JP2004232689A - 密封装置 - Google Patents

密封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004232689A
JP2004232689A JP2003020048A JP2003020048A JP2004232689A JP 2004232689 A JP2004232689 A JP 2004232689A JP 2003020048 A JP2003020048 A JP 2003020048A JP 2003020048 A JP2003020048 A JP 2003020048A JP 2004232689 A JP2004232689 A JP 2004232689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
outer peripheral
seal
sealing
fixing ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003020048A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimi Iida
芳美 飯田
Yasuyoshi Hamaya
泰愛 濱屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2003020048A priority Critical patent/JP2004232689A/ja
Publication of JP2004232689A publication Critical patent/JP2004232689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Abstract

【課題】ハウジングに対する装着作業が比較的容易で、しかも装着時にシール部品2の内外周に変形(しわ寄せ)が生じることがなく、もって優れたシール性能を発揮することが可能な密封装置1を提供する。
【解決手段】ハウジングの内周側に取り付けられる環状の外周取付部3と外周取付部3の内周側に配置されて軸等の相手部品と密封摺動するシールリップ4とを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品2と、シール部品2をハウジングに固定するための固定リング6とを有する。このうち固定リング6は、金属または樹脂等よりなる剛性リングの円周上一箇所に切欠部を設けて径方向のばね性を有し、シール部品2と別体で外周取付部3の内周側に嵌着され、そのばね性によりシール部品2をハウジングに固定するものとされている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置に係り、更に詳しくは、外周取付部とシールリップとを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品と、固定リングとを有する密封装置に関するものである。本発明の密封装置は例えば、鉄鋼圧延機におけるシール部に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図5に示すように、ハウジング61の内周側に取り付けられる環状の外周取付部53とこの外周取付部53の内周側に配置されて軸等の相手部品62と密封摺動するシールリップ54とを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品52を有し、このシール部品52を、外周取付部53の外周部に予め加硫接着した筒状の金属製取付環55の嵌合代によってハウジング61に固定するようにした密封装置51が知られている。図6に示すように金属製取付環55は、外周取付部53の肉厚内に埋設される場合もある。
【0003】
しかしながら、これらの従来技術では、上記したように外周取付部53の外周部または肉厚内に予め加硫接着した筒状の金属製取付環55の嵌合代によってシール部品52をハウジング61に固定する構造であるために、ハウジング61に対する当該密封装置51の装着作業を強い衝撃荷重を与えながら行なわなければならず、よってその作業に多くの労力を要する不都合がある。また作業に際してハンマー等の工具を使用することから、その衝撃により金属製取付環55やシール部品52に傷や塑性変形を生じてしまうこともある。
【0004】
また、図7に示すように、他の従来技術として、ハウジング(図示せず)の内周側に取り付けられる環状の外周取付部53とこの外周取付部53の内周側に配置されて軸等の相手部品(図示せず)と密封摺動するシールリップ54とを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品52を有し、このシール部品52を、外周取付部53の内周部に予め加硫接着した筒状の金属製取付環55のばね性によってハウジング61に固定するようにした密封装置51が知られている。この図7の従来技術が上記図5または図6の従来技術と異なるのは、金属製取付環55の円周上一箇所に切欠部(図示せず)が設けられて、この金属製取付環55に径方向のばね性が設定されている点であり、よってこの従来技術によれば、金属製取付環55の径寸法をそのばね性により変化させることができるために、装着作業を容易化することができる。
【0005】
しかしながら、この図7の従来技術によると、ゴム状弾性体製のシール部品52に円周上一箇所に切欠部を設けた金属製取付環55が予め加硫接着されているために、装着時、シール部品52および金属製取付環55が共に収縮すると、シール部品52のゴムが円周上一箇所すなわち金属製取付環55の切欠部位置で局部的に圧縮される。したがってシール部品52の内外周に変形(しわ寄せ)が生じ、これにより軸またはハウジングとの間に隙間が生じるため、これがシール性能に良くない影響を及ぼす虞がある。
【0006】
尚、下記特許文献1には、シール部品をハウジングに固定するための拡張発条輪を有する密封装置が記載されているが、この拡張発条輪は円周上に切欠部を有しておらず、また環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなるものではない。
【0007】
【特許文献1】
実公昭36−8308号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、ハウジングに対する装着作業が比較的容易で、しかも装着時にシール部品の内外周に変形(しわ寄せ)が生じることがなく、もって優れたシール性能を発揮することが可能な密封装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、ハウジングの内周側に取り付けられる環状の外周取付部と前記外周取付部の内周側に配置されて軸等の相手部品と密封摺動するシールリップとを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品と、前記シール部品を前記ハウジングに固定するための固定リングとを有し、前記固定リングは、金属または樹脂等よりなる剛性リングの円周上一箇所に切欠部を設けて径方向のばね性を有し、前記シール部品と別体で前記外周取付部の内周側に嵌着され、そのばね性により前記シール部品を前記ハウジングに固定することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項2による密封装置は、ハウジングの内周側に取り付けられる環状の外周取付部と前記外周取付部の内周側に配置されて軸等の相手部品と密封摺動するシールリップとを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品と、前記シール部品を前記ハウジングに固定するための固定リングとを有し、前記固定リングは、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、前記シール部品と別体で前記外周取付部の内周側に嵌着され、そのばね性により前記シール部品を前記ハウジングに固定することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項3による密封装置は、ハウジングの内周側に取り付けられる環状の外周取付部と前記外周取付部の内周側に配置されて軸等の相手部品と密封摺動するシールリップとを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品と、前記シール部品を前記ハウジングに固定するための固定リングとを有し、前記固定リングは、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、前記外周取付部に埋設され、そのばね性により前記シール部品を前記ハウジングに固定することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、シール部品をハウジングに固定するための固定リングが、金属または樹脂等よりなる剛性リングの円周上一箇所に切欠部を設けて径方向のばね性を有し、シール部品と別体で外周取付部の内周側に嵌着され、そのばね性によりシール部品をハウジングに固定するものとされているために、先ずは装着作業時に固定リングの径寸法をそのばね性により変化させることが可能である。また、固定リングがシール部品と別体とされているために、装着時、固定リングおよびシール部品が共に収縮すると互いの接触面で滑りを生じ、よってシール部品のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることが可能となる。
【0013】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2による密封装置においては、シール部品をハウジングに固定するための固定リングが、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、シール部品と別体で外周取付部の内周側に嵌着され、そのばね性によりシール部品をハウジングに固定するものとされているために、やはり先ずは装着作業時に固定リングの径寸法をそのばね性により変化させることが可能である。また、固定リングがシール部品と別体とされるとともに円周上に切欠部を有しないものとされているために、装着時、固定リングおよびシール部品が共に収縮しても、シール部品のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることが可能となる。
【0014】
また、上記構成を備えた本発明の請求項3による密封装置においては、シール部品をハウジングに固定するための固定リングが、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、外周取付部に埋設され、そのばね性によりシール部品をハウジングに固定するものとされているために、先ずは装着作業時に固定リングの径寸法をそのばね性により変化させることが可能である。また固定リングがシール部品の外周取付部に埋設されるものであって円周上に切欠部を有しないものとされているために、装着時、固定リングおよびシール部品が共に収縮しても、シール部品のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0016】
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係る密封装置1の要部断面を示しており、この密封装置1は以下のように構成されている。
【0017】
すなわち、この密封装置1は先ず、ゴム状弾性体製のシール部品2を有しており、このシール部品2に、ハウジング(図示せず)の内周側に取り付けられる環状の外周取付部3と、この外周取付部3の内周側に配置されて軸等の相手部品(図示せず)と密封摺動するシールリップ4とが一体成形されている。
【0018】
また、シールリップ4の外周に位置して外周取付部3の内周面には環状の装着溝5が形成されており、この装着溝5に、シール部品2をハウジングに固定するための固定リング6が別体部品として非接着で嵌着されている。
【0019】
この固定リング6は、図2に示すように、金属または樹脂等よりなる剛性リングの円周上一箇所に切欠部7を設けることにより径方向のばね性を有するものであって、装着溝5に嵌着されることによりそのばね性によってシール部品2をハウジングに固定する。この固定リング6の断面形状は、丸形、正方形または長方形等とされている(図では丸形)。
【0020】
また、外周取付部3には、内周面に装着溝5を有するとともに外径寸法dをハウジングの内径寸法とほぼ同等に形成したシールリップ外周部8と、全体にリップ形状をなすとともにリップ外径寸法dをハウジングの内径寸法よりも大きく形成した外周シール部9とが軸方向に並んで一体に成形されている。
【0021】
上記構成の密封装置1によれば、上記したように固定リング6が、金属または樹脂等よりなる剛性リングの円周上一箇所に切欠部7を設けることにより径方向のばね性を有し、シール部品2と別体で外周取付部3の内周側に嵌着され、そのばね性によりシール部品2をハウジングに固定するものとされているために、装着作業時に固定リング6の径寸法をそのばね性により変化させることが可能である。したがって、上記図5または図6の従来技術のようにハンマー等を用いて衝撃荷重を加えながら装着作業を行なう必要がないために、作業労力を軽減させることができ、かつ部品に衝撃荷重による傷や塑性変形が生じるのを未然に防止することができる。
【0022】
また、固定リング6がシール部品2と別体部品とされて装着溝5に非接着で嵌着されているために、装着時、固定リング6およびシール部品2を共に収縮させると、両者2,6は互いの接触面で摺動し、相対変位することが可能である。したがって、上記図7の従来技術のようにシール部品2のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることができるために、シールリップ4と軸との間または外周取付部3とハウジングとの間に隙間が生じるのを未然に防止することができ、これによりシール性能を向上させることができる。
【0023】
またこれに加えて、上記構成の密封装置1によると、上記したように外周取付部3に、内周面に装着溝5を有するとともに外径寸法dをハウジングの内径寸法とほぼ同等に形成したシールリップ外周部8と、全体にリップ形状をなすとともにリップ外径寸法dをハウジングの内径寸法よりも大きく形成した外周シール部9とが軸方向に並んで一体成形されているために、このシールリップ外周部8と外周シール部9とが作用を分担する。すなわち前者のシールリップ外周部8は装着してもあまり径寸法が変わらないために、シールリップ4を形状変化(姿勢変化)させず、よって内周シール性能を安定化させることができる。また、後者の外周シール部9はその寸法設定からして装着時にハウジングに密接するために、外周シール性能を充分に確保することができる。したがってこれらのことから、嵌合力を低減させて装着を容易化するとともに、その一方で内周シール性および外周シール性を共に充分に確保することができる密封装置1を提供することができる。
【0024】
第二実施例・・・
図3は、本発明の第二実施例に係る密封装置1の要部断面を示しており、この密封装置1は以下のように構成されている。
【0025】
すなわち、この密封装置1は先ず、ゴム状弾性体製のシール部品2を有しており、このシール部品2に、ハウジング(図示せず)の内周側に取り付けられる環状の外周取付部3と、この外周取付部3の内周側に配置されて軸等の相手部品(図示せず)と密封摺動するシールリップ4とが一体成形されている。
【0026】
また、シールリップ4の外周に位置して外周取付部3の内周面には環状の装着溝5が形成されており、この装着溝5に、シール部品2をハウジングに固定するための固定リング6が別体部品として非接着で嵌着されている。
【0027】
この固定リング6は、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有するものであって、装着溝5に嵌着されることによりそのばね性によってシール部品2をハウジングに固定する。このピッチ巻きコイルスプリングよりなる固定リング6には、上記第一実施例の場合のような切欠部7は設けられていない。
【0028】
また、外周取付部3には、内周面に装着溝5を有するとともに外径寸法dをハウジングの内径寸法とほぼ同等に形成したシールリップ外周部8と、全体にリップ形状をなすとともにリップ外径寸法dをハウジングの内径寸法よりも大きく形成した外周シール部9とが軸方向に並んで一体に成形されている。
【0029】
上記構成の密封装置1によれば、上記したように固定リング6が、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、シール部品2と別体で外周取付部3の内周側に嵌着され、そのばね性によりシール部品2をハウジングに固定するものとされているために、装着作業時に固定リング6の径寸法をそのばね性により変化させることが可能である。したがって、上記図5または図6の従来技術のようにハンマー等を用いて衝撃荷重を加えながら装着作業を行なう必要がないために、作業労力を軽減させることができ、かつ部品に衝撃荷重による傷や塑性変形が生じるのを未然に防止することができる。
【0030】
また、固定リング6がシール部品2と別体部品とされて装着溝5に非接着で嵌着されるとともに円周上一箇所に切欠部を有しないものとされているために、装着時、固定リング6およびシール部品2を共に収縮させても、シール部品2のゴムは円周上一箇所で変形(しわ寄せ)することがない。したがって、上記図7の従来技術のようにシール部品2のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることができるために、シールリップ4と軸との間または外周取付部3とハウジングとの間に隙間が生じるのを未然に防止することができ、これによりシール性能を向上させることができる。
【0031】
またこれに加えて、上記構成の密封装置1によると、上記したように外周取付部3に、内周面に装着溝5を有するとともに外径寸法dをハウジングの内径寸法とほぼ同等に形成したシールリップ外周部8と、全体にリップ形状をなすとともにリップ外径寸法dをハウジングの内径寸法よりも大きく形成した外周シール部9とが軸方向に並んで一体成形されているために、このシールリップ外周部8と外周シール部9とが作用を分担する。すなわち前者のシールリップ外周部8は装着してもあまり径寸法が変わらないために、シールリップ4を形状変化(姿勢変化)させず、よって内周シール性能を安定化させることができる。また、後者の外周シール部9はその寸法設定からして装着時にハウジングに密接するために、外周シール性能を充分に確保することができる。したがってこれらのことから、嵌合力を低減させて装着を容易化するとともに、その一方で内周シール性および外周シール性を共に充分に確保することができる密封装置1を提供することができる。
【0032】
第三実施例・・・
図4は、本発明の第三実施例に係る密封装置1の要部断面を示しており、この密封装置1は以下のように構成されている。
【0033】
すなわち、この密封装置1は先ず、ゴム状弾性体製のシール部品2を有しており、このシール部品2に、ハウジング(図示せず)の内周側に取り付けられる環状の外周取付部3と、この外周取付部3の内周側に配置されて軸等の相手部品(図示せず)と密封摺動するシールリップ4とが一体成形されている。
【0034】
また、シールリップ4の外周に位置して外周取付部3の肉厚内には、シール部品2をハウジングに固定するための固定リング6が一体的に加硫接着され、埋設されている。
【0035】
この固定リング6は、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有するものであって、外周取付部3の肉厚内に埋設されることによりそのばね性によってシール部品2をハウジングに固定する。このピッチ巻きコイルスプリングよりなる固定リング6には、上記第一実施例の場合のような切欠部7は設けられていない。
【0036】
また、外周取付部3には、肉厚内に固定リング6を埋設するとともに外径寸法dをハウジングの内径寸法とほぼ同等に形成したシールリップ外周部8と、全体にリップ形状をなすとともにリップ外径寸法dをハウジングの内径寸法よりも大きく形成した外周シール部9とが軸方向に並んで一体に成形されている。
【0037】
上記構成の密封装置1によれば、上記したように固定リング6が、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、シール部品2における外周取付部3の肉厚内に埋設され、そのばね性によりシール部品2をハウジングに固定するものとされているために、装着作業時に固定リング6の径寸法をそのばね性により変化させることが可能である。したがって、上記図5または図6の従来技術のようにハンマー等を用いて衝撃荷重を加えながら装着作業を行なう必要がないために、作業労力を軽減させることができ、かつ部品に衝撃荷重による傷や塑性変形が生じるのを未然に防止することができる。
【0038】
また、固定リング6がシール部品2における外周取付部3の肉厚内に埋設されるものであって円周上一箇所に切欠部を有しないものとされているために、装着時、固定リング6およびシール部品2を共に収縮させても、シール部品2のゴムは円周上一箇所で変形(しわ寄せ)することがない。したがって、上記図7の従来技術のようにシール部品2のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることができるために、シールリップ4と軸との間または外周取付部3とハウジングとの間に隙間が生じるのを未然に防止することができ、これによりシール性能を向上させることができる。
【0039】
またこれに加えて、上記構成の密封装置1によると、上記したように外周取付部3に、内周面に装着溝5を有するとともに外径寸法dをハウジングの内径寸法とほぼ同等に形成したシールリップ外周部8と、全体にリップ形状をなすとともにリップ外径寸法dをハウジングの内径寸法よりも大きく形成した外周シール部9とが軸方向に並んで一体成形されているために、このシールリップ外周部8と外周シール部9とが作用を分担する。すなわち前者のシールリップ外周部8は装着してもあまり径寸法が変わらないために、シールリップ4を形状変化(姿勢変化)させず、よって内周シール性能を安定化させることができる。また、後者の外周シール部9はその寸法設定からして装着時にハウジングに密接するために、外周シール性能を充分に確保することができる。したがってこれらのことから、嵌合力を低減させて装着を容易化するとともに、その一方で内周シール性および外周シール性を共に充分に確保することができる密封装置1を提供することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0041】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、シール部品をハウジングに固定するための固定リングが、金属または樹脂等よりなる剛性リングの円周上一箇所に切欠部を設けて径方向のばね性を有し、シール部品と別体で外周取付部の内周側に嵌着され、そのばね性によりシール部品をハウジングに固定するものとされているために、装着作業時に固定リングの径寸法をそのばね性により変化させることが可能とされている。したがって、上記従来技術のようにハンマー等を用いて衝撃荷重を加えながら装着作業を行なう必要がないために、作業労力を軽減させることができ、かつ部品に衝撃荷重による傷や塑性変形が生じるのを未然に防止することができる。
【0042】
また、固定リングがシール部品と別体とされているために、装着時、固定リングおよびシール部品が共に収縮せしめられると互いの接触面で滑りを生じ、よってシール部品のゴムは円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることが可能とされている。したがって、上記従来技術のようにシール部品のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることができるために、シールリップと軸との間または外周取付部とハウジングとの間に隙間が生じるのを未然に防止することができ、これによりシール性能を向上させることができる。
【0043】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2による密封装置においては、シール部品をハウジングに固定するための固定リングが、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、シール部品と別体で外周取付部の内周側に嵌着され、そのばね性によりシール部品をハウジングに固定するものとされているために、やはり装着作業時に固定リングの径寸法をそのばね性により変化させることが可能とされている。したがって、上記従来技術のようにハンマー等を用いて衝撃荷重を加えながら装着作業を行なう必要がないために、作業労力を軽減させることができ、かつ部品に衝撃荷重による傷や塑性変形が生じるのを未然に防止することができる。
【0044】
また、固定リングがシール部品と別体とされるとともに円周上に切欠部を有しないものとされているために、装着時、固定リングおよびシール部品が共に収縮せしめられても、シール部品のゴムは円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることが可能とされている。したがって、上記従来技術のようにシール部品のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることができるために、シールリップと軸との間または外周取付部とハウジングとの間に隙間が生じるのを未然に防止することができ、これによりシール性能を向上させることができる。
【0045】
また、上記構成を備えた本発明の請求項3による密封装置においては、シール部品をハウジングに固定するための固定リングが、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、外周取付部に埋設され、そのばね性によりシール部品をハウジングに固定するものとされているために、装着作業時に固定リングの径寸法をそのばね性により変化させることが可能とされている。したがって、上記従来技術のようにハンマー等を用いて衝撃荷重を加えながら装着作業を行なう必要がないために、作業労力を軽減させることができ、かつ部品に衝撃荷重による傷や塑性変形が生じるのを未然に防止することができる。
【0046】
また、固定リングがシール部品の外周取付部に埋設されるものであって円周上に切欠部を有しないものとされているために、装着時、固定リングおよびシール部品が共に収縮せしめられても、シール部品のゴムは円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることが可能とされている。したがって、上記従来技術のようにシール部品のゴムが円周上一箇所で変形(しわ寄せ)するのを抑えることができるために、シールリップと軸との間または外周取付部とハウジングとの間に隙間が生じるのを未然に防止することができ、これによりシール性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る密封装置の要部断面図
【図2】同密封装置における固定リングの単品図であって、(A)はその正面図、(B)はその断面図
【図3】本発明の第二実施例に係る密封装置の要部断面図
【図4】本発明の第三実施例に係る密封装置の要部断面図
【図5】従来例に係る密封装置の要部断面図
【図6】他の従来例に係る密封装置の要部断面図
【図7】他の従来例に係る密封装置の要部断面図
【符号の説明】
1 密封装置
2 シール部品
3 外周取付部
4 シールリップ
5 装着溝
6 固定リング
7 切欠部
8 シールリップ外周部
9 外周シール部

Claims (3)

  1. ハウジングの内周側に取り付けられる環状の外周取付部(3)と前記外周取付部(3)の内周側に配置されて軸等の相手部品と密封摺動するシールリップ(4)とを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品(2)と、前記シール部品(2)を前記ハウジングに固定するための固定リング(6)とを有し、
    前記固定リング(6)は、金属または樹脂等よりなる剛性リングの円周上一箇所に切欠部(7)を設けて径方向のばね性を有し、前記シール部品(2)と別体で前記外周取付部(3)の内周側に嵌着され、そのばね性により前記シール部品(2)を前記ハウジングに固定することを特徴とする密封装置。
  2. ハウジングの内周側に取り付けられる環状の外周取付部(3)と前記外周取付部(3)の内周側に配置されて軸等の相手部品と密封摺動するシールリップ(4)とを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品(2)と、前記シール部品(2)を前記ハウジングに固定するための固定リング(6)とを有し、
    前記固定リング(6)は、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、前記シール部品(2)と別体で前記外周取付部(3)の内周側に嵌着され、そのばね性により前記シール部品(2)を前記ハウジングに固定することを特徴とする密封装置。
  3. ハウジングの内周側に取り付けられる環状の外周取付部(3)と前記外周取付部(3)の内周側に配置されて軸等の相手部品と密封摺動するシールリップ(4)とを一体に備えたゴム状弾性体製のシール部品(2)と、前記シール部品(2)を前記ハウジングに固定するための固定リング(6)とを有し、
    前記固定リング(6)は、環状のピッチ巻きコイルスプリングよりなり径方向のばね性を有し、前記外周取付部(3)に埋設され、そのばね性により前記シール部品(2)を前記ハウジングに固定することを特徴とする密封装置。
JP2003020048A 2003-01-29 2003-01-29 密封装置 Pending JP2004232689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003020048A JP2004232689A (ja) 2003-01-29 2003-01-29 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003020048A JP2004232689A (ja) 2003-01-29 2003-01-29 密封装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004232689A true JP2004232689A (ja) 2004-08-19

Family

ID=32949778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003020048A Pending JP2004232689A (ja) 2003-01-29 2003-01-29 密封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004232689A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075679A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Nok Corp 密封装置
JP2019078345A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 Nok株式会社 密封装置

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5576957U (ja) * 1978-11-21 1980-05-27
JPS59171257U (ja) * 1983-04-30 1984-11-15 日野自動車株式会社 オイルシ−ル
JPS6157270U (ja) * 1984-09-20 1986-04-17
JPS6239062U (ja) * 1985-08-27 1987-03-09
JPS63115924U (ja) * 1987-01-20 1988-07-26
JPH0346071U (ja) * 1989-09-11 1991-04-26
JPH0419957U (ja) * 1990-06-13 1992-02-19
JPH0431366U (ja) * 1990-07-09 1992-03-13
JPH0735859U (ja) * 1993-12-10 1995-07-04 内山工業株式会社 密封装置
JPH1047493A (ja) * 1996-03-08 1998-02-20 Skf Usa Inc ガータスプリングを備えるシール
JP2002364757A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Koyo Sealing Techno Co Ltd 密封装置

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5576957U (ja) * 1978-11-21 1980-05-27
JPS59171257U (ja) * 1983-04-30 1984-11-15 日野自動車株式会社 オイルシ−ル
JPS6157270U (ja) * 1984-09-20 1986-04-17
JPS6239062U (ja) * 1985-08-27 1987-03-09
JPS63115924U (ja) * 1987-01-20 1988-07-26
JPH0346071U (ja) * 1989-09-11 1991-04-26
JPH0419957U (ja) * 1990-06-13 1992-02-19
JPH0431366U (ja) * 1990-07-09 1992-03-13
JPH0735859U (ja) * 1993-12-10 1995-07-04 内山工業株式会社 密封装置
JPH1047493A (ja) * 1996-03-08 1998-02-20 Skf Usa Inc ガータスプリングを備えるシール
JP2002364757A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Koyo Sealing Techno Co Ltd 密封装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075679A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Nok Corp 密封装置
JP2019078345A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 Nok株式会社 密封装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4875597B2 (ja) リップタイプシール
JP5216084B2 (ja) リップタイプシール
WO2008062684A1 (fr) Dispositif d'étanchéité et dispositif de chemin de roulement
US20100133758A1 (en) Sealing device
JP2018035855A (ja) 密封装置
EP3220020B1 (en) Seal device
JP5016423B2 (ja) リップタイプシール
JP2004232689A (ja) 密封装置
JP2006342828A (ja) 密封装置
JP2010242823A (ja) 密封装置
JP6625340B2 (ja) 密封装置
JPH0137255Y2 (ja)
JP2003269616A (ja) シール
JPH11125337A (ja) リップタイプシール
JP2005325924A (ja) 密封装置
WO2014097767A1 (ja) ボールジョイント用ダストカバー
JP3617694B2 (ja) 密封装置
JP2003042304A (ja) 密封装置
JP7224248B2 (ja) 密封装置
JP4150889B2 (ja) 密封装置
JP4092547B2 (ja) 密封装置
JP2006046628A (ja) 環状部材
JP4793567B2 (ja) オイルシール
WO2021010104A1 (ja) 密封装置
JP2006097709A (ja) 密封装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090507