JP2004229097A - 画像処理装置、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

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利夫 宮澤
Yasuyuki Nomizu
泰之 野水
Hiroyuki Sakuyama
宏幸 作山
Junichi Hara
潤一 原
Nekka Matsuura
熱河 松浦
Takanori Yano
隆則 矢野
Taku Kodama
児玉  卓
Yasuyuki Shinkai
康行 新海
Takayuki Nishimura
隆之 西村
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Abstract

【課題】画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる画像処理装置を得る。
【解決手段】画像データを処理する画像処理装置である複写機において、原画像中から画像として必要とする必要領域を抽出する必要領域抽出手段である必要領域抽出部40と、この必要領域抽出部40により抽出された必要領域を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する圧縮手段である圧縮・伸長部41と、を設けるようにした。これにより、必要領域の画像だけが圧縮され、不要領域の画像が圧縮されないため、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の処理に費やす時間が短くなるので、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、プログラム及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スキャナ、デジタルカメラ、コンピュータ、複写機、複合機(MFP)等の画像処理装置の普及に伴い、デジタル画像データをメモリやハードディスク等の記憶装置に記憶したり、CD−ROM等の光ディスクに記憶したり、さらには、インターネット等を介して伝送したりすることが身近なものになっている。このような画像データは圧縮されて記憶装置や光ディスク等に記憶されている。
【0003】
また、最近では、各種の技術により簡単に高精細な画像を得ることができるが、このような高精細静止画像のデータサイズは大きくなる傾向にあり、高精細静止画像の取扱いは困難になってきている。このため、高精細静止画像の取扱いを容易にする画像圧縮伸長技術に対する高性能化や多機能化等の要求は、今後、ますます強くなっていくことは必至と思われる。
【0004】
こうした高精細静止画像の取扱いを容易にする画像圧縮伸長アルゴリズムとしては、現在、JPEG(Joint Photographic Experts Group)が最も広く用いられている。また、このJPEGで採用されているDCT(離散コサイン変換)に代わる周波数変換として、近年、DWT(離散ウェーブレット変換)の採用が増加している。その代表例は、2001年に国際標準となったJPEG後継の画像圧縮伸長方式JPEG2000である。
【0005】
ところで、記憶装置や光ディスク等に記憶される画像データサイズを小さくする方法としては、原画像の特定領域を低圧縮率で圧縮し、特定領域以外の領域を高圧縮率で圧縮する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、特定領域の画像が高画質で形成され、特定領域以外の領域の画像が低画質(粗い画質)で形成されることになる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−128109公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、原画像の特定領域以外の領域が、高圧縮率ではあるが圧縮され、特定領域と一緒に画像データとして保存されてしまう。ここで、操作者によっては、特定領域以外を画像として必要としない場合、例えば、特定領域としての文字領域を必要領域とし、文字領域以外を不要領域とする場合等があるが、従来の技術では、文字領域の必要領域に加え、必要領域以外の不要領域も圧縮し画像データとして保存してしまう。また、例えば、スキャナ等で原稿から原画像を読み取った場合、読み取られた原画像は原稿画像の周囲に黒ベタを有することがある。この黒ベタは本来不要領域であるが、従来の技術では、黒ベタ領域も圧縮し画像データとして保存してしまう。このように従来の技術では、原画像の必要領域以外の不要領域も特定領域と一緒に画像データとして保存してしまうので、その画像データサイズが大きくなるという問題がある。
【0008】
また、従来の技術では、圧縮や伸長等の画像処理を含む様々な処理において、必要領域に加え不要領域に対しても処理を行う必要があり、必要領域だけの画像に対する処理と比較すると、余計な時間がかかってしまうので、処理時間が長くなるという問題もある。
【0009】
本発明の目的は、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる画像処理装置、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像処理装置は、原画像中から画像として必要とする必要領域を抽出する必要領域抽出手段と、前記必要領域抽出手段により抽出された前記必要領域の画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する圧縮手段と、を備える。
【0011】
したがって、原画像から必要領域を抽出し、抽出した必要領域の画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮することで、必要領域の画像だけが圧縮され、不要領域の画像は圧縮されないため、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなり、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することが可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、前記必要領域の属性である所定の必要領域属性に基づいて前記原画像から前記必要領域を抽出する。
【0013】
したがって、必要領域属性に基づいて原画像から必要領域を抽出することで、簡単にそして正確に必要領域を抽出することが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の必要領域属性と一致する領域を前記必要領域として抽出する。
【0015】
したがって、識別分類した領域属性が所定の必要領域属性と一致する領域を必要領域として抽出することで、簡単にそして正確に必要領域を抽出することが可能になる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別する。
【0017】
したがって、2次元ウェーブレット変換による領域識別を行うことによって、精度が高い領域識別を実行することが可能となる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別する。
【0019】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別することで、写真領域を精度高く識別することが可能となる。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別する。
【0021】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別することで、文字領域を精度高く識別することが可能となる。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項4、5又は6記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別する。
【0023】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別することで、表領域を精度高く識別することが可能となる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項4、5、6又は7記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別する。
【0025】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別することで、背景領域を精度高く識別することが可能となる。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項3ないし8のいずれか一記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段により識別分類された領域属性が文字コード化可能な領域属性である領域に対し、その領域の画像を文字コード化する文字コード化処理を実行する文字コード化手段を備える。
【0027】
したがって、文字コード化可能な領域属性である領域、例えば文字領域や表領域等に対し文字コード化処理を実行することで、文字領域や表領域を構成する画像が文字コード化され、画像データサイズがより小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間がより短くなる。
【0028】
請求項10記載の発明は、請求項3ないし9のいずれか一記載の画像処理装置において、画像を表示する表示部と、前記必要領域抽出手段により識別分類された複数領域の属性を前記表示部に表示させる表示手段と、を備える。
【0029】
したがって、識別分類された複数領域の属性を表示部に表示することで、操作者は、複数領域の属性を確認することが可能となり、さらに、画像処理装置により正確に領域属性が識別分類されたか否かを判断することが可能となる。また、操作者が所定の必要領域属性を設定する場合には、操作者は複数領域の属性を確認しながら希望する所定の必要領域属性を設定することが可能となる。
【0030】
請求項11記載の発明は、請求項2ないし10のいずれか一記載の画像処理装置において、操作者による操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の必要領域属性を設定する必要領域属性設定手段と、を備える。
【0031】
したがって、操作部に対する操作者の操作によって操作者の希望に応じて必要領域属性が設定されるため、操作者は自由に必要領域を選択することが可能になる。
【0032】
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置において、原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備える。
【0033】
したがって、原稿から原画像を読み取ることが可能になり、その結果として、この原画像に対し画像処理等の様々な処理を実行することが可能になる。
【0034】
請求項13記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置において、前記圧縮手段により圧縮された前記必要領域の画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長手段を備える。
【0035】
したがって、圧縮された必要領域の画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長することで、圧縮された必要領域の画像が伸張され、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することが可能になる。
【0036】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の画像処理装置において、前記伸長手段により伸長された前記必要領域の画像を記録材に画像形成するプリンタエンジンを備える。
【0037】
したがって、伸長された画像を用紙等の記録材に形成することが可能になり、その結果として、人による画像認識が可能になり、さらに、必要な画像だけを記録材に形成することが可能になる。
【0038】
請求項15記載の発明のプログラムは、画像処理装置が備えるコンピュータによって解釈され、前記コンピュータに、原画像中から画像として必要とする必要領域を抽出する必要領域抽出機能と、前記必要領域抽出手段により抽出された前記必要領域の画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する圧縮機能と、を実行させる。
【0039】
したがって、原画像から必要領域を抽出し、抽出した必要領域の画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮することで、必要領域の画像だけが圧縮され、不要領域の画像は圧縮されないため、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなり、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することが可能になる。
【0040】
請求項16記載の発明は、請求項15記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、前記必要領域の属性である所定の必要領域属性に基づいて前記原画像から前記必要領域を抽出する。
【0041】
したがって、必要領域属性に基づいて原画像から必要領域を抽出することで、簡単にそして正確に必要領域を抽出することが可能になる。
【0042】
請求項17記載の発明は、請求項16記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の必要領域属性と一致する領域を前記必要領域として抽出する。
【0043】
したがって、識別分類した領域属性が所定の必要領域属性と一致する領域を必要領域として抽出することで、簡単にそして正確に必要領域を抽出することが可能になる。
【0044】
請求項18記載の発明は、請求項17記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別する。
【0045】
したがって、2次元ウェーブレット変換による領域識別を行うことによって、精度が高い領域識別を実行することが可能となる。
【0046】
請求項19記載の発明は、請求項18記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別する。
【0047】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別することで、写真領域を精度高く識別することが可能となる。
【0048】
請求項20記載の発明は、請求項18又は19記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別する。
【0049】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別することで、文字領域を精度高く識別することが可能となる。
【0050】
請求項21記載の発明は、請求項18、19又は20記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別する。
【0051】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別することで、表領域を精度高く識別することが可能となる。
【0052】
請求項22記載の発明は、請求項18、19、20又は21記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別する。
【0053】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別することで、背景領域を精度高く識別することが可能となる。
【0054】
請求項23記載の発明は、請求項17ないし22のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出手段により識別分類された領域属性が文字コード化可能な領域属性である領域に対し、その領域の画像を文字コード化する文字コード化処理を実行する文字コード化機能を前記コンピュータに実行させる。
【0055】
したがって、文字コード化可能な領域属性である領域、例えば文字領域や表領域等に対し文字コード化処理を実行することで、文字領域や表領域を構成する画像が文字コード化され、画像データサイズがより小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間がより短くなる。
【0056】
請求項24記載の発明は、請求項17ないし23のいずれか一記載のプログラムにおいて、画像を表示する表示部に対し、前記必要領域抽出手段により識別分類された複数領域の属性を表示させる表示機能を前記コンピュータに実行させる。
【0057】
したがって、識別分類された複数領域の属性を表示部に表示することで、操作者は、複数領域の属性を確認することが可能となり、さらに、画像処理装置により正確に領域属性が識別分類されたか否かを判断することが可能となる。また、操作者が所定の必要領域属性を設定する場合には、操作者は複数領域の属性を確認しながら希望する所定の必要領域属性を設定することが可能となる。
【0058】
請求項25記載の発明は、請求項16又は24記載のプログラムにおいて、操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の必要領域属性を設定する必要領域属性設定機能を前記コンピュータに実行させる。
【0059】
したがって、操作部に対する操作者の操作によって操作者の希望に応じて必要領域属性が設定されるため、操作者は自由に必要領域を選択することが可能になる。
【0060】
請求項26記載の発明は、請求項15ないし25のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能により圧縮された前記必要領域の画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長機能を前記コンピュータに実行させる。
【0061】
したがって、圧縮された必要領域の画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長することで、圧縮された必要領域の画像が伸張され、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することが可能になる。
【0062】
請求項27記載の発明のコンピュータ読取可能な記憶媒体は、請求項15ないし26のいずれか一記載のプログラムを記憶している。
【0063】
したがって、請求項15ないし26のいずれか一記載の発明と同様な作用を奏する。
【0064】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。
【0065】
本実施の形態は、「JPEG2000アルゴリズム」を利用するものであるが、JPEG2000アルゴリズム自体は各種文献や公報等により周知であるので、詳細は省略し、その概要について説明する。
【0066】
図1は、JPEG2000アルゴリズムの概要を説明するための機能ブロック図である。JPEG2000のアルゴリズムは、色空間変換・逆変換部100、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101、量子化・逆量子化部102、エントロピー符号化・復号化部103、タグ処理部104で構成されている。
【0067】
JPEG2000の特徴の一つは、高圧縮領域における画質が良いという長所を持つ2次元離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)を用いている点である。また、もう一つの大きな特徴は、最終段に符号形成を行うためのタグ処理部104と呼ばれる機能ブロックが追加されており、符号列データであるコードストリームの生成や解釈が行われる点である。そして、コードストリームによって、JPEG2000は様々な便利な機能を実現できるようになっている。
【0068】
なお、画像の入出力部分には、色空間変換・逆変換部100が用意されることが多い。この色空間変換・逆変換部100は、例えば、原色系のR(赤)/G(緑)/B(青)の各コンポーネントからなるRGB表色系や、補色系のY(黄)/M(マゼンタ)/C(シアン)の各コンポーネントからなるYMC表色系から、YCrCbあるいはYUV表色系への変換又は逆の変換を行う部分である。
【0069】
以下、JPEG2000アルゴリズム、特にウェーブレット変換について説明する。
【0070】
図2は、カラー画像である原画像の分割された各コンポーネントの一例を概略的に示す模式図である。カラー画像は、一般に、図2に示すように、画像の各コンポーネント110が、例えばRGB原色系によって分離されている。さらに、画像の各コンポーネント110は、矩形をした領域であるタイル111によって分割されている。個々のタイル111、例えば、R00,R01,…,R15/G00,G01,…,G15/B00,B01,…,B15は、圧縮伸長プロセスを実行する際の基本単位を構成する。従って、圧縮伸長動作は、コンポーネント110毎に、そしてタイル111毎に、独立して行われる。
【0071】
画像データの符号化時には(図1参照)、各コンポーネント110の各タイル111のデータが色空間変換・逆変換部100に入力され、色空間変換を施された後、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101で2次元ウェーブレット変換(順変換)が適用されて周波数帯に空間分割される。
【0072】
図3は、デコンポジションレベル数が3である場合の各デコンポジションレベルにおけるサブバンドを概略的に示す模式図である。2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、画像のタイル分割によって得られたタイル画像(デコンポジションレベル0:0LL)に対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル1に示すサブバンド(1LL,1HL,1LH,1HH)を分離する。引き続き、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、この階層における低周波成分1LLに対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル2に示すサブバンド(2LL,2HL,2LH,2HH)を分離する。そして、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、順次同様に、低周波成分2LLに対しても、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル3に示すサブバンド(3LL,3HL,3LH,3HH)を分離する。なお、図3中では、各デコンポジションレベルにおいて符号化の対象となるサブバンドはグレーで示されている。例えば、デコンポジションレベル数を3とした場合、グレーで示したサブバンド(3HL,3LH,3HH,2HL,2LH,2HH,1HL,1LH,1HH)が符号化対象となり、3LLサブバンドは符号化されない。
【0073】
次いで、量子化・逆量子化部102では(図1参照)、指定した符号化の順番で符号化の対象となるビットが定められた後、対象ビット周辺のビットからコンテキストが生成される。量子化の処理が終わったウェーブレット係数は、個々のサブバンド毎に、「プレシンクト」と呼ばれる重複しない矩形に分割される。これは、インプリメンテーションでメモリを効率的に使うために導入されたものである。さらに、個々のプリシンクトは、重複しない矩形の「コードブロック」に分けられる。これは、エントロピーコーディングを行う際の基本単位となる。
【0074】
なお、ウェーブレット変換後の係数値は、そのまま量子化し符号化することも可能であるが、JPEG2000では符号化効率を上げるために、係数値を「ビットプレーン」単位に分解し、画素あるいはコードブロック毎にビットプレーンに順位付けを行うことができる。
【0075】
エントロピー符号化・復号化部103では(図1参照)、コンテキストと対象ビットとから、確率推定によって各コンポーネント110の各タイル111に対する符号化を行う。こうして、画像の全てのコンポーネント110について、タイル111単位で符号化処理が行われる。
【0076】
最後に、タグ処理部104では(図1参照)、エントロピー符号化・復号化部103からの全符号化データを1本のコードストリーム(符号列データ)に結合するとともに、それにタグを付加する処理を行う。ここで、図4は、コードストリームの構造の一例を概略的に示す模式図である。コードストリームの先頭と各タイル111を構成する部分タイルの先頭には、ヘッダ(メインヘッダ(Main header)、タイルパートヘッダ(tile part header))と呼ばれるタグ情報が付加され、その後に、各タイル111の符号化データ(bit stream)が続く。そして、コードストリームの終端には、再びタグ情報(end of codestream)が付加される。
【0077】
一方、復号化時には、符号化時とは逆に、各コンポーネント110の各タイル111のコードストリームから画像データを生成する。この場合、図1に示すように、タグ処理部104は、外部より入力されたコードストリーム(符号列データ)に付加されたタグ情報を解釈し、コードストリームを各コンポーネント110の各タイル111のコードストリームに分解し、その各コンポーネント110の各タイル111のコードストリーム毎に復号化処理を行う。この際、コードストリーム内のタグ情報に基づく順番で復号化の対象となるビットの位置が定められるとともに、量子化・逆量子化部102において、その対象ビット位置の周辺ビット(既に復号化を終えている)の並びからコンテキストを生成する。そして、エントロピー符号化・復号化部103では、そのコンテキストとコードストリームとから確率推定によって復号化を行って対象ビットを生成し、それを対象ビットの位置に書き込む。このようにして復号化されたデータは、周波数帯域毎に空間分割されているため、これを2次元ウェーブレット変換・逆変換部101で2次元ウェーブレット逆変換を行うことにより、画像データ中の各コンポーネント110における各タイル111が復元される。復元されたデータは、色空間変換・逆変換部100によって元の表色系のデータに変換される。
【0078】
次に、本実施の形態の画像処理装置である複写機(いわゆる複合機であってもよい)の構成例について説明する。
【0079】
図5は、本実施の形態の複写機1を概略的に示す縦断面図である。複写機1は、原稿から原稿画像を読み取る画像読取部であるスキャナ2と、スキャナ2で読み取られた画像を用紙等の記録材に形成する画像形成部であるプリンタ3とを備えている。
【0080】
スキャナ2の本体ケース4の上面には、原稿(図示せず)が載置されるコンタクトガラス5が設けられている。原稿は、原稿面をコンタクトガラス5に対向させて載置される。コンタクトガラス5の上側には、コンタクトガラス5上に載置された原稿を押える原稿圧板6(いわゆるADFであってもよい)が設けられている。
【0081】
コンタクトガラス5の下方には、原稿画像を光学的に読み取るための読取光学系7が設けられている。この読取光学系7は、光を発光する光源8及びミラー9を搭載する第1走行体10、2枚のミラー11,12を搭載する第2走行体13、結像レンズ14を介してミラー9,11,12によって導かれる光を受光するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ15等によって構成されている。CCDイメージセンサ15は、CCDイメージセンサ15上に結像される原稿からの反射光を光電変換することで光電変換データを生成する光電変換素子として機能する。光電変換データは、原稿からの反射光の強弱に応じた大きさを有する電圧値である。第1、第2走行体10,13は、コンタクトガラス5に沿って往復動自在に設けられており、後述する原稿画像の読取動作に際しては、図示しないモータ等の移動装置によって2:1の速度比で副走査方向にスキャニング走行する。これにより、読取光学系7による原稿読取領域の露光走査が行われる。なお、本実施の形態では、読取光学系7側がスキャニング走査を行う原稿固定型で示しているが、読取光学系7側が位置固定で原稿側が移動する原稿移動型であってもよい。
【0082】
プリンタ3は、シート状の用紙等の記録材を保持する記録材保持部16から電子写真方式のプリンタエンジン17及び定着器18を経由して排出部19へ至る記録材経路20を備えている。
【0083】
プリンタエンジン17は、感光体21、帯電器22、露光器23、現像器24、転写器25及びクリーナー26等を用いて、電子写真方式で感光体21の周囲に形成したトナー像を記録材に転写し、転写したトナー像を、定着器18によって記録材上に定着させる。なお、本実施の形態では、プリンタエンジン17が電子写真方式で画像形成を行うが、これに限るものではなく、例えば、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、直接感熱記録方式等の様々な画像形成方式で画像形成を行うようにしても良い。
【0084】
このような複写機1は、複数のマイクロコンピュータで構成される制御系により制御される。図6は、これらの制御系のうち、画像処理に関わる制御系の電気的な接続を概略的に示すブロック図である。この制御系は、CPU30、ROM31、RAM32、操作パネル33、IPU(Image Processing Unit)34、I/Oポート35等がバス36で接続され構成されている。CPU30は、各種演算を行い、画像処理等の処理を集中的に制御する。ROM31には、CPU30が実行する処理に関わる各種プログラムや固定データが格納されている。また、RAM32は、CPU30のワークエリアとして機能し、加えて、画像データ(例えば、画像ファイル)を一時的に記憶するメモリとして機能する。操作パネル33には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示器、ハードキー及びタッチパネル等によって構成される複数の操作キー(いずれも図示せず)が設けられており、操作パネル33が表示部及び操作部として機能する。IPU34は各種画像処理に関わるハードウエアを備えており、ROM31はEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えている。ここで、ROM31内に格納されているプログラムは、CPU30の制御によりI/Oポート35を介して外部装置(図示せず)からダウンロードされるプログラムに書換え可能である。なお、本実施の形態では、ROM31がプログラムを記憶する記憶媒体として機能している。
【0085】
次に、本実施の形態の複写機1における画像処理の概要について図7を参照して説明する。図7は、複写機1における画像処理の概要を説明するための機能ブロック図である。複写機1の画像処理は、スキャナ2で読み取った原画像から画像として必要とする必要領域を抽出する必要領域抽出部40と、図1を参照して説明した各機能ブロックを有する圧縮・伸長部41と、を備え、抽出した必要領域に対応する画像の画像データに対して前述のようなJPEG2000アルゴリズムによる圧縮符号化を実行し、あるいは、圧縮符号化した画像の画像データに対して前述のJPEG2000アルゴリズムによる伸長復号化を実行する。
【0086】
このような必要領域抽出部40や圧縮・伸長部41等の機能は、ROM31に記憶されているプログラムに基づいてCPU30が行う画像処理で実行されるようにしているが、これに限るものではなく、例えば、IPU34によりハードウエアが行う画像処理で実行されるようにしても良い。これにより、基本的には、スキャナ2で読み取られた原画像の画像データから必要領域に対応する画像データを抽出し、抽出した必要領域の画像データをJPEG2000アルゴリズムにより圧縮符号化して、各画像のコードストリームを生成する。すなわち、画像を1又は複数の矩形領域(タイル111)に分割し、この矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化する。
【0087】
ここで、必要領域抽出部40における必要領域の抽出方法について説明する。必要領域抽出部40では、必要領域の属性である所定の必要領域属性に基づいて原画像から必要領域を抽出する。例えば、原画像を複数の領域に分割し、分割した複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が所定の必要領域属性と一致する領域を必要領域として抽出することで、原画像から必要領域が抽出される。領域属性としては、例えば、文字領域、写真領域、図領域、表領域、黒ベタ領域、背景領域等の様々な領域属性があり、本実施の形態では、これらのどれか一つ又は複数の領域属性が所定の必要領域属性として設定される。このような必要領域属性の設定では、必要領域属性を工場出荷時等に予め設定しておいても良く、あるいは、操作パネル33に対する操作者の操作によって設定するようにしても良い。
【0088】
ここで、例えば、原画像が文字領域と写真領域とから構成されている場合には、必要領域属性が写真領域属性に設定されていると、必要領域抽出部40により写真領域が抽出され、その後、圧縮・伸長部41により写真領域の画像が圧縮されることになる。
【0089】
なお、背景領域とは、原稿の余白にあたる余白領域であるが、これに限るものではなく、例えば、行間にあたる行間領域を余白領域に加えた領域であっても良い。また、行間が大きい原画像に対しては、行のみを抽出し、行のみ圧縮・伸長部41により圧縮し、必要であれば、行間の色情報や行の位置情報を別途保存することで、原画像に近い(または同等の)画像を再現することができ、圧縮した画像の画像データサイズを小さくすることができる。また、真っ白な画像の場合には、真っ白な画像に該当する符号を予め設定しておき、圧縮・伸長部41による圧縮を行わずに、予め設定された符号を割当てることで、画像データサイズを小さくすることができる。
【0090】
次いで、複写機1のCPU30がプログラムに基づいて実行する画像処理について説明する。ここでは、複写機1によるコピー動作に伴う画像処理について図8及び図9を参照して説明する。図8は本実施の形態の画像処理の流れを概略的に示すフローチャート、図9はその画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【0091】
まず、スキャナ2による原稿画像の読取に待機する(ステップS1のN)。操作者がスキャナ2の原稿圧板6を開放してコンタクトガラス5上に原稿をセットし、原稿圧板6を閉じて操作パネル33のコピースタートキーを押下すると、スキャナ2は読取光学系7のスキャニング動作でコンタクトガラス5上にセットされた原稿から原画像Pを読み取る。
【0092】
スキャナ2により原稿から原画像Pが読み取られると(S1のY)、必要領域抽出部40により、読み取られた原画像Pを複数の領域に分割し、原画像P中に混在する複数領域の属性を識別して、文字領域、写真領域、図領域、表領域、背景領域等に分類し、分類した領域属性が所定の必要領域属性に一致する領域を必要領域U1として抽出する(S2)。ここに、必要領域抽出手段又は必要領域抽出機能が実行される。
【0093】
ここで、所定の必要領域属性は、操作パネル33に対する操作者の操作によって設定されている。例えば、操作パネル33に文字モードキーや写真モードキー等のモードキーを設け、文字モードキーが押下された場合には、文字領域属性が必要領域属性として設定され、写真モードキーが押下された場合には、写真領域属性が必要領域属性として設定される。ここでは、写真モードが操作者により選択されており、写真領域属性が必要領域属性として設定され、必要領域U1(図9中の斜線領域)が抽出される。ここに、必要領域属性設定手段又は必要領域属性設定機能が実行される。
【0094】
なお、所定の必要領域属性は、操作パネル33に対する操作者の操作によって設定されているが、これに限るものではなく、例えば工場出荷前等に予め設定されていても良い。加えて、領域識別の方法は、従来の方法、例えば、黒ランの密度を用いて領域識別する方法等で十分であり、その方法は公知であるため、その説明は省略する(後述する他の実施の形態においても同様である)。
【0095】
次いで、原画像Pから必要領域U1(ここでは、図9中の斜線領域である写真領域)が抽出されたか否か、すなわち、原画像Pの分類された複数領域の中に必要領域U1が存在するか否かを判断する(S3)。原画像P中に必要領域U1が存在する場合には(S3のY)、抽出された必要領域U1の各画像P1,P2を圧縮・伸長部41により圧縮し(S4)、RAM32に各画像P1,P2毎に画像ファイルF1,F2として記憶する。ここに、圧縮手段又は圧縮機能が実行される。一方、原画像P中に必要領域U1が存在しない場合には(S3のN)、ステップS1に戻り、再びスキャナ2による原稿画像の読取に待機する。
【0096】
なお、RAM32に対する画像P1と画像P2との記憶形態としては、例えば、本実施の形態のように画像P1と画像P2とを別々の画像ファイルF1,F2としてRAM32に記憶しても良く、あるいは、画像P1と画像P2とを統合し1つの画像ファイルにしてRAM32に記憶しても良い(後述する他の実施の形態においても同様である)。
【0097】
その後、RAM32に記憶された画像P1,P2は、所定のタイミングで読み出され、圧縮・伸長部41により伸長されてプリンタ3に供給され、コピー画像として用紙等の記録材に印刷される。ここに、伸長手段又は伸長機能が実行される。ここで、画像P1と画像P2とを統合し1つの画像ファイルにしてRAM32に記憶した場合には、統合と逆の手順で各画像P1,P2を分割する。なお、RAM32に記憶された画像P1,P2は、変倍(拡大,縮小)、回転、白黒反転等の画像処理が行われる場合もある。
【0098】
ここで、ステップS2における領域属性の識別方法としては、ウェーブレット特徴量を用いることが可能であり、例えば、原画像Pを2次元ウェーブレット変換し(図3参照)、変換した原画像Pの2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報(LL成分、LH成分、HL成分、HH成分)に基づいて原画像P中に混在する複数領域の属性を識別分類する方法がある(この方法は後述する他の実施の形態においても同様に用いることが可能である)。ここで、LL成分とは水平方向低周波・垂直方向低周波成分であり、LH成分とは水平方向低周波・垂直方向高周波成分であり、HL成分とは水平方向高周波・垂直方向低周波成分であり、HH成分とは水平方向高周波・垂直方向高周波成分である。なお、JPEG2000の2次元ウェーブレット変換は、1次元フィルタを水平方向及び垂直方向に適用することで2次元ウェーブレット係数を算出し、算出した2次元ウェーブレット係数をローパスフィルタとハイパスフィルタとの組合せによって、前述した4つの係数群(LL成分、LH成分、HL成分、HH成分)に分割する。
【0099】
その周波数成分情報に基づく識別方法においては、原画像Pの写真領域でHH成分が高くなることを利用して、HH成分の領域が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別し、また、原画像の文字領域でHH成分が文字行方向に隣設して連続することを利用して、HH成分が文字行方向に隣設して連続する領域の属性を文字領域属性として識別する。さらに、表の罫線がHL成分及びLH成分に反応することを利用して、HL及びLH成分に基づいて複数領域の属性を表領域属性として識別し、加えて、背景領域でLL成分以外のHH、HL、LH成分があまり高くないことを利用して、HH、HL、LH成分が他の領域に比べあまり高くない領域の属性を背景領域属性として識別する。このような領域識別方法を用いることで、従来の領域識別方法に比べ、精度が高い領域識別を実行することができる。
【0100】
このように本実施の形態では、原画像Pから必要領域U1を抽出し、抽出した必要領域U1の画像P1,P2を圧縮することで、必要領域U1の画像P1,P2だけが圧縮され、必要領域U1以外の不要領域の画像が圧縮されないため、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の処理に費やす時間が短くなるので、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。さらに、JPEG2000アルゴリズムの圧縮手段及び伸長手段を用いることで、JPEG2000の特性を活かした様々な画像処理を実行することができる。
【0101】
また、操作パネル33に対する操作者の操作によって、操作者の希望に応じて必要領域属性が設定されるので、操作者は自由に必要領域を選択することができる。
【0102】
本発明の第二の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第一の実施の形態と基本的構成は同じであり、その相違点は、複写機1のCPU30がプログラムに基づいて実行する画像処理であり、特に、操作パネル33の表示器に領域識別の結果として識別した領域属性を表示する点である。なお、第一の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0103】
本実施の形態における複写機1のCPU30がプログラムに基づいて実行する画像処理について説明する。ここでは、複写機1によるコピー動作に伴う画像処理について図9及び図10を参照して説明する。図10は本実施の形態の画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【0104】
最初に、スキャナ2による原稿画像の読取に待機する(ステップS11のN)。操作者がスキャナ2の原稿圧板6を開放してコンタクトガラス5上に原稿をセットし、原稿圧板6を閉じて操作パネル33のコピースタートキーを押下すると、スキャナ2は読取光学系7のスキャニング動作でコンタクトガラス5上にセットされた原稿から原画像Pを読み取る。
【0105】
スキャナ2により原稿から原画像Pが読み取られると(S11のY)、必要領域抽出部40により、読み取られた原画像Pを複数の領域に分割し、原画像P中に混在する複数領域の属性を識別して、文字領域、写真領域、図領域、表領域、背景領域等に分類する(S12)。ここに、必要領域抽出手段の一部又は必要領域抽出機能の一部が実行される。
【0106】
次いで、識別分類された複数領域の領域属性を操作パネル33の表示器に表示させる(S13)。ここに、表示手段又は表示機能が実行される。操作者は、操作パネル33の表示器から原画像Pが有する領域属性を確認しながら、操作パネル33の操作キーを操作して希望する領域属性を選択する。すると、これに応じて、選択された領域属性を必要領域属性として設定する(S14)。ここに、必要領域属性設定手段又は必要領域属性設定機能が実行される。例えば、原稿が文字領域、写真領域、背景領域から構成されていた場合には、これらの領域属性が操作パネル33の表示器に表示され、操作者が写真領域属性を選択すると、写真領域属性が必要領域属性として設定される。
【0107】
設定された必要領域属性に基づいてその必要領域属性に一致する領域を必要領域U1(ここでは、図9中の斜線領域である写真領域)として抽出する(S15)。ここに、必要領域抽出手段の一部又は必要領域抽出機能の一部が実行される。そして、抽出された必要領域U1の各画像P1,P2を圧縮・伸長部41により圧縮し(S16)、RAM32に各画像P1,P2毎に画像ファイルF1,F2として記憶する。ここに、圧縮手段又は圧縮機能が実行される。
【0108】
その後、RAM32に記憶された画像P1,P2は、所定のタイミングで読み出され、圧縮・伸長部41により伸長されてプリンタ3に供給され、コピー画像として用紙等の記録材に印刷される。ここに、伸長手段又は伸長機能が実行される。なお、RAM32に記憶された画像P1,P2は、変倍(拡大,縮小)、回転、白黒反転等の画像処理が行われる場合もある。
【0109】
このように本実施の形態では、第一の実施の形態の効果と同様な効果が得られ、さらに、識別分類された複数領域の属性を操作パネル33の表示器に表示することで、操作者は、複数領域の属性を確認することが可能となり、さらに、複写機1のCPU30により正確に領域属性が識別分類されたか否かを判断することができる。また、操作者が所定の必要領域属性を設定する際には、操作者は原画像Pが有する複数領域の属性を確認しながら希望する所定の必要領域属性を設定することができる。
【0110】
本発明の第三の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第一の実施の形態と基本的構成は同じであり、その相違点は複写機1のCPU30がプログラムに基づいて実行する画像処理であり、文字領域又は表領域の画像を文字コード化する文字コード化処理を実行する点である。ここで、文字領域及び表領域が文字コード化可能な領域である。なお、第一の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0111】
本実施の形態における複写機1のCPU30がプログラムに基づいて実行する画像処理について説明する。ここでは、複写機1によるコピー動作に伴う画像処理において、文字領域の画像を文字コード化する場合について図11及び図12を参照して説明する。図11は本実施の形態の画像処理の流れを概略的に示すフローチャート、図12はその画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【0112】
最初に、スキャナ2による原稿画像の読取に待機する(ステップS21のN)。操作者がスキャナ2の原稿圧板6を開放してコンタクトガラス5上に原稿をセットし、原稿圧板6を閉じて操作パネル33のコピースタートキーを押下すると、スキャナ2は読取光学系7のスキャニング動作でコンタクトガラス5上にセットされた原稿から原画像Gを読み取る。
【0113】
スキャナ2により原稿から原画像Gが読み取られると(S21のY)、必要領域抽出部40により、読み取られた原画像Gを複数の領域に分割し、原画像G中に混在する複数領域の属性を識別して、文字領域、写真領域、図領域、表領域等に分類し、分類した領域属性が所定の必要領域属性に一致する領域を必要領域U2として抽出する(S22)。ここに、必要領域抽出手段又は必要領域抽出機能が実行される。
【0114】
ここで、所定の必要領域属性は、操作パネル33に対する操作者の操作によって設定されている。例えば、操作パネル33に文字モードキーや写真モードキー等のモードキーを設け、文字モードキーが押下された場合には、文字領域属性が必要領域属性として設定され、写真モードキーが押下された場合には、写真領域属性が必要領域属性として設定され、両方のモードキーが押下された場合には、文字領域属性及び写真領域属性が必要領域属性として設定される。ここでは、両方のモードが操作者により選択されており、文字領域属性及び写真領域属性が必要領域属性として設定され、必要領域U2(図12中の斜線領域)が抽出される。
【0115】
次いで、文字領域が抽出されたか否か、すなわち、原画像の中に文字領域が存在するか否かを判断する(S23)。文字領域が存在する場合には(S23のY)、文字領域に対して文字画像G1を文字コード化するOCR(Optical Character recognition)処理を実行する(S24)。ここに、文字コード化手段又は文字コード化機能が実行される。なお、OCR処理としては、パターン・マッチング法や構造解析法等があり、これらの方法は公知であるため、その説明は省略する。
【0116】
続いて、圧縮・伸長部41により、文字領域以外の領域、ここでは、写真領域の画像G2を圧縮し、文字画像G1から生成された文字コードと一緒にRAM32に画像ファイルF3として記憶する(S25)。ここに、圧縮手段又は圧縮機能が実行される。なお、文字コードは画像ファイルF3に関連付けられた文字ファイルとして画像ファイルF3と別に記憶されても良い。
【0117】
文字領域が存在しない場合には(S23のN)、文字領域以外の領域、ここでは、写真領域の画像G2を圧縮し(S26)、RAM32に画像ファイルとして記憶する。ここに、圧縮手段又は圧縮機能が実行される。
【0118】
その後、RAM32に記憶された文字コード及び画像G2は、所定のタイミングで読み出され、画像G2が圧縮・伸長部41により伸長されると共に文字コードと統合され、画像G3が形成される。この画像G3がプリンタ3に供給され、コピー画像として用紙等の記録材に印刷される。ここに、伸長手段又は伸長機能が実行される。
【0119】
なお、RAM32に記憶された文字コード及び画像G2は、必要な位置情報等も有している。また、画像G3は、変倍(拡大,縮小)、回転、白黒反転等の画像処理が行われる場合もある。このような画像処理では、文字領域のフォントサイズを変更することで文字領域の文字画像G1を変倍し、また、写真領域の画像G2がJPEG2000アルゴリズムの圧縮手段により様々な解像度の画像として保持されているので、これらの中から最適な解像度の画像を選択することで、写真領域の画像G2を高画質から低画質に自由に記録材に形成することができる。さらに、画像G3を表示器等に表示する場合には、表示器の解像度等に合わせて写真領域の画像G2を伸長することができる。
【0120】
このように本実施の形態では、第一の実施の形態の効果と同様な効果が得られ、さらに、文字領域に対し文字コード化処理を実行することで、文字領域を構成する文字画像G1が文字コード化され、第一の実施の形態と比較すると、画像データサイズがより小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間がより短くなるので、さらなる画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【0121】
なお、各実施の形態においては、画像処理装置として複写機1を用いているが、これに限るものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ等を用いても良い。この場合、パーソナルコンピュータは、CPU、ROM、RAM、各種のプログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、CD−ROMドライブ、ネットワークを介し外部装置と通信により情報を伝達するための通信制御装置、処理経過や結果等を操作者に表示する表示装置、キーボードやマウス等の入力装置等を備えている。ここで、HDDは、前述したようなJPEG2000フォーマットの圧縮伸長用のプログラムを含むプログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
【0122】
なお、一般的には、パーソナルコンピュータのHDDにインストールされるプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等に記録され、この記録されたプログラムがHDDにインストールされる。このため、CD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体も、前述したようなJPEG2000フォーマットの圧縮伸長用のプログラムを含むプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、このようなプログラムは、例えば通信制御装置を介して外部から取込まれ、HDDにインストールされても良い。
【0123】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像処理装置によれば、原画像中から画像として必要とする必要領域を抽出する必要領域抽出手段と、前記必要領域抽出手段により抽出された前記必要領域の画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する圧縮手段と、を備えることから、必要領域の画像だけが圧縮され、不要領域の画像は圧縮されないため、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなるので、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【0124】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、前記必要領域の属性である所定の必要領域属性に基づいて前記原画像から前記必要領域を抽出することから、簡単にそして正確に必要領域を抽出することができる。
【0125】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の画像処理装置において、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の必要領域属性と一致する領域を前記必要領域として抽出することから、簡単にそして正確に必要領域を抽出することができる。
【0126】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別することから、2次元ウェーブレット変換による領域識別が行われるので、精度が高い領域識別を実行することができる。
【0127】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別することから、写真領域を精度高く識別することができる。
【0128】
請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別することから、文字領域を精度高く識別することができる。
【0129】
請求項7記載の発明によれば、請求項4、5又は6記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別することから、表領域を精度高く識別することができる。
【0130】
請求項8記載の発明によれば、請求項4、5、6又は7記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別することから、背景領域を精度高く識別することができる。
【0131】
請求項9記載の発明によれば、請求項3ないし8のいずれか一記載の画像処理装置において、前記必要領域抽出手段により識別分類された領域属性が文字コード化可能な領域属性である領域に対し、その領域の画像を文字コード化する文字コード化処理を実行する文字コード化手段を備えることから、文字コード化可能な領域属性である領域、例えば文字領域や表領域等に対し文字コード化処理を実行することで、文字領域や表領域を構成する画像が文字コード化され、画像データサイズがより小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間がより短くなるので、さらなる画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【0132】
請求項10記載の発明によれば、請求項3ないし9のいずれか一記載の画像処理装置において、画像を表示する表示部と、前記必要領域抽出手段により識別分類された複数領域の属性を前記表示部に表示させる表示手段と、を備えることから、識別分類された複数領域の属性を表示部に表示することで、操作者は、複数領域の属性を確認することができ、さらに、画像処理装置により正確に領域属性が識別分類されたか否かを判断することができる。また、操作者が所定の必要領域属性を設定する場合には、操作者は複数領域の属性を確認しながら希望する所定の必要領域属性を設定することができる。
【0133】
請求項11記載の発明によれば、請求項2ないし10のいずれか一記載の画像処理装置において、操作者による操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の必要領域属性を設定する必要領域属性設定手段と、を備えることから、操作部に対する操作者の操作によって操作者の希望に応じて必要領域属性が設定されるので、操作者は自由に必要領域を選択することができる。
【0134】
請求項12記載の発明によれば、請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置において、原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備えることから、原稿から原画像を読み取ることが可能になり、その結果として、この原画像に対し画像処理等の様々な処理を実行することができる。
【0135】
請求項13記載の発明によれば、請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置において、前記圧縮手段により圧縮された前記必要領域の画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長手段を備えることから、圧縮された必要領域の画像が伸張され、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することができる。
【0136】
請求項14記載の発明によれば、請求項13記載の画像処理装置において、前記伸長手段により伸長された前記必要領域の画像を記録材に画像形成するプリンタエンジンを備えることから、伸長された画像を用紙等の記録材に形成することが可能になり、その結果として、人による画像認識ができ、さらに、必要な画像だけを記録材に形成することができる。
【0137】
請求項15記載の発明のプログラムによれば、画像処理装置が備えるコンピュータによって解釈され、前記コンピュータに、原画像中から画像として必要とする必要領域を抽出する必要領域抽出機能と、前記必要領域抽出手段により抽出された前記必要領域の画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する圧縮機能と、を実行させることから、必要領域の画像だけが圧縮され、不要領域の画像は圧縮されないため、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなるので、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【0138】
請求項16記載の発明によれば、請求項15記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、前記必要領域の属性である所定の必要領域属性に基づいて前記原画像から前記必要領域を抽出することから、簡単にそして正確に必要領域を抽出することができる。
【0139】
請求項17記載の発明によれば、請求項16記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の必要領域属性と一致する領域を前記必要領域として抽出することから、簡単にそして正確に必要領域を抽出することができる。
【0140】
請求項18記載の発明によれば、請求項17記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別することから、2次元ウェーブレット変換による領域識別が行われるので、精度が高い領域識別を実行することができる。
【0141】
請求項19記載の発明によれば、請求項18記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別することから、写真領域を精度高く識別することができる。
【0142】
請求項20記載の発明によれば、請求項18又は19記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別することから、文字領域を精度高く識別することができる。
【0143】
請求項21記載の発明によれば、請求項18、19又は20記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別することから、表領域を精度高く識別することができる。
【0144】
請求項22記載の発明によれば、請求項18、19、20又は21記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別することから、背景領域を精度高く識別することができる。
【0145】
請求項23記載の発明によれば、請求項17ないし22のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記必要領域抽出手段により識別分類された領域属性が文字コード化可能な領域属性である領域に対し、その領域の画像を文字コード化する文字コード化処理を実行する文字コード化機能を前記コンピュータに実行させることから、文字コード化可能な領域属性である領域、例えば文字領域や表領域等に対し文字コード化処理を実行することで、文字領域や表領域を構成する画像が文字コード化され、画像データサイズがより小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間がより短くなるので、さらなる画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【0146】
請求項24記載の発明によれば、請求項17ないし23のいずれか一記載のプログラムにおいて、画像を表示する表示部に対し、前記必要領域抽出手段により識別分類された複数領域の属性を表示させる表示機能を前記コンピュータに実行させることから、識別分類された複数領域の属性を表示部に表示することで、操作者は、複数領域の属性を確認することができ、さらに、画像処理装置により正確に領域属性が識別分類されたか否かを判断することができる。また、操作者が所定の必要領域属性を設定する場合には、操作者は複数領域の属性を確認しながら希望する所定の必要領域属性を設定することができる。
【0147】
請求項25記載の発明によれば、請求項16又は24記載のプログラムにおいて、操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の必要領域属性を設定する必要領域属性設定機能を前記コンピュータに実行させることから、操作部に対する操作者の操作によって操作者の希望に応じて必要領域属性が設定されるので、操作者は自由に必要領域を選択することができる。
【0148】
請求項26記載の発明によれば、請求項15ないし25のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能により圧縮された前記必要領域の画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長機能を前記コンピュータに実行させることから、圧縮された必要領域の画像が伸張され、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することができる。
【0149】
請求項27記載の発明のコンピュータ読取可能な記憶媒体によれば、請求項15ないし26のいずれか一記載のプログラムを記憶していることから、請求項15ないし26のいずれか一記載の発明と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】JPEG2000アルゴリズムの概要を説明するための機能ブロック図である。
【図2】カラー画像である原画像の分割された各コンポーネントの一例を概略的に示す模式図である。
【図3】デコンポジションレベル数が3である場合の各デコンポジションレベルにおけるサブバンドを概略的に示す模式図である。
【図4】コードストリームの構造の一例を概略的に示す模式図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態の複写機を概略的に示す縦断面図である。
【図6】複写機の制御系のうち、画像処理に関わる制御系の電気的な接続を概略的に示すブロック図である。
【図7】複写機における画像処理の概要を説明するための機能ブロック図である。
【図8】本発明の第一の実施の形態の画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図9】本発明の第一又は第二の実施の形態の画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【図10】本発明の第二の実施の形態の画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図11】本発明の第三の実施の形態の画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図12】本発明の第三の実施の形態の画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像処理装置(複写機)
7 読取光学系
17 プリンタエンジン
31 記憶媒体(ROM)
33 表示部、操作部(操作パネル)
40 必要領域抽出手段、必要領域抽出機能(必要領域抽出部)
41 圧縮手段、伸長手段、圧縮機能、伸長機能(圧縮・伸長部)

Claims (27)

  1. 原画像中から画像として必要とする必要領域を抽出する必要領域抽出手段と、
    前記必要領域抽出手段により抽出された前記必要領域の画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する圧縮手段と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記必要領域抽出手段は、前記必要領域の属性である所定の必要領域属性に基づいて前記原画像から前記必要領域を抽出する請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記必要領域抽出手段は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の必要領域属性と一致する領域を前記必要領域として抽出する請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記必要領域抽出手段は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別する請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別する請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別する請求項4又は5記載の画像処理装置。
  7. 前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別する請求項4、5又は6記載の画像処理装置。
  8. 前記必要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別する請求項4、5、6又は7記載の画像処理装置。
  9. 前記必要領域抽出手段により識別分類された領域属性が文字コード化可能な領域属性である領域に対し、その領域の画像を文字コード化する文字コード化処理を実行する文字コード化手段を備える請求項3ないし8のいずれか一記載の画像処理装置。
  10. 画像を表示する表示部と、
    前記必要領域抽出手段により識別分類された複数領域の属性を前記表示部に表示させる表示手段と、
    を備える請求項3ないし9のいずれか一記載の画像処理装置。
  11. 操作者による操作を受け付ける操作部と、
    前記操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の必要領域属性を設定する必要領域属性設定手段と、
    を備える請求項2ないし10のいずれか一記載の画像処理装置。
  12. 原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備える請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置。
  13. 前記圧縮手段により圧縮された前記必要領域の画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長手段を備える請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置。
  14. 前記伸長手段により伸長された前記必要領域の画像を記録材に画像形成するプリンタエンジンを備える請求項13記載の画像処理装置。
  15. 画像処理装置が備えるコンピュータによって解釈され、前記コンピュータに、
    原画像中から画像として必要とする必要領域を抽出する必要領域抽出機能と、
    前記必要領域抽出手段により抽出された前記必要領域の画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する圧縮機能と、
    を実行させるプログラム。
  16. 前記必要領域抽出機能は、前記必要領域の属性である所定の必要領域属性に基づいて前記原画像から前記必要領域を抽出する請求項15記載のプログラム。
  17. 前記必要領域抽出機能は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の必要領域属性と一致する領域を前記必要領域として抽出する請求項16記載のプログラム。
  18. 前記必要領域抽出機能は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別する請求項17記載のプログラム。
  19. 前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別する請求項18記載のプログラム。
  20. 前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別する請求項18又は19記載のプログラム。
  21. 前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別する請求項18、19又は20記載のプログラム。
  22. 前記必要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別する請求項18、19、20又は21記載のプログラム。
  23. 前記必要領域抽出手段により識別分類された領域属性が文字コード化可能な領域属性である領域に対し、その領域の画像を文字コード化する文字コード化処理を実行する文字コード化機能を前記コンピュータに実行させる請求項17ないし22のいずれか一記載のプログラム。
  24. 画像を表示する表示部に対し、前記必要領域抽出手段により識別分類された複数領域の属性を表示させる表示機能を前記コンピュータに実行させる請求項17ないし23のいずれか一記載のプログラム。
  25. 操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の必要領域属性を設定する必要領域属性設定機能を前記コンピュータに実行させる請求項16又は24記載のプログラム。
  26. 前記圧縮機能により圧縮された前記必要領域の画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長機能を前記コンピュータに実行させる請求項15ないし25のいずれか一記載のプログラム。
  27. 請求項15ないし26のいずれか一記載のプログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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