JP2004231997A - 三次元形状造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】造形プレート1上に金属粉末層2aの焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層3が一体化された三次元形状を有する造形物4を製造する方法であって、必要形状の造形物4と造形プレート1とを一体に切り出す際の加工基準となる基準形状部5を造形物4と同時に焼結造形し、造形終了後に造形プレート1を必要形状にカットして必要形状の造形物4と造形プレート1とを一体に切り出す。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、造形プレート上の金属粉末層を光ビームで焼結硬化させることで三次元形状を有する造形物を製造し、後加工により必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出すための三次元形状造形物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、金属粉末材料に光ビームを照射して硬化層を形成し、その硬化層を積層して三次元形状造形物を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。他の従来例として金属粉末焼結部品の表面仕上げを行なう方法(例えば、特許文献2参照)や、粉末層を所定の境界内部において選択的に焼結させて、相互に焼結された複数層からなる部品を製造する方法(例えば、特許文献3参照)も知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−115004号公報
【特許文献2】
特開2000−73108号公報
【特許文献3】
特許第2620353号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来においては、図19のように、材料タンク13内の昇降テーブル8上に金属粉末材料2を投入し、造形タンク10内の昇降テーブル14に固定した造形プレート1上に平板ブレード15を矢印Hに向かって移動させることにより、造形プレート1上に金属粉末材料2を供給し、光ビームLを金属粉末層2aの硬化させたい箇所に照射してレーザー焼結を行ない、硬化層3を形成する。その後、昇降テーブル14を1層分の厚みEだけ下降させて金属粉末層2aの供給、光ビームLの照射を行なうことで2層目の硬化層3を形成する。このような材料供給工程と光ビームL照射工程とを繰り返すことによって、造形プレート1上に上下複数の硬化層3が順次堆積されていき、三次元形状を有する造形物4(硬化積層物)を製造するものである。
【0005】
ここで、造形プレート1は造形終了後に造形物4(硬化積層物)から切り離すのではなく、造形物4の一部として利用するのが一般的である。例えば図20のように、造形プレート1’の上に一体化された造形物4を図20に示すモールドベース17に組み込み、金型の型部として用いるようにしている。
【0006】
ここで、図21(a)のように造形プレート1の位置と造形物4が造形される位置とが一致し、且つ造形物4の基準軸方向J(J’)と造形プレート1の基準軸K(K’)とが平行であれば、造形プレート1に対する造形位置は決定されるが、実際には、造形プレート1を固定する基準がないため、図22のように造形物4の基準軸方向J(J’)と造形プレート1の基準軸K(K’)とがズレやすくなり、結果図21(b)に示すa×bサイズの造形プレート1に造形物4がズレて造形されてしまうことがある。このため数μmオーダーで図21(a)のように造形する位置を造形プレート1に対して合わせるのは困難である。
【0007】
そこで、本発明者らは本発明に至る過程で、図21(c)、図23(a)のように必要形状よりも大きい造形プレート1上に造形物4を造形し、後加工によりワイヤカット装置などを用いて、図21(d)、図23(b)のようにワイヤカット装置などで必要形状の造形プレート1’を切り出す方法を考えた。
【0008】
ところが、図21(d)のように造形物4自体が切り出す際の加工基準となるストレート端面1m,1nを有している場合は、ストレート端面1mから距離gをあけ、ストレート端面1nから距離fをあけて所定寸法c,dで切り出すことで、造形プレート1の位置に対して造形物4の基準軸方向J(J’)が決まるが、例えば図21(e)のような造形物4自体が加工基準を持たない場合は、必要形状に切り出すことができなくなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、造形時に必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す加工基準を設けることによって、造形プレートの位置を造形物の造形位置に正確に合わせる必要がなく、しかも加工基準を造形物と一緒に焼結造形できて造形時間を短縮できるようにした三次元形状造形物の製造方法を提供することにあり、他の目的とするところは、表面除去機構を利用して切り出し基準加工を行なったり、加工基準となるマーキングができる三次元形状造形物の製造方法を提供することにあり、他の目的とするところは、画像処理を用いて造形プレート上の本来の位置に造形物を造形させることができ、しかも後加工で造形プレートを必要形状に切り出す必要がなく、加工基準を造形焼結によって形成する必要もなく、造形時間を一層短縮できる三次元形状造形物の製造方法を提供することにあり、他の目的とするところは、画像処理を用いて造形プレートの位置を認識し、位置ズレ量に応じて造形プレートの位置を修正することで、造形プレート上の本来の位置に造形させることができる三次元形状造形物の製造方法を提供することにあり、更に他の目的とするところは、造形プレートの位置決め固定を造形タンクを利用して行なうことができる三次元形状造形物の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、造形プレート1上に供給された金属粉末層2aの所定箇所に光ビームLを照射して焼結させることによって硬化層3を形成し、この硬化層3の上に更に金属粉末層2aを被覆して金属粉末層2aの所定箇所に光ビームLを照射して下の硬化層3と一体となった上の硬化層3を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層3が一体化された三次元形状を有する造形物4を製造し、造形終了後に造形プレート1を必要形状にカットして必要形状の造形物4と造形プレート1’とを一体に切り出す三次元形状造形物の製造方法であって、上記必要形状の造形物4と造形プレート1’とを一体に切り出す際の加工基準となる基準形状部5を造形物4と同時に焼結造形することを特徴としており、このように構成することで、造形終了後に必要形状の造形物4と造形プレート1’とを一体に切り出す際に、造形物4と一緒に造形された基準形状部5を加工基準とすることができ、基準形状部5によって後加工で必要形状の切り出しが可能となり、本方法によって成形金型や部品の加工を行なうことができ、しかも造形開始前に造形プレート1の位置を造形物4の造形位置に正確に合わせる必要がないものであり、そのうえ造形物4と同時に基準形状部5を造形することで、造形時間を短縮できる。
【0011】
また上記基準形状部5を、造形物4とは別の位置に焼結造形するのが好ましく、この場合、造形物4の形状には制約されないで、加工基準となる基準形状部5を独立して任意の形状に造形できる。
【0012】
また上記基準形状部5を複数に分散させて配置するのが好ましく、この場合、大きな基準形状部5を焼結造形する必要がなくなる。
【0013】
また上記基準形状部5を、造形物4と一体に形成するのが好ましく、この場合、造形物4自体が加工基準を持つようになり、余分な加工基準を造形物4とは別に別途造形する必要がなくなる。
【0014】
また本発明は、造形途中で硬化層3の表面除去加工を行なう表面除去機構6に、必要形状の切り出し基準加工或いは造形プレート1への加工基準となるマーキングのいずれかを行なう機能を持たせたことを特徴としており、このように構成することで、加工基準となる基準形状部5を焼結造形により別途形成する必要がなくなる。さらに、造形物4の表面除去加工を行なうための表面除去機構6を利用して切り出し基準加工を行なう場合は、造形プレート1の取り外しがなく、切り出し加工を高精度で行なうことができ、一方、造形プレート1に加工基準となるマーキングをする場合は、その後で別の装置(例えばフライス、ワイヤカット等)を用いてマーキングを基に造形プレート1を精度良く切削加工可能となる。
【0015】
また上記硬化層3を形成するための光ビームLの照射機構を用いて造形プレート1上へ加工基準となるマーキングを行ない、造形終了後にマーキングに沿って切削装置で造形プレートを必要形状にカットすることを特徴としており、このように構成することで、マーキング専用の装置を別途設ける必要がなくなる。
【0016】
また本発明は、造形を行なう前に画像処理装置により造形プレート1の固定位置を計測して造形プレート1と造形物4の造形位置との位置ズレ量を求め、その位置ズレ量に応じて造形位置を移動させることを特徴としており、このように構成することで、画像処理を用いて造形プレート1の位置を認識し、位置ズレ量に応じて造形される位置を移動させることで、造形プレート1上の本来の位置に造形させることができ、しかも造形プレート1の大きさは必要形状の大きさでよく、後加工で造形プレート1を必要形状に切り出す必要がなく、加工基準を造形焼結によって形成する必要もなく、そのうえ造形物4の造形位置の方を造形プレート1の固定位置に合わせて移動させることで、造形プレート1を移動できない場合に有効である。
【0017】
また本発明は、造形を行なう前に画像処理装置により造形プレート1の固定位置を計測して造形プレート1と造形物4の造形位置との位置ズレ量を求め、その位置ズレ量に応じて造形プレート1の位置を移動させることを特徴としており、このように構成することで、画像処理を用いて造形プレート1の位置を認識し、位置ズレ量に応じて造形プレート1の位置を修正するので、造形プレート1上の本来の位置に造形させることができ、しかも造形プレート1の大きさは必要形状の大きさでよく、後加工で造形プレート1を必要形状に切り出す必要がなく、加工基準を造形焼結によって形成する必要もなくなる。
【0018】
また上記画像処理装置により造形プレート1の端面1aを検出して本来あるべき造形プレート1の位置に対する位置ズレ量を計測し、位置ズレ量に応じて造形プレート1の位置を修正するのが好ましく、この場合、画像処理を用いて造形プレート1の端面1aを検出し、位置ズレ量に応じて造形プレート1の位置修正或いは造形物4の造形位置の修正を行なうことで、造形プレート1上の本来の位置に造形させることができる。
【0019】
また上記造形プレート1に予め画像処理検出用マーク9をつけておき、そのマーク9位置を画像処理検出することにより造形プレート1の位置ズレ量を検出するのが好ましく、この場合、画像処理検出用マーク9を造形プレート1の予め決められた位置、例えば造形プレート1の四隅につけておくことにより、画像処理による位置ズレ量の検出が容易となる。
【0020】
また本発明は、造形タンク10の上面において、造形途中で硬化層の表面除去加工を行なう表面除去機構6の座標系原点Qからの距離W1,W2がわかっている位置U,Vに固定基準となる位置決め構造物11を設け、この位置決め構造物11に合わせて造形プレート1を造形タンク10内に固定することを特徴としており、このように構成することで、造形プレート1の位置が表面除去機構6の座標系のどこの位置にあるかわかり、造形プレート1がどこにあるかがわかれば、そこを基準に造形物4の造形位置を調整して、造形プレート1に対する造形位置を設定することができる。これにより、造形プレート1の位置決めが簡単に行なえると共に、造形タンク10を利用して固定基準となる位置決め構造物11を設けることにより、加工基準となる造形物4を別途造形する必要がなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0022】
図1、図2は請求項1に対応する実施形態である。図3、図4は造形プレート1上に所望の三次元形状を有する造形物4を製造する造形工程の途中で硬化層3表面を所望形状に除去する表面除去工程が挿入される場合の説明図である。本発明では、造形終了後に造形プレート1を必要形状にカットして必要形状の造形物4と造形プレート1’とを一体に切り出すために、造形プレート1を必要形状にカットする際の加工基準となる基準形状部5を造形物4と同時に焼結造形する点に特徴を有している。
【0023】
造形方法については従来と同様である。つまり図3に示す材料タンク13内の昇降テーブル8上に金属粉末材料2を投入してその上面を平坦に均す。金属粉末材料2には例えば平均粒径がφ20〜30μm程度の鉄粉が用いられる。一方、造形タンク10内の昇降テーブル14を図4(a)に示す一層分の厚みEだけ下げた位置にセットした状態で、平板ブレード15を矢印Hに向かって材料タンク13上から造形タンク10上に移動させることにより、昇降テーブル14上に固定した造形プレート1上に金属粉末材料2を供給し、その後、平板ブレード15を材料タンク13側に戻すと共に図4(b)のように光ビームLを金属粉末層2aの硬化させたい箇所に照射してレーザー焼結を行ない、1層目の厚みEを有する硬化層3を造形プレート1と一体に形成する。なお、光ビームLには例えば炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等が用いられる。その後、図4(c)のように昇降テーブル14を更に1層分の厚みEだけ下降させる。つまり、初期位置から2層分の厚みE’だけ降下させた状態で、再び平板ブレード15によって硬化層3の上に金属粉末層2aを供給し、硬化させたい箇所に光ビームLを照射して下の硬化層3と一体化された2層目の硬化層3を形成する。このような材料供給工程と光ビームL照射工程とを繰り返すことによって、図3のように造形プレート1上に上下複数の硬化層3が順次堆積されていき、三次元形状を有する造形物4(硬化積層物)を製造することができる。また造形工程中に、図4(d)のように表面除去機構6を用いて硬化層3の表面を所望形状に除去することで、造形物4を所望の三次元形状に仕上げることができる。
【0024】
本発明においては、上記造形プレート1上に、図1に示すように、型部となる造形物4と同時に、加工基準となる基準形状部5を焼結造形するものである。この基準形状部5は、造形プレート1を造形物4の一部として利用するために、造形プレート1を必要形状に切り出す際の加工基準として用いられるものであり、図1に示す例では、造形物4の二方向A,Bにおいて互いに直交する2つの細長いストレート部5a,5bからなり、各ストレート部5a,5bからそれぞれ外側に所定の設計距離F,G(図2)をあけて切り出し位置(カットライン)を設定することで、造形プレート1の必要形状が残るような必要サイズDで切り出すことができるようにしている。なお、基準形状部5は、切り出し加工後において不要であれば造形プレート1’から除去してもよい。
【0025】
しかして、造形終了後に必要形状の造形物4と造形プレート1’とを一体に切り出す際には、造形物4と一緒に造形された基準形状部5を加工基準とする。これにより造形物4が造形プレート1のどこに造形されるのかわからない場合や、造形物4自体が加工基準となるストレート端面を持たない場合、さらに造形工程中に切削工程を持たない場合であっても、必要形状の造形物4と造形プレート1’とを後加工で一体に切り出すことが可能となり、本方法によって成形金型や部品の加工を行なうことができ、しかも造形開始前に造形プレート1の位置を造形物4の造形位置に正確に合わせる必要がないものであり、そのうえ加工基準となるストレート部5a,5bを造形物4と同時に焼結造形することで、造形時間を短縮することができる。
【0026】
また本例では、加工基準となる基準形状部5を、図1のように型部となる造形物4とは別の位置に焼結造形するので、型部となる造形物4の形状に制約されないで、基準形状部5を任意の形状に形成できるものである。なお基準形状部5の形状は図1には限定されず、図5(a)のように基準形状部5が造形物4の二方向A,Bを囲む平面視L字状の細長いストレート部5c,5dを有する場合、或いは図5(b)のように造形物4の四方A,B,A’,B’を囲む平面視四角形状の細長いストレート部5c〜5fを有する場合でもよい。図1及び図5は請求項2に対応する実施形態である。また図6のように基準形状部5を複数の小さい四角形状に分散させ、各四角形状の一辺を結ぶ線M1,M2を加工基準とする場合であってもよい。この図6は請求項3に対応する実施形態である。これらいずれの場合も必要形状の切り出しが可能となり、しかも基準形状部5は型部となる造形物4とは別の位置に焼結造形されるため、型部となる造形物4の形状とは無関係に、基準形状部5を独立して任意の形状に設定できるという利点があり、特に図6の小さな複数の四角形状とした場合は、図5(a)或いは(b)の基準形状部5と比較して焼結造形する領域を小さくでき、造形時間が一層短縮するという利点がある。
【0027】
本発明の他の実施形態として、図7、図8に示すように、基準形状部5を造形物4と一体に形成してもよい。図7、図8は請求項4に対応する実施形態である。図7の例では、基準形状部5は造形物4の二辺に沿って互いに直角な2つのストレート端面4a,4bからなり、2つのストレート端面4a,4bを基に切り出し位置(カットライン)を決定するものであり、これにより造形物4自体が加工基準を持つようになり、余分な加工基準を造形物4とは別に別途造形する必要がなくなり、造形時間を短縮できる。
【0028】
また図8に示すように、造形物4の外周全周を囲むように基準形状部5を配置すると共に、基準形状部5の外周の4辺にそれぞれ加工基準となるストレート端面5h〜5kを形成するようにしてもよい。ここでは、基準形状部5の上に型部となる造形物4が配置された形状をしており、4つのストレート端面5h〜5kは互いに直角な位置関係にあり、このストレート端面5h〜5kを基に切り出し位置a1(カットライン)を決めるようにしている。これにより、造形終了後にモールドベース17(図20)に必要形状の造形物4と造形プレート1’を組み込んで金型を形成する場合、造形物4を型部として、基準形状部5を金型のすりあわせ面として利用できるという利点もある。
【0029】
本発明の更に他の実施形態として、造形装置内に造形途中で硬化層3の表面除去加工を行なう表面除去機構6(図3)を備える場合において、この表面除去機構6を用いて図9に示す必要形状の切り出し基準加工或いは図10に示す加工基準となるマーキングのいずれかを行なうようにしてもよい。図9、図10は請求項5に対応する実施形態である。先ず図9の例では表面除去機構6(図3)として切り出し加工できる能力を有するもの、例えば回転刃物のミーリング機構によって造形プレート1を加工基準線a2に沿ってカットする。この場合の加工基準線a2のデータは表面除去機構6の駆動部に予めプログラミングされているものとする。これにより、前記実施形態のように加工基準となる基準形状部5を焼結造形により別途形成する必要がなくなるため、造形時間を短縮できるものであり、しかも、表面除去機構6を利用して造形プレート1を必要形状に切り出すので、造形プレート1の取り外しがなく、切り出し加工を高精度で行なえるものとなり、そのうえ既設の表面除去機構6を利用することで、切り出し加工のための専用の機構を別途設ける必要もなく、造形装置の構造を簡略化することができるという利点がある。これに対し、表面除去機構6が切り出し加工するだけの能力を持たない切削加工用スピンドル等の場合においては、図10(a)に示すように、造形プレート1上に切削加工用スピンドルにて加工基準線7(例えばケガキ線7a)をマーキングし、その後、別の装置(例えばフライス加工装置、ワイヤカット装置等)で加工基準線7を基に造形プレート1を切削加工してもよい。なお加工基準線7としてはケガキ線7a以外に例えば十字マーク、円などの各種基準マークであってもよい。また、図10(b)に示すように、造形物4を囲む複数位置に基準穴7bを穴明け加工してもよい。さらに他例として、硬化層3を形成するための光ビームLを照射する機構(図示せず)を用いて図11に示す加工基準線7(ケガキ線、十字マーク等)を加工するようにしてもよい。なお光ビームLには赤外線レーザ、例えば炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等が用いられる。いずれの場合も、マーキング専用の装置を別途設ける必要がなく、造形装置の簡易化を図ることができる。
【0030】
前記実施形態では、造形プレート1上に加工基準となる造形焼結或いはマーキングを行なう場合を説明したが、画像処理によって造形プレート1に対する造形位置の位置決めを行なう方法であってもよい。
【0031】
図13〜図18は画像処理装置を造形プレート1と造形物4の造形位置とを位置決めする場合を示す。図13は請求項7に対応し、図14は請求項8に対応し、図15は請求項9に対応し、図16は請求項10に対応し、図17、図18は請求項11に対応する実施形態である。
【0032】
まず、図13は、画像処理装置を用いて造形プレート1の固定位置を計測し、造形プレート1と造形物4の造形位置との位置ズレ量を求め、その位置ズレ量に応じて造形させる位置を移動させる場合の一例を示している。ちなみに、図12のように造形プレート1の固定位置と造形物4が造形位置とが既に合致している場合はよいが、実際には造形プレート1が昇降テーブル14(図3)上に固定されるときに固定基準位置がないため、どこに固定されるのわからない。そのため、造形プレート1上のどこに造形物4が造形されるのかがわからない。そこで本例では、画像処理によって図13(a)に示す造形装置内の実際の造形プレート1の固定位置を計測する。例えば撮像カメラで造形プレート1の位置を捉えて画像処理により位置を認識する。そして、設計上の造形プレート1Aに対する平行位置ズレ量(Δx,Δy)と回転角度(Δθ)とを求め、この計測結果に応じて造形プレート1の位置をx,y,θ方向に移動させて、図13(b)のように造形物4の造形位置を実際の造形プレート1に合致させる。しかして、画像処理にて造形プレート1の位置を認識し、位置ズレ量に応じて造形位置を決定するので、たとえ造形プレート1が傾いていても、造形プレート1上の本来の位置に造形させることができる。また本例では、造形プレート1の大きさは必要形状の大きさでよく、従って、大きめの造形プレート1に造形した後に必要形状に切り出すための後加工が不要となるため、作業の手間を大幅に削減でき、そのうえ加工基準を造形焼結によって別途形成する必要もないため、造形時間を一層短縮できるものである。そのうえ、造形位置の方を造形プレート1に合わせて移動させるので、造形プレート1を移動できない場合に有効となる。
【0033】
図14は、画像処理装置により造形プレート1の固定位置を計測し、造形物4の造形位置との位置ズレ量を求め、位置ズレ量に応じて造形プレート1の位置を移動させる場合の一例を示している。図14(a)において、画像処理によって実際の造形プレート1の固定位置を計測して、設計上の造形プレート1Aに対する平行位置ズレ量(Δx,Δy)と回転角度(Δθ)とを求め、計測結果に基いて図14(b)のように造形プレート1の方を移動させる。これにより、前記図13の実施形態と同様な作用効果が得られるうえに、造形プレート1の方を造形位置に合わせて移動させるので、造形位置を移動できないときに有効である。
【0034】
次に、上記画像処理によって造形プレート1の位置ズレ量を求める場合の具体例を説明する。図15は、画像処理装置により実際の造形プレート1の端面1aを検出し、本来あるべき造形プレート1の位置に対する位置ズレ量を計測する場合の一例を示している。図15(a)は造形プレート1の一辺に対して最低2箇所で画像処理を行ない、端面位置を計測する場合を示す。端面位置は濃淡処理で求める。図15(b)、(c)は検出ラインを境界とする明暗レベルを示している。本例では、造形プレート1の一辺において距離L1をあけた2箇所の計測座標S1(x1,y1)、S2(x2,y2)と、これと隣接する他辺において距離L2をあけた2箇所の計測座標S3(x3,y3)、S4(x4,y4)において、それぞれ端面位置を計測している。そして、図15(b)のように画像処理領域S1〜S4においてカメラで検出した検出点P1,P2とP3,P4とを結ぶ直線を延長し、延長線N1,N2の交点を造形プレート1の端面座標とし、この座標値と本来あるべき造形プレート1の位置との差から平行位置ズレ量(Δx,Δy)を求め、同様にして、延長線N1,N2の傾き角度と本来あるべき造形プレート1の角度の差から回転角度(Δθ)を求め、これら平行位置ズレ量(Δx,Δy)と回転角度(Δθ)とで造形プレート1の位置修正を行なう。しかして、画像処理装置により実際の造形プレート1の端面1aを検出し、本来あるべき造形プレート1の位置に対する位置ズレ量を計測し、位置ズレ量に応じて造形プレート1の位置修正或いは造形物4の造形位置の修正を行なうことで、前記図13の実施形態と同様な作用効果が得られるうえに、造形プレート1上の本来の位置に造形させることができるものである。
【0035】
また他例として、図16に示すように、造形プレート1の四隅を画像処理領域Sとし、各画像処理領域Sに画像処理検出用マーク9をつけておき、そのマーク9位置を画像処理にて検出することにより位置ズレ量を検出するようにしてもよい。画像処理検出用マーク9として例えば、小穴、十字マーク等、任意であり、これを造形プレート1の予め決められた位置、例えば造形プレート1の四隅につけておくことにより、画像処理による位置ズレ量の検出が容易となる。
【0036】
更に他の例として、図17に示すように、造形タンク10の上面において、造形途中で硬化層の表面除去加工を行なう表面除去機構6(図3)の座標系原点からの距離がわかっている位置に固定基準となる位置決め構造物11を設け、この位置決め構造物11に合わせて造形プレート1を造形タンク10内に固定するようにしてもよい。この位置決め構造物11は、図17(a)に示すストレート形状、或いは図17(b)に示すピン形状のいずれでもよい。いずれの場合も、位置決め構造物11は、表面除去機構6の座標系原点Qからの距離W1,W2がわかっている位置U,Vにそれぞれ設けられ、この位置決め構造物11に合わせて造形プレート1を固定することによって、造形プレート1の位置が表面除去機構6の座標系のどこの位置にあるかわかり、造形プレート1がどこにあるかがわかれば、そこを基準に造形物4の造形位置を調整して、造形プレート1に対する造形位置を設定することができる。従って、造形プレート1の位置決めが簡単に行なえると共に、加工基準となる造形物4を別途造形する必要がなくなり、造形時間を短縮できる。また位置決め構造物11として、図17(b)に示す位置決めピンを用いる場合において、造形装置内に設けられる表面除去機構6を用いて位置決めピンを立てる位置の加工をすれば、位置決めピンを取り付ける際の位置合わせ調整を簡単に行なうことができるようになる。さらに図18に示すように、造形プレート1が小さい場合は、寸法のわかっている平行ブロック50を位置決め構造物11と造形プレート1との間に入れ、平行ブロック50の端面50aに位置決め構造物11を位置決めする。これにより寸法がわかっている平行ブロック50を介して、造形プレート1がどこにあるかがわかるようになり、造形プレート1が小さい場合でもその造形プレート1に対する造形位置を容易に設定できるものである。
【0037】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、造形プレート上に供給された金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造し、造形終了後に造形プレートを必要形状にカットして必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す三次元形状造形物の製造方法であって、上記必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す際の加工基準となる基準形状部を造形物と同時に焼結造形するので、造形終了後に必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す際に、造形物と一緒に造形された基準形状部を加工基準とすることができ、従って、造形物が造形プレートのどこに造形されるのかわからない場合や、造形物自体が加工基準となるストレート端面を持たない場合、さらに造形工程中に切削工程を持たない場合であっても、必要形状の造形物と造形プレートとを後加工で一体に切り出すことが可能となり、本方法によって成形金型や部品の加工を行なうことができ、しかも造形開始前に造形プレートの位置を造形物の造形位置に正確に合わせる必要がないものであり、そのうえ加工基準となる基準形状部を造形物と一緒に焼結造形することで、造形時間を短縮できるものである。
【0038】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記基準形状部を、造形物とは別の位置に焼結造形するので、造形物の形状には制約されないで、加工基準となる基準形状部を独立して任意の形状に造形できるものである。
【0039】
また請求項3記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記基準形状部を複数に分散させて配置するので、大きな基準形状部を焼結造形する必要がないため、造形時間を短縮できる。
【0040】
また請求項4記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記基準形状部を、造形物と一体に形成するので、造形物自体が加工基準を持つようになり、余分な加工基準を造形物とは別に別途造形する必要がなくなり、造形時間を短縮できる。
【0041】
また請求項5記載の発明は、造形プレート上に供給された金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造する造形工程を備え、造形途中で硬化層表面を所望形状に除去する表面除去工程が挿入され、造形終了後に造形プレートを必要形状にカットして必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す三次元形状造形物の製造方法であって、上記造形途中で硬化層の表面除去加工を行なう表面除去機構に、必要形状の切り出し基準加工或いは造形プレートへの加工基準となるマーキングのいずれかを行なう機能を持たせたので、加工基準となる基準形状部を焼結造形により別途形成する必要がなくなるため、造形時間を短縮できる。さらに、造形物の表面除去加工を行なうための表面除去機構を利用して切り出し基準加工を行なう場合は、造形プレートの取り外しがなく、切り出し加工を高精度で行なうことができ、一方、造形プレートにマーキングをする場合は、その後で別の装置(例えばフライス、ワイヤカット等)を用いてマーキングを基に造形プレートを精度良く切削加工可能となる。
【0042】
また請求項6記載の発明は、上記硬化層を形成するための光ビームの照射機構を用いて造形プレート上へ加工基準となるマーキングを行ない、造形終了後に切削装置でマーキングに沿って造形プレートを必要形状にカットするので、マーキング専用の装置を別途設ける必要がなく、造形装置の構造を簡略化することができる。
【0043】
また請求項7記載の発明は、造形装置内に固定された造形プレート上に金属粉末層を供給し、この金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造すると共に、造形途中で硬化層表面を所望形状に除去する表面除去工程を挿入する方法であって、造形を行なう前に画像処理装置により造形プレートの固定位置を計測して造形プレートと造形物の造形位置との位置ズレ量を求め、その位置ズレ量に応じて造形位置を移動させるので、画像処理を用いて造形プレートの位置を認識し、位置ズレ量に応じて造形される位置を移動させることで、造形プレート上の本来の位置に造形させることができ、しかも造形プレートの大きさは必要形状の大きさでよく、後加工で造形プレートを必要形状に切り出す必要がなく、加工基準を造形焼結によって形成する必要もないため、造形時間を一層短縮できると共に、造形位置の方を造形プレートの固定位置に合わせて移動させることで、造形プレートを移動できない場合に有効である。
【0044】
また請求項8記載の発明は、造形装置内に固定された造形プレート上に金属粉末層を供給し、この金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造すると共に、造形途中で硬化層表面を所望形状に除去する表面除去工程を挿入する方法であって、造形を行なう前に画像処理装置により造形プレートの固定位置を計測して造形プレートと造形物の造形位置との位置ズレ量を求め、その位置ズレ量に応じて造形プレートの位置を移動させるので、画像処理を用いて造形プレートの位置を認識し、位置ズレ量に応じて造形プレートの位置を修正するので、造形プレート上の本来の位置に造形させることができ、しかも造形プレートの大きさは必要形状の大きさでよく、後加工で造形プレートを必要形状に切り出す必要がなく、加工基準を造形焼結によって形成する必要もないため、造形時間を一層短縮できる。
【0045】
また請求項9記載の発明は、請求項7又は請求項8記載の効果に加えて、画像処理装置により造形プレートの端面を検出して本来あるべき造形プレートの位置に対する位置ズレ量を計測し、位置ズレ量に応じて造形プレートの位置を修正するので、画像処理を用いて造形プレートの端面を検出し、位置ズレ量に応じて造形プレートの位置修正或いは造形物の造形位置の修正を行なうことで、造形プレート上の本来の位置に造形させることができる。
【0046】
また請求項10記載の発明は、請求項7又は請求項8記載の効果に加えて、造形プレートに予め画像処理検出用マークをつけておき、そのマーク位置を画像処理検出することにより造形プレートの位置ズレ量を検出するので、画像処理検出用マークを造形プレートの予め決められた位置、例えば造形プレートの四隅につけておくことにより、画像処理による位置ズレ量の検出が容易となる。
【0047】
また請求項11記載の発明は、造形プレート上に供給された金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造すると共に途中で硬化層表面を所望形状に除去する表面除去工程が挿入される三次元形状造形物の製造方法であって、造形タンクの上面において、造形途中で硬化層の表面除去加工を行なう表面除去機構の座標系原点からの距離がわかっている位置に固定基準となる位置決め構造物を設け、この位置決め構造物に合わせて造形プレートを造形タンク内に固定するので、造形プレートの位置が表面除去機構の座標系のどこの位置にあるかわかり、造形プレートがどこにあるかがわかれば、そこを基準に造形物の造形位置を調整して、造形プレートに対する造形位置を設定することができる。これにより、造形プレートの位置決めが簡単に行なえると共に、造形タンクを利用して固定基準となる位置決め構造物を設けることにより、加工基準となる造形物を別途造形する必要がなく、造形時間を一層短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態の一例を示す平面断面図、(b)は側面断面図である。
【図2】同上の基準形状部を加工基準として必要形状を切り出す場合の説明図である。
【図3】同上の造形装置の概略断面図である。
【図4】(a)〜(d)は同上の造形工程の説明図である。
【図5】(a)は同上の基準形状部の他例の説明図、(b)は更に他例の説明図である。
【図6】同上の基準形状部の更に他例の説明図である。
【図7】同上の基準形状部を造形物と一体形成した場合の一例の平面断面図である。
【図8】(a)は同上の基準形状部を造形物と一体形成した場合の他例の平面断面図、(b)は側面断面図である。
【図9】同上の表面除去機構を用いて必要形状を切り出し基準加工する場合の説明図である。
【図10】(a)は同上の表面除去機構を用いてケガキ線をマーキングする場合の説明図、(b)は加工基準穴を形成する場合の説明図である。
【図11】同上のマーキングをレーザ照射により行なう場合の説明図である。
【図12】同上の造形プレートの固定位置と造形物の造形位置とのズレがない場合の説明図である。
【図13】(a)は同上の造形プレートの固定位置と造形物の造形位置とにズレがある場合の説明図、(b)は造形位置を移動させてズレを修正した後の説明図である。
【図14】(a)は同上の造形プレートの固定位置と造形物の造形位置とにズレがある場合の説明図、(b)は造形プレートを移動させてズレを修正した後の説明図である。
【図15】(a)(b)は同上の造形プレートの固定位置と造形物の造形位置とのズレを画像処理によって検出する場合の説明図、(c)は検出ラインの明暗レベルの説明図である。
【図16】(a)は同上の造形プレートに画像処理検出用マークを設けた場合の説明図、(b)は(a)の画像処理領域内の画像処理検出用マークの中心位置を検出する場合の説明図である。
【図17】(a)は同上の造形タンクにおける表面除去機構の座標系に対する所定位置に位置決め構造物を設けた場合の一例の説明図、(b)は他例の説明図である。
【図18】同上の位置決め構造物の他例の説明図である。
【図19】従来の三次元形状造形物の製造方法を説明する断面図である。
【図20】従来の造形物及び造形プレートの必要形状の部分を型部としてモールドベースに組み込んだ状態を説明する断面図である。
【図21】(a)は従来の造形プレートの位置と造形物の造形される位置とが正規の位置関係にある場合の平面図、(b)は位置関係がズレている場合の平面図、(c)は大きい造形プレート上に造形物を造形した場合の平面図、(d)は(c)の造形プレートを必要形状に切り出す場合を説明する平面図、(e)は造形物に切り出しの加工基準がない場合の一例を説明する平面図である。
【図22】従来の造形物が造形される位置と造形プレートの位置との関係を説明する平面図である。
【図23】(a)は必要形状を切り出す前の断面図、(b)は切り出し後の断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 造形プレート
1a 端面
2a 金属粉末層
3 硬化層
4 造形物
5 基準形状部
6 表面除去機構
9 画像処理検出用マーク
10 造形タンク
11 位置決め構造物
L 光ビーム
Q 座標系原点
W1、W2 座標系原点からの距離
U,V 位置決め構造物の位置
Claims (11)
- 造形プレート上に供給された金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造し、造形終了後に造形プレートを必要形状にカットして必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す三次元形状造形物の製造方法であって、上記必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す際の加工基準となる基準形状部を造形物と同時に焼結造形することを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
- 上記基準形状部を、造形物とは別の位置に焼結造形することを特徴とする請求項1記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 上記基準形状部を複数に分散させて配置することを特徴とする請求項2記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 上記基準形状部を、造形物と一体に形成することを特徴とする請求項1記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 造形プレート上に供給された金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造する造形工程を備え、造形途中で硬化層表面を所望形状に除去する表面除去工程が挿入され、造形終了後に造形プレートを必要形状にカットして必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す三次元形状造形物の製造方法であって、上記造形途中で硬化層の表面除去加工を行なう表面除去機構に、必要形状の切り出し基準加工或いは造形プレートへの加工基準となるマーキングのいずれかを行なう機能を持たせたことを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
- 造形プレート上に供給された金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造する造形工程を備え、造形終了後に造形プレートを必要形状にカットして必要形状の造形物と造形プレートとを一体に切り出す三次元形状造形物の製造方法であって、硬化層を形成するための光ビームの照射機構を用いて上記造形プレート上に加工基準となるマーキングを行ない、造形終了後にマーキングに沿って切削装置で造形プレートを必要形状にカットすることを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
- 造形装置内に固定された造形プレート上に金属粉末層を供給し、この金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造すると共に、造形途中で硬化層表面を所望形状に除去する表面除去工程を挿入する方法であって、造形を行なう前に画像処理装置により造形プレートの固定位置を計測して造形プレートと造形物の造形位置との位置ズレ量を求め、その位置ズレ量に応じて造形位置を移動させることを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
- 造形装置内に固定された造形プレート上に金属粉末層を供給し、この金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造すると共に、造形途中で硬化層表面を所望形状に除去する表面除去工程を挿入する方法であって、造形を行なう前に画像処理装置により造形プレートの固定位置を計測して造形プレートと造形物の造形位置との位置ズレ量を求め、その位置ズレ量に応じて造形プレートの位置を移動させることを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
- 画像処理装置により造形プレートの端面を検出して本来あるべき造形プレートの位置に対する位置ズレ量を計測し、位置ズレ量に応じて造形プレートの位置を修正することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 造形プレートに予め画像処理検出用マークをつけておき、そのマーク位置を画像処理検出することにより造形プレートの位置ズレ量を検出することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 造形プレート上に供給された金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して焼結させることによって硬化層を形成し、この硬化層の上に更に金属粉末層を被覆して金属粉末層の所定箇所に光ビームを照射して下の硬化層と一体となった上の硬化層を形成し、上記焼結と積層とを繰り返すことにより上下複数の硬化層が一体化された三次元形状を有する造形物を製造すると共に途中で硬化層表面を所望形状に除去する表面除去工程が挿入される三次元形状造形物の製造方法であって、造形タンクの上面において、造形途中で硬化層の表面除去加工を行なう表面除去機構の座標系原点からの距離がわかっている位置に固定基準となる位置決め構造物を設け、この位置決め構造物に合わせて造形プレートを造形タンク内に固定することを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
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