JP2004230030A - 超低x線量ct画像生成方法およびx線ct装置 - Google Patents
超低x線量ct画像生成方法およびx線ct装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】超低X線量で胸部を取得した投影データから画質の良いCT画像を生成する。
【解決手段】超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、腕アーチファクト低減処理と、Zフィルタ処理と、ファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減する。
【効果】肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【選択図】 図2
【解決手段】超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、腕アーチファクト低減処理と、Zフィルタ処理と、ファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減する。
【効果】肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超低X線量CT(Computed Tomography)画像生成方法およびX線CT装置に関し、更に詳しくは、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データから画質の良いCT画像を生成することが出来る超低X線量CT画像生成方法およびX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線CT装置において、取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理を行うことが知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照。)。また、Zフィルタ処理を行うことが知られている(例えば、特許文献2および非特許文献2,非特許文献3,非特許文献4参照。)。また、ファンパラ変換処理を行うことが知られている(例えば、特許文献3および非特許文献5参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−112749号公報
【特許文献2】
特開2001−353143号公報
【特許文献3】
特許第3174288号公報
【非特許文献1】
辻岡勝美著「CT自由自在」株式会社メジカルビュー社、2001年7月10日、第40頁、第101頁
【非特許文献2】
H.Hu and Y.Shen“Helical CT reconstruction with longitudinal filtration”Medical Physics 25, November 1998
【非特許文献3】
辻岡勝美著「CT自由自在」株式会社メジカルビュー社、2001年7月10日、第59頁
【非特許文献4】
山下康行著「極めるマルチスライスCT」株式会社中外医学社、2001年4月15日、第23〜24頁
【非特許文献5】
山下康行著「極めるマルチスライスCT」株式会社中外医学社、2001年4月15日、第112頁第19〜20行
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、肺ガン検診において、被曝低減のために管電流40mA以下の超低X線量で撮影することが提案されている。
しかし、超低X線量で胸部を撮影したCT画像は、ノイズおよびアーチファクトの多い低画質になる問題点がある。
【0005】
一方、X線CT装置において、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とがそれぞれ知られていたが、いずれも解像度を劣化させてしまうため、いずれか一つが選択的に実施されており、これらが組み合わせて実施されることはなかった。また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを利用して、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データから画質の良いCT画像を生成することが出来る超低X線量CT画像生成方法およびX線CT装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とはいずれも解像度を劣化させてしまうため、これらが組み合わせて実施されることはなく、また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
ところが、本願発明者らが、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行してみたところ、解像度が劣化するデメリットよりも、ノイズおよびアーチファクトを低減できるメリットの方がはるかに大きいことを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、上記第1の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【0008】
第2の観点では、本発明は、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびZフィルタ処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とはいずれも解像度を劣化させてしまうため、これらが組み合わせて実施されることはなく、また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
ところが、本願発明者らが、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とを組み合わせて実行してみたところ、解像度が劣化するデメリットよりも、ノイズおよびアーチファクトを低減できるメリットの方がはるかに大きいことを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、上記第2の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【0009】
第3の観点では、本発明は、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
腕アーチファクトの低減処理とファンパラ変換処理とはいずれも解像度を劣化させてしまうため、これらが組み合わせて実施されることはなく、また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
ところが、本願発明者らが、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、腕アーチファクトの低減処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行してみたところ、解像度が劣化するデメリットよりも、ノイズおよびアーチファクトを低減できるメリットの方がはるかに大きいことを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、上記第3の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【0010】
第4の観点では、本発明は、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対してZフィルタ処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
Zフィルタ処理とファンパラ変換処理とはいずれも解像度を劣化させてしまうため、これらが組み合わせて実施されることはなく、また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
ところが、本願発明者らが、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、Zフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行してみたところ、解像度が劣化するデメリットよりも、ノイズおよびアーチファクトを低減できるメリットの方がはるかに大きいことを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、上記第4の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対してZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【0011】
第5の観点では、本発明は、上記構成の超低X線量CT画像生成方法において、CT画像の解像度と,スライス方向の解像度と,連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて、前記腕アーチファクトの低減処理のパラメータを自動設定することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
上記第5の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で撮影する際の撮影パラメータであるCT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて腕アーチファクトの低減処理のパラメータを自動的に最適化するため、最も良好な画質を得ることが出来る。
【0012】
第6の観点では、本発明は、上記構成の超低X線量CT画像生成方法において、CT画像の解像度と,スライス方向の解像度と,連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて、前記Zフィルタ処理のパラメータを自動設定することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
上記第6の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で撮影する際の撮影パラメータであるCT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じてZフィルタ処理のパラメータを自動的に最適化するため、最も良好な画質を得ることが出来る。
【0013】
第7の観点では、本発明は、X線管と、検出器と、前記X線管又は前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第7の観点によるX線CT装置では、前記第1の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0014】
第8の観点では、本発明は、X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびZフィルタ処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第8の観点によるX線CT装置では、前記第2の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0015】
第9の観点では、本発明は、X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第9の観点によるX線CT装置では、前記第3の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0016】
第10の観点では、本発明は、X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対してZフィルタ処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第10の観点によるX線CT装置では、前記第4の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0017】
第11の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記画像生成手段は、CT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて前記腕アーチファクトの低減処理のパラメータを自動設定することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第11の観点によるX線CT装置では、前記第5の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0018】
第12の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記画像生成手段は、CT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて前記Zフィルタ処理のパラメータを自動設定することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第12の観点によるX線CT装置では、前記第6の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示す構成ブロック図である。
このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
【0021】
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、画像生成処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得した投影データを収集する投影データ収集バッファ5と、投影データから再構成したCT画像を表示するCRT6と、プログラムや投影データやCT画像を記憶する記憶装置7とを具備している。
【0022】
テーブル装置10は、被検体を乗せて走査ガントリ20のボア(空洞部)に入れ出しするクレードル12を具備している。クレードル12は、テーブル装置10に内蔵するモータで駆動される。
【0023】
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、検出器24と、DAS(Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りにX線管21などを回転させる回転コントローラ26と、制御信号などを操作コンソール1やテーブル装置10とやり取りする制御インタフェース29とを具備している。
【0024】
図3に示すように、「Lモード」と「Mモード」と「Hモード」の3種類の撮影モードがあり、いずれかをオペレータが撮影前に選択する。被曝を小さくすることを重視する場合は「Lモード」を選択し、CT画像を鮮明することを重視する場合は「Hモード」を選択し、バランスをとりたい場合は「Mモード」を選択する。
「Lモード」を選択すると、管電流「10mA」,XY面(アキシャル画像面)内の解像度「8」、Z方向(スライス方向)の解像度「5」、連続する画像(アキシャル画像)間のノイズの均一度(関心領域の分散)「20」に撮影パラメータが設定されてヘリカルスキャンされる。
Mモードを選択すると、管電流「25mA」,XY面内の解像度「10」、Z方向の解像度「2.5」、連続する画像間のノイズの均一度「50」に撮影パラメータが設定されてヘリカルスキャンされる。
Hモードを選択すると、管電流「40mA」,XY面内の解像度「12」、Z方向の解像度「1.25」、連続する画像間のノイズの均一度「80」に撮影パラメータが設定されてヘリカルスキャンされる。
【0025】
図2は、超低X線量で胸部をヘリカルスキャンして取得した投影データに対する画像生成処理を示すフロー図である。なお、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理のうちの少なくとも2つを実施するようにデフォルトで又はオペレータが予め設定しておく。
ステップS1では、投影データに対して、前処理(オフセット補正,対数補正,X線線量補正,感度補正)を行う。
【0026】
ステップS2では、腕アーチファクトの低減処理の一例であるAAR(Arm Artifact Reduction)を実施するか否かの設定をチェックし、実施するならステップS3へ進み、実施しないならステップS5へ進む。
【0027】
ステップS3では、撮影モードに応じてAARのパラメータを自動設定する。
すなわち、図3に示すように、撮影モードが「Lモード」ならスムージング幅「7点」,閾値「4」,荷重タイプ「一様」を設定し、「Mモード」ならスムージング幅「7点」,閾値「2」,荷重タイプ「一様」を設定し、「Hモード」ならスムージング幅「7点」,閾値「1」,荷重タイプ「ガウス」を設定する。
【0028】
ステップS4では、自動設定したAARのパラメータを用いてAARを実施する。
すなわち、ある点の投影データ値が隣接する点の投影データ値より“閾値”以上に下がっている場合に、当該点を中心とする“スムージング幅”分の連続する点の投影データ値を加重平均した値を当該点の投影データ値とする。そして、荷重タイプ「一様」なら各投影データに掛ける荷重を一定にし、荷重タイプ「ガウス」なら当該点から離れるほど各投影データに掛ける荷重を小さくする。
【0029】
ステップS5では、投影データに対してヘリカル補間のための重み付けを行う。
【0030】
ステップS6では、Zフィルタ処理を実施するか否かの設定をチェックし、実施するならステップS7へ進み、実施しないならステップS9へ進む。
【0031】
ステップS7では、撮影モードに応じてZフィルタ処理のパラメータを自動設定する。
すなわち、図3に示すように、ファンパラ変換処理を実施する場合であって撮影モードが「Lモード」ならZフィルタの係数「2」を設定し、「Mモード」ならZフィルタの係数「1.8」を設定し、「Hモード」ならZフィルタの係数「1.4」を設定する。また、ファンパラ変換処理を実施しない場合であって撮影モードが「Lモード」ならZフィルタの係数「2.5」を設定し、「Mモード」ならZフィルタの係数「2」を設定し、「Hモード」ならZフィルタの係数「1.8」を設定する。
【0032】
ステップS8では、自動設定したZフィルタのパラメータを用いてZフィルタ処理を実施する。
すなわち、Z方向(スライス方向)に複数の投影データを選んで加重平均し、画像再構成面上の投影データを算出する。そして、設定されたZフィルタの係数に基づいて各投影データに掛ける荷重を決める。
【0033】
ステップS9では、ファンパラ変換処理を実施するか否かの設定をチェックし、実施するならステップS10へ進み、実施しないならステップS11へ進む。
【0034】
ステップS10では、ファンパラ変換処理を実施する。
すなわち、ファンビームによって得られた投影データを例えばrebinning法によりパラレルビームによって得られた如き投影データに変換する。なお、ファンパラ変換処理をハードウエア的に行ってもよいし、ソフトウエア的に行ってもよい。
【0035】
ステップS11では、例えばFBP(Filterd Back Projection)法により、投影データからCT画像を生成する。
ステップS12では、表示に適するようにCT画像に後処理を施す。
ステップS13では、CT画像をCRT6に表示する。
【0036】
以上のX線CT装置100によれば、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。
【0037】
なお、腕アーチファクトの低減処理およびZフィルタ処理だけを実行する場合は、ステップS9,S10を省略してもよい。また、腕アーチファクトの低減処理およびファンパラ変換処理だけを実行する場合は、ステップS6〜S8を省略してもよい。また、Zフィルタ処理およびファンパラ変換処理だけを実行する場合は、ステップS2〜S4を省略してもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明の超低X線量CT画像生成方法およびX線CT装置によれば、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理のうちの少なくとも2つを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。そして、これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示すブロック図である。
【図2】超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対する画像生成処理を示すフロー図である。
【図3】腕アーチファクトの低減処理のパラメータおよびZフィルタ処理のパラメータを例示する図表である。
【符号の説明】
1 操作コンソール
3 中央処理装置
20 走査ガントリ
21 X線管
24 検出器
【発明の属する技術分野】
本発明は、超低X線量CT(Computed Tomography)画像生成方法およびX線CT装置に関し、更に詳しくは、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データから画質の良いCT画像を生成することが出来る超低X線量CT画像生成方法およびX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線CT装置において、取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理を行うことが知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照。)。また、Zフィルタ処理を行うことが知られている(例えば、特許文献2および非特許文献2,非特許文献3,非特許文献4参照。)。また、ファンパラ変換処理を行うことが知られている(例えば、特許文献3および非特許文献5参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−112749号公報
【特許文献2】
特開2001−353143号公報
【特許文献3】
特許第3174288号公報
【非特許文献1】
辻岡勝美著「CT自由自在」株式会社メジカルビュー社、2001年7月10日、第40頁、第101頁
【非特許文献2】
H.Hu and Y.Shen“Helical CT reconstruction with longitudinal filtration”Medical Physics 25, November 1998
【非特許文献3】
辻岡勝美著「CT自由自在」株式会社メジカルビュー社、2001年7月10日、第59頁
【非特許文献4】
山下康行著「極めるマルチスライスCT」株式会社中外医学社、2001年4月15日、第23〜24頁
【非特許文献5】
山下康行著「極めるマルチスライスCT」株式会社中外医学社、2001年4月15日、第112頁第19〜20行
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、肺ガン検診において、被曝低減のために管電流40mA以下の超低X線量で撮影することが提案されている。
しかし、超低X線量で胸部を撮影したCT画像は、ノイズおよびアーチファクトの多い低画質になる問題点がある。
【0005】
一方、X線CT装置において、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とがそれぞれ知られていたが、いずれも解像度を劣化させてしまうため、いずれか一つが選択的に実施されており、これらが組み合わせて実施されることはなかった。また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを利用して、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データから画質の良いCT画像を生成することが出来る超低X線量CT画像生成方法およびX線CT装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とはいずれも解像度を劣化させてしまうため、これらが組み合わせて実施されることはなく、また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
ところが、本願発明者らが、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行してみたところ、解像度が劣化するデメリットよりも、ノイズおよびアーチファクトを低減できるメリットの方がはるかに大きいことを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、上記第1の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【0008】
第2の観点では、本発明は、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびZフィルタ処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とはいずれも解像度を劣化させてしまうため、これらが組み合わせて実施されることはなく、また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
ところが、本願発明者らが、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とを組み合わせて実行してみたところ、解像度が劣化するデメリットよりも、ノイズおよびアーチファクトを低減できるメリットの方がはるかに大きいことを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、上記第2の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【0009】
第3の観点では、本発明は、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
腕アーチファクトの低減処理とファンパラ変換処理とはいずれも解像度を劣化させてしまうため、これらが組み合わせて実施されることはなく、また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
ところが、本願発明者らが、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、腕アーチファクトの低減処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行してみたところ、解像度が劣化するデメリットよりも、ノイズおよびアーチファクトを低減できるメリットの方がはるかに大きいことを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、上記第3の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【0010】
第4の観点では、本発明は、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対してZフィルタ処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
Zフィルタ処理とファンパラ変換処理とはいずれも解像度を劣化させてしまうため、これらが組み合わせて実施されることはなく、また、これらの処理を超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して実行することは考えられていなかった。
ところが、本願発明者らが、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して、Zフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行してみたところ、解像度が劣化するデメリットよりも、ノイズおよびアーチファクトを低減できるメリットの方がはるかに大きいことを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、上記第4の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対してZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【0011】
第5の観点では、本発明は、上記構成の超低X線量CT画像生成方法において、CT画像の解像度と,スライス方向の解像度と,連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて、前記腕アーチファクトの低減処理のパラメータを自動設定することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
上記第5の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で撮影する際の撮影パラメータであるCT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて腕アーチファクトの低減処理のパラメータを自動的に最適化するため、最も良好な画質を得ることが出来る。
【0012】
第6の観点では、本発明は、上記構成の超低X線量CT画像生成方法において、CT画像の解像度と,スライス方向の解像度と,連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて、前記Zフィルタ処理のパラメータを自動設定することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法を提供する。
上記第6の観点による超低X線量CT画像生成方法では、超低X線量で撮影する際の撮影パラメータであるCT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じてZフィルタ処理のパラメータを自動的に最適化するため、最も良好な画質を得ることが出来る。
【0013】
第7の観点では、本発明は、X線管と、検出器と、前記X線管又は前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第7の観点によるX線CT装置では、前記第1の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0014】
第8の観点では、本発明は、X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびZフィルタ処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第8の観点によるX線CT装置では、前記第2の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0015】
第9の観点では、本発明は、X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第9の観点によるX線CT装置では、前記第3の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0016】
第10の観点では、本発明は、X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対してZフィルタ処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第10の観点によるX線CT装置では、前記第4の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0017】
第11の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記画像生成手段は、CT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて前記腕アーチファクトの低減処理のパラメータを自動設定することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第11の観点によるX線CT装置では、前記第5の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0018】
第12の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記画像生成手段は、CT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて前記Zフィルタ処理のパラメータを自動設定することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第12の観点によるX線CT装置では、前記第6の観点による超低X線量CT画像生成方法を好適に実施しうる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示す構成ブロック図である。
このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
【0021】
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、画像生成処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得した投影データを収集する投影データ収集バッファ5と、投影データから再構成したCT画像を表示するCRT6と、プログラムや投影データやCT画像を記憶する記憶装置7とを具備している。
【0022】
テーブル装置10は、被検体を乗せて走査ガントリ20のボア(空洞部)に入れ出しするクレードル12を具備している。クレードル12は、テーブル装置10に内蔵するモータで駆動される。
【0023】
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、検出器24と、DAS(Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りにX線管21などを回転させる回転コントローラ26と、制御信号などを操作コンソール1やテーブル装置10とやり取りする制御インタフェース29とを具備している。
【0024】
図3に示すように、「Lモード」と「Mモード」と「Hモード」の3種類の撮影モードがあり、いずれかをオペレータが撮影前に選択する。被曝を小さくすることを重視する場合は「Lモード」を選択し、CT画像を鮮明することを重視する場合は「Hモード」を選択し、バランスをとりたい場合は「Mモード」を選択する。
「Lモード」を選択すると、管電流「10mA」,XY面(アキシャル画像面)内の解像度「8」、Z方向(スライス方向)の解像度「5」、連続する画像(アキシャル画像)間のノイズの均一度(関心領域の分散)「20」に撮影パラメータが設定されてヘリカルスキャンされる。
Mモードを選択すると、管電流「25mA」,XY面内の解像度「10」、Z方向の解像度「2.5」、連続する画像間のノイズの均一度「50」に撮影パラメータが設定されてヘリカルスキャンされる。
Hモードを選択すると、管電流「40mA」,XY面内の解像度「12」、Z方向の解像度「1.25」、連続する画像間のノイズの均一度「80」に撮影パラメータが設定されてヘリカルスキャンされる。
【0025】
図2は、超低X線量で胸部をヘリカルスキャンして取得した投影データに対する画像生成処理を示すフロー図である。なお、腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理のうちの少なくとも2つを実施するようにデフォルトで又はオペレータが予め設定しておく。
ステップS1では、投影データに対して、前処理(オフセット補正,対数補正,X線線量補正,感度補正)を行う。
【0026】
ステップS2では、腕アーチファクトの低減処理の一例であるAAR(Arm Artifact Reduction)を実施するか否かの設定をチェックし、実施するならステップS3へ進み、実施しないならステップS5へ進む。
【0027】
ステップS3では、撮影モードに応じてAARのパラメータを自動設定する。
すなわち、図3に示すように、撮影モードが「Lモード」ならスムージング幅「7点」,閾値「4」,荷重タイプ「一様」を設定し、「Mモード」ならスムージング幅「7点」,閾値「2」,荷重タイプ「一様」を設定し、「Hモード」ならスムージング幅「7点」,閾値「1」,荷重タイプ「ガウス」を設定する。
【0028】
ステップS4では、自動設定したAARのパラメータを用いてAARを実施する。
すなわち、ある点の投影データ値が隣接する点の投影データ値より“閾値”以上に下がっている場合に、当該点を中心とする“スムージング幅”分の連続する点の投影データ値を加重平均した値を当該点の投影データ値とする。そして、荷重タイプ「一様」なら各投影データに掛ける荷重を一定にし、荷重タイプ「ガウス」なら当該点から離れるほど各投影データに掛ける荷重を小さくする。
【0029】
ステップS5では、投影データに対してヘリカル補間のための重み付けを行う。
【0030】
ステップS6では、Zフィルタ処理を実施するか否かの設定をチェックし、実施するならステップS7へ進み、実施しないならステップS9へ進む。
【0031】
ステップS7では、撮影モードに応じてZフィルタ処理のパラメータを自動設定する。
すなわち、図3に示すように、ファンパラ変換処理を実施する場合であって撮影モードが「Lモード」ならZフィルタの係数「2」を設定し、「Mモード」ならZフィルタの係数「1.8」を設定し、「Hモード」ならZフィルタの係数「1.4」を設定する。また、ファンパラ変換処理を実施しない場合であって撮影モードが「Lモード」ならZフィルタの係数「2.5」を設定し、「Mモード」ならZフィルタの係数「2」を設定し、「Hモード」ならZフィルタの係数「1.8」を設定する。
【0032】
ステップS8では、自動設定したZフィルタのパラメータを用いてZフィルタ処理を実施する。
すなわち、Z方向(スライス方向)に複数の投影データを選んで加重平均し、画像再構成面上の投影データを算出する。そして、設定されたZフィルタの係数に基づいて各投影データに掛ける荷重を決める。
【0033】
ステップS9では、ファンパラ変換処理を実施するか否かの設定をチェックし、実施するならステップS10へ進み、実施しないならステップS11へ進む。
【0034】
ステップS10では、ファンパラ変換処理を実施する。
すなわち、ファンビームによって得られた投影データを例えばrebinning法によりパラレルビームによって得られた如き投影データに変換する。なお、ファンパラ変換処理をハードウエア的に行ってもよいし、ソフトウエア的に行ってもよい。
【0035】
ステップS11では、例えばFBP(Filterd Back Projection)法により、投影データからCT画像を生成する。
ステップS12では、表示に適するようにCT画像に後処理を施す。
ステップS13では、CT画像をCRT6に表示する。
【0036】
以上のX線CT装置100によれば、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。
【0037】
なお、腕アーチファクトの低減処理およびZフィルタ処理だけを実行する場合は、ステップS9,S10を省略してもよい。また、腕アーチファクトの低減処理およびファンパラ変換処理だけを実行する場合は、ステップS6〜S8を省略してもよい。また、Zフィルタ処理およびファンパラ変換処理だけを実行する場合は、ステップS2〜S4を省略してもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明の超低X線量CT画像生成方法およびX線CT装置によれば、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理のうちの少なくとも2つを組み合わせて実行することにより、ノイズおよびアーチファクトを低減した画質の良いCT画像を生成できる。そして、これにより、肺ガン検診へのX線CT装置の導入を促進することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示すブロック図である。
【図2】超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対する画像生成処理を示すフロー図である。
【図3】腕アーチファクトの低減処理のパラメータおよびZフィルタ処理のパラメータを例示する図表である。
【符号の説明】
1 操作コンソール
3 中央処理装置
20 走査ガントリ
21 X線管
24 検出器
Claims (12)
- 超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法。
- 超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびZフィルタ処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法。
- 超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法。
- 超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対してZフィルタ処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理し、CT画像を生成することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法。
- 請求項1,請求項2および請求項3のいずれかに記載の超低X線量CT画像生成方法において、CT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて前記腕アーチファクトの低減処理のパラメータを自動設定することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法。
- 請求項1,請求項2および請求項4のいずれかに記載の超低X線量CT画像生成方法において、CT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて前記Zフィルタ処理のパラメータを自動設定することを特徴とする超低X線量CT画像生成方法。
- X線管と、検出器と、前記X線管又は前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理とZフィルタ処理とファンパラ変換処理とを実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
- X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびZフィルタ処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
- X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対して腕アーチファクトの低減処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
- X線管と、検出器と、前記X線管または前記検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら投影データを収集するスキャン手段と、超低X線量で胸部を撮影して取得した投影データに対してZフィルタ処理およびファンパラ変換処理を実行した上で画像再構成処理しCT画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
- 請求項7,請求項8および請求項9のいずれかに記載のX線CT装置において、前記画像生成手段は、CT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて前記腕アーチファクトの低減処理のパラメータを自動設定することを特徴とするX線CT装置。
- 請求項7,請求項8および請求項10のいずれかに記載のX線CT装置において、前記画像生成手段は、CT画像の解像度とスライス方向の解像度と連続するCT画像間のノイズの均一度の3つの基準に応じて前記Zフィルタ処理のパラメータを自動設定することを特徴とするX線CT装置。
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