JP2004232384A - 木造建築構造用パネルおよび木造建築構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】間伐材を利用して構成することが可能な木造建築構造用パネルであって、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定された複数本の縦木材1,2と、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定されるとともに、各縦木材1,2を横方向に連結することにより格子状枠体5を構成する複数本の横木材3と、これらの縦木材1,2および横木材3により構成された格子状枠体5の少なくとも一面を覆うように設置されて固定される壁面板4とを設けた。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、間伐材を利用して構成することが可能な木造建築構造用パネルおよび木造建築構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の木造建築構造は、土台、柱、胴差、桁および筋違等を軸組材として構成された日本式の軸組構造が一般的である。この軸組構造は、反り、割れおよびねじれ等の木材の性質を一本ずつ見定めながら、伝統的な仕口・継手等を大工職人による手作業で加工し、これらを連結することにより構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように木材に伝統的な仕口・継手等を手作業で加工することにより構成される従来の軸組構造は、その加工および組立に熟練度を要するとともに、手間が掛かるため、工事費用が高くなるという問題があった。
【0004】
また、従来の木造建築構造は、建築物に作用する荷重を主として上記柱等からなる軸組材により支持するように構成されているので、この軸組材として所定の径を有するものを使用する必要がある。この結果、上記軸組材として安価な輸入材が大量に使用され、我が国には多くの木材資源があるにも拘わらず、これらが有効に利用されることなく放置され、山林が荒れているのが現状である。
【0005】
すなわち、経済性を重視するために、安価な輸入木材が利用されることにより我が国の林業が衰退し、間伐等の手入れが行き届かないこと等に起因して、山林内に適度に光が入らなくなり、表土の流失防止効果および保水効果を有する下草の発育が阻害され、山林の保水能力が減少し、また崖崩れが起き易くなる等の問題が生じている。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、径が小さく安価な間伐材の有効利用を図ることを可能とし、もって国内林業を保護育成して活性化させることができる木造建築構造用パネルおよび木造建築構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、間伐材を利用して構成することが可能な木造建築構造用パネルであって、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定された複数本の縦木材と、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定されるとともに、各縦木材を横方向に連結することにより格子状枠体を構成する複数本の横木材と、これらの縦木材および横木材により構成された格子状枠体の少なくとも一面を覆うように設置されて固定される壁面板とを備えたものである。
【0008】
上記構成によれば、従来の軸組構造に比べて断面の縦横寸法がそれぞれ比較的小さく、間伐材等を利用して形成される縦木材および横木材を使用することにより、所定の荷重を支持することができる木造建築構造用パネルが容易かつ安価に得られることになる。
【0009】
請求項2に係る発明は、間伐材を利用して構成することが可能な木造建築構造であって、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定された複数本の縦木材と、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定されるとともに、各縦木材を横方向に連結することにより格子状枠体を構成する複数本の横木材と、これらの縦木材および横木材により構成された格子状枠体の少なくとも一面を覆うように設置されて固定される壁面板とを備えた複数の木造建築構造用パネルが組み合わされてなるものである。
【0010】
上記構成によれば、従来の軸組構造に比べて断面の縦横寸法がそれぞれ比較的小さく、間伐材等を利用して形成される縦木材および横木材を使用することにより構成された複数の木造建築構造用が組み合わされることにより、木造建築構造が容易かつ安価に得られることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、本発明に係る木造建築構造用パネルの実施形態を示している。この木造建築構造用パネルは、断面の縦横寸法がそれぞれ60mm×60mm程度に設定された左右一対の第1縦木材1と、断面の縦横寸法がそれぞれ60mm×120mm程度に設定された中央の第2縦木材2と、断面の縦横寸法がそれぞれ60mm×60mm程度に設定された3本の横木材3と、上記第1,第2縦木材1,2の上下両端部および中央部を上記横木材3により横方向に連結してなる格子状枠体5の外面部(室外側の壁面部)を覆うように設置される壁面板4とを有している。この壁面材4としては、構造用合板または杉板材等が好適に使用されるとともに、各種合板、またはMDF(ミドル・デンシティ・ファイバーボード)、LVL(ラミネーテッド・ベニヤ)、OSB(オリエンテッド・ストランド・ボード)、無機質系、セメント系もしくはスチール系等のパネル材をも使用可能であり、その板厚は1mm〜60mmの範囲内で、必要な強度を有するものが選定されて使用される。
【0012】
上記第1,第2縦木材1,2と横木材3との結合部には、相欠き継ぎ用の切欠きが形成されている。そして、上記第1,第2縦木材1,2および横木材3が組み合わされることにより構成された格子状枠体5の一面に、上記壁面板4が釘止めもしくはビス止めされる等により、木造建築物の壁面部を構成する壁構造用パネル6が形成されるようになっている。
【0013】
上記壁面板4は、その上下寸法および左右寸法が上記格子状枠体5よりもそれぞれ所定長さだけ大きく設定され、後述するように木造住宅を建設する際に、壁構造用パネル6の側辺部に沿って設置された左右一対の柱材7の外面が、上記壁面板4の左右両端部により覆われるとともに、この壁面板4の上下両端部により、土台15および柱頭つなぎ材16等の外面が覆われるように構成されている(図15および図16参照)。
【0014】
本実施形態では、上記格子状枠体5の外形寸法、つまり横方向寸法および縦方向寸法を、910mm×2538mm程度に設定し、上記壁面板13として12mm程度の板厚を有する合板材を使用している。そして、壁面板6の外縁部が上記格子状枠体4の左右方向および上下方向にそれぞれ60mm程度だけ突出するように、上記壁面板6の外形寸法を設定している。なお、格子状枠体5の横方向寸法は、450mm〜1000mm程度の範囲内で任意の値に設定可能であるとともに、格子状枠体5の縦方向寸法は、900mm〜3000mm程度の範囲内で任意に設定可能である。また、上記柱材7として、その断面の縦横寸法がそれぞれ120mm×120mm程度に設定された間伐材製の木材を使用している。
【0015】
図4および図5は、断面の縦横寸法がそれぞれ60mm×120mm程度に設定された左右一対の第1縦木材8と、断面の縦横寸法がそれぞれ120mm×120mm程度に設定された中央の第2縦木材9と、断面の縦横寸法がそれぞれ60mm×120mm程度に設定された複数本の第1横木材10と、断面の縦横寸法がそれぞれ120mm×120mm程度に設定された複数本の第2横木材11とが縦横に組み合わされることにより格子状枠体12が構成されるとともに、この格子状枠体12の少なくとも下面が壁面板13により覆われた天井構造用パネル14を示している。
【0016】
すなわち、上記天井構造用パネル14は、左右一対の第1縦木材8と、その中央に配設される第2縦木材9との間に、その幅方向に延びるように上記第1,第2横木材10,11が所定間隔で配設されることにより、格子状枠体12が構成されるとともに、その下面にそれぞれ2枚の壁面板13が釘止めもしくはビス止めされる等により構成されている。なお、上記壁面板13は、壁構造用パネル6の壁面板4と同様の素材からなり、この2枚の壁面板13が連結されることにより構成される壁面体の縦方向寸法および横方向寸法は、上記格子状枠体12と同寸法に設定され、この格子状枠体12の下面全体が上記両壁面板13により覆われるようになっている。
【0017】
本実施形態では、上記格子状枠体12および天井構造用パネル14の外形寸法、つまり横方向寸法および縦方向寸法を、910mm×3640mm程度に設定するとともに、上記第1,第2横木材10,11をそれぞれ455mm程度の間隔で配設し、上記壁面板13として12mmの板厚を有する合板材を使用している。なお、格子状枠体12および天井構造用パネル14の横方向寸法は、450mm〜1000mm程度の範囲内で任意の値に設定可能であるとともに、格子状枠体5の縦方向寸法は、900mm〜4000mm程度の範囲内で任意に設定可能である。
【0018】
上記壁構造用パネル6および天井構造用パネル14からなる建築構造用パネルを使用した木造家屋の建築方法について以下に説明する。まず、図6に示すように、地盤面に設置されたコンクリート基礎(図示せず)の上に、断面の縦横寸法がそれぞれ120mm×120mm程度に設定された間伐材製の木材等からなる土台15を載置し、この土台15をアンカーボルトによりコンクリート基礎に緊結する。
【0019】
そして、上記壁構造用パネル6と柱材7とを工場において予め一体化することにより形成した複数の壁構造体を、上記土台15上に載置して釘止めもしくはビス止めする等により固定する。なお、上記柱材7の上下両端部には、それぞれ所定寸法(30mm角程度)のほぞが形成され、このほぞが土台15に形成されたほぞ穴に挿入されることにより結合されるように構成されている。
【0020】
図7に示すように、戸口または窓となる開口部18を除き、上記壁構造用パネル6と柱材7とからなる所定数の壁構造体を土台15の略全周に設置することにより一階部Aを構成した後、図8に示すように、この一階部Aの上端部外周を囲繞するように、断面の縦横寸法がそれぞれ60mm×120mm程度に設定された木材からなる柱頭つなぎ材16を設置し、この柱頭つなぎ材16を上記柱7の上端部に釘止めもしくはビス止め等により固定する。また、必要に応じて上記開口部18の上方に垂壁18aを取り付けるとともに、腰壁(図示せず)を取り付ける。これらの垂壁18aおよび腰壁は、その外形寸法を除いて壁構造用パネル6と同様に構成されたものである。
【0021】
その後、図9に示すように、予め工場において生産された所定数の天井構造用パネル14を、一階部Aの天井面全体を覆うように設置し、上記柱頭つなぎ材16に釘止めもしくはビス止めする等の手段で順次固定する。また、図10に示すように、上記床構造用パネル14により構成された一階部Aの上端部の外周面全体を覆うように、断面の縦横寸法がそれぞれ120mm×60mm程度に設定された間伐材製の木材等からなるパッキン材17を設置して固定するとともに、その上に断面の縦横寸法がそれぞれ60mm×120mm程度に設定された間伐材製の木材等からなる二階部用の柱脚つなぎ材19を必要個所(二階部B用の壁面構造体が設置される個所)に載置して固定する。
【0022】
次いで、図11に示すように、一階部Aと同様に戸口または窓となる開口部18を除き、壁構造用パネル6と柱材7とからなる所定数の壁構造体を上記柱脚つなぎ材19上に設置して固定する。具体的には、図17に示すように、一階部A用の壁構造用パネル6の上端部に位置する横木3と、その上に載置された柱頭つなぎ材16およびパッキン材17と、その上に設置された脚柱つなぎ材19と、二階部B用の壁構造用パネル6の下端部に位置する横木3とを、ねじ軸およびナットからなる締結具31で一体に締結することにより、上記両つなぎ材16,19およびパッキン材17を介して上下の壁構造用パネル6を同時に固定する。なお、上下の横木3,3を締結する締結具31に加え、もしくはこの締結具31に代え、図17の仮想線で示すように、上記両つなぎ材16,19と、天井構造用パネル14の横木材10とを一体に締結する締結具32を設けた構造としてもよい。
【0023】
上記壁構造用パネル6と柱材7とからなる所定数の壁構造体により二階部Bを構成した後、図12に示すように、この二階部Bの上端部全周を囲繞するように、断面の縦横寸法がそれぞれ60mm×120mm程度に設定された間伐材製の木材等からなる二階壁つなぎ材20を設置し、この二階壁つなぎ材20を上記柱7の上端部に釘止めもしくはビス止め等により固定する。また、必要に応じて上記開口部18の上方に垂壁18aを取り付けるとともに、開口部18の下方に腰壁18bを取り付ける。
【0024】
その後、図13に示すように、予め工場において生産された所定数の天井構造用パネル14を、二階部Bの天井部全体を覆うように設置し、上記二階壁つなぎ材20に釘止めもしくはビス止めする等の手段で順次固定する。そして、図14に示すように、垂木21,母屋22および小屋束23等からなる小屋組Cを上記二階部B上に形成し、この小屋組Cに従来周知の屋根材を設置するとともに、上記壁構造体の内面に内装材を設置するとともに、各階の床面に床材を設置する。
【0025】
上記壁構造用パネル6および天井構造用パネル14からなる木造建築構造用パネルを構成する縦木材1,2,8,9および横木材3,10,11は、その断面の縦横寸法がそれぞれを、木造建築構造の大きさおよび用途等に応じ、30mm〜150mmの範囲内で適宜に設定される。この範囲に設定したのは、上記縦木材1,2,8,9および横木材3,10,11の断面の縦横寸法が60mm未満であると、木造建築構造の強度が不足し、また縦木材1,2,8,9および横木材3,10,11の断面の縦横寸法が150mmを超えると、木造建築構造用パネルの重量が増大するとともに、国内で得られる間伐材を利用して上記縦木材1,2,8,9および横木材3,10,11を形成することが困難だからである。また、木造建築構造の強度を充分に維持するとともに、間伐材の利用を図るためには、上記縦木材1,2,8,9および横木材3,10,11の断面の縦横寸法を60mm〜120mmの範囲内に設定することが望ましい。
【0026】
上記のように断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定された複数本の縦木材1,2と、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定されるとともに、各縦木材1,2を横方向に連結することにより格子状枠体5を構成する複数本の横木材3と、これらの縦木材1,2および横木材3により構成された格子状枠体5の一面を覆うように設置されて固定される壁面板4とにより壁構造用パネル6を構成するとともに、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定された複数本の縦木材8,9と、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定されるとともに、各縦木材8,9を横方向に連結することにより格子状枠体12を構成する複数本の横木材10,11と、これらの縦木材8,9および横木材10,11により構成された格子状枠体12の一面を覆うように設置されて固定される壁面板13とにより天井構造用パネル14を構成したため、輸入材を使用することなく、杉または檜等の間伐材を使用して所定の強度を有する木造住宅を安価に建設することができる。
【0027】
すなわち、断面の縦横寸法がそれぞれ上記範囲内に設定された縦木材1,2,8,9および横木材3,10,11により格子状枠体5,12を構成したため、国内で安価に入手できる間伐材を有効に利用して上記壁構造用パネル6および天井構造用パネル14からなる木造建築構造用パネルを得ることができる。そして、上記格子状枠体5,12の一面を覆うように壁面板4,13を設置して固定するように構成したため、複雑な仕口または継手を設けることなく、かつ上記のように比較的径の小さな木材を使用して上記格子状枠体5,14を構成したにも拘わらず、充分な強度および剛性を有する木造建築構造用パネルを形成することができる。
【0028】
例えば、上記実施形態に示すように断面の縦横寸法がそれぞれ60mm〜120mmの範囲内に設定された上記縦木材1,2および横木材3を使用し、かつ最も簡単な相欠き継によりこれを組み合わせて上記外形寸法(790mm×2538mm)を有する格子状枠体5を構成するとともに、これに壁面板4を固定した場合においても、充分な強度および剛性を有する壁構造用パネル6を得られ、また断面の縦横寸法がそれぞれ60mm〜120mmの範囲内に設定された上記縦木材8,9および横木材10,11を使用し、これを単に突き合わせて上記格子状枠体12を構成するとともに、これに壁面板4を固定した場合においても、充分な強度および剛性を有する天井構造用パネル14が得られることが、計算および実験により確認されている。
【0029】
したがって、上記の構成を有する木造建築構造用パネル組み合わせることにより、熟練した大工職人によることなく、所定の強度および剛性を有するとともに、優れた外観を備えた木造住宅等を建設することができる。しかも、杉材または檜材等の間伐材を有効に利用することができるため、森林における間伐材等の手入れが促進され、これによって我が国の林業が保護育成されて活性化されるという利点がある。
【0030】
また、上記実施形態では、壁構造用パネル6を構成する壁面板4の左右寸法を上記格子状枠体5よりもそれぞれ所定長さだけ大きく設定したため、図15に示すように、上記壁面板4の左右両端部4a,4aを、柱材7の外面側に重ねた状態で、この部分に釘を打ち付けることにより、上記壁構造用パネル6と、柱材7とを容易かつ強固に連結することができる。なお、上記柱材7を介して複数の壁構造用パネル6を左右に連設し得るようにするために、上記格子状枠体5の左右に突出する壁面板4の左右両端部4a,4aの突出量を、柱材7の幅寸法の半分程度に設定することが望ましい。
【0031】
さらに、上記壁構造用パネル6を構成する壁面板4の上下寸法を上記格子状枠体5よりもそれぞれ所定長さだけ大きく設定したため、図16に示すように、上記壁面材4の下端部4bを土台15またはつなぎ材19の外面側に重ねるとともに、壁面材4の上端部4cをつなぎ材16,20の外面側に重ねた状態で、これらの重ね合わせ部分に釘を打ち付けることにより、上記壁構造用パネル6の上下両端部を、土台15等からなる木造建築構造体に容易かつ強固に固定できるという利点がある。
【0032】
また、上記実施形態では、図17に示すように、一階部A用の壁構造用パネル6の上端部に位置する横木材3と、その上に載置された柱頭つなぎ材16およびパッキン材17と、その上に設置された柱脚つなぎ材19と、二階部B用の壁構造用パネル6の下端部に位置する横木3とを、ねじ軸およびナットからなる締結具31により一体に締結するように構成したため、上下の壁構造用パネル6を同時に、しかも強固に固定することができる。したがって、大径かつ長尺の通し柱等を設けることなく、所定の強度を有する複数階建ての木造住宅を容易に建設することができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、壁構造用パネル6および天井構造用パネル14を構成する格子状枠体5,12の一面のみに壁面板4,13を設置した例について説明したが、上記格子状枠体5,12の表裏両面に壁面板4,13をそれぞれ設置して固定するように構成してもよい。このように構成した場合には、上記壁構造用パネル6および天井構造用パネル14の強度および剛性を、さらに効果的に向上させることができるとともに、これらを予め工場生産しておくことにより、建築現場における内装材または床材の設置作業を省略できるという利点がある。
【0034】
また、上記壁構造用パネル6を建築物の外周部のみに設置してなる上記実施形態に代え、上記壁構造用パネル6を建築物の間仕切り部に設置することも可能であるとともに、上記天井構造用パネル14と同様の構成を有するパネルを一階部Aの床材として利用することも可能である。さらに、本発明に係る木造建築構造用パネルおよび木造建築構造は、個人用の木造住宅に限定されることなく、店舗、事務所、倉庫または学校、病院、研修施設等に広く適用可能であり、かつ上記格子状枠体5,12を構成する縦木材1,2,8,9および横木材3,10,11として、間伐材以外の通常の国内産木材または輸入材を使用可能であることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、間伐材を利用して構成することが可能な木造建築構造用パネルであって、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定された複数本の縦木材と、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定されるとともに、各縦木材を横方向に連結することにより格子状枠体を構成する複数本の横木材と、これらの縦木材および横木材により構成された格子状枠体の少なくとも一面を覆うように設置されて固定される壁面板とにより木造建築構造用パネルを形成し、また複数枚の木造建築構造用パネルを組み合わせることにより、木造建築物を建設するようにしたため、熟練した大工職人によることなく、所定の強度および剛性を有するとともに、優れた外観を備えた木造住宅等からなる建築物を形成することができる。したがって、杉材または檜材等の間伐材を有効に利用することができるため、森林における間伐材等の手入れを促進して我が国の林業を保護育成することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】壁構造用パネルの格子状枠体を構成する部材の具体例を示す斜視図である。
【図2】壁構造用パネルの具体例を示す斜視図である。
【図3】壁構造用パネルと柱材とを示す斜視図である。
【図4】天井構造用パネルの格子状枠体を構成する部材の具体例を示す斜視図である。
【図5】天井構造用パネルの具体例を示す斜視図である。
【図6】土台上に壁構造用パネルを設置した状態を示す斜視図である。
【図7】壁構造用パネルにより構成された一階部の具体例を示す斜視図である。
【図8】一階部上に柱頭つなぎ材を設置した状態を示す斜視図である。
【図9】一階部上に天井構造用パネルを設置した状態を示す斜視図である。
【図10】一階部上に二階部用の柱脚つなぎ材を設置した状態を示す斜視図である。
【図11】一階部上に二階部を構成した状態を示す斜視図である。
【図12】二階部上に二階壁つなぎ材を設置した状態を示す斜視図である。
【図13】二階部上に天井構造用パネルを設置した状態を示す斜視図である。
【図14】二階部上に設置される小屋組の具体例を示す斜視図である。
【図15】壁構造用パネルの設置状態を示す平面図である。
【図16】壁構造用パネルの設置状態を示す側面図である。
【図17】一階部と二階部との壁構造用パネルの連結状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1,2 縦木材
3 横木材
4 壁面板
5 格子状枠体
6 壁構造用パネル
8,9 縦木材
10,11 横木材
12 格子状枠体
13 壁面板
14 天井構造用パネル
Claims (2)
- 間伐材を利用して構成することが可能な木造建築構造用パネルであって、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定された複数本の縦木材と、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定されるとともに、各縦木材を横方向に連結することにより格子状枠体を構成する複数本の横木材と、これらの縦木材および横木材により構成された格子状枠体の少なくとも一面を覆うように設置されて固定される壁面板とを備えたことを特徴とする木造建築構造用パネル。
- 間伐材を利用して構成することが可能な木造建築構造であって、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定された複数本の縦木材と、断面の縦横寸法がそれぞれ30mm〜150mmの範囲内に設定されるとともに、各縦木材を横方向に連結することにより格子状枠体を構成する複数本の横木材と、これらの縦木材および横木材により構成された格子状枠体の少なくとも一面を覆うように設置されて固定される壁面板とを備えた複数の木造建築構造用パネルが組み合わされてなることを特徴とする木造建築構造。
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JP2011246925A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Force One Holdings Kk | 木造建築構造 |
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- 2003-01-31 JP JP2003023842A patent/JP2004232384A/ja active Pending
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