JP2004232832A - 建設機械のホールディングバルブ - Google Patents

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JP2004232832A JP2003025382A JP2003025382A JP2004232832A JP 2004232832 A JP2004232832 A JP 2004232832A JP 2003025382 A JP2003025382 A JP 2003025382A JP 2003025382 A JP2003025382 A JP 2003025382A JP 2004232832 A JP2004232832 A JP 2004232832A
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Kenichi Sasaki
健一 佐々木
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Abstract

【課題】油圧アクチュエータの動作姿勢を保持するためのホールディングバルブに於いて、パイロット油路にエアが混入した場合であっても、その都度作業者がエア抜きを行うことなく、ホールディングバルブの応答性を維持できるようにする。
【解決手段】アームシリンダ20とコントロールバルブ22との間に介装されて、前記アームシリンダ20の動作姿勢を保持するために設けられたホールディングバルブ23に於いて、ホールディングバルブ23のパイロットポート23B近傍のパイロット油路27bに、タンク29へ連通するエア抜き用油路30を設けて絞り31を介装した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械のホールディングバルブに関するものであり、特に、ホールディングバルブのエア抜きに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧アクチュエータに圧油を給排するコントロールバルブと前記油圧アクチュエータとの間には、油圧アクチュエータの動作姿勢を保持するためにホールディングバルブを介装することがある。例えば、図3は油圧ショベルのアームシリンダに設けられたホールディングバルブの油圧回路を示し、アームシリンダ1はロッド側ポート1aとボトム側ポート1bを有し、該ロッド側ポート1aとコントロールバルブ2との間にホールディングバルブ3が介装されている。
【0003】
該ホールディングバルブ3は、前記アームシリンダ1の伸長動作を許容する動作位置3aと、アームシリンダ1の伸長動作を規制する規制位置3bとを有し、図示した状態ではスプリング4の付勢により該ホールディングバルブ3は規制位置3bにあり、圧油はチェックバルブ5を介してアームシリンダ1のロッド側ポート1aへのみ流動が許容される。
【0004】
この状態で、操作レバー6を図中矢印R方向へ操作すれば、パイロット油路7aにパイロット油が導出されて、コントロールバルブ2の一方のパイロットポート2Aにパイロット圧がかかり、コントロールバルブ2がシリンダ縮み位置(アーム開き位置)2aに切り替わる。
【0005】
従って、油圧ポンプ8から吐出された圧油はコントロールバルブ2のシリンダ縮み位置2aを通過してホールディングバルブ3に導出され、チェックバルブ5を介してアームシリンダ1のロッド側ポート1aへ供給される。このため、アームシリンダ1が収縮動作し、ボトム側ポート1bから排出された圧油が前記コントロールバルブ2のシリンダ縮み位置2aを経てタンク9に戻される。
【0006】
前記操作レバー6を中立位置に戻せばアームシリンダ1の動作が停止する。斯かる状態では、アームシリンダ1の縮み方向の動作に対しては、チェックバルブ5が開いて圧油の流動を許容するが、アームシリンダ1の伸び方向の動作に対しては、チェックバルブ5が閉じるとともに、ホールディングバルブ3が規制位置3bにあるため圧油の流動が規制される。従って、アームが開いた状態即ちアームの先端が本体から離反した位置で保持される。
【0007】
一方、操作レバー6を図中矢印L方向へ操作すれば、パイロット油路7bにパイロット油が導出されて、コントロールバルブの他方のパイロットポート2Bにパイロット圧がかかり、コントロールバルブ2がシリンダ伸び位置(アーム閉じ位置)2bに切り替わる。これと同時に、ホールディングバルブのパイロットポート3Bにパイロット圧がかかり、前記スプリング4の付勢に抗してホールディングバルブ3が規制位置3bから動作位置3aに切り替わる。従って、アームシリンダ1のロッド側ポート1aから排出された圧油が前記コントロールバルブ2のシリンダ伸び位置2bを経てタンク9に戻され、アームの保持姿勢が解除されてアームが本体に接近する方向へ動作する。
【0008】
ここで、前記パイロット油路7b内にエアが混入していると、ホールディングバルブ3を規制位置3bから動作位置3aに切り替える際に、バルブ動作に応答遅れが生じて操作性が悪化する。特に、アームが比較的高い位置でその動作姿勢を保持した場合、パイロット油路7b内に含まれるエアが上方に集まって、ホールディングバルブのパイロットポート3B若しくはパイロットポート3B近傍のパイロット油路7bに多量のエア溜まりが形成されて、バルブ動作の応答精度が著しく低下する虞がある。
【0009】
これを防止するために、従来はホールディングバルブのパイロットポート3B付近でパイロット油路7bの配管を取り外し、アームシリンダ1を動作させて油を漏らしながらエア抜きを行っていた。
【0010】
また、油路のエア抜きに関するものとしては、例えば、油圧タンクに接続される油圧シリンダからの戻りライン(低圧流路)にリリーフ弁を設け、このリリーフ弁と並列にエア抜き開閉弁を介装したエア抜き流路を設けた掘削具用油圧緩衝装置が知られている。該油圧緩衝装置の使用に当たっては、先ず油圧シリンダへの給油開閉弁を開いて作動油を供給し、その後、前記エア抜き開閉弁を開いて油圧シリンダの作用室内のエアを前記エア抜き流路を介して油圧タンクに排出するというものである(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−140606号公報(第2〜4頁、図1)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示した従来のホールディングバルブは、エア抜きを行う際にその都度、パイロット油路の配管を取り外す必要があり、このため、周囲を油で汚損するとともに、アタッチメントを同じ動作姿勢で保持したときには再び多量のエアが溜まるので、再度パイロット油路の配管を取り外してエア抜きを行う必要がある。また、上記特許文献1記載の油圧緩衝装置も、エア抜きを行う都度、エア抜き開閉弁を開閉する必要があり、上記ホールディングバルブと同様の不具合があった。
【0013】
そこで、油圧アクチュエータの動作姿勢を保持するためのホールディングバルブに於いて、パイロット油路にエアが混入した場合であっても、その都度作業者がエア抜きを行うことなく、ホールディングバルブの応答性を維持できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、油圧アクチュエータに圧油を給排するコントロールバルブと前記油圧アクチュエータとの間に介装され、且つ、前記油圧アクチュエータの動作を許容する動作位置と、前記油圧アクチュエータの動作姿勢を保持する規制位置とを有し、パイロット油路のパイロット圧にて前記規制位置から動作位置へ切り替わるように構成したホールディングバルブに於いて、前記ホールディングバルブのパイロットポート若しくはパイロットポート近傍のパイロット油路に、タンクへ連通するエア抜き用の絞り油路を設けた建設機械のホールディングバルブ、
油圧アクチュエータに圧油を給排するコントロールバルブと前記油圧アクチュエータとの間に介装され、且つ、前記油圧アクチュエータの動作を許容する動作位置と、前記油圧アクチュエータの動作姿勢を保持する規制位置とを有し、パイロット油路のパイロット圧にて前記規制位置から動作位置へ切り替わるように構成したホールディングバルブに於いて、前記ホールディングバルブのパイロットポートの上部にタンクへ連通するエア抜き用の絞り油路を設けた建設機械のホールディングバルブを提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1及び図2に従って詳述する。図1は建設機械の一例として油圧ショベル11を示したものであり、下部走行体12に上部旋回体13が旋回自在に載置され、該上部旋回体13の後部にエンジンや油圧ポンプ等の機関部(図示せず)を搭載してハウス14にて被蔽するとともに、該上部旋回体13の前部にキャブ15を設けてある。また、キャブ15の側方に作業用のアタッチメントとしてブーム16の基端部を上下方向へ回動自在に取り付けてある。
【0016】
前記ブーム16の先端にはアーム17が回動自在に枢着され、アーム17の先端にはバケット18が回動自在に枢着されている。各アタッチメントには夫々油圧アクチュエータとしてブームシリンダ19、アームシリンダ20、バケットシリンダ21を装着してあり、ブームシリンダ19の伸縮動作によりブーム19が俯仰し、アームシリンダ20の伸縮動作によりアーム17が回動し、バケットシリンダ21の伸縮動作によりバケット18が開閉する。
【0017】
図2は前記各油圧アクチュエータの一例としてアームシリンダ20に設けられたホールディングバルブの油圧回路を示し、アームシリンダ20とアームシリンダ用のコントロールバルブ22との間には、アームシリンダ20の動作姿勢を保持するためにホールディングバルブ23を介装してある。アームシリンダ20はロッド側ポート20aとボトム側ポート20bとを有し、該ロッド側ポート20aとコントロールバルブ22との間にホールディングバルブ23が介装されている。
【0018】
該ホールディングバルブ23は、前記アームシリンダ20の伸長動作を許容する動作位置23aと、アームシリンダ20の伸長動作を規制する規制位置23bとを有し、図示した状態ではスプリング24の付勢により該ホールディングバルブ23は規制位置23bにあり、圧油はチェックバルブ25を介してアームシリンダ20のロッド側ポート20aへのみ流動が許容される。
【0019】
該ホールディングバルブ23は、前記スプリング24とは反対側にパイロットポート23Bを設けてあり、後述するように、操作レバー26の操作によりパイロット油路27bにパイロット油が導出されて、このパイロットポート23Bにパイロット圧がかかると、前記スプリング24の付勢に抗して該ホールディングバルブ23が規制位置23bから動作位置23aに切り替わる。
【0020】
ここで、前記パイロットポート23B近傍のパイロット油路27bにエア抜き用油路30の一端を接続し、該エア抜き用油路30の他端をタンク29に連通させる。尚、該エア抜き用油路30の途中に絞り31を設けてある。従って、操作レバー26の操作によりパイロット油路27bにパイロット油が導出されたときに、パイロット油の一部がエア抜き用油路30に分岐してタンク29へ戻されるように形成してある。
【0021】
尚、前記エア抜き用油路30をパイロットポート23Bに接続してもよい。この場合は、パイロットポート23Bの上部位置にエア抜き用油路30を接続するのが好ましい。これは、アーム17が比較的高い位置でその動作姿勢を保持した場合、パイロット油路27b内に含まれるエアが上方に集まって、ホールディングバルブのパイロットポート23Bの上部に多量のエア溜まりが形成されるので、パイロットポート23Bの上部にエア抜き用油路30を接続すれば、エア抜きが極めて効果的に行えるからである。
【0022】
これに対して、前述したように、パイロットポート23B近傍のパイロット油路27bにエア抜き用油路30の一端を接続した場合は、ホールディングバルブ23の形状をエア抜き付きの特殊形状にする必要がなく、一般的な市販の配管にて分岐するため、安価なコストにてエア抜き配管を接続することが可能である。
【0023】
図2に示した状態で、操作レバー26を図中矢印R方向へ操作すれば、パイロット油路27aにパイロット油が導出されて、コントロールバルブ22の一方のパイロットポート22Aにパイロット圧がかかり、コントロールバルブ22がシリンダ縮み位置(アーム開き位置)22aに切り替わる。
【0024】
従って、油圧ポンプ28から吐出された圧油はコントロールバルブ22のシリンダ縮み位置22aを通過してホールディングバルブ23に導出され、チェックバルブ25を介してアームシリンダ20のロッド側ポート20aへ供給される。このため、アームシリンダ20が収縮動作し、ボトム側ポート20bから排出された圧油が前記コントロールバルブ22のシリンダ縮み位置22aを経てタンク29に戻される。
【0025】
前記操作レバー26を中立位置に戻せばアームシリンダ20の動作が停止する。斯かる状態では、アームシリンダ20の縮み方向の動作に対しては、チェックバルブ25が開いて圧油の流動を許容するが、アームシリンダ20の伸び方向の動作に対しては、チェックバルブ25が閉じるとともに、ホールディングバルブ23が規制位置23bにあるため圧油の流動が規制される。従って、前記アーム17が開いた状態即ちアーム17の先端が上部旋回体13から離反した位置で保持される。
【0026】
一方、操作レバー26を図中矢印L方向へ操作すれば、パイロット油路27bにパイロット油が導出されて、コントロールバルブの他方のパイロットポート22Bにパイロット圧がかかり、コントロールバルブ22がシリンダ伸び位置(アーム閉じ位置)22bに切り替わる。これと同時に、ホールディングバルブのパイロットポート23Bにパイロット圧がかかり、前記スプリング24の付勢に抗してホールディングバルブ23が規制位置23bから動作位置23aに切り替わる。従って、アームシリンダ20のロッド側ポート20aから排出された圧油が前記コントロールバルブ22のシリンダ伸び位置22bを経てタンク29に戻され、アーム17の保持姿勢が解除されてアーム17が上部旋回体13に接近する方向へ動作する。
【0027】
ここで、前記パイロット油路27b内のパイロット油にエアが混入していると、ホールディングバルブ23を規制位置23bから動作位置23aに切り替える際に、バルブ動作に応答遅れが生じて操作性が悪化するが、本発明では、前記パイロットポート23B近傍のパイロット油路27bに、絞り31付きのエア抜き用油路30の一端を接続してあるので、パイロット油にエアが多量に混入していても、該エア抜き用油路30の絞り31を介してパイロット油の一部がタンク29へ流出するので、前記パイロットポート23Bに多量のパイロット油が導出される。従って、前記パイロットポート23Bのパイロット圧が速やかに所定圧に上昇し、ホールディングバルブ23の切り替え動作に遅れが生じることを防止できる。
【0028】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0029】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明は、ホールディングバルブのパイロットポート若しくはパイロットポート近傍のパイロット油路に、タンクへ連通するエア抜き用の絞り油路を設けたことにより、前記パイロット油路内にエアが混入している場合であっても、この絞り油路から自動的にエア抜きが行われて、ホールディングバルブの切り替え動作に遅れが生じることがない。このため、従来のようにエア抜きを行う際に、その都度、作業者がパイロット油路の配管を取り外す必要がなく、周囲を油で汚損する虞がない。また、アタッチメントを高位置に上げた姿勢で長期間機械を休車した後でも、油圧アクチュエータが速やかに動作してアクチュエータを作動させることが可能である。
【0030】
請求項2記載の発明は、ホールディングバルブのパイロットポートの上部にタンクへ連通するエア抜き用の絞り油路を設けたことにより、請求項1記載の発明と同様の効果を奏するとともに、油圧アクチュエータが比較的高い位置でその動作姿勢を保持した場合、ホールディングバルブのパイロットポートの上部に多量のエア溜まりが形成されたとしても、パイロットポートの上部から極めて効果的にエア抜きを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、油圧ショベルの側面図。
【図2】本発明の一実施の形態を示し、アームシリンダに設けられたホールディングバルブの油圧回路図。
【図3】従来技術を示し、アームシリンダに設けられたホールディングバルブの油圧回路図。
【符号の説明】
11 油圧ショベル
17 アーム
20 アームシリンダ
22 コントロールバルブ
23 ホールディングバルブ
23a 動作位置
23b 規制位置
23A パイロットポート
27b パイロット油路
29 タンク
30 エア抜き用油路
31 絞り

Claims (2)

  1. 油圧アクチュエータに圧油を給排するコントロールバルブと前記油圧アクチュエータとの間に介装され、且つ、前記油圧アクチュエータの動作を許容する動作位置と、前記油圧アクチュエータの動作姿勢を保持する規制位置とを有し、パイロット油路のパイロット圧にて前記規制位置から動作位置へ切り替わるように構成したホールディングバルブに於いて、前記ホールディングバルブのパイロットポート若しくはパイロットポート近傍のパイロット油路に、タンクへ連通するエア抜き用の絞り油路を設けたことを特徴とする建設機械のホールディングバルブ。
  2. 油圧アクチュエータに圧油を給排するコントロールバルブと前記油圧アクチュエータとの間に介装され、且つ、前記油圧アクチュエータの動作を許容する動作位置と、前記油圧アクチュエータの動作姿勢を保持する規制位置とを有し、パイロット油路のパイロット圧にて前記規制位置から動作位置へ切り替わるように構成したホールディングバルブに於いて、前記ホールディングバルブのパイロットポートの上部にタンクへ連通するエア抜き用の絞り油路を設けたことを特徴とする建設機械のホールディングバルブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008039042A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Hitachi Constr Mach Co Ltd 油圧アクチュエータ回路の負荷保持装置
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