態の変化の有無を監視する第1監視手段と、
前記USBホストチップと制御手段との間における通信の有無を、第2判定時間内において監視する第2監視手段と、
前記第1及び/または第2監視手段による監視結果に基づき、前記周辺機器と接続しているか否か、及び/または前記USBホストチップと制御手段とが通信可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づき、前記USBホストチップを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
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2003
- 2003-01-31 JP JP2003024540A patent/JP2004234518A/ja not_active Withdrawn
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