JP2004233873A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2004233873A JP2003024811A JP2003024811A JP2004233873A JP 2004233873 A JP2004233873 A JP 2004233873A JP 2003024811 A JP2003024811 A JP 2003024811A JP 2003024811 A JP2003024811 A JP 2003024811A JP 2004233873 A JP2004233873 A JP 2004233873A
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Kiyoshi Oyama
大山  潔
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Abstract

【課題】無端ベルトの循環を停止させることなく、シートと無端ベルトの一部分との間に速度差が無い状態でシートと無端ベルトの一部分とを接触させて無端ベルトにシートを吸着させる。
【解決手段】画像形成装置111は、シートが積載されるシート束カセット20と、シートを吸着して搬送する循環可能な転写搬送ベルト6と、この転写搬送ベルト6を循環させる駆動ローラ11と、転写搬送ベルト6によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成部18と、転写搬送ベルト6が駆動ローラ11から循環駆動力を受けている状態で、シート束カセット20のシートと転写搬送ベルト6の一部分との間に速度差が無い状態でシートと転写搬送ベルトの一部分とを接触させる昇降移動装置30と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、循環する無端ベルトによって搬送されるシートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シートに画像を印字する画像形成装置には、電子写真方式あるいは静電記録式などによるフルカラーまたはモノカラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機などがある。
【0003】
このような画像形成装置において、エンドレスベルト(無端ベルト)に吸着されて搬送されるシートに画像を形成する形式のものが製品化されている。
【0004】
このような画像形成装置の2つの例を図18、図19乃至図21に基づいて説明する。図18に示す画像形成装置101は、第1従来例の画像形成装置である。図19乃至図21に示す、画像形成装置102は、第2従来例の画像形成装置である。
【0005】
(第1従来例の画像形成装置)
図18に示す、画像形成装置101の装置本体101Aの内部には、感光ドラム5を備えている。感光ドラム5には、トナー像が形成されるようになっている。感光ドラム5に隣接した場所には、シート担持体(以下、「転写搬送ベルト」と称する)6を配設してある。感光ドラム5上に形成されているトナー像は、転写搬送ベルト6が担持して搬送してくるシートPに転写されるようになっている。
【0006】
トナー像が転写されたシートPは、定着部9で加熱、加圧されてトナー像を定着された後、記録画像として装置本体101Aの外部に設けた排出トレイ17に排出される。
【0007】
感光ドラム5の外周には、露光ランプ1、感光ドラム帯電器2、露光装置3、現像器4、転写帯電器7、及びクリーナ8を時計回りの順に配列してある。装置本体101Aの上方には、不図示の光源装置やポリゴンミラーを設置してある。
【0008】
光源装置から発せられたレーザ光は、ポリゴンミラーの回転によって走査光となり、その走査光の光束を反射ミラーで偏光し、fθレンズによって感光ドラム5の母線上に集光される。感光ドラム5は、レーザ光によって露光されて、画像信号に応じた潜像が形成される。
【0009】
現像器4にはトナーが不図示のトナー供給装置により所定量充填されている。現像器4は感光ドラム5上の潜像を現像してトナー像として可視化する。
【0010】
シートPはシート束カセット20に収容されて、そこから複数の分離給紙ローラ15によって1枚ずつに分離されて搬送される。シートPは、レジストローラ13をへて転写搬送ベルト6に供給される。
【0011】
転写搬送ベルト6は、ポリカーボネート樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート(PET樹脂)や、ポリフッ化ビニリデン樹脂シート、ポリウレタン樹脂シート、ポリアミド樹脂シート、ポリイミド樹脂シートなどで形成された誘電体樹脂のシートの両端部を、互いに重ね合わせて接合して、エンドレス状に形成したものか、あるいは継ぎ目のないベルト(シームレスベルト)である。
【0012】
駆動ローラ11により転写搬送ベルト6は、循環を開始し、一定の循環速度に達すると、シートPがレジストローラ13から転写搬送ベルト6に送り出されて、シートPを転写部へ向けて搬送する。これと同時に画像書き出し信号がONとなり、それを基準としてあるタイミングで感光ドラム5に対して画像形成を行う。そして、感光ドラム5の下側の転写部で転写帯電器7が、シートに電界または電荷を付与することにより、感光ドラム5上に形成されたトナー像がシートPに転写される。
【0013】
シートPは、レジストローラ13から転写搬送ベルト6上に送り出されると、直ちに、吸着帯電器14と吸着帯電器対向ローラ12とに転写搬送ベルト6とともに狭持されて、吸着帯電器14によって電界あるいは電荷付与されることによって、転写搬送ベルト6に静電的に保持されて搬送される。
【0014】
転写帯電器7は、コロナ放電のような非接触帯電器、または帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレードのような帯電部材を用いた接触帯電器を用いる。
【0015】
次に、トナー像を転写されたシートPは、転写搬送ベルト6の搬送方向下流部で分離帯電器16により除電されて静電吸着力を減衰させることによって、転写搬送ベルト6の末端から離脱する。
【0016】
離脱したシートPは定着部9へ搬送される。定着部9は、定着ローラ、加圧ローラと各ローラ内に設置された加熱ヒータと、加圧ローラの表面温度を検知して定着温度を制御するサーミスタとから構成されている。
【0017】
トナー像を形成されたシートPは、定着部9によってトナー像を固定されて、コピー画像が形成された状態で、排紙トレイ17に排出される。転写が終了した感光ドラム5は、クリーナ8により転写残トナーをクリーニング、除去されて、引き続き次の潜像形成に備えられる。
【0018】
そして、シートPを分離された転写搬送ベルト6は、記録材担持側に設置した導電性ファーブラシ10とそれに対向して接地された駆動ローラ11とに挟まれることによって、転写搬送ベルト6上に残留したトナー及びその他の異物が清掃されるとともに、蓄積された電荷の除去(除電)が行われる。
【0019】
以上述べた画像形成装置101は、シートPを転写搬送ベルト6上に確実に吸着して搬送するようになっているので、画像の書き出し位置にずれが生じるレジストズレを防止することができ、また、感光ドラム5とシートPとの相対速度にずれが生じることによって発生していた画像伸縮などの画像形成上の不具合(以下画像ズレという)も防止することができた。
【0020】
しかし、近年の省スペース化の需要の高まりによって、画像形成装置においても設置面積を小さくする必要が生じてきており、シートPの搬送方向の長さを小さくする必要がある。このため、レジストローラ13から転写帯電器7までの距離、及び転写帯電器7から定着部9までの距離を、シートPの長さより短くしてある場合がある。
【0021】
この構成でレジストローラ13及び定着部9の搬送速度と、転写搬送ベルト6の搬送速度とを同じにすると、部品の寸法のバラツキ、組み立てのバラツキ等によって、レジストローラ13の搬送速度より転写搬送ベルト6の搬送速度のほうが速くなる場合と、転写搬送ベルト6の搬送速度より定着部9の搬送速度が速くなる場合とがある。
【0022】
すると、シートPが、レジストローラ13と転写帯電器7との間にあるときレジストローラ13に搬送を阻止される方向に引っ張られ、また、転写帯電器7と定着部9との間にあるとき定着部9によって搬送を加速される方向に引っ張られて、転写搬送ベルト6上で滑ることがある。このように、シートが滑ると、シートに形成される画像が所定の位置からずれ位置に形成されることになる。
【0023】
したがって、画像形成装置は、通常、レジストローラ13のシート搬送速度を転写搬送ベルト6のシート搬送速度より僅かに速めること、また、転写搬送ベルト6のシート搬送速度を定着部9のシート搬送速度より僅かに速めることによって、シートPを引っ張らないようにしている。
【0024】
ここで生じる速度差は、レジストローラ13と吸着帯電器14との間で、又は、転写搬送ベルト6と定着部9との間でシートPにループを形成されて吸収されるようになっている。このため、画像形成装置101は、転写搬送ベルト6上のシートPを確実に転写搬送ベルト6に吸着して転写部に搬送するため、画像ズレの無い良好な画像をシートに形成することができる。
【0025】
ところが、画像形成装置101は、坪量が150gf/(平方m)を超えるような腰の強いシートを、レジストローラ13から転写搬送ベルト6へ搬送するとき、シートの腰によるベルト循環方向の押し力が、吸着帯電器14がシートPを転写搬送ベルト6に保持する吸着力を上回ると、シートにループが形成されず、速度差を吸収できなくなるおそれがある。すると、シートPがレジストローラ13に挟持された状態で転写帯電器7を通過している場合、この押し力によって転写搬送ベルト6上でシートPが搬送方向下流側に滑り、シートに形成される画像がずれることがある。
【0026】
また、このような腰の強いシートを転写搬送ベルト6から定着部9に搬送するとき、シートの腰によって転写搬送ベルトの循環方向と反対方向の押し力が生じて、同様にこの力がシートPを転写搬送ベルト6に保持する吸着力を上回り、ループが形成されず速度差を吸収できなくなるおそれがある。そしてシートPが定着部9に挟持された状態で転写帯電器7を通過している場合、この押し力によって転写搬送ベルト6上でシートPが搬送方向上流側に滑り、シートに形成される画像がずれることがある。
【0027】
また、シートPが転写帯電器7を通過した後でも、転写搬送ベルト6上で滑りが生じるとシートの搬送方向下流側端部が転写搬送ベルト6上から急に離れて、シートがクリーナ8の下面や分離帯電気器16の下部に接触して、シート上に形成されている未定着のトナー像をこすって乱す画像不具合(以降、画像コスレと呼ぶ)が生じてしまう。
【0028】
この問題を解決するためには結局、レジストローラ13のシート搬送速度、転写搬送ベルト6のシート搬送速度、及び定着部9のシート搬送速度を一致させなければならない。それぞれの部品寸法のバラツキ等を見越して上記3者のシート搬送速度を一致させるためには、3者をそれぞれ独立して回転させる3つの駆動系を配し、各駆動源の回転数を調整可能にして、3者のシート搬送速度を一致させる方法がある。
【0029】
しかし、最初、各駆動源の回転数を調整して3者のシート搬送速度を一致させたとしても、長期間の使用による部品の摩耗などによって、3者のシート搬送速度が一致しなくなることが考えられる。
【0030】
そこで、レジストローラ13と転写搬送ベルト6との間に生じる速度差、転写搬送ベルト6と定着部9との間に生じる速度差によって発生する、シートPの各々のループ量を検知して、その検知に基づいて、各駆動源の回転数を制御する方法も知られている。
【0031】
しかし、これらの解決方法は、レジストローラ13、転写搬送ベルト6、定着部9の駆動系をそれぞれ独立させること、それらの駆動源の回転数を制御可能にしなければならないこと、ループ検知手段が必要なこと等からして、装置の複雑化、大型化、そしてコストアップにあるという問題がある。
【0032】
一方、この画像形成装置101は、シートPをシート束カセット20から1枚ずつ分離して搬送することに複数の分離給紙ローラ15による摩擦力を利用している。
【0033】
しかし、この方法はローラ部にゴム部材を使用しているので、長期間の使用によって摩耗や、経時的な材質劣化が生じるため、ローラ部の寿命が短いという問題がある。
【0034】
また、シートを分離する時に大きな圧力を加えるので、シートを痛めるという問題がある。
【0035】
(第2従来例の画像形成装置)
そこで、以上の問題を解決するため、本出願人は図19乃至21に示す画像形成装置を発明し、出願中である。なお、図18に示す第1従来例の画像形成装置と、同一の部分、或いは同一機能の構成部分については、同一符号を付す。
【0036】
図19乃至図21に示す、画像形成装置102の装置本体102Aの内部には、感光ドラム5を備えている。感光ドラム5には、トナー像が形成されるようになっている。感光ドラム5に隣接した場所には、シート担持体(以下、「転写搬送ベルト」と称する)6を配設してある。感光ドラム5上に形成されているトナー像は、転写搬送ベルト6が担持して搬送してくるシートPに転写されるようになっている。
【0037】
トナー像が転写されたシートPは、定着部9で加熱、加圧されてトナー像を定着された後、記録画像として装置本体102Aの外部に設けた排出トレイ17に排出される。
【0038】
感光ドラム5の外周には、露光ランプ1、感光ドラム帯電器2、露光装置3、現像器4、転写帯電器7、及びクリーナ8を時計回りの順に配列してある。装置本体102Aの上方には、不図示の光源装置やポリゴンミラーを設置してある。
【0039】
光源装置から発せられたレーザ光は、ポリゴンミラーの回転によって走査光となり、その走査光の光束を反射ミラーで偏光し、fθレンズによって感光ドラム5の母線上に集光される。感光ドラム5は、レーザ光によって露光されて、画像信号に応じた潜像が形成される。
【0040】
現像器4にはトナーが不図示のトナー供給装置により所定量充填されている。現像器4は感光ドラム5上の潜像を現像してトナー像として可視化する。シートPは、後述する方法で静電吸着力によって転写搬送ベルト6に吸着された状態で搬送されて、感光ドラム5と対向した転写部に送られる。
【0041】
転写搬送ベルト6には、例えば、ポリイミド樹脂などの誘電体であり、かつ、耐熱性の樹脂を帯状にして、両端部を互いに重ね合わせて接合してエンドレス形状にしたベルト、あるいは継ぎ目を有しない(シームレス)のベルトが使用されている。
【0042】
転写搬送ベルト6は、駆動ローラ11、従動ローラ12、補助ローラ21に張架してある。駆動ローラ11により転写搬送ベルト6が回転しシートPが所定の位置まで搬送されると、画像書き出し信号がONとなる。この信号を基準にして、あるタイミングで感光ドラム帯電器2、露光装置3、現像器4は、感光ドラム5にトナー像を形成する。
【0043】
そして感光ドラム5の下側の転写部で、転写帯電器7がシートに電界または電荷を付与することによって、感光ドラム5上に形成されたトナー像がシートPに転写される。転写帯電器7には、コロナ放電のような非接触帯電器、または帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレードのような帯電部材を用いた接触帯電器を使用することができるが、本従来例では帯電ローラを使用している。
【0044】
トナー像を転写されたシートPは、転写搬送ベルト6に静電吸着された状態のまま定着部9に送られる。定着部9は、駆動ローラ11と、この駆動ローラ11で転写搬送ベルト6を挟んでいる加圧ローラ22、そして、駆動ローラ11及び加圧ローラ22に内蔵される加熱ヒータ、加圧ローラ22の表面温度を検知して定着温度を制御するサーミスタ等で構成される。
【0045】
トナー像を形成されたシートPは、定着部9に加熱、加圧されて、トナー像を定着される。同時に、シートは、導電性を有して接地してある加圧ローラ22と駆動ローラ11とによって除電されて、転写搬送ベルト6に対する静電吸着力を減衰させられる。これによって、シートは、転写搬送ベルト6の末端から離脱して、排出トレイ17に排出される。
【0046】
転写を終了した感光ドラム5は、クリーナ8により転写残トナーをクリーニング、除去されて、引き続き次の潜像形成に備えられる。シートPを分離された後の転写搬送ベルト6は、記録材担持側に設置した導電性ファーブラシ10とそれに対向して接地された駆動ローラ11とに接触することによって、転写搬送ベルト6上に残留したトナー、及びその他の異物が清掃されるとともに、蓄積した電荷が除去(除電)される。
【0047】
次に、シートPのシート束カセット20からの給紙動作を図19乃至図21に基づいて説明する。
【0048】
シート束カセット20は不図示の昇降手段により上下方向移動自在に配設されている。導電性ファーブラシ10に交流バイアス電源25によって振幅±約4kVの交番電圧を印加しながら駆動ローラ11を駆動させると、導電性ファーブラシ10は転写搬送ベルト6の所定の範囲に交番電界を生じさせる。
【0049】
シート束カセット20は、このとき、最上位のシートPが転写搬送ベルト6の従動ローラ12と補助ローラ21で形成されるベルト吸着面61の下方に離間している。駆動ローラ11を駆動させて、転写搬送ベルト6の上記交番電界が生じている範囲がベルト吸着面61を包括した時点で、駆動ローラ11が停止し、転写搬送ベルトも停止する。同時に、図20に示すように、シート束カセット20が不図示の昇降手段によって矢印B方向に上昇して、最上位のシートPを吸着面61に接触させる。
【0050】
このように、転写搬送ベルト6を停止させるのは、シートPと吸着面61との間に速度差があると、シートに対して吸着面61が滑り、シートPに正常な電界が形成されずに適正な吸着力が発生しないからである。
【0051】
不図示の昇降手段は、シート束カセット20の最上位のシートがシートの残量にかかわらず常に吸着面61にわずかな押圧力で、確実に面接触する位置で上昇を停止するように制御されるようになっている。このように、シートPと吸着面61とが確実な面接触をすることによってシートPと吸着面61との間に吸着力が生じる。
【0052】
次に、図21に示すようにシート束カセット20を不図示の昇降手段によって矢印C方向に下降させてシート束から吸着面61を離間させると、最上位にあったシートPのみが吸着面61に吸着された状態になる。
【0053】
このシート吸着、分離は、交番電界によって生じる吸着力が吸着面61に接している1枚目にはほぼ減衰しないで作用するが、2枚目以降には急激に減衰しながら作用するため、2枚目以降の分離が可能になる特性を利用して行われる。
【0054】
この状態になってから、再び、駆動ローラ11を循環させて、シートPを転写搬送ベルト6に吸着させた状態で画像形成部に搬送してシートに画像を形成する。
【0055】
以上説明したように、第2従来の画像形成装置102は、シートのピックアップからトナー像の転写、定着まで、単一の転写搬送ベルト6にシートを吸着させた状態で行うため、過去の画像形成装置と異なって、レジストローラ、転写、定着の間でシートの受け渡しが発生しないようになっている。
【0056】
このため、第2従来の画像形成装置102は、シートの受け渡し時の速度差によって生じる画像ズレや、画像コスレなどの画像形成上の不具合が発生しないようになっている。
【0057】
また、この不具合を防止するための複数の駆動源による速度調整の制御や、速度差検知機構が不用になるため、装置が簡素化されて、小型化、コストダウン化されている。
【0058】
また、シートのピックアップに静電吸着方式を用いているため、シートへのダメージがなく、耐久性に優れている。
【0059】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第2従来例の画像形成装置は、次の問題があった。
【0060】
上述したように、シート束カセット20から最上位のシートPを転写搬送ベルト6上に吸着させるとき、シートPと吸着面61の間に速度差を生じさせないため、一旦、転写搬送ベルト6を停止させる必要がある。また、転写搬送ベルト6と同期して動作する感光ドラム5や定着加圧ローラ22も停止させる必要がある。このとき、先行シートが感光ドラム5や定着加圧ローラ22上にあると、先行シートの画像が乱れ、画像不良になることがある。
【0061】
このため、第2従来例の画像形成装置は、先行シートPの搬送方向下流側端部が、定着部9の定着加圧ローラ22を通過するまで、次の給紙動作を開始することがない。よって、単位時間あたりに画像形成できるシート枚数が少なく、生産性(画像形成効率)が悪かった。
【0062】
本発明は、無端ベルトの循環を停止させることなく、シートと無端ベルトの一部分との間に速度差が無い状態でシートと無端ベルトの一部分とを接触させて無端ベルトにシートを吸着させて画像形成手段に搬送する画像形成装置を提供することを目的としている。
【0063】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、シートが積載されるシート積載手段と、前記シートを吸着して搬送する循環可能な無端ベルトと、前記無端ベルトを循環させる駆動手段と、前記無端ベルトによって搬送されるシートに画像を形成する画像形成手段と、前記無端ベルトが駆動手段から循環駆動力を受けている状態で、前記シート積載手段の前記シートと前記無端ベルトの一部分との間に速度差が無い状態で前記シートと前記無端ベルトの前記一部分とを接触させる同期手段と、を備えている。
【0064】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の画像形成装置を図に基づいて説明する。画像形成装置には、電子写真方式あるいは静電記録式などによるフルカラーまたはモノカラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機などがある。
【0065】
本発明の実施形態の画像形成装置には、第1乃至第3実施形態の画像形成装置がある。なお、第1、第2実施形態の画像形成装置111,112は、図19乃至図21に示す第2従来例の画像形成装置102と、同一の部分、或いは同一機能の部分については、同一符号を付す。第3実施形態の画像形成装置113は、第2実施形態の画像形成装置112と同一の部分、或いは同一機能の部分については、同一符号を付す。
【0066】
(第1実施形態の画像形成装置)
図1乃至図5に示す、画像形成装置102の装置本体102Aの内部には、感光ドラム5を備えている。感光ドラム5には、トナー像が形成されるようになっている。感光ドラム5に隣接した場所には、シート担持体(以下、「転写搬送ベルト」と称する)6を配設してある。感光ドラム5上に形成されているトナー像は、転写搬送ベルト6上が担持して搬送してくるシートPに転写されるようになっている。
【0067】
トナー像が転写されたシートPは、定着部9で加熱、加圧されてトナー像を定着された後、記録画像として装置本体102Aの外部に設けた排出トレイ17に排出される。
【0068】
感光ドラム5の外周には、露光ランプ1、感光ドラム帯電器2、露光装置3、現像器4、転写帯電器7、及びクリーナ8を時計回りの順に配列してある。装置本体111Aの上方には、不図示の光源装置やポリゴンミラーを設置してある。
【0069】
光源装置から発せられたレーザ光は、ポリゴンミラーの回転によって走査光となり、その走査光の光束を反射ミラーで偏光し、fθレンズによって感光ドラム5の母線上に集光される。感光ドラム5は、レーザ光によって露光されて、画像信号に応じた潜像が形成される。感光ドラム帯電器2、現像器4、感光ドラム5等は、画像形成手段の一例である画像形成部18を構成している。
【0070】
現像器4にはトナーが不図示のトナー供給装置により所定量充填されている。現像器4は感光ドラム5上の潜像を現像してトナー像として可視化する。シートPは、後述する方法で静電吸着力によって転写搬送ベルト6に吸着された状態で搬送されて、感光ドラム5と対向した転写部に送られる。
【0071】
無端ベルトである例えば転写搬送ベルト6には、例えば、ポリイミド樹脂などの誘電体であり、かつ、耐熱性の樹脂を帯状にして、両端部を互いに重ね合わせて接合してエンドレス形状にしたベルト、あるいは継ぎ目を有しない(シームレス)のベルトが使用されている。
【0072】
転写搬送ベルト6は、駆動手段である例えば駆動ローラ11、従動ローラ12、補助ローラ21に張架してある。駆動ローラ11により転写搬送ベルト6が回転しシートPが所定の位置まで搬送されると、画像書き出し信号がONとなる。この信号を基準にして、あるタイミングで感光ドラム帯電器2、露光装置3、現像器4は、感光ドラム5にトナー像を形成する。
【0073】
そして感光ドラム5の下側の転写部で、転写帯電器7がシートに電界または電荷を付与することによって、感光ドラム5上に形成されたトナー像がシートPに転写される。転写帯電器7には、コロナ放電のような非接触帯電器、または帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレードのような帯電部材を用いた接触帯電器を使用することができるが、本従来例では帯電ローラを使用している。
【0074】
トナー像を転写されたシートPは、転写搬送ベルト6に静電吸着された状態のまま定着部9に送られる。定着部9は、駆動ローラ11と、この駆動ローラ11で転写搬送ベルト6を挟んでいる加圧ローラ22、そして、駆動ローラ11及び加圧ローラ22に内蔵される加熱ヒータ、加圧ローラ22の表面温度を検知して定着温度を制御するサーミスタ等で構成されている。
【0075】
トナー像を形成されたシートPは、定着部9に加熱、加圧されて、トナー像を定着される。同時に、シートは、導電性を有して接地してある加圧ローラ22と駆動ローラ11とによって除電されて、転写搬送ベルト6に対する静電吸着力を減衰させられる。これによって、シートは、転写搬送ベルト6の末端から離脱して、排出トレイ17に排出される。
【0076】
転写を終了した感光ドラム5は、クリーナ8により転写残トナーをクリーニング、除去されて、引き続き次の潜像形成に備えられる。シートPを分離された後の転写搬送ベルト6は、記録材担持側に設置した導電性ファーブラシ10とそれに対向して接地された駆動ローラ11とに接触することによって、転写搬送ベルト6上に残留したトナー、及びその他の異物が清掃されるとともに、蓄積した電荷が除去(除電)される。導電性ファーブラシ10と交流バイアス電源25等で構成される部分は、帯電手段の一例である。
【0077】
次に、シートPのシート束カセット20からの給紙動作を図2乃至図5に基づいて説明する。
【0078】
シート束カセット20は後述する昇降移動装置30によって上下方向およびシートの搬送方向とその反対方向に移動自在に配設されている。導電性ファーブラシ10に交流バイアス電源25によって振幅±約4kVの交番電圧を印加しながら駆動ローラ11を駆動させると、導電性ファーブラシ10は転写搬送ベルト6の所定の範囲に交番電界を生じさせる。
【0079】
シート束カセット20は、このとき、最上位のシートPが転写搬送ベルト6の従動ローラ12と補助ローラ21で形成されるベルト吸着面61の下方に離れている。駆動ローラ11を駆動させて、転写搬送ベルト6の上記交番電界が生じている範囲がベルト吸着面61を包括した時点で、図2に示すようにシート積載手段である例えばシート束カセット20が同期手段である例えば昇降移動装置30によって矢印D方向に上昇する。
【0080】
昇降移動装置30は、不図示のカムの回転によってシート束カセット20を矢印D、F方向(図2、図4参照)に昇降させ、不図示のラックとピニオン、油圧シリンダ、電磁プランジャ等の往復移動装置によって、シート束カセット20を矢印E、G方向(図3、図5参照)に往復移動させるようになっている。昇降移動装置30は、シート束カセット20の最上位のシートがシートの残量にかかわらず常に吸着面61にわずかに圧力が作用し確実に面接触する位置で上昇を停止するようになっている。
【0081】
最上位のシートは、センサ31によって検知される。センサ31が作動すると、昇降移動装置30は、シート束カセット20の上昇を停止する。シート束カセット20内のシートは、昇降自在な内板32とばね33とによって押し上げられて、最上位のシートは、シート束カセット20に設けた不図示の規制爪に受け止められて、シート束カセット20内で所定の位置に保持されるようになっている。
【0082】
最上位のシートPが吸着面61に接触する直前に、図3に示すようにシート束カセット20は昇降移動装置30によって矢印E方向へ移動する。この移動速度は、転写搬送ベルト6の移動速度と等しく設定してある。これによって、転写搬送ベルト6が循環しているにもかかわらず、シートPと吸着面61の間に速度差がなく、シートPに適正な吸着力が発生する。適正な吸着力がシートPに発生するまでのごく短い所定時間だけシート束カセット20は矢印E方向に移動する。
【0083】
その後、昇降移動装置30は、シート束カセット20を図3の矢印E方向に移動したままの状態で、図4に示すようにように矢印F方向に下降させて、吸着面61からシート束を離間させる。この結果、最上位のシートPのみ、吸着面61に吸着されて転写搬送ベルト6によって搬送される。次に、昇降移動装置30は、図5に示すようにシート束カセット20を下降させた状態で、矢印G方向に移動させて、図1と同じスタンバイ位置に戻し、次のシート供給に備える。一方、転写搬送ベルト6に吸着された最上位のシートPは、転写搬送ベルト6によって画像形成部18に搬送されてトナー像を転写される。
【0084】
以上説明したように、第1実施形態の画像形成装置111は、転写搬送ベルト6を停止させることなく、転写搬送ベルト6の循環速度に合わせてシートを移動させて転写ベルト6に吸着させるようになっているので、画像形成部18にシートを連続的に供給して、画像形成することができるようになっている。このため、第1実施形態の画像形成装置111は、生産性(画像形成効率)を向上させることができる。また、シートに形成されるトナー像に乱れが生じるようなことがなくなり、画質を向上させることができる。
【0085】
(第2実施形態の画像形成装置)
図6乃至図15に示す、画像形成装置112は、転写搬送方向が垂直になっている。このため、装置本体112A内に設けてある感光ドラム5と、転写帯電器7と、駆動ローラ11及び加圧ローラ22を含む定着部9は、縦に配設されている。
【0086】
なお、感光ドラム5の周囲には、図示していないが、ランプ、感光ドラム帯電器、露光装置、現像器、転写帯電器、及びクリーナを時計回りの順に配列してある。感光ドラム帯電器、現像器、感光ドラム5等は、画像形成手段の一例である画像形成部18を構成している。
【0087】
転写搬送ベルト6は、駆動ローラ11、複数の補助ローラ21a,21b,21c、ベルトガイド24、ガイドローラ23に張架されている。
【0088】
ベルトガイド24は、昇降装置40によって転写搬送ベルト6の内側を昇降するようになっている。ガイドローラ23は、横動装置41によって、転写搬送ベルト6の外側から横に水平移動するようになっている。
【0089】
ベルトガイド24、昇降装置40、第2移動部である例えばガイドローラ23、横動装置41は、同期手段の一例である同期部42を構成している。ベルトガイド24と昇降装置40とで構成される昇降移動部27は、第1移動部の一例である。ベルトガイド24は移動体の一例である。ガイドローラ23と横動装置41とで構成される横移動部28は、第2移動部の一例である。ガイドローラ23は、回転体の一例である。
【0090】
シート束カセット20は、押し上げ装置43によって押し上げられるようになっている。押し上げ装置43は、不図示のカム、ラック及びピニオン等の押し上げ機構によってシート束カセット20を押し上げるようになっている。また、シート束カセット20内の最上位のシートは、センサ31によって検知されるようになっている。シート束カセット20が上昇して、センサ31が作動すると、押し上げ装置43は、シート束カセット20の上昇を停止して、常時、所定の高さに保持するようになっている。シート束カセット20内のシートは、昇降自在な内板32とばね33とによって押し上げられて、最上位のシートは、シート束カセット20に設けた不図示の規制爪に受け止められて、シート束カセット20内で所定の位置に保持されるようになっている。
【0091】
ガイドローラ23は、ベルトガイド24の移動に応じて転写搬送ベルト6の周長が等しく保たれて移動するようになっている。ガイドローラ23が移動することによって、ベルトガイド24が移動しても転写搬送ベルト6が弛むのを防止することができる。昇降装置40、横動装置41は、不図示のラックとピニオン、カム、プランジャ等で、ベルトガイド24、ガイドローラ23を移動させるようになっている。
【0092】
ベルトガイド24は、転写搬送ベルト6と摺擦するので低摩擦性、高摺動性の部材を用いているか、あるいは、転写搬送ベルト6との摺擦面に高分子ポリエチレン等低摩擦、高摺動性シートを貼り付けてある。
【0093】
ベルトガイド24の下方端部にはベルトガイド24によって吸着面61を形成してある。吸着面61は、シート束カセット20に載置された最上位のシートに対して平行で、かつ平坦に形成されて、ベルトガイド24の移動によって、シート束カセット20の最上位のシートに接して、最上位のシートを吸着して、搬送するようになっている。
【0094】
シート供給動作を説明する前に、シート供給動作時の転写搬送ベルト6の動作を図14、図15に基づいて説明する。動作を理解しやすくするため、転写搬送ベルト6の周方向の3箇所にX、Y、Zの各マークがあらかじめ付いているものとする。図14、図15は、転写搬送ベルト6と、この転写搬送ベルト6を張架する駆動ローラ11、補助ローラ21a,21b,21cの部分を抜き書きした簡略図である。
【0095】
図14(a)は、駆動ローラ11が停止し、転写搬送ベルト6が停止している図である。図14(b)は、駆動ローラ11が回転し、転写搬送ベルト6が所定の速度で循環している図である。また、図14(b)は、昇降装置40によってベルトガイド24を矢印H方向に下降させ、横動装置41によってガイドローラ23を矢印J方向に移動させた状態の図である。
【0096】
駆動ローラ11による転写搬送ベルト6の単位時間あたりの移動量(循環量)をL1とする。このときのベルトガイド24及びガイドローラ23の単位時間あたりの移動量は上記移動量と同じL1に設定してある。また、ベルトガイド24とガイドローラ23との移動速度は、等しくしてある。このため、ベルトガイド24とガイドローラ23とが移動しても、転写搬送ベルト6は、弛んだり、引っ張られたりすることなく循環するようになっている。
【0097】
転写搬送ベルト6が循環して、マークXが初期位置からL1だけ移動すると、マークY、マークZもそれぞれ初期位置からL1だけ移動する。ところが、ベルトガイド24を基準としたとき、マークYはベルトガイド24に対して停止している。すなわち、ベルトの周速と等しい速度でベルトガイド24及びガイドローラ23を、それぞれ矢印J、H方向に移動させると、ベルトガイド24に転写搬送ベルト6がかかる部分からガイドローラ23から離れる部分まで、破線Vで示した範囲の転写搬送ベルト6は見かけ上停止している。
【0098】
図15(a)に示すように、その後、ベルトガイド24及びガイドローラ23は、移動を停止する。駆動ローラ11が所定の速度で回転しているので、マークX、マークY、マークZはそれぞれ等しく単位時間あたりL1だけ移動する。ベルトガイド24およびガイドローラ23が停止しているため、転写搬送ベルト6はベルトガイド24上でも所定の周速で移動する。
【0099】
図15(b)に示すように、その後、ベルトガイド24及びガイドローラ23は、図14(b)のときと反対方向である矢印M、L方向に単位時間あたり距離L3の移動量で戻る。ベルト周方向に設けられたマークX、Y、Zはそれぞれ単位時間あたり距離L1だけ移動する。ところが、ベルトガイド24を基準としたとき、マークYはベルトガイド24に対して単位時間当たり距離L4で移動している状態になる。距離L4は、転写搬送ベルト6の移動量L1とベルトガイド24の移動量L3との和になる。
【0100】
すなわち、ベルトガイド24及びガイドローラ23がそれぞれ矢印L、M方向に移動すると、ベルトガイド24に転写搬送ベルト6がかかる部分からガイドローラ23から離れる部分まで、破線Wで示した範囲の転写搬送ベルト6は、見かけ上、転写搬送ベルト6の周速にベルトガイド24の移動速度を上乗せした速度で移動することになる。
【0101】
本実施形態の画像形成装置112は、上述のように、転写搬送ベルト6が循環していてもベルトガイド24上では見かけ上停止状態になる特性を利用してシートの供給を行うようになっている。
【0102】
図6乃至図13に基づいて、本実施形態の画像形成装置112のシート供給動作を説明する。
【0103】
なお、図13(a)は、時間を横軸にとったときの転写搬送ベルト速度のタイムチャートである。図13(b)は、ベルトガイド24及びシート束カセット20内の最上位のシートの上下方向の位置を示すタイムチャートである。図13(c)は、ベルト吸着部61のベルト速度のタイムチャートである。
【0104】
交流バイアス電源25により振幅±4kVの交番電圧を導電性ファーブラシ10に印加させながら不図示のモータによって、駆動ローラ11を駆動させると、転写搬送ベルト6の所定の範囲に交番電界が生じる。転写搬送ベルト6の搬送速度(循環速度)は図13(a)に示すように、Vbである。このとき、シート束カセット20は、最上位のシートPが転写搬送ベルト6を張架するベルトガイド24の底面で形成されるベルト吸着面61の下方から離れた位置に下降している。
【0105】
ベルト吸着面61、最上位のシートPの初期位置関係は図13(b)において、それぞれB0、S0で示す。図13(b)において、実線はベルト吸着面61の高さ位置の変化を示し、破線は最上位のシートの高さ位置の変化を示している。駆動ローラ11の回転によって、転写搬送ベルト6の上記交番電界が生じている範囲がベルト吸着面61を包括した時点で、図7に示すようにベルトガイド24を昇降装置40(図6参照)によって矢印H方向に移動させ、ガイドローラ23を横道装置41によって矢印J方向に移動させる。
【0106】
このときのベルトガイド24の移動速度と、ガイドローラ23の移動速度は、転写搬送ベルト6の移動速度(循環速度)と同じに設定してある。すなわち、図13(b)に示すベルト吸着面61の下降速度Vdは、ベルト搬送速度Vbと同じに設定してある。ベルト吸着面61が図8に示すように最上位のシートPに接すると(図13(b)の時間t3、位置S0)、昇降装置40は、シート束カセット20の最上位のシートがシートの残量にかかわらず常に吸着面61にわずかに圧力が作用して確実に面接触するように、ベルトガイド24を矢印K方向に下降させる。
【0107】
ベルトガイド24の下降速度も図13(b)に示すようにベルト吸着面61の下降速度Vdと同じに設定してある。このとき前述したように、転写搬送ベルト6の搬送速度(循環速度)とベルト吸着面61の下降速度が等しい(図13のVb=Vd)ので、ベルト吸着面61上で転写搬送ベルト6は見かけ上、停止している(図13(c)の時間t2乃至t4間)。したがって、転写搬送ベルト6が循環しているにもかかわらず、シートPと吸着面61の間に速度差が生じることがなく、吸着面61は、適正な吸着力でシートPを吸着する。
【0108】
適正な吸着力がシートPに発生するまでのごく短い所定時間だけベルトガイド24およびシート束カセット20は、矢印H、K方向に移動する(図13(b)の時間t3乃至時間t4間、位置S0乃至位置B1間)。
【0109】
次に、図9に示すようにベルトガイド24およびガイドローラ23は移動を停止し、シート束カセット20のみが矢印K方向に移動してシート束からベルト吸着面61を離間させると、最上位のシートPのみが吸着面61に吸着される(図13(b)の時間t4乃至時間t5間)。その後、シート束カセット20は、図13(b)に示すように最上位のシートがS1の位置に到達したところで下降を停止する。
【0110】
次に、図10に示すようにベルトガイド24を矢印M方向に、ガイドローラ23を矢印L方向に移動させると同時に、シート束カセット20を矢印N方向に移動させる。ベルトガイド24の上昇速度およびガイドローラ23の移動速度は同じに設定してある。
【0111】
このとき、図13に示すように、ベルトガイド24の上昇速度すなわちベルト吸着面61の上昇速度をVuとすると、ベルト吸着面61のベルト搬送速度(転写搬送ベルト6の循環速度)は前述したように、ベルト搬送速度(転写搬送ベルト6の循環速度)Vbにベルト吸着面61の上昇速度をVuを加えた、(Vb+Vu)の速度となる(時間t6乃至時間t7間)。
【0112】
次に、図11に示すようにベルトガイド24およびシート束カセット20が初期位置に戻ったところでベルトガイド24、ガイドローラ23、シート束カセット20の移動を停止する(図13(b)の時間t7、位置B0、S0)。
【0113】
シートPは、ベルトガイド24に沿って転写搬送ベルト6に吸着されて搬送される。シートの先端部Psは、補助ローラ21bに到達した時点で、補助ローラ21bの外径の曲率が充分に大きく、かつ吸着力よりシートの腰の方が強いため、転写搬送ベルト6から離れる。
【0114】
そして、シートの先端部Psは、補助ローラ21cに到達したとき、転写搬送ベルト6に静電吸着力により吸着される。ベルトガイド24の上昇の停止タイミング(図13(b)の時間t7)は、先端部Psが補助ローラ21cに到達する前であることが好ましい。なぜならば、ベルトガイド24が上昇しているときのガイドローラ23より上流側の転写搬送ベルト6の部分の見かけ上の搬送速度(循環速度)はベルトガイド24の上昇速度Vuが加えられている(Vb+Vu)ため、下流側に位置する補助ローラ21c以降の搬送速度Vbと異なるからであり、この速度差により、シートPの先端部Psが補助ローラ21cに到達したとき、シートの先端部Psが転写搬送ベルト6に確実に吸着されないからである。
【0115】
次に、図12に示すように、再び、ベルトガイド24およびガイドローラ23がそれぞれ矢印H、J方向に移動すると、転写搬送ベルト6は、次のシートP1の供給動作に入ることができる。ベルトガイド24の移動開始タイミング(図13(b)の時間t2a)は、図12に示すように、先行シートPの終端部Peが補助ローラ21bから離間した後であることが好ましい。なぜならば、ベルトガイド24が下降速度Vd=Vbで下降しているときのガイドローラ23より上流側の転写搬送ベルト6の部分は見かけ上停止しているからである。すなわち、仮に、先行シートPの終端部Peが補助ローラ21bにいる状態で、次のシートの供給動作に入ると、下流側で正規の搬送速度(図13のVb)で搬送されながら画像を転写されている先行シートPの後端部Peが引っ張られて、先行シートに画像ズレなどの画像不良を生じるおそれがあるからである。
【0116】
図13において、時間t2a乃至時間t7aに示すように、次のシートP1も先行シートPのときと同様のシーケンスを繰り返すことで、転写搬送ベルト6を停止させることなく連続的にシートの供給と画像形成を継続することができる。
【0117】
なお、本実施形態の画像形成装置112は、シート束カセット20を上昇させるようになっているが、ベルトガイド24で転写搬送ベルト6の一部分を下降させるようになっているため、必ずしも上昇させる必要がない。
【0118】
以上説明した、第2実施形態の画像形成装置112は、図6に示すベルトガイド24の移動速度および移動方向を、ベルトガイド24に掛かる直前の転写搬送ベルト6の搬送速度および搬送方向と同じにしたことで、ガイドローラ23より下流の搬送を続行したままで、ベルトガイド24からガイドローラ23の間の転写搬送ベルト6の部分を見かけ上停止させている点に特徴がある。すなわち、本実施形態の画像形成装置112は、シート束カセット20を第2従来例の画像形成装置102のシート束カセット20と異なってシート搬送方向とその逆方向に移動させる左右方向に移動させる必要がない構成になっている。
【0119】
したがって、本実施形態の画像形成装置112は、体積、重量の大きいシート束カセットを水平方向に移動させるのに必要な空間、及びシート束カセットを水平方向に移動させるのに必要な大きな駆動力を出力する移動装置を必要としないため、省スペース化、省エネルギー化、低コスト化を図ることができる。
【0120】
また、本実施形態の画像形成装置112は、従来の画像形成装置102と異なって、シート束カセット20を水平方向に移動させる必要がないので、シート搬送方向にシートの位置がずれて、画像位置がシートに対してずれるようなことがなくなり、シートに画像を正確に形成して、画質のよい画像を形成することができる。
【0121】
(第3実施形態の画像形成装置)
図16、図17に第3実施形態の画像形成装置113を示す。第2実施形態の画像形成装置112と同一部分、同一機能部分については、同一符号を付して、その部分の説明は、省略する。第3実施形態の画像形成装置113は、ベルトガイド324を固定し、ベルトガイド324とともに転写搬送ベルト6を張架してベルト吸着面361を形成する左右方向に移動自在な可動ローラ26を有している。
【0122】
なお、感光ドラム5の周囲には、図示していないが、ランプ、感光ドラム帯電器、露光装置、現像器、転写帯電器、及びクリーナを時計回りの順に配列してある。感光ドラム帯電器、現像器、感光ドラム5等は、画像形成手段の一例である画像形成部18を構成している。
【0123】
可動ローラ26は、横動装置341によって転写搬送ベルト6の内側で矢印R方向とその反対方向とに往復移動するようになっている。すなわち、可動ローラ26は、可動ローラ26に掛かる直前の転写搬送ベルト6の一部分の搬送方向(矢印Q方向)と同じ方向である矢印R方向に、転写搬送ベルト6の搬送速度と同じ移動速度(循環速度)で移動するようになっている。ガイドローラ23は、昇降装置340によって、転写搬送ベルト6の外側で矢印Uとその反対方向とに往復移動(昇降)するようになっている。
【0124】
したがって、可動ローラ26が矢印R方向に、ガイドローラ23が矢印U方向に各々転写搬送ベルト6の移動速度(循環速度)と同じ速度で同じ距離移動すると、転写搬送ベルト6の一部分であるベルト吸着面361の移動を見かけ上停止させた状態にすることができる。
【0125】
なお、可動ローラ26、横動装置341、ガイドローラ23、昇降装置340、ベルトガイド324、押し上げ装置343等は、同期部342を構成しており、同期手段の一例である。押し上げ装置343は、第1移動部の一例である。可動ローラ26と横動装置341とで構成される横移動部328は、第2移動部の一例である。可動ローラ26は、回転体の一例である。ガイドローラ23と昇降装置340とで構成される縦移動部329は、第3移動部の一例である。ガイドローラ23は、回転体の一例である。
【0126】
本実施形態の画像形成装置113は、ベルト吸着面361の高さ位置が一定で変わらないので、シート束カセット20が押し上げ装置343によって昇降させる必要がある。押し上げ装置343は、シート束カセット20の最上位のシートがシートの残量にかかわらず常に吸着面361にわずかに圧力が作用し確実に面接触する位置で上昇を停止するようになっている。最上位のシートは、センサ31によって検知される。センサ31が作動すると、押し上げ装置343は、シート束カセット20の上昇を停止する。シート束カセット20内のシートは、昇降自在な内板32とばね33とによって押し上げられて、最上位のシートは、シート束カセット20に設けた不図示の規制爪に当接させられて、シート束カセット20内で所定の位置に保持されるようになっている。
【0127】
以上説明した、第3実施形態の画像形成装置113は、可動ローラ26が矢印R方向に、ガイドローラ23が矢印U方向に各々転写搬送ベルト6の移動速度(循環速度)と同じ速度で同じ距離移動させて、転写搬送ベルト6の一部分であるベルト吸着面361の移動を見かけ上停止させている点に特徴がある。すなわち、本実施形態の画像形成装置113は、シート束カセット20を第2従来例の画像形成装置102のシート束カセット20と異なってシート搬送方向とその逆方向(左右方向)に移動させる必要がない構成になっている。
【0128】
したがって、本実施形態の画像形成装置113は、体積、重量の大きいシート束カセットを左右方向に移動させるのに必要な空間、及びシート束カセットを左右方向に移動させるのに必要な大きな駆動力を出力する移動装置を必要としないため、省スペース化、省エネルギー化、低コスト化を図ることができる。
【0129】
また、本実施形態の画像形成装置113は、従来の画像形成装置102と異なって、シート束カセット20を左右方向に移動させる必要がないので、シート搬送方向にシートの位置がずれて、画像位置がシートに対してずれるようなことがなくなり、シートに画像を正確に形成して、画質のよい画像を形成することができる。
【0130】
さらに、本実施形態の画像形成装置113は、感光ドラム5への搬送路に対してガイドローラ23の移動方向を斜めにしてある。すなわち、ガイドローラ23は、転写搬送ベルト6の循環領域内に進入するにしたがって、転写搬送ベルト6の循環方向の上流側に移動するようになっている。このため、本実施形態の画像形成装置113は、転写搬送ベルト6が補助ローラ21bに巻き付いている角度が90度以上になり、シート自身の腰の強さによって補助ローラ21b部でシートを一旦分離させるとき、シートと転写搬送ベルト6との分離が速やかに行われ、より坪量の小さい厚みの薄いシートでも確実に分離することができて、シートがガイドローラ23に巻き込まれることがない。
【0131】
また、本実施形態の画像形成装置113は、補助ローラ21aと可動ローラ26を図17に示すように下方に位置を変えても,同様な動作をするようになっているので、補助ローラ21aと可動ローラ26を、駆動ローラ11とベルト吸着面361との間で、かつベルトガイド324の上流側の領域であれば任意の場所に設置できるため、設計の自由度が増す。特に、可動ローラ26の横動装置341の設計に自由度が増す。さらに、補助ローラ21aと可動ローラ26を図17に示すように下方に位置を変えると、シートに接触するベルト吸着面361の接触する面積が広くなって、転写搬送ベルト6でシートを確実に吸着することができる。
【0132】
以下、本発明の実施態様例を列挙する。
【0133】
[実施態様1]シートが積載されるシート積載手段と、前記シートを吸着して搬送する循環可能な無端ベルトと、前記無端ベルトを循環させる駆動手段と、前記無端ベルトによって搬送されるシートに画像を形成する画像形成手段と、前記無端ベルトが駆動手段から循環駆動力を受けている状態で、前記シート積載手段の前記シートと前記無端ベルトの一部分との間に速度差が無い状態で前記シートと前記無端ベルトの前記一部分とを接触させる同期手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0134】
実施態様1の画像形成装置は、無端ベルトが駆動手段から循環駆動力を受けている状態で、同期手段によって、シート積載手段のシートと無端ベルトの一部分との間に速度差が無い状態でシートと無端ベルトの一部分とを接触させて、無端ベルトでシートを吸着して搬送するようになっているので、シートを無端ベルトに確実に吸着させることができ、かつ先行シートを停止させる必要がなく、先行シートに形成される画像の乱れを防止することができる。
【0135】
また、実施態様1の画像形成装置は、無端ベルトが駆動手段から循環駆動力を受けて、連続的にシートを供給して、画像形成することができるようになっているため、生産性(画像形成効率)を向上させることができる。
【0136】
[実施態様2]前記同期手段は、前記シート積載手段を前記無端ベルトに接近離間させ、かつ前記無端ベルトの循環方向に移動させることを特徴とする実施態様1に記載の画像形成装置。
【0137】
実施態様2の画像形成装置は、無端ベルトが駆動手段から循環駆動力を受けている状態で、シート積載手段を無端ベルトに接近離間させ、かつ無端ベルトの循環方向に移動させることによって、シート積載手段のシートと無端ベルトの一部分との間に速度差が無い状態でシートと無端ベルトの一部分とを接触させて、無端ベルトでシートを吸着して搬送するようになっているので、シートを無端ベルトに確実に吸着させることができ、かつ先行シートを停止させる必要がなく、先行シートに形成される画像の乱れを防止することができる。
【0138】
[実施態様3]前記同期手段は、前記シート積載手段を前記無端ベルトに接近させて前記無端ベルトに前記シートが吸着される前に、前記シート積載手段を前記無端ベルトの循環方向に前記無端ベルトの循環速度と同じ速度で移動させる昇降移動装置であることを特徴とする実施態様2に記載の画像形成装置。
【0139】
実施態様3の画像形成装置は、実施態様2の画像形成装置において、シート積載手段を無端ベルトの循環方向に前記無端ベルトの循環速度と同じ速度で移動させるようになっているので、シートを無端ベルトに確実に吸着させることができる。
【0140】
[実施態様4]前記同期手段は、前記無端ベルトの前記一部分を前記シート積載手段上のシートに接近させて前記シートを吸着できる位置まで移動させる第1移動部と、前記第1移動部と前記画像形成手段との間における前記無端ベルトの長さを、前記第1移動部が前記無端ベルトの前記一部分を前記シート積載手段に接近させたとき短くし、前記第1移動部が前記無端ベルトの前記一部分を前記シート積載手段から離間させたとき長くする第2移動部と、を有し、前記第1移動部が前記無端ベルトの前記一部分を前記シートに接近させているとき、前記無端ベルトの前記一部分は、前記シートに対して循環を停止している状態になっていることを特徴とする実施態様1に記載の画像形成装置。
【0141】
実施態様4の画像形成装置は、第1移動部が無端ベルトの一部分をシートに接近させているとき、無端ベルトの一部分がシートに対して循環を停止している状態になっているので、シートを無端ベルトに確実に吸着させることができる。
【0142】
[実施態様5]第1移動部は、前記無端ベルトの前記一部分を前記無端ベルトの内側から押圧移動して前記シート積載手段に接近させる移動体を有し、前記第2移動部は、前記無端ベルトを押圧移動して前記無端ベルトの長さを変える回転体を有し、前記移動体と前記回転体との移動速度は、前記無端ベルトの循環速度と同じに設定されていることを特徴とする実施態様4に記載の画像形成装置。
【0143】
実施態様5の画像形成装置は、移動体と回転体との移動速度を、無端ベルトの循環速度と同じに設定してあるので、無端ベルトの一部分を見かけ上確実に停止させることができて、シートを無端ベルトに確実に吸着させることができる。
【0144】
[実施態様6]前記回転体は、前記無端ベルトを外側から押圧することを特徴とする実施態様5に記載の画像形成装置。
【0145】
実施態様6の画像形成装置は、回転体が無端ベルトを外側から押圧するので無端ベルトの循環領域を広げることなく、無端ベルトにシートを吸着させることができる。
【0146】
[実施態様7]前記第1移動部と、前記第2移動部は、先行シートが、前記第2移動部を通過した後、作動することを特徴とする実施態様4乃至6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0147】
実施態様7の画像形成装置は、先行シートが、第2移動部を通過した後、第2移動部が作動するようになっているので、第2移動部の上流側と下流側との無端ベルトの部分的な搬送速度差の影響をシートに与えることなく、円滑に搬送することができる。
【0148】
[実施態様8]前記同期手段は、前記シート積載手段を前記無端ベルトの前記一部分に接近させて前記無端ベルトが前記シートを吸着可能な位置に移動させる第1移動部と、前記駆動手段と前記無端ベルトの前記一部分との間における無端ベルトの長さを、前記第1移動部が前記シート積載手段を前記無端ベルトに接近させたとき長くし、前記第1移動部が前記シート積載手段を前記無端ベルトから離間させたとき短くする第2移動部と、前記無端ベルトの前記一部分と前記画像形成手段との間における無端ベルトの長さを、前記第2移動部によって前記駆動手段と前記無端ベルトの前記一部分との間における無端ベルトの長さが長くなったとき長くなった分だけ短くし、短くなったとき短くなった分だけ長くする第3移動部と、を有し、前記第1移動部が前記シートを前記無端に吸着可能な位置に移動させたとき、前記無端ベルトの前記一部分は、前記シートに対して循環を停止している状態になっていることを特徴とする実施態様1に記載の画像形成装置。
【0149】
実施態様8の画像形成装置は、第1移動部がシートを無端に吸着可能な位置に移動させたとき、無端ベルトの一部分は、シートに対して循環を停止している状態になっているので、シートを無端ベルトに確実に吸着させることができる。
【0150】
[実施態様9]前記第2移動部は、前記無端ベルトを押圧移動して前記無端ベルトの長さを変える回転体を有し、前記第3移動部は、前記無端ベルトを押圧移動して前記無端ベルトの長さを変える回転体を有し、前記第2移動部の回転体と前記第3移動部の回転体との移動速度は、前記無端ベルトの循環速度と同じに設定されていることを特徴とする実施態様8に記載の画像形成装置。
【0151】
実施態様9の画像形成装置は、第2移動部の回転体と第3移動部の回転体との移動速度を、無端ベルトの循環速度と同じに設定してあるので、無端ベルトの一部分を見かけ上確実に停止させることができて、シートを無端ベルトに確実に吸着させることができる。
【0152】
[実施態様10] 前記第2移動部の回転体と前記第3移動部の回転体との少なくとも一方の回転体は、前記無端ベルトの外側から押圧することを特徴とする実施態様9に記載の画像形成装置。
【0153】
実施態様10の画像形成装置は、回転体が無端ベルトを外側から押圧するので無端ベルトの循環領域を広げることなく、無端ベルトにシートを吸着させることができる。
【0154】
[実施態様11]前記第3移動部の回転体は、前記無端ベルトの循環領域内に進入するにしたがって、前記無端ベルトの循環方向の上流側に移動することを特徴とする実施態様10に記載の画像形成装置。
【0155】
実施態様11の画像形成装置は、第3移動部の回転体が、無端ベルトの循環領域内に進入するにしたがって、無端ベルトの循環方向の上流側に移動するようになっているので、シートが、第3移動部の上流側から下流側に移動するとき、シートを第3移動部から確実に分離させることができる。
【0156】
[実施態様12]前記第1移動部と、前記第2移動部と、前記第3移動部は、先行シートが、前記第3移動部の回転体を通過した後、作動することを特徴とする実施態様9乃至11のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0157】
実施態様12の画像形成装置は、先行シートが、第3移動部を通過した後、第1移動部と第2移動部とが作動するようになっているので、第3移動部の上流側と下流側との無端ベルトの部分的な搬送速度差の影響をシートに与えることなく、円滑に搬送することができる。
【0158】
[実施態様13]前記無端ベルトの一部分は、固定のベルトガイドに案内されることを特徴とする実施態様8乃至12に記載の画像形成装置。
【0159】
[実施態様14]前記シート積載手段に対向する前記無端ベルトの一部分は、前記シート積載手段上のシートと平行な平坦面になっていることを特徴とする実施態様1乃至13のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0160】
実施形態14の画像形成装置は、無端ベルトの一部分は、シート積載手段上のシートと平行な平坦面になっているので、無端ベルトにシートを確実に吸着することができる。
【0161】
[実施態様15]前記無端ベルトに電圧を印加して静電気を帯びさせる帯電手段を備えたことを特徴とする実施態様1乃至13のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0162】
実施態様15の画像形成装置は、帯電手段によって無端ベルトに静電気を帯電させてシートを吸着するようになっているので、無端ベルトを樹脂製にすることができて、軽量化を図ることができる。
【0163】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置は、無端ベルトが駆動手段から循環駆動力を受けている状態で、同期手段によって、シート積載手段のシートと無端ベルトの一部分との間に速度差が無い状態でシートと無端ベルトの一部分とを接触させて、無端ベルトでシートを吸着して搬送するようになっているので、シートを無端ベルトに確実に吸着させることができ、かつ先行シートを停止させる必要がなく、先行シートに形成される画像の乱れを防止することができる。
【0164】
特に、従来発生していた無端ベルトにシートの受け渡し時の速度差によって生じる画像ずれや、画像擦れなどの画像形成上の不具合が発生することなく、シートへのダメージを少なくして、生産性(画像形成効率)を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の画像形成装置をシート搬送方向に沿ってカットした断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置において、シート束カセットを上昇させた状態を示す図である。
【図3】図2に示す画像形成装置において、シート束カセットをシート搬送方向に移動させた状態を示した図である。
【図4】図3に示す画像形成装置において、シート束カセットを下降させた状態を示した図である。
【図5】図4に示す画像形成装置において、シート束カセットを初期位置に戻した図である。
【図6】本発明に係る第2実施形態の画像形成装置をシート搬送方向に沿ってカットした断面図である。
【図7】図6に示す画像形成装置において、ベルトガイドを下降させた状態の図である。
【図8】図7に示す画像形成装置において、ベルトガイドとシート束カセットを下降させた状態の図である。
【図9】図8に示す画像形成装置において、ベルトガイドの下降を停止して、シート束カセットのみ下降して、シート束からベルト吸着面を離間させた状態の図である。
【図10】図9に示す画像形成装置において、ベルトガイドを矢印M方向に、ガイドローラを矢印L方向に移動させると同時に、シート束カセットを矢印N方向に移動させ状態の図である。
【図11】図10に示す画像形成装置において、ベルトガイドおよびシート束カセットが初期位置に戻ったところでベルトガイド、ガイドローラ、シート束カセットの移動を停止させた状態の図である。
【図12】図11に示す画像形成装置において、次のシートを搬送するため、ベルトガイドおよびガイドローラがそれぞれ矢印H、J方向に移動した状態の図である。
【図13】第2実施形態の画像形成装置のシートの供給動作のタイムチャートである。
(a) 時間を横軸にとったときの転写搬送ベルト速度の速度のタイムチャートである。
(b) ベルトガイド及びシート束カセット内の最上位のシートの上下方向の位置を示すタイムチャートである。
(c) ベルト吸着部のベルト速度のタイムチャートである。
【図14】本発明に係る第2実施形態の画像形成装置においてシート供給動作を説明するための図である。
(a) 駆動ローラと転写搬送ベルトとが停止している図である。
(b) 駆動ローラが回転して、転写搬送ベルトが所定の速度で循環し、ベルトガイドを矢印H方向に下降させ、ガイドローラを矢印J方向に移動させた状態の図である。
【図15】本発明に係る第2実施形態の画像形成装置のシート供給動作を説明するための図である。
(a) 図14(b)の状態から、ベルトガイドとガイドローラが移動を停止した状態の図である。
(b) ベルトガイドとガイドローラ23が矢印M、L方向に戻った状態の図である。
【図16】本発明に係る第3実施形態の画像形成装置の概略図である。
【図17】図16において、可動ローラと補助ローラの位置を変更した図である。
【図18】第1従来例の画像形成装置をシート搬送方向に沿ってカットした概略断面図である。
【図19】第2従来例の画像形成装置をシート搬送方向に沿ってカットした概略断面図である。
【図20】シート束カセットを図19に示す状態から上昇させた状態の図である。
【図21】シート束カセットを図20に示す状態から下降させた状態の図である。
【符号の説明】
P シート
Ps シートの先端部
Pe シートの終端部
5 感光ドラム
6 転写搬送ベルト(別名、シート担持体)(無端ベルト)
10 導電性ファーブラシ(帯電手段)
11 駆動ローラ(駆動手段)
18 画像形成部(画像形成手段)
20 シート束カセット(シート積載手段)
21a 補助ローラ
21b 補助ローラ
21c 補助ローラ
23 ガイドローラ(第2移動部の回転体)(第3移動部の回転体)
24 ベルトガイド(第1移動部の移動体)
25 交流バイアス電源(帯電手段)
26 可動ローラ(第2移動部の回転体)
27 昇降移動部(第1移動部)
28 横移動部(第2移動部)
30 昇降移動装置(同期手段)
40 昇降装置
41 横動装置
42 同期部(同期手段)
43 押し上げ装置
61 ベルト吸着面(無端ベルトの一部分)
111 第1実施形態の画像形成装置
111A 第1実施形態の画像形成装置の装置本体
112 第2実施形態の画像形成装置
112A 第2実施形態の画像形成装置の装置本体
113 第3実施形態の画像形成装置
324 ベルトガイド
328 横移動部(第2移動部)
329 縦移動部(第3移動部)
340 昇降装置(第3移動部)
341 横動装置
342 同期部(同期手段)
343 押し上げ装置(第1移動部)
361 ベルト吸着面(無端ベルトの一部分)

Claims (1)

  1. シートが積載されるシート積載手段と、
    前記シートを吸着して搬送する循環可能な無端ベルトと、
    前記無端ベルトを循環させる駆動手段と、
    前記無端ベルトによって搬送されるシートに画像を形成する画像形成手段と、前記無端ベルトが駆動手段から循環駆動力を受けている状態で、前記シート積載手段の前記シートと前記無端ベルトの一部分との間に速度差が無い状態で前記シートと前記無端ベルトの前記一部分とを接触させる同期手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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