JP2004054140A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成部の像担持体である感光ドラムの上流側、及び下流側とのシート受け渡し時のシート搬送速度の差による画像ずれ、画像擦れ等の防止する。
【解決手段】プリンタ100は、シートが積載されるシートカセット120と、シートに画像を形成する画像形成部128と、シートカセット120からシートを吸着して1枚ずつピックアップし、且つ、画像形成部128を通過させるように吸着して搬送する転写搬送ベルト106と、を備えている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置、特に、電子写真方式あるいは静電記録方式などによるフルカラーまたはモノカラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンドレスベルトにシートを吸着して搬送し、画像形成を行う画像形成装置が製品化されている。シートは、画像を形成されるようになっている。シートには、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製の薄いもの、厚紙、ラベル、オーバーヘッドプロジェクタ用の用紙等がある。
【0003】
画像形成装置の一例であるプリンタを図10に基づいて説明する。
【0004】
まず、プリンタを概略説明する。
【0005】
プリンタ30の装置本体31の内部には、トナー像を担持する像担持体である感光ドラム5を備えている。感光ドラム5に隣接してシート担持体6(以下、「転写ベルト」という)を設置してある。感光ドラム5上に形成されたトナー像は、転写ベルト6上に担持されて搬送されるシートPに転写される。トナー像を転写されたシートPは、定着手段である例えば定着器9によって加熱及び加圧されて、トナー像を定着された後、装置本体31の外に排出される。
【0006】
次に、プリンタ30を詳細に説明する。
【0007】
感光ドラム5の外周には、露光ランプ1、感光ドラム帯電器2、露光装置3、現像器4、転写手段である例えば転写帯電器7、及びクリーナ8等を配設してある。装置本体31内の上方には、不図示の光源装置やポリゴンミラー等を配設してある。
【0008】
光源装置から発せられたレーザ光を、回転する不図示のポリゴンミラーに照射して、その反射光を走査光の光束として不図示の反射ミラーによって偏光し、さらにfθレンズにより感光ドラム5の母線上に集光して露光することによって、感光ドラム5上に画像信号に応じた潜像が形成される。現像器4には、不図示のトナー供給装置によってトナーが所定量充填してある。現像器4は感光ドラム5上の潜像を現像してトナー像として可視化する。
【0009】
シートPは、収容されているシートカセット20から、分離給紙ローラ対15によって1枚ずつに分離されて搬送され、レジストローラ対13をへて、転写ベルト6に供給される。そして、シートPは、転写ベルト6による搬送で感光ドラム5と転写帯電器7との間の転写部18に順次送られる。
【0010】
転写ベルト6には、例えば、ポリカーボネート樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート(PET樹脂)、ポリフッ化ビニリデン樹脂シート、ポリウレタン樹脂シート、ポリアミド樹脂シート、ポリイミド樹脂シートなどの誘電体樹脂のシートの両端部を互いに重ね合わせて接合して、エンドレス形状にしたものか、あるいは継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトを用いている。転写ベルト6は、駆動ローラ11によって循環し、一定の循環速度に達すると、レジストローラ対13から送り出されたシートPを転写部18へ向けて搬送する。
【0011】
シートPは、レジストローラ対13から転写ベルト6上に送り出されたとき、直ちに、吸着帯電器14と吸着帯電器対向ローラ12によって転写ベルト6とともに挟持されて、吸着帯電器14によって電界あるいは電荷付与される。このため、シートPは、転写ベルト6に静電的に吸着保持されて搬送される。
【0012】
シートが転写部18へ向けて搬送されると同時に、画像書き出し信号がONになる。これを基準にしてあるタイミングで感光ドラム5に対して露光装置3が露光し、現像器4がトナー像を形成して、画像形成を行う。そして、感光ドラム5の下側の転写部18で転写帯電器7がシートに電界または電荷を付与することによって、感光ドラム5上に形成されているトナー像がシートPに転写される。転写帯電器7は、コロナ放電のような非接触帯電器、または帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレードのような帯電部材を用いた接触帯電器である。
【0013】
次に、トナー像を転写されたシートPは、シート搬送方向下流部で分離帯電器16により除電されて、静電吸着力を減衰され、転写ベルト6の末端から離脱する。離脱したシートPは、定着器9へ搬送される。定着器9は、定着ローラと、加圧ローラと、各ローラ内に設置された加熱ヒータと、加圧ローラの表面温度を検知して定着温度を制御するサーミスタ等で構成されている。シートPは、定着器9によって加熱加圧されてトナー像を定着された後、排紙トレイ17に排出される。
【0014】
一方、転写が終了した感光ドラム5は、クリーナ8により転写残トナーをクリーニング、除去されて、引き続き次の潜像形成に備えられる。また、シートPを分離した後の転写ベルト6は、シート担持側に設置した導電性ファーブラシ10がそれに対向して接地された駆動ローラ11に当接させられることによって、転写ベルト6上に残留したトナー及びその他の異物を清掃されて、蓄積した電荷の除去(除電)が行われる。
【0015】
以上、述べたように、従来のプリンタ30は、シートPを転写ベルト6上に確実に吸着して搬送することによって、画像の書き出し位置がずれるレジずれや、感光ドラム5とシートPの速度がずれて起こる画像伸縮などの画像形成上の不具合(以下、「画像ずれ」という)を防止している。
【0016】
しかし、近年の各種機器における省スペース化の需要の高まりにより、画像形成装置においても設置面積を小さく抑えるため、シートPの搬送方向の長さを短くする必要が生じてきた。このため、プリンタ30においては、レジストローラ対13から転写帯電器7までの距離、及び転写帯電器7から定着器9までの距離は、シートPの長さより短く設定してある。
【0017】
この構成でレジストローラ対13及び定着器9の搬送速度と、転写ベルト6の搬送速度とを等しく設定すると、部品の寸法バラツキ等によりレジストローラ対13の搬送速度よりも転写ベルト6の搬送速度の方が速くなる場合と、転写ベルト6の搬送速度より定着器9の搬送速度が速くなる場合がある。
【0018】
すると、レジストローラ対13と転写帯電器7との間にあるときのシートPは、レジストローラ対13に引っ張られて転写ベルト6上で滑ることがある。同様に、転写帯電器7と定着器9との間にあるときのシートPは、定着器9に引っ張られて転写ベルト6上で滑ることがある。この結果、画像ずれが生じることがある。
【0019】
そこで、通常、レジストローラ対13のシート搬送速度を転写ベルト6のシート搬送速度より僅かに速めて、シートPが引っ張られないようにしている。同様に、転写ベルト6のシート搬送速度を定着器9のシート搬送速度より僅かに速めて、シートPが引っ張られないようにしている。ここで生じる速度差は、シートPがレジストローラ対13と吸着帯電器14との間でループを形成して吸収されるようになっている。同様に、シートPが転写ベルト6と定着器9の間でループを形成して吸収されるようになっている。
【0020】
このように、各部におけるシート搬送速度を変えることによって、転写ベルト6上のシートPは、確実に転写ベルト6に吸着された状態で転写部18に搬送される。そして、画像ずれの無い良好な画像がシートに形成される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のプリンタは、以下のような問題があった。
【0022】
坪量が150gf/mを超えるようなコシの強いシートをレジストローラ対13から転写ベルト6へ搬送するとき、シートの腰の強さによるシート搬送方向の押し力が、吸着帯電器14によるシートPを転写ベルト6に保持する吸着力を上回ることがある。すると、シートPは、ループを形成されず速度差を吸収できなくなるおそれがある。
【0023】
このような状態になると、シートPは、レジストローラ対13に挟持された状態で感光ドラム5と転写帯電器7との間を通過しているとき、このシート搬送方向の押し力によって、転写ベルト6上でシート搬送方向下流側に滑って、画像ずれを生じさせることがある。
【0024】
また、このようなコシの強いシートを転写ベルト6から定着器9に搬送するとき、シートのコシによりベルト搬送方向と反対方向の押し力(反力)がシートPに作用することがある。この場合においても、この反対方向の力が、シートPを転写ベルト6に保持する吸着力を上回ることがある。すると、シートPは、ループを形成することなく、速度差を吸収できなくなるおそれがある。
【0025】
このような状態になると、シートPは、定着器9に挟持された状態で転写帯電器7を通過しているとき、シート搬送方向と反対方向の押し力によって、シートPが転写ベルト6上でシート搬送方向上流側に滑って、画像ずれを生じさせることがある。
【0026】
また、シートPは、転写帯電器7を通過した後でも、転写ベルト6上で滑ると、シートの搬送方向下流側端部が転写ベルト6上から急に離れてクリーナ8の下面や分離帯電器16の下部に接触して、シート上に形成された未定着のトナー像を擦って乱す画像不具合(以降、「画像擦れ」という)を生じさせることがあった。
【0027】
そこで、この問題に対処するには結局、レジストローラ対13のシート搬送速度、転写ベルトのシート搬送速度、及び定着器のシート搬送速度を同じにすることが考えられる。そして、それぞれの部品寸法にバラツキ等を見越して上記3者の搬送速度を一致させるためには、それぞれに独立した駆動系を備えて、それらの駆動源の回転数設定が調整可能になっていることが必要である。
【0028】
しかし、初期の搬送速度を駆動源の調整で一致させたとしても、プリンタ30を長期間使用している間に、部品の摩耗などでシート搬送速度に相対差が生じることも考えられる。そこで、レジストローラ対13と転写ベルト6との間に、転写ベルト6と定着器9との間に生じる速度差により発生するシートPのループ量を検知して、その検知信号によって各駆動源の回転数を制御する方法が考えられる。
【0029】
しかし、これらの解決策は、駆動系をレジストローラ対13、転写ベルト6、定着器9をそれぞれ独立に設けること、それらの駆動源の回転数を制御可能にしなければならないこと、ループ検知手段が必要なことからして、装置の複雑化、大型化、コストアップ等の別の問題が生じることになる。
【0030】
一方、このプリンタ30においては、シートPをシートカセット20から1枚ずつ分離して搬送する回転体である分離給紙ローラ対15による摩擦力を利用している。しかし、この方法は、ローラ部にゴム部材を用いるので長期間の使用により摩耗や経時的な材質劣化が生じるため、分離給紙ローラ対15の寿命が短いという問題がある。また、シートを分離するため、分離給紙ローラ対15に大きな圧力を加えているので、シートを痛めるという問題もある。
【0031】
本発明は、画像形成部の像担持体である感光ドラムの上流側、及び下流側とのシート受け渡し時のシート搬送速度の差による画像ずれ、画像擦れ等の防止、シートを分離して搬送する回転体から受けるシートの損傷防止、及びシートを吸着ピックアップして搬送するときに受けるシートの損傷防止等を行えるとともに、吸着ピックアップ部の耐久性を向上させた画像形成装置を提供することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、シートが積載されるシート積載手段と、前記シートに画像を形成する画像形成手段と、前記シート積載手段からシートを吸着して1枚ずつピックアップし、且つ、前記画像形成手段を通過させるように吸着して搬送するためのシート吸着搬送手段と、を備えている。
【0033】
本発明の画像形成装置は、さらに、前記シート吸着搬送手段が誘電体から成り、前記誘電体にシートを静電吸着させるために前記誘電体に電圧を印加するための帯電手段を有している。
【0034】
本発明の画像形成装置においては、前記シート吸着搬送手段が誘電体からなる無端ベルトから構成されている。
【0035】
本発明の画像形成装置における、画像形成手段は、トナー像を担持する少なくとも1つの像担持体と、前記像担持体のトナー像を前記シート吸着搬送手段により搬送されるシートに転写する転写手段と、シートに転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有している。
【0036】
本発明の画像形成装置における、前記シート吸着搬送手段が前記シート積載手段に積載されているシートをピックアップするために、前記シート積載手段と前記シート吸着搬送手段との少なくとも一方が他方に対して接近離間可能になっている。
【0037】
本発明の画像形成装置における、前記シート吸着搬送手段は、前記シート積載手段からシートをピックアップするときに、前記像担持体から離間している。
【0038】
本発明の画像形成装置における、前記シート吸着搬送手段は、前記像担持体に当接し、且つ前記シート積載手段に積載されているシートに当接しない転写位置と、前記像担持体に当接せず、且つ前記シート積載手段に積載されているシートに当接する給紙位置と、前記像担持体及び前記シート積載手段に積載されているシートのいずれにも当接しない待機位置の3つの位置に移動可能に設けられている。
【0039】
本発明の画像形成装置における、前記帯電手段は、前記シート吸着搬送手段に交番電圧を印加して帯電させるものであり、前記帯電手段により前記シート吸着搬送手段に帯電された交番成分の電荷を除去して直流成分の電荷とする補助帯電手段を備えている。
【0040】
本発明の画像形成装置における、前記補助帯電手段は、前記シート吸着搬送手段に帯電された交番成分の電荷と逆極性の交番成分の電荷と直流成分の電荷を前記シート吸着搬送手段に付与することで、前記シート吸着搬送手段に帯電された交番成分の電荷を除去し、直流成分の電荷とするようになっている。
【0041】
本発明の画像形成装置における、前記補助帯電手段は、前記シート吸着搬送手段に帯電された交番電荷を除去する除電手段とシート搬送方向における前記除電手段の下流側に設けられて前記シート吸着搬送手段に直流電圧を印加する直流電圧印加手段とを備え、前記シート積載手段と前記画像形成手段との間に備えられている。
【0042】
本発明の画像形成装置における、前記除電手段は、前記シート吸着搬送手段が前記シートを直線搬送する位置に配設してある。
【0043】
本発明の画像形成装置は、画像が形成される少なくとも1つの像担持体と、前記像担持体上のトナー像をシート上に転写する転写手段と、前記シート上のトナー像を加熱して定着する定着手段と、シートを吸着して前記転写手段と前記定着手段とを通過させるように搬送するシート吸着搬送手段と、を備えている。
【0044】
本発明の画像形成装置における、前記シート吸着搬送手段は誘電体から成り、前記誘電体に電圧を印加して静電的に前記誘電体にシートを吸着するようになっている。
【0045】
本発明の画像形成装置における、前記シート吸着搬送手段は誘電体からなる無端ベルトである。
【0046】
本発明の画像形成装置は、シートが積載されるシート積載手段を備え、前記シート吸着搬送手段は、前記シート積載手段に積載されているシートをピックアップし、ピックアップしたシートを前記転写手段と前記定着手段とを通過させるように搬送するようになっている。
【0047】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置の一例であるプリンタのシート搬送方向に沿った断面図である。
【0048】
画像形成装置は、シートに画像を形成するようになっている。画像形成装置には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機等がある。したがって、本発明は、プリンタに限定されるものではない。
【0049】
シートには、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製の薄いもの、厚紙、はがき、封書、オーバーヘッドプロジェクタ用の用紙等がある。
【0050】
(第1実施形態のプリンタ)
第1実施形態のプリンタを図1乃至図3に基づいて説明する。
【0051】
まず、プリンタを概略説明する。
【0052】
プリンタ100の装置本体131の内部には、トナー像を担持する像担持体である例えば感光ドラム105を備えている。感光ドラム105に隣接してシート吸着搬送手段である例えばシート担持体106(以下、「転写搬送ベルト106」という)を設置してある。感光ドラム105上に形成されたトナー像は、シート積載手段であるシートカセット120から送り出され転写搬送ベルト106上に担持されて搬送されるシートPに転写部118により転写される。トナー像を転写されたシートPは、定着手段である例えば定着部109によって加熱及び加圧されて、トナー像を定着された後、装置本体131の外に排出される。ここで、シートは、単一の転写搬送ベルト106によりシートカセット120からピックアップされ、さらに、転写部118及び定着部109に搬送される。この「単一の転写搬送ベルト106で搬送する」とは、1つの搬送ベルトを用いて、他の搬送ベルトや搬送ローラ等を用いないでシートを搬送するという意味であり、複数の搬送手段の間でシートを受け渡すことなく1つの搬送ベルトで搬送することである。
【0053】
次に、プリンタ100を詳細に説明する。
【0054】
感光ドラム105の外周には、露光ランプ101、感光ドラム帯電器102、露光装置103、現像器104、転写手段である例えば転写帯電器107、及びクリーナ108等を配設してある。装置本体131内の上方には、不図示の光源装置やポリゴンミラー等を配設してある。これらは、画像形成部128を構成している。画像形成部128は、画像形成手段の一例である。
【0055】
光源装置から発せられたレーザ光を、回転する不図示のポリゴンミラーに照射して、その反射光を走査光の光束として不図示の反射ミラーによって偏光し、さらにfθレンズにより感光ドラム105の母線上に集光して露光することによって、感光ドラム105上に画像信号に応じた潜像が形成される。現像器104には、不図示のトナー供給装置によってトナーが所定量充填してある。現像器104は感光ドラム105上の潜像を現像してトナー像として可視化する。
【0056】
シートPは、後述する方法で転写搬送ベルト106の静電吸着力によって転写搬送ベルト106に吸着されて搬送され、感光ドラム105と転写帯電器107とが対向する転写部118に送られる。
【0057】
転写搬送ベルト106は、例えば、ポリカーボネート樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート(PET樹脂)、ポリフッ化ビニリデン樹脂シート、ポリウレタン樹脂シート、ポリアミド樹脂シート、ポリイミド樹脂シートなどの誘電体樹脂のシートの両端部を互いに重ね合わせて接合して、エンドレス形状にしたものか、あるいは継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトを用いている。すなわち、例えば、ポリアミド樹脂などの導電体である。
【0058】
導電体である転写搬送ベルト106によりシートを吸着するため、この転写搬送ベルト106に帯電させるための帯電手段として、転写搬送ベルト106に接触している導電性ファーブラシ110と、交流バイアス電源125とを備えており、この導電性ファーブラシ110に交流バイアス電源125によって振幅±4kVの交番電圧が印加されて、転写搬送ベルト106に交番電界を生じさせる。
【0059】
転写搬送ベルト106は、駆動ローラ111、従動ローラ112、補助ローラ121に張架してある。駆動ローラ111によって転写搬送ベルト106が回転してシートPが所定の位置まで搬送されると、画像書き出し信号がONになり、これを基準にしてあるタイミングで感光ドラム105に対して画像形成を行う。
【0060】
そして、感光ドラム105の下側の転写部118で転写帯電器107が電界または電荷を付与することにより、感光ドラム105上に形成されたトナー像がシートPに転写される。
【0061】
転写帯電器107は、コロナ放電のような非接触帯電器、または帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレードのような帯電部材を用いた接触帯電器を用いることができるが、本実施形態の転写帯電器107は、帯電ローラを用いた転写帯電器である。
【0062】
次に、トナー像を転写されたシートPは、転写搬送ベルト106に静電吸着された状態のまま定着部109に送られる。定着部109は駆動ローラ111と、転写搬送ベルト106を間にして対向する加圧ローラ122、そして駆動ローラ111、加圧ローラ122に内蔵される加圧ヒータ、加圧ローラの表面温度を検知して定着温度を制御するサーミスタ等で構成されている。
【0063】
トナー像を形成されたシートPは、定着手段であり帯電除去手段である例えば定着部109に加熱加圧されてトナー像を定着される。同時に、導電性を有し接地してある加圧ローラ122及び駆動ローラ111によってシートPは、除電されて、静電吸着力を減衰され、転写搬送ベルト106の末端から離脱して、排出トレイ117に排出される。
【0064】
転写が終了した感光ドラム105は、クリーナ108によって転写残トナーをクリーニング、除去されて、引き続き次の潜像形成に備えられる。
【0065】
また、シートPを分離された後の転写搬送ベルト106はシート担持側に設置された導電性ファーブラシ110とそれに対向して接地された駆動ローラ111とに挟まれて転写搬送ベルト106上に残留したトナー及びその他の異物を清掃されるとともに、蓄積された電荷の除去(除電)を行われる。
【0066】
次に、シートカセット120からのシート供給動作を図1、図2に基づいて説明する。
【0067】
シート積載手段である例えばシートカセット120は、不図示のカセット昇降装置により上下方向移動自在に配設されている。カセット昇降装置は、例えば、モータ、プランジャ等の駆動手段で、シートカセット120に連結してある不図示のワイヤを巻き上げ、巻き戻しをすることによってシートカセット120を昇降させるようになっている。
【0068】
前述した通り、導電性ファーブラシ110は、交流バイアス電源125によって振幅±4kVの交番電圧を印加されて、駆動ローラ111によって循環する転写搬送ベルト106の所定の範囲内に交番電界を生じさせるようになっている。
【0069】
シートカセット120は、このとき、最上位のシートPを、転写搬送ベルト106の従動ローラ112と補助ローラ121とで形成されるベルト吸着面161から下方に、離間させた状態にある。
【0070】
駆動ローラ111は駆動して、転写搬送ベルト106を循環させ、転写搬送ベルト106の上記交番電界が生じている範囲がベルト吸着面161を包括した時点で、停止して、転写搬送ベルト106の循環を停止させる。
【0071】
同時に、図2に示すようにシートカセット120が、不図示のカセット昇降装置によって矢印a方向に上昇し、最上位のシートPと、ベルト吸着面161とが接触する。このように転写搬送ベルト106を停止させるのは、シートPとベルト吸着面161との間に速度差による滑りが生じると、シートPに正常な電界が形成されないで適正な吸着力が発生しないからである。
【0072】
カセット昇降装置は、シートカセット120の最上位のシートを、シートの残り枚数にかかわらず常にベルト吸着面161に僅かな押圧力で押圧し、かつ確実に面接触できる位置でシートカセット120の上昇を停止するようになっている。また、転写搬送ベルト106は、ベルト吸着面161の前面がシートに接触できるように、シートに対して平行になる所定の高さ位置に保持されている。このため、カセット昇降装置は、最上位のシートを、常時、この所定の高さ位置に上昇させてベルト吸着面161に押圧接触させる必要があり、シートカセット120のシートの積載枚数が減るにしたがってシートカセット120を上昇させるようになっている。
【0073】
これによって、シートPとベルト吸着面161とが、確実に面接触することができて、両者の間に大きな吸着力が生じて、シートは、転写搬送ベルト106によって確実に吸着される。
【0074】
次に、図3に示すようにシートカセット120は、不図示のカセット昇降装置によって矢印b方向に下降させられてベルト吸着面161からシート束を離間させる。すると、最上位のシートPのみがベルト吸着面161に吸着された状態になって確実に搬送される。
【0075】
ベルト吸着面161の交番電界によって生じる吸着力は、ベルト吸着面161に接している1枚目のシートにはほぼ減衰しないで作用する。しかし、吸着力は、2枚目以降のシートには急激に減衰して作用する。このため、2枚目以降のシートは、1枚目のシートから分離しやすく、1枚目のシートに重なって、転写搬送ベルト106に吸着して搬送されるようなことがない。したがって、再び、駆動ローラ111を駆動させると最上位のシートPが転写搬送ベルト106に吸着させた状態で画像形成部128に搬送して画像を形成される。
【0076】
第1実施形態のプリンタは、次の利点を生じるようになっている。
【0077】
本実施形態のプリンタは、シートPの静電吸着ピックアップからトナー像の転写、定着まで単一の転写搬送ベルトにシートを吸着させた状態で行うため、従来のプリンタと異なって、レジストローラ対、転写帯電器、定着器の各間でのシートの受け渡しをしないで済む。したがって、本実施形態のプリンタは、受け渡し時の速度差によって生じる画像ずれや、画像擦れなどの画像形成上の不具合の発生を防止することができる。
【0078】
本実施形態のプリンタは、この不具合を防止するための、複数の駆動源による速度調整や速度制御を行う必要がなく、かつ速度差検知機構が不用になるため、プリンタの構造を簡単にすることができる。したがって、プリンタは、小型になり、コストが下がる。
【0079】
本実施形態のプリンタは、転写搬送ベルトと最上位シートとが接触する所定の高さ位置に、シートカセットのシートの積載枚数が減るにしたがってシートカセットが上昇するようになっているので、転写搬送ベルトに確実な吸着ピックアップ動作をさせることができる。
【0080】
本実施形態のプリンタは、シートの吸着ピックアップに静電吸着方式を用いるため、シートを1枚だけ吸着して搬送するとき、従来のプリンタと異なって、シートを分離して搬送する回転体が不要になり、回転体によってシートに損傷を与えるようなことがない。
【0081】
本実施形態のプリンタは、シートの吸着ピックアップに静電吸着方式を用いるため、シートを1枚だけ吸着して搬送するとき、従来のプリンタと異なって、シートを分離して搬送する回転体が不要になり、回転体の劣化によるシートのピックアップ不良がないため耐用年数が延びる。
【0082】
(第2実施形態のプリンタ)
第2実施形態のプリンタを図4乃至図6に基づいて説明する。
【0083】
本実施形態のプリンタ200において、第1実施形態のプリンタ100と同一部分については、同一符号を付してその部分の説明は、省略する。
【0084】
本実施形態のプリンリンタ200は、第1実施形態のプリンタ100とは、シートカセット220からのシートPの給紙動作が異なる。すなわち、本実施形態のプリンタ200は、主に、吸着搬送手段である例えば転写搬送ベルト206が、シート積載手段である例えばシートカセット220に接近離間揺動して、シートPを静電吸着ピックアップするようになっている。このため、転写搬送ベルト206は、不図示のベルト揺動装置により駆動ローラ211を中心に揺動自在になっている。一方、シートカセット220も、不図示のカセット昇降装置により多少上下方向に移動自在(昇降自在)に配設されている。ベルト揺動装置とカセット昇降装置は、第1実施形態のプリンタにおけるベルト揺動装置とカセット昇降装置と同一であるので、構成の説明は省略する。
【0085】
ベルト揺動装置は、ステッピングモータのパルス数によって、転写搬送ベルト206を以下の3つの位置に静止できるようになっている。
【0086】
(1)図4に示すように転写手段である例えば転写帯電器207が転写搬送ベルト206を介して感光ドラム105に接している位置(以下、「転写位置」という)。
【0087】
(2)図5に示すように転写搬送ベルト206のベルト吸着面261がシートカセット220の最上位のシートPに接している位置(以下、「給紙位置」という)。
【0088】
(3)図6に示すように転写搬送ベルト206が感光ドラム105および最上位シートPのいずれにも接していない位置(以下、「待機位置」という)。
【0089】
転写搬送ベルト206が図6に示すように「待機位置」にいる状態で、導電性ファーブラシ110は、交流バイアス電源125により振幅±4kVの交番電圧を印加されて、駆動ローラ211によって循環する転写搬送ベルト206の所定の範囲内に交番電界が生じさせるようになっている。駆動ローラ211は駆動して、転写搬送ベルト206を循環させ、転写搬送ベルト206の上記交番電界が生じている範囲がベルト吸着面261を包括した時点で、停止して、転写搬送ベルト206の循環を停止させる。
【0090】
同時に不図示のベルト揺動装置は、転写搬送ベルト206を、図5に示す矢印a方向に、「給紙位置」まで揺動させて、ベルト吸着面261を最上位のシートPに接触させる。同時に、転写搬送ベルト206は、固定的に設けてある感光ドラム105から離間する。
【0091】
カセット昇降装置は、転写搬送ベルト206が「給紙位置」にあるとき、シートカセット220の最上位のシートを、シートの残り枚数にかかわらず常にベルト吸着面261に僅かな押圧力で押圧し、かつ確実に面接触できる位置で、シートカセット220の上昇を停止するようになっている。また、転写搬送ベルト206は、ベルト吸着面261の全面がシートに接触できるように、シートに対して平行になる所定の高さ位置に揺動停止するようになっている。このため、カセット昇降装置は、最上位のシートを、常時、この所定の高さ位置に上昇させてベルト吸着面261に押圧接触させる必要があり、シートカセット220のシートの積載枚数が減るにしたがってシートカセット220を上昇させるようになっている。
【0092】
次に、ベルト揺動装置によって、転写搬送ベルト206を、図6に示す矢印b方向に揺動してベルト吸着面261をシート束から離間させると、最上位にあったシートPのみがベルト吸着面261に吸着されて持ち上げられる。
【0093】
再び、駆動ローラ211を駆動させシートPが転写搬送ベルト206に吸着された状態で画像形成手段である例えば画像形成部228に搬送する。本実施形態の画像形成部228と第1実施形態の画像形成部128とは、第1実施形態の転写帯電器107が移動しないようになっているのに対して、本実施形態の転写帯電器207が転写搬送ベルト206とともに揺動移動するようになっている点において構成が異なっている。
【0094】
ベルト揺動装置によって、転写搬送ベルト206は、図4に示す「転写位置」まで揺動を続ける。その後、シートPは、転写部218を通過して画像を形成される。シートに画像が形成されると、再び、ベルト揺動装置は、転写搬送ベルト206を図5に示す矢印a方向に揺動させて、図6に示す「待機位置」に揺動させる。そして、駆動ローラ211は駆動を停止する。転写搬送ベルト206も停止する。
【0095】
ところで、感光ドラム105と転写搬送ベルト206は、定常回転時、同一の回転速度になるよう設定されているが、駆動の起動時、停止時はタイミングのずれなどから速度差を生じやすい。接触している感光ドラム105と転写搬送ベルト206との間に速度差が生じると、感光ドラム105の表面上が転写搬送ベルト206によって摺擦されて傷が発生し、画像形成不良の原因となる。
【0096】
そこで、本実施形態のプリンタ200は、感光ドラム105の回転と、転写搬送ベルト206の駆動ローラ211の回転との起動時と停止時に、感光ドラム105から転写搬送ベルト206を離間させるようになっている。
【0097】
したがって、本実施形態のプリンタ200は、感光ドラム105に摺擦傷が発生することがなく、シートに良好な画像を形成することができる。
【0098】
また、感光ドラム105の寿命は、その回転数に比例して短くなる。したがって、感光ドラム105は、不必要に回転させないのが好ましい。一方、プリンタ200は、シートカセット220から最上位のシートPを給紙するとき、前述の様に、転写搬送ベルト206の所定の範囲に交番電界を生じさせ、その交番電界を生じさせた部分を、シートをベルト吸着する位置まで移動させるため、転写搬送ベルト206を循環させる必要がある。
【0099】
仮に、感光ドラム105と転写搬送ベルト206とが接触していると、感光ドラム105と転写搬送ベルト206の摺擦を避けるため、感光ドラム105を転写搬送ベルト206に追従させて回転させなければならない。しかし、このときの感光ドラム105の回転は、シートに画像を形成する回転でないので、不要な回転である。本実施形態のプリンタ200によれば、感光ドラム105から転写搬送ベルト206を離すことができるため、転写搬送ベルト206のみを単独で回転させることが可能になる。
【0100】
したがって、本実施形態のプリンタ200は、感光ドラム105を停止したままで給紙動作を行うことができ、感光ドラム105の寿命を延ばして、ランニングコストを安くすることができるという利点が生じる。
【0101】
なお、本実施形態のプリンタ200は、第1実施形態のプリンタ100と同様な利点を生じるようになっている。
【0102】
(第3実施形態のプリンタ)
第3実施形態のプリンタ300を図7、図8に基づいて説明する。
【0103】
本実施形態のプリンタ300において、第2実施形態のプリンタ200と同一部分については、同一符号を付してその部分の説明は、省略する。
【0104】
本実施形態のプリンタ300は、第2実施形態のプリンタ200に補助帯電手段である例えば補助帯電部328を設けた構成になっている。
【0105】
導電性ファーブラシ110は、交流バイアス電源125によって振幅±4kVの交番電圧を印加されて、駆動ローラ211によって循環する転写搬送ベルト206の所定の範囲内に交番電界を生じさせるようになっている。このため、転写搬送ベルト206には、図8(a)に示すような交番電界が生じる。
【0106】
図8の横軸は、転写搬送ベルト206の搬送方向における位置を示し、縦軸は電圧を示している。シートPは、転写搬送ベルト206上に静電吸着されて搬送され、転写帯電器207によって感光ドラム105上のトナー像を転写される。このとき、転写搬送ベルト206上に残留している交番電界が、シートに悪影響を及ぼして画像を縞状にするおそれがある。
【0107】
このような現象を予防するため、従動ローラ212に補助バイアスローラ323を対向させてある。補助バイアスローラ323は、転写搬送ベルト206とともに移動できるようになっていてもよいし、固定されていてもよい。
【0108】
補助バイアスローラ323は、転写搬送ベルト206上に形成された図8(a)に示すような交番電界が通過するとき、交流バイアス電源326及び直流バイアス電源327によって、図8(b)に示すような(a)とは逆極性で、かつ所定の直流電圧成分をもった交番電圧を転写搬送ベルト206に印加する。補助バイアスローラ323、交流バイアス電源326、直流バイアス電源327は、補助帯電部328を構成している。
【0109】
この結果、転写搬送ベルト206上の交番電界が図8(c)に示すように交流分が相殺されて、転写搬送ベルト206に所定の直流電圧のみ印加された状態となる。
【0110】
したがって、転写搬送ベルト206は、シートPに対する吸着力を維持した状態でシートを確実に搬送することができ、プリンタ300は、転写搬送ベルト206上の電界が一定なので、トナー像の転写時に、画像に縞状の模様を形成することなく、シートに高品質の画像を形成することができるという利点が生じる。
【0111】
本実施形態のプリンタ300も、第1実施形態のプリンタ100と同様な利点を生じるようになっている。
【0112】
なお、以上説明した補助帯電部328は、第1実施形態のプリンタ100に設けてもよい。ただし、補助バイアスローラ323は固定されている。
【0113】
(第4実施形態のプリンタ)
第4実施形態のプリンタ400を図9に基づいて説明する。
【0114】
本実施形態のプリンタ400において、第2実施形態のプリンタ200と同一部分については、同一符号を付してその部分の説明は、省略する。
【0115】
本実施形態のプリンタ400は、第2実施形態のプリンタ200に除電手段である例えば除電ローラ424と、直流電圧印加手段である例えば直流バイアス電源427及び補助バイアスローラ423とを設けた構成になっている。
【0116】
導電性ファーブラシ110は、交流バイアス電源125によって振幅±4kVの交番電圧を印加されて、駆動ローラ211によって循環する転写搬送ベルト206の所定の範囲内に交番電界を生じさせるようになっている。このため、転写搬送ベルト206には、図8(a)に示すような交番電界が生じる。
【0117】
シートPを転写搬送ベルト206上に静電吸着させて、シートPを搬送していく経路上の従動ローラ212には、除電ローラ424を接地した状態で対向させてある。転写搬送ベルト206とシートPは、除電ローラ424を通過すると交番電界を除電される。
【0118】
したがって、シートPは、吸着力を喪失するが、除電ローラ424より下流側に、シートPの長さよりも短い間隔に配置された補助バイアスローラ423に直流バイアス電源427による直流電圧を印加することによって吸着力が復帰し、再び転写搬送ベルト206と一体となって転写部218に搬送される。除電ローラ424と補助バイアスローラ423は、転写搬送ベルト206とともに移動できるようになっていてもよいし、固定されていてもよい。
【0119】
したがって、転写搬送ベルト206は、シートPに対する吸着力を維持した状態でシートを確実に搬送することができて、プリンタ400は、転写搬送ベルト206上の電界が一定なので、トナー像の転写時に、画像に縞状の模様を形成することなく、シートに高品質の画像を形成することができるという利点を生じる。
【0120】
また、前述の第3実施形態のプリンタ300は、導電性ファーブラシ110による転写搬送ベルト206上の交番電界に対応した逆極性のバイアスを補助バイアスローラ323によって精度よく重ねた方が転写搬送ベルト206上の交番成分の電荷を除去することができる。しかし、交番電界の周波数が高い場合や、転写搬送ベルト206に循環速度にムラがある場合、交番電界に位置ずれが生じて、充分に交番成分の電荷を除去することができない。
【0121】
これに対して、本実施形態のプリンタ400は、一旦、交番成分の電荷を除去した後に、直流電圧を印加する方法をとるため、交番成分の電荷を効果的に充分に除去することができる。
【0122】
また、図9に示すように、除電ローラ424を、従動ローラ212の曲率のある部分の最下流に配置してあるので、シートPの除電が、転写搬送ベルト206の直線部分で行われる。すなわち、除電ローラ424は、転写搬送ベルト206がシートを直線的に搬送する場所に配設されている。このため、シートは、除電ローラ424によって、除電されても転写搬送ベルト206から剥がれることなく、除電ローラ424によって帯電されるので、転写搬送ベルト206によって確実に搬送される。
【0123】
仮に、除電ローラ424を、従動ローラ212の曲率のある部分に配置すると、除電ローラ424によって、除電されたシートは、補助バイアスローラ423によって帯電されるまでの間に、従動ローラ212の曲率のある部分から剥がれることがある。
【0124】
第4実施形態のプリンタ400も、第1実施形態のプリンタ100と同様の利点を生じるようになっている。
【0125】
なお、以上説明した除電ローラ424、直流バイアス電源427及び補助バイアスローラ423は、第1実施形態のプリンタ100に設けてもよい。ただし、除電ローラ424及び補助バイアスローラ423は固定されている。
【0126】
第1乃至第4実施形態のプリンタは、転写搬送ベルト106,206に、交流バイアス電源125によって振幅±4kVの交番電圧を印加するようになっているが、交番電圧の代わりに、不図示の直流バイアス電源によって2枚目以降のシートを吸着しない程度の直流電圧を印加するようにしてもよい。この場合、補助バイアスローラ323,423、除電ローラ424は不用である。
【0127】
第1乃至第4実施形態のプリンタは、感光ドラムを1つしか備えていないモノクロプリンタであるが、感光ドラムを転写搬送ベルトの直線部分に沿って複数配列した多色カラ−プリンタであっても、本発明を適用することができる。この場合のプリンタにおいても、単一の転写搬送ベルトで、すべての感光ドラムを通過させてシートに画像を形成するようになっている。
【0128】
第1乃至第4実施形態のプリンタでは、単一のシート吸着搬送手段によりシート積載手段からシートをピックアップして、転写部、定着部に搬送する例を示したが、本発明は、これに限定されず、シート吸着搬送手段がシート積載手段からシートをピックアップして転写部を通過するまで搬送する構成でもよく、また、シート吸着搬送手段が転写部と定着部とを通過するだけシートを吸着搬送する構成でもよい。
【0129】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置は、シートの静電吸着ピックアップから画像形成手段までを、単一の吸着搬送手段にシートを吸着させた状態で行うため、従来の画像形成装置で行っていた、レジローラ対、転写手段、定着手段との間のシートの受け渡しを行う必要がなくなり、受け渡し時の速度差によって生じていた画像ずれや、画像擦れなどの画像形成上の不具合を防止することができる。
【0130】
本発明の画像形成装置は、画像ずれや、画像擦れなどの画像形成上の不具合を防止することができるため、複数の駆動源による速度調整や速度制御を行う必要がなく、かつ速度差検知機構が不用になるため、装置の構造を簡単にすることができる。さらに、画像形成装置を小型にすることができて、コストを下げることができる。
【0131】
本発明の画像形成装置は、シートの吸着ピックアップに静電吸着方式を用いているため、シートに損傷を与えることが少なくなる。また、従来のように、シートのピックアップに回転するゴムローラを用いないので,ローラの劣化によるピックアップ不良がないため,耐用年数を延ばして、画像形成装置を長期間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の画像形成装置である例えばプリンタをシート搬送方向に沿って破断した断面図である。
【図2】図1のプリンタにおいて、シートカセットを上昇してシートを転写搬送ベルトに密着させた状態の図である。
【図3】図2の状態から、シートカセットを下降させた状態の図である。
【図4】本発明の第2実施形態の画像形成装置である例えばプリンタをシート搬送方向に沿って破断した断面図である。
【図5】図4のプリンタにおいて、転写搬送ベルトを下方に揺動させてシートに接触させた状態の図である。
【図6】図5の状態から、転写搬送ベルトを上昇させた状態の図である。
【図7】本発明の第3実施形態の画像形成装置である例えばプリンタをシート搬送方向に沿って破断した断面図である。
【図8】図7のプリンタにおいて、転写搬送ベルト上の電界の状態を示す図であり、横軸は、転写搬送ベルトの搬送方向における位置を示し、縦軸は電圧を示している。
(a) 除電する前の転写搬送ベルト上に生じた交番電界を示す図である。
(b) 補助帯電部によって転写搬送ベルトに印加する直流電圧成分をもった交番電界を示す図である。
(c) 補助帯電部によって、交流分が相殺されて、転写搬送ベルトに所定の直流電圧のみ印加された状態を示す図である。
【図9】本発明の第4実施形態の画像形成装置である例えばプリンタをシート搬送方向に沿って破断した断面図である。
【図10】従来の画像形成装置である例えばプリンタをシート搬送方向に沿って破断した断面図である。
【符号の説明】
P   シート
100,200,300,400   プリンタ(画像形成装置)
105   感光ドラム(像担持体)
106,206   シート担持体(別名、転写搬送ベルト)(シート吸着搬送手段)
107,207   転写帯電器(転写手段)
109   定着部(定着手段)
110   導電性ファーブラシ(帯電手段)
111,211   駆動ローラ(帯電除去手段)
112,212   従動ローラ(帯電除去手段)
117   排紙トレイ
118,218   転写部
120,220   シートカセット(シート積載手段)
125   交流バイアス電源(帯電手段)
128,228   画像形成部(画像形成手段)
131   装置本体
161,261   ベルト吸着面
323   補助バイアスローラ
326   交流バイアス電源
327   直流バイアス電源
328   補助帯電部
423   補助バイアスローラ(直流電圧印加手段)
424   除電ローラ(交番電圧除電手段)
427   直流バイアス電源(直流電圧印加手段)

Claims (15)

  1. シートが積載されるシート積載手段と、
    前記シートに画像を形成する画像形成手段と、
    前記シート積載手段からシートを吸着して1枚ずつピックアップし、且つ、前記画像形成手段を通過させるように吸着して搬送するためのシート吸着搬送手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記シート吸着搬送手段が誘電体から成り、前記誘電体にシートを静電吸着させるために前記誘電体に電圧を印加するための帯電手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記シート吸着搬送手段が誘電体からなる無端ベルトから構成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 画像形成手段は、
    トナー像を担持する少なくとも1つの像担持体と、
    前記像担持体のトナー像を前記シート吸着搬送手段により搬送されるシートに転写する転写手段と、
    シートに転写されたトナー像を定着する定着手段と、
    を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記シート吸着搬送手段が前記シート積載手段に積載されているシートをピックアップするために、前記シート積載手段と前記シート吸着搬送手段との少なくとも一方が他方に対して接近離間可能であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記シート吸着搬送手段は、前記シート積載手段からシートをピックアップするときに、前記像担持体から離間していることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記シート吸着搬送手段は、前記像担持体に当接し、且つ前記シート積載手段に積載されているシートに当接しない転写位置と、前記像担持体に当接せず、且つ前記シート積載手段に積載されているシートに当接する給紙位置と、前記像担持体及び前記シート積載手段に積載されているシートのいずれにも当接しない待機位置の3つの位置に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記帯電手段は、前記シート吸着搬送手段に交番電圧を印加して帯電させるものであり、前記帯電手段により前記シート吸着搬送手段に帯電された交番成分の電荷を除去して直流成分の電荷とする補助帯電手段を備えることを特徴とする請求項2,5乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記補助帯電手段は、前記シート吸着搬送手段に帯電された交番成分の電荷と逆極性の交番成分の電荷と直流成分の電荷を前記シート吸着搬送手段に付与することで、前記シート吸着搬送手段に帯電された交番成分の電荷を除去し、直流成分の電荷とすることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記補助帯電手段は、前記シート吸着搬送手段に帯電された交番電荷を除去する除電手段とシート搬送方向における前記除電手段の下流側に設けられて前記シート吸着搬送手段に直流電圧を印加する直流電圧印加手段とを備え、前記シート積載手段と前記画像形成手段との間に備えられていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  11. 前記除電手段は、前記シート吸着搬送手段が前記シートを直線搬送する位置に配設してあることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 画像が形成される少なくとも1つの像担持体と、
    前記像担持体上のトナー像をシート上に転写する転写手段と、
    前記シート上のトナー像を加熱して定着する定着手段と、
    シートを吸着して前記転写手段と前記定着手段とを通過させるように搬送するシート吸着搬送手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記シート吸着搬送手段は誘電体から成り、前記誘電体に電圧を印加して静電的に前記誘電体にシートを吸着することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記シート吸着搬送手段は誘電体からなる無端ベルトであることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. シートが積載されるシート積載手段を備え、前記シート吸着搬送手段は、前記シート積載手段に積載されているシートをピックアップし、ピックアップしたシートを前記転写手段と前記定着手段とを通過させるように搬送することを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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